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【ときメモ】ときめきメモリアルSS総合スレ

1 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/06(火) 20:03:17 ID:5DqS8Q41.net
思いをぶちまけろ!
エロネタはエロパロで。

2 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/06(火) 20:15:05 ID:7CUWjOSu.net
>>1!お前の思い切りの良い行動にッ!僕は敬意を表するッ!

たくさん書き込まれるといいなぁ

3 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/06(火) 20:18:18 ID:6/pHddbs.net
>1乙。最近流行ってるみたいだから集まると嬉しいな。

4 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/06(火) 20:19:03 ID:7CUWjOSu.net
姉妹スレ

ときめきメモリアルでエロパロ
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1260374817/l50

5 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/06(火) 20:51:58 ID:YGaMmRwG.net
全シリーズか

6 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/06(火) 20:55:56 ID:HIayygvK.net
これも貼っておこう
http://jfk.2ch.net/test/read.cgi/gal/1225599747/

7 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/06(火) 22:11:31 ID:IxuVf2iY.net
こっちか
できたら全力で貼るわ

8 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/06(火) 22:12:27 ID:IxuVf2iY.net
ひとまず前に書いたハルちゃん貼る
どこに貼っていいかわからんからエロパロに貼ったやつだが

9 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/06(火) 22:13:46 ID:IxuVf2iY.net
「あ、ハルちゃん唇にクリームついてるよ」
手で慌てて拭おうとしたら先輩の顔が近づいてきて――
あまりに一瞬で最初は何が起こったかわからなかった。
顔が近づいてきて、そして――先輩がクリームを・・・

舐め取った…!

確かに唇の端に先輩の唇が…舌が…
感触がまだ残ってる気がする…

今何が起こったのか、理解するのに時間がかかった。
「えっ!?せ…先輩今…」
恥ずかしくて続きが言えない。顔が赤くなっていくのが自分でもわかる。
「ハルちゃんどうかしたの?」
先輩が不思議そうな顔で答える。
「えっ…その、わたしについてたクリームを…」
言えば余計恥ずかしくなってしまう。きっと今のわたしは耳まで真っ赤に違いない。
「ごめん、もしかして嫌だった…かな?」
先輩が少し困ったような顔をする。
「えっ…い、嫌じゃないです!全然嫌じゃないです!むしろうれし――えと…その…」
わたしは何を言おうとしてるんだろう。恥ずかしくて自分でも何を言ってるのかわからない。
「えーとですね…いきなりだからびっくりしちゃって…すごく恥ずかしくて…」
「そっかよかった。嫌われちゃったかと思ったよ」
先輩が嬉しそうな笑顔をわたしにむける。
わたしの好きな先輩の笑顔。わたしの心を暖かくしてくれる笑顔――

「あの…先輩。実はまだクリームが唇についてる気がするんです」
どうしてこんな大胆なことが言えたのか、今でもわからない。
ただもっと先輩と近づきたい。さっきの感触をもう一度――
「えっ?」
先輩の動きが一瞬止まる。そしてわたしの言った意味を理解する。

10 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/06(火) 22:15:23 ID:IxuVf2iY.net
「ハルちゃん――」
先輩がわたしを抱き寄せる。
先輩の顔が――こんなに近くに…

恥ずかしくて目を瞑る。心臓の高鳴りが聞こえる。
きっと先輩にも聞こえてる…

「――んっ」
唇が塞がれる。先輩の唇の感触――
そのまま身体を先輩にあずける。
軽く触れている程度、でもすごくすごく優しいキス。
先輩の優しさが、愛情が伝わってくる。
どのくらいそうしてたんだろう――5秒、10秒、もっと長かったかのしれない。
すっと先輩の唇が離れる。

「ハルちゃん…」
ゆっくり目を開くと、目の前には少し恥ずかしそうにしてる先輩の顔。
また心臓の鼓動が早くなる。今起きたことを思い出すだけで頬が熱くなる。
「キス…しちゃいましたね」
「うん…」
「キスって気持ちいいんですね。あ、でも先輩とだからかな」
思ったことを述べる。
それを聞いた先輩はなんだかとても嬉しそうだ。
「きゃっ!」
いきなり先輩に強く抱きしめられた。
「せ、先輩っ?」
「だってハルちゃんが可愛いこというから、つい」
わたし何か言ったかな?そんなことを考えていたら、先輩の手がそっとわたしの頭を撫でた。
すごく気持ちいい。このまま先輩に身体を預けてしまって、もっと甘えたい。
「先輩…もっとなでなでしてください」
「うん…」

11 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/06(火) 22:16:09 ID:IxuVf2iY.net
それからしばらくは猫になったようだった。きっとわたしが猫だったら喉を鳴らしてるんだろうな。
気持ちよくて、なんだか頭がぼーっとしてくる。
それに先輩の胸の中はとても気持ちがいい。落ち着く匂い…
そっかわたし、先輩とキスしちゃったんだ…
あの時の感触を思い出し、そっと唇を指でなぞる。
もっと…したい…先輩にならもっとされてもいい…
「先輩…もっとその、キ…キスを…」
恥ずかしい。耳が熱い。続きが言えない…
先輩が優しい瞳で見つめてくる。
先輩の手がわたしのあごを少し持ち上げて、そして――わたし達は二回目のキスをした。

「んっ…!」
先輩がわたしの下唇を噛む。ほんの少しだけ歯をたてるように。
思わず声がもれる。身体が痺れる。
そのままするりと先輩の舌が口内に入ってくる。
わたしもゆっくりと舌を絡める。
そのままわたし達は夢中でキスをした。
ゆっくり先輩の唇が離れる。口元から光った糸が伸びる。
その糸は少し伸びるとやがてぷつりと切れた。
「はぁ…はぁ…」
酸素が欲しくて深呼吸をする。
苦しかったのは、呼吸ができなかったからだけではない。
もう一度息を大きく吸い込んで先輩の顔を見る。
先輩は顔が紅潮してる…きっとわたしも…
なんだか顔を直視するのが恥ずかしくて、先輩に抱きついて顔を胸にうずめる。
先輩の手が優しく背中を撫でてくれる。
先輩の胸の中はとても気持ちよくて、いい匂いがして落ち着いた。

もういちど顔をあげて先輩の顔をみる。

12 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/06(火) 22:17:09 ID:IxuVf2iY.net
「先輩…大好きです」
「俺もハルちゃんのこと大好きだよ」
何度も聞いた言葉が嬉しい。
「なんだかわたし、ケーキになったみたいですね。先輩に食べられちゃった」
先輩が少し笑う。
「そうだね、ハルちゃんとっても甘かったし」
言われると急に恥ずかしくなってしまう。
「今度はわたしが先輩食べちゃいますよー」
照れ隠しでそう言ってみた。
「あはは、ならおいしく召し上がっていただかないとね」
先輩は恥ずかしいことをさらっと言う。
「じゃあ…今日は…」
そういってわたしから先輩に口付けをした。
短い、唇が触れる程度のキス。
「先輩の唇いただきました」
そう言って先輩の手を握った。
もうすぐお仕事の時間。
だから今は先輩の胸の中で甘えさせてください――

13 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/06(火) 22:45:28 ID:hgQT/peX.net
乙でした!!

14 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/07(水) 07:29:37 ID:S+4Z8Fkm.net
乙〜

一応「片桐彩子と〜」と住みわける形で良いのかな?
っていうかSSあったの知らなかった…

さて、次の作品まで待機

15 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/07(水) 07:51:32 ID:x5EZG3iZ.net
>>1乙です
頑張って新しい考えるけどとりあえず
以前キャラスレに貼ったやつをこっちにも貼っていいかな?

16 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/07(水) 08:07:37 ID:S+4Z8Fkm.net
>>15
まだまだ認知されてないスレでは保守にもなるし、見てない人もいるかもだから良いんじゃない?

あとどれくらいあったっけ?

17 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/07(水) 08:50:49 ID:x5EZG3iZ.net
>>16
自分が書いたのは4つ、とりあえずそれだけ貼ろうかと
短いやつばっかりだしね

18 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/07(水) 08:54:09 ID:x5EZG3iZ.net
『な禁』
卒業を間近に控えたある日のこと。
卒業生代表として、答辞のスピーチをすることになった私、星川真希は、
原稿の準備に追われていた。実は私、こういうの苦手なんだよね。
うーん、どうしよう?何も思い浮かばないよ?気は焦るばかり…。
もう、頭ぐるぐるだよ…あ、そうそう。こういう時こそあれだよ!
先輩が差し入れてくれた、頭スッキリスペシャルドリンク…。
んっ、ゴクゴクゴク…はーっ。あ、あれ?ホントに頭がスッキリしてきたよ?
良かった!これで答辞もバッチリ!な〜………?あれ?な〜………?
あれ?『な〜んてね』が言えない…な、なんか、へんだよ?な…?な…?な?
そうそう、確かドリンクに注意書きのメモがついてたよ?えっと、なになに…
--------------------------------------------------------------
卒業式の答辞でうっかり『な〜んてね』と言わないよう、
このドリンクは一定期間『な〜んてね』を言えなくなる効果があります。
『な〜んてね』は、この私と、キャラがかぶるし…なんてね。
PS.卒業式が終わる頃にはちゃんと治るから心配いらないわよ。
--------------------------------------------------------------
えっ!?えっ!? ええーーーーっ???


19 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/07(水) 08:55:03 ID:x5EZG3iZ.net
それから数日後、私は突然、男子生徒Aくんから告白された。
……そして、その日の帰り道、主人公くんと一緒に下校。
なんとなくギコチない主人公くん。……っていう、私もギコチない。
もちろん、告白されたのもあるけど『な〜んてね』と言えなくて、
我ながら言葉遣いがへん。「………」「………」気まずい沈黙……。
河原まで来たところで、主人公くんが訊きづらそうに
「もしかして、告白されてた?」「うん。でも、ちゃん断ったよ?
……好きじゃないのに付き合うのは、かえって失礼だと思うし。
階段のところにいたの、キミだったんでしょ?」
「うん。盗み聞きするつもりはなかったんだけど、偶然…」
「うん。わかってる…」ちょっと表情が柔らかくなった主人公くん。
私は「でさ、その告白聞いて、キミは…どう思った?」「えっ?」
「…」「……」「………」「な、な〜…………(んてね!が言えないよ!)」
「えっ?」「な、なんちゃって……」
「……ど、どうしたの星川さん、普段の君はそんな事言わないぞ?」
うわーん!たたたたっ!私は急に夕日に向かって走り出した。

20 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/07(水) 08:56:04 ID:x5EZG3iZ.net
はぁはぁ…はぁはぁ……ずいぶん走った気がする……。
「……やっと止まった。いったいどうしたの、星川さん?」主人公くん…
追いかけてきてくれたんだ…。嬉しい。でも、恥ずかしい…な(言えない)
『な〜んてね』が言えない私なんて私じゃない…な…、な…やっぱり言えない。
言えないよ〜ぐすっ。「星川さん、もしかして『な〜んてね』が言えないの?」
主人公くん、いつもはわりと鈍感だけど、たまにエスパーのように察しがいい。
「う、うん…ごめんね。こんな私で…」「えっ、あ、いや…可愛いよ」
「えっ、そ、そんな突然。でも嬉しいな、えへへ…」
「良かった、笑顔が戻った。それでこそ星川さんだよ」主人公くん、優しいね。
そう、いつも優しい…。私は、そんな彼のことが…「大好き…(な〜んてね)」
「お、俺も、星川さんの事が大好きだよ!」えっ、えっ?えええええええーっ!?
こ、こんなところで、うっかり告白して、しかも、OKされちゃったよ!?
「ゴーン!」「ゴーン!」「ゴーン!」とつぜん鐘の音がした。
「おおーっ、伝説の鐘の音、はじめて聞いたっすよ!?」
そこには見知らぬ女の子が立っていた。「あれ?正志? なんで女装してる?」
ポカンとした顔でその娘を見つめる主人公くん。
「正志じゃなーい!私は七河瑠依。正志の双子の姉でっす!」
「七河くんのお姉さん?」「そう。そして此処はひびきの高校!キミたちは、
ひびきの名物『伝説の鐘』を超久しぶりに鳴らしたっす。卒業式でも無いのに!
ううみゅ、やっぱし…『きらめきの生徒はバケモノか!』なんすねぇ……」

21 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/07(水) 09:00:57 ID:x5EZG3iZ.net
『キミの声が聞きたいな』
キミに会えない日曜日。
いくら学校大好きな私でも、お休みの日に、早く明日にならないかな?
なんて、タメイキつく日が来るとは思わなかったよ。
なんかね。つぐみとお茶してる今だって、キミの事ばかり考えちゃう。
『真希、それは、恋だよ…』
な〜んてね。電話かかってこないかな?キミの声が聞きたいな。
キミの声、笑うと歯がキラッて光る口元を思い浮かべながら、
私はカップに、口づける………………!!……………に、にが〜〜〜!!!
「あーあ、言わんこっちゃない。『真希、それは私のコーヒーだよ?』
って言ったのに。聞こえなかったの?」「つぐみ!?」
顔を上げると、つぐみが悪戯っぽい目つきで私の顔を覗きこんでた。
「ははーん。アンタ今、アイツのこと考えてたでしょ?」「!!」
「図星ね?」眼鏡を指で直しながら、にやにやするつぐみ。
「まったく、口をとんがらかせて、まるでチューでもするみたいに、
私のコーヒー間違えて飲んじゃうんだから…」
「ええっ!?そ、そんな口してないよー?私!」「しーてましたー!」
「してない!」「してた!」「してない!」「してた!」「してない!」「してた!」
「じゃ、じゃあ…何時何分何秒にしてたって言うの?」
へへーん!つぐみの台詞取っちゃった!な〜んてね。
「14時23分45秒!」げっ?「あま〜い甘い!甘すぎるわ真希ぃ〜」
はううううう…。「甘すぎる罰として、今度アンタがアイツをうちに
連れてきた時には、アイツに特別にがーいコーヒーを入れてやるから。
覚悟しといてよ!」しゅん…。
========================================================
そして…、キミに会える日曜日。
公園デートのあと、つぐみの喫茶店でお茶。コーヒーを飲むキミを見つめる。
「な、何かな? そんなに見られると、飲みにくいんだけど…」
「えへへ…」「?」そんなキミの背後でつぐみが声を出さずに口をうごかして…
『こ・お・ひ・い・の・あ・れ・う・そ・だ・か・ら』ニヤリっ!
…ぎゃふーん!

22 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/07(水) 09:12:47 ID:x5EZG3iZ.net
『メリクリ』
ま、まさかこんな事になろうとは……
クリスマスイブの夜、可愛いミニスカサンタの皐月先輩とホワイトクリスマス。
生涯最高の夜のはずだった。そう、先輩のリクエストに応えて遠回りして帰るまでは。
……舞い上がって先輩の超方向音痴を忘れてた。俺さま一生の不覚。
…………それにしてもいったいここはどこなんだ?体も冷えてきたし先輩が心配だ。
「よう!どうしたんだ?こんなところで」「正志!」「め、メリークリスマス。七河君」
「あれ?皐月先輩と一緒か。…ふうん、おまえやるじゃないか」
「い、いやそれが…道に、迷っちまって」「ええっ!?道に迷うって……バカか、お前?」
「…面目ない。ところで、ここはどこなんだ?全然わからなくてさ」
「俺ん家の前。立ち話もなんだからさ。家に入らないか?雪降ってて体も冷えただろうし」
「え、いいのか?正志」「当然、俺たち親友だろ?さ、皐月先輩も上がってください」
「そ、そうね。それじゃ失礼してお邪魔しちゃおうかしら?本当にありがとう七河君」
「いえいえ、お安い御用です。……実は、ちょっと立て込んでますが気になさらず」
かくして、俺と皐月先輩は今年最大のピンチからなんとか脱出できた…はずだった。
「さ、こっち。ここが俺の部屋。皐月先輩もどうぞ」「おじゃまします…」
トレーニング器具が置かれてたりするが、男の部屋としてはかなり整頓されている部屋。
「ただしー!正志!もしかして、誰かきたっすかー?」「ヤバイ、姉さんだ!」
「七河くんのお姉さん?そう言えば、ときどき学校へ来てたわよね?」
「実は今、姉さん明日の同人誌イベントの原稿が進まなくてピリピリしてるんだ」
「えっ、俺たち悪いところにきちゃったんだな?スマン…」「いいさ。ただ…」「ただ?」
「見つかると、強制的に手伝わされることになる…」「ええっ!?」「正志ぃぃぃぃ!?」
「(ヤバッきたぞ。電気を消すから布団に隠れろっ!!)」

23 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/07(水) 09:15:21 ID:x5EZG3iZ.net
どうする?
『イイ匂いのする布団』…あるわけない!選択肢は一択しかない。そう……
『とても大きい布団』だ!とうっ……がさごそ……ぎゅう……あれ?
「(す、すみません。狭いけど我慢してくだい…)」「(ううん、私の方こそごめんなさい)」
さ、三人で一つの布団。俺と正志で皐月サンタをサンドイッチ………!!!
「(先輩、大変なことになっちゃって…)」「(ううん、いいのよ。だって…)」
先輩の声が耳元でくすぐったい。
「(修学旅行でイイ匂いのする布団とか、私もやってみたかったんだもの…あ・な・た・と)」
「えっ!?」「ううん、なんでもないの!」「(しっ、声がでかい!)」
どんどんどんどん!突然、扉をたたく音。「姉さん!」止める間もなくドアが開く「でぇい!」
「高芸術パラの匂いがする!戦力の匂いがする!ココかああああっーー!?」ぶぁさ!
バァーーーン!!!み、みつかってシマタ…「さ、サンタコス!?キターー!!」
「もしかして、先輩も明日のイベント、半年に一度のヲタクのお祭りに、行くっすか!?」
「えっ、お祭り!? 私、お祭り大好きなの!」

24 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/07(水) 09:18:03 ID:x5EZG3iZ.net
『ハミング』
近づいてくる、アンダンテ・ドルチェ。あのヒトと同じリズム。
……でも、もっと柔らかな足音。控えめなハミングが、
わたしの音譜の先に、ほんのりと淡紅色をのせる。「…大倉さん?」
「あっ、ご、ごめんなさい。あたしったら、演奏の邪魔をしちゃったみたい」
「ううん、そんなことない。とっても素敵なハミングだった」
「えっ? そ、そんな…あ、あたしなんて」彼女は、ポニーテールの髪を
大きく揺らしてかぶりをふり、顔を真っ赤にしてうつむく。
美人で、控えめで、とても可愛いひと。「それで、何のご用?」
「あ、そうそう。この楽譜、廊下に落ちてたんだけど、響野さんのでしょ?」
……差し出された一枚の楽譜。「あっ、うん。…ありがとう」
いつもながら落とした事に全然気づいてなかった「…反省」
「良かった。…あの、もしかしてこの楽譜、今演奏してた曲の?」「うん」
「そ、それで…」彼女は訊きづらそうに話を続ける。
「あ、あの…ま、間違ってたらごめんなさい。この曲はもしかして、彼の…?」
……今度は、私が赤くなる番。「うん。そう、あのヒトのことを歌った曲」
「あっ……。やっぱり、そうだったんだ。あたしなんだか、とっても懐かしい、
やさしい気持ちになっちゃって。気づいたら、思わずハミングしてたの…」
どこか遠くを見るような瞳で、呟くように話す彼女を、わたしは見つめる。
「大倉さん…。あなたは……」
彼女は「えっ、う、ううん、そんなんじゃない!そんなんじゃないの…」
視線をそらし「だ、だって彼は、卒業したらウィーンに行ってしまう」
遠く離れた留学先を「彼や響野さんと違ってあたしには音楽の才能ないし」
その遥かな距離を思い浮かべ「だ、だから、あたしには、そんな資格…」

25 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/07(水) 09:19:18 ID:x5EZG3iZ.net
……でも「でも…。それでも、好き。なんでしょう?」
………長い休符の後「…うん」彼女は、微かにうなずいた。
「わたしも。…ねぇ大倉さん?なにかを大切に思ったりその想いを伝えるのに、
資格なんていらない。わたしはそれを、あのヒトに教えてもらったの。
学校の賛歌のことで悩んでいたわたしに、そう気づかせてくれた…」
「そう…だったんだ。そう…、うん、とっても彼……らしいわね」
彼女は目を閉じ、手を胸にあてた。
「うん。きっと、あのヒトは、わかってないと思うけど」
「うふふ、そうね。きっとそう」わたしと彼女とふたり、
目をあわせ、くすくす…どちらからともなく、ほほえみあう。
「…おかしいね。あたしたち」「うん、おかしい…」
「ねぇ、響野さん。さっきの曲、もう一度だけ聴かせてくれる?」
「あ、うん…」すぐピアノを弾きはじめる。わたしも同じ気持だったから。
彼女のハミングは、この曲に足りなかったもの。
あのヒトとデートした時の、わたしの胸の高なりを、再生させてくれる。
そう思いながら、わたしはそれを、密かに、心の譜面に書き留めた。

26 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/07(水) 09:45:47 ID:S+4Z8Fkm.net
乙!

響野さんのやつもだったのか!
コントみたいのしか書けないって言ってたからさ

特に良かったよこれ

二人とも新作を期待してるぜ!

27 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/07(水) 14:32:15 ID:x5EZG3iZ.net
久しぶりに手をつないだあの日から…
あなたに触れるたびに、新しいあなたが染みこんでくる。潮のように満ちてくる……
======『 月光 』==============================================
今日は卒業式だ。卒業生代表として、答辞を読む真希の声が震えている。
長くて短い三年間。俺は悔いの残らないよう何事も全力挑んできた。
生徒会役員を勤めながら、サッカー部全国大会男女W優勝。テストで全教科100点、
学校行事での活躍。番長戦。……最高の高校生活を過ごせたと胸をはって言える、
そして、その最後の締めくくるのが…そう、きらめき高校の伝説。
滞りなく式が終わり教室に戻った俺は、そそくさと自分の机に駆け寄った。
手紙は入ってるだろうか?……あった!………って?…………なんじゃぁこりゃー!?
ずどどどどどどどどどーーーーーー!!!!大量の手紙が机の中から溢れ出した。
「どーすりゃいいんだ…」一瞬、呆気にとられる俺。しかしすぐ背中に冷たい視線を…。
「み、み、み、都子……!」教室の入り口に、長い髪を腰までおろした都子が立っていた。
「み、みた?」「………」「み、都子、違うんだ。違うんだこれはーっ!!」「……………」
……無言のまま、都子はいってしまった……。
俺はがっくしと膝をついた。もう告白どころではなくなってしまった…。

28 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/07(水) 14:33:02 ID:x5EZG3iZ.net
そしてその夜。当然と言えば当然だが、例によってあの恐ろしいウサギが現れた。
「セニョーーーーール!!」鉄パイプ片手に鬼の形相である。「ひいっ?ご、ご勘弁を…」
「まーったく、てめーはどんだけバカなんだよ!?あれほど爆弾処理なんか必要ねぇって
ボクが口をすっぱくして忠告してやったのに。ああっ?」眼光鋭く睨めまわすウサギに、
平伏する俺。「お、おっしゃるとおりで…」「ふん…。もういい」「は?」「もう、いい!」
「へっ?」「もういいって言ってんだよ。この唐変木が!?」ウサギがため息をついた…
ように見えた。「いいか?てめーはこれからまだ、やらなきゃなんねー事があるんだよ!?
ボクは、今すぐてめーをぶちのめしてーんだが、もう時間がないんだ…」「???」
「今すぐ、高校へ行け!セキュリティーはボクが潰すから、気にするな……」

29 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/07(水) 14:34:33 ID:x5EZG3iZ.net
昼間は、大勢のカップルを祝福してさぞや忙しかった事だろう。お疲れ…
『伝説の樹』…今夜は満月…月の光に照らされながら、その古木はひっそりと佇んでいた。
『急いで伝説の樹に行け。都子ちゃんが待ってるから』ウサギのその言葉どおり、
伝説の樹のたもとに、都子が立っていた。
黒く輝く長い髪、今夜の月のように青白く輝く顔、細くて華奢な身体、壮絶に美しい…。
こんなに素敵な娘を、大切な幼なじみを、よりによって俺は……。
「都子…」「来て……くれたのね……」「都子、ご、ごめん。お、俺が…」謝ろう!
誠心誠意謝って、それから都子に気持ちを伝えるんだ…話を切り出そうとした俺を、
都子の手が遮った。「ま、………待って……」「?」
「あ、あたし……あたしから先に話をさせて。本当に、本当に大事な話なの……」「うん…」
「ありがとう………」都子は両手を胸の上にあてて目を閉じ、深呼吸をしてから、再び、
その紅い瞳を開き、何時になく真剣な眼差しで俺を目をあわせる。
「あたし………月へ………帰る」「へっ!?」「サヨウナラ………………」み、みやこ!?
おれをおいていかないでくれ!お前がスキだ!アイシテルんだ!
ずっと、ずっと一緒に居たいんだ………………みやこおおおおおおおおおおおお!!!!

30 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/07(水) 14:35:31 ID:x5EZG3iZ.net
……ばこん!!「イテッ!?」
………あれ?…………ゆめ?…………夢か?……夢、だったのか……???
「ほーら!起きた起きた!新学期初日から遅刻なんて、あたしは嫌だからね!?」
ぼーーっ?……「あれ?ち、ちょっと強くたたきすぎたかしら…だ、大丈夫?」「うん…」
「ほっ」「なんか、とても恐ろしい夢をみた気が……する……んだけど……思い出せない」
「え、もしかして記憶喪失?カバンで叩いちゃったから?ええと…あたしが誰かわかる?」
「大倉都子。幼なじみで、俺の恋人」「ぴんぽーん正解!……うふふ、大変よろしい」
なでなでなで…嬉しそうに都子が俺の頭を撫でる。可愛い都子。そんな都子を俺は…
「都子…」見つめる。「な、な…なに?」「誰も…見てないよな」「そ、そうね…」「いい?」
「………断れないの、わかってるクセに……」……ん、んんっ……んっ…。…………。
…………ちょっと待て?「なあ都子……。これってなんか……、ゲーム違わない?」
「別に違ってもいいじゃない。これは、あなたが望んだことよ?うふふ」「でも…」…んっ
都子の唇が、俺の口を塞ぐ……
「うふふ、ずっと、ずっと、ずーっと、一緒にいようねっ……」

=========================================終わらない(続かないけど)===

31 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/07(水) 20:04:24 ID:4GvoS3ik.net
知姫先輩投下するか


「さああがって」
「ええ、それじゃお邪魔します」


俺は今知姫先輩の家に遊びに来ている。
デートの帰りに先輩を家まで送ったことはあるが、部屋に上がるのは初めてだ。
この前大学で資料作成につき合わされて、そのご褒美ってやつだ。


「え、資料作成ってこんなにたくさんあるんですか…?」
目の前にある大量のデータ。いかん頭が痛くなってくる。
これ全部終らすのにどれだけ時間かかるんだ…?
「もちろんタダとは言わないわよ。」
先輩がいたずらっぽい笑みを浮かべる。
「そーねー……うんそうだ、今度の日曜日にわたしの部屋に招待してあげるわ」
「えっ、ほんとですか?」
思わず声が上ずる。
「お姉さんは嘘は付かないわよ、んふふ」
先輩が顎に手をあてニコリと微笑む。
思わずその笑顔に見惚れてしまう。
「さっ、やる気でたかしら?早速取り掛かるわよ」
「はっはい」


――結局資料は三日で纏まった。それも先輩が的確に指示してくれるおかげなわけだが。
しかし――この膨大な量が三日で終るとは…
あらためて先輩を尊敬する。
俺も頑張って先輩と同じ学校にはきたが…その差を思い知らされるな。

32 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/07(水) 20:05:54 ID:4GvoS3ik.net
「さすが先輩ですね。まさか三日で仕上がるなんて」
「あら、後輩君がいてくれたお陰よ。わたし一人じゃとても無理よ」
先輩にこう言ってもらえると認めてもらったようで、素直にうれしい。
「ほんとに感謝してるわよ。すっかり頼れる男の子になってくれてお姉さん嬉しいわ」
「でもさすがにちょっと疲れたわね…」
先輩は立ち上がると、俺の隣に腰を下ろした。
「ちょっと肩貸して貰うわね」
そう言って先輩がもたれかかってくる。
「んー、あなたの隣ってとっても落ち着くわ」
「俺もですよ」
先輩の手をそっと握る。先輩も握り返してくる。
肩越しには先輩の整った顔。ほのかにシャンプーの香りが鼻腔をくすぐる。

――ものの五分もしないうちに先輩は眠りについていた。
やっぱり疲れてたんだな…先輩の寝顔を見つめながらボケッとそんなことを考える。
普段は綺麗なお姉さんだけど、寝顔は…すごく可愛い。握ってた手をそっと離して、先輩の頭を撫でる。綺麗に手櫛が通るさらさらの髪。
次第にも俺もにまどろみが訪れてきた。
…俺も少し寝るかな。かなり疲れてたみたいだし…
目を瞑ると俺はそのまま深い眠りに落ちていった。

目が覚めたのは二時間ほど立ってからだった
隣を見るとまだ先輩は寝息を立てている。
腕時計に目をやると時間は22時を指していた。
そろそろ起こすか。
「先輩、そろそろ起きてください」
先輩の肩を優しく揺する
「んっ……んー後輩…くん?」
先輩がまだ眠そうに目をこする。
「おはようございます、先輩」
「すっかり寝ちゃったわね…今何時かしら?」
「ちょうど22時くらいですね」
そういって腕時計を先輩に見せた。

33 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/07(水) 20:07:06 ID:4GvoS3ik.net
「そろそろ帰らないと行けないわね…」
先輩はまだ眠そうだ。
「さあ後輩君、家までエスコートしてくれるかしら?」
知姫先輩がウィンクをする。
「もちろんですよ、お姫様」
おどけてそう言ってみせる。
「ふふ…じゃあお願いするわね」
先輩が右手を差し出す。その手を握って俺は姫様をエスコートした


――先輩の自宅の玄関前で挨拶を交わして俺は帰宅した。
さっき言った先輩の言葉…
頭の中で反芻する。
「それじゃあ約束通り、明日は家で待ってるわね」
明日は先輩の家…
やっぱり…その…期待してもいいのかな?
先輩と付き合うようになってから三ヶ月。手を繋いだ以上の進展は今のところない。
先輩の寝顔を思い出す。柔らかそうな唇…
先輩とキス…
そんなことを考えているうちに俺は本日二回目の眠りに落ちていた


――ここが知姫先輩の部屋…
想像通り部屋は綺麗にまとまっていた。
本棚にはかなりの数の学術書、そして結晶構造の顕微鏡写真集も並んでいた。
思わず目が留まる…知姫先輩の誕生日に贈った始めてのプレンゼント。
「だいじに取っててくれたんですね」
俺の視線に気づいた先輩が答える。
「あたりまえでしょ。キミが初めてくれたプレゼント。何度も見てるわよ」
なんだか胸が熱くなる。
「懐かしいわね…そろそろ丸三年立つのかしら」
そう言って少し物思いに耽る先輩。

34 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/07(水) 20:07:56 ID:4GvoS3ik.net
「さっ、適当にくつろいでて言いわよ。今飲み物持って来るわね」
「あっ、はい」
先輩は手をひらひらさせると部屋から出て行った。
俺は近くにあったクッションの上に腰を下ろして、思わず部屋を見渡してしまう。
窓際には少し大きめのベッド。サイズはセミダブルくらいかな?
ここで知姫先輩が…
一糸まとわぬ 姿でシーツにくるまる先輩の姿を想像してしまう。
いかんいかん何やましいことを考えてるんだ俺は。
とは言ってもやはり健全な男子としてこれくらいの妄想は誰だってするだろと自分に言い訳をする。
それに――部屋に僅かに香るこの匂い。多分に先輩の匂い。この香りが俺の思考を奪う。
だいたい異性の部屋に上がった記憶なんてない。…まあ幼馴染の部屋はノーカウントとしておくべきだろう。
それが彼女の部屋なのだから尚更である。
回らない頭で色々考えていると、ドアを開いて先輩が戻ってきた。
「お待たせ」
先輩は盆に載っていた飲み物とお菓子をテーブルに移す。
これだけの仕草が洗練されてる――見蕩れてしまう。
「んっ、わたしの顔に何かついてる?」
「いや、素敵だなっと思って」
「な、何よいきなり」
思った通りの反応が返ってくる。先輩は――ストレートに褒められるのに弱い。
「もう、いきなり変なこと言わないの」
恥ずかしそうにしてる先輩はたまらなく可愛い。
小さな幸せをかみ締める。


――しばらく他愛もない話をしていた。こうやってゆっくり先輩と一緒にいられるだけで楽しい。
と、携帯の着信音が部屋に響く。
「ちょっとごめんね」
先輩がテーブルの上の携帯に手を伸ばす。

お母さんどうしたの?…えっ今から?…んー無理じゃないけど…団体さんが来てるのね。
…うん、じゃあ支度したらいくから

35 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/07(水) 20:08:38 ID:4GvoS3ik.net
先輩が申し訳ないようにこっちを見る。
「ごめんね後輩君、ちょっと手伝いに行かないといけなくなったの」
電話の会話でだいたい察しはついていた。まぁ忙しいのだからしょうがないか…
「しょうがないですね、なら俺もそろそろ――」
そう言いかけたところを先輩が制する。
「あっ、一時間くらいで戻ってくるからキミはこのまま待ってて欲しいの」
「えっ先輩の部屋でですか?」
「うん。なるべく早く済ませるからごめんね」
「…わかりました、お留守番しておきます」
「それじゃあわたし着替えないといけないから、むこう向いててくれる?」
「いやいや、俺着替え終わるまで外で待ってますよ」
俺は慌ててそう言った。
「キミのこと信頼してるから、むこう向いてもらうだけでいいわよ」
先輩がにっこり微笑む。
なんだこれは?俺は試されてるのか?結局ハイと返事をして後ろをむくのだった。

――うしろから衣擦れの音が聞こえる。見えないとよけに耳が敏感になるのか、するすると衣服を脱ぐ音が聞こえてくる。
衣服が床に落ちる音…俺の後ろには下着姿の先輩が…
「そう言えば、前に化学室でわたしが着替えてたとき…机の下に隠れてたわよね」
「あ、ありましたねーそんなこと…あははー」
乾いた笑いでごまかす。
「あのときはたっぷり実験につきあってもらったわね」
結局一週間サプリ付けにされたの思い出す。



「はい、もうこっちを見てもいいわよ」
振り返ると…割烹着姿の知姫先輩が目の前にはいた。
彼氏の贔屓目抜きにしても…凄く似合ってる。


36 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/07(水) 20:09:20 ID:4GvoS3ik.net
「どうかしら?」
「いや…ちょっと見蕩れてしまいますね…」
「もう…嬉しいこと言ってくれるわね」
先輩が嬉しそうに微笑む。
「それじゃあわたし行って来るから、少しの間お留守番しててね」
「頑張ってくださいね」
「うん。そうそう、疲れたらベッドで横になってもいいから」
「えっ!?いいんですか?」
「ええ、キミならいいわよ。それじゃあね、なるべく早く帰ってくるから」
そう言って先輩は手を振ると出て行った


――とりあえず俺は本棚にある学術書でも読んでみることにした。
…内容が全然頭に入ってこない。ちらりと壁掛け時計に目をやる。
時刻は18時15分を指していた。まだ先輩が出て行ってから15分程か…
そのまま視線は部屋をさ迷いベッドで止まる。
先輩のベッド…
立ち上がってベッドに腰を下ろしてみる。
そういえば疲れてる気がするし――先輩もいいって言ってたしな…
自分に言い訳をするように言い聞かせる。
そっと毛布をめくる。知姫先輩の匂いが流れ込んでくる気がした。
失礼します…誰に聞かせるわけでもなく呟いて布団にもぐる。
先輩の香りに包まれてる…凄く落ち着く…
先輩に抱きしめられたら――きっとこんな感じなのかな――

37 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/07(水) 20:10:05 ID:4GvoS3ik.net
「――くん」
誰かが優しく呼んでいる。
「後輩くん」
ああ、いつの間にか眠ってしまったらしい…
目を開くと目の前に先輩がいた。服はもう着替えたみたいだ。
「ごめんね起こしちゃって」
少し申し訳なさそうな顔をする。
そっか帰ってきたんだ…
「えっと、今何時ですか?」
まだ思考がまとまらない。
「今は…19時半よ」
てことは…一時間くらい寝てたのか。
「お帰りなさい」
「ふふ、ただいま」
先輩が枕元に座る。
「ごめんね遅くなっちゃって」
「いや全然大丈夫ですよ」
「退屈したでしょ?だからねお詫びにと思って…」
先輩が鞄の中から何かを取り出す。
「ほら」
そういって見せてくれたのは――サプリメント。
「新作なの。常連の製薬会社の方がくれたのよ」
正直あまり嬉しくない。まさか飲んでとか言わないよな?
「キミに飲んでほしいの」
「えっ、今ですか?」
正直今は先輩とゆっくりしていたい。データ取りはぜひ次の機会にお願いします。
喉元までそんな言葉がでかかった。
「あの――」
俺のことはお構い無しに先輩は蓋を開くとサプリを一錠取り出す。

38 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/07(水) 20:10:52 ID:4GvoS3ik.net
そしてそのまま先輩は自分の口にサプリを運ぶ。
ん?先輩も飲むのかな?
いや違った。そうではなかった。先輩は唇にサプリを挟んでいる。
そのまま身を乗り出して、俺に覆いかぶさるようにする。え?これって――さすがに鈍感な俺でもわかる。
きっと先輩なりに口実を作ってくれたんだ。だから俺は先輩の背中に手を回して――そっと――引き寄せた。
先輩の唇に俺の唇を重ねてそのままサプリを口内に落とす。
勢いでサプリを飲み込んだ。先輩との始めてのキス、俺のファーストキス。
ゆっくり唇を離す。先輩が目を開く。頬は赤く染まっている。
「やっと…キスしてくれたわね」
先輩が恥ずかしそうに言う。
「キミってほんとに鈍感だから…なかなかアピールも気づいてくれないのよね」
先輩に額を小突かれる。そっか先輩も同じ気持ちだったんだ…
「まあキミの場合はそんなところもかわいいんだけどね」
優しい微笑み。
「初めてのキスがサプリの味だなんて俺達らしいですね」
俺が笑うと、先輩もつられて笑った。
「ふふ…そうね、わたし達らしいわね」
ひとしきり軽く笑って、俺たちはしばらく見つめあった。先輩の潤んだ瞳…
先輩をそっと抱き寄せてそのままベッドにもつれ込む。頭を優しく抱きかかえて唇を合わせる。今度はお互いに舌を絡めあいながら。
「んっ…」
くぐもった声が聞こえる。その声が脳髄に響く。甘美な甘い声…
どのくらい行為を続けたのか、唇を離すとお互い深呼吸をした。
「はぁ…はぁ…」
先輩も同じように肩で息をしている。
「ふぅ…キスって凄いわね…データじゃわからないことだわ」
「そうですね」
そういって今度は先輩のおでこに口付けをした。
「あっ…もう、キミのことがもっと好きになっちゃうじゃない」
「じゃあいっぱい好きになってください。俺も負けないくらい先輩のことが好きですから」
「もう…ばかっ、恥ずかしいじゃない」
そう言って今度は先輩からキスをしてきた。さっきよりはソフトに、相手を慈しむようなキスを――

39 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/07(水) 20:15:58 ID:4GvoS3ik.net
――結局俺は先輩の家に一泊した。一緒にベッドで寝たが、別にそれ以上の進展があったわけではない。
もちろんそれ以上を望んでないわけじゃない。ただ今はこれだけ十分だった。
先輩を抱きしめて、キスをして愛を語る。
隣で気持ちよさそうに寝てる先輩を見てるだけで今は十分幸せだった。
…今日の講義は俺も先輩も午後からだったな。まだ時間は余裕がある。もう少したら先輩を起こそう。
それまではこの寝顔を独り占めしていたいから――


「そろそろ学校いくわよ」
「そうですね、いきましょうか」
「そうそう、今日は講義終ったら、部室にいらっしゃい。サプリのデータを取るから」
先輩が鞄から例のサプリのビンを取り出してみせた。
「えっ、やっぱりデータをとるんですか?」
「もちろんよ。それにちゃんと協力してくれたらご褒美をあげるわ」
そう言って先輩はサプリを口に咥える真似をするのだった――――

40 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/07(水) 20:17:06 ID:4GvoS3ik.net
割烹着をどうしても着せたくて、なんだか展開がw
俺の技量だとこんなもんだ、すまない

41 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/07(水) 20:53:22 ID:S+4Z8Fkm.net
二人ともお疲れ〜 グッジョブ!
面白かったよ

うさぎさん繋がりで月に帰るのかw

そしていきなり知姫さんのベッドで寝だす後輩くん
いけない子だw
サプリでお仕置きされないとねw

42 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/07(水) 20:58:52 ID:n9yUt+oq.net
>>27-40
超乙

43 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/07(水) 21:13:49 ID:S+4Z8Fkm.net
しかし、どうして知姫さんはいつもいつも口移しでサプリをくれるのかしらん?
こりゃ堪らんね
割烹着姿も脳内再生余裕でした
持ってて良かったビジュアルブック

44 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/07(水) 22:57:20 ID:dKCtC5Tz.net
>>14
あっちはスレタイでわからない人も多いからねぇ。

45 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/07(水) 23:09:17 ID:Sr8zMiPI.net
1~23番の二次創作小説SS(Side Story)のコミケや通販予定はないでしょうか?

1. 初恋ばれんたいん スペシャル
2. エーベルージュ
3. センチメンタルグラフティ2
4. ONE 〜輝く季節へ〜 茜 小説版、ドラマCDに登場する茜と詩子の幼馴染 城島司のSS
茜 小説版、ドラマCDに登場する茜と詩子の幼馴染 城島司を主人公にして、
中学生時代の里村茜、柚木詩子、南条先生を攻略する OR 城島司ルート、城島司 帰還END(茜以外の
他のヒロインEND後なら大丈夫なのに。) SS
5. Canvas 百合奈・瑠璃子先輩のSS
6. ファーランド サーガ1、ファーランド サーガ2
7. MinDeaD BlooD 〜支配者の為の狂死曲〜
8. Dies irae
9. Phantom of Inferno
END.11 終わりなき悪夢(帰国END)後 玲二×美緒 SS
10. 銀色-完全版-、朱
『銀色』『朱』に連なる 現代を 背景で 輪廻転生した久世がが通ってる学園に
ラッテが転校生、石切が先生である 石切×久世 SS


46 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/07(水) 23:10:00 ID:Sr8zMiPI.net
11. TYPE-MOON
(1) 逆行最強化断罪スーパー慎二がペルセウスを召還する SS
(2) 凛がイスカンダルを召還するSS
(3) 逆行最強化慎二 OR 四季が 秋葉、琥珀 OR 凛を断罪する SS
(4) 原作知識有憑依最強化( 漫画・アニメ・ゲーム すべての作品 技術使用可能。 EX) ダイの大冒険、bleach、エヴァ)
慎二 OR 四季が秋葉、琥珀 OR 凛を断罪する SS
12. ゼロの使い魔
(1) 原作知識有 助演 憑依転生最強化( 漫画・アニメ・ゲーム すべての作品 技術使用可能。 EX) ダイの大冒険、bleach、エヴァ)SS
(ウェールズ、ワルド、ジョゼフ、ビダーシャル)
(2) 原作知識有 オリキャラ 憑依転生最強化 SS
(タバサ OR イザベラの 双子のお兄さん)
13. とある魔術の禁書目録
(1) 垣根 帝督が活躍する OR 垣根帝督×麦野沈利 SS
(2) 原作知識有 垣根帝督 憑依転生最強化( 漫画・アニメ・ゲーム すべての作品 技術使用可能。 EX) ダイの大冒険、bleach、エヴァ) SS
(3)一方通行が上条当麻に敗北後もし垣根帝督がレベル6実験を受け継いだら IF SS
14. GS美神
(1) 逆行最強化断罪 横島×ダーク小竜姫のSS(非ハーレム 単独カップリング ルシオラ も除外 )

47 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/07(水) 23:11:40 ID:Sr8zMiPI.net
15. EVA
(1) 逆行断罪スーパーシンジ×2番レイ(貞本版+新劇場版)のSS
(2) 一人目のレイが死なないで生存そのまま成長した一人目のレイが登場する(二人目のレイは登場しない)
P.S
エヴァンゲリオンのLRSファンフィクションで、レイの性格は大体二つに分かれます。
1.白痴幼児タイプのレイ
LRSファンフィクションで大体のレイはこの性格のように思えます。
白痴美を取り越して白痴に近いレイであり、
他人に裸や下着姿を見せてはいけないという基本的な常識も知らず、
キスや性交等、性に関する知識も全然無いか、それともほとんどありません。
このタイプの場合、逆行物では、シンジがレイに常識や人間の感情等を一つ一つ教えていくという「レイ育成計画」になってしまいがちです。
このタイプは、アニメのレイに近いと言えるでしょう。
2.精神年齢が高く、大人っぽいレイ
1番の白痴幼児タイプとは違って、他人に裸や下着姿を見せてはいけないという
基本的な常識くらいはあり(見られたとしても恥ずかしく思ったりはしないが)、
キスや性交等、性に関する知識は理論的に知っており、自分の自我が確立している、
(命令には絶対服従だが)感情表現がより豊富です。
このタイプの場合、 コミックスのレイに近いと言えるでしょう。

48 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/07(水) 23:11:50 ID:S+4Z8Fkm.net
>>44
いや、SSスレがまさかあんなスレタイだったとは…
検索しても全然見つからなかったわけだ

もう立てちゃったし、向こうは向こうでやってるみたいだから邪魔しちゃ悪いしね
こっちも盛り上がるよう頑張って行こうぜ

49 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/07(水) 23:12:47 ID:Sr8zMiPI.net
16. BlackCat
イヴ×リオンのSS
17. 鬼切丸
鬼切丸×鈴鹿のSS
18. MURDER PRINCESS
カイト×ファリスのSS
19. 式神の城
玖珂光太郎×結城小夜 OR 玖珂光太郎×城島月子のSS
20. 大竹たかし DELTACITY 全2巻
21. ヴァンパイア十字界
蓮火×花雪 OR 蓮火×ブリジット
22. 地獄少女
(1) 不合理な 地獄少女の被害者(e× 看護婦、1期の看護婦、2期の 拓真を助けに来てくれた若い刑事、秋恵) 家族・恋人が 地獄通信に 地獄少女と仲間たちの名前を書くSS
(2) 極楽浄土の天使 OR 退魔師が 地獄少女と仲間たちを断罪するSS
(3) 拓真の 地獄少年化SS
二籠の最終回で拓真が地獄少年になるのかと思ってたんですが・・
地獄少年 ジル : 所詮この世は弱肉強食。 強ければ生き弱ければ死ぬ。
拓真 : あの時誰も僕を守ってくれなかった。
守ってくれたのはジルさんが教えてくれた真実とただ一振りの超能力
・・・だから 正しいのはジルさんの方なんだ。
23. 真・女神転生CG戦記ダンテの門
ダンテ× ユーカのSS


50 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/07(水) 23:14:15 ID:Sr8zMiPI.net
【リクエスト】こんな物語が読みたい!【受付】
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1232987628/

51 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/08(木) 01:10:30 ID:6tih6VEB.net
一稀の話が思い浮かんだ!!
次は一稀のSSだな

52 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/08(木) 03:14:18 ID:+yqJ5Wl+.net
wktk
携帯の規制もとけたから人増えるといいね

53 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/08(木) 03:29:22 ID:w9/lYSTx.net
>>51
いつきktkr
楽しみに待ってます

54 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/08(木) 07:43:56 ID:3qPQnh0U.net
一稀くるか!
楽しみだぜ

知姫さんに続けと思ったが優さんのはまだあがらね

みんなどれくらいの時間で書いてるの?

55 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/08(木) 08:46:33 ID:I1ENO4V2.net
>>54
>>22は一応優さんのだよ
ギャグねたですまん

56 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/08(木) 08:51:53 ID:3qPQnh0U.net
あ、違う違うw

「(自分で書いてるのが書き)あがらね」
って事
ちゃんと読んでるからわかるよ〜
紛らわしくてすまん

知姫さんと先輩ズ並べたかったけど間にあわねーって事っす

57 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/08(木) 08:54:37 ID:I1ENO4V2.net
>>56
あ、了解。それはたのしみでござる〜

58 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/08(木) 08:59:03 ID:3qPQnh0U.net
そんなに長いわけでも無いのになかなか書き上がらないでござる
遅筆過ぎて泣ける

頑張って書き上げるぜ!

59 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/08(木) 11:44:08 ID:P1/SHcpr.net
くそッ!くそッ!ここにも
応援☆BGM♪貼っておくぜッ!!
http://www.youtube.com/watch?v=YFL6TiOOhcY

60 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/08(木) 23:01:22 ID:6tih6VEB.net
なんとか今日中にあげたい

61 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/08(木) 23:04:19 ID:3qPQnh0U.net
頑張れ
俺は無理だ…

>>59
勇まし過ぎてヒロイン達がバトルロイヤル始めそうだぜw
若しくはきらめき一武道会

62 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/08(木) 23:54:15 ID:Kv5c7E1U.net
wikiにある、里澄の賛歌イベントは皐月先輩未登場でも発生って、
そもそも可能なの?
モラル下げててもトリプルデートに出てきてしまうんだが。

63 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/08(木) 23:54:59 ID:Kv5c7E1U.net
ごめん、攻略スレと間違えた
吊ってくる

64 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/09(金) 01:41:51 ID:8n3dTrp+.net
むぅこんな時間になってしまったか
投下開始


「みてみて!ほらほら」
向こうから一稀が嬉しそうに走ってくる
「じゃーん、免許取れたよ!」
そう言って俺の前に交付されたばかりの免許をかざす。
「これでキミと一緒にツーリングいけるよ」
「頑張ったな一稀」
嬉しそうな一稀の頭を撫でる。
「あっ…もうこんなとこで恥ずかしいだろー」
そうは言うが顔は嫌がってない。

彼女の名前は前田一稀。俺の彼女だ。卒業式の日に告白されてめでたく付き合っている。
卒業して一稀はすぐに教習所に通い始めた。ゴールデンウィークまでには絶対取ると言っていたが、こうして無事に取れてよかった。

「バイクはどうするんだ?」
「それがさー父ちゃんに免許取れたって話したらすっごい喜んでてさ。父ちゃんが昔乗ってたバイク譲ってくれるんだって」
「そっか、じゃあ今度の日曜は一緒にツーリングするか」
「うん。今はバイクの調整してるんだ。名付けて一稀スペシャルMKV」

一稀の実家は自動車修理工をしている。子供の頃から手伝ってるみたいで、その腕は信頼できる。
俺のバイクも一稀に改造してもらって調子がいい。まあなぜかネジが三個余ってたが…俺のバイクは彼女いわく一稀スペシャルMKUらしい。

「無事免許も取れたことだし、今日はお祝いだな」
「まじでー。ありがとう。じゃあ今日はキミのおごりだね、へへー」
屈託のない笑顔で一稀が答える。
「ああ、任せろ」
一稀の頭をもう一回撫でてから、俺はバイクの後ろに乗るようにジェスチャーした――



65 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/09(金) 01:42:32 ID:8n3dTrp+.net
「あの店すっげーおいしかったよー。また今度行きたいな」
一稀がさっきの店の感想を話す。
確かに美味しかった。最近オープンしたスィーツショップの二号店。
何でも可愛いらしいパティシエが作るケーキが絶品だとか聞いたことがある。
「ボク甘いのはあんまり得意じゃないけど、あそこのケーキは別だね。すっごく食べやすい」
「そうだな。また今度行こうな」
いつもの帰り道。バイクは駅前に置いてきた。もちろバイクでこのまま送ってもいいのだが、急いでるとき以外は駅前から一稀を送ることにしている。
この間は一稀の手を握って一緒に帰る。他愛もない話をしていると一稀の実家が見えてきた。
「今日はありがとう。次の日曜のツーリングめっちゃ楽しみにしてるからさ」
俺も楽しみだよと言って一稀に手を振る。家に入るまで一稀を見送った。


――ツーリングの約束の日。
少し早く目覚めてしまった。携帯で時刻を確認する。
ん?メールが入ってるな。
差出人は一稀。

バイクの調子ばっちりだよ。
あーもう明日たのしみだなー
すっげーわくわくしてるよ☆
おくれるなよー
いつき

相変わらず一稀らしいメールだな。
思わず笑みがこぼれる。
前に絵文字の出し方を教えたんだが、よくわからないよーとか言ってたっけ。
この星マークも頑張って出したのかもしれない。
…少し早いけど出るとするか。軽く走ってきたらいい時間になるだろう――



66 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/09(金) 01:43:13 ID:8n3dTrp+.net
――チャイムを鳴らすと一稀がすぐに出てきた。
「おはよー。早く行こう早く行こう」
よっぽど楽しみにしてたんだろう。テンションが高い。
「ああ、それはいいんだけど…一稀…格好」
「えっ?」
何を言われたのかわからないのか一稀がぽかーんとする。
「いや、バイクに乗るのにそのスカートは…」
その格好でバイクに乗ったら、絶対…めくれる。
「あっー!キミに会うのが嬉しくてつい…いつもみたいに服選んじゃったよ…」
恥ずかしそうに舌をだす。
その表情にどきっとする。
「ごめんちょっと着替えてくるからさー。少し待っててよ」
一稀はどたどたと家に戻っていった。

「お待たせー。これなら問題ないだろー」
ジーンズに薄手のジャケット。これなら…めくれることもない。
髪止めは外してるから、珍しくストレートだ。
一稀が髪を下ろしてる姿もなかなかかわいい…
「…髪下ろしてるのも似合ってるよ」
「えっ?…もういきなり恥ずかしいこと言うなよー」
いたっ…背中を叩かれてしまった。
「今日はメット被るから髪は下ろしてるんだよ。」
「よし、じゃあ早速行くか」
「うん。行こう。ボク、バイク取ってくるから」
一稀は家の裏のガレージに向かう。
しばらくすると、一稀がバイクにまたがって出てきた。
一稀のお父さんに譲ってもらったと言ってたが、インパルスだったのか。
「へへーいい感じでしょ。これは水冷4ストロークDOHC4バルブ直列4気筒エンジンで最高出力が――」
「ま、まった一稀。その話は今度ゆっくり聞くから」
機械系の話とサッカーの話は止まらなくなるので、先に制しておいた。
「えーつまんないの。まいっか。それじゃ行こうよ」
一稀はアクセルを吹かす。それが合図になって俺達は走り始めた。

67 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/09(金) 01:43:56 ID:8n3dTrp+.net
――今日の目的地は市外にあるきらめき山。今の時期だとハイキングコースにも人が多いはずだ。
二時間足らずで目的地に着く。バイクを麓に停めて、ハイキングコースを歩く。
「うーん、いつ来てもここは空気がうまいなー」
一稀が思い切り深呼吸する。
「何回きても景色が変わって見えるから飽きないよな」
このハイキングコースは俺と一稀の定番のデートコースになってる。

山頂で一稀の作ったお弁当を食べて一休みをする。
「今日も見た目はあれだけど…やっぱり味はおいしいな」
しかしこの見た目であの味が出せるのか…不思議だ。
「だろだろー。父ちゃんも兄ちゃんも旨いって言うんだからさー」
料理を褒められて一稀は上機嫌だ。
時計に目をやると午後三時――そろそろ帰れば夕方位にはつくかな。

「実はさ、帰りにちょっと寄りたいところあるんだよ」
帰り際一稀が切り出した。
「麓から少し行ったところに、公園があるんだ。寄っていいかな?」
特に断る必要もない。
「いいけど、何するんだ?」
「へへー着いてからのお楽しみだよ」
一稀が含み笑いをする。


――こんなとこに公園があったのか。今まで全然気づかなかった。
それに公園の端には――多分あれが一稀の目的だろう。
「ここさーサッカーコートがあるんだよ。キミと久々にプレイしたくてさ」
そう言って一稀はリュックからサッカーボールを取り出した。
「高校卒業してからは、キミとプレイする機会もなかなかないからね」
「よーし、じゃあリベンジするチャンスだな」
「今のとこ31戦16勝でボクの勝ち越しだからね」
一稀がボールを投げるとリフティングを始める。
「望むところ!」

68 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/09(金) 01:44:59 ID:8n3dTrp+.net

結局――また負けてしまった。相変わらず一稀のテクニックは華麗だ。
さすがに疲れて腰を下ろす。
「なんだー?だらしないぞー」
一稀に後ろから発破をかけられる。
「いや…もう無理。一稀は凄いよな」
「まだサッカー続けてるからね。ねぇ、一休みしたらPKしようよ。それで負けたほうが一つ言うこと聞くの」
「言うこと…何でも…?」
「あーキミだらしない顔してる。エッチなこと考えてたんだろー」
うっ…そんなに締まらない顔してたのか…
「……キミだったら……別に……じゃないけど」
「ん、何か言った?」
疲れてるのか聞き逃してしまった。
「いやいやいや、な、何でもない」
一稀が慌てて否定する。
「ふぅ……もちろん相手がいやがるようなこととか禁止だよ。キミはそんなことしないって信じてるけどねー」
信頼されてるってことか…ここは素直に受け取ろう。
「よしもう一勝負行くか」
「そうこなくっちゃ!」

ジャンケンの結果先行は俺になった。このシュートを決めることができたら、かなりのプレッシャーを与えることができるだろう。
このまま負け越すわけには行かない!!狙いは一稀が苦手とする左コーナポスト側――と見せかけて右側狙い。
「太陽と埃の記憶!」
三年間サッカー部で鍛えた奥義が炸裂する!
一瞬一稀の動きが止まる。
これは決まっ――――らなかった。
ボールは一稀の腕の中で回転している。一稀は俺のフェイントも見透かしていたようだ。
「キミのことだから絶対こっちにくると思ってたよ」
裏をかいたつもりだったが、一稀には通用しなかったか。
「次はボクの番だね」


69 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/09(金) 01:45:50 ID:8n3dTrp+.net
一稀の癖はわかってる。黄金の右で…右と言いながら何故かいつも左で蹴るのだが…得意とする左コーナー側。
「行くよー、黄金の右ー!」
俺は左に飛ぼうとした…その刹那違和感が…あれ、右で蹴ってる?
しまったいつの間にかちゃんと右で蹴るようになってたのか。なんとか体制を立て直して逆サイドに手を伸ばす。
指先が微かに当たるが、虚しくボールはゴールに突き刺さった。

「あー負けたー」
思わず大の字になる。
「いえーいボクの勝ちー」
向こうで一稀の歓声が聞こえる。
はぁ…俺は立ち上がると埃を払った。
「それで一稀は何をやらせたいんだ?」
「…んー実はまだ何も考えてなった、ははは」
なんだかずっこける。てっきり言い出すくらいだから何かあるのかと思った。
「うーん、今度までに考えておくよ」
「わかった。決まったら教えてくれよ」
ぽんと一稀の頭を撫でる。
「さっ、帰るか」


――結局自宅に帰って来たのは20時を過ぎた頃だった。
今日は楽しかったけど、さすがに疲れたな。さっと風呂に入って寝る準備でもするか。
そんなことを考えるが、体が言うことを聞かない。
まどろみの中に落ちるのにそう時間はかからなかった。


70 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/09(金) 01:46:56 ID:8n3dTrp+.net
ピリピリピリピリ…
携帯の音…
この音は一稀から…
枕元に置いた携帯を手探りで探す。
「…もしもし?」
「あっ…ごめん寝てたかな?」
電話の向こうからバツの悪そうな声が聞こえる。
「んー少し…どうした?」
少しづつ頭が覚醒してくる。
「実は…ちょっと会えないかなーと思ってさ」
「…今から?」
「あっごめんやっぱいいよ。無理しなくていいからさ」
「いや、全然無理してないから。一稀からの誘いだし嬉しいよ」
「ほんとにー?よかった」
「で、どこで…」
「実はさー今キミの家の下まで来てるんだ」

軽く顔を洗って下に降りる。下では一稀がバイクに跨って待っていた。
「ごめんねー起こしちゃって」
少し申し訳なさそうな顔する。
「少しうとうとしてただけだし気にするなよ」
「実はさ、キミにして欲しいこと決まったから…それで会いにきちゃった」
「で、俺は何をしたらいいのかな?」
「んーと、ここじゃ何だからさ、海行こうよ」
そう言って一稀がバイクの後ろを指差す。
俺は言われるままに後ろに跨る。バンドに手を伸ばすと――
「あ、あのさー腰に手を…回して欲しいな…いつもボクがキミの後ろに乗るときみたいにさ」
「あっ…うん」
一稀に言われるようにそっと腰に手を回す。やばい…どきどきする。
正直俺からスキンシップを取ったりするのは…まだ慣れてない。
こんなに密着することもないし…
「…手離さないでよ。それじゃあ行くから」

71 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/09(金) 01:49:05 ID:8n3dTrp+.net
――堤防沿いにバイクを止めて海岸線を一稀と並んで歩く。
「それで…?」
本題を切り出す。わざわざこんなところじゃないと話せないこと…
「うん…」
一稀が立ち止まる。
「じ、実は…」
一稀が言いよどむ。
「実は?」
「キ、キミに……スして……い」
えっ?思わず自分の耳を疑った。
一稀は真っ赤な顔をしている。俺が戸惑っているとさらに続けた。
「キミに…キスしてほしい」
えっとキスってのはその…接吻ってことだよな…
「一稀…」
決して冗談で言ってるんじゃない…真剣な顔。
「キミは…その、ボクに手を出したりしないし…だからボクってやっぱり魅力ないのかなって思って…」
思いつめた表情…
「一稀…ごめんな。そんなに思ってたなんて全然気づかなかった…」
一稀をそっと抱き寄せる。
「あっ…」
「一稀は十分魅力的だよ…」
「ホント…に?」
俺は頷いてみせた。さっきよりも力強く抱きしめる。
「もう…バカ…こんなこと女の子から言わせるなよー…すっごい恥ずかしいんだからさ」
一稀の頭を優しく撫でる。
一稀がそっと離れて、そして背伸びをして――俺の首に手を回す。
もう言われなくてもどうしたらいいかわかる。

72 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/09(金) 02:06:05 ID:huwAzWLk.net
規制くらって最後が載せられないww
\(^o^)/オワタ

73 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/09(金) 02:06:47 ID:8n3dTrp+.net
唇が触れる――短い口付け。

「へへ…」
一稀が気恥ずかしそうに笑う。
そしてどちらからともなく…二回目のキスをした――


堤防に座って二人で海を眺める。
「あのさー次のツーリングはまたキミの後ろに乗りたいな」
「一稀のバイクは?」
「もちろん乗るよ。でもキミと一緒のときは…後ろから抱きしめたいかなーってさ」
「じゃあ今は…俺が」
一稀の身体を抱え上げる。
「わっ…」
ぎゅっと一稀を抱きしめた。
「もー急に積極的になるなんてずるいぞー」
一稀が頬を膨らます。
「今までのさ、埋め合わせをしようと思って」
「むー…調子いいの。だいたいキミは――」
一稀が言い終わらないうちに、俺はその唇をふさいだ。
三回目のキス…一番長いキスを――


今日は長い一日だったな…忘れない日になりそうだ…

74 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/09(金) 02:07:51 ID:8n3dTrp+.net
規制とけたwww
携帯からうPしようかと思ったわw

うまく纏められなかったw


誰か投下お待ちしてます

75 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/09(金) 07:15:11 ID:hCS207rU.net
お疲れ様〜



さて、何とか週末には上げたいな

76 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/09(金) 08:49:32 ID:2PgRy133.net
乙でした〜
てか文豪多いなww

77 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/09(金) 16:41:00 ID:aWniVJDr.net
ここは文豪の社交場なのか!?
文豪諸氏、とても素晴らしいssをありがとうございます!今後も楽しみにしてます!

78 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/09(金) 23:26:34 ID:WyzO+5r0.net
夜神月がひびきの町に引っ越してきたらどうなるんだろ、SSやってみようかな

79 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/09(金) 23:59:58 ID:8n3dTrp+.net
次は誰を書くか悩むな

80 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/10(土) 00:08:45 ID:fnfOAraY.net
星川さんと都子の鍔迫り合いが読みたい

81 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/10(土) 00:10:37 ID:fXaN0av7.net
誠死ね

82 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/10(土) 08:28:32 ID:fPCMnYnd.net
星川さんと都子がお互いをどう呼ぶようにするかで迷ってる。
都子は語堂さんの事は「語堂さん」だけど、
星川さんの場合は、入学直後からもう主人公に情報教えられる関係で、
二人とも気さくな性格で、生徒会と運動部マネで合宿にも行ってるし
接点も結構ありそうだから真希と都子の名前呼び捨てかな?
と現時点では考えてるんだが…。うーん悩ましい。


83 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/10(土) 11:52:41 ID:fnfOAraY.net
>>82
ちゃん付けはどうでしょう

84 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/10(土) 14:52:52 ID:gGlPO1k0.net
普通にお互いさん付けだと思う

85 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/10(土) 16:09:27 ID:fPCMnYnd.net
>>83 >>84 ご意見感謝
ネタは2つあって、その1つは苗字さんづけ確定
もう1つはより近い関係と想定して名前呼び捨てにするつもり
多分後者が先にできると思うけど、なにぶんまだ構想段階なので…

86 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/10(土) 17:35:06 ID:m+hv7RuU.net
天啓がきた!!!
次のSSはカイに決まり

87 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/10(土) 17:49:08 ID:JUYoUm+T.net
ふーちゃんネタ執筆中…
エロなし。飯ネタメイン。

88 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/10(土) 17:56:30 ID:m+hv7RuU.net
>>87
おお、楽しみにしてます!

89 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/10(土) 18:12:08 ID:fnfOAraY.net
>>85
ありがとう
楽しみにしてます

90 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/10(土) 18:39:32 ID:fPCMnYnd.net
>>89
こちらこそ。ただし、前から考えていたアイデアなので
これがはたして鍔迫り合いと言えるものになるかどうかは不明。
>>24より明るい都子をイメージしてて、かなーり平和なものになりそう。

91 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/10(土) 20:35:46 ID:m+hv7RuU.net
よしカイ投下



「これ着てくれないか?」
カイはハンガーにかけてあった制服を指差して唐突に言った。
「えっ…オレが…?」
カイがバイトで使っている制服――いわゆるアンミラ風ってやつだ。
これを…オレが着るの!?


――今日はカイのバイトが休みで、オレも講義が休みだ。カイに連絡を取って家に遊びに行くことにした。
カイはこの春から一人暮らしを始めている。一人暮らしは危険だからと言って何度か泊まったりもしてる。
カイにはお前の方が危険じゃないのかー?と言われたが、今のところ特に進展はない。
実はまだキスもしていない。今日こそは…といつも思うのだが、なかなかきっかけが…
だから今日も何度目になるかわからない「今日こそは」という思いを抱きつつ…

インターホンをを鳴らすとすぐにカイが出てきた。
「待ってたよ。早くあがりなよ」
「その前にさほら」
カイに持ってきたプレゼントを渡す。
「ん?開けてもいいか?」
「どうぞ」
カイが袋をから取り出す。
「うわっ…かっかわいい」
オレが持ってきたのは、きらめき水族館のマスコット、イルカのぬいぐるみ。
カイが思わずぬいぐるみにほおずりをする。
「おまえかわいいなー」
じっと見てる俺の視線に気づいたのか、カイが慌ててぬいぐるみ後ろ手に隠す。
「なっ、何見てるんだよ…早くあがれよ」

92 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/10(土) 20:36:34 ID:m+hv7RuU.net

――部屋に上がると、そこはファンシーな空間。
部屋中にかわいらしいぬいぐるみが並んでいる。普段のカイを知ってる人からは想像もできないだろうな。
カイがベッドサイドにさっきのぬいぐるみを置く。ベッドサイドには特にお気に入りのぬいぐるみを置いてることをオレは知ってる。
前にゲーセンで取ったひよこのぬいぐるみもそにはあった。
「ありがとな、大事にするよ」
そう言ってぬいぐるみの頭を撫でる。

「この前さーセクハラしてくる客がいたんだよ。あたしが睨んだら出て行ったけどな」
カイが楽しそうにバイト先のことを話す。
…バイト先の経営は大丈夫なんだろうか…思わず心配になってしまう。
そんな他愛も無い話をしていたら、急にカイがオレの顔を見つめてきた。
えっ…!?カイの顔が近づく…これって…もしかしてカイから?
思わず目を瞑る。…がいつまでたってもオレの期待してることは起こらない。
「お前さ――」
緊張に耐え切れず目を開く…うわっ顔近っ!ちかいちかい…
「やっぱ綺麗な顔してるよな」
へっ? そのセリフはオレの予想にはなかったものだ。
カイがオレの髪に触れる。
「髪もさらさらだし…顔も中世的だし…」
カイの手が暖かくて気持ちいい…
「前にさ、女装したことあったろ」
確かにオレは女装したことがある。しかもその格好でディナーパーティーにまで…
「あれは…あんな格調のあるパーティーだって知らなかったから…それに着せたのはカイだろ」
「あの時のお前…可愛かったよな」
カイが含み笑いをする。
「だからさ――」


93 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/10(土) 20:37:15 ID:m+hv7RuU.net
――結局なすがままにされて、制服を着ることになった。
「やっぱり似合うなー。かわいいよお前」
今のオレの格好は…白のニーハイに胸を強調できるワンピース型のスカート。白のブラウス。
「なぁ…恥ずかしいんだけど」
スカートで股のあたりがスースーする。恥ずかしくてスカートの上から抑える。
「いや、そんなに恥ずかしがることないぞ。女のあたしから見ても十分にかわいいし。」
カイがオレをつま先から頭のてっぺんまでじろじろと見る。
「ちょっとあたしも着替えるからさ、向こうむいててよ。」
「えっ?着替えるって…なんで?」
「いいからいいから、ほらこっち見るなよ」
「あっ…うん」
後ろを向いてカイの着替えが終るのを待つ…
やっぱこっちかなー…でもこれもいいか…
カイがぶつぶつ言ってるのが聞こえる。何の服の選んでるんだ?
「もういいよ」
振り返るとカイは――タキシードの格好をしていた。
「あの時着たやつだよ。どうかな?」
オレが女装していたときカイはタキシードを着てきた。そのときの服装だ。
「いや、似合ってるよ」
身長が高いカイは男装も様になる。
「お前が女装するなら、あたしは男装しようかなと思ってさ。そうだやっぱ化粧しないとな」
カイがいくつか化粧道具を持ってくる。
「あたしがして上げるから、動くなよ」

――ほら出来た
カイがそう言って鏡を持ってくる。
「どうだー?悪くないだろ?」
恐る恐る鏡を見る――鏡の中には想像以上に可愛くなってる俺がいた。
「これがオレ…?」
「そうだよ、可愛いだろ。まああたしが化粧してあげたってのもあるけどな、アハハ」
カイが楽しそうに笑う。

94 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/10(土) 20:37:57 ID:m+hv7RuU.net
「あっそうだ、お前は今女の子なんだからオレは駄目だな。」
「えっ…じゃあ、わたし?」
「そうそう、それでよし」
「カイはなんで急にこんなことをオレ…じゃなかった、わたしに?」
「お前可愛いからさ、絶対この制服も似合うと思って。それに…今のお前は食べちゃいたいくらいだよ」
本気なのか冗談なのかわからないことを言う。
「じゃあ…オレ食べられるの?」
「おいおい、オレじゃなくてあたしだろ」
「あ…う、うん」
「そーだなーお前って奥手だからな。だからさわたしからいただこうかなと思って」
いつもと違う格好をしてるせいだろうか、カイは大胆なことをいう。
「わっ…」
カイにそのまま押し倒された。
「ハハ…やっぱ緊張するな…」
目の前にはカイの顔…心臓が高鳴るのがわかる。まさかオレの期待してたことがこんな形でかなうなんて…
ぎゅっと目を瞑る。
「その…いやじゃないよな…」
コクリと小さく頷く。そのまま緊張して待つ。緊張で呼吸が苦しくなる…

…んッ…唇にカイの唇が重なる――
少しして唇が離れる…目を開くとカイが恥ずかしそうにしている。
「あーどきどきする。お前に告白したとき以上にどきどきしたかもな…ふふっ」
カイがクスリと笑う。
「やっぱさ、こんな時は男のあたしがリードしてみせないとな」
そう言ってウィンクをしてみせる。
もう完全に女の子扱いされてるな。オレは苦笑する。
「もう一回」
そのままカイに抱きしめられて二回目のキス…
唇が離れた後もカイは俺を抱きしまたまま離さない。オレもカイの背中に手を回す。
抱き締められるのも悪くないな――そんなことを考えながらしばらくこの余韻を楽しんでいた――

95 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/10(土) 20:38:37 ID:m+hv7RuU.net
「ふー…さっぱりした」
オレは顔を洗って洗面所から出てきた。ついでに服も一緒に着替えた。やっぱりスカートよりズボンだな。
カイもすっかり着替えてベッドでくつろいでいる。イルカのぬいぐるみを胸に抱いてるところを見るとよっぽど気に入ってくれたんだろう。
「残念だなーもうちょっと見ておきたかったのに。またしてくれよな?」
その質問には答えないでカイの隣に腰を下ろしてカイの手を握った。
「んっ…」
カイがチラッとオレの顔を見る。
そのままカイを抱き締める。
「なっ…ど、どーしたんだよ」
カイが慌てる。
「いや…今度は女の子じゃなくて、男としてさ…」
「えええ?あっ…」
カイが俺の言ったことを理解したのだろう、急に顔が赤くなる。
「まって、心の準備が…」
「さっきのカイはあんなに大胆だったのに?」
少しいじわるく言ってみせる。
「いやさっきは…その、男装で変身していたっていうか…」
面白いくらいカイは動揺している。だから俺はカイの頭をそっと優しく撫でて…そして短めのキスを。
さっき以上にカイは赤い顔をしている。
「お前さあ……別にいいけど…」
もう一度カイを抱き締める。カイが呟く。
「ちゃんと、抱き締めておかないと…どこかに、いっちゃうかも知れないぞ。あたしは…」
返事をする代わりに俺はさっきよりカイを強く抱き締めて、もう一度キスをした――

そのままオレはカイを抱き締めたまま眠りについた。



96 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/10(土) 20:40:26 ID:m+hv7RuU.net
――翌日
カイが誰かと喋ってる…話し声で目がさめた。
「ああ、それで問題ないから。大丈夫あいつにはあたしから言っとくからさ。うん、じゃあまたな」
カイが携帯を机に置く。
「実はさ、今度優の大学で女装コンテストがあるらしんだよ。お前のことエントリーしておいたからさ」
「あっそうなんだ。オレエントリーされたのか…って、え、えええー!?」
「お前ならいいところまで絶対いけるって」
カイに背中を叩かれる。また女装…するのか…


この後女装大会の特訓と称してカイにいいようにされるのはもう少し先の話であった――

97 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/10(土) 20:43:16 ID:m+hv7RuU.net
しまった推敲する前に投下してしまった
誤字脱字があるじゃないか
/( ^o^ )\

見逃してくださいwwww

98 :87:2010/04/11(日) 00:45:21 ID:IQq09+YH.net
>>97
おつかれー
いい作品でした!


さてこっちはまだネタがなかなかまとまりませぬ。。。
やたら間延びしすぎてて。。。もうしばらくかかりまする。。。
キスはさせた方がいいのかね。

99 :97:2010/04/11(日) 00:51:49 ID:2YLd6A3W.net
>>98
おお頑張ってください

俺の場合は12人全員のファーストキスを書きたかったので、全部キスを入れてるだけですw


100 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/11(日) 16:03:13 ID:JF5n5o2D.net
『 星と姫君 』

ぷにぷにぷにぷに……
「うーん…おっ…」…もぎゅ?んんっ…ひんやりした感触が口をふさいだ。
…ん、ここはプラネタリウム。ついうとうとしてしまったらしい。
起こしたら、俺が声を出しそうだったので、とっさに手で止めてくれたんだな。
俺は都子の手をとり、ありがとうのつもりで軽くぎゅっと握ると、
ポニーテイルの小さな頭が、俺の肩にとん……うーん、しあわせっ。

「プラネタリウムの満天の星空は、実際に肉眼で見える星よりも、
暗い星まで投影されてるんだな」
上映が終わったプラネタリウムを出て、ふたり並んで歩く。
「見えない星もたくさんあるんだね…」
「俺、都子が星なら、どんな星だって、すぐ見つけ出してみせるよ」
「えっ?うれしい……」
ぱあっと頬をピンク色に染める都子…こういうとこ、すっごく可愛いんだよな。
……ん!?おや、あれは……
「あれ、星川さん!」「もう、いきなり違う星見つけちゃうって、どういう事?」
軽くむくれる都子。「…ごめん。でも、ちょっと様子が変なんだ…」「な、何?」
都子の瞳が、俺の視線の先を追う…とすぐに事情を把握。「行きましょう!」

101 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/11(日) 16:05:02 ID:JF5n5o2D.net
「お茶しようって言ってるだけだYO!!」
星川さんと語堂さんがタチの悪いナンパに絡まれてる。
語堂さんが星川さんをかばう、必死に撃退しようとしているが形勢不利…え!?
……都子がためらいなく、その間に割って入った!
慌てて俺も間に立ち、都子を守れるポジションをとる………。
「こ、これは…新婚メーンいらっしゃーい!?ちょっと、椅子から落ちてきます!」
数十秒の間の後、ナンパ野郎は謎の捨て台詞を残して去った。

緊張の糸が切れた語堂さんがダウンしてしまったので、
俺がおんぶして家まで送る事になった。
しばらく歩くと唐突に、星川さんが、ふと思い出したように、
「そういえば、風邪で熱あるのに無理してデートしようとした私を
おんぶして送ってくれた事もあったよね?」と言い出した。
「あの時は、嬉しかったな…」
う、うわわわわ…や、やばいやばすぎるっすー!猛烈に嫌な予感、なんて…。
恐る恐る都子の様子をうかがった。が……
「うふふふふ、『新婚さん』だって…うふふふふふふ」
……ん?なんだかわからんが、とっても幸せそうだ。そっとしておこう……。
俺はヒソカに胸をなでおろした。
心臓に悪いよ。星川さん……

102 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/11(日) 16:06:02 ID:JF5n5o2D.net
しばらく歩くとまた突然、星川さんが思い出したように、
「そういえば、中央公園で、私を肩車したこともあったよね?」
げげーっ!?あああ、アナタ、今それをいう!?
オーマイゴッド!終わった。俺、詰んだ。俺、本格的に終わったよ……。
都子ゴメン!と心の中で手を合わせながら、恐る恐る都子をみると……
あれ?
都子は手を口元にやりニコニコ…否、にやにやにや……
あれれ?あの手……思い出し笑いを隠してるのか?
「(間接キス間接キス…)うふ、うふふふふふふふふふ………」
ななっなんだかわからんが、さっき以上に幸せそうだ。そっとしておこう。
……それにしても助かった!まさに俺さま危機一髪だったよ。

「ふーっ、なんか大変な一日になっちゃったな?」「本当にね、うふふ」
そんなこんなで、なんとか語堂さんを送り届け、星川さんとも別れた俺たち。
いつものように手をつないで帰る。もちろん、ちょっとだけ遠回りコースだ。
「でもあたし、今日はとっても幸せだったな。しばらく洗わないでおこうかな」
「えっ?」「…この手、あなたの唇の感触がまだ残ってる」
言いながら、都子が嬉しそうに右手をひらひら。
「なーんだ、それか…」それに助けられたのか俺はっ?
「あは、あはははは…」「あっ、なあに、失礼ねっ?」むくれる都子。
「それくらい、何時だってやってさしあげます、姫…」
『CHUっ!』
俺はつないだ都子の手の甲に、騎士のようなキスをした。

103 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/11(日) 18:51:37 ID:2YLd6A3W.net
>>100
ニヤニヤしましたw

星川さんわざとなのか天然なのかwwww

104 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/12(月) 08:36:57 ID:Sm0ihWMo.net
>「こ、これは…新婚メーンいらっしゃーい!?ちょっと、椅子から落ちてきます!」
ワロタw

105 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/12(月) 17:39:21 ID:XMXH/oF1.net
『 星と姫君2 』

♪光る風が頬を、吹き抜けて〜
♪ときめいてる、きらめいてる、あなたへの〜「♪めも〜りあ〜る!」
!?
「真希!?」「やっほー。都子もこの歌好きなんだ?えへへ…」
真希とは、音楽の趣味が同じ。
偶然、同じアーティストの、同じ曲を好きになる事も多い。
「もう、鼻歌のサビが突然ハモってビックリしたわよ…」
そして今は、大好きな人も、同じ……。
「ごめんごめん。よいしょっと…うーん、なーんか、風が気持ちイイね…」
「そうね。うふふ…」ふたりの髪がなびく。
「あ、そうそう都子。昨日は本当にありがとう!」「えっ?」
「ほら、つぐみと私を助けてくれたじゃない?」
「あっあれは…、あたしじゃなくって、け、結局、彼が助けたんだよ?」
「それでも、最初に来てくれたのは都子だよ。ま、まあ…その都子の前に、
バーッて立ちはだかった彼もカーッコよかったけどね。なんか…都子の
ナイトみたいだったな」「えっ?そ、そう…かな?」「うん、そうだよ」
にっこりと真希は微笑んだ。彼女はとっても褒め上手。

106 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/12(月) 17:40:32 ID:XMXH/oF1.net
「な〜んかね…、彼といるときの都子、たま〜にお姫さまにみえちゃうよ。
ちょっと……うらやましいな。な〜んてね」お姫さま…か。…………
「……………」「あれ?…どうしたの都子?私、なんか変なこと言ったかな?」
大好きな彼にお姫さま扱い。それはとっても素敵なこと…のはず、だけど……。
でもね。「あたしも、いや…あたしは、真希が、うらやましい…な……」
「ええっ!?そ、それはどうして?都子、彼にすごく大事に…されてるよ?」
「うん。……とっても大事に、そして、とっても気を使われてる気がするの…」
「………」「あたし、ちょっと前、一時期不安定だったときがあって…」
……あの、出口のない迷路をさまよっていたあの頃。「うん…」
「たぶん、そのせいだと思う。あれから彼は、自分の言葉や態度で、
あたしが傷ついたりしないように、神経質になってる…。」「そっか……」
「彼、真希が相手だと、けっこうとんでもない事も平気で言ってるでしょ?」
「……言われてみればそうかも。誕生日プレゼントあげたときなんか特に」
腕組みしながらうんうん頷く真希。「以前は、あたしも同じ扱いだったのよ」

107 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/12(月) 17:41:32 ID:XMXH/oF1.net
「うーん……それは……。だって、私の場合、単に女の子扱いされてないだけ
かも知れないし……」……え、それはない。絶対ないよ真希……。
「でも、それでも、いつも楽しそうに話してるじゃない?」「そ、それは確かに」
「だから、あたしも…あたしにも、気軽に何を言っても大丈夫だよって……
もう、大丈夫、全部受け止められる……って…………」「都子……」
……涙が、こぼれた。
本当は、大丈夫なはずがない。あたしは脆い……。
ぎゅっ。「都子、とっても、とーっても、やさしいね……」えっ?
真希の両腕、そして穏やかな瞳が、あたしを包んでいる。
「でもね、きっと大丈夫。彼はとっても強いよ。
もっともっともーっと、甘えていいんだよ…」「真希・・・」
「な〜んてね。ごめん、私もわかんないや。でもね…でも、きっと
…いや、絶対大丈夫!えへへ、無責任な勘、だけどね」
確かにとっても無責任。でも彼女が言うとなぜが信じられる。

それは真希だから。彼と同じ不思議な空気の彼女だから…かな?

108 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/12(月) 20:58:53 ID:Sm0ihWMo.net
良い話なのにwww
出だしで吹いちまうwwww


筆が早いね〜
羨ましい

109 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/12(月) 22:23:57 ID:JRUsU11A.net
いいはなしだなー

二人とも応援したくなる


あさってはカイの誕生日だから、カイのSS投下しよう

110 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/13(火) 08:05:31 ID:imj5hA4K.net
>>108 >>109
ありがとうございます。これはSSスレができる前から考えていたテーマで
実は、結構難産だったりする。独立して書くつもりがだったのに二人が
本題に踏み込むキッカケを作るために続編の形になったし、
都子についても当方はちょっと贅沢な悩みだなと思って書いていたら、俺の中の
都子から予想外に深い感情を突きつけられて書くのが辛くなったり
星川さんからは、理屈を言って纏めるのを拒否されたりしたもので。

番外編
星川:「♪光る風が頬を、吹き抜けて〜 ♪ときめいてる、きらめいてる、あなたへの〜」
主人公:「♪テッカマーン!」
星川:「あれ?…こらー!」


111 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/14(水) 00:05:23 ID:LI5oTvWt.net
カイ誕生日おめでとう
そして投下

――ごめん、今日用事ができて会えなくなった。今度埋め合わせするからほんとにごめん。

今日あいつからきたメール――
正直言えば今日のデートは楽しみにしていた。だから気落ちしなかったと言えば嘘になる。
おかげでバイトもあまり身が入らなかった。…いつの間にか休憩時間か。

バックヤードに戻ってソファーに腰をかけると思わずため息が漏れる。
あたしの中であいつの存在はこんなに大きくなってたんだな…

――今度のカイの誕生日はバイクでツーリングいかないか?俺も休みいれておくからさ。

あいつの言葉を思いだす…ましょうがないよな、用事ができたって言ってるんだし…
ふと机に置いていた携帯に目が行った。メールが入ってるな。…もしかしてあいつから?
携帯を手に取り確認する。

「カイ、今日あなたのお誕生日だったわよね。よかったらあなたのお家でお祝いしましょう」

…優からか。ちょっと期待してしまった自分がはずかしい。

「わかったよ。ありがとうな優。バイト終ったら連絡するから」

…っと、変身完了。少し気持ちが晴れた。優には悪いが少し愚痴を聞いてもらうかな…

――バイトが終ってすぐに優に連絡を取る。あたしの家で合流することにした。


112 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/14(水) 00:06:03 ID:LI5oTvWt.net
「お久しぶりね、カイ」
優があたしを見つけて手を振る。
「ははは、迷わなかったんだな」
「あなたの家には何度か遊びに来たんだもの。迷わないわよ」
「今日はわざわざありがとうな、優」
「もう、友達でしょ、気にしないの。さあ行きましょう」

優に促されて自宅に入る。優の持ってきた荷物をテーブルに置いて、リビングのドアを開くと――

パーン!!

凄い音が部屋に響く。一瞬何が起こったかわからなかった。

「「「カイ、誕生日おめでとー」」」

…!?
慌てて部屋の明かりをつける。

「なっ…なんでお前らがいるんだ!?」
部屋の中には…あたしが会いたかったあいつと、七河、そして…小林がいた。
優に肩を叩かれて振り返る。
「ふふ、彼がね企画したのよ」
彼ってのはもちろん、あたしの彼氏のことだ。
「えっ…じゃあ、あのメールも嘘っ――」
「騙すつもりじゃなかったんだけどさ、みんなでお祝いしたいなと思って」
あいつは申し訳なさそうに頭を掻く。
「すっかり騙されたよ…」
騙されたが、別に悪い気はしない。それに…こんな風に皆で祝ってもらうのは初めてだ。
「で、お前は当然いい。七河も、もちろん優もいい。なんで小林がいるんだ?」
あたしは小林を指差して言った。
「な、なにおー!こっちだって何が怖くてこんな部屋にきたと!」
「あ"ぁ!?何か言ったか小林!?」

113 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/14(水) 00:07:30 ID:gnX5n8bm.net
ひぃっ!ぼっ暴力はんたーい!暴力かっこわるーい!」
小林が七河の後ろに隠れてほえる。
「やっぱこいつ、すげー腹立つんだけど…」
「お前らほんとに仲イイよな」
七河が不本意なことを言う。
「さ、カイ料理が冷めちゃうわよ」
優に肩を叩かれた。テーブルの上には豪華な料理が並んでいる。
「これは?」
「ふふ、わたしと彼で作ったのよ。彼頑張ってたよ」


――優とあいつの作った料理は想像以上においしいものだった。
あいつ料理できたのか…全然しらなかったぞ。

「あっ、お前口の横にソース付いてるぞ。」
七河の言う通り、あいつの口元にはソースが…まったくだらしない奴だな。
あたしがティッシュを取ろうとすると――
「しょうがないな…ほらティッシュ」
なっ…七河が親しげにティッシュを渡そうとしている。
「な、七河!あたしがやるからさ…」
あたしは慌ててティッシュでソースを拭った。なんでこんなに慌ててるんだ…?
「…なんだよお前ら。いちゃいちゃしやがって…」
また小林がおかしなことを言い出した。
「はぁ?お前何言ってるんだ?」
「あーもういいなー!うらやましいなー」
「気にするな龍光寺。いつもの発作だから」
七河が笑いながらそう言う。あたしもつられて笑ってしまった
…考えてみたらこんな風に皆で笑ったりとか…昔じゃ考えられないな…

――その後は皆からプレゼントを貰ったり、バカ騒ぎをしたり…
結局皆が帰ったのは23時半を回ったくらいだった。


114 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/14(水) 00:08:14 ID:gnX5n8bm.net
「どうだったカイ?」
「楽しかったよ…こんな風に…過ごすのも悪くないな」
正直な感想を述べた。
「そっかよかった」
あいつは顔を綻ばせる。こいつの笑顔を見てるとなぜだかあたしも元気になる。
「お前が企画したんだろ?」
コクリと頷く。
「実はさ…プレゼントまだあるんだ。二人っきりになってから渡そうと思って」
そう言って、ポケットから何かを取り出す。
「これを…」
手にしてるのは…シルバーのイルカをかたどったペンダント。
可愛い…でもこんなのあたしに似合うのか?
「カイなら似合うよ。カイはかわいいし」
あたしの表情に気づいたのか、そんなことを言う。
「ばっ…恥ずかしいこと言うなよ…嬉しいけどさ…」
こいつ普段は鈍感なくせに、褒めるのだけはうまいんだよな…
「ほらつけてあげるから」
あたしの首に手を回す。
「あっ…」
いきなりこんなこと…反則だろ…あいつの顔が目の前にある…
「ほら、できたよ」
「あ、ありが――」
あたしがそう言い切る前に…強く抱き締められた。
もう言葉はいらない…あたしは…そのまま身体をあずけて…唇を――

――これがあたしの19歳の誕生日
テレビではちょうど24時を継げるアナウンスが流れていた――

115 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/14(水) 00:09:40 ID:gnX5n8bm.net
その頃龍光寺家――
「カイのためにプレゼント用意したのに…帰ってこない」
龍光寺忠貴は机の上に用意したプレゼント見つめながらため息を付いた。
「あなた、いい加減に子離れしなさい」
「し、しかしだなお前、今頃カイがあのオトコと…」
「あ・な・た」
ギロリと一睨みをする。
「か、かあさんわしが悪かったから眼力は勘弁してくれー」
今日も龍光寺家では忠貴の悲鳴が上がるのであった…




カイのパパは尻に敷かれてそうなイメージがあったので
蛇足気味にはなったがw

116 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/14(水) 00:27:49 ID:GbP08wAa.net
お疲れ様でした

改めてカイにおめでとう

蛇足?素敵なおまけですよw

117 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/14(水) 08:19:22 ID:3ftgg3DN.net
『願い星』
龍光寺カイ16歳生まれて初めての一人誕生日万歳!
お気に入りになりつつある河川敷。
土手の草むらに寝そべり、日が沈むまでぼーっと過ごす。
そんな、ささやかな反抗期気分を堪能した日のことだった。
「あら、カイ!どうしたの?」「優?」…皐月優だ。
「いやさ、せっかく一人暮らしになったってのに、
お父様…いや親父のやつが例によって、
盛大な誕生パーティを開くとか言い出しやがっからさ」
「あら」お父様らしいわねって顔で眉をひそめる優。
「それでボイコットしたんだけど。家にいたらSPに捕まりそう
なんで、ここにいたって訳」
「そうなの? あら、…カイ今日お誕生日だったのね?
それじゃぁ、プレゼントあげなきゃね」「いいよそんなの」
「ううん、ささやかなものだから。気にしないで見ててね?」
見る?優は、おもむろに右手を頭上に掲げると…
「私の右手が、光ってうなる!」指先が青白く光った!?
彼女はその指を滑らせ、
光の軌跡で空中に複雑な魔法陣を描きはじめる。
「いい?見ててカイ!…本気で、いくわよ…」
右手を斜めに振り下ろしながら、彼女が叫ぶ。

「 「 「 「 『 メテオ!! 』 」 」 」 」

瞬間、優の指先が天空を真っ二つに切り裂いたかのような流星…
とてつもない明るさの光輝が、まだ明るさの残る夜空を横切った!
……こ、これが、きらめき生徒会長の実力なのかっ!?
あたしは言葉を失った…。

118 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/14(水) 08:20:42 ID:3ftgg3DN.net
「ねぇ、どうだったカイ?」「すごい…」「ううん、そうじゃなくて」
「?」「願い事できた?」「へっ、願い……事?」
「ほら、流れ星に3回唱えると願いが叶う、って言うじゃない?」
「そ、そんな事、急に言われても…願い事なんか思いつかないよ」
「そう?…それじゃぁカイ?あなたが心から叶えたい願いが…
見つかったときに…」「見つかった…ときに?」
「もっと凄いのを落としてあげる。って…約束するわね。うふふ…」
……も、もっと『凄いの』を…『落とす』だって!?
「……」「あ、それからカイ?」「は、ハイ?」「サボリはほどほどにね?」
「………はい」


……そして、それから3年近くが過ぎた卒業の日。
あたしは、その『凄いの』の約束は本当だったと知ることになる…。
あたしが『アイツとずっと一緒に居たい!』。そう心から願ったあの時!
その『凄いの』は鮮やかにあたしの願いを叶えてしまった。
龍光寺の屋敷に大穴をあけ、クソ親父…いや、お父様の頭に落ちることで…。


==============
…と、言う事で、龍光寺カイ様、お誕生日おめでとうございます。
ゲームでは語られる事のない1年目の誕生日…こんな訳ないよね?w


119 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/15(木) 00:33:09 ID:YQDJMsxH.net
龍光寺パパカワイソスwwwwwww

120 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/15(木) 06:51:26 ID:pW14r/tI.net
>>119
バトル告白時の親父さんの謎の大ダメージが
もし精神的ダメージとか二人の愛の力とか
じゃないと敢えて考察したら、…ま、これしかなかろうとw

121 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/15(木) 07:15:18 ID:ypgARGVB.net
パパwwwwwwwwww

122 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/15(木) 12:17:29 ID:yOXBe29J.net
『 マイゴドウ 』

テストも近いので、今日は図書館でデート。言うなればお勉強会だ。
二人なら、試験勉強だって楽しい時間。もともと勉強は嫌いじゃないが、
……顔をあげるとそこに、つぐみのおでこやつむじがある。
それだけで、なんか幸せな気分になれる
「(……なっなに見てんのよ?)」「(…ごめん)」恥じらう顔も可愛いし。
……
「今日は楽しかったな。また誘ってね。絶対よ?」
「もちろん。俺も楽しかったし。まだ今日は大丈夫かな?お茶する?」
図書館の後はつぐみの実家の喫茶店でお茶が、いつものパターンだ。
「あっ、ううん。今日はちょっと、敵情視察に行ってみようと…思って…」
「敵情…視察?」「そう。近くの住宅街に、隠れ家的なコーヒー専門店があって
そこのコーヒが、凄く美味しいって噂なのよ…」「へー。それで偵察しようと?」
「う……うん……」あれ?ちょっと微妙なリアクション?でもまあ…ここは…
「面白そうじゃん。行ってみようぜ!」「それじゃ、決まりね…」
………
「…ここじゃないみたいだな?」「そうね。このあたりだと聞いたんだけど…」
…………「うーん、此処でもないし…」「なかなか見つからないな。流石隠れ家」
「…………」色々さ迷ってはみたが、どうにも見つかりそうな気がしない……。
「あれれ?確か、ここは図書館のそばだよな?」一瞬はっ、とした表情のつぐみ。
「な、なんかね?キミといると見慣れた風景でも違う景色に、み、見えちゃうんだ。
…な、な〜んてね!」むむ!?なんか変だぞ?いつものつぐみなら『キミ』なんて
言わないぞ…『な〜んてね』はともかく……。

123 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/15(木) 12:19:17 ID:yOXBe29J.net
「あっ!……い、いや……ほ、ほらそこ!その角の店だよ!?」「え、ええーっ!?」
………確かにそこに喫茶店らしきは店あった。しかし…こりゃえらく可愛い感じの……とてもコーヒー専門店とは思えない、パステルカラーのとてもファンシーなカフェ。
「本当に…ここ、入るのか?」「ま、まぁ…入ってみればわかるじゃない?」カラン…
中はそれほど派手ではなく、ナチュラルカントリーテイストのテーブルと椅子。
……絵本が大量に置いてあって、自由に読んでいいらしい。
早速コーヒーを二つ頼み、絵本を広げる二人。……子供用と侮るなかれ。
読んでみると絵本はとても面白く、何冊も取り替えに立つハメになった。
…………
店を出ると、そとは結構暗くなっていた。二人並んで歩く……。
「……ふう、意外に楽しい店だったね?……コーヒーはマスターのいれるヤツのが
遥かに美味いけど」「………」うつむいて沈黙するつぐみ。「ん、どうしたの?」
「……ゴメン!」へっ?「本当にゴメン。実はコーヒー専門店…私の嘘なんだ…」
「えっ、それじゃ今の店は…?」「あれは偶然」うーむ


124 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/15(木) 12:20:28 ID:yOXBe29J.net
「………にしても、なんでそんな嘘なんか…」「笑わない?あっ、いやいや…
……私が悪いんだから、笑われても起こられても、仕方なんだけど…」「うん…」
「て…」「?」「手、繋いで、帰りたかったから…」恥ずかしそうに俯いて呟くつぐみ。
「良いよ。繋ごう?」俺はつぐみの手をとり、軽く握る。つぐみはなされるがまま…
「…うん。………うちの店でお茶したら、そこでバイバイじゃない?」あっそうか!?
「でも、今日は、なんとなくそれが寂しくなっちゃって……。
ちょっと、遠回りしたいなって、それで、別のお店に寄ればって、ふと思ったら。
咄嗟に、つい、あんな嘘を……本当に、本当にゴメン!」
……うわ、なんて可愛い嘘を……こ、これはこっちも恥ずかしい!
体中の血液が、顔面にまわるかのような感覚になりながら、つぐみをチラ見。と…
つぐみが、上目遣いで俺を見上げてる。
「あ、な、何…赤くなってんの…よ?」「あ、いや、なんだか、嬉しくて…ちょっと感動…」
「なっ、そっ、そんなこと……」「……………」俺も言葉がでない……。
………………
沈黙……の、あと…つぐみが小声でぽつり。
「もう……、これ以上、夢中にさせないで……」「えっ?」「ううん、なんでも!」


125 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/15(木) 21:53:42 ID:YQDJMsxH.net
今日のメモラジを聞いて思いついたネタ


あ…あれはカイじゃないか…やけに周りをキョロキョロしてるな…何してるんだ?
ここは下校途中にある河川敷。カイと初めて会った場所でもある。
ちょっとカイの様子が気になって、思わず身を潜めてカイの様子を探る。
盗み見か…俺も趣味が悪いな…
悪いとは思うが好奇心には勝てない…

あれは段ボール?
カイが段ボールに近づく…心なしか笑顔に見える。

「ほら、腹へってないか?ご飯持ってきたぞ」

カイが袋から何かを取り出す。するとミーミーと鳴く声が…
猫?段ボールの中から子猫が二匹踊り出てきた。
ミャーミャー…
「ははは、お前らほんと可愛いな…」
カイが袋から取り出したそれ…多分缶詰かな…?
カイが缶詰を開けて子猫の前に置くと凄い勢いで子猫がむさぼりつく。
「はは、あんまがっつくなよ…腹壊しちゃうぞ」

ふーん…時々ここに来て餌をやってたのか。カイにはすっかり懐いてるところをみると結構前から来てるのかもな。

子猫はひとしきり食べ終えて満足したのか毛繕いを始めた。一匹をカイが手にとって抱き締める。
「お前はほんとに美人だな」
猫に顔うずめてニヤニヤするカイ…これはちょっと凄いものを見てしまった…
オレととデートしてる時のカイも普段からは想像つかないけど、このカイは…
でも…楽しそうだな…学校にいるときは絶対見れない顔…こんな素敵な笑顔もするんだ…
その笑顔を見てると少し胸がきゅんと高鳴った気がした…

126 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/15(木) 21:55:08 ID:YQDJMsxH.net
プライベートな空間…あんまり覗いてるのも悪いな…帰るか。
きびすを返した瞬間――足元に缶があったのに全く気づかなかった――派手な音を鳴らして缶は見事にへこんだ…

「……誰かいるのか?」

後ろからカイの声が聞こえる…
ここは…
1.猫の振りをしてごまかす
2.素直に出る
3.ダッシュで逃げる
オレの頭は猛烈に回転して…結局…

「い、いやーカイ偶然だなー…ほんと偶然、すっごい偶然」
「お前か……で、いつから…そこにいた?」
「いや、ついさっき…たまたま河川敷に寄りたくなってさ…ははは、カイが缶詰あげるとことか見てな――」
あああ、オレは余計なことを口走ってしまった。
「ふぅ…」
カイがため息をつく。
「お前はほんとに嘘が下手だな…」
カイが苦笑をする。
「まぁ見られたのがお前なら別にいいか…見てのとおりあたしはこいつらに時々餌をあげたりしてるんだ」
幸い怒ってないみたいだ…ほっと胸を撫で下ろしてカイに近づく。
「飼わないの?」
「ああ、あたしの親父がさ一人暮らしの条件にペットは飼うなって言ってきたんだ」
「ならさ…オレが…飼おうか?」
「は、マジでか?でも…大丈夫なのか?」
カイが期待と不安が入り混じった表情で見つめる。
「ああ、親はオレが説得するからさ」

127 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/15(木) 21:57:03 ID:YQDJMsxH.net
――不意にカイに抱きつかれた。
「マジ嬉しいよ。お前やっぱ優しいな。あたしの思った通りだよ」
「ちょっ…ちょっとカイ…」
「ん?あっ…」
カイが慌てて離れる。
「今のは…その」
カイが顔を赤くしながら言い訳をする。オレも顔が赤いのがわかる。しばらく無言で見つめあった後、カイが笑いだした。
「ふふ、ははは」
オレもつられて笑う。
「あはは…」
「お前といるとホント飽きないな…さ、お前の家に行こうか」
「カイも来るの?」
「当たり前だろ。ちゃんと飼えるの確認してからじゃないとな」
「そっか。じゃあ行こうか」
そっとカイの手を握る。
「あっ…」
カイが握り返してくる――


結局親には散々怒られたが、なんとか飼うのを認めてもらった。
それからは我が家には二匹の家族が増えた――いやもう一人、カイが頻繁に遊びにくるようになった。
「おば様、お邪魔します」
「あらカイちゃんいらっしゃい。ゆっくりしていってね」
「ハイ、ありがとうございます」
まるで借りてきた猫だな…親とのやり取りを聞きながらそんなことをぼけっと考えていた。
オレの部屋ではカイがだらしない顔で猫と遊んでいる。ま楽しそうだからいっか。

128 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/15(木) 21:57:54 ID:YQDJMsxH.net
ほんとはもっと「かわいいでちゅねー」とかやろうかと思ったんだが、松浦チエさんの言う通りキャラ崩壊になるなと思ってやめたww

129 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/16(金) 07:08:30 ID:CYqg7Lm9.net
二人とも乙でした!
楽しかった

130 :バースデイプレゼントを君に 1/3:2010/04/21(水) 21:16:59 ID:qfA+F/GY.net
濡れた髪を乾かしながら冷蔵庫に向かう。
冷えたミネラルウォーターをグラスに注ぎ、一息に飲み干してやっと人心地付けると、
シャワーを浴びて火照った体を冷ましながらキッチンから寝室へと向かう。
ベッドに飛び込み、そのままぼんやり天井を眺める。

疲れた。
今日もお父さ・・・親父と電話で言い争ったばかりだ。
向こうは「家に戻れ」、こっちは「家には戻らない」の一点張りのいつも通り進歩の無い話。
全くうんざりだ。
うんざりするのは龍光寺の家に対してだけではない。
期限付きのお情けで仮初めの自由を手にしただけの自分に何よりうんざりする。
進歩の無いのは親子の会話ではなく、自分自身ではないのか?
大見得切って家を飛び出して一年。
未だに自分の進路も、夢も、目標も何も見つからない、結局自分一人では何も出来ない半端者の自分…
考えても悩んでも答えは出ず、こうして自問自答で浪費していく日々・・・
全く進歩が無い。

溜息をついて寝返りを打つと机の上に置いておいた小包が目に入って来た。
可愛らしいその小包は、今日学校で誕生日プレゼントとして渡されたものだ。
全くあいつも妙な奴だよ、こんな人間に誕生日プレゼントだなんてさ。
そりゃあ誰だってお祝いしてもらって嬉しく無いわけが無いけど…
あいつも気が付くんだか付かないんだかわからないが、ファンシーグッズで有名なその店の小包のまま渡すもんだから隠す術もなく、
そのまま手に持って教室に戻ったら目ざとい女子の連中から奇異の目で見られ、何故だか恥ずかしくなってしまった。
わざわざ買いに行ってくれた事には感謝するけどさ。

131 :バースデイプレゼントを君に 2/3:2010/04/21(水) 21:18:09 ID:qfA+F/GY.net
ふと思い立ち、机に向かい小包を開けて中身を取り出す。
中身は少し不細工だが愛嬌があり今人気のある猫のぬいぐるみだった。
ぬいぐるみを手にベッドにまた身を投げる。
仰向けになりぬいぐるみを上にかざすような体勢になる。

そっか・・・女の園とでも言うべきあの店に、男一人で買いに行ってくれたんだな・・・

店中に溢れかえっていたであろう沢山の女子中高生に囲まれて、右往左往するあいつの姿を想像したら、可笑しくてつい笑ってしまった。
それに免じて教室での事は忘れることにしよう!折角のプレゼントだしな!

それにしてもこのぬいぐるみは愛らしい。
ぬいぐるみを胸に抱え込み、ベッドの上で身悶えしてしまう。
こんな姿他の誰にも見せられない。
あぁ可愛い。
ひとしきりベッドで転げ周りぬいぐるみの愛らしさを堪能したので、一息つこうとぬいぐるみを胸に抱えたまま目を瞑ってみる。

132 :バースデイプレゼントを君に 3/3:2010/04/21(水) 21:18:53 ID:qfA+F/GY.net
あぁ、そっか・・・
さっきまで自分は一人だと思っていた。
けれども少ないやり取りの中でもこうして自分の趣味を感じ取ってくれる、自分を理解してくれる人間がいることに気が付いて少し救われたような気がした。
今までに無い、安心した穏やかな気持ちが湧き上がっていることに気が付いた。
目を見開いた時にはさっきまでのモヤモヤは吹き飛んでいた。
ありがとな。
手にしたぬいぐるみに気付くと話しかけていた。

そうだ。この子にも名前をつけてあげなきゃな。
部屋に飾った他のぬいぐるみ達にも名前をつけてあるし、新しいこの子を紹介するのにも名前がなくっちゃな。
候補を幾つか挙げてはみるもののなかなか決まらない。
なぁ、おまえはどんなのが良いんだい?
話しかけながらぬいぐるみの顔を覗き込んだ時に脳裏に浮かんだのは

あいつの顔と名前だった

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!
な、なんでぬいぐるみの名前にあいつが出て来るんだよ!
気を取り直して再度違う名前をつけようとしたが、ぬいぐるみを見る度に浮かんで来ちまう。
それを振り払おうとベッドで転げまわっているうちにいつしかあたしは眠りについていた。


その日あたしは夢を見た。
ここ最近見ることもなかった夢を。

え?何の夢だったかって?
い、言えないよそんなの!!
そんなの言えるかよ!しつこいって言ってんだろ!

あ"ぁ!

133 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/21(水) 21:25:10 ID:qfA+F/GY.net
すっかり遅くなってしまった
ごめんねカイw

読んでくれた人
それとこのSSを書く元ネタとなってくれた方に感謝を込めて
ありがとう

134 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/21(水) 23:37:05 ID:UUy5o1iX.net
>>133
グッジョブ!
感情移入しまくりでしたよ。
次回作も期待しちゃう

135 :1/6:2010/04/22(木) 00:58:55 ID:zSyF+zxK.net
超長くなっちゃいましてごめんなさい。
なんとなく思いついて学の話を投下させていただきます。



 小林学という男がいる。
 その評伝には諸説ある。曰く変態。曰く心の友。曰く生まれるのが十五年遅かった。
 ある時はロボコンで鍛えた設計センスを活かし生み出した無駄に洗練された無駄に高性能な無駄マシンを、他ならぬ聖なる夜に心の友の手に握らせ、
 ある時は友情のために身を削り妖魔百鬼を討伐すべく、古式ゆかしい様の女装でもって往来を闊歩し、
 ある時はなんていうか友人をベッドに迎えたらしい。

「という噂が立っている」
「誰だよ犯人は!」
「むしろ噂というか既に伝説になっている」
「どうなってんだよ!」
「伝説の木について書いた本があったろ? あの本って時々新しい説話を加えて刷新されるんだよ。で最新版のゲラ見せて貰ったんだけど、名前だけ伏せられて載ってたよ」
「生徒会かよ! っていうか止めろよ副会長!」
「いやー、でも他にインパクトある話知らなくってさ。討議で振り落とされると思ったんだけど」
「お前が犯人かよ!」
「めんご」
「お笑い好きで何でも許されると思うなよ! 正志! お前こいつに何か言ってやれよ!」
「修学旅行の件に関しては何も言わないさ。訊かれたくない事なんて誰にだってある」
「訊けよ! むしろ誤解を解かせろよ!」
「小林学とは、つまりそのような人物である」
「誰にナレーション入れてんだよ!」
 小林学とは、つまりそのような人物である。

136 :2/6:2010/04/22(木) 00:59:51 ID:zSyF+zxK.net
 成績は至って優秀。素行も概ね勤勉。また運動などの不得意分野にも
積極的に参加する意欲もあり、自分の得手不得手を冷徹に把握する知性も充分に備わっている。
三年生になってからは悩み事が増えたのか、成績にも表情にもかげりが見えるが
むしろ評価すべきはそれでも泣き言を言わず己を保ち続ける精神力だろう。
友好関係も手広い。手広すぎるゆえに方々に地雷が生まれるが、踏んだところで今更今更。
 夏休みに前生徒会長達と海で戯れているところを目撃したという証言もある。
だが夏休み明けも相変わらずその高貴なオーラを浴びると影まで焼き尽くされた辺り、
あれは単なるシステムバグなのではないかというキワどすぎる評価で一致している。
なおエロゲーのセンスは保守的。ぶっちゃけ抜(ry

 そのようなブラック伝説で埋め尽くされた死屍累々の日々を、学は思い出していた。

 明日は卒業式だった。大学入試の手応えには自信がある。そもそも学校の成績が落ちたのも、
大学向けの勉強を独自にしていたからだ。テストの時間はほとんどを、問題テキストに
いかに独自の切り口を見付けるかに費やしていた。自慢である。あまりにも自慢すぎるので
口外するのがハズい。

137 :3/6:2010/04/22(木) 01:00:48 ID:zSyF+zxK.net
「今思えばそれで一人くらい口説けたよなー……あー……図書室とかに
苦手な数学をなんとか克服しようって努力っ子が来てればなー……」
 図書室に来たのは龍光寺だった。その目を見て以後の記憶は勿論絶無である。
 まあ詮無い事だ。どうせ一年以上も昔の事なのだから。
 夜八時。自室の窓を開けると遠くから宴会の笑い声が聞こえてくる。桜にはまだ早いが、
騒ぐ理由なんてのはいくらでも作ればいい。住宅街の家々の窓から漏れる光。
ときおりその窓に人影が映る。それが女性らしいと見るや取りあえず
プロポーションをイメージし顔と声を作り自分と彼女が恋人になった光景云々。
 ノらない。今日はそんな気分になれない。ぬるい風とほのかに匂う草の匂いのせいか。
かと言って勉強する気にもエロゲーする気にもなれない。
「卒業か……」
 つぶやいてみる。小、中、ときて三度目の卒業だ。びっくりするような事じゃない。
たかが制服一枚に腕を通す事がなくなるに過ぎず、たかが学校一つから自分の席がなくなるに過ぎない。
 とは言え彼女が出来なかったのは辛い。三年間随分いろいろやったつもりだし、
決定的なところまではいかずともそれなりに女の子達との楽しい思い出だって作れた。
頑張ったつもりだし、実は一人で手応えのようなものも感じていた。
それだけに、幾ばくかの喪失感のようなものがある。何かが空回りしたのに気付かないまま
来てしまったような。

138 :4/6:2010/04/22(木) 01:02:25 ID:zSyF+zxK.net
「入学式にカメラ回してたのはまずかったかなー……」
 そう言や小学の入学式でも女子のスカートめくったよなあ……。
 一人で笑う。何も成長してねえじゃん。自業自得か。いや、大学生活では
きっと新しい女の子が俺を待ってる。だーじょうぶ、男にも正志みたいな
フリーイケメンがいるんだ、女にだって似たような子がいるに決まってるし、
正志と仲良くなれた俺がそんな子と仲良くなれないはずがない。
ましてや無自覚のまま十人近くの女子に惚れられたのに修羅場の一つもくぐらなかった
アイツみたいな奴だっている。
「俺を待ってる子なんていくらでもいるさ。いーや、俺の事に気付いてなくても、
そん時は俺のほうから探してやる」
 額縁に飾ったチョコに目をやる。今年の二月、内気で照れ屋な誰かさんが
(気絶していた)学に渡した逸品。
 ぶっちゃけ生涯の宝になるだろう。いいや、俺を好きだと言ってくれる子は
その一人一人が俺にとって宝そのものだ。宝である以上は必ず探し出してみせるし、
見つけ出した宝はきっと失ったりはしない。
「お?」
 突然電話が鳴った。こんな時間に誰だろう。

139 :5/6:2010/04/22(木) 01:03:44 ID:zSyF+zxK.net
『……あ、学? 今平気か?』
「……どうしたんだよ、生徒会副会長殿?」
『あの……いや、ちょっと相談なんだけど……』
「なんだ? あれか、明日はお前も告白するのか? 卒業の日だもんな」
 ものすげー間があった。
『……………………うん』
「……………………誰だ?」
『……星川さん』
 学はなんとなく笑う。
「で、何だ?」
『いやその、一応、お前と正志にはなんつーか、言っておこうと思って』
「それだけか?」
『……告白って、なんて言えばいいかわかんなくて』
 三年前なら――思う。三年前なら、きっと雑誌で見聞きしたような知識で
ベラベラと有る事無い事自慢げに語っていたような気がする。
「好きなら好きって言えばいいじゃん」
『……そうか?』
「好きなんだろ?」
『……うん』
「へへ、お前のそんな真剣な声、初めて聞いたよ」
『そ、そお?』
「おお、ビンビン伝わって来た。今のお前とならまた女装で付き合ってやってもいいな」
『カンベンしろよ〜』
 二人で笑う。それから学は言った。

140 :6/6:2010/04/22(木) 01:06:03 ID:zSyF+zxK.net
「お前はいいヤツだよ。保証する」
『それ、振られる男の常套句だろ?』
「縁起悪かったな。でもマジだぜ。……俺に言えるのはこんだけだけど、応援してるよ」
『……サンキュー』
「もし振られても安心しろ。ちゃーんとお悔やみ会もセッティングしとくから」
『そん時は正志を女装させてやろうぜ』
「いいな! 時々あいつに女装させると似合うんじゃないかなーって思う事があったんだ!」
『え……あ、ああ。そおだな。まあ、そのへんもおいおいに……』
 何故かやたらキレが悪い。まあそうだろう正志の女装なんて冗談で言ってみたものの、
やってみたら頭痛がしてくるに違いない。あとは二三の冗談を交え、
「なあ」
学としては、最後に言っておくことがあった。
『何だ?』
「ハタチになったら、三人で酒飲もうぜ」
『……ああ。今日はマジで、ありがとな』
「いいって。じゃあな。健闘を祈る」
 切る。
 しばらくぼんやりと外を眺めていた。
 それから訳もなく笑いがこみあげてきて、学はずっとニヤニヤしていた。

 あと全くどうでもいい話だが、学は次の瞬間に思い立ってとにかく思いついた女子に
伝説の木の下に来てもらいたいという旨のメールを送った。
しかして翌日にはメールを送った十二人の女子全員が相互に、学が複数の女子に
メールを送った事を知っていたという。
南無。

141 :※※※:2010/04/22(木) 01:06:53 ID:zSyF+zxK.net
以上です。長い上に学のヘンなところしか出ない話で、
スレを汚してしまいまし失礼いたしました。

142 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/22(木) 07:21:10 ID:xiA1DKw/.net
お疲れ様〜
やっぱ学はいい奴だわ
最後玉砕しちゃったけどw

正志もいい奴だし4の主人公は恵まれすぎですな
俺もその内書いてみたいな友情もの


「その前に私のいつまで放置してるのかしら?」
優さんすみません・・・

143 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/22(木) 08:56:24 ID:H+6SDqzB.net
>>133
おおモノローグSSだ
自分が書くときはモノローグに途中から
「」がついて独り言になったり
それに答えてしまう共演者が出てきたりしながら
話が進行する事が多い

都子EDの他につぐみEDも思い浮かべた
いい感じです

>>141
学はグラディエイター進路のときの熱い感じが好きだな
いや、面白かった




144 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/22(木) 12:17:30 ID:xiA1DKw/.net
>>143
モノローグSSって言うのか初めて知ったw
書くときっていつもどう書こうか悩んじゃう
誰の視線で書こうかな〜とかって

都子・つぐみんSS期待してますぜ!

俺も次のやつ今週中に終わらせられれば良いな

145 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/22(木) 13:08:22 ID:H+6SDqzB.net
>>14
いや>>130-132のSSの元ネタ
ぬいぐるみに主人公の名前をつけたのが
都子EDでウサギさんの名前明かす部分と
つぐみEDで恋愛小説読むと主人公の声が聞こえると話す部分
両方のイメージが重なったって意味でして

でもまあ思いついたら書きますよ都子とつぐみw



146 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/22(木) 13:09:02 ID:H+6SDqzB.net
おっとアンカー消えた>>14じゃなくて>>144

147 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/22(木) 13:20:35 ID:xiA1DKw/.net
>>145
おへ!?
自分で書いてて全然気が付かなかった!
>都子ED・つぐみEDとのイメージ

元ネタはイラストからでして
イラストを見てて沸いたイメージに少し付けたししていったのが今回のSS
イラストの作者さんに改めて敬礼なのです(`・ω・´)ゞビシッ!


そして改めておねだり&期待させて貰っちゃうねw

148 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/23(金) 00:17:21 ID:TbRC7Rk+.net
以前柳ネタを作っていると言ってた者ですが。
ようやく完成にこぎつけました。
稚拙でかつ読みづらい点等々あるとは思いますが、
生暖かく見守っていただければ幸いです。

149 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/23(金) 00:20:39 ID:TbRC7Rk+.net
柳家の晩餐 〜地獄の一丁目へようこそ〜


5月某日。
かろうじて一流大学に入学し早一ヶ月が過ぎようとしていた。
ようやく大学にも慣れ、友達も増えつつある今日この頃。
相変わらず、学は女子学生に弄ばれる姿を横目に見ていたり。
しかし・・・あいつのエロスパワーはどこから湧いて出てくるんだろう。。。


さて、話は変わって。俺は何故か、とある短大の前に立っていた。
ある女の子を待つために。しかしここは女子短大。
どうみても校門前で待つ俺は不審者である・・・マッチョな警備員の眼光が恐い・・・


『あ。○○く〜ん』


どこからともなく聴こえてくるあの甘ったるい声。
1人の女の子が俺の下へ駆けてくる。
ほんわかとした雰囲気。すこしぽっちゃりした体。そして大きな胸(おいおい
柳冨美子。俺の彼女。
あの悪夢?の全校告白生中継のお陰で俺たちは結ばれたわけだ。


150 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/23(金) 00:23:07 ID:TbRC7Rk+.net
『ごめんねぇ〜。待った?待ったよね?』
「いや、待つのは慣れてるから大丈夫。」
『あ。それって嫌味〜?あはははははは』
「はははははは。」
『さってと。お買い物してあたしん家いこ♪』
「あぁ。行こうか冨美子。」

今日は付き合って初めて、冨美子の自宅へ行くことになっていた。
家の前までは何度もあるが、家に上がるのはこれが初めてである。
うっ・・・そう考えると少し緊張してきたぞ・・・?
お土産は何にしようか・・・スイーツショップのケーキか?甘味処のあんみつか?
う〜ん・・・あまり考え無しで来ちゃったな・・・

『・・・くん?○○く〜ん?』
「えっ!?あっ?何?」
『もぉ〜。何を食べたいか聴いてるのに〜!』
「あ!あぁごめんごめん。そうだなぁ〜ハンバーグとかいいなぁ〜。あは、あはははは・・・」
『ほうほう。ハンバーグね!おけおけ〜^^』
う〜ん。やっぱり冨美子は笑顔がかわいいなぁ。
しかし・・・おいおいいくらなんでもやたらめったら買いすぎじゃないのか?
ひき肉、玉ねぎ、人参、お構いなしにどんどんカゴの中に入れていく・・・
「な、なぁ冨美子」
『ん?ど〜したのぉ?』
「冨美子の家って確か・・・ご両親とおばあちゃんと、妹に冨美子、だよな?」
『そうだよぉ。』
「5人+俺にしても、やたら量多くないか?」
『そうかなぁ?これでも少ないくらいだよ?』
この一言の意味は、後々思い知らされる事になろうとは、
この時の俺は知る由も無かったのである・・・

151 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/23(金) 00:26:36 ID:TbRC7Rk+.net
お土産は冨美子のリクエストでシュークリームになった。
しかし・・・大量の食材・・・すごく・・・重いです・・・
『たっだいま〜!彼、連れてきたよ〜!』
「おかえり〜。今行くわね〜。」
「あら。冨美子の言う通りかっこいい子ね。いらっしゃい。はじめまして、冨美子の母です。」
「あ。どうもはじめまして。○○と申します。今日はお招きいただきありがとうございます。」
よく似た親子である。
「あっ!お姉ちゃんの彼氏だ〜!こんにちはっ!妹の加奈子でーす!きらめき高校1年で〜す!」
これまたよく似た姉妹・・・クローンか?
「おやおや。冨美子の将来の旦那さんかいね?どうもどうも。冨美子の祖母でございます。」
どんどん出てくる柳家の人々。しっかしよく似てる・・・
女性側の遺伝子が強いんだろうか・・・
「おぉ。冨美子の彼氏くん。いらっしゃい。冨美子の父です。いつも冨美子がお世話になっていてすまないね。」
・・・でけぇ・・・キングワル男よりでけぇんじゃないのか!?
「おいおい。いつまで玄関で挨拶させるんだ?あがってもらいなさい。さぁどうぞ遠慮しないで。」
「あっはい。お邪魔します!」

リビングに通される。
ふ〜む。至って普通の家・・・だな。ウチとあんまり変わらないや。
「さぁさぁ。そこに座って。母さん、お茶でも出して。」
「あっはい。それじゃ失礼します・・・うおっ!」
ソファが思いのほか深くてオレの体が軽く埋まってしまった。
「ははは。キミもやっぱり引っかかってしまったか。初めて来る人は大概そうなるんだよ。決してイタズラじゃないからな?ははは。」
「ははは・・・ちょっとびっくりしました・・・」
「ふふ。ごめんなさいね。ウチのソファは全部そういう感じなの。はい、どうぞ。」
「あ、どうもありがとうございま・・・」
・・・アレ?俺の目がおかしいのかな・・・これ・・・お茶・・・だよな?
何故ジョッキで・・・しかもおかわりがピッチャー・・・
この時点で気づけばよかったものを、やはり高校時代からの鈍感っぷりが遺憾なく発揮されている。
こういうモノなんだと思ってお茶を飲む。

152 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/23(金) 00:30:17 ID:TbRC7Rk+.net
ここからはお父さんからの質問攻めタイム・・・
き、気まずいなぁ・・・しかし、それは杞憂に終わる。

「で・・・。キミと冨美子は付き合ってどれくらいになるんだ?」
「えっ?あぁ正式に付き合うようになってからは2ヶ月程経ちましたかね・・・」
「高校時代から付き合ってたんじゃなかったのか〜。」
「はい。何て言いますかね・・・高校時代は仲のいい友達・・・とでも言いましょうか・・・ごく」
「その割には、毎日のように冨美子はキミの話をしていたけどなぁ。てっきりもう付き合って長いのかとばかり思ってたよ。」
「う〜ん・・・まぁ・・・友達以上恋人未満がやたら長かったから・・・ですかね・・・」
「なるほどね。しかし、キミ結構体格いいな。放送部、だったんだろ?」
「えぇまぁ。でも体動かすのも嫌いじゃないんで、走ったりはしてます。」
「それだけの体格だ。メシも結構食うんだろう?」
「いえ・・・人並みですよ」このお父さんの一言。
ここでも気づかない俺はとてつもない鈍感野郎である。

「あ。お兄さ〜〜ん。ちょっと教えて欲しいところあるんですけど〜」
「お、お兄さん!?」
「だって、ふ〜ちゃんの彼氏さんなんだし。お兄さんって呼んだ方がいいかなって。」
『加奈子〜!あんまり困らせちゃダメだよ〜』
「いいじゃん!ねぇお兄さん♪」
「いや・・・ははは・・・呼ばれ慣れてないから恥ずかしいやらなんとやら・・・」
「ふ〜ちゃんから聴いてますよぉ?3年間、学年トップの座を誰にも譲らなかったって!」
「いや・・・あれは結局偶然が重なって・・・」
「またまた〜!すごいじゃないですかぁ〜!だからちょっとわかんないところがあるから教えてもらおうって思って!」
「まぁ・・・1年の問題なら大丈夫・・・かな。どこがわからない?」
「えっと。ここなんですけど、全然解けなくて・・・」
「どれどれ?あぁこれか。○○先生の出しそうな問題だ・・・えっとコレはちょっと引っ掛けがあってね。」
「ふむふむ・・・あ〜!そういうことか!」
「どう?こんな感じなんだけど。」
「おけおけー!ありがとうございます!」
口調までそっくりだ・・・学校でも人気ありそうだな。
この姉にしてこの妹あり、と言ったところか。

153 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/23(金) 00:35:13 ID:TbRC7Rk+.net
「ご飯出来たわよ〜!」
食欲をそそるいい匂いがリビングに漂う。
お腹も空いてたし、まさに待ってました!と言わんばかりの俺。
この後襲い掛かる悪夢を知らずに・・・
「じゃあ、彼氏クンは冨美子の隣ね。」促されて冨美子の隣に座る俺。
す、すごい!ご馳走の数々に目を見張る。しかし・・・
す、すごく・・・大きいです・・・一品一品がやたらとデカイ・・・
ご飯はどんぶりメシ山盛り。味噌汁もコレ・・・ラーメンの鉢だよ・・・な・・・
自分でリクエストしておいてアレだが・・・ハンバーグも・・・デカイ・・・皿からはみでてる・・・
サラダも・・・コレ普通取り分けるよな・・・デカイのが1人1皿・・・
流石の俺も笑顔が引きつる。こんな大量のメシを見るのも食うのも初めてだ・・・

「いっただっきま〜〜〜〜〜〜す!」

物凄い勢いでメシを食う柳家の人々。
「い、いただきます・・・」「さぁさぁ。遠慮しないでどんどん食べてくれよ!」お父さんが言う。
「は・・・はい・・・」と、とにかく食わないと!柳家の面々に負けずに巨大メシを胃にぶち込む俺。
うっ!コレは!!う、うまい!!と思ったのもつかの間。
「おかわり!」お父さん・・・もうどんぶりメシ食い尽くしたんですか・・・?ご飯が山になってますけど・・・
「彼氏クンはおかわりいらないの?」「えっ!?あっはい!お願いします!」
「やっぱり男の子ね〜。ご飯多目に炊いておいてよかったわ♪」
メシの山だ・・・また山になってる・・・
『遠慮しなくていいんだよぉ〜 あたしも作ったんだからどんどん食べてね!』
「あ、あぁ・・・」コレ・・・どうすりゃいいんだ・・・

何とか山盛りのメシやら何やらを全部胃の中へブチ込んだ・・・
う・・・生まれそうです・・・横になりたい・・・でもそれやっちゃうのはマズいだろ・・・
だが、コレで終わったと考えた俺は・・・甘かった・・・
「さぁみんな〜。食後のデザートよ〜。彼氏クンがシュークリーム買ってきてくれたのよ〜」

・・・増えてる・・・しかもでかくなってる・・・
ここで俺の意識は途絶えた。もう・・・ダメです・・・

154 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/23(金) 00:37:58 ID:TbRC7Rk+.net
『・・・くん・・・○○くん・・・』
気がつくと、目の前に冨美子の顔。
「えっ・・・?アレ・・・???」
『どうしちゃったの?デザート見た瞬間倒れちゃったんだよ?』
「えっと・・・ここは・・・?」
『あたしの部屋だよ?キミが気を失ってお父さんが1人でここまで運んでくれたの。』
流石あの体格・・・俺1人くらい余裕ってワケか・・・
『もしかして・・・』「えっ?」『多・・・かった?』
「う、うん・・・まさかあんなにあるとは予想してなかったからさ・・・」
『やっぱりね・・・お母さん、張り切りすぎちゃって・・・ごめんね。』
「い、いや・・・謝る事ないよ・・・」
『い、いつもはあんなたくさんじゃないんだよ?今日はキミが来るから・・・あたしもお母さんも張り切っちゃって・・・』
「いや、俺の方こそごめんな。あんな風に倒れちゃって。」
『そんな!謝らないで!私がちゃんと説明していればキミも驚かなかっただろうし・・・』
『それに・・・キミ・・・たくさん食べそうだなぁって・・・思っちゃってたし・・・』
何とか身体を起こし、冨美子と相対する。やっぱりまだお腹は苦しい。でも・・・そんなことはどうでもよかった。
「冨美子。ありがとな。俺のために一生懸命やってくれたんだもんな。」
冨美子の頭を撫でる。
『ふぇ・・・こっちこそ・・・ありがとう・・・ふぇぇぇぇぇぇぇぇん』
冨美子が抱きついてくる。ぎゅっとする力が強い。ちょ、ま、待って・・・そんなに力入れられたら・・・
ぐ・・・ぐるじい・・・嬉しいんだけど・・・苦しい・・・
ふと、冨美子が顔を上げる。
赤くなった頬。潤んだ瞳。見ているだけでドキドキしてしまう。
冨美子の全てがいとおしく感じる。
冨美子が瞳を閉じた。こ、これは・・・まさか・・・
思わずツバを飲み込んでしまう。
ゆっくり・・・ゆっくり・・・近づいてい・・・

155 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/23(金) 00:40:29 ID:TbRC7Rk+.net
ガタッ

部屋の外で物音がした。
ドアの方を向く俺と冨美子。
よく見ると、開き戸に少しだけ隙間が・・・

「母さん・・・若いって・・・いいなぁ・・・」
「えぇお父さん・・・いいわねぇ・・・」
「ふぉっふぉっふぉっ。おじいさんを思い出すねぇ」
「おばあちゃん!おじいちゃんまだ生きてるから!」


・・・皆さん・・・いつから・・・
おあずけですかそうですか・・・

「さぁ!彼氏クンも復活したところで食後のデザートを食おうじゃないか!!はっはっは!!!」
まだ食うのかよ!



終わり

156 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/23(金) 00:55:24 ID:TbRC7Rk+.net
あとがきみたいなもの

無駄に長くなってしまいましたが、
何とか完成までこぎつけられたことにある種の充実感を感じています。
読みづらい文章で申し訳ないです。

この話を書くヒントになったのは、
柳さん追加デートのスイーツショップのくだりが最初でした。
次に、大分前に何気なく眺めていたTV番組。
確かギャル曽根だったかな?
ギャル曽根家の夕食風景みたいなのを、何となく覚えていたのがもうひとつのヒントでした。
もし柳家が大食い一家だったら・・・というのが思い浮かんだんです。

架空キャラ、特に妹ですが、たまたま気分転換ににゃんこい!を読んでて、
もうお分かりかと思いますが、住吉加奈子から取りました。キャラは完全正反対ですが。
井口さんつながりで楓にしようかとも思いましたが
流石に冨美子と来て次楓は無いだろーと。
おじいちゃんは・・・おいしいご飯を求める旅に出ているということで・・・w

色々感想等お聞かせ頂けるとありがたいです。
稚拙な文章にお付き合い頂き、ありがとうございました。それではまた、どこかで。

157 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/23(金) 01:12:32 ID:+bMrb4kT.net
ふーちゃんの人柄のよさがわかる家族でぽかぽかしました
キスできないのはお約束ってことですねw

158 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/23(金) 06:46:51 ID:sIXwyJ9z.net
>>156
そう言えばギャル曽根も曽根家食卓のハンバーグ地獄で
彼氏にドン引きされたことがあるんだっけ
のどかでございました

159 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/23(金) 07:17:27 ID:9MXLd57w.net
あったかい家庭に育まれてのふーちゃんの人柄ですな
アメリカ人の女の子の家の食卓に招かれて悪戦苦闘するコピペを思い出したw

160 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/23(金) 11:11:41 ID:vluQJ9Ce.net
『アフターショック』

……やあ、ボクです。
昨日は、都子ちゃんとセニョールがコンサート帰りに入った喫茶店で、
ウェイトレスのつぐみちゃんがキレちゃたんだ。ねぇ誰のせい?誰のせいかな?
い〜けないんだ〜〜。
つぐみちゃん、あとでこってりパパに怒られちゃったらしいよセニョール?

さて、翌日の学校です。
つぐみちゃんがコーヒー券を持って、都子ちゃんに会いに来ました。
「大倉さん、昨日はゴメンなさい。お客さんにあんな態度をとるなんて…
何考えてるんだ!?ってお父さんにも思いっきり怒られたわ。本当にゴメン!」
ペコリと頭を下げるつぐみちゃん。都子ちゃんはちょっと慌てた顔で、
「あっ、いいの。そんなのもういいのよ。もう、済んだことなんだからっ、ね?」
笑顔をつくります。「…良かった」つぐみちゃんはホッと胸をなでおろしました。
「これに懲りずに、これからもうちの店に来てよね。……これ、うちのタダ券」
差し出されたコーヒー券。「えっ、そんなの悪いよ?」都子ちゃん両手ぶるぶる。
「ううん、これはウチのケジメ。大倉さん大事な常連さんだし、受け取ってよ」
「そ、そう?じゃぁ、ありがたく使わせてもらうわ…ね?」
つぐみちゃん、ビシッと直立して「オッケー、お待ちしてます!マドモアゼル」
と胸に手を当てて執事のようなお辞儀…ちょっとおどけて。
「あらやぁだ、そんな、照れるよ…うふふ」「うふふ」「うふふふふふふふふふふ」
………うふふふふと笑いあう二人なのでした。
あーほのぼの。こういうの、ちょっといいよね。
なぁ、いま、ほっとしただろセニョール?

161 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/23(金) 11:13:06 ID:vluQJ9Ce.net
と、少しの間ののち、都子ちゃん「それで……あの……」ちょっと上目遣いぎみに、
つぐみちゃんと瞳を合わせました。「ん、なに?」そして、おずおずと…
「また……また……ね?また……カレと来ても、いいかしら?」うは、ダイタン!?
でも、つぐみちゃんは「うん、いいよ?もちろん」あっさり。「本当?……良かった」
「私、なるべく2階にいるようにするから、気にせず来てよ?」
「そう?ごめんね。なんか、悪い気がしちゃうな…」
「はは、気にしないでよ。そもそも、悪いのは大倉さんじゃないし…ね?」
そうそうそうそう…うんうん。わかってるセニョール?
「ありがとう…。それじゃ、遠慮なく」「まあ、私もあんなの初めてだったから…
次はたぶん大丈夫だと思うけど…またキレちゃったら、そのときはゴメン」
「…う……うん……」「私、そういうの自分でコントロール出来ないんだよねぇ……」
頭をかく仕草をするつぐみちゃん。
「肝試しやもお化け屋敷も、私と一緒に行った相手は必ず後悔してるみたいだし」
………。
「……でもね?無理やりガマンして、後々まで引きずるよりはイイかなって…
そう思うことにしてるんだ。うん、ガマン良くない!」「ガマンは良くない?」
「そ、ガマンは体に毒……だから、もしもの時は…そうね。その時また全力で謝るから」
とつぐみちゃん手を差し出し。「だから、よろしくっ」握手を求めます。
「はいはい。うふふ」都子ちゃんも、笑って握り返しました。
「まあ、キレるのは、私ガマンしない…って言うか…出来ないんだけど。
他にもっと……、うん、もっと、素直になれればね……はぁ……こればっかりは……」
「えっ?」「ううん、なんでも」

……やぁ、ボクです。
「はぁ、なんかだんだんライバルが増えちゃってる気がするなぁ……」
その夜。自室で髪をおろした都子ちゃんがボクに話しかけます。
「でも……。うふふ……ガマンはからだによくないんだって………うふふふ………」
そうだよ?だから覚悟しなセニョーーーーーーーーール!うふふふふふふふふふ……

162 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/23(金) 11:13:56 ID:vluQJ9Ce.net
『アフターショックあとがき』
リクエストに応えてみた。ちょっとほのぼのちょいブラック……
描写控えめ内面は勝手に想像しちゃいな路線。
読んで頂けた皆様の妄想力だけが頼りのしょーもないSSでござる。
と、言う事で…いかがでしたでしょうかセニョール?w

163 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/23(金) 19:59:26 ID:9MXLd57w.net
にこやかに握手する二人の後ろに、雷の効果と相打つ竜虎が見えたw

うさぎさん目線のSSは俺もいつか書いてみたいな
というか先越された。クソッww
面白かったよ〜乙です!

164 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/24(土) 08:23:40 ID:hU4UjU8X.net
>>163
見方によってどうにでも解釈できるように心がけたので
竜虎が見えたはとても嬉しいお言葉でござる
うさぎさんの言葉がいつもより丁寧語で
本来のうさぎさん目線よりちょっと引いた
うさぎさんナレーション風でございます

よって真のうさぎさん目線SSはまだ未踏峰ですぞw
耳をなが〜くしてお待ちしてます

165 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/24(土) 18:34:48 ID:raP7B4en.net
俺にははっきりと見えたw
>竜虎


あれこれ手を出すほど力量も無いのでとりあえずは
今やってるのからちゃんと終わらせてからにします
耳が長く垂れ下がらないよう早めに頑張ってみますがw

166 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/24(土) 19:19:23 ID:gTQHB8P0.net
次スレはギャルゲーSS総合スレ

・次スレは >>980を踏んだものが速やかに立てること。
 >>980が立てなかったら有志がスレ宣言してから立てること。

167 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/24(土) 19:27:41 ID:ZlxJfPIa.net
都子関連のSSは他のヒロインが少しかませ犬みたいになってるような・・・

168 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/24(土) 19:55:16 ID:oXmIwJdL.net
ま、気にしない(・3・)
ごひいきキャラ寄りになっちゃうのも仕方ない
SSスレ位まったりしてようぜ
各人の妄想炸裂を楽しむところなんだしさ

169 :優ちゃん:2010/04/25(日) 03:29:22 ID:c0esyzwy.net
きらめき市国

首都 きらめき市 最大の都市 きらめき市

政府 (公)  - 公爵 伊集院レイ

きらめき市国は、日本の静岡県の伊豆半島に位置する藩国。
全てを日本国に囲まれている。首都はきらめき市。
元首である伊集院家の当主の称号は「藩主」であり、藩国もしくは藩区と呼ばれる場合もある。
一方、伊集院家の当主の親族は 『公爵』 である。
但し、現在においては伊集院氏は 『公爵』 『藩主』と呼ばれることを嫌い、
多額の資金を保有する意味の『財閥総裁』を名乗る事が多い。

政治

 藩主である伊集院家の総裁は、日本国の天皇から「参議」「公爵」の位を代々頂くことになっている
 天皇の臣下ということになるので、公式には日本国の一部ということになっており、
 日本国の地図においては、藩国という形で静岡県の一部と記載されているが、
 韓国・中国と東南アジアの一部、ヨーロッパ諸国は独立国として承認している。

 事実、直接的に日本国政府の統治下にあるわけではなく、あくまで天皇の信任を受けて公爵である
 伊集院家が独立して政治を行う形になっており、政治及び議会の成り立ちは、日本国の
 衆議院・参議院を頂点とする立法府及び内閣・行政府とは無関係である。

 元首は国家の君主である藩主。藩主は伊集院家の当主による世襲制で、他国の君主が象徴・儀礼的
 存在であるのに対して強大な政治的権限を有している。そのため「アジアの絶対君主制」と言われる事も
 あるが、立憲政治、法の支配が確立されており、正確には立憲君主制である。また他先進諸国と同様、
 国民の市民的自由は十分に保障されている。


170 :優ちゃん:2010/04/25(日) 03:29:34 ID:c0esyzwy.net
 議会は二院制で、市会と貴族院市会を持つ。通常の「市会」は議員定数25人、任期4年、解散あり。
 選挙は、複数投票制と比例代表制を組み合わせた直接選挙で行われる。
 貴族院市会は議員定数は定められていないが、伊集院氏に協力したという十二月衆
 (睦月氏・如月氏・弥生氏・清和氏・皐月氏・水無月氏・文月氏・葉月氏・長月氏・神無月氏・霜月氏・師走氏)
 及び、藤原家ゆかりの者などの名家が貴族院議員に指名されることが多い。なお貴族院市会は終身制である。

 議院内閣制を採用している。行政府の長である市長は議会の第一党党首が藩主によって任命される。
 また、副市長には第二党の党首が任命される。死刑制度は廃止されている。

外交
 1899年の日本政府との合意に拠り、日本国がきらめき市国利益代表を務めることが多い。
 日本国との関係においては、日本の天皇を皇帝としてその臣下という形をとっている関係上、
 日本側は静岡県の一部という行政区域にしているが、その部分においてきらめき市国側が
 日本に苦情を申し立てたことは無い。この制度のことを「国家内国家制」と呼ぶこともある。

軍事
 外交と同じく、1899年の合意に拠り、日本がきらめき市国の防衛を担当している。
 ただし、きらめき市国そのものも傭兵を中心とした陸海空軍を保有する。(元首は伊集院家当主)

地理
 面積は南北に10キロメートル、東西に25キロメートルと狭い。小豆島などとほぼ同じで東京23区の1/4程度
 しかなく、日本の市町村の中では、埼玉県熊谷市に最も近い。人口は30万強で、東京都町田市などとほぼ
 同じである。世界で7番目に小さい国。国土は山がちであるが東西は海と接している。日本の静岡県・
 神奈川県との結びつきが非常に強い国で日本との間にパスポートコントロールなどはなく、住民や旅行者は
 自由に行き来できる。

171 :優ちゃん:2010/04/25(日) 03:29:46 ID:c0esyzwy.net
絶対君主制と言われる所以について

 上記のように、きらめき市国は立憲君主制国家であり、かつて存在した絶対君主制国家とは異なる。
 しかしきらめき市国は君主大権を保持し続けており、君主が強大な政治的権限を有する国である。
 そうである理由は以下の三点に由来すると考えられる。

1.伊集院家が富裕であり、国庫からの歳費収入に依存していないこと

 歳費を必要としていないということは議会・政府側が有力な交渉上の切り札(「歳費の支給を停止する・
 増額する」など)を有していないということになる。また、移入君主である伊集院家の家産は海外における
 独自の資産(金及びダイヤモンド鉱山の保有など)において蓄積されたものであり同家の私有財産でしかなく、
 きらめき市国とは無関係である。このため、議会・政府側は家産を収公するための大義名分(「もとをただせば
 国民の物」など)を持っていない。また家産の大部分が日本国外にある現状では、日本政府及びきらめき
 市国政府が国有化宣言等を行ったとしても実効性を確保できない。

 ちなみに伊集院家が国外に所有する私有地の面積の合計は、きらめき市国の国土を軽く凌ぐものである。
 もちろん地価総額も伊集院家の私有地の方が遥かに高額である。同家の資産総額は約15兆円とされる。
 そして1990年代以降、伊集院家は歳費を返上しており、経済的に完全に自立してしまっている。

2.明治維新において明治天皇より独立が事実上承認されたこと

 伊集院家はもとより皇族出自の一派であり、皇族でありながら且つ武士であるという立場を
 堅持していた関係もある一方で、明治維新において関東での戦闘のほとんどを担当していた
 こともあり、その功で日本国内にありながら琉球と同じ「藩国」の立場を勝ち得た。
 その後琉球は琉球処分により沖縄県になったが、独自の資金力で当時の明治政府の収入と
 互角の資金力と軍事力を保有していた伊集院藩に対して、明治政府も強行な処分をすることが出来なかった。

172 :優ちゃん:2010/04/25(日) 03:30:15 ID:c0esyzwy.net
3.1930年代のファシズムの台頭に対し藩主大権を行使しこれを防いだこと

 日本国内での軍国主義の躍進にともなって市国内でもファシストが増加し、次回総選挙では多数の
 当選者が出ることが予測されていた。この危機に対して伊集院氏は藩主大権によって総選挙を
 無期延期とし、ファシストの市国流入を防いだ。この時総選挙が延期されずに実施されていたならば、
 きらめき市国は日本への併合あるいは枢軸陣営での参戦などという事態となり、第二次世界大戦の
 惨禍をまともに受けていたと考えられている。伊集院家ではこの間の経緯について「藩主大権の
 行使により国難を未然に回避した」と自負しているようであり、藩主大権を保持し続けることの
 正当性を示していると考えているらしい。

経済

 主要な産業は精密機械、医療。ほかに観光、国際金融、切手発行もよく知られている。
 日本との関税同盟があり、郵便や電話の制度は日本と共通となっている。
 タックスヘイブンとしても知られ、税金免除を目的とした外国企業のペーパーカンパニーも集中
 (人口より法人企業数が多いと言われる)。これら法人税が税収の40%に及び、この結果、
 一般の国民には直接税(所得税、相続税、贈与税)がない。
 この国に拠点を持つ会社としては伊集院財閥・龍光寺グループなどが有名。
 労働者の約半数は日本から毎日越境している。

教育
 きらめき市国の中にある超一流大学・一流大学・二流大学・三流大学は全てきらめき市国の
 大学であり、きらめき市国民である場合は学費が免除される。
 これらの大学は事実上の国立大学であるが、名目上は伊集院家の私大とされる。



173 :優ちゃん:2010/04/25(日) 03:30:33 ID:c0esyzwy.net
地方行政区分
 全部で7の基礎自治体に分かれる。これらは山岳が多いきらめき大市と海沿いが多い
 はばたき大市に分けることができ、現在でも国政選挙の選挙区としてこの区分が残っている

─きらめき大市
 きらめき市 ひびきの市 萌黄野(もえぎの)市 等
─はばたき大市
 はばたき市 等
(このはばたき市の名前の由来は一説によるとアラビア語で航海を意味する動詞habatakから来ているといわれる)


歴史
1121年 伊集院宮家が南面の武士として天皇家より分家
1192年 鎌倉幕府成立の代償として天皇が伊豆に御料地を要求、
     それを受け入れる形で伊集院宮家が入国
1251年 倭寇の開始、倭寇に積極的にかかわり中国・東南アジアに進出。キリスト教・イスラム教の流入
1321年 このとき、アラビア・紅海沿岸に日本の伊集院船が交易として日本刀を輸出していたことが
     確認できている。
1333年 鎌倉幕府滅亡、建武の新政で御料地が増加
1343年 紅海とインド洋の交易をめぐり、印度でヒンドゥー教徒との戦闘が起こる(イジューイン・アラハッドの戦い)
     このときダイヤモンド鉱山を獲得。
1491年 ベルゲンに伊集院交易船が到着(露西亜海路の開拓)
1501年 喜望峰到達、アフリカ進出が本格化
1521年 アメリカに初到達
1600年 関が原の戦い。伊集院藩の独立が確保される。

174 :優ちゃん:2010/04/25(日) 03:30:44 ID:c0esyzwy.net
1864年 下関戦争で伊集院藩は長州藩に加担することを正式に表明
1865年 第三次美樹ノ原の戦い、幕府軍を萌黄野坂(伝説坂)で撃退
1866年 薩長伊同盟(薩長・伊集院同盟)
1867年 大政奉還、王政復古の大号令
1868年 第四次美樹ノ原の戦い、萌黄野坂からの新型ガトリングガン乱射と甲鉄艦4隻の砲撃により幕府軍敗退
1869年 戊辰戦争終結、官制改革 、伊集院家の半独立体制の公認、きらめき市国議会の開始
1870年 日本円をきらめき市国通貨として認める
1875年 永世中立国となる
1877年 女性参政権を認める
1930年 議会停止、以後1945年まで議会選挙は無し
1942年 「青少年の男女交際を支援するときめきメモリアル法」を制定、日本が対米参戦するも不参加を表明
1945年 日本敗戦、日本の困窮を見て「ときめきメモリアル法」の廃止を決定
1995年 「ときめきメモリアル法」復活、
2005年 「ときめきメモリアル法」停止、副通貨「リッチ」の流通を開始


※ときめきメモリアル法
 古くは戦時中にさかのぼる、きらめき市国の藩主制定法典。
 男女交際をする際の資金や手段などを、市国が援助するというもの。
 戦時中のファシズムにおいて男女交際が厳密に禁止されていたことに反発した伊集院参議が
 君主大権を発動して議会を無視して成立させた法律。
 同様の政策としては、徳川幕府8代将軍吉宗が倹約令を出したときに
 尾張大納言宗春が反発し、豪勢な暮らしを奨励したという政策が近い。


175 :優ちゃん:2010/04/25(日) 03:31:17 ID:c0esyzwy.net
2011年3月、きらめき市国の伊集院参議は定例会見で記者団の質問に答え、
日本国の成婚率や出生率低下などの問題が浮上している事を踏まえ、1995年から2006年までの間に
適応されていた、指定された一定期間(16歳から18歳までの3年間)において市内に通う高校生の
男女の生徒が恋する相手などにプレゼントを贈る際の出費を20リッチ(日本国通貨で約20000円程度)
までを市国が肩代わりするといういわゆる「ときめきメモリアル法」を暫定的に復活する用意がある事を
示唆した。

これに対し、PTAなどは男女不純交際の助長につながるとして参議に対して慎重な対応を求める声明を
出す一方、出生率と成婚率の低下を危惧する日本の東国原宮崎県知事は、きらめき市国民の成婚率
の高さを踏まえて有効な考えであるとの認識を示した。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

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          /: : : : : : : : : : : : : : : : : 、ヽ: : :ヽ マアネタダケドネ
.        ,': : : : : : : : :: : : : : : : : : : :ヽ:ハ: : :.ハ
       i  .i   i   ! 、    .\: : :ハ : : ハ
       |. . .i . . i. . ハト、..\: : : :\:\ :.ハ: : :ハ
       |: : :i : : i: : | .! \: :ヘ`>‐弋 、: :.i : : ハ   以上がきらめき市の謎の全容です
       |: : :i : : i:_才チ ̄ \ミゝ,.ィ芯ト、ヽi: : :i:ハ       分かりましたか☆川さん
.         !i : :i : : i::/,ィ'孚ト     込リ '.| |: : :i:ハ
        |: : i: : :|' _{弋;;リ         リ: : :.! ハ
       |: : i: : :|ヽ       . 〉      !.:i.:.:: i: : : \
.         |: : r‐'7ー-、         ,    八|.:.:.:.i:: : :', :.\
.        |:.:/.    ´)、     ̄   ,イ:.:.:ハ:.:.:: : : : ヘ` 、ミ三ニニ===- 、
          !/      ノJ >   .._ , イ:..i:.:.:.:ハ.:: : : : : :.\
       /    /:.:.:.:.:.|        |ー、:.:.:.:.::\: : : : : : :`ミニニ===- 、

176 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/25(日) 10:51:48 ID:w+d3+5kq.net
そ、そうなんだ、じゃあね

177 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/25(日) 14:23:52 ID:9xFuuhSQ.net
ときメモ最大の謎があきらかに…

178 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/25(日) 22:35:31 ID:4MibOdBc.net
独立国だったんすか

179 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/26(月) 00:41:08 ID:EqtOC+9T.net
下の作品 ss (side story) 小説を書く計画は無いんでしょうか?
下の作品も それなりに おもしろい 名作と思うの に、 SSがない、少ないのがとても惜しいと思います。

1. 初恋ばれんたいん スペシャル
初恋ばれんたいん スペシャル PS版は あまりのテンポの悪さ,ロードは遅い(パラメーターが上がる度に、いちいち読み込みに行くらしい・・・)
のせいで、悪評が集中しました。ですが 初恋ばれんたいん スペシャル PC版は テンポ,ロード問題が改善して 快適です。
(初恋ばれんたいん スペシャル PC版 プレイをお勧めします!) 初恋ばれんたいん スペシャルはゲームシステム的にはどうしようもない欠陥品だけど。
初恋ばれんたいん スペシャル のキャラ設定とか、イベント、ストーリーに素晴らしいだけに SSがないのが とても惜しいと思います。
2. エーベルージュ
科学と魔法が共存する異世界を舞台にしたトリフェルズ魔法学園の初等部に入学するところからスタートする。前半は初等部で2年間、後半は高等部で3年間の学園生活を送り卒業するまでとなる。 (音声、イベントが追加された PS,SS版 プレイをおすすめします。)
同じワーランドシリーズなのに ファンタスティックフォーチュンSSは多いのに似ている 魔法学院物なのに ネギま、ゼロの使い魔 SSは多いのに
エーベルージュのSSがほとんどありませんでした。

180 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/26(月) 00:41:59 ID:EqtOC+9T.net
3. センチメンタルグラフティ2
センチメンタルグラフティ1のSSは多いのにセンチメンタルグラフティ2のSSがほとんどありませんでした。
前作『センチメンタルグラフティ1』の主人公が交通事故で死亡したという設定でセンチメンタルグラフティ2の
主人公と前作 センチメンタルグラフティ1の12人のヒロインたちとの感動的な話です
前作(センチメンタルグラフティ1)がなければ センチメンタルグラフティ2は『ONE ?輝く季節へ?』の茜シナリオ
を軽くしのぐ名作なのではないかと思っております。(システムはクソ、シナリオ回想モードプレイをおすすめします。)
センチメンタルグラフティ2 VS ONE 〜輝く季節へ〜の茜シナリオを比べてみました
センチメンタルグラフティ1の主人公 田中 一郎 = 茜 小説版、ドラマCDに登場する茜と詩子の幼馴染 城島司 永遠の世界に
センチ1の主人公 田中 一郎は交通事故で死亡 = 城島司は 「えいえんの世界」に旅立つことになる。
センチメンタルグラフティ2の主人公 椎名耕平 =ONE 〜輝く季節へ〜の主人公 折原 浩平
センチメンタルグラフティ1の12人のヒロイン = 里村 茜

181 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/26(月) 00:42:41 ID:EqtOC+9T.net
4. 茜 小説版、ドラマCDに登場する茜と詩子の幼馴染 城島司のSS
茜 小説版、ドラマCDに登場する茜と詩子の幼馴染 城島司を主人公にして、
中学生時代の里村茜、柚木詩子、南条先生を攻略する OR 城島司ルート、城島司 帰還END(茜以外の
他のヒロインEND後なら大丈夫なのに。) SS
5. Canvas 百合奈・瑠璃子先輩のSS
個人的には 「呪い」 と「花言葉」 を組み合わせた百合奈 シナリオは Canvas 最高と思います。
Canvasの他のヒロイン SSは多いのに Canvas 百合奈・瑠璃子先輩のSSがほとんどありませんでした。

182 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/26(月) 00:49:07 ID:QUf50nAj.net
なんだ?

183 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/26(月) 12:43:10 ID:T5PwFgT/.net
>>175
すいません
優さんに見とれてました

184 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/26(月) 16:15:49 ID:+hI6wtwS.net
>>167
もし逆パターンをお望みなら>>24くらいかな

185 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/26(月) 17:59:03 ID:pPUgSLVQ.net
樹の下に
都子じゃなくて
スタ☆彡リバ が

186 :あなただけに 〜Winter Heartbeat〜 1/5:2010/04/28(水) 20:07:00 ID:zzOOn05O.net
「会長、この資料はこっちの段ボールに纏めておけばいいですか?」
「そうね。纏めたらマジックで段ボールに資料名を書いて、あの棚の上にしまっておいてね。それと・・・私もう会長じゃないのよ?」
「あ、そうでした。すいませんでした会ちょ、、、、…皐月…先輩」
注意を促すと彼が慌てて言い直そうとするが、また間違いそうになり更に言い澱む。
「もう…真希ちゃんに失礼でしょ。気を付けなさいね。でも…ふふっ」
少し強い口調で窘めてみたものの慌てる彼の様子がおかしくて、つい軽い笑い声が漏れてしまう。
「重ね重ねすみません。でも、星川さんにとっても俺にとっても会長はやっぱり会長なんですよ。どうにも慣れないんです。まいったな」
「真希ちゃんも同じ事言ってたわ。やっぱり貴方たち似たもの同士なのかしら?」
頭を掻きながら弁明する彼に対して、やや芝居めいた感じで口元に手をやり、小首を傾げて自問するかのように声に出す。

そう、見ているこっちが呆れつつも微笑ましくなるほど波長も歩みも似た二人…
少し暗い翳が胸をよぎるが、それを打ち消すように言葉を続ける
「でも、それにはもう慣れてもらうしかないわね。私は構わないけど、とりあえず人前では気をつけること。
 けじめをつけないと大変よ?もうあなた達の生徒会なんですから、しっかり自覚を持ってね」
「肝に銘じておきます」
気持ち澄ました口調で先輩風を吹かせる私に対して、彼もおどけた調子で返事をした後に軽く苦笑いを浮かべ、お互いの仕事に戻る。
「さ、もう少しね。真希ちゃんが戻ってくるまでに終わらせられるように頑張りましょう」

187 :あなただけに 〜Winter Heartbeat〜 2/5:2010/04/28(水) 20:07:51 ID:zzOOn05O.net
今日は二学期最終日。
終業式も終わり、冬の短い休みを満喫すべく他の生徒が足取りも軽やかに下校していった校舎で、私たちは資料整理と称した大掃除を生徒会室で行っている最中である。
この秋に任期を終え会長職から離れた私であったが、後輩たちより授かった『名誉顧問』の肩書きと共に非定期的ではあるが生徒会室を訪れる日々が続いていた。
訪問の理由は様々だ。今日のように資料の整理に立会って要・不要を判断し、その資料の概要を説明することもあれば、ただ単に談笑してお茶をご馳走になって帰る事もある。
新しい体制になった組織に旧体制の人間が立ち入ることは、本来双方にとって良いことでは無いという事は分かっているのだが、
私の代から真希ちゃん達の代への移行に関してはこれまでとは少々勝手が違っている。
それには通常1年の任期である会長職を私が2年務めていた事が少なからず影響している。

手前味噌な話ではあるがこの2年間で生徒会も大分組織として成熟し、生徒の意見を反映し学校側に対しても働きかけの出来る組織になった。
言ってみれば完成された組織となったわけだが、時が経ち先達のやり方のみを真似るだけの凝り固まり停滞した組織ほど息苦しく醜いものは無い。
何より生徒会は私が卒業した後も生徒の手によって組織・運営されるものである以上、常に新しい風を吹かせ続ける必要がある。
これまで以上に凝り固まった生徒会に新たな風を送り込む存在として、誰よりも生徒の事を考え、より良い学校生活の実現を目指す事に労力を惜しまない人間が誰か?
と自問した時に彼女…星川真希が適任であると判断し選出したのである。
その目論見は成功し、既に皐月体制の生徒会から星川体制の生徒会へと見事に移行しつつある。
但し、実務に関しては私だけが把握している事などがまだまだある為、こうして引退後も引継ぎ業務を行う為に顔を出しているのである。


188 :あなただけに 〜Winter Heartbeat〜 3/5:2010/04/28(水) 20:09:09 ID:zzOOn05O.net
「しかし…申し訳ないですね」
「ん?何がかしら?」
彼からの言葉に作業の手を止めずに答える。
「いえ、他の現役役員の人間が帰ったのに先輩にまだ残って貰ってしまっていて…」
「今日は終業式ですもの。誰だって早く帰りたいでしょ?もう殆ど終わりだし、手の空いた者から帰るにこした事はないわ」
「それに片付けの終わった後の打ち合わせが本来の目的ですもの、私が残るのも当然よ」
「それはそうですけど…」
「それと真希ちゃんが今わざわざ買いに行ってくれているお茶とお菓子も、私、楽しみにしているのよ?」
若干くだけた感じでそう告げると、それを聞いて彼もクスリと笑う。
「そ・れ・と・も、私とじゃなくて真希ちゃんと二人きりの方が良かったかしら?」
少し意地悪な口調でそう続けてみる。

ガタン!

椅子に乗っかり段ボールを棚の上に置こうとしていた彼がバランスを崩したのだろう、大きな音を立てる。
「ほ、星川さんが、なんでそこで出てくるんですか!」
器用に椅子の上でバランスを取り直した彼が慌てた口調で返してくる。
その様子を見てまた胸に暗い翳がよぎり作業の手が止まる。
――――なんでだろう・・・なんであんな事言ってしまったのだろう。そして何故こんなにも沈んだ気持ちになるのだろう…
心の中で頭を振りその考えを振り払って声を掛ける。
「ごめんなさいね。大丈夫?」
「えぇ、大丈夫です。それと、先輩と引継ぎしながらお茶を飲むのは俺だって楽しみにしてるんですからね!」
「そうよね、引継ぎは大事、だものね…」

189 :あなただけに 〜Winter Heartbeat〜 4/5:2010/04/28(水) 20:10:01 ID:zzOOn05O.net
そう…私は引継ぎをしなければならないからここに来ているだけ、他に何もあるわけが無い…
そう考えながら作業の手を止めたまま、彼の横顔をぼんやりと何の気なしに眺めてしまう。

…トクン

胸の奥底で自分の心臓の鼓動では無いような音が聞こえた気がした。
その鼓動が鳴る度に、不安で胸が締め付けられるような、それでいてまるで子供の頃の遠足の前日のような高揚感に包まれる…
さながらチョコレートを食べているかのような甘くて苦い不思議な感覚。
彼を見る時、話す時、彼を想う時、湧き上がってくる不思議な感覚…

その感覚に身を任せながら彼を眺めていると不意にこちらを向いてきた為、視線が合ってしまった。
盗み見していた事に気づかれたのかと思い、顔が一気に熱くなる。
しかし、そんな私の様子に気づきもせず彼が話しかけてくる。
「先輩、これって・・・」
彼が棚に上げた段ボールと入れ替わりに別の段ボールを下ろして来る。

彼が下ろした段ボールの確認の為に席を立ち、自分を落ち着かせる為にもゆっくりと向かい、埃を被った段ボールを覗き込んでみる。
「サンプル」
と書かれたそれを見て、中身が何かを思い出す。
埃を取り払い、開けた中身は記憶どおりの物であった。
「これって、制服…ですよね?」
中身を取り出し彼が問いかけて来る。
「えぇ、そうよ。」
「以前デザイン画を見たことがあったでしょ?最終的に決定したものを元にサンプルを作成してお披露目したのよ。これはその時の物」
「へぇ・・・そうだったんですか」
私の返事を聞いた後そう呟き、少し思案する仕草を見せた後にまた彼が問いかけてくる。
「お披露目…ってことは誰かが着たんですよね?誰だったんですか?」
「えっと…その時の生徒会役員の男子と女子1名ずつだったわね」
それを聞いて彼はふぅんと小さく頷き、また考え込む。
急に黙り込んでしまった彼に声を掛けようとした瞬間、彼が思案顔から一転、真剣な眼差しをこちらに向けてくる。

190 :あなただけに〜Winter Heartbeat〜 5/5:2010/04/28(水) 20:13:05 ID:zzOOn05O.net
…トクン
―――あぁ、まただ…また、この鼓動…

一瞬鼓動に気を取られていると彼が意を決したように口を開く。
「先輩。これ、着てみませんか?」
「はい?」
意外な申し出に間の抜けた声が出てしまう。
「いえ、先輩が折角新制服の採用に尽力したのに一度も袖を通さず終わるのも勿体無いなぁと思いまして」
「きゅ、急にそんな事言われても…」
「駄目…ですか?」
「駄目っていうか…私が着たって似合わないわよ」
「絶対似合いますって!」
「…恥ずかしいし…」
「俺だけしかいませんし…俺だけに見せてください!この通り!」
そう言って彼は地面に擦り付けんばかりに頭を下げそのままの体勢で固まっている。
困ったなと思っていると、耳の奥で彼が言った「俺だけに」という言葉が繰り返される。
その言葉を反芻していると

…トクン
鼓動が大きく、跳ねた。
頭を下げたままの彼の元へと、一歩近付くたびに鼓動が高鳴る。
一歩近付くたびに鼓動の正体が分かり始める。

「『見たい」と言われても着替えなきゃいけないし…」
―――他の誰の為でもなく
「心の準備もあるし…」
―――私が
「もぉ・・・」
―――彼の為だけに
彼の元に辿り着き、想いを込めて耳元で囁く

「それじゃあ…あなただけに…」

191 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/28(水) 20:17:16 ID:zzOOn05O.net
やっと・・・やっと書き上げれたよぉおおお!
元ネタはイラストレーションズの優さんのイラストから
どうしたら優さんに新制服を着てもらえるだろうか?ってとこからスタートしてます。
少し強引だったなぁ・・・反省

「卒業間近にしてやっと自分の中の気持ちに気付いた」
ってのが表現できてれば幸いです。

192 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/29(木) 07:15:00 ID:+a+ybbm1.net
パロディーでもいいんですかね?

なんかのゲームとか。

193 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/29(木) 07:51:09 ID:cGsNuOPT.net
>>191
カチッとした文章が生徒会モノにあってるなぁ
そうは書かれてないはずなのに自分には
土下座してる主人公と困り眉子笑顔の
皐月先輩…告白シーンでしてるような…が見えたw

>>192
結果的にときメモのSSになっていれば良いんでない?
自分のは高確率でなにかしらパロディが入ってる

194 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/30(金) 04:02:17 ID:oRFdZf3M.net

ピコピコピコ…となぜか一緒にゲームをしている一稀&瑠衣&理澄の3人(他のキャラはゲームの登場人物です)
そろそろゲームも最終局面に入ったようですが……?

一稀「やっとボスの都子も倒したしこれでクリアかな?」
里澄「まだ油断しちゃいけない、そう音楽が告げている……」
瑠衣「あ!伝説の樹の下に誰かいる!むむむ……あの人は生徒会長さん?」
一稀「お、本当じゃん。今まで親切にしてくれてたし『クリアおめでとう』とか言うのかな?」

(ゲーム画面)
皐月「やっと来たわね。おめでとう!このゲームを勝ち抜いたのは貴女たちが初めてよ。」

柳「ゲーム?」

皐月「私が創った壮大なストーリーのゲームなの!」

カイ「どういう事だ?」

皐月「私は平和な学園生活に飽き飽きしていました。そこで都子ちゃんを入学させたの。」

鳴瀬「何考えてるっちゃ!」

皐月「都子ちゃんは世界を乱し面白くしてくれたわ。だけど、それもつかの間の事。彼女にも退屈してきたの。」

春奈「そこでゲーム…ですね?」

皐月「そう!その通りよハルちゃん!!私は幼馴染を打ち倒すヒロインが欲しかったの!」

郡山「何もかも貴女が書いた筋書きだったわけね。」

195 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/30(金) 04:03:19 ID:oRFdZf3M.net

皐月「なかなか理解がはやいわね。多くのモノたちがヒロインになれずに伝説の樹の下で消えていったの。
   告白されない運命を背負ったちっぽけな存在が必死にときめき度を上げる姿は私さえも感動させるものがあったわ。
   私はこの感動を与えてくれた貴女たちにお礼がしたいの!どんな望みでも叶えてあげるわ!」

語堂「あんたのためにここまで来たんじゃない!よくも私達を、皆を玩具にしてくれたわね!」

皐月「それがどうかした?全ては私が創り上げたモノなのよ?」

真希「私たちはモノじゃないわ!」

皐月「生徒会長にケンカを売るとは……どこまでも楽しい人たちね!どうしてもやるつもりなのね。
   そう、これも生徒のサガね……良いでしょう、死ぬ前に生徒会長の力、とくと目に焼き付けておきなさい!! 」


(↑のゲームをプレイしている3人に描写が戻る)
瑠衣「げぇーっ!?まさか今まで親切にアドバイスしてくれてた会長さんがラスボスだったとはー!?」
里澄「あの人のBGMはどこか違和感があったのはこれのせい……?」
一稀「そういえばうさぎさんのドロップアイテムにチェーンソーってあったよ!それ使おうよ!」
瑠衣「チェーンソーならラスボスも瞬殺出来る気がするっす!バラバラっす!会長も怖くない!」
里澄「一撃必殺だとつまらないと思う……ちゃんとした戦いでクリアするのが礼儀……」

>>192-193
パロディというかただの改変だけどこういうのも良いのかな?
本スレでRPGの話題が出たときに作ったのに規制に巻き込まれて今になってやって出来たという奴ですが

196 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/04/30(金) 06:39:16 ID:h5o2LioR.net
>>192
ときメモのキャラ使ってパロディならいい様な気がする

>>193
最初のプロットだと土下座だったw
流石にそれはやりすぎかなと思って止めたけど
ちなみに最後の所はバイノーラルでお楽しみくださいw

>>194-195
サガwwwwww

しかし会長をRPGで敵に回すと厄介だな
【高貴】で補助魔法等が解除されてしまうw

197 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/05/05(水) 16:52:57 ID:94WJ8Dal.net
ときめきメモリアル4、WHITE ALBUM2、Canvas3のSSを書く計画は無いんでしょうか?
ときめきメモリアル4、WHITE ALBUM2、Canvas3も それなりに おもしろい 名作と思うの に、 SSがない、少ないのがとても惜しいと思います。

198 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/05/05(水) 17:11:10 ID:94WJ8Dal.net
ときメモ4、WHITE ALBUM2、Canvas3、Piaキャロット4のSSを書く計画は無いんでしょうか?
ときメモ4、WHITE ALBUM2、Canvas3、Piaキャロット4 それなりに おもしろい 名作と思うの に、 SSがない、少ないのがとても惜しいと思います。

199 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/05/05(水) 17:42:58 ID:dbTvQj9s.net
>>196
DQにはこっちの全防御呪文を解除できる「いてつく波動」を使う、
「ダークドレアム」というボスがいます。
その強さはまさに・・という感じです。

皐月先輩をこれに当てはめてみてはどうでしょう?

200 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/05/06(木) 08:51:31 ID:LzoU+T+1.net
『 オナモミ 』

何年ぶりになるのかな?
こうやって、あなたと手を繋いで歩くのって。
あなたの背中、オナモミが沢山ついてる。
それは草むらの中、一生懸命、
うさぎさんの目のボタンを探してくれた、その印。
あたしの服にもついてる。
そのまま、あなたの背中にぎゅってしたら、ふたり、
くっついちゃって離れなくなりそう。
そしたら、ずっと一緒にいられるのかな?
ううん、そんなこと関係ない。
あたしが、オナモミになればいいだけ。
もう、あなたを離さない。
あなたにくっついて、離れないんだから。
だから、あなた、明日から覚悟してね?
新たに貰ったボタンを握り締めながら。
あたしは、こころの中でこっそりと、
あなたに、宣戦布告した。

201 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/05/22(土) 14:33:50 ID:tsUllGtn.net


202 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/05/24(月) 09:53:03 ID:EVj2fD2o.net
『ときめきのリズム』

近づいてくるアレグロ・ヴィヴァーチェ、あなたの足音。
いつもより早いテンポ。
わたしの胸の鼓動もプレスト、いつになく急速。
ドキドキドキドキ…ドキドキドキドキ…
わたしの心が、身体が、世界中が…、このリズムだけに支配されてる気がする。
これから演奏しなきゃいけないのに、
胸をおさえても、いくら深呼吸しても、収まらない。どうしよう……
ドキドキドキドキ…ドキドキドキドキ…
どうすれば…いいの?

…そう言えば、前に賛歌を演奏したときは、どうしたんだっけ?
いいえ、あの時は、今ほどには緊張しなかった。
発表会の前に、皐月先輩が微かに口ずさんでいた歌さえも、覚えてるくらい。

この胸のときめき、溢れる想いを…………!?

そう、そうだ。そう……だったんだ……。
これから演奏するのは、私の今の想いを載せた曲。
この、緊張のままに、この胸のときめきのままに、溢れる想いのままに、
素直にあなたにぶつければ、いい。
気がついてみれば、なぜそれが分からなかったんだろうって思う。反省……。
でも、もう大丈夫。

卒業式、わたしの高校生活のコーダ。
あなたの為だけに作ったこの曲を、あなただけに聴いてもらう演奏会が、
もうすぐ、はじまる……。

203 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/05/24(月) 18:25:37 ID:5qLcCUXz.net
『真希のパンツ』

きらめき高校に入って早いもので、いつの間にか季節は三年目の冬を迎えていた。
――そろそろ特技の付け直しの頃かな……

「そろそろ見直したほうがいいんじゃない?」
放課後真希ちゃんが声をかけてきた。いつものように椅子の背もたれをこっちに向けたまま座りなおす。
正直この格好は非常にまずい。背もたれがあるせいで、真希ちゃんは脚を大きく広げて椅子に座っている。
……真希ちゃん、今回も……下着が見えてるよ……
彼女は無頓着と言うか、おおっぴらというか……全く気にした様子がない。多分見えてるということに全く気づいてないのだろう。
健全な男子高校生の前でちらちらと見えるパンツ……正直これで見るなというのが無理な話だ。
真希ちゃんに悟られないように、つい視線をそこに動かしてしまう。椅子の向こうに見える魅惑のデルタゾーン。真希ちゃんが少し動くたびにスカートが揺れて奥が見える。
今日は……ピンクか……
今までに見た色は……ピンクが四回、白が三回、青の縞が二回。
やっぱり真希ちゃんは清純なパンツでよかった……なんて勝手に悦に入る。
しかし今までずっと真希ちゃんのパンツを見てたことに対してやはり多少の罪悪感はあるわけで……いつもそのことを言おうとは思うのだがなかなか踏ん切りがつかない。
「もう特技つけるのも最後だよ。なんだか寂しくなっちゃうね」
真希ちゃんが少し物思いに耽ったような表情を見せる。
彼女と一緒にいられるのも残りわずか……やっぱりこのままじゃ悪い気がして、俺は正直に教えることにした。
「あのさ……真希ちゃん」
言葉を選びながら真希ちゃんに話しかける。
「ん?どーしたの?」
何も知らない真希ちゃんは俺に満点の笑顔を向ける。
「実はさ……その……真希ちゃんのパンツ見えてるんだ」
「えっ?えっ?えっー!?」
気づいたのか真希ちゃんは慌ててスカートを抑える。そのまま下を向いて固まってしまった。

204 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/05/24(月) 18:26:49 ID:5qLcCUXz.net
――しばしの沈黙……凄く……気まずい。やっぱり言わなきゃよかったかな……
既に誰もいなくなった教室。時計の時刻を刻む音だけが聴こえてくる。

真希ちゃんがゆっくり顔を上げて、泣きそうな声を上げる。
「……見た……?」
今の真希ちゃんは耳まで真っ赤になっている。
「う、うん。実はずっと前から……最初の時から見えたよ……」
「えー!ほんとに?嘘じゃなくて?」
「ご、ごめん。ほんとはもっと早く言おうと思ってたんだけど……なかなか言い出せなくて」
「ひどいよー……もっと早く教えてくれればよかったのに……」
よほど恥ずかしかったのだろう、涙目で訴えてくる。
しかしだ、いち高校生である俺がスマートにかつさらりと、『真希ちゃんパンツ見えてるよ。おっちょこちょいだなハハハ』なんて爽やかに言えるわけないじゃないか。
経験地も何もかも足らなすぎるよ……
「あ……ご、ごめんね。わたしだって悪いもんね……それにキミは男のこだししょうがないよね……」
俺の困った顔を見て、真希ちゃんがすぐに謝る。
「パンツ見られたのは恥ずかしいけど……えーと……その……キミにだったら見られてもいいかなー……な、なーんてね」
「えっ!?」
「あ……じょ、冗談だよー。でも見られたのが他の人だったらきっと嫌だったかも……」
「そ……そっか、俺も真希ちゃんのだから嬉しかったよ……あはは……」
しまった……つい余計な一言が口から出てしまった……
――また気まずい沈黙……お互い顔が見れずに下を向く。

「……ほんとに?」
真希ちゃんが沈黙を破る。
「ほんとだよ」
思い切りかぶりを振ってみせた。
「そっか……ならうれしいな……えへへ」
ああ……よかった。真希ちゃんはいつもの笑顔に戻っている――

205 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/05/24(月) 18:27:59 ID:5qLcCUXz.net
――それからしばらく――多少の気まずさはあったものの――特技の見直しや、もうすぐ終る高校生活について話し合った。
「まだ一つ特技残ってるよ?」
「最後の特技はこれにしようって決めてたんだ」
俺はそう言って『告白する勇気』を選んだ。
「えっ……これでいいの?これって……」
「うん……これでいいんだ」
「そ、そうなんだ……」
困惑した真希ちゃんの表情……
「どんな人なのかな……その人って?」
「そうだな……何事にも凄く頑張って、いつも笑顔で明るくて、前向きで、いつも応援してくれて……俺にとって大切な人なんだ」
「えっ……それって……もしかして……」
もしかしなくてもキミのことだよ……真希ちゃん。出かかった言葉をぐっと飲み込む。
「この話はこれでおしまい。そろそろ帰らないと先生に怒られるよ」
「そ、そーだよね。プライベートなことだもんね……えへへ」
どこか真希ちゃんは嬉しそうだ。少しは俺の気持ち伝わったのかな?でも彼女鈍感だからな……

「さーて、お互いに悔いの残らないようにしようね」
あと二ヶ月……
卒業式まで残り少ないけど、必ずキミにふさわしい男になるよ……
だからもう少しだけ告白は待っててね真希ちゃん――





めもラジの投稿で、あの座り方はまずいとの投稿がありそっから妄想具現化しましたw

206 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/05/24(月) 19:26:58 ID:oE6LzwYR.net
>>205
GJです。そういやイラスト集でもどんな座り方してるか、
妄想して楽しんで下さいと言うような事が書いてありましたねw

もう誰も書かないのかと思い、保守がてら此処にUPするつもりの
なかったものまで貼ってしまったので、他に書き手がいてほっとしました。

207 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/05/28(金) 14:59:57 ID:QeuKOMAg.net
『眠れないの?』

それは、都子と夏祭りから帰ってきた夜のこと。
寝苦しい暑さにデートの余韻も加わりなかなか寝付けそうにない。
そいや都子の浴衣姿、久しぶりに見たな。
小さい頃はお人形さんみたいで、可愛らしい感じだったけど、
今はキレイっつーか、な〜んか色っぽかったな。へへへ……
って、あああ、こんなの思い出してたら、余計に眠れなくなるし。
都子はどうしてるかな?
と思ったその瞬間、携帯のベルが鳴る。
……うわ、都子からだ。すげぇ、シンクロニシティってやつ?
「もしもし、都子?」
「うん、あ・た・し。……お祭り、楽しかったね」
「おう、サイコーだったな。花火もキレイだったし」
「ホントにね…。あなたと一緒に見れて、すっごく嬉しかった。
花火の年の特別な夏祭りに、あたしを誘ってくれて…。ありがとう…」
「お、おう?」
ありがとうなんて、なんか照れるぜ……
「そ、それで、なっなんか用か?」
照れ隠しに、無理やり話を切り替えようとする、俺。
「あっ、うふふ……」
電話の向こうで都子が笑ってるような気配がする。
ばればれじゃん……。
「あっ、ううん、ごめんね。実は…」
「実は?」
「あなたが、眠れないんじゃないかって、思って…」

208 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/05/28(金) 15:00:55 ID:QeuKOMAg.net
うわわわ、ビンゴだよ…
「ああ、うん。ちょっとね。どうにも暑苦しくってさ」
「うふふ、やっぱり。じゃぁ…」
「じゃぁ?」
「あたしが、うさぎさんを数えて、あ・げ・る」
「うさぎさん!?ええっ!?ええと…ふ、普通は羊じゃないのか?」
「別に、うさぎさんだっていいじゃない?」
『それとも、このボクじゃイヤだってーのか。セニョール?』
……ひいっ?なんか恐ろしい声まで聞こえてきたぞ!?
俺は慌てて承認した。
「は、ハイ!よ、喜んで……」
「えっ、なっなに?」
急に上ずった俺の声に、いぶかる都子。
「あ、いや…なんでも」
「変なの?うふふ、でも良いわ。……それじゃ、はじめるね?」
都子はうさぎさんを数えだした。
「うさぎさんが1匹、うさぎさんが2匹、うさぎさんが3匹、
うさぎさんが4匹、うさぎさんが5匹、うさぎさんが……」
眠れない…そもそも、あの恐ろしいうさぎさんだぜ?眠れるワケが無い。
「うさぎさんが21匹、うさぎさんが22匹、うさぎさんが23匹、
うさぎさんが24匹、うさぎさんが25匹、うさぎさんが……」
それでも、都子はうさぎさんを数え続ける。優しい声で……
「うさぎさんが61匹、うさぎさんが62匹、うさぎさんが63匹、
うさぎさんが64匹、うさぎさんが65匹、うさぎさんが……」
うわ、50匹突破したよ…。
幼なじみが羊を数えるときは50匹で終わるんじゃなかったっけ?

209 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/05/28(金) 15:01:54 ID:QeuKOMAg.net
って、うさぎさんだから関係ないのか?
「うさぎさんが…、うさぎさんが…、うさぎさんが…、うさぎさんが……」
更に数え続ける都子。
都子は本気だ。俺が寝つくまで本気で数え続けるつもりだ……。
なんでこんなに一生懸命なんだろう?
そりゃ俺のため…だよな。優しい都子。
「うさぎさんが…、うさぎさんが…、うさぎさんが…、うさぎさんが……」
うさぎさんが…、うさぎさんが…、うさぎさんが…、うさぎさんが……
うさぎさんが…、うさぎさんが…、うさぎさんが……
うさぎさんが…、うさぎさんが……
うさぎさん………
…………

俺はいつの間にか眠りに落ちた……

-----------------

…やぁボク、うさぎさんだよ。さてと、その頃の都子ちゃんは…

あら?……あなたの携帯、電池切れ?
あたし、ちょっと長電話しすぎちゃったかな?
ごめんね、夏休み中デートに誘えなくなっちゃったね。
でも、他の女の子の水着、見とれて欲しくないし……

……な〜んてね、うふふふふ。

210 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/05/28(金) 23:55:36 ID:Dkx/zEdi.net
ひぃ

211 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/06/05(土) 19:39:23 ID:Q9w9UbA9.net
ふぅ

212 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/06/05(土) 21:16:24 ID:HW5l7GKa.net
みぃ

213 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/06/07(月) 22:01:55 ID:h5/98QVm.net
≪大倉が主人公に激怒絶叫≫
主人公のふがいなさに昼食後、学校の屋上で大倉が絶叫した。「一緒よ!ときめいても!」
今年、何度も繰り返される鈍感現象に我慢も限界。
「駄目よ、こんなのじゃ。いつも同じシーンを見ている。いくらヒロインポイントを取っても勝てない」とまくしたてた。
主人公に対する幼馴染の不信感増大。ゲームにとって最悪の2学期開幕となってしまった。
(2010.9.19 屋上 きらめき高校)


214 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/06/07(月) 23:30:22 ID:9C1rOHSS.net
小遣い管理の何があかんのですか!

215 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/06/13(日) 02:52:53 ID:e35uj0NC.net
「もうやだよー怖いよー」
冨美子がこの台詞を言って何度目だろう。今日は放送部の夏合宿で肝試しをしている。
よっぽど怖いのかさっきからずっと俺の腕にしがみついてくる冨美子。
……その……さっきから肩やら肘やら腕のいたるところに冨美子のが当たっている。ああ、冨美子のこんなに柔らかいんだな……
冨美子には悪いとは思うがついそこにばかり意識がいってしまう。体操着越しなのに確かに伝わる弾力。しかしこれはちょっとした生殺し状態だな……

合宿で泊り込みをしてるプレハブの施設は裏手は森になっている。
その森をぐるっと回ってくるコースが肝試しのルートになっている。時間にして30分程度。要所にお化けの役の部員がいて脅かすせいで、さっきから冨美子は悲鳴を上げっぱなしだ。
正直男の俺でもこの道は不気味だ。元々怖がりな冨美子ならなお更だろう。聞こえるのは虫の鳴き声と鳥の鳴き声、そして俺と冨美子と足音のみ。
曇っているせいで月明かりもほとんどなく、手に持っている懐中電灯だけが唯一のあかり。宿舎を出てからもう30分ほど立っているが、冨美子の足取りがなかなか進まないのでまだ三分の二程度といったところか。
前に嫌がる冨美子をお化け屋敷に誘ったことがあるが、あの時もこんな状態だったな……

「ねえ……まだかな……」
冨美子が震えながら囁く。
「多分……あと15分くらいあるいたらゴールかな……」
「えー……まだそんなにあるの……」
冨美子は今にも泣いてしまいそうだ。
「じゃああ、ちょっとだけそこで休もうか」
前方の少し開けた場所にちょうど二人くらい座れそうな岩があった。そこを指差して冨美子を促す
「うん……」


「ふー……さすがにちょっと疲れたね」
腰を下ろしてすぐに冨美子がつぶやく。冨美子はずっと悲鳴をあげてたし、きっと俺の何倍も疲れてるかもしれない。
俺も冨美子の隣に腰を下ろして伸びをする。
「なんかごめんね……」
「ん?何が?」
「あたし怖がりだから……キミに迷惑かけてるよね……」
申し訳なさそうな顔して謝る冨美子。
「そんなことないよ。冨美子と一緒になれてラッキーだったし」
「ほ、ほんとに?」
少し慌てる冨美子。なんだか少し顔が赤いような?

216 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/06/13(日) 02:53:38 ID:e35uj0NC.net
「ほんとだよ。せっかくなら冨美子と一緒に回りたかったしね」
「……えへへー、だったら嬉しいな」
肝試しが始まってやっと見れた冨美子の笑顔。やっぱり彼女には笑顔が似合うな……
「それに冨美子が腕を抱きしめるものだから、さっきからずっと当たって……」
そこで慌てて口を紡いだ。しまった余計なこと言ってしまった……
「え?何が当たるのー?」
不思議そうな顔で尋ねてくる。くっ……自然体であれをやってのけるんだから天然ハンターとでも言うべきか……
「いや、その冨美子の胸が……腕にこう……ぐいぐいと……」
「えっ?えっ?えっー!!!」
完全に意識してなかったらしい。
「あうー……恥ずかしいよー……もうキミの顔が見れないよー」
顔を真っ赤にして動揺する冨美子……ちょっと可愛いかも。
「そう?俺は嬉しかったけどなー。役得だったし、あはは」
「はううー変なこと言わないでよー!……その……嫌じゃなかったんだよね?」
「えっ……そりゃ嫌なわけないよ……冨美子だし」
これってちょっとした告白じゃないのか?言ってから俺まで恥ずかしくなってくる。
「そっかー……えいっ!隙あり!」
冨美子がいきなり腕を絡ませてくる。
「へへーさっきはキミのぬくもりを感じれなかったからねー」
冨美子ってこんなに大胆だったっけ……?
「えへへ……なんか恥ずかしいね」
恥ずかしいどころじゃない、どぎまぎだぞこれは!さっきまでみたいなアクシデントとは違う、冨美子が意識して腕にしがみついてくる……
手を繋ぐだけでもあれだけ緊張したのに……今は冨美子の身体が密着している……今度は俺の顔が真っ赤になる番だった。
「こうやってるとキミの温もりが伝わってきて……さっきまで怖かったのが嘘みたい」
俺にもたれかかるようにして冨美子が喋る。
「あたしもね、キミと一緒で嬉しかったよ。肝試しはイヤだけど、キミと一緒なら心強いしそれに……」
「それに?」
「ううん、何でもない。……ねぇ、伝説の樹の話したの覚えてる?」
「覚えてるよ」
「もしも、もしもだよ……仮の話だからね。キミが……伝説の樹の下で告白されたらどうする?」
「えっ……やっぱり嬉しいと思う。……でも誰に告白されるかってのが大事かなやっぱり」
「そっか、そうだよね……それなら……」

217 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/06/13(日) 02:54:49 ID:e35uj0NC.net
冨美子はそこでいったん区切ると深呼吸をした。
「……もしもそれがあたし……だったら?」
えっ?……冗談……って雰囲気でもないよな……だから正直に答えることにした。
「冨美子なら当然嬉しいよ」
「……そ、そっかー……えっへっへっー」
冨美子はいやに嬉しそうだ。顔もこころなしかだらしなくなっているような……
「あっ、あたしまただらしない顔になってるー!……ううー」
よっぽど恥ずかしかったのだろう、顔を抑えていやいやをする。
「ううう……さっ、もう行こう」
恥ずかしさを隠すように俺の手を取って立ち上がる冨美子。
「あのね、さっきのは例えだからね。例え」
「そっか、例えかちょっと残念だな」
俺も冨美子の手を握り返して立ち上がる。
「もーそんなこと言われたらあたしまたニヤニヤしちゃ――」

あqswgtじゅおl!!!!!!!!

冨美子の言葉を遮るように突然後ろから上がる謎の叫び声。

「うわぁあああああああ!!!」
「きゃー!!!なになになに???」
あまりの恐怖で冨美子がその場にへたり込む。
「やだやだやだっ!!何?怖いよー……うっうっ……」
「冨美子っ!」
正直俺もびびって身体がすくんでいたが、それい以上に冨美子が気になって強く抱きしめた。
「怖いよ……動けないよ……ひっ、ぐすっぐすっ」
「冨美子……もう大丈夫だよ。さっきのはお化け役の連中だから」
確証はないが多分間違いない。逃げる足音も聞こえたし。冨美子を安心させるためにもそういうことにした。
「ほんとにっ?ひっ、ぐすっ……」
よっぽど怖かったのだろう。さっきから泣いている。少しでも安心させたくて抱きしめたまま頭を撫でる。
「俺がいるから。だからもう怖くないよ」
「うっ、うん……ひぐ……ありがとう」

218 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/06/13(日) 02:55:30 ID:e35uj0NC.net
少しは安心したのだろう、強張っていた表情もいくらか和らいでいる。
「あれ、冨美子太もも濡れてる?」
俺の太ももに何かの液体がつくのに気づいて冨美子に尋ねた。
「えっ?……」
あひる座りをしている冨美子の真下に水溜りができている。スパッツから太ももにかけて何か液体が……
「これって……」
「えっ?うそっ!やだ……あたしどうしよう……」
また冨美子が泣きそうな顔をする。無理もないか……
「不可抗力だよ。しょうがないって」
なるべく明るい表情で冨美子を励ます。
「だって……あたしもう高校三年生だよ……それなのに……よりによってキミの前でだなんて……汚いし……」
「汚くないよ!」
「そんなわけないよー。だって……だっておしっこだよ……」
困った……なんて声をかけたらいいかわからなくて……だから行動で示すことにした。
冨美子の太ももに顔を近づけて、俺は雫を舐め取ってみせた。
「えっ!ちょっ、ちょっと何してるの!!」
冨美子が慌てて俺の頭を抑えつける。
「何って……汚くないのを証明しようと思って」
「意味わからないよー……おかしいよそんなの」
「何もおかしくないよ。冨美子のだから……俺は平気なんだ!」
自分でも何を言ってるのかよくわからない。ただ今は勢いもあってよくわからないことを口走っていた。
「…………ほんとに?」
思ったより悪くない手ごたえ。冨美子はなぜか顔を赤らめている。
「うん。だから俺は冨美子が漏らしたことも何も気にしない!冨美子を受け入れるよ」
「……キミってやっぱり優しいね……ありがとう」
よかった……やっと笑顔の冨美子に戻った。
「さ、帰ろっか」
足元についたほこりを払って、冨美子に手を伸ばす。
「うん」
冨美子が手を握り返してくる――


219 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/06/13(日) 02:56:40 ID:e35uj0NC.net
――結局宿舎に戻って、見つからないように着替えを持ってきたり何やらですっかり遅くなってしまった。
もうこんな時間か……明日も早いしそろそろ寝ないとな。
「そろそろ時間だし寝ないと」
「そうだね。今日は色々あって疲れちゃったしね」
「それじゃあお休み」
「あ、待って」
冨美子が袖を引っ張って俺を呼び止める。
そのままが少しだけ背伸びをすると……俺のほっぺたに……
「えへへっ、今日のお礼……」
顔を赤らめて少しもじもじする冨美子。
「じゃあお休みなさい」
そう言ってそそくさと部屋に戻ってしまった……
俺はただ呆然と立ち尽くして、しばらく動けずにいた。
キスされた頬を指でなぞってみる。熱い……実際に熱があるわけではないが、なぜかそう思った。
これって、キスだよな?
明日会ったらどんな顔をしたらいいんだろう……
そのまま頬を触ったまま俺はそんなことずっと考えていた――




お漏らし要素があるが、エロは入れてないのでこっちに上げたんだが、不快に思う人が申し訳ない

220 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/06/16(水) 15:21:08 ID:s8ow2jth.net
乙です〜

俺も規制も解けたことだし書きかけに手を出すかな
規制が長かったせいですっかり忘れてたぜ

221 :※※※:2010/06/16(水) 20:18:41 ID:GCwSvA/G.net
GJ! おもらしはちょっと俺得すぎるがよし!

222 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/07/05(月) 19:39:29 ID:d4GdQbnB.net
誰か、自宅にヒロインが「家、来ない?」と言うみたいなシチュの話お願いします。 ヒロインは書く人の自由で

223 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/07/05(月) 19:43:15 ID:d4GdQbnB.net
↑すいません、自宅に招くような感じでっての抜けてました。

224 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/07/05(月) 23:14:08 ID:e4hUj5ay.net
>>222
前に知姫先輩で書いたが、誕生日も近いのでまた書いてみようと思った!

今からネタ考えるかな

225 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/07/06(火) 01:41:10 ID:NvAy9axF.net
>>224
wktk
待ってる

226 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/07/07(水) 22:24:24 ID:bAyFTf61.net
知姫先輩書く予定だったが、閣下の誕生日なので投下


    『織姫と結奈と彦星と主人公』



「――よし結奈はまだ来てないな」
 そっと科学部の中を盗み見て、結奈がいないのを確信した。
 俺はそそくさと教室の中に入ると、冷蔵庫に隠していたケーキを取り出した。
 だいたいなぜ科学部に冷蔵庫があるのか?それもこれも結奈が「研究してると喉が渇くわね。あなた冷蔵庫を持ってきなさい」と言った一言のせいだ。
 本来なら教師が許すはずはないのだが、我がきらめき高校で結奈に逆らえる教師がいるはずもなく、気付いたらこの科学部は凄い勢いで結奈の私物化が進んだのだ。
 そんな結奈は「傲岸不遜、白い悪魔、閣下、良心罪悪感ゼロ」など凄い言われ方をしている。「他にも踏まれたい」だの「罵られたい」なんてのもあったな。
 結奈自身はそんなこと一切関せずっといったところで、まさに唯我独尊だ。それもこれもIQ300の天才的頭脳を持ち合わせてるからこそ許されるのだろう。
 まあ、多分にその代わりにモラルを忘れてきたところはあるわけだが……

「さて、結奈が来る前にさっさと用意するかな」
 俺はケーキを取り出して、食器棚からフォークを取り出すと、皿にのせるとテーブルの上に置いた。
 ケーキにはプレートが乗っかっており、『紐緒結奈 HAPPY BIRTHDAY』と書いてある。
 今日、七夕が結奈の誕生日なのでわざわざが俺が持ってきておいたのだ。
 しかし七夕が誕生日だなんて、全く似合わない。
 いつだか織姫と彦星と話をしたときに、「全くバカな二人ね。わたしだったらさっさと天の川を渡れる橋をつくるわ」なんて言ってたくらいだ。
 その後「結奈でもそこまでして、恋人に逢いに行きたいのか?」なんて言ったら「ば、ばかねたとえ話よ……恥を知りなさい」とか顔を真っ赤にしてたこともあったっけ。
 そんなことを思い出しながら結奈が来るのを待ってたら、教室の扉ががらっと開いた。

227 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/07/07(水) 22:25:32 ID:bAyFTf61.net
「あら、いたの?」
 俺にちらっと一瞥をくれると、すたすたと入ってくる。
「これは?」
「見たらわかるだろ? バースデーケーキだよ」
「あら、そう」
 普通なら、ありがとー、とか、嬉しい大好きだよ! とかそんな反応を期待するが何しろ結奈だ。逆にそんな反応されたら気持ち悪くて熱でもあるんじゃないかと疑ってしまう。
「まあ、わたしの下僕なんだからこれくらい当然の心がけね」
 平静を装っているが、顔がにやけてるぞ結奈。指摘すると怒り出すからそれはやめておこう。
 俺は早速食べようぜとジェスチャーをするとナイフでケーキを等分した。
「ふーん……けっこうおいしいのね」
「だろ?」
「何か飲み物ないの?」
 ビーカーにあらかじめ入れておいた飲み物を結奈に差し出す。
「あなたが実験してるのかと思ったわ……ほかに入れ物なかったの?」
「そんなの気にするキャラじゃないだろ?」
「まあ、確かにね……」
 そう言って差し出された飲み物をすぐに飲み干す。
「なんか変な味ね……」
「まあね」
 俺は少し含み笑いをしてみせた。間もなくその意味を結奈は知ることになるだろう。
「全く、何かよからぬことを考えてたら承知しないわよ」
「へいへい」

 ――俺は時計に目を落とす。そろそろ頃合かな?
「なあ、結奈」
 ケーキも食べ終わり、人心地ついた結奈を呼んだ。
「何?」
「俺のことどう思う?」
「いきなり何を言ってるの? そんなの大好きに……」
 結奈は慌てて口を押さえた。珍しく狼狽している。
「ちょっと、あなたさっき何を飲ませたの? ……まさか?」
 さすが察しがいい。

228 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/07/07(水) 22:26:48 ID:bAyFTf61.net
「ご名答さま。そのまさかだよ」
 俺は胸ポケットから錠剤を取り出して見せた。


「――さあ薬ができたわ。早速飲みなさい」
「え、俺が?」
「あたり前でしょ。わたしが飲んで万が一があったら、世界的規模の損失よ」
「いやーいきなり臨床実験ってのはちょっと……まずいんじゃないかなー?」
「あら、あなたはわたしの頭脳を侮辱する気?」


 ――この時結奈が作った薬が、正直な事を喋らせる薬だった。といっても自白剤のようなしろもじゃなくて、何でも交感神経系を刺激して素直に気持ちにさせ結果正直になり……とかだったと思う。
 化学なんて畑違いじゃないのか?と聞いてみたが「わたしの天才的頭脳をもってすれば造作もないわ」とか言ってたな。
 ともかく俺はこの薬を飲んで……結果一世一代の告白をすることになったのだった。
 何よりも意外だったのが、結奈がOKをしてくれたことだ。
 それからしばらくはまるで別人のように振舞っていたが、それも長くは続かなかった。まあ今の性格の方が結奈らしい。

「もういらないから破棄してって言ったのに……」
「いやちょっと面白いかなと思って、少しだけとって置いたんだ」
「こんなものを飲ませるなんて恥を知りなさい」
 ぴしゃりと本人は言ったつもりなのだろうが、いつもの迫力が無い。
「おいおい、最初に飲ませたのは結奈だろ?」
 俺はやれやれと肩をすくめてみせた。
「そんなことよりさ――」
 俺はポケットに手を入れると、リボンで放送された箱を取り出し、結奈に渡した。
「何?」
 怪訝そうな顔で結奈は尋ねる。
「誕生日プレゼントに決まってるだろ。開けていいんだぜ」
「う、嬉しい……」
 また慌てて口元を押さえる結奈。
 素直に喜ぶこともできないんだから全く難儀な性格だな


229 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/07/07(水) 22:29:01 ID:bAyFTf61.net
 結奈は余計なことを喋るのをやめて包みをあける。中からは装飾された四角ケースが出てきた。
「あける……わよ」
 ケースを開くとそこに鎮座していたのは……
「指輪?」
「ああ。ペアリングになってる。毎年色気もないプレゼントだったし、たまにはこんなのもいいかなと思って」
 結奈は指輪を見つめたまま呆けている。
「いやだったか?」
「いやじゃないわよ……その、こんなの普段つけたことないし、どうしていいかわからなかっただけ。……ただあなたと一緒なのは嬉し……」
 そこまで言ってまた口元を抑える。結奈はすっかし顔が真っ赤だ。
 それにしてもよかった。普通に喜んでくれてるみたいだし。
「ほら、指だせよ」
 結奈の手を握ると俺は催促した。
「な、何するよの……」
 俺はリングを一つ摘むとそのまま結奈の指に通した。よかったピッタリだ。
「なっ……」
 結奈は耳まで真っ赤になっている。こんな結奈は滅多に見れるもんじゃないな。
 結奈は何か言いたいのだろうが、口をもごもごさせるだけで何も言ってこない。よっぽど失言するのが恥ずかしいのだろう。
「なあ、実はさっきの薬だけど……」
「ま、まだ何かあるの?」
「あれ、もう効果切れてるぞ。前に実験したときに三分程度しか続かなかったの覚えてないのか?」
「えっ……?」
「こういうのプラシーボ効果っていうんだった? 凄いよな」
「なななっ……」
 結奈は肩をわなわなと震わせている。ちょっといじめすぎたかな……? 普段俺はこの百倍以上はいじめられているわけではあるが。
「きっ、気付いてたわよ! あ、あ、当たり前でしょ。あなたにあわせてあげたんだから感謝しなさいっ!」
 うわー、それはちょっと無理があるよ結奈。目元はちょっとうるうるしてるし、顔も真っ赤で説得力ゼロにも程がある。
 ほんと素直じゃないんだから結奈は。
「そっか、さすが結奈だな」
 俺は結奈の頭に手をおくとそのまま撫でてあげた。
「ちょっと……子供扱いするんじゃないわよ」
 しかし顔は嫌がってない。つきあうようになってからわかったのだが、意外となでなでされるのが好きらしい。
「下僕のくせに生意気よ……」

230 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/07/07(水) 22:29:57 ID:bAyFTf61.net
「おい、結奈」
 俺は外を眺めながら結奈を呼んだ。
「ほら、星が凄く綺麗だ」
 窓を開けて空を指差す。快晴だったせいか、空にはハッキリと天の川が見える。
「あら、ほんとね」
 結奈も俺の隣に立ち窓が身を乗り出して空を眺める。 昔の結奈だったきっとこんなことは言わなかっただろう。
「なあ、俺がアルタイルだったらどうする?」
 輝く星を指差して聴いてみた。
「そうね……高速船でも造って迎えにいくわ」
「あれ、まだ薬利いてる?」
 ……いたっ? 茶化そうとしたら思いっきり足を結奈に踏まれた。
「うるさいわね。わたしには下僕が必要なのよ」
 すっかりいつもの結奈のペースに戻ってしまった……
「全く……わたしが迎えに行くんだから感謝しなさいよ」
「結奈が迎えに来てくれるなら頼もしいな」

 しばらく他愛もないことを話しながら空を見上げる。
「その、今日はありがとう……」
「ん? そりゃ彼氏だからな。当然のことをしたまでだよ」
「あなた、ちょっと目を瞑りなさい」
「おいおい、変なことしないだろうな?」
 いたずらのお返しかと思って一瞬身構える。
「うるさいわね、さっさとしなさい」
 はいはいわかりましたよと降参のポーズをして俺は目を瞑った。 結奈が近づいてくるのが気配でわかる。よほど近いのかシャンプーの香りが微かに香ってくる。 ――と、唇に柔らかいものが触れた。ほんの一瞬ではあったが。
「もういいわよ」
 目を開くと結奈が真っ赤な顔をしている。
「いっとくけど! 今日はわたしの誕生日だし特別なだけよ。決して勘違いしないように」
 こうして俺たちの初キスは終わったのだった。

「さっ、そろそろ帰ろうか」
 結奈に手を差し出す。ふんと鼻をならし、握り返してくる結奈。
 外に出ると空は満点の星空。きっと今頃彦星と織姫もデートをしてるのだろう――

231 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/07/07(水) 22:32:20 ID:bAyFTf61.net
というわけで、改めて閣下誕生日おめでとうございます


内容は……勢いで書いてるのでw
書いててちょっとキャラ違うよなーとかも思ったりしたが、初代はもう10年以上プレイしてないので忘れてるところもあって難しかった

232 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/07/08(木) 06:53:44 ID:TWB247Fo.net
閣下可愛すぎですw                                         リク応えて頂きありがとうございました。

233 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/07/25(日) 08:50:23 ID:PMnVl6Ec.net
>>231
GJ

234 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/08/10(火) 18:40:18 ID:JdofyrCq.net
テスト

235 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/08/16(月) 20:04:46 ID:q3c1XGeQ.net
夏にぴったりなホラー話浮かんだ

需要あるなら投下しようかな

236 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/08/18(水) 19:55:26 ID:DiIxkRac.net
>>235
あるある!
よろしく!

237 :うさぎさんのなく頃に プロローグ:2010/08/20(金) 23:35:33 ID:wnWjOmH4.net
ミーンミンミーン…ジワジワジワ…

『あ…暑い……』

きらめき市の夏は暑い、が、去年に比べると異常なくらい今年は暑い…
それに呼応するかのように外では体育でもやってるのであろうか、他クラスの熱気のある声とセミの大合唱が響いていた。
そんな声を子守歌代わりに夜中の睡眠不足を補おうと机に突っ伏してた時。

学(おい起きろ公四朗、指されてるぞ…!)
教師「主人ー、主人!!………ぬしびとーー!!」
公四朗「えッ!!あっハイ!!すみません!!」

英語教師の大音量の怒鳴り声が教室と俺の耳元を揺るがす、端に目をやると、うたた寝しかけてた正志が目を覚ましていた。

教師「…まったく、人が暑い中教えてやっとると言うのに呑気なモンだな、顔洗って来いっ」
公四朗「はい…」

学「あーらら、ついてないでやんの」
…クスクス…w
クラスのみんなの失笑を背後に受け、俺は赤面しつつも言われた通り顔を洗いに水道に向かう。

スゥ……

廊下に出てしばらく、背後に気配。
『ん…?今何か…?』
………

何かを感じた気がしたが、熱気にうだった頭はそれ以上の詮索をする事はなかった。『気のせい…か?んまあ、いいか…。』

季節は7月中盤、期末テストも終わり、高校入学以来2回目の夏休みは、すぐそこにまで来ていた。

238 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/08/22(日) 21:33:26 ID:wYPZ9Z6f.net
断片だが1~33の作品中いくつは直接ssを創作して見ました。

239 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/08/27(金) 06:37:02 ID:E6SH+wde.net
>>237-238
プリーズ

240 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/08/28(土) 13:27:26 ID:wPzXgM52.net
>>239
マイナーなギャルゲーSS祭りを開催したいです。
http://toki.2ch.net/test/read.cgi/gal/1257577488/

241 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/09/08(水) 20:57:57 ID:genbLvfy.net
センチ2の同人小説を見つけた


Sentimantal IIDX

ジャンル: センチメンタルグラフティ
サークル: “天”レーベル
作者: 天野優樹
発行日: 2010-08-15 ページ数: 32 価格: 200円 規格: B5
センチメンタルグラフティ2でリリースした作品の総集編です。耕平と優の“その後”をお楽しみに

242 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/09/16(木) 00:22:35 ID:+u1dmO/l.net
あれ、やっと規制とけた!!やたー!!
誕生日だしりずみん投下する!

243 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/09/16(木) 00:23:28 ID:+u1dmO/l.net
    『アフェットゥオーソ』


「あと少しで終わるんだけどな……」
 かれこれモニターとにらめっこをしたままかなりの時間が過ぎていた。八割方は出来上がっているのだが、何かが足りない。それがわからないから作業はいつまでも終わらずにいた。打ち込みもそこそこに画面から顔を逸らしてため息を一つつく。
 どうしたものか。一週間ほど前からほとんどこの状態のままだ。打ち込んではイメージと違うから消して、それの繰り返し。
 少し気分でも変えるかとベッドの上に放り出した携帯に手を伸ばす。
 あれ? 着信が。バイブにしていたから全く気づかなかった。
 液晶の画面には不在を告げるアイコン。そして留守録ありのマーク。
 着信履歴を確認すると全て里澄からだった。早速再生してみる。
『留守録が三件あります。順番に再生します……』
 機械音の後に聞き慣れた声が聞こえてきた。
『もしもし……響野です……えっと、その……あなたの声が聞きたくて……あっ、そうじゃなくって……今度の日曜日に、あっ、わたしは何も予定がなくて……』
 ぶつっと音声が途切れて次の録音を再生する機械音が流れる。
 思わず苦笑してしまった。相変わらず電話は苦手らしい。もう付き合い始めて半年になるのに、その初々しさが可愛らしかった。
 残りも再生してみたが、調子一辺倒でこんな感じだった。携帯を握って恥ずかしそうにしてる里澄の表情がありありと浮かんでくる。
 要約すると今度の日曜日にどこかに行かないかと、つまりデートのお誘いっだった。
 断る理由もないので、早速里澄に電話をかける。
 あっ、里澄? 留守電聴いたよ……



「……凄く綺麗」
 あたり一面は紅葉した木々。まだ暑い日も多いが、季節は確かに移り変わりつつあるのだと改めて実感する。
 今日は郊外の山まで来ていた。山といってもハイキングコースになっており、軽装でも気軽にくることができる。
 里澄は一本の大きな樹の前まで来るとそのまま腰をおろすので、俺も並んで隣に座る。
「やっぱり不思議だよね」
 里澄が落ち葉を一枚手の平に乗せて呟く。
 確かによく考えるとそうだ。何でも光合成が少なくなり、葉の中に含まれる成分――何かは忘れてしまったけど――が少なくなり紅くなると習った記憶がある。



244 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/09/16(木) 00:24:45 ID:+u1dmO/l.net
 しばらく落ち葉をしげしげと眺める里澄。それを元の場所に戻すと、そのまま横になり目を瞑ってしまった。
「こうやっていると、色々なオトが聞こえてくるの。ここは人工的な音がしないから凄く落ち着く」
 里澄にとっては、風の音、木々の揺らめき、小鳥の囀り、その全てが作曲活動のインスピレーションになるらしい。 
「あなたもこうしたら気持ちいいよ」
 里澄に倣って、横に寝っ転がる。頬を撫でる風が気持ちよく、目を瞑るとさっきよりはっきりと小鳥の囀りが聴こえてくる気がした。
 しばしこの空間を楽しむ。思えば最近はずっとパソコンの前にいた気がする……

「あなたのオトが聴きたい……」
「えっ?」
 いつの間にか半身を起こした里澄が俺に問いかける。
「俺のオトって?」
 里澄は何も言わずに俺の胸に手を置く。
 なるほど、そういうことか。軽く頷いてOKのサインを出す。
 里澄は少し嬉しそうな表情を見せると、俺に身体を預けそのまま目を瞑てしまった。俺の胸にうずまる里澄。
「うん……あなたの心音は凄く心地いい」
 里澄の髪に手を伸ばして手櫛の要領で頭を撫でる。
「気持ちいい……」
 周りには誰もいない。樹の下で里澄と二人きり。まるで世界を切り取ったような錯覚すら覚える。聞こえるのは小鳥のさえずりと木々を揺らす風の音。
 思えばこんなに里澄と密着したことはない。里澄は半身を俺に預けるように横になっている。
 今更ながら少しどきどきしてしまう。一度意識をしてしまうと尚更だった。里澄と触れてる部分一つ一つが熱を帯びてきた気がした。
「あっ、心音が変わった……凄く早くなってる……まるで8ビートから16ビートの変化」
 こっちの動揺を里澄に隠すことはできなそうもない。
「どうしたの?」
「えっと……」
 バツが悪くて言葉に詰まってしまった。
「凄く早いリズム。さっきの鼓動はとても落ち着けた……今の旋律は凄くドキドキする……でも嫌な感じじゃない」
 里澄は胸に耳を押し当ててオトを逃すまいとしているようだった。
「また早くなってる……」
 原因はキミだよ里澄。
「何かあった?」
 ああ、なんて天然発言なんだろう。里澄はわからずにきょとんとしている。
「……里澄のせいだよ」

245 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/09/16(木) 00:26:17 ID:+u1dmO/l.net
「わたしの……せい?」
 相変わらず、何が何やらといった表情を里澄は崩さない。
「……あっ!」
 理解したのだろう、里澄の顔はみるみる赤くなっていく。意識しないでやってたんだから、全く天然というかなんというか。
「恥ずかしい……」
 里澄もやっとこの状況を意識したのだろう。、
「あっ……わたしの鼓動も早くなってる……あなたにシンクしてるみたい……」
 里澄は自分の胸に手を当てて確認をする。
「ねえ、もっと……ドキドキしたオトが聴いてみたい……」
 里澄は顔を紅潮させて、俺をみつめる。
 里澄からこんなに積極的にくるなんて珍しい。というかむしろ初めてだ。この日常から切り離されたような空間が開放的にさせるのか。それともまだ味わったことのないメロディーを求めているのか。多分両方なのかもしれない。
「もっとって?」
「えっ……それは……」
 そこまで言って里澄は言い淀む。少し間をおいて里澄は続きの言葉を口にした。
「もっとドキドキさせて欲しい……」
 この状況でこのシチュエーション。一組のカップルが寄り添うように密着している。おあつらえ向きに周りには誰もいない。
 つまり里澄の意図することは……
 もう続きは聞かなくてもわかる。里澄の首に手を回し抱き寄せる。近づく唇。
 夢……みたいだ。里澄とキスをしようとしてるなんて。
 正直付き合って半年になるが何か進展があったわけではない。今までと同じようにデートをして、手を繋いで帰る。もちろんこれでも十分満足してたわけではあるが……
 里澄は目を瞑り、俺を受け入れようとしている。俺も里澄に倣い目を瞑ると少しだけ首に回した手に力を込めた。
「んっ……」
 ほんの刹那ではあったが、確かに里澄の唇と重なった。唇に残る柔らかい感触。ファーストキスを終えた俺達はお互いに見つめあっていた。
「凄い……」
「うん……」
 さっきの感覚を味わいたくて、もっと里澄が欲しくて、だから俺はまた目を瞑った。
 意図を汲んでくれたのだろう、里澄の顔が近づくのが気配でわかる。
「んっ、ぐっ……」
 覆いかぶさる里澄を抱きしめる手に力をこめる。
 さっきよりも長く、長く、互いの唇を絡めあう。感覚は鋭敏に磨すさまれ、唇に挟まれた箇所は熱く熱を帯ていく。
「んっ……はぁ……はぁ……」

246 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/09/16(木) 00:26:58 ID:+u1dmO/l.net
 長い口づけから開放された里澄が顔を離して深呼吸をする。俺も新鮮な空気が欲しくなり、大きく息を吸い込む。
「ふふっ……」
 肩で息をする里澄が俺を見つめながら可笑しそうに笑った。
「息するのも忘れてた……このままじゃ窒息しちゃう……」
「はは、確かにそうだね」
 今度は互いに見つめながら笑ってみせる。
「あなたのキスは凄くアマービレ……ねえ聞こえる? 二人の鼓動が今リズムを刻んでる。まるで二重奏みたい」
 それは心音。生命が奏でるメロディー。俺には里澄みたいに離れてても心音は聴くことはできない。でも里澄の鼓動は確かに体温と一緒に伝わってくるのがわかった。
 ……そっか、足りなかった物はこれだったんだ。自分のなかでパズルのピースが次々と嵌っていく。
「里澄、ありがとう」
「えっ? 何が?」
「里澄のおかげで完成できそうだから」
「何のこと?」
 里澄には今作っているものの事はまだ話していない。だから当然の疑問だったのだろう。
「んーそれは今度教えるよ。お楽しみってことで」
「うん……わかった」
「それよりもさ……」
 今はもっとこの感覚を味わっていたかった。里澄も小さく頷く。
 交わす三度目のくちづけ。さっきよりも強く、アクセントをつけるように互いの唇をアマガミする。
「あっ……はむぅ……んっ、ちゅむ……」
 里澄の口からはくぐもった声が漏れ出し、少し淫らなハーモニーを奏でる。
 そのままするりと舌を里澄の口内に侵入させる。
「んっ…!?」
 里澄は瞬間驚きの声をあげるが、すぐに舌を絡めてきた。たどたどしいながらも、何度もお互いの舌を絡めあう。里澄と俺の唾液が混ざり合い、別の何かに変わっていくような感覚。
「はぁ……」
 絡み合った唇を離そうとすると、里澄が遮るようにまた唇を重ねてくる。そんな行為を何度か繰り返し、唇を離す。里澄の唇からは一筋の銀色に輝く糸が伸び、すぐにぷつりと切れた。
「もう……ダメ……頭の中があなたのリズムで染まってる……他のメロディーが聴こえてこない……」
 里澄はぐったりと身体を俺に預けてきた。
「俺は里澄からたくさんのメロディーを貰ったよ」
「ほんとに? じゃあ今度聞かせてほしい」
「うん。約束する」
 もうピースは繋がった。あと少しで……当日までには完成するだろう。

247 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/09/16(木) 00:28:35 ID:+u1dmO/l.net


「里澄、誕生日おめでとう」
 里澄に持ってきた花束とプレゼントを渡す。
 今日は里澄の自宅に招かれていた。「ゆっくりしていきなさい」とおじ様の域な計らいで今は里澄の部屋にいる。
「ありがとう。ちょっと待ってて」
 里澄は花束を花瓶に活けるとすぐに戻ってきた。
「開けていい?」
 もちろんと頷いて見せると、里澄は嬉しそうに包装を剥がしていく。
「綺麗……」
 取り出したネックレスを手の平に乗せて呟く。
「去年の誕生日にあげたアンクレットと同じブランドなんだ。色々迷ったんだけど、去年アンクレット喜んでくれたから、同じところのなら喜んでくれるかなと思って」
「うん……凄く嬉しい」
 里澄が早速付けようとするので、「待って」と制した。
「ん? どうしたの?」
「俺に付けさせて欲しいなと思ってさ。ほら、なんかそんなのいいかなーって」
「うん……お願い」

 ――これでよしっと。
「ほらできたよ」
「ありがとう……どう? 似合ってるかな?」
「うん凄く似合ってる」
 少し胸元が開いてる服のせいもあって、お世辞じゃなくよく似合っていた。
「嬉しい……大事にする」
「実はさ、もう一つあるんだ。プレゼント」
「えっ?」
 鞄から一枚の紙切れを取り出して里澄に渡した。
「これは……!」
 渡したものは楽譜。最近ずっと創っていたものだ。昨日やっとできあがたもの。
「里澄から見たら、凄く稚拙に見えるかもしれないけどさ……」
「そんなことない。この曲すぐに弾きたい」

248 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/09/16(木) 00:29:57 ID:+u1dmO/l.net


 ――ソファにー座り、里澄の奏でる演奏に耳を傾ける。本当に自分が作った曲なのかと疑ってしまうほど里澄の演奏は素晴らしかった。或いは……ホントに里澄の演奏には魔法がかかっているのかもしれないなと、そう思わせるだけの迫力があった。
 曲が後半に差し掛かると一瞬だけ里澄の手が止まり、「あっ」と小さな声を漏らした。
 そのまま何事もなかったかのように演奏は再開され、数分程度の小さなコンサートは幕を閉じた。
 立ち上がって拍手を里澄に贈る。演奏を終えた里澄の顔は上気して、頬は紅く染まっていた。
「この曲……弾いてて凄くドキドキした……特に最後のパート……あれって、もしかしてこの前の?」
「そうだよ。あの時のドキドキを……二人の鼓動を入れてみたんだ。それでやっと完成した。だから里澄のおかげだよって」
「あの時のお礼は、この事だったのね……納得」
「気に入ってもらえてよかった」
「それで……弾いてたら……あの時のこと思い出しちゃて……」 
 里澄は少し潤んだ瞳で見つめてくる。実は俺も演奏のせいでドキドキしていた。
「俺もだよ……」
 里澄は何も言わず俺の首に手を回すと、少しだけつま先立ちをする。俺も彼女の身体を支える。後数センチの距離。里澄が目を瞑り……俺達のシルエットは一つになる――

249 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/09/16(木) 00:30:25 ID:r3QD9YZs.net
C

250 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/09/16(木) 00:30:57 ID:+u1dmO/l.net


「そうだ、曲のタイトルは何て言うの?」
 タイトルか……すっかり失念していた。
「いや、そこまで考えてなかったよ」
「そっか。じゃあわたしが考えていい?」
「うん。これは里澄に捧げた曲だから」
 里澄は楽譜に目を落として少し思案をしているようだった。すぐに考えが纏まったのか口を開く。
「そう……この曲はアフェットゥオーソ」
「アフェットゥオーソ?」
「そう。『愛情こめて』って意味」
「そう言われると、なんだかくすぐったい感じがするな」
「とても素敵な、あなたからの贈り物。だからあなたの誕生日に、お返しに何か送りたい……」
「俺は里澄と一緒にいれたらそれだけで満足だよ」
「……でも……そうだ……」
「何か思いついたの?」
「うん……でも秘密」
 少し楽しげに笑う里澄があまりに可愛くて、だから里澄を抱きしめるとおでこにキスをしをしてみた。
「あっ……えっと……そこだけじゃいや……」
「今日の里澄はお姫様だからどんなリクエストでも受け付けるよ」
 少しおどけてみせる。
「じゃあ王子のキスを……」
 俺は麗しの姫にそっと口付けをした。飛びっきりの甘いトッピングで……

251 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/09/16(木) 00:32:25 ID:+u1dmO/l.net
駆け足気味な上に、キスするまでの経緯が軽いとか色々と問題もあるけど、書き手の技量が低いってことで勘弁してください ><
改めてりずみん誕生日おめ

252 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/09/16(木) 00:37:25 ID:r3QD9YZs.net


253 :うさぎさんのなく頃に 1:2010/09/26(日) 02:49:06 ID:9iSjK0PH.net
規制解除きたぜ>>237の続きをダラダラ上げる

公四朗「さっきは最悪だった…」
学「馬鹿なやつー」
正志「まぁ、そんな時もあるよな。それより昼どうする?」
学「あー、僕学食で何か買ってくるよ、お前らは?」
正志「ああ、俺は今日弁当だから一緒に行くよ、公四朗は?」
公四朗「俺は…」

声「あの…」

『俺も学食…』と言いかけた時、馴染みある女生徒の声が聞こえた、この声は…

真希「あの…公四朗君」

クラス委員長の星川さんだった、男性陣からの人気も高く、俺も入学時に席が隣だったのをきっかけに仲良くさせてもらっている。

公四朗「星川さん?どうしたの」
星川「あの、お昼ご飯どうするか決まった?」
公四朗「ああ、学達と一緒に学食だけど」
星川「あの、良かったら私も混ぜてもらっていい?」

254 :うさぎさんのなく頃に 1-2:2010/09/26(日) 02:58:22 ID:9iSjK0PH.net
そう言い、俺と学と正志の3人の顔を見比べる

学「もっちろん大歓迎だよ!いやぁいつも思ってたんだけど、なんか華が無くて寂しかったんだよねえ僕は」
正志「安心しろ、お前は存在自体がホウセンカみたいなもんだから」
学「それ…どう言う意味っすかねぇ?」

正志「俺達が霞むぐらいすげぇぶっ飛んでるって意味だよ、それはそうと俺は構わないけど、語堂はいいのか?いつも一緒にいるんだろ?」

それは俺も思った、確かに今までも一緒に昼を食べる機会ぐらいはあったろうが、星川さんの昼は決まって語堂さんと一緒に弁当だったからだ。
前に俺と星川さんと語堂さんの3人でお昼を食べようと提案したら

語堂『真希はあたしとお昼を食べるって決まってるの、アンタの出る幕は無いの、だから早く向こうに行け、しっしっ』

…と野良犬のように追い払われてしまった事があった
…何故か語堂さんは俺と星川さんが仲良くしてるのを快く思ってないらしい。どうしてなんだろう?

星川「それがつぐみ、文芸部の仕事があるって一緒に食べれなくってさ、だから暇してたんだ、てへへ。」
公四朗「んじゃ、星川さんも学食行こうよ。」
星川「うん☆あはは、男の子とお昼食べるなんて久々だなぁ」


…スッ…タタタ……

255 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/09/26(日) 11:18:51 ID:XTOQjKbU.net
こんなSSがどうしても読んでみたい
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1281253478/

256 :うさぎさんの(ry:2010/09/30(木) 01:01:08 ID:sUsn0jGi.net
〜学食〜

…昼時になり学食は既に込み合っていたが、なんとか学と俺で食券を買って席に座る事ができた。

公四朗「さて…と、俺は食べ物取って来るけど、みんな何か欲しいのある?」
学「サンキュー、はいこれ食券〜」

正志「悪いな、でも俺は大丈夫だよ」
学「公四朗に行かせたっきりじゃ悪いからさ、正志と一緒にジュースでも買って来るよ」
公四朗「ああ分かった、それじゃあ行って来るよ。」

学から食券を受け取り、席を立とうとする。

星川「あっ、公四朗君、私運ぶの手伝うよ?」

公四朗「いや、星川さんはここで席取って待ってて。」
学「そうそう、こーゆーのは男の仕事だしさ」

正志「はは、お前が言うと何か下心があるように聞こえるなw」
学「何をぉ!失敬なっ!」

そんないつものやり取りも忘れずにやる、しかし本当に仲の良い二人だ。

それに…確かに、入って来た時から感じていたが配膳台の前は今軽い戦場になっている、下心云々じゃなくとも、あそこは実際女の子には厳しいかもしれない。

星川「そんな悪いよー、お願い、私にも手伝わせて?」

みんなが何かをしてる時は自分も何かをしたい、委員長で生徒会役員の星川さんらしい優しさだった。

結局正志を席に残し、学はジュースを、俺と星川さんで昼食を取りに移動する事になった。

…って、なんだかんだで星川さんと二人ってこれかなりラッキーなんじゃないか?

257 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/09/30(木) 02:00:16 ID:sUsn0jGi.net
配膳台前

公四朗「し…しっかし相変わらずの行列…星川さん、大丈夫?」
星川「私…学食あまり来たことなかったけど。いつもこんなに並んでるんだね…」

まぁ、学食のランチは美味しいし…それに何より、思春期の植えた胃を割安で膨らませられる点で言うと学食は、この学校の生徒の強い味方だし、昼時のこの人口密度も当然っちゃ当然だった。


なんとか学と自分の分の料理を取り、席に戻ろうとした時だった

女生徒A「あれ?主人くん?主人くんだ〜」
女生徒B「あら?星川さん?」

聞き覚えのある声が俺と星川さんを呼び止める、声の主は隣のクラスで放送部の柳さんと…生徒会長の皐月先輩だった

柳「やっほー☆」
皐月「こんにちは、」

公四朗「やあ柳さん、柳さんも学食来てたんだ?」
星川「皐月さん!意外皐月さんも学食来られるんですか?」

柳「うん、寝坊してお弁当作って来れなくてさ〜…」
皐月「たまたまお弁当を忘れてしまって…そしたら学食の事思い出して。でも私、恥ずかしいけどまだ学食って来たことがなくて…星川さんは一人なの?」

258 :うさぎさんの(ry:2010/09/30(木) 02:09:33 ID:sUsn0jGi.net
星川「いいえ、主人君と彼の友達と一緒ですよ?」
公四朗「皐月先輩こんにちは。学食で会うなんて珍しいですね?」
皐月「こんにちは、主人君も今日は学食だったのね?」
柳「へ〜、公四朗くん、生徒会長さんと知り合いなんだ〜?びっくりー」
公四朗「うん、まぁねー」

…あの柳さんが驚く程に、生徒会長と喋れるのってすごい事なのだろうか?

皐月「あの…迷惑じゃなかったら、私もあなた達と一緒にお食事させてもらっても宜しいかしら?」
柳「えへへっ私も一緒にご飯いいかな?」

公四朗「俺は全然いいですよ、星川さんも大丈夫だよね?」
星川「うん!みんなで食べると美味しいもんね☆」

柳「ありがとー、それじゃ早速れっつごー☆」
皐月「ありがとう、それじゃ、あなた達のテーブルに向かいましょうか?」

こうして柳さんと皐月先輩を連れ、席に戻る事になった

男子生徒「おい…見ろよ、皐月先輩だぜ?」
男子生徒「え…マジで?なんで学食なんかに…」
女生徒「へー、生徒会長も案外庶民的なんだー、意外ー」

気のせいだろうか、あまりの高貴さに皐月先輩の周りだけ人が避けてる気がする…
おかげで席まで着くのに時間はかからなかったが…その高貴さ、まるで何か頑張って得た物を失う感覚がした。もちろん気のせいなんだろうけど…なんなんだこの感覚は?


それはともかく、席に着こうとしたら学が正志がいるであろうテーブルを睨みつけていた。

公四朗「学、どうしたよ?」
学「どうしたもこうしたもあるかよ…アレ、見てみろよ…」

259 :うさぎさんの(ry:2010/09/30(木) 02:37:03 ID:sUsn0jGi.net
正志のテーブルを見てみる。

そこには、漫画でよく見るハーレムな光景が移し出されていた

女生徒A「七河くーん、ご飯一緒にいいかなぁ?
女生徒B「七河先輩!そのお弁当!彼女いるんですか!?」
正志「いや…これは…姉さんが作ってくれたやつで;」
女生徒C「へー、七河君お姉さんいるんだ?やっぱり七河君に似て美人なの?」
女生徒D「ちょっとwあんた美人ってwあーでも気になる!七河君そこんとこどうなの?先輩に教えなさい!」
正志「いや…あの…;」

正志の周りには女、女、女…それも同級生から下級生上級生と、さながら少し前に流行った恋愛ゲームのタイトルみたいな状態だった。
なるほど、確かに…学の気持ちもわからんでもない。ちなみに正志のお姉さんはなかなかの美人だ、うん。

柳「七河くんかっこいいもんね〜、みんなが憧れる気持ち分かるよー」
星川「それにスポーツ万能だし、やっぱり女生徒からの人気も高いんだよねぇ」
皐月「噂には聞いていたけど…彼が七河君ね、確かにかっこいいわね。」

3人も外れなく正志をベタ褒めだ。やっぱりあいつ人気あるんだよなぁ〜

学「まったく、あんなのを見せつけられてって…生徒会長ォォォォ!!??」

皐月先輩の存在に気付いた学が素っ頓狂な声を上げる…ってかこいつ気付くの遅すぎだ。

260 :うさぎさんの(ry:2010/09/30(木) 03:00:32 ID:sUsn0jGi.net
学「…こ…公四朗く〜ん!ちょっと…」

突然学が俺の制服を引っ張り耳打ちする、…おい、衿を引っ張るなうどんがこぼれるだろう

学「お前も何いつの間にハーレム築いてんだよ、しかも相手が癒し系女神の柳さんとクラスのアイドル星川さんと…学園のマドンナで生徒会長の皐月先輩なんて難易度高すぎだろおまえコラやるじゃんGJだよおまえ」

皐月先輩に関してはほとんど星川さんのおかげだけど、勝手に勘違いさせておく事にする。しかしホント女の子の情報が豊富なヤツだ。

公四朗「とりあえず席に着くか…でも、座れるかなぁ…?」

皐月「あの…ごめんなさい…宜しければ、席を空けて頂いても宜しいかしら?」

女生徒A「え…?って…生徒会長!?」
女生徒C「さ…皐月さんがなんで学食に?いえいえどーぞ、それじゃああたし達はこれで〜
女生徒D「ちょちょっと待ってよ!あーんもー!七河君またね、それじゃっ!」

皐月先輩の一声で散り散りになる女生徒達、うーん、皐月先輩パワー恐るべし。


261 :うさぎさんの(ry:2010/09/30(木) 03:25:00 ID:sUsn0jGi.net
正志「助かった…」
学「助かった…じゃないわこいつは」
正志「だって、俺を見かけるやいなこっちの都合も関係なく質問責めなんだぞ?」
学「公四朗、今だけこいつ殴っていい?」
公四朗「まぁまぁ、とりあえず席も片付いたんだし、メシにしようぜ?」

正志「それもそうだな…しかし、皐月先輩と一緒とはびっくりだ、公四朗も案外やるんだな」
公四朗「実際俺だけじゃ無理だったさ、そこは星川さんのお陰だよ」
星川「?…私、何かしたっけ?」


皐月「自己紹介がまだでしたね。はじめまして、皐月優です。えっと…小林君だっけ?確かあなたは初めてじゃなったわよね?」
学「ぶぶぅ…!…そ…そーでしたっけ?僕、初めてだと思いますけど……」

何を動揺してるんだコイツは?

柳「私は〜、柳富美子です、主人くんのお友達です、よろしくお願いします☆」

正志「七河正志です。こちらこそ宜しくお願いします」
学「小林学です、勉強なら僕に任せて下さい!」

と2人で軽く自己紹介、そういえば正志と学は2人とさほど面識無かったんだよな。

262 :うさぎさんの(ry:2010/09/30(木) 03:28:41 ID:sUsn0jGi.net
「見ろよ、あのテーブル…」

「んん?…うわマジで?あいつら生徒会長と食事してるよ…羨ましいな〜」
「あー俺あの子知ってる!!確か生徒会役員の…えと、星川真希ちゃんだっけ?」
「それよりもあの丸い子…でっかいなぁ…どんくらいあんだろ?でへへへ…」
「アイツ七河だろ?やっぱイケメンは違うよなぁ…」
「いやーん、七河君と皐月さんって絵になってるわぁ〜、素敵っ☆」

テーブルの外からなんか言いたい放題言われてる気がする…

ちなみに席順は俺を中心に左に正志、右に学で、俺の向かいに星川さん、学の向かいに皐月先輩、正志の向かいに柳さんが座っている。まぁ、合コンチックな気がするのは確かだった(合コンなんてまだした事ないけど。

学「ななんか…こういうの気分いいね、はははっ」
正志「浮かれるなよ、みっともない」

公四朗「ああそうだ、はい学、注文のカレーうどんっと。」
学「あぁ…!な…何を言ってるのかなぁ公四朗くん、ぼ僕がカレーうどんなんてそ…そんな庶民的なものを頼むとでも??」
公四朗「はぁ…お前何言って…お前カレーうどんの食券買ってたじゃないか?」
学「そんな…僕は知りまっしぇえん!!」

柳「えー、カレーうどん美味しいよ?私大好きだもん。」
皐月「あら、私も好きよ?汁跳ねに気をつけないといけないのがポイントだけどね。」
学「先生!!カレーうどん最高っす!マジ最高っす!!!カレー界のインドラっす!!」

変わり身の早いヤツだった、しかも主旨がうどんからカレーになるぐらいの変わり身だった
もしかして皐月先輩と同じテーブルにいるから緊張してるのだろうか?

263 :うさぎ:2010/09/30(木) 23:20:00 ID:sUsn0jGi.net
学「しかし…柳さんよく食べるねぇー」
柳「いやぁー、ここのごはん美味しいからさー、主人くんのキツネうどんも美味しそうだよねー」

公四朗「うん、ダシの加減が調度良いんだ」
柳「あたしも後で買って来ようかな?」

柳さん、ラーメンにピラフ(大盛り)、を平らげてもまだ食べれるとは恐れ入る、しかもお盆をよく見るとデザートなのだろうか、ドーナツまで置いてあるから大したもんだった…。

皐月「柳さん…まだ食べれるのね。」
昼食のナポリタンを完食した皐月先輩が感心するように言う。

柳「あたし、美味しいものは何個でも食べられますよー☆」
学「僕、なんだか胸やけが…ちょっと麦茶でも取って来るよ。」



星川「七河君は普段お弁当だっけ?」
正志「いや、今日はたまたま姉さんが作ってくれただけさ、俺は基本的に学食のパンだし」
星川「学食の昼食も美味しそうだったね、私も今度つぐみと一緒に学食来てみようかなぁ?」

学「んじゃあ、その時は是非僕にも声かけて欲しいなぁー、なんてw」
星川「うんっ、みんなでご飯食べると美味しいから、今度話してみるよ☆」

学「よっしゃやりぃ!…ああそうだ正志ぃ、お前にお姉さんいたなんて聞いてなかったぞ?どーなってんだよ?」
正志「そりゃ言ってなかったからなぁ…んまぁ、夏休みに暇が出来たら姉さんとみんなで遊びに行くのも悪くないかもな。」
星川「あー、私も行きたいな。」
学「もちろん僕も連れてってくれるよな?海にしようか?山か?それとも遊園地かっ?」

皐月「…みんな、あまり遊ぶ事ばかりじゃなくて、勉強もしっかりね?」

264 :うさぎさんの(ry:2010/10/02(土) 04:36:55 ID:oviPpDTj.net

朝方の違和感も吹っ飛ぶ程に和気藹々とした昼食が進んでいた、が、5時限目に差し掛かる頃にはそれも解散となり、各々教室に戻っていった

「〜である事から…このx=y+の解は…」

満腹感から来る眠さに5時限目を戦いつつ、LHRも終わり、放課となった。

正志「さって…帰るか…ふああ。」
学「公四朗ー、お前も帰るよな?」
公四朗「あ〜、俺ちょっと図書室で調べ物あるから。先に帰っててくれー」
学「そっか…じゃあ正志、帰りにゲーセンでも寄ってかないか?」
正志「いや、遠慮するわ、あまりゲームに興味ないし。」
学「そう連れない事言うなよー、知恵を貸して欲しいんだって」
正志「お前がやるのってアレだろ?今流行りのクイズゲームだろ?俺なんかの知恵でなんとかなるのか?」
学「もう少しで金剛賢者なんだ、スポーツ系だけでいいから頼む。」
正志「しょうがないな…分かったよ」
学「さすが正志君!分かってくれるって信じてたぜ!」

どうやら二人の放課後の予定は決まったようだ、二人と解散の挨拶を済ませて俺は図書室へと向かった

265 :うさぎさんの(ry:2010/10/02(土) 04:51:56 ID:oviPpDTj.net
…図書室

語堂「あれ?主人じゃないの?どうしたのよこんな時間に」

図書室に入るやいな、星川さんの親友の語堂さんに声をかけられた。

公四朗「語堂さん、いや、ちょっと調べ物で…」
語堂「あら珍しい、あんたが放課後にわざわざ調べ物なんて、明日は雪かしら?」

性格なんだろう…彼女の言葉にはたまに刺が含まれる、少し調べ物をする意欲が落ちてしまった…
その変わりリアクション次第では癒される時もある、星川さんだけでなく俺にとっても良い友人だった

公四朗「酷い言い方だなぁ、俺だって調べ物ぐらいするさ。そう言う語堂さんはどうしたの?」
語堂「私はちょっと過去の文芸部の文集をね、もうすぐきらめき新聞社の文芸コンクールだし」
公四朗「文芸部の調べ物なんだ、真面目なんだねぇ」
語堂「ま、帰宅部のあんたにゃ関係ないけどね。それよか調べ物って何よ?」
公四朗「ああ、古文の宿題なんだけどさ、平安時代の文学資料なんてあったっけ?」

語堂「平安文学なら…ちょっと待ってて……えと…確かこの棚に…はい、これで良い?」

公四朗「ありがとう!助かるよ。」
語堂「べ…別にお礼なんて…、そこの資料、最近読んだから覚えてただけよ…」
公四朗「あとで缶コーヒーでも買ってくるね、ホントありがとう!」

266 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/10/02(土) 18:10:50 ID:oviPpDTj.net
語堂「いいって、別に奢らせるつもりでやったんじゃないんだし、気持ちだけ受け取っとく」
公四朗「そっか、うん、ありがとう。」

語堂「適当に片付いたら言って、あたし図書室の鍵預かってんのよ」
公四朗「うん、助かるよ」


そして俺はいそいそと文系の勉強に勤しむのであった…


―2時間後―

校庭から響いていた運動部の掛け声も落ち着き、夏の夕日が校舎を照らし始めた頃。

公四朗「ん〜…今日はこんなもんで良いかな…」

資料を片付けて、語堂さんの所へ帰りの方向をしようと席を立つ
語堂「あ、調べ物は済んだ?」
公四朗「うん、おかげ様でかなり進んだよ、ありがとう。」
語堂「いえいえ、それじゃあ鍵閉めちゃうね、忘れ物とかは大丈夫よね?」
公四朗「うん大丈夫、…語堂さん、良かったら一緒に帰らない?」

このまま一人で下校ってのもなんか味気無い、語堂を下校に誘ってみる事にする。

語堂「残念だけど、今日はこの後真希と約束があってね。」
公四朗「あらら、そっかごめん、星川さん待たせてないかな?」
語堂「これから生徒会室に向かってみる、また明日ね。」
公四朗「うん、また明日。」

少し寂しい感じもしたが約束なら仕方ない。靴を履きかえに玄関口へと移動するとしよう…

267 :うさぎさんのなく頃に:2010/10/02(土) 18:59:07 ID:oviPpDTj.net
――校内玄関前

ドダドダドダドダドダ……

女生徒「どいてどいてどいてーー!!!!」
公四朗「え?あっ…」
びゅんっ…

玄関口から出た頃、校庭からものすごいスピードで誰かが俺を追い抜き校門を出ていった、この声もかけさせる余裕もない速さ…今のは女子サッカー部の前田さんか?
公四朗「なんか…元気だなぁ…」

女生徒「ちょっと一稀〜!!いつきー!……んもー一稀のヤツったら…ホントそそっかしいんだから…(ブツブツ」

さっき走り去った女生徒の名前をぼやきながらもう一人女生徒が校庭から出て来た。特徴的な長い黒髪が風にそよいでよくなびいている。俺がこの学校で最もよく知る女生徒だった

…いや、こいつについてはよく知るも何もない、なんせウチの隣の家に住んで個人だけでなく家族ぐるみで付き合いがあり、更に小中高と同じ学校で過ごす程の俺のくされ縁……と言うとこいつは怒るか。
…俺の幼なじみの大倉都子だった

都子「あ、公四朗じゃないの?どうしたのよこんな時間まで?」
公四朗「ちょっと図書室で調べ物を…都子は…部活か。」
都子「うん、私サッカー部のマネージャーだからね。あぁそうそう、さっきここで一稀見なかった?」
公四朗「前田さんかどうかはわからないけど、校門を猛ダッシュで通っていく女生徒なら見たな」
都子「ありがとう、多分それ一稀だわ、…しょうがない、後でメール入れておくか…」

て事は、やっぱりさっきのは前田さんだったのか。

268 :うさぎさんのなく頃に:2010/10/02(土) 19:16:41 ID:oviPpDTj.net
公四朗「何かあったの?」
都子「私、一稀にサッカー関係の本借りたままでね、今日返そうと思ってたんだけど…あの子、すっかり忘れちゃってるみたい。まぁ、明日返せばいいか。」
公四朗「ん〜、前田さんらしいと言うか…なんというか…」
都子「まぁ、確かにあの子らしいっちゃらしいしね。公四朗も今帰り?」
公四朗「うん、都子もだろ?」
都子「うん…あ、もし良かったら一緒に帰らない?」
公四朗「俺と?いいけど、都子からなんて珍しいな」
都子「別にお隣り同士なんだしたまには良いじゃない、でも、ちょーっと寄り道してくけどね」
公四朗「…寄り道?」




―――駅前スーパーきらめき

都子「えっと、卵2パックと豚肉とキャベツと…あとは野菜ジュースと…」
公四朗「珍しく一緒に帰るかと思ったらこう言う事だったのか。納得したよ…」

少し前、俺は都子と一緒に帰る事にした、途中彼女の希望もあって駅前のアーケード街まで寄り道をする事になったのだが。

まさか都子の家の夕飯の買い物の荷物持ちをさせられるとは思わなかった。

都子「まーまー、私みたいな美少女と一緒に帰れるなんてなかなか無いんだし……なんてね、でも、どーせ私が誘ってなかったら一人寂しく帰ってたんでしょ?」
公四朗「うるせーやい」
都子「あまりスネないの、いいじゃない普段体力余ってんだから、たまには使いなさいよねー?」
公四朗「(ボソッ)自分だって余ってるクセに…」

都子「…え〜っと、あと2Lウーロン茶を6個ね…!!」(ドサドサドサッ!
公四朗「う…すみません…失礼しました。」
都子「分かればよろしい。」

…将来こいつの婿になる人はきっと大変になるだろう、俺が証人になってやる、うん。

269 :うさぎさんのなく頃に:2010/10/02(土) 19:46:29 ID:oviPpDTj.net
都子は手慣れた様子でメモに書かれた商品を俺のカゴに詰めて行く。
…きっと服装が制服姿でなかったら、普通の主婦に見えた事だろう

しかし、この歳の男女がスーパーに夕飯の買い出しとは…なんつーか……
……でもま、俺とこいつの間に何かがあるなんてまず無いだろう、うん。

都子「…?どうしたの?さっきから人の事ジロジロ見たりして」
視線を感じて都子が振り返る、いかん…別の事を考えてる間ずっと都子の事を見ていたらしい。

公四朗「いや………ああ、腹減ったな〜と思ってさ」

都子「まったく相変わらず食いしん坊なんだから〜、もうすぐご飯でしょ?」
公四朗「都子の家と俺の家じゃ夕飯の時間が違うんだよ…」
都子「ふふっ…まぁいいか、買い物が終わったら荷物持ちのお礼にちょっとだけ奢ってあげる。」
公四朗「マジで?お、なんだかやる気出て来た」
都子「一応言っておくけど軽くだかんねー?フードコートの安いヤツだからそこんとこ勘違いしないでよね?」
公四朗「わーってるって!早く済ましちゃおうぜー」
都子「まったく…ふふっ。」


『奢り』の一言でやる気アップ、カゴの中身の会計を済ませて都子は手際よく商品を持参の買い物袋に詰めて行く。

公四朗(俺も手伝うか…)

都子「ちょっと公四朗〜?軽いものは最後に入れなさいよー、あとお肉はきちんとビニール袋に入れてよねー?こんなんじゃ結婚した時苦労するわよー?」

…張り切りすぎたか、途中買った物の袋への入れ方で怒られてしまった。しかも基本的な事らしかった。

270 :うさぎさんのなく頃に:2010/10/02(土) 20:23:41 ID:oviPpDTj.net
―――店内フードコート

公四朗「しかし…えらく買い込んだな…普段からこんなに買うもんなのか?」
都子「いやぁ〜…てへへ…実は人手が増えたから…少し先の分の買い物もしちゃったり…」
公四朗「てめこのやろっ」
都子「ううぅ…痛い痛いー…」

かわいらしく舌を出して本音をぶっちゃける都子にとりあえずツッコミを入れておく。
…一応引き受けたとは言え、帰りにこの量持ってくのはなかなかの仕事だぞ…

都子「いいじゃないのー、その代わりこうして奢ってあげるんだからさー」

公四朗「まぁ、たまにはいいかな……しかしこの焼きそば、美味いな。」
都子「売れ残りだったけど、そんなに美味しいの?」
四朗「うん、それでもウチの学校の学食には負けるけどね」

都子「へー、公四朗も学食行くんだ?あそこって結構混んでるでしょうに。」
公四朗「まあ…ね。都子はウチの学食行った事ないの?」
都子「私はほら、お弁当があるから…」
公四朗「ああ、そういえばそっか。」

271 :うさぎさんのなく頃に:2010/10/02(土) 20:47:19 ID:oviPpDTj.net
都子「…あのさ、もしかして今日学食行ってた?」
公四朗「うん、あ、もしかしてなんかあった?」
都子「いや、大丈夫、…それで?まさか学食に一人で行ってきたの?」
公四朗「いや、正志と学と、あと星川さんもいたなぁ」
都子「へー、結構いたんだ?」
公四朗「ああ、それがさ、聞いてくれよ、3年の皐月先輩っているだろ?生徒会長のさ」
都子「うん。」
公四朗「あの人も来たんだよ、学食に」
都子「ええーホントに?あの人学食ってイメージないけど、行くんだ?」

公四朗「うん、他にもさ…」

都子とこんなに話をしたのは久々だった。
それから、柳さんと皐月先輩を含めた6人で食事をした事。

それで正志の周りには女生徒が多数いて、学がそれを羨ましがって見ていた事
皐月先輩の存在感で学食が気持ち静かだった事

多分、都子と学校で何があったかどーかなんて事で話し合ったなんて入学以来だろうか。それくらいぶりだった。

俺の話を聞いてはこくこく頷く都子、彼女も俺の話を聞いては楽しそうだった。

272 :うさぎさんのなく頃に:2010/10/02(土) 21:27:39 ID:oviPpDTj.net
公四朗「でさ、よかったら今度都子も学食行かないか?あそこのうどん美味しいんだ」
都子「えっと…?それって…一緒に」
公四朗「正志や学や前田さんも誘ってさ、みんなで食べるときっと美味しいよ。」
都子「…あ……そっ…そうだよね…あははっ、うん、機会があったら私も言ってみる。うん。」

都子「あの…そろそろ行かない?」
時計を見て都子が移動を促す
俺も時計を見ると、夕方のニュースも明日の天気予報を流しててもおかしくない時間だった…

公四朗「ごめん、ゆっくりしすぎたかも…」
都子「いやいや…いいっていいって、私も…公四朗と一緒で楽しかったしさ」
公四朗「そう言ってくれると嬉しいよ、ごちそうさま。行こうか?」
都子「…うん、そうだね。」

都子(……鈍感。)


―――帰り道
夕日も落ちかけ、街灯もちらほら灯る頃
俺は都子の買い物袋をしっかり持って家路を歩いていた。

公四朗「都子ー?みやこー?」
都子「へ?あっ…」
公四朗「家はこっちだろ?そっちは河川敷方面だよ?」
都子「ごめんなさい。少しぼーっとしてた…」
公四朗「おいおい夏風邪かよ?」
都子「そんなんじゃないよ、ちょっと…今日の授業の事思い出してただけだから。」

公四朗「そう?でもなーんか元気なさそうなんだよな」

都子「…」

273 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/10/03(日) 13:26:42 ID:HzIT6iaz.net
>>243-251

『アフェットゥオーソ』 よかった〜
りずみん、すごく可愛いかったです。
髪をなでるところとか
読んでて、すごくドキドキしちゃいました。
ありがとう♪


274 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/10/03(日) 18:32:44 ID:4NMMHUAa.net
◎ 同人誌の小説 30冊目 ◎
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/2chbook/1280722789/

【読み手】同人小説を語る【書き手】
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/doujin/1252937999/

275 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/10/05(火) 01:11:23 ID:K4fTNr/a.net
>>273
感想ありがとうございます。これはかなり難産でしたww


さて今度は真希ちゃんのSSを。


   『元気の代償』


 星川さん遅いな……
 いつも先に待ってることが多い星川さんが遅刻するなんて珍しい。携帯を開いて時刻を確認すると約束の時間から三十分が立っていた。
 待ち合わせ場所間違えてないよな……いや、確かに中央公園でデートしようって約束したはずだ。
 最近ではあの嘘みたいな猛暑はどこにいったのか、すっかり寒くなってきている。身体が冷えるので、何もしないで待つのは意外に堪える。さっきから何度かベンチから立ち上がってはあたりを軽く回って戻ってくる。
 そんなことを何度か繰り返していると、遠くから俺を呼ぶ声が聞こえた。
「ごめーん。遅くなっちゃった」
 星川さんが公園の入口で手を振ってるのがみえた。そのまま駆け足で走って来ると肩で息をする。
「ごめんね、準備に手間取っちゃって……」
 星川さんは申し訳なそうに何度も謝る。そんなに謝られたら何だかこっちが申し訳なくなってしまう。
「はは、気にしないで星川さん。こうやって待つのも嫌いじゃないから」
「キミって……ほんとに優しいね。えへへ」
 やっと星川さんが笑顔になってくれた。
「あれ、なんだか星川さん顔赤くない?」
 もちろん少し走ったのもあるだろう。まだ少し肩で息もしている。でも、それ以上に彼女の顔は真っ赤に見えた。
「そう? きっと少し走ったからだよー」
 そうは言っても、少し気になる。
「ちょっとごめんね」
 星川さんのおでこに手をあててみる。
「わっ……」
 ちょっと、いや、ちょっとどころじゃなく熱い。


276 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/10/05(火) 01:12:26 ID:K4fTNr/a.net
「星川さん、無理してない?」
「そんなことないよ。ほらこんなに元気だし」
 そう言って笑顔を見せようとするが、どこかぎこちないものに見えた。
「そんなことよりさ、早く行こうよ」
 星川さんは俺の手を握ると、引っ張ろうとうする。
「ま、待って星川さん。今日はもう中止にしたほうがいいんじゃない?」
 星川さんの手を軽く引っ張り返すと、そのまま俺の胸に飛び込んできた。
「ほ、星川さん?」
 彼女は俺にもたれるようにしたまま動かない。ちょっと様子が変だ。
「星川さん?」
 声をかけても返事がない。
「星川さん、大丈夫?」
「んっ……あっ……」
 肩をゆするとやっと星川さんは反応した。
「ごめん、なんだか急に眩暈がしちゃって……」
 星川さんは凄く苦しそうだ。ちょっともうデートどころじゃないだろ。
「ちょっとごめんね星川さん」
 半ば強引に背負っておんぶをする。
「きゃっ……」
「家まで送るから」
「えっ、デートは?」
「ダメに決まってるでしょ。こんなに熱が出てるのに。もう、無理しすぎだよ星川さん」
「そっか……ごめんね、キミに迷惑ばっかりかけちゃって」
 声もいつもの彼女らしくない、弱々しいものだった。
「俺は迷惑だなんて思ってないよ。気持ちは凄く嬉しいしね。でも体調が悪い時は無理しないでね。心配だからさ」
「うん……キミってほんとに優しいんだね」
 優しいか……それはきっと星川さん相手だからだよ。出そうになった言葉を飲み込む。
「きつくない? 大丈夫?」
 返事は返ってこない。かわりに後ろから星川さんの寝息が聴こえてきた。寝ちゃったか……よっぽどきつかったんだろうに、それほど今日を楽しみにしてたのかな。そう考えると悪い気はしない。
 幸い星川さんの家まではここから十分程度。おぶったままでも大丈夫だろう。むしろ、こんな時なのに星川さんと密着していることにどきどきしてしまう。特に背中にあたる胸の感触が……心の中で星川さんにゴメンネと呟いて、路を急ぐ。
 もう間もなくもすると星川さんの家が見えてきた。チャイムを押すが誰も出てこない。


277 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/10/05(火) 01:13:07 ID:K4fTNr/a.net
「んっとね……今日はお父さんもお母さんも出かけてるの。だから鍵はここに……」
 いつの間にか星川さんは起きていたらしい。俺にハンドバッグを渡そうとするので受け取り、一言断ってから中を覗く。
 可愛いキーチェーンがついた鍵を取り出し、ドアを開ける。誰もいないのはわかってるけど、お邪魔しますと呟いて中に入る。
 星川さんの部屋がわからないから、勝手に移動するわけにもいかない。
「わたしの部屋は二階に上がって……すぐだよ」
 階段を慎重に上がるとすぐにドアがあった。ネームプレートには『真希』とかわいい文字で書いてある。ここが星川さんの部屋。星川さんに確認を取り、ドアノブに手をかける。
 綺麗にまとまった部屋。ベッドの上には服が何着か置いてあった。今日着てくる服を選んでたのかもしれない。星川さんをベッドに寝かせて、服をひとまずソファーの上に避難させる。
 改めて星川さんをみると、汗が酷い。服もぐっしょりと汗を吸い込んでいる。このままじゃ余計に悪化しそうだしまずは着替させないと。
「星川さん着替えどこ?」
「タンスの……下……」
 急いでタンスを開くと、そこにはカラフルな可愛い下着が……わっわっ、間違えた、慌てて閉めて別の段を開いてみる。
 これはパジャマかな? 取り出して星川さんに渡す。
「着替えられる?」
「うん……大丈夫」
「それじゃ着替えるまで部屋を出るから」
 そう言って部屋を出ようとするところを星川さんに呼び止められた。
「待って……心細いから、部屋にいてほしい……」
 星川さんは俺の服の袖を引っ張りいやいやをする。
「えっと……じゃあ後ろむいてるから着替え終わったら呼んでくれる?」
「うん、ありがとう」
 後ろからは衣擦れの音、そして少し苦しそうな星川さの喘ぎ声が聞こえてくる。こんな時に不埒な妄想が浮かぶものだから、頭を何度か振ってみせる。
「もう……大丈夫だよ」
 そんな葛藤をしているのをよそに、星川さんはすっかりパジャマに着替えていた。
「さあもう寝ないと」
 ベッドに腰掛けて、諭すように星川さんの頭を撫でる。
「うん……今日は色々ありがとう。あのね……わたしが寝るまで、側にいてほしいな……」
 俺は答えるかわりに微笑んでうなづいてみせた。そのまま星川さんの手を握ってみせる。


278 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/10/05(火) 01:15:14 ID:K4fTNr/a.net
内容:
「ありがと……」
 安心したのか星川さんは眼を瞑る。寸刻もしなうちに彼女の寝息が聴こえてきた。
 さて、俺も今のうちにできることをやっておこうかな――


 あれ……わたしいつの間にか眠ってたんだ。確か彼におぶってもらって家まで帰ってきて……駄目だそこから先は思い出せない。
 そこまで考えて、手が握られてることに気づいた。手の平が暖かい。少し身体を起こしてみると、彼がわたしの手を握ったままベッドにもたれかかっている。
「……クン」
 少し呼んでも反応しないところを見るとすっかり寝てしまってるのだろう。机の上の時計に目をやると時刻は十六時を過ぎていた。確かデートの待ち合わせた十二時。
 遅刻して、すぐに中止になって……だから多分十三時位には家に帰ってきたはずだ。じゃあずっと側にいてくれたの?
 テーブルには洗面器とタオルが置いてある。きっと彼が用意してくらのだろう。わたしが眠ってる間にずっと看病しててくれてたんだ……
カレはわたしの手を握ったまま――握るというよりは今は重ねているだけといった感じだが――もたれるように眠っていた。
 可愛い寝顔……カレの寝顔は見るのは初めてだった。重なった手を少しだけ握り返してみると、体温が伝わってきて凄く落ち着ける気がした。
「ん……うーん……あっ、星川さんおはよう」
 手を握ったせいか、カレを起こしてしまった。眠たそうに目元をこすっている。
「ごめんね、起こしちゃったね」
「ううん、俺の方こそ看病の途中で寝ちゃってた。星川さん気分は?」
 言われて気づいた。まだ全快とまではいかないけど、大分楽になっている。
「うん、凄く楽になってる。キミのおかげだよ。ほんとにありがとう」
「そっかよかった。ちょっと熱を計らないと」
 そう言ってカレは身を乗り出すと、わたしのおでこにカレのおでこをあわせようとする。
「えっ? えっ? わわわ……」
 咄嗟のことなので思わず後ろに下がろうとしてしまった。
「熱計るだけだよ、ちょっとごめんね」
 カレはわたしの頭の後ろに両腕をまわして逃げられないようにする。そのままおでこを合わせるカレ。
 うわっ……カレの顔が凄く……近い……思わず恥ずかしくて眼をつぶってしまった。おでこからカレの体温が直に伝わってくる感じがする。

279 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/10/05(火) 01:16:31 ID:K4fTNr/a.net
「んっ……大分熱下がったみたいだね。よかった」
 気配でカレが離れるのがわかる。カレは眩しいくらいの笑顔でわたしを見つめていた。
「あれ、なんだか顔が赤いよ? さっきより赤くなってる気がする」
 またおでこを合わせようとするから、しどろもどろになりながら手で制する。
「だ、大丈夫だから。これはえっと……関係ないから」
 我ながら言い訳になってないと思う。
「やっぱり昼間のこともあるし心配だよ」
 カレも納得してくれないみたいだ。
「もう一回計るね」
 今度は逃げられないように両肩をしっかりと握られてしまった。
 近づくカレの顔。今度は身動きもできず瞬き一つできない。やがて触れるおでこ。わたしはカレの、まだ少しあどけなさの残る顔から眼を逸らせずにいた。後少し角度を変えたらカレの唇が……
「真希ちゃん? 何だかぼーっとしてるけど、まだ気分悪い?」
「えっ……わっ……ううん、そうじゃなくて……」
 そんな白昼夢にいたわたしをカレの言葉が呼び戻す。
 カレは何だか心配そうに覗き込んでくる。
「あのね、気分はキミのおかげで凄くよくなったの。でも今顔が赤いのも……キミのせいなんだよ」
 カレは不思議そうな顔をしている。ほんとに鈍感なんだから。そんなカレが面白くてわたしは少し笑ってしまえるくらいには回復していた。
「でも少し元気になったみたいでよかったよ。そうだ、ちょっと待ってて」
「どこ行くの?」
 カレがいなくなることに凄く不安を感じてしまう。
「すぐに戻ってくるよ。安心して」
 カレはわたしの頭を軽くくしゃっと撫でると部屋から出て行った。

 言葉通りにカレはすぐ帰ってきた。お皿を片手に持って。
「はい。あんまりうまく切れなかったけど」
 カレは恥ずかしそうに頭をかく仕草をする。お皿の上にはお世辞にも綺麗とは言えない形のリンゴが鎮座していた。
「はい、あーん」
 口元に差し出されたリンゴ。少しお腹が減ってきたのか凄く美味しそうにみえた。
「うん。ありがとう」
 差し出されたリンゴに口を伸ばす。少し恥ずかしかったけどカレの心遣いが素直に嬉しかった。


280 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/10/05(火) 01:18:03 ID:K4fTNr/a.net
「おいしい。ふふ、見た目は悪いのに」
「あっ、酷いな」
 そうは言うがカレも顔は笑っている。
「そうだな、きっと愛情がこもってるからかな?」
 思わずむせそうになってしまった。もう……キミはいつだって不意打ちなんだから。
「でもよかった。かなりよくなったみたいで」
「うん。キミの愛情のこもった看病のおかげかな。なーんてね」
 今度はカレがむせる番だった。
「えへへ。お返しだよ」

 それから二時間ほどして両親が帰ってきた。カレはそろそろ行くねと帰る準備をしている。
「ごめんね、今日はわたしのせいで。看病なんかさせちゃって」
 今日のデートを台無しにしてしまったことが申し訳なくて頭を下げる。
「気にして無いよ。そんな顔しないで。それに大事な人の看病をするは嫌じゃないしね」
 もう……キミはずるいな……そんなことさらっと言うんだから。
 でもねこのままじゃやっぱり申し訳なくて。だからお礼のかわりに、カレのほっぺたに……
 やっとキミの赤くなった顔見れたね。
 いつか……キミの唇もわたしがもらっていいのかな?



後書き
オンブイベントみて、脳内補完したもの。
初めて視点変えてみたけど効果があったのか微妙だなとw

281 :うさぎさんのなく頃に:2010/10/05(火) 20:18:31 ID:cEY3PxNp.net

女性「あれあれ?都子ちゃんじゃないの?それに公四朗くんも。」
すっかり日の落ちた道を歩いていた所。聞き慣れた声に呼び止められた。

都子「あれ、近所のおばさん、こんばんは。」
公四朗「こんばんはー」
俺らの近所に住んでるおばさんだった。噂とお節介な世間話好きでこの近所では有名な人だ。

女性「どーもこんばんは。あら、今帰りかしら?」
都子「はい、おばさんはどうされたんですか?」

女性「いえちょっと買い忘れがあってねぇ…ダンナに行かせてもちっとも動かないから仕方なくねぇ…」
女性「でも…そちらは仲良しさんなのねぇ、ダンナが夕飯の荷物まで持ってくれるなんて…まったくウチのも見習ってもらいたいもんよ。」

最後のダンナ…とは、俺の事なんだろうか?やはり。

公四朗「いや…俺と都子はそんな…」
都子「そんな…そうですよ!たまたま荷物を持ってもらっただけで、別になんでもないですし…!」
女性「な〜に言ってんの!都子ちゃんたら小学校の頃はよく公四朗ちゃんのお嫁s」
都子「…おばさんっっ!!!」


……………。


場が凍る程の大きな声。
おばさんが言い終わるよりも、それ以上を続けさせぬよう、都子の声が強引に話を途切らせた……

282 :うさぎさんのなく頃に:2010/10/05(火) 20:29:21 ID:cEY3PxNp.net
都子「あの…私と公四朗は別に何でもないですし、ただの幼なじみなだけです。それに、きっと私とそう思われるって事、公四朗も迷惑だろうから…すみません、失礼します。」
女性「…あ…あらやだ…!ごめんなさいねぇおばさんまーたやっちゃったみたいで…」それじゃ、またね!」

公四朗「…失礼します。おい、都子ー!」

おばさんに一礼し、無言で立ち去る都子、俺も軽く挨拶を済ませて後を追う。



…それから互いに家までは無言だった。

公四朗「都子…」
都子「…ごめんね、ありがとう。ここまでで良いよ…助かった。」
家の前で荷物を都子に渡す、

公四朗「都子。」
都子「なに…?」
公四朗「さっきの話だけど…あまり気にするなって、あのオバサン、いつもああなんだしさ?」

都子「うん…公四朗は優しいね…でも、優しすぎる…っ!」
公四朗「都子…?」
都子「…ううん、なんでもない。おやすみ、また…学校でね…」

公四朗「あ…おい…都子!」

バタン。


「あいつ…泣いてた?」

街灯に微かに照らされた都子の顔、その目には薄く涙で滲んでいた…気がした。
その顔が何故か頭に焼き付いて…いつまでも離れなかった。

283 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/10/06(水) 00:06:53 ID:cEY3PxNp.net
―――日記帳

偶然だった
校門でたまたま彼に会って…その日たまたま買い物の予定があって…

…買い物をしてる時は新婚みたいで楽しかった。私は今夜の夕飯の献立を考え、彼が買ったものを袋に詰めて持ってくれる。
…考えただけで踊り出したくなる未来だ。

でも、悲しくもあった。
彼の均等な優しさが、それを受け入れられない自分の弱さが、彼が他の女生徒と仲良しでいると言う事実が。

…分かっている、こんな一方的な嫉妬心、抱く方がどうかしてる。
そもそもこんな気持ちになるぐらいなら最初から彼に女生徒の連絡先など教えなければ良かった。
だから、今日のこの痛さも、全ては自業自得なんだ。

あの時…彼がおばさんの冗談だと分かっていても、違う反応をしたらどうだったろう。
…だめだ、こんな事思ったって…
そう頭では分かっている、分かっている…けど。



「ふぅ…」

文のまとまらない日記を書き終え、私はベッドに横になる

やはり彼にとって私はただの幼なじみなのだろうか…
明日、私はいつものように笑って彼の前に立てるだろうか…

答えのない疑問が頭の中でループする。
今日は寝苦しい夜になりそうだ…

284 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/10/10(日) 08:00:11 ID:74m60lym.net

……悪夢を見た

「はぁ…はぁ…っ!」
俺は何者かに追われ、ソイツはただ無言で俺の後をつきまとう。
行き止まりになり、ソイツと対峙する

「お前は…一体…っ」
ソイツはどこか見覚えのあるうさぎのぬいぐるみを被っていた。

うさぎ「セニョール、とぼけた事ヌカしてんじゃねーよ、メーーン!!!!!」

わけのわからない事を叫びながらソイツが鉄パイプを取り出す、どうやら俺とヤる気らしい

夢とは言えわけのわからない事でやられてたまるか。
だが、喧嘩もロクにした事の無い人間が凶人(凶兎?)相手に手も足も出るわけがなく、数分後には、ヤツは俺の上に馬乗りになっていた
そして、ヤツがトドメを刺すとき、ノイズの混じったような声でこう叫んだ

―セニョール…コレハケイコクダヨ…グググ…グアッハッハッハッハッ…!!!!ハアアアァァ!!!!!!―

何が警告だ…意味が分からない……こんな一方的な警告があるものか…

285 :うさぎさんのなく頃に:2010/10/10(日) 21:47:01 ID:74m60lym.net
――うわああああああっっっ!!!!

大絶叫を上げてベッドから落ちる。
嫌な寝汗で服はびしょびしょだ、シャワーでも浴びよう。

―これはケイコクだよ…

夢で見たアイツの言葉が蘇る。
公四朗「…気にする事もないか」

首を振り、シャワールームへ向かう

………

頭を拭いて時間を確かめる…まだ登校時間には余裕があった
が、このまま部屋にいても気が滅入るだけだと思い、登校の準備をして学校へ向かう。

家を出てふと隣の都子の家を見る。
都子のやつ、もう学校に向かったのだろうか…?そんな事を考えながら、通学路を歩いていた。

286 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/10/12(火) 22:47:01 ID:YxXjTh/0.net
―――きらめき高校

声「先生おはよーっす!!」
生徒の一人が挨拶をする…が、ここで言う『先生』とは教師の事ではなく、俺のあだ名の事だそして俺の事をそのあだ名で呼ぶ生徒には一人しかいなかった

公四朗「やあ瑠依ちゃん、おはよう。」
俺の友達、七河正志の双子の姉の七河瑠依ちゃんだった
正志に劣らない美顔…ではあるが、正志とは真逆の明るい女の子だ

瑠依「しーっ!ダメっすよ〜。ここでは正志!」
公四朗「大丈夫だって、現に今生徒ほとんどいないしさ、それよか珍しいね?瑠依ちゃんがこんなに朝早くから登校なんて」
瑠依「いやー、ネトゲの狩りが終わってたら朝日がね〜、だからもう徹夜明けっすよ、あははははw」

確かに、彼女の軽く充血してる目の下にはクマがあった

瑠依「まぁ、授業中に寝るからいいんですけどねぇ、…だからノート貸してくれるとうれしいな〜、なんてw」
公四朗「まぁ、俺がノート取ってたらね、俺も少し眠いし…」
瑠依「そーいえばキミも早起きだよね?もしかして徹夜明け?」

夢の内容を話すべきか話すまいか…一瞬考えたが、このまま引きずっても仕方がない。
話す事で気分が変わるのなら、話した方が良いかと思い、俺は昨夜見た夢の内容を話す事にした…

公四朗「実はさ…」

287 :うさぎさんのなく頃に:2010/10/12(火) 23:14:57 ID:YxXjTh/0.net
――――

瑠依「…それ、新作のサウンドノベルゲームのネタ?」
公四朗「はい?」
瑠依「いやいや、ごめんごめん。」
公四朗「いや、こっちこそごめん、なんて答えたら良いのか分からないよね?」

瑠依「ん〜…まぁ、あでも、物を長く愛用する内に持ち主の強い想いが物に宿り、自我を持つっていうネタはわりかし色んなアニメやゲームに使われるよね?」

公四朗「…まあ確かに、そんなネタの漫画を見た事があるよーな…」
瑠依「ん〜、公四朗くんさ、そのウサギのぬいぐるみの持ち主に心当たりってない?」

確かにずっと引っ掛かっていた、あのぬいぐるみ…俺は確かに見覚えがある。
見ているハズなのに思い出せない、もどかしさが胸を締め付ける感覚がした

瑠依「私のヲタ知識をフル活用した見解をすると…そのぬいぐるみの持ち主が、公四朗くんを酷く憎んでいるか〜」

探偵のように指を顎に当て、さらりと恐い事を言う。
瑠依「あるいは、公四朗くんを守ろうとしているかのどっちかと。…あ、けど私だって恐い夢を見る時あるし、あまり過敏に考える必要ないと思いますよ?」

…守る、か
警告とは、そもそもより恐ろしい事態を回避させる為に、あえて恐怖感によってそれを訴える行為だ。ただ、理屈は分かっても俺が誰かに何かをしてしまったのか、あるいは誰かが俺に何かをする事を意味するのかまでは分からなかった
が、心のもやが少し晴れた感じは、確かにした

公四朗「瑠依ちゃんありがとう、少し気が楽になったかも。」
瑠依「そ?ならよかった、あ、私調べ物があるからまたね〜。」
言って図書室へ向かう瑠依ちゃんに手を振り、俺は教室へ向かう事にした

288 :うさぎさんのなく頃に:2010/10/19(火) 21:58:59 ID:3vi807Bs.net
―――教室前廊下

星川「公四朗くん、おはよー!!」
公四朗「やあ星川さん、おはよう…って、どうしたのその荷物?」
星川「いやあ、生徒会の資料でちょっとね、あはは…っ!?」

ビュウウウ!

と、換気の為に全開だった廊下の窓から突風が吹き、星川さんの腕にあった20〜30枚程度の資料プリントが廊下に撒き散らされる。

パサササササ…

星川「ああ〜!ま…待ってええーー!!」
星川さんが風に煽られたプリントを追い掛けた、成り行きの一部始終を見た俺としもこの流れは手伝うのが当然だった。


―――数分後

公四朗「…ふう、これで全部かな?」
星川「えと…ひぃふぅみ……うん、全部あるね。あの…ありがとう、ごめんね?私のドジのせいで…」
公四朗「ううん、大丈夫大丈夫、それよかこれ、生徒会室に持って行くんだろ?よかったら手伝うよ。」
星川「ありがとうー。うふふ、優しいんだね、公四朗くんは。」

優しい…か…、星川さんのその言葉で、昨日都子にも同じ事を言われたのを思い出していた。

289 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/11/02(火) 20:42:50 ID:FXzPTvPE.net
>>288

続きマダー?

290 :SS初挑戦:2010/11/03(水) 01:47:50 ID:MQ10yK56.net

「こんなに暗くなっちゃもう無理だよ。それに寒いし・・・。明るくなってからもう一回探そう」
10分おきに言うたびに都子から返ってくる返事は同じだった。
「絶対に見つかるもん・・・見つかるまで探す・・・」
自分に言い聞かせるようにブツブツとつぶやきながら都子は虚ろな表情で芝生の上を這いずり回っている。

そのたびに気圧されてきたものの、付き合うのももう限界だった。 時刻はとっくに7時を回り、河川敷公園へ乗り入れる
車両用ゲートも閉鎖された。もちろん陽はとっくに落ち、頼りになるのは堤防の外にあるマンションの灯りと、
川を渡る高速道路のオレンジ色のライトだけだ。こんな状態ではタダでさえ小さいボタンなど見つかるわけがない。

それでも都子は放っておけば夜通しここでボタン探すと言い出しかねなかった。 こんな状態では置いていくわけにも
いかない。 親に知られるのは嫌だったが、時間も時間だし連絡を取らないと大騒ぎになりかねない。
塾に通っているのなら9時10時の帰宅は当たり前だろうが、二人とも塾には通っていないのだ。部活動で遅くなる時には
連絡しているし、連絡もないのにこんなに遅く帰宅するのは自分はもちろん都子もあるはずなかった。
携帯電話を取り出して電源を入れ、ディスプレイが光った時に思わず舌打ちした。これが懐中電灯代わりになるのに
自分も都子もそんなことにすら気付かなかったのだ。
 
自宅の番号を呼び出そうとしていると、無遠慮に懐中電灯の光を向けらからだ。

「おい、そこで何をしている」

声の主は警察官だった。最近の警官は防犯登録の番号を聞く時にでも穏やかな声かけをするものだが、
こちらを怪しんでいるのか口調は高圧的だった。 

「いやあ、ちょっと落し物をしまして・・・」 

「ん、財布か?家の鍵か何かか?」

「いえ、大したものではないんですが、なにぶん思い入れのあるものだったもので・・・」

「それなら仕方ないが君等は高校生だろう。 今何時だと思っとるんだ。探しものなら明るくなってからにしなさい。
女の子もいるんだからさっさと帰りなさい」

291 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/11/03(水) 01:55:52 ID:MQ10yK56.net
問答無用と言わんばかりの態度だったが、今はそれもありがたかった。 この警察官にボタン云々を言ったところで
撥ね付けられるだけの事になるのは間違いのないところだし、それは都子にしても判っているようだった。 
都子はうつむいて不貞腐れたような表情のまま一言も発しなかった。

「な。都子、お巡りさんも言ってるし今日のところは帰ろう、な」

「…………わかった」

「お前も男なら彼女をちゃんと家まで送っていくんだぞ」 
高圧的な上に、一人合点しておせっかいを焼くタイプなようだ。

「どうも、ご心配おかけしました」
軽く会釈して河川敷公園を後にしたが、都子は恨みがましい表情のまま何度か自転車を引いた警察官のほうを
振り返っていた。 こいつさえいなければ探すのを邪魔されなかったのにと言わんばかりで。

案の定というか、河川敷公園近くの商店街に入ったところで都子は立ち止まってチラチラと後ろを振り返りだした。
あの警官はもういないだろうからまた舞い戻って探すと言い出しかねない雰囲気だった。 もう引っ張ってでも連れて帰るしかないな。

「ほら、何やってんだよ都子、帰るぞ」
手首を掴んだつもりだったが、都子が後ずさったので手元が狂い、手を繋ぐ形になった。

都子は手を振りほどこうとしたが、その力は弱々しいものだった。
本気でないのか、本当に力が出ないのか。 まあ、こっちは高校に入ってからとはいえ全国大会に出るような強豪高の
部活で滅茶苦茶しごかれているのだ、簡単には振りほどけないだろう。
都子と仲のいい女子サッカー部の色黒のちっさいの・・・前田と言ったっけ。男子顔負けのあれが相手だとちょっと判らないが。

「あ…嫌…手……離して…」
ちょっと強く握りすぎたかな。 少し力を抜いたが、今度は都子のほうが強く握ってきた。
「…ううん…離しちゃ………ダメ…」

俯きながら言った闇子の頬は何故か真っ赤だった。別に赤くなることないと思うがどうしたんだろう。
それにしても都子と手を繋いで歩くなんて何年ぶりなのかな。 

292 :縁日にて:2010/11/14(日) 05:25:33 ID:i+q5GObG.net

主 「え?片桐さん来れないの?」
藤崎「ええ、ちょっと都合が合わなかったみたい」
好雄「あちゃぁ、ダブルデートのつもりだったんだがな」
主 「しょうがないさ。三人で楽しもうぜ」
藤崎「ふふ、そうね」
主 「そういえば詩織、浴衣できたんだね。似合ってるよ」
藤崎「えっ、ありがとう。久しぶりに着たからちょっと恥ずかしかったんだけど・・」
好雄「・・なんだか早くもお邪魔虫じゃないか俺?」
主 「はは、そんなことないって」
藤崎「そ、そうよ。好雄君も浴衣、素敵よ」
好雄「おっ、さんきゅ!やっぱ縁日といったら浴衣だよな」
主 「おいおい、早速仕返しか?俺も着てくればよかったよ」
藤崎「うふふ。ね、出店を見て回りましょうよ」
好雄「おう、行こうぜ!」
・・・・・・
主 「おい好雄、張り切りすぎだろ」
好雄「おまえ馬鹿だなぁ、せっかくの祭りなんだから張り切らないでどうすんだよ」
藤崎「そうね。今日ぐらい、私も思い切って遊んじゃおうかな」
好雄「さっすが藤崎さん。うっしゃ、そうとなりゃどんどんいこうぜ!お!よし今度はあいつだ!」
主 「ん?あ〜、射的か」
好雄「好雄様の腕前見せてやるぜ!」
藤崎「私もやってみようかな」



293 :縁日にて:2010/11/14(日) 05:27:04 ID:i+q5GObG.net
・・・
スコンッ
テキ屋「あちゃ〜、残念!」
藤崎 「難しいのねぇ・・」
テキ屋「おねぇちゃん、あいつが欲しかったのかい?」
藤崎 「え?ええ」
主  「(これは・・お譲ちゃん可愛いからサービスってやつか?)
テキ屋「うん、あいつだとよ」
主  「え?」
テキ屋「なんだなんだ兄ちゃんら、とってやるんじゃねえのかい?」
主  「(そ、そうきたか・・)」
好雄 「うし!そうとなりゃ俺がとってやるぜ!おっちゃん一回ね!」
テキ屋「よぅしそうこなきゃ。がんばんなよ」
好雄 「んー・・うりゃ」
バスッ!
藤崎 「わ、好雄君すごい!」
好雄 「へへっ、どんなもんだい!」
テキ屋「こりゃまいったな。はいよお姉ちゃん、よかったな」
藤崎 「え・・いいの好雄君?」
好雄 「ん?おう、そりゃ藤崎さんのためにとったんだからな!」
藤崎 「そんな・・ありがとう好雄君」
主  「なんか悔しいな。おじさん、俺も一回」
テキ屋「はっは。はいよ。おねぇちゃんこんどはどいつが欲しいんだい?」
藤崎 「え、ええっ?///」






294 :縁日にて:2010/11/14(日) 05:52:21 ID:i+q5GObG.net
・・・
藤崎 「すごいのね好雄君」
好雄 「どんなもんだいってか!よし、今度はあの大物を・・」
パスッ
好雄 「あ、ありゃあ?おっちゃん、今当たったよな?」
テキ屋「あ〜、ダメダメ。当たったって落とさなきゃ」
好雄 「ちぇっ。まぁいいや、もういっか・・」
バスッ
好雄 「ぬあ!」
テキ屋「おっ、やるねぇ姉ちゃん。はいよ」
???「へっへ〜ん、ありがと」
好雄 「ねぇちゃんって・・ああ!」
???「ん?な〜んだ、冴えない男がいると思ったら」
主  「朝日奈さん」
朝日奈「あれ?・・あんたいくら自分がモテないからって、とうとう人の邪魔するようになったわけ?」
好雄 「んなっ!ば、馬鹿言え!俺たちゃ三人で仲良く遊んでんの!」
朝日奈「ふ〜ん、別にいいけど」
藤崎 「朝日奈さんは誰ときたの?」
朝日奈「それがさぁ、今日一緒にくるはずだった子にドタキャンされちゃって〜、しょうがないから一人ってわけ」
好雄 「な〜んだ、偉そうなこといいやがって。お、なんなら一緒に回ってやろうか?」
朝日奈「なっ、なによその言い方最っ低!」
主  「まあまあ・・。せっかくなんだから一緒に行こうよ」
藤崎 「ええ。よかったら一緒にいきましょう?」
朝日奈「まぁ、別にいいけど」
好雄 「相変わらずかわいくねぇ言い方しやがるぜ」
朝日奈「は?なんかいった?」
好雄 「なんでもねぇよ!」

295 :縁日にて:2010/11/14(日) 06:35:03 ID:i+q5GObG.net
藤崎 「相変わらず仲がいいのね」
朝日奈「全然そんなことないって」
好雄 「ああほんと、うるさくってかなわねぇや」
朝日奈「なんですって!」
藤崎 「うふふ」
主  「お、金魚すくいやらないか?」
好雄 「よしやろうぜ。好雄様の腕前・・」
主  「お前そればっかだな」
・・・
藤崎 「あ、やったわ!」
好雄 「おっ、藤崎さんやるな!それに比べて・・」
朝日奈「なっ、なによ!たまたま失敗しただけでしょ!あたし金魚すくいチョーうまいんだかんね!」
好雄 「はいはい。中学ん時一匹もすくえなかったくせによく言うよ」
朝日奈「あ、あったまきた!じゃあ勝負しようじゃない!」
好雄 「おーいいとも。じゃあ負けた方が勝った方の言うこと聞くってのはどうだ?」
朝日奈「えーいいわよ!」
主  「なんか盛り上がってるな」
藤崎 「本当ね。誘ってよかったわ」
ボチャッ
好雄 「げっ!」
朝日奈「ええ〜、もうおしまいなわけぇ?」
好雄 「ばっ、い、今のは違うって!まだスタートって言ってないだろ!」
朝日奈「はいはい。特別許してあげようじゃない」
好雄 「くっそ〜、いちいち腹立つ奴だな」

296 :縁日にて:2010/11/14(日) 06:54:28 ID:i+q5GObG.net
・・・
主  「(確かに二人ともうまいけど・・まだやるのか?)」
朝日奈「あっ!」
好雄 「お?なんだおしまいか?」
朝日奈「ちょっと待ちなさいよ!あんたそれ4回目でしょ!あたしまだ3回なんだから!おじさんもう一回!」
主  「なあ、そろそろ花火始まるんじゃないか?」
朝日奈「えーちょっと待ってよ!」
好雄 「わりぃ!先行って場所とっててくれ!後からいくからよ」
藤崎 「そうねぇ。それじゃ、先に行って待ってるわね」
主  「え?詩織、ちょっと」
・・・
主  「やっぱり待ってたほうがよかったんじゃないか?」
藤崎 「大丈夫よ。あ、私とふたりじゃ嫌だった?」
主  「い、いや、そんなことはないけど・・」
藤崎 「あの二人って、小さい頃から一緒だったのかな?」
主  「え?中学が一緒だったとは聞いたけど・・。どうなんだろう」
藤崎 「本当に仲良しよね。少し、羨ましい」
主  「えっと・・」
藤崎 「あ、ごめんなさい。えっと、私が言いたかったのは・・。ごめんなさい」
主  「うーん、よくわからないんだけど・・」
藤崎 「あの、私あなたに普段ひどい事言ったりしてないかしら?」
主  「うーん・・なんで?」
藤崎 「・・ううん、なんでもないの」
主  「いや、なにがなんだかわからないんだけど」
藤崎 「ふふ。あ、そうだわ。こんど、一緒に中央公園に行かない?」
主  「え?いいけど・・珍しいね、詩織から誘ってくれるなんて」
藤崎 「えっと、もしかして迷惑だった?」
主  「まさか。嬉しいよ」
藤崎 「よかった。ありがとう」

297 :縁日にて:2010/11/14(日) 07:18:40 ID:i+q5GObG.net
・・・
好雄 「なぁ、もういいだろ」
朝日奈「あー!もう!ありえない!」
テキ屋「ははは。ついに降参かい」
好雄 「あ、そうだおっちゃん、これ、すくった金魚返すよ」
テキ屋「えぇ、いいのかい?」
好雄 「さすがにこんなに飼えないからさ」
朝日奈「あー、あたしも・・あ、やっぱり二匹だけちょうだい!」
テキ屋「あいよ。じゃあ、彼氏がすくったほうから二匹ね!ははは!」
朝日奈「なっ!ちがうちがう!ありえないから!」
好雄 「そこまでいやそうにしなくてもいいだろ・・」
・・・
朝日奈「元気に育てよ〜」
好雄 「ちゃんと面倒みてやれよな」
朝日奈「わかってるわよ。あの時もらったのはすぐに死んじゃったけど、今度は大丈夫だって」
好雄 「・・・?」
朝日奈「なによ、あんた、覚えてないの?」
好雄 「え?俺?」
朝日奈「あっきれた!昔あたしに金魚くれたじゃない。すくったけど飼うのめんどくさいとかいってさ」
好雄 「あー、そういやそんなことあったっけな」
朝日奈「別にいいけどさ」
好雄 「なんだよ、んじゃいちいち怒んなよな」
朝日奈「別に怒ってないわよ」
好雄 「別に別にって、そればっかだな。っと、そういやあいつらどのへんにいるんだろ?」
朝日奈「見つかんないように隠れてるんでしょ。迷惑な勘違いしてくれちゃってさ〜」
好雄 「おまえなぁ・・。まぁいいや、一応見てこうぜ」
朝日奈「・・。そうねぇ、ま、別にいいけど」
好雄 「あ、そーいや俺のいうこと聞いてくれるんだっけ」
朝日奈「あんた・・そーいうことはちゃんと覚えてんのね。いっとくけど!えっちぃのはダメだかんね!」
好雄 「わ、わーってるよ!」

298 :縁日にて:2010/11/14(日) 07:35:38 ID:i+q5GObG.net
後日

片桐 「あ、それじゃアイスティーで。・・・ふぅ〜ん、それで?ちょっとは自然になれたわけ?」
藤崎 「うん・・だといいんだけど」
片桐 「Take it easy,難しく考えすぎよ。普通にしてれば周りだってそこまで冷やかしたりしないんじゃないかしら?」
藤崎 「そうかしら」
片桐 「そうよ。・・What!?藤崎さんゴメン、すぐ戻るから!」

好雄 「・・・」
朝日奈「・・・ちょっと、なんか喋りなさいよ」
好雄 「あ〜、おう。うっ!」
片桐 「ひゅ〜ひゅ〜!」
朝日奈「ちょっ、ちがっ!///」
藤崎 「・・・・・」

おしまい



299 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/11/14(日) 07:47:58 ID:i+q5GObG.net
割り込み失礼でお邪魔しました。
自分の書くものでは基本皆仲良し設定なもんで、そこについてはご容赦くださいませ。
あー外が明るい・・・。ではではノシ

300 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/11/14(日) 11:49:18 ID:toY2ejE8.net
>>299

乙乙。 
専ブラでID抽出すりゃ気にならんから割り込みでも気にせず投下してくれ

301 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/11/17(水) 01:41:03 ID:qeEA1hpb.net
>>299
乙です。

勝手ですが誰かエリサをお願いします。

302 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/11/17(水) 11:52:00 ID:LKTjNj1U.net
>>301
エリサ難しいよね
方言いい加減に出来ないと思うからハードル高い…


303 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/11/17(水) 22:42:51 ID:qeEA1hpb.net
>>302
やっぱりそうですよね・・・

304 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/11/18(木) 02:51:48 ID:8Vd9uuKk.net
夜這いものが合いそうな予感

305 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/11/18(木) 11:41:23 ID:x3d/RfS1.net
>>304
そっちはエロパロスレの担当になるね
にしても下手すると生命の危機がおとずれそうだw

306 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/11/18(木) 13:08:39 ID:LB+AvMIm.net
竹刀でなく木刀でボコボコにされそう

307 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/11/24(水) 00:25:37 ID:/nKw/fHq.net
この前エリサのssを人に託しましたが思い直し、もし需要があるなら自分で書いてみようと思います。
書く場合は初めてなので稚拙な文章になると思いますが、そこは勘弁してください。

308 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/11/24(水) 09:56:35 ID:6Y/A3QWs.net
>>307
おう、どんどんやれ

309 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/11/27(土) 01:40:49 ID:pPiGejdy.net
>>307で予告したエリサのssを投下します。

「初恋の布石」

ーー今日の部活も楽しかったっちゃねぇ・・・

見た目は外国人だがれっきとした日本人であり、中身は誰よりも大和撫子というちょっと複雑な生まれの女子高生、エリサ・D・鳴瀬は河川敷を歩きながら先ほどの剣道部での出来事を思い出していた。

ーーあの人もかなり上手くなってきたっちゃねぇ、この分だと次の練習試合は期待できそうだっちゃ。

今日の手合わせではかなりの本気を出して戦ったが自分の必勝パターンとも言える連撃を使わなければいけないところまで追いつめられてしまった。だがあの人はその連撃をかわしきってしまった!!その後あの人は派手にころんでしまったのだが・・・
そのことを思い出すとついほころんでしまう。

「な〜に笑ってるの?エリリン」

急に問いかけられて驚きながら横を向くと親友の柳冨美子がいた。

「ふ、ふーちゃん!?いつからそこにいるんだべ!?」
「追いついたのはついさっきだけど、それまでに後ろから何度も呼んでたよ」
と頬をふくらませながらふーちゃんは答えた

310 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/11/27(土) 01:48:29 ID:pPiGejdy.net
すいません。手違いで続きをすべて消してしまいました。なんとか書き直すのでそれまで待っていて下さい。

311 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/11/28(日) 01:34:58 ID:cy0B2UXM.net
 高見「あれ?君一人で何してるの?」
女の子「………」
 高見「お父さんかお母さんは?」
女の子「………」
 高見「…迷子かな…どこかで見たことあるような…お家は近いの?」
女の子「………うん」
 高見「じゃあ送ってってあげるから行こう」
女の子「…いっしょにかえってともだちにうわさとかされるとはずかしーし」
 高見「えっ!?」
 詩織「お待たせ」
 高見「うわ!!」
 詩織「うん?どうかしたの?」
 高見「いや、なんか昔の嫌な思い出が…」
 詩織「ふーん……あれ?優ちゃん?なんでここに?」
  優「おねえちゃん!」
 高見「おねえちゃん!?」
 詩織「ああ、この子?従妹の皐月優ちゃん」
 高見「ああ、なるほど…どうりで…」
 詩織「また迷子になったのね。ほら、自己紹介して」
  優「みなさんはじめまして。なまえはさつきゆうです。
    しゅみはおんがくかんしょうで、くらしっくとかを
    よくききます。みなさんこれから、よろしくおねがいします」
 詩織「はい、よくできましたー」
 高見「………」

312 :名無しくん、、、好きです。。:2010/11/28(日) 19:03:18 ID:cPIkbiW+.net
やっと書き直せました。遅くなりましたが続きを投下します。 


「すまね、ふーちゃん。ちょっと考えごとしてたんだっちゃ」
素直に謝ると、ふーちゃんはすぐに笑顔になり
「そんなに怒ってないからだいじょ〜ぶだよ〜」
と言ってくれた。

「で、さっきはなんで笑ってたの〜?」
「別に今日の部活のことだっちゃ?」
「あ〜なるほど〜。○○くんのこと考えてたからエリリン笑ってたんだ〜」
とふーちゃんは妙に納得した顔でうなずいた。

「!?、別にそんなことねぇっちゃ!!」
なぜか頬が熱っぽくなるのを感じながら否定するが
「そーいえば○○くんも剣道部だっけ。いや〜○○くんは勉強もできるし、かっこいいし、スポーツ万能だしね〜。エリリンがそういう気持ちになるのも無理ないよ、うんうん」
ふーちゃんは聞く耳を持たずに一人で話を進めている。
「話を聞いてくれっちゃ、ふーちゃん!!ちゃんと違うって言ってるべ!!それにそんな気持ちってなんだべ!!」
語気が荒くなるのを感じた。
「エリリンそんなに怒らなくても〜」
「怒ってねぇっちゃ!!!」
心の隅では自分のしていることが子供みたいだと思っているが、口からはなぜか正反対の言葉が出てくる。


313 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/11/28(日) 19:13:01 ID:cPIkbiW+.net
「あ〜ん、ごめんなさい〜。エリリン怒らないで〜」
ついにはふーちゃんが泣きそうな顔になってしまった。

「あ・・・す、すまね言い過ぎたっちゃ。本当にすまね」
さすがにふーちゃんのそんな顔を見るとすぐに冷静になり、謝った。
「ううん、あたしもからかい過ぎちゃったから・・・。ほんと〜にごめんね〜」
「じゃあこれでおあいこってことにするべ」
「うんわかった、これでこの話はお〜しまいっ。あっそういえば駅前の甘味所に新しく黒蜜寒天が出たんだ〜。いっしょに行かない?」
「もちろん行くべ。そいじゃレッツゴーだべ!」
「おー!」
そう言ってあたし達は一緒に歩きだした。





314 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/11/28(日) 19:41:20 ID:cPIkbiW+.net
ーーそういえばどしてあんなこと言ってしまったんたべ?

歩きながら先ほどのことを思い出していた・・・

ーー別に怒るほどのことでもなかったっちゃ。なのにどして・・・

「どうしたの?エリリン」
急に歩幅が狭くなったあたしを心配するようにふーちゃんが聞く。
「ううん、なんでもないっちゃ」
「そう?それならいいけど・・・」
そしてまた歩きだし、甘味所に着いた頃にはもうそんな気持ちは忘れていた。




ーーこの気持ちを思い出し、答えに気付くのはもう少し後のことである・・・・だっちゃ。

(終)

315 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/11/28(日) 19:50:00 ID:cPIkbiW+.net
<あとがき>

途中アクシデントがありましたがなんとか書き終わりました。
初めてssを書いてみて自分の文章力の無さに悲しくなりましたorz
エリサの仙台弁に間違いがあるかも(たぶんあります)しれませんが、見逃して下さい。

でも書いていて楽しかったのでもしかしたらまた書くかもしれません。
そのときはよろしくおねがいします。

316 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/11/28(日) 22:11:46 ID:cy0B2UXM.net
>>315
ごめんなさい。間に入っちゃった。

317 :需要あるかどうかわかんないけど語堂さんSS:2010/12/05(日) 19:13:41 ID:y/zx8Nyi.net
RRR・・・・

「はい、もしもし。 屋敷です」

「オ ・ レ ・ だ 」

「ああ、古賀先生。 昼間顔色悪かったみたいですが、大丈夫ですか?」

「お前判ってて言ってんだろ? 俺がああいうの大の苦手だって・・・。」

  *  *  *

 今年の夏、俺たちは甲子園出場を果たした。 そして、甲子園でも強豪校の不調や悪天候の泥仕合に助けられ、
あれよあれよという間に決勝進出・・・ついに全国の頂点まで駆け上がってしまった。
文武両道で鳴らし、個人競技では何度かスターを輩出しているきらめき高校といえども、甲子園出場、
当然の事ながら優勝は初の快挙だった。
 
 が、優勝した自分たちを待っていたのは、練習漬けのこれまでよりはるかに疲れる日々だった。
ハードな練習の疲労は食事をかきこんで寝てしまえば抜けてしまうものだったが、理事長、市庁、県庁
への報告会だとか、チームの父兄や応援団の遠征費を援助してくれた人々へのお礼の挨拶回りなど、
高校生の自分達にはうんざりするものでしかなかった。

 顧問の古賀先生もそれは同じ事で、そもそも学校の理事長である伊集院家のパーティーにイモジャー着用に
酒気帯びで入ろうとして門番につまみ出されたような人である。日に日にストレスが溜まっていくのは当然の
話だろう。

伊集院理事長の音頭取りで行われた祝勝会では、そうそうたるお偉方の手前、 
「采配に迷ったときにはチンチロリンで決めました」とぶっちゃける訳にもいかず、せっかくの料理にも手を
付ける暇もなく質問攻めに合い、ずっと青い顔をしていたのだった。


318 :需要あるかどうかわかんないけど語堂さんSS:2010/12/05(日) 19:35:42 ID:y/zx8Nyi.net
「まったくよぉ、余った料理持って帰ろうと思ってタッパーまで用意してたのに、ほとんど食う余裕無かったじゃないか」

「先生みっともない真似やめてくださいよ」

「うるさい。 でだな、ああいう堅苦しいのじゃなくてな、部員とマネだけで内輪の祝勝会やらんか?臨時ボーナス出たから
半分ぐらいは俺が持つからよ。 今度の土曜なら練習の後全員参加するしだろうしな」

「いいですね。 30人くらい入れるところだと・・・中央駅前のピザハウスでも予約しますか?」

「ピザは勘弁してくれ。スーパーの100円冷凍ピザで食い飽きてる。 それにハメ外してるところ
見られて新聞に叩かれたりするのも何だしな。 部室に出前でも頼んでやろうと思ってるんだが?」

「酒飲むのもタバコ吸うのもうちの部にはいませんよ。だれがそんなハメ外すんですか」

「俺が外したいの。  ま、それはそれとして、なんか皆でつまめるような食い物の出前はおまえが探しとけ。
飲み物やスナックの類は業務用スーパー行って仕入れて来い。領収書は忘れるなよ。 」

「は?先生車出してくれないんですか?」

「持ってねえよ。 これもトレーニングの一環だ。自転車で行って来い。あとな、氷はいらんぞ。化学実験室にでっかい
製氷機あるからそこでかっぱらえばいい」

「はいはい、じゃ、部員にメール回しときますね。 出前はサンドイッチとかパスタみたいなもんでいいですか?」

「ピザ以外だったら何でもいいからお前に任すよ」

「はい、では」

319 :需要あるかどうかわかんないけど語堂さんSS:2010/12/05(日) 20:03:51 ID:y/zx8Nyi.net
・・・やれやれ。 でも言われてみたらそうだな。
みんなが集まってリラックスして飲み食いする機会なんてあの後ずっと無かったし、ヘタに生徒だけで
どこかの店で集まって、アルコールでも入れて余計なトラブル抱えるよりいいかもしれないな。
普段は放任のようだが、生徒より先回りして暴走してこちらにブレーキを踏ませてしまう古賀先生はあれで
優秀な教師なのかもしれない。

 とはいえ、今度の土曜だとそんなに余裕は無い。一斉送信で部員にメールを送ったら、心当たりの番号に早速
電話を入れよう。

    *    *    * 

「もしもし。 語堂ですけど」

「あ、もしもし、語堂さん?屋敷だけど、今ちょっといい?」

「あーら。 ラッキーボーイが何か用?」

「それ勘弁してくれよ。運だけで勝ったみたいじゃないか」

打率2割7分4厘、なのにチャンスには打順が回ってきて大会最多の13打点を上げた自分に付けられた称号・・・・
正直あまりうれしくないが、彼女はこうやってピンポイントで急所を突く物言いをする。

「別に間違ってないでしょ。 いま本読んでたとこなんだから用事なら早くしてよね」

「語堂さんちのお店さ、サンドイッチとか出してるけど、デリバリーもできる?」

「ええ、普段あまり注文は無いけどやってるわよ。 パスタとか、オードブルとか、汁物じゃなければOK。
あ、でも急には無理よ 3日前には予約してもらわないと」

「ん、じゃあ頼む事にしようかな。今度の土曜だけどいろいろ合わせて30人分ね」

「え?またすごい量ね ゴリラにでも食べさせるわけ?」

320 :需要あるかどうかわかんないけど語堂さんSS:2010/12/05(日) 20:28:41 ID:y/zx8Nyi.net
またこれだ。だが、これにイラついていると彼女の相手はままならない。

「はっは。 まあ間違ってないかもな。 育ち盛りの高校生運動部員が30人だからな。 
時間は夕方五時ごろ。 配達先はきらめき運動部サークル棟でね」

「ふーん、祝勝会でもやるんだ。 ま、野球部さんにはいつもご利用いただいてますからね、
腕によりをかけて作らせてもらいますわ。食中毒怖いから、クラブハウスサンドとナポリタン、
あとはクラッカーのオードブルかなんかでいいわね?」

「え・・・語堂さんが作るの?大丈夫?」
彼女が結構料理が上手いのは2年の移動教室のときの飯盒炊爨で知っていたが、こちらも言われっ放しという訳にはいかない。

「言ったわね・・・。 言っとくけど、あたしもう調理師免許まで持ってるんだからね」

「マジ? うへー。参りました。じゃ、よろしくお願いします。 あ、あともうひとつお願いがあったんだけど・・・
ま、それはまた今度にするわ」

「何?なんかあるならハッキリ言えば?」

「いや、じゃあね。お休み」

一点取り返したと思ったら、次の回に直ぐに3点取り返されたような気分だった。
彼女と話すといつもこんな感じだが、このやりとりを楽しんでいる自分に気付いたのはいつごろだろうか。

   *   *   *

語堂つぐみ・・・きらめき高校文芸部の部長。なにかと険のある物言いで運動部に限らず苦手にしている男は多い。
ちょっと抜けてるところがあって、先代とは違って親しまれている生徒会長の星川の親友という事だったが、
いつもついて回って言い寄る輩を威嚇してるとかまことしやかに伝えられている。

自分は二年のときにクラスメイトになたのだが、口の悪い男子生徒で共有されていた仇名が「メガネハリネズミ」だった。

321 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/12/05(日) 21:09:29 ID:y/zx8Nyi.net
 そして、初対面の印象は―――最悪。 
自分も例に漏れずあの険のある物言いに突き刺され、イラつかされた口だ。

 ただ、クラスメイトとしてしばらく角を突き合わせているうち、少しずつ聞いていた話と違った面を
知り、当初の悪い印象は変わっていった。

彼女はいわゆる試験でいい点を取るためだけの「ガリ勉」タイプではなく、純粋に本や知識の吸収を楽しんでいること、
彼女が軽蔑してやまないのは、運動ができるというだけで出来ない人間を小馬鹿にしたり、運動以外の
知識などに何の価値も認めず、エロ話ばかりしていたりする人間というだけであって、こちらが彼女の世界に
それなりの敬意を払って臨めば彼女もそれなりの対応をしてくれるということ・・・・。

もっとも、それも中央図書館でバッタリ遭う事が無ければ知ることもなかったのだろうが。

  


322 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/12/08(水) 05:24:19 ID:NQAVqI3a.net
いいSSだね。

323 :名無しくん、、、好きです。。。:2010/12/08(水) 21:27:06 ID:WHaBqMB3.net
Web小説中心のスレ

arcadiaを語るスレ51
http://kamome.2ch.net/test/read.cgi/bookall/1291301189/
ToHeart2 SS専用スレ 28
http://set.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1262253363/
葉鍵SSについて語るスレ
http://set.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1203051297/
葉鍵的 SS コンペスレ 19
http://set.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1198815736/
◎ 同人誌の小説 32冊目 ◎
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/2chbook/1289907543/
【読み手】同人小説を語る【書き手】
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/doujin/1252937999/
こんなSSがどうしても読んでみたい
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1281253478/
二次創作総合スレ
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1282482997/

324 :需要あるかどうかわかんないけど語堂さんSS:2010/12/16(木) 11:08:56 ID:eZSMcIxu.net
 5月下旬のある日、中央図書館へ出かけた。
予定されていた練習試合が中止になり時間が空いたので、気になっていた
絶版の推理小説を探しに行ったのだが、蔵書検索端末のところで鉢合わせたのが語堂だった。 
彼女は珍種の昆虫でも見つけたような表情で目を瞬かせていた。
 
学校の図書館では、あまり真面目でないタイプの生徒が裸婦の載った美術書をネタに騒いだりすると、
露骨に顔をしかめ、ここはお前達の来るところではないといった表情で睥睨し、極めつける。
「ちょっと。 悪いけど、静かにしてくれない?」

 彼女にとって学校の図書館は自分のテリトリーのようなもので、不真面目な生徒は縄張りを荒らす
敵でしかないのだろう。 一方こちらの中央図書館は学校とは違って不真面目な人間などは最初から
来る筈もない、リラックスできる場所だ。 で、其処に現れたのはスポーツバカ(と彼女は思っているはず)
の自分である。 縄張りを荒らしに来たというより、群れからはぐれて知らないところに迷い込んだ動物…
そう思ったのか、何時もの険がなく、ガードが下がっている感じがした。


「あら。 珍しいところであうものね。何か探してるの?」
何時もなら保健体育の本はあっちなど憎まれ口をたたくはずだ。


325 :需要あるかどうかわかんないけど語堂さんSS:2010/12/16(木) 11:09:43 ID:eZSMcIxu.net
「ああ、絶版になった推理小説でね。古本屋には見当たらないないし、アマゾンで探そうにもクレジットカードなんか
持ってないしね」

「ふうん。誰?」

「陳舜臣。 歴史小説の人だけどね。昔は推理小説書いてたんだ。」

「ああ。世界史の副読本の。『阿片戦争』の人?」

「そう。 それでなんとなく読み始めたんだけど、一冊だけ古本屋にあったのが面白くてね。トリックというか
ギミックが斬新でさ。アリバイ工作に寒天使ったりするわけよ。ホント発想がすげーんだわ」

「へー。 それで、さらに探しにここまでね。 意外だわ」

「なに? 野球以外能のないスポーツバカと思った?」

「そうじゃないことが今わかったわ。 て、あんたも私の事運動音痴のただのガリ勉だと思ってるでしょうけど…
その野球についてだってあんたが知らなくて私が知ってることだってあるわよ。多分」

「言うね〜。例えば?」

「ベースボールに野球って訳語当てたの誰か知ってる?」

いきなり降参だった。

「でしょ?ふふん。ま、答えは今度教えてあげるわ。 じゃあね」

  *  *  *

326 :うさぎさんのSS:2010/12/30(木) 00:22:57 ID:SMn8DOYZ.net
「終わらない」

 俺は会社のパソコンの前でつぶやいた。
 俺はしがない会社員だ。今現在、12月25日に行われる会社のプレゼンの資料を
作っている。23日、現在、まだ完成していない。このままでは間に合わない。正確には24日をまる一日使えば間に合う。
しかし、それでは意味はないのだ。そう、俺は彼女の大倉都子の家で二人だけのクリスマスパーティーを開く予定だった。
しかし、今の状況だと、24日をまる一日使わないと資料が完成しない。
このままでは、このままでは、約束を破ってしまうことになるのだ。
「くそ、俺は、俺はまたあいつを悲しませてしまうのか・・・・・・」
俺は叫んだ。
俺は無力だ。恋人を悲しませてしまってなにがときメモ4の主人公だ。それとも、高校を
卒業してしまった俺はもう主人公(ヒーロー)じゃないのか。
「諦めるじゃねえ。セニョール。」
後ろから声がした。そこにはバールのようなものを手にもったうさぎさんが立っていた。
「おめえはもう高校生じゃない。だから、ときメモのヒーローじゃねえ。
だがよ、都子ちゃんのヒーローはお前しかいねえんだよ。」
うさぎさんはそう言って、俺を打った。熱いコブシだった。
「そうか、俺は大事なことを忘れてた。俺は都子のためのヒーローだったんだ。」
「そうとなったらは話は早い。やるぜ、セニョール。」
そういって、うさぎさんの体がひかり、うさぎさんは俺と瓜二つの姿になった。
「忘れたのか、セニョール。ボクとお前は同じ名前。お前の能力、姿をコピーできても
不思議じゃない。」
「いや、そもそも、俺とうさぎさんが同じ名前だったて初めて聞いたんだが。」
「ああ、セニョール。一周目だったんだな。とにかく、お前とボクで力を合せれば、明日の
夜までには終わる。そこから都子ちゃんの家にいけばクリマスパーティーには間に合う。いくぜ、セニョール。不可能を可能にするのがヒーローだろう。」

327 :うさぎさんのSS:2010/12/30(木) 00:24:12 ID:SMn8DOYZ.net
・・・は。俺は目を覚ます。時間は24日の夜八時だった。俺は寝てたのか。さっきのは
夢・・。く・・・。このままではクリスマスに間に合わないどころか、資料の完成さえも不可能。しょせん、これが
俺の現実だったのか・・・・・・・・。

だが、次の瞬間、俺は気づいた。目の前には完成したプレゼンの資料があったのだ。
「これは・・・・・・・」
「・・・・や・・・やったなセニョール。」
後ろを振り向くといたるとこから綿がはみ出したウサギさんがいた。
「う・・うさぎさんどうしたんだ。」
「く・・・、セニョール。魔力を使いすぎた。ボクはもうだめだ。」
「馬鹿をいうな。お前がいなくなった都子は・・・・」
「セニョール。もうボクの役目は終わったんだ。お前が都子ちゃんをしあわせにしろ・・・・」
「馬鹿やろう。俺とお前で都子を幸せにするって約束したじゃないか。」
「はは・・・。セニョールさえいれば、都子ちゃんは。」
「違う。お前は俺と都子の絆の象徴だ。メモリーなんだ。お前がいなくなれば、そこで全てがおわる。
たつんだ。うさぎさん。立てええええええ。」
その時、奇跡がおきた。うさぎさんの体が光、うさぎさんの傷が直った。
「ボクは・・・まだ、この世界に存在していいのか。」
「当たり前だろ、うさぎさん。」
そして、俺達二人は抱き合った。
「こうしてはいられない。都子の家にいそくぞ、セニョール。
「ああ、都子が俺達を待っている。いくぜ。」

ありがとううさぎさん。
こらからも俺たちの戦いははじまる。そう。都子の笑顔を守るための戦いが。

328 :うさぎさんのSS:2010/12/30(木) 00:27:04 ID:SMn8DOYZ.net
>>327
「こうしてはいられない。都子の家にいそくぞ、セニョール。
→「こうしてはいられない。都子の家にいそくぞ、セニョール」

終わりです。

329 :名無しくん、、、好きです。。。:2011/01/15(土) 15:50:08 ID:Uy0jPAsK.net
【pixiv】小説スレpart5【novel】
http://kamome.2ch.net/test/read.cgi/bookall/1291121702/
【pixiv】R-18小説&SSスレ【エロパロ】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1280464016/
【一次創作】小説系SNS【二次創作】
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/doujin/1268988175/

330 :325の続き:2011/01/26(水) 01:40:58 ID:QCwlRqUa.net
 * * *

そんなことがあって、選手としては何の役には立たないだろうが、「中馬庚」と「正岡子規」という名前だけは
妙に記憶に残ることになってしまった。

しかしもっとも語堂に対する印象が変わったのは、林間学校のときだ。
林間学校では最終日に社会科見学を兼ねて市場で食料を調達し、班別に飯盒炊爨とカレーを作り品評会となる。
うちの班でテキパキと指示を下し、まるで気合の入った洋食店のような出来栄えのカレーを作り出す原動力となったのは
間違いなく語堂だった。


「カレーのキモはね、タマネギを飴色になるまで炒める事なのよ。これさえやれば半分はできたも同じね」
そう言って男子に火を熾させると、瞬く間にタマネギを全てみじん切りにしてしまい、フライパンで炒め始めた。

「あなた達はジャガイモの皮むいて一口サイズに切って水に漬けといて」 

「肉はみじん切りのしょうがと一緒に炒めて」

「あ〜ジャガイモは 後で素揚げにするから一緒に煮ない!」

手順は全て他の班と違った。 あまりに違うので不安になったが、あまりに堂に入っているので疑問を差し挟む余地も無い。

カレールウを溶かし込んだ後にお試しサイズの小瓶ワイン、八方だし、ヨーグルト、はては板チョコを砕いてポイポイと
投げ込み、家からわざわざ持ってきたのか小瓶に入った謎の粉まで放り込んでいく。怪訝そうな表情を察したのか
メガネをくいと押し上げて自信満々で言い放つ。

「これはねぇ。入れるだけでゴールデンカレーも一流レストラン並みの味になる魔法のカレー粉なのよ。うちの店でも
使ってるから安心しなさい。 日比谷松本楼も鎌倉プリンスにも負けないんだから」

そのとき初めて語堂の家が飲食店というこを知った。


331 :名無しくん、、、好きです。。。:2011/03/02(水) 10:53:53.09 ID:4J7P7+T6.net
下の作品 SS予定はないでしょうか?

SHUFFLE! Love Rainbow
Vermilion -Bind of Blood-
CROSS†CHANNEL〜In memory of all people〜
ToHeart2 DX PLUS
A.G.II.D.C. 〜あるぴじ学園2.0 サーカス史上最大の危機!?〜
Rewrite
世界征服彼女
D.C.Dream X’mas
White 〜blanche comme la lune〜
FORTUNE ARTERIAL-赤い約束-
眠れる花は春をまつ。
いろとりどりのセカイ
すきま桜とうその都会
11EYES-RESONA FORMA-
アネイロ
夏雪〜summer_snow〜
電激ストライカー
グリザイアの果実
君がいた季節

332 :名無しくん、、、好きです。。。:2011/03/03(木) 06:39:01.19 ID:X95tMCex.net
『HBM』

ぱたぱたぱたーっ
変わった髪型の女の子が、駆けてくる。
「ごめぇーん!まったぁ?」できたてホヤホヤの俺の彼女。
一昨日、卒業式の日に告白されて、今日は初めてのデート…ゴン!
「あいたた…」
飛び込んできた勢いで、小柄な彼女のアタマが俺のアゴにヒット。
「あっ、ご、ごめんなさい」「ん、平気。そっちこそ大丈夫か?」「えへへ…」
痛そうにアタマをさすりながらも、なんか嬉しそうな笑顔。
「ん、どうしたの?」
「えへへ、『ごめんなさい』の後に、『人違いでした』って、
言わなくて良いんだなぁって思ったら、なんか、嬉しくなっちゃった」
「そっか」「それに、優しいなぁって…」「ん?」
「な、なんでもない…えへへ、今日は、どうするの?」
「ああ、ちょっと待って。えっと…これ」差し出した小さな包み。「えっ、なになに?」
「誕生日おめでとう!これプレゼント」「えっ?ありがとうっ!嬉しい…開けてもいい?」
「もちろん」ガサゴソ…コアラのイヤリング。「かわいい…前から欲しかったのこれ」
良かった。一昨日、彼女の誕生日を知って、慌てて探したから自信なかったんだが、
喜んでもらえたみたいだ。「それで、今日なんだけどさ」「うん」
「前に、電話で『駅前に美味しいケーキ屋さんが…』って、言ってなかったっけ?」
「えっ!?あっ…そ、そんな事…覚えてくれてたんだ…」
「へへーん、まあね。だから、『一緒に食べに行こうよ〜』」と口真似。「もう、ばか…」
「で、どうする?あっ、その…み、みはる?」初めての名前呼び…照れる。
「あっ…うん。もちろん、オッケーだよ!えへへ…」
頬をピンクに染めた見晴が、俺の腕をぎゅってつかんだ。
「行こ!」

------
と、言う事で短いですが…Happy Birsday Miharu!

333 :名無しくん、、、好きです。。。:2011/03/12(土) 13:03:25.62 ID:6uJ5a0XK.net
【二次創作】SSをリクエストするスレ【小説】
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/2chbook/1299334748/

【2次】ギャルゲーSS総合スレへようこそ【創作】
http://toki.2ch.net/test/read.cgi/gal/1298707927/


334 :名無しくん、、、好きです。。。:2011/04/11(月) 02:52:42.83 ID:OUUVUuvc.net
>>323
ToHeart2 SS専用スレ 28
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/leaf/1262253363/
板が移転したよ。


335 :名無しくん、、、好きです。。。:2011/05/09(月) 23:48:54.63 ID:1N7rpIjZ.net
SS職人募集中スレ

エーベルージュを語るスレ 3年目
http://toki.2ch.net/test/read.cgi/gal/1248267409/
センチメンタルグラフティ総合35代目
http://toki.2ch.net/test/read.cgi/gal/1299264100/
Canvasシリーズ総合 Part21
http://kilauea.bbspink.com/test/read.cgi/hgame2/1302172024/
◆◇◆TGL総合スレPart 1◆◇◆
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/game/1172644654/
◆◆◆★★マイナーなギャルゲーのスレ★★★◆◆
http://toki.2ch.net/test/read.cgi/gal/1190795664/
非18禁PCギャルゲー総合スレ(一応3)
http://toki.2ch.net/test/read.cgi/gal/1143920343/
MinDeaD BlooD 4
http://kilauea.bbspink.com/test/read.cgi/hgame2/1206403697/
Dies irae Part117
http://kilauea.bbspink.com/test/read.cgi/hgame2/1304511307/
【銀色】銀糸総合スレ Part5【朱】
http://kilauea.bbspink.com/test/read.cgi/hgame2/1190283503/

336 :名無しくん、、、好きです。。。:2011/06/07(火) 20:27:41.78 ID:RMdIL5wn.net
ときめきメモリアル・葉鍵SSのキャラクターの名前をメモ帳で

エーベルージュ、センチメンタルグラフティ2、初恋ばれんたいん スペシャル、Canvasのキャラクターの名前で変えながら

SSを読んだがSSの大部分が違和感のためつまらない。

337 :名無しくん、、、好きです。。。:2011/06/10(金) 02:43:10.35 ID:7l+ANH1x.net
ふと思い出したが古式ゆかり(仮名)を転ばせて怪我させたの俺なんだ…
どうしていいか分からず謝りもせず逃げた
その後、女の子全員の爆弾が爆発して悲惨な高校生活だった事は言うまでもない…
一生独身決定したので諦め大学生の時チョコ何個か貰ったがお返しもせず又怒らせた… 未だに童貞なのは言うまでもない(´:ω;`)【実話】

338 :名無しくん、、、好きです。。。:2011/07/27(水) 20:26:09.03 ID:yxTSW8ax.net
ときめきメモリアル・葉鍵SSのキャラクターの名前をメモ帳で

エーベルージュ、センチメンタルグラフティ2、初恋ばれんたいん スペシャル、Canvasのキャラクターの名前で変えながら

SSを読んだがいくつのSSは意外におもしろい

339 :詩織SS:2011/08/07(日) 23:24:31.87 ID:oKev2oe3.net
「一緒に帰って友達に噂とかされると恥ずかしいし…」

放課後、帰り道。俺の誘いを断った詩織。
この言葉が二人を引き裂く決定打になったのは確かだと思う。

小さいうちは、ただ楽しいというだけで一緒にいられたのに、オトコノコとオンナノコ
は違うって、お互いが少しずつ気づきはじめた。いつの間にか、俺にとって詩織は
オンナノコになってしまった。あのころはわからなかったけど、詩織だって、きっと俺
のことが嫌いだったわけではなかったんだ。卒業式から四年たって、今にしてわか
る。俺は「伝説の樹」の下で、思い返していた。


340 :詩織SS:2011/08/07(日) 23:32:09.34 ID:KlaquXl1.net
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
詩織に手ひどく拒絶されて以来、もともとぎくしゃくしていた俺たちの関係は余計に
疎遠になった。校内で見かけても言葉を交わさない。一緒帰るなんてことも当然な
い。

でも、放課後の下駄箱で、一度だけ名前を呼ばれた。二人ではしゃいだ幼いころ
と、何も変わらない詩織の声。なのに目の前にいる詩織はあのころとはぜんぜん
違って、すごく綺麗で、ふいにドキッとした。世界中の綺麗なものを全部あつめて詰
め込んだみたいに思えた。時間が止まってしまったみたいに、俺はただ詩織を見つ
めていた。詩織が、何か言おうと、口を、開----
「----詩織ぃ!」
静寂を破ったのはクラスメートの声。
「詩織、よかった!まだ帰 ってなかったんだ。金月先生が探してたよ」
「あ、ありがとう」
ちらりと俺の方を見て、詩織は職員室の方へ向かっていった。

俺は混乱していた。
時間を止めて、俺に何か伝えようとしたあのときの詩織。
かわいくて優しくて人気者なのに、誰とも付き合おうとしない詩織。
「一緒に帰って友達に噂されるのが恥ずかしい」と言った、あのときの詩織。
平々凡々の俺と、かわいくて優しくて人気者の詩織。

341 :詩織SS:2011/08/07(日) 23:33:31.79 ID:oKev2oe3.net
卒業式を控えた3月、下駄箱に見つけた手紙を信じなかったのも、そのせいだ。

「卒業式が終わったら、伝説の樹の下に来て 詩織」

何かの間違いだと思った。
宛名がなくて、本当に俺あてなのか確証がなかった。
本当に詩織が書いたものなのかもわからなかった。
だから俺は、その手紙を見なかったことにした。卒業式が終わるとすぐに、俺は好
雄やらの男どもとカラオケに直行し、最後の大はしゃぎをした。手紙のことをさんざ
ん疑っていたくせに、伝説の樹の下で詩織が俺を待ちくたびれて泣いている場面を
想像したりして、胸がきりきりした。

342 :詩織SS:2011/08/07(日) 23:36:55.32 ID:KlaquXl1.net
詩織は近所の一流大学に、俺は地方の2流大学に進学して、それきり。
俺は何人か女の子と付き合ってはみたものの、すぐに相手に愛想をつかれた。
理由はいつも、「上の空で私を見てくれない」。

俺はまだ詩織のことが好きなんだろうか。わからない。でも会いたい。
就職が決まり、あとを卒業を待つのみの3月。
俺は手紙を書いて、詩織の家に送った。
「詩織へ 卒業式が終わったら、伝説の樹の下に来てくれないか?」

+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++詩織の大学の卒業式を調べて(われながらストーカー、きもい)、伝説の樹の下に
やってきたのが今日。

俺は、3月の凍えるような寒さの中、鼻を真っ赤にしてたたずむ詩織を見つけた。

「詩織、早いな」

343 :詩織SS:2011/08/07(日) 23:38:01.77 ID:oKev2oe3.net
びっくりしすぎて、われながらものすごく間抜けなことを言ってしまった。
「…遅いよ」
すねたような顔をして答える詩織。
「4年はいくらなんでも遅すぎだよな。ごめん。本当にごめん」
俺の言葉に、詩織の目が少し潤んだように見えて、思わず抱き寄せた。
詩織のか細い声が、涙が、コートを通して心臓にしみこんでくるみたいだ。
「本当は、本当はね」
詩織はしゃくりあげて、何も言えなくなってしまう。


344 :詩織SS:2011/08/07(日) 23:40:04.34 ID:KlaquXl1.net
抱き寄せる腕をゆるめて、詩織の目を見ながら、俺は言う。
「詩織、いいよ。このままじゃ風邪ひくから、帰ろう。温かいお茶でも飲んで、ゆっく
り話をしよう」
詩織はかじかむ手を、ふと伝説の樹の幹に置いて、少し遅れて微笑んだ。
俺はその真っ白な指先を、ぎゅっと握り締めた。

345 :詩織SS:2011/08/07(日) 23:41:25.26 ID:oKev2oe3.net
詩織SS終わりです。
改行失敗しました。すみません。

346 :『 "D" 』:2011/08/09(火) 07:28:41.46 ID:ebP1YDk9.net
卒業式の日に、伝説の樹の下で、
女の子からの告白で結ばれたカップルは、永遠に幸せになれる。
私、藤崎詩織も、その一人になりたくて、
卒業式の今日、幼馴染のあの人の机に手紙を忍ばせた。
そして、今、この伝説の樹の下で待っているの。
どきどき、どきどき。
緊張でさっきから、胸のときめきが止まらない。
ううん。このときめきは、もっと、前から……あっ!?
…誰か駆けてくる!あの人かな?…えっ!?つ、つくえ!?
一脚の机が、私に向かって高速で移動してくる!
そして、私の前で、停止した…。
『マタセタネ、テガミ、アリガトウ!』ええっ!?
手紙はあの人に出したもの。でも、入れたのは?そう、机…。
確かに私は、机に手紙を忍ばせた。でもそれって…????
フジサキシオリは、こんらんした…。
『ボクト、デンセツニ、ナロウ!』「うん…」
ええ、なんでわたし、机の告白をうけちゃうの?OKしちゃうの?
『コレデ、デンセツハ…』
だめえっ!!!!

…………夢?
ゆ、ゆめ、だったんだ……ほっ……
トルルルル、トルルルル
「もしもし、僕だよ」「あっ」「どうしたの?眠れないのか?」
「そうじゃないけど、ちょっと…」
「じゃあ、たまには僕が羊を数えてあげるよ」「本当?」

『羊が1匹』『羊が2匹』『羊が…』
それは、真夏の夜の夢…だったのかな?
『机が…』えっ?

おしまい。

347 :名無しくん、、、好きです。。。:2011/08/26(金) 07:45:50.43 ID:LI0jMTC1.net
test

348 :名無しくん、、、好きです。。。:2011/10/18(火) 20:18:46.68 ID:tX7V6pTN.net
1. 初恋ばれんたいん スペシャル
2. エーベルージュ
3. センチメンタルグラフティ2
4. ONE 〜輝く季節へ〜 茜 小説版、ドラマCDに登場する茜と詩子の幼馴染 城島司のSS
茜 小説版、ドラマCDに登場する茜と詩子の幼馴染 城島司を主人公にして、
中学生時代の里村茜、柚木詩子、南条先生を攻略する OR 城島司ルート、城島司 帰還END(茜以外の
他のヒロインEND後なら大丈夫なのに。)
5. Canvas 百合奈・瑠璃子先輩のSS
6. ファーランド サーガ1、ファーランド サーガ2
ファーランド シリーズ 歴代最高名作 RPG
7. MinDeaD BlooD 〜支配者の為の狂死曲〜
8. Phantom of Inferno
END.11 終わりなき悪夢(帰国end)後 玲二×美緒
9. 銀色-完全版-、朱
『銀色』『朱』に連なる 現代を 背景で 輪廻転生した久世がが通ってる学園に
ラッテが転校生,石切が先生である 石切×久世

SS予定は無いのでしょうか?

349 :名無しくん、、、好きです。。。:2011/11/24(木) 20:18:12.76 ID:NzPd54Bv.net
ない

350 :名無しくん、、、好きです。。。:2011/11/25(金) 07:49:30.64 ID:t6q2/CH7.net
test

351 :名無しくん、、、好きです。。。:2011/12/06(火) 11:24:56.78 ID:vivD5PGK.net
『 晴れときめき雨 』


晴れときどき雨。降水確率は50%…今朝の微妙な天気予報。
で、朝は晴れてたけど、下校時刻はあいにくの雨。
傘持ってきて良かったな。

ありゃ?
昇降口で雨空を見上げてるのは響野さんじゃないか。

「響野さん」「あ」「傘、忘れたの?」
「あっ、うん。…ううん!?」「?」肯定と否定?
「そうじゃなくて、ただ、あなたと一緒に帰りたいと思ったから…。
それで、ここで待ってた。傘のことは、言われて初めて気がついたの」
「あっ、ははっそういう事か」「で…ダメ?」
「いや、もちろん良いよ。俺の傘に一緒に入るので良い?」「うん」

いわゆる相合傘というやつだ。肩が触れ合う近さで歩きだす。
響野さんはもの珍しそうに俺の傘を見上げている。

「雨の音が…」「うん?」
「あなたの傘に当たる雨音が、私の傘より低音で、新鮮だなって…」
「なるほど」「なんだか、あなたに包まれてるみたい」

352 :名無しくん、、、好きです。。。:2011/12/06(火) 11:25:43.86 ID:vivD5PGK.net
『 晴れどきどき雨 』

晴れときどき雨、降水確率50%…。
「やっちまったなー」
あいにくの雨。うっかり傘を忘れちまった俺、下駄箱で佇む。
「あらっ、小林くん傘忘れたの?」
ポニーテールのスレンダー美女、大倉都子だ。
「あたしの傘、使う?」
「えっ?それって、ももももしかして…。
で、伝説のレアイベント相合傘ってやつ!?」
「え?違うわよ。ただあたしの傘を貸してあげるってだけよ?」
「ははっなんだ…そうだよな。でも良いのか?
俺に傘貸しちまったら…あっ、ははーん…」
「なっ、なに?」ニヤリ「ダンナか?」ぱぁっと頬が染まる。
「だっだって家が隣だし、登校したとき傘持ってきてたから…」
もじもじ。こうなるとちょっと意地悪してみたくなる。
「…アイツなら、さっき先に帰ったぞ」「えっ………」
たちまち、どーんと暗くなる彼女。反応が早くて可愛いぞ。
「う・そ」!!「あっ、騙したのね?ひどい…傘貸さないぞ?」
「スマンスマン!まだ教室にいるはずだから行ってみなよ?」
「うふふっありがとう。じゃはい傘!じゃあね!」たたたっ!
ありゃ、廊下は走っちゃ行けないよ!…って聞こえないか。
「サンキュ!」

353 :名無しくん、、、好きです。。。:2012/02/02(木) 22:08:53.74 ID:8QSvc8zC.net


354 :名無しくん、、、好きです。。。:2012/02/22(水) 12:00:09.11 ID:GlsYZbvK.net
『 リハーサル 』

2月22日……
卒業の日を間近に控えた日曜日のきらめき高校。
校庭の外れにある一本の古木のたもとに、
変わった髪型の少女がひとり。
「うーん、どうしようかなぁ…。こう、木の影に隠れて…」
ぴょこ!極上の笑顔で顔を出す。
「あれっ?見つかっちゃった。え、私は誰かって?
館林見晴っていいます。えへへ…」
首をかしげ、「うーん、いまいちかな…」腕を組む。
「それとも、今までやったみたいに、ぶつかるとか…」
うんうん。「あの人が来たところへ…どーんって…」
「あっ、でも…誰も立ってない伝説の樹のたもとに、
果たして来てくれるかなぁ?はてさて…」

……

はぁ……
「やっぱり、今まで色々失礼な事しまくってるのに、
告白までふざけるのは、ちょっとダメだよね…」
うん!「ここは、正攻法でちゃんと想いを伝えなきゃ。うん!」
ぎゅっと拳を握りしめ、古木を見上げる。
「そうだよね?伝説の樹さん?」
ざざっー。春を予感させる一陣の風。
「うん。それじゃぁ…」すぅー。

「今まで、ごめんなさい。私、館林見晴っていいます。
 こんな所に呼びだしたのは、あなたに、どうしても、
 言いたいことがあったから………


355 :名無しくん、、、好きです。。。:2012/04/08(日) 00:42:55.49 ID:fUKHPv0j.net
??

356 :名無しくん、、、好きです。。。:2012/04/21(土) 19:31:20.98 ID:f3wKXyNg.net
1〜8番の二次創作小説SS(Side Story)のコミケや通販・ダウンロード販売予定はないでしょうか?
1. 初恋ばれんたいん スペシャル
2. エーベルージュ
3. センチメンタルグラフティ2
4. Canvas 百合奈・瑠璃子先輩のSS
5. ファーランド サーガ1、2
6. MinDeaD BlooD
7. WAR OF GENESIS シヴァンシミター、クリムゾンクルセイド
8. アイドルマスターブレイク高木裕太郎

357 :名無しくん、、、好きです。。。:2012/07/30(月) 13:40:10.42 ID:OgndBfwy.net
降下

358 :名無しくん、、、好きです。。。:2012/11/05(月) 18:45:14.83 ID:ArpIX7PU.net
人いないな

359 :名無しくん、、、好きです。。。:2013/01/05(土) 23:31:12.99 ID:HNCGq5gu.net
あげまして

360 :名無しくん、、、好きです。。。:2013/02/23(土) 20:17:05.68 ID:FgK6/bM/.net
562 :名無しくん、、、好きです。。。:2013/02/11(月) 14:08:56.40 ID:zBXy4i6I
藤崎詩織 35歳 独身 一流企業秘書課勤務

 理想が高すぎた詩織は、大学入学後、すぐに主人公を捨てて、お坊ちゃん学校として有名なKO大の医学部生と付き合いはじめる。
相手の父親が教授であるため、将来のポストは約束されており、これで私の人生も磐石だわと思ったときに捨てられる。
ちなみに、その彼氏の新しい相手は、旧華族の一流企業社長の社長令嬢であった。
 その後、何人もの男に告白されるものの、KO大医学部生と付き合っていたというプライドが許さず、あっさりと切る。
そのまま一流大学を優秀な成績で卒業、一流企業の、それも秘書課にいきなり採用となる。
周囲にも優秀な男がたくさんいたものの、「所詮サラリーマンじゃないのw 私は他人に使われているような男じゃダメなのw」と相手にしない。
 親から見合いに持ちかけられた男は、銀行員、一流企業正社員、国家公務員、教師など、エリートが多いものの、やはり鼻で笑って相手にしない。
「こんなのが私につりあうわけないじゃない」 ますます婚期を逃し28歳。(つづく)

361 :名無しくん、、、好きです。。。:2013/02/23(土) 20:19:10.99 ID:FgK6/bM/.net
 28歳と3ヶ月の時、医者や弁護士などの超エリート限定の婚活パーティに出席。何故かあまり相手にされず、カップル成立はほとんど女子大生や20代前半。
それでもなんとか、若手の弁護士を捕まえるものの、事務所に行ってみると、なんと国選弁護専門というべき貧乏事務所のイソ弁で、年収は400万円。
「こんなの話にならないじゃない!弁護士だっていうから最低でも1000万程度は稼ぐと思ったのに!」
 ついに最後の婚期を逃す。
 噂で、大学入学後にすぐ切った当時の彼氏が、今では国際線のパイロットとなって、結婚し、裕福な暮らしをしていると聞く。
逃がした魚は大きかったが、詩織はこう割り切るのだった。「もっといい男なんてたくさんいる」

 そして35歳! お見合いの話なんか一つもあがらない。何故ならば、歳の流れに肌が逆らえなくなったからである。
もうどんなに化粧でごまかそうが、エステをしようが、整形でもしない限りは直せない。それでもプライドが邪魔して整形には行けない。
「ねえ、詩織……あんたももう35でしょ?どう?町役場に勤めている人との縁談があるんだけど……」
 世間的には好条件である。35歳で地方公務員との縁談。それでも詩織はこう言うのだった。
「え?そんなのが私とつりあうと思っているの?ここまでせっかく待ったんだから、妥協するわけないじゃない!断って!」
 そして、今日も詩織は、自分磨きと自分探しのために、ユーキ○ンのカタログをながめているのであった。しかし、もう肉体のたるみは、その腹まで迫っていたのである。

362 :名無しくん、、、好きです。。。:2013/02/23(土) 20:22:16.35 ID:FgK6/bM/.net
 最近、会社の後輩たちが生意気である。休憩室に入ったとたん、何故かプツリと会話が途切れることが多くなった。
「ねえ、一体何なの?私に言いたいことがあるならはっきり言いなさいよ!」
 詩織は、給湯室に一番気の弱そうな女子社員を呼びつけて、その理由を聞く。女子社員は詩織の般若のような表情に耐え切れず、ついに話してしまう。
「す、すみません……、じ、実は美樹原先輩の結婚式の余興のことで……」
「え?」
 詩織は固まる。美樹原……そう、あの美樹原愛である。自分の引き立て役の美樹原愛。
二流大学にしか受からず、自分の2年後に就職浪人して、コネを使ってようやくこの会社に入った、詩織からしたらクズのような「元友人」である。
美樹原に先を越された……、美樹原にハブにされた……それが詩織のプライドに火をつけた。早速美樹原を呼びつける。

「どういうこと?どうして私に黙っていたわけ?」
「だ、だって……詩織ちゃん、ずっと私のこと無視してきたじゃない。私が友達だって紹介しても、『いいえ、ただの知り合いです』とかって……先に友達じゃない扱いしてきたのは詩織ちゃんじゃない!」
「っ!!!……馴れ馴れしく呼ばないで!『藤崎先輩』でしょ!」

 もう怒りで頭が沸騰しそうになっていた。あの美樹原に……あの美樹原に先を越されたという敗北感。
相手がどんな男なのか、そんなことはこの際関係がない。他の子たちだって先に結婚していようがなんだろうが関係ない。
詩織には、ただ「美樹原に先を越された」という事実だけが、大いなる屈辱としてのしかかってきたのである。

363 :名無しくん、、、好きです。。。:2013/02/23(土) 20:23:54.29 ID:FgK6/bM/.net
 徐々にお局様としての地位を確立していく詩織。そんな詩織の元に、同窓会のはがきが届く。
昔は相手にしなかった級友たちであるが、きらめき高校は有数の進学校であることを思い出す。
「もしかしたら、あの中から社長や医者になった人がいるかもしれないわ」 詩織は幻想を抱きながら同窓会に出ることを決意。
「このドレス……ちょっときついわ。クリーニングに出しすぎたかしら」 いいえ、詩織の腹のせいである。

 当日、詩織は嬉々として、会場のホテルへと向かった。
 当時、学園のアイドルとして君臨していた自分が行ったら、さぞ場は盛り上がることだろう。
当然、今日集まった男たちの大半は自分との再会を目的としており、入場と同時に取り囲まれ、写真撮影や会話を求められるだろうと。
 詩織は、男たちに、どんな質問をするか悩んでいた。「やっぱり最初に職業と年収よね。当たり前だわ」

 詩織入場……しかし、誰も気づかない。気づいたのはホテルのボーイだけ。
 しばらく会場内をうろつくが、誰も気づかない。
 仕方なく、調子の良さそうな男の近くに寄ってみる。

「なあ、聞いたか?今日、藤崎が来るんだってさ」
「藤崎?ああ、藤崎詩織ね……あいつが、こんなパーティ来るの?」
「俺も聞いた時びっくりしたよ。あいつさ、俺らのこと見下しただろ?だから絶対来ないと思っていたんだよな」
「どうせ自慢しにでも来るんじゃないの?私、今こんなに金持ちなんザマスよ、おーほほほほ、とか」
「まあ、そんなところだろうな。でも全然来ないな、あいつ」

 詩織、すぐそばにいるのに気づかれない。そう、気づかれないのである。
 男たちの詩織への悪口雑言はその後も続き、詩織はついに耐え切れなくなって、咳払いをする
「ゴホンゴホン……、皆さん、ごきげんよう、藤崎ですけど」

364 :名無しくん、、、好きです。。。:2013/02/23(土) 20:28:02.86 ID:FgK6/bM/.net
 場が静まり返る。詩織周辺の男以外の、他の出席者まで静まり返る。
 ああ、やってしまった……詩織の悪口を言っていた男たちは、そんな表情をしながらも、トイレだの、会社に連絡をしなきゃだのと言いながら場を外す。
「フン!何なの?あのDQN男たち……自分じゃ手が届きそうになかったからって僻んで!ああいうのを『酸っぱいぶどう』っていうのよ!」
 詩織は心の中で毒づく。でも、同時にこう思ってもいた。
「藤崎詩織はここにいるのよ。ほら、いいの?早くしないと、他の男に取られるわよ」
 詩織の中では、すでに、詩織に駆け寄ってくる男たちの輪の中で得意げになっている詩織の姿が出来上がっていた。

 しかし!現実は残酷なものである!
「おい、あれ、藤崎だってよ」
「マジかよ!だってあれ、ただのオバ(あわてて言いとどまる)」
「なんか太ったんじゃない、あいつ」
「やっぱり歳だよな」
「全然昔の面影がないよな」
 ひそひそと言っているつもりであっても、詩織の耳には悪口はよく聞こえた。
 詩織、もう我慢の限界である! ついに心の中の爆弾が爆発し、男たちを泣きながらにらみつけた!

 だが、昔と違って、その爆風の影響は、誰も受けない。
 そう、皆が皆、詩織に対しては「イヤミな奴」「お高くとまった奴」というイメージしかないのである。
 昔はそれでも許された。かわいかった、それだけで正義だった。だが今は違う。ママチャリにネギの出た買い物かごが似合う、ただのオバさんである。
「あ!藤崎さん!久しぶり!元気にしてた?」
「アナタ、誰?」
「忘れちゃったー?夕子だよ、朝日奈夕子!」
「ああ、朝日奈さんね……あの赤点ばかり取って、卒業後もプーやってた朝日奈さん。何の用なの?」
「え……ちょっと……そんなこと言わなくてもいいじゃない!」

「おい、今の、ひでえんじゃねえの?」
「性格だけは昔と変わらず性悪だな」
「朝日奈がせっかく構ってやってあげたのにな」
「おい、朝日奈、そんな奴に構わないでこっちで一緒に飲もうぜ!」
 詩織はいたたまれなくなって、会場を後にした。

365 :名無しくん、、、好きです。。。:2013/02/23(土) 20:38:28.29 ID:FgK6/bM/.net
藤崎詩織 35歳 第2話

「ふ、ふん!どうせこんなパーティに出るのなんて、負け組の暇人ばかりなんだわ!こんなところにいたって意味はないわ!」
 詩織は、自分も参加していた事実を棚にあげ、自分を正当化する独り言をぶつぶつ言いながら、会場を後にしようとしていた。
 そんな時、トイレに行っていたのだろうか、会場を一時離れていたと思われる男2人組が話していた。

「せっかく○○(主人公)にも会えると思ったのにな、やっぱり国際線のパイロットは忙しいか」
「早乙女はあいつとは特に仲が良かったからな。まあ、あいつと俺らとでは、やっぱり何かが違ったんだよ」
「ああ、何かの小説の主人公みたいなオーラがあったからな、俺らとは違ったんだろうな」
「あいつ、藤崎詩織に告白されたんだろ? でも、今日、藤崎が来るっていうじゃないか。あのまま結婚したと思ったのに別れたのか?」
「おいおい、あいつがいないから特別に教えてやるけど、あいつ、大学に入ってすぐに切られたんだよ」
「マジ!?何でだよ?藤崎から告白したんだろ?」
「それがさー、あいつ、ぼやいていたんだけど、藤崎が『KO医大生と付き合うから、あなたとはこれ以上付き合えないわ』とか言ってきたんだってよ」
「うわー、かわいそー、あいつ、藤崎一筋で頑張っていたのにな。まあ、藤崎らしいよ、別れ方が。いかにも打算的というか」
「俺もさ、正直言って、あいつが藤崎と別れて良かったと思っているんだ。まあ、藤崎より良い女捕まえたんだし、結果オーライじゃないか?」
「え?誰だよ、それ」
「見晴だよ、館林見晴。あのコアラみたいな髪型していた女」
「あーーー!!思い出した!!そういえば、あいつはあいつで、○○一筋で高校3年間を過ごして、最後に敗れたんだよな、藤崎に」
「でもさ、さすがというか、なんというか。あの後もずっと諦めないで、ついに22歳の時に付き合い始めて、25歳で結婚したんだよ」
「まあ、そう考えたらあいつも幸せになれて良かったのかもな。俺も、藤崎よりは館林派だし」
「実は俺もなんだけどね。だからあいつには悪いんだけど、館林の電話番号だけは教えなかったんだよ」

366 :名無しくん、、、好きです。。。:2013/02/23(土) 20:40:44.23 ID:FgK6/bM/.net
藤崎詩織 35歳 第3話

 同窓会会場をあとにした詩織は、半ば自暴自棄になって独りで飲みに行く。
そこは、普段の詩織では決して足を運ぼうとしない、場末の寂れたスナックであった。

男3人「「「今夜も卒業アルバム〜」」」

 3人の男たちが、店いっぱいに響き渡るような声で、涙を流しながら熱唱している。
いかにも恋に破れた、人生に疲れた男たちといった感じである。
 一人はやや小柄で女性的な顔立ちをしたホスト風の男、一人は剣道でもやっていそうな細マッチョの体育会系営業風の男、
もう一人は髪が乱れて目が見えないものの、そこそこの会社に勤めていそうな感じの男である。

「ふん、なんて女々しい歌なの、なんて女々しい男たちなの。呆れてものが言えないわ」
 詩織は誰も聞いていないことを良いことに、ぼそっと毒づいた。今日は結構飲めそうである。
 やがて、3人の男たちは、歌い終わると、野次やからかいの言葉、乾いた拍手を背に受けながら、自分たちの席に戻っていった。

「皆さん!お待たせしました!本日のメインゲストの登場です!バンドグループAYAの皆さんです!」
 バンドグループAYAは、きらめき高校から生まれたバンドである。昔は別の名前で活動しており、メンバーも若干違っていた。
 発足当時のメンバーのうち、ギターの男とキーボードの女は、音楽性の違いを理由に脱退。
また、発足当時は兼任されていたボーカルの座に、現在のリーダー格であり、バンド名にもなっているAYAが加入した。
昔はそれなりに人気はあったのだが、今ではもう、こんな寂れたスナックでの活動が中心になってしまっている。

(つづく)

367 :名無しくん、、、好きです。。。:2013/02/23(土) 20:42:04.85 ID:FgK6/bM/.net
藤崎詩織 35歳 第3話 Bパート

 AYAが歌いだす……先ほどの男たちの歌はどちらかというとバラードのような、演歌のような歌だったが、AYAはロックである。
日本語と英語……というよりは英単語を巧みに使った独特な詩、独特な曲で、他に類を見ないものであった。
 しかし詩織はもともとクラシック好きである。先ほどの男たちの歌も好みではないが、それ以上にAYAの歌は好みから完全に外れており、詩織には雑音にしか聞こえなかった。

「HEY!YOU!オマエラ!コンニチハ!ハロー!ハロー!テメーラ!ミスターさーるー!」
「いいぞー!AYAちゃん!」
「AYAサイコー!!」

 この店はAYAのファンが多いのだろうか、それとも今日はたまたまコアなファンばかりが集まったのだろうか。
詩織以外のほとんどの人が総立ちになって、首を振り、手を振り、体をくねらせながら、一緒になって歌っている。
 AYAも気分が高揚したのか、いつもより調子良く歌い、2曲、3曲と、オリジナルの新曲を披露していった。
 しかし、店の中でポツンと一人、皆の輪に入ろうとしない者がいた。詩織である。

 実はAYAと詩織は面識があるのだが、今ではお互いすっかり変わってしまい、お互いに気づかない。
 AYAは詩織がシャイなだけなんだと誤解し、詩織に近寄ってマイクを差し出す。
「さあさあ!YOUも歌いましょうネ!恥ずかしくないよ!シャイは捨てましょー!」
 だが詩織は答えようとしない。露骨に顔を背け、私に関わるなというオーラを発する。
 AYAはその態度に頭の中が沸騰しそうになりながらも、冷静にこう聞いた。
「ねえ、AYA知らない?今回が初めて?……地元では結構有名な方なんだけどなー」

(つづく)

368 :名無しくん、、、好きです。。。:2013/02/23(土) 20:44:16.73 ID:FgK6/bM/.net
藤崎詩織 35歳 第3話 Cパート

 正直、AYAのことは知らなかった。詩織にとってどうでも良いことでしかなかった。
ただ、詩織の辞書に「知らない」という言葉はない。「知らない」と答え、他人より下に見られるのが怖かった。
「そのくらい知っているわよ。当然でしょ」
 詩織の言葉にAYAも気を良くしたのか、ぱっと表情が明るくなった。
 それで終わっていればお互い幸せだったのだろうが、余計な一言を吐いてしまったのである。
「ビジュアル系で有名でしょ」
 その一言、その一言で、禁断のスイッチが入ってしまった。
「え?今、なんて?」
「だから、ビジュアル系で有名だって言ったの」
「ビジュアル系?何?何それ?私、知らない!アイドントノー!!AYAイズノットビジュアル系!!」
「お、おい」

 ドラムの男があわてて二人の間に入る。客がざわめき始める。
「ちょっと、お姉さん困るよ。うちのAYAはビジュアル系って言われるのをものすごく嫌うんだ」
「ふーん」
「ふーんって、アンタ、いかにも俺たちのことを知っているような口ぶりだったじゃないか。何も知らなかったんだろ?本当は」
「知ってたわよ!知ってたけど、言わなかっただけよ!」
 詩織までヒートアップ。詩織にとっての禁句は「知らないだろ?」だ。ふとAYAの方に目を向けると、そそくさと帰り支度を始めていた。
「AYAは気持ちよく歌えないので、ゴートゥーホームさせてもらいます!」
「おい、謝れよ、アンタ」
「AYAが帰っちゃうだろ!俺たちせっかく楽しみにしていたんだぞ!」
「知ったかしているんじゃねえよ!」

 AYAが帰り支度を始めたせいで、ファンの客たちは激怒。
「みなさん!AYAはビジュアル系ではありません!ビジュアル系ではありませんよ!」
 司会進行役を務めていた店員のとりなしも虚しく、AYAはついに帰ってしまった。客全員、いや店の者たちからも冷たい視線が注がれる。
「な、なによ!私が悪いって言うわけ?」
 誰も答えない。答えないが、NOではない。
「そ、そう、いいわよ、私も帰ってやるわよ!何よ!あんな頭に巻貝乗せたような髪して!フン!」
 詩織は精一杯の捨て台詞を吐き、玄関へ向かった。

369 :名無しくん、、、好きです。。。:2013/02/23(土) 20:48:20.05 ID:FgK6/bM/.net
藤崎詩織 35歳 第4話

 場末のスナックから事実上追い出された詩織は、憮然としながら帰路につこうとしていた。
 しかし、詩織の言動に激怒し、冷静さを失ったAYAの熱狂的ファンが、詩織を路地裏で待ち伏せし、詩織を襲撃しようとしていたのである。
「おい、お前、ちょっと待てよ」
 詩織は無視しながら、歩くスピードを速めていく。
「待てよコラ」
 詩織はあっという間に囲まれ、絶体絶命の状態。
「何?アナタたち。警察呼ぶわよ」
「おうおう、呼んでみろよ、警察。ほら、早く呼べ」
「あ!おまわりさーん!こっちでーす!」

 詩織は何かの漫画に出てきそうなDQN撃退法を試してみるが、全く通用しなかった。
 周囲は真っ暗。交番もなく、行き行く人々は詩織たちを気にも留めない。世間なんか所詮そんなものである。
「てめえ、よくもAYAをディスってくれたな。殺してやるよ」
 どんなものにも共通しているが、度を過ぎてのめり込んだ者は恐れを知らない。自分がはまっているもののためなら、人生さえ棒に振るのである。

 詩織の正面に立っていた男が今にも殴りかかりそうになった時だった。
「どっちですか!!」
「早く!早く!逃げられちゃうから!」
 野太い男の声と、それに答える女の声。そしてその後に鳴り響く、おなじみのサイレン
「おい、マジだ!やべえぞ!」
 詩織を取り囲んでいた男の一人が叫ぶと同時に、DQNたちは一目散に逃げ去った。

 運が良かったのだろうか。助かった。本物の警察が来てくれるなんて……。
「大丈夫?お姉さん」
 なんともいえない、紫色の声。うずくまっていた詩織が見上げると、そこには男とも女ともいえない人間が2人立っていた。
 詩織に話しかけていない方は、手に玩具のサイレンを持って、してやったりという顔で笑っている。
「なんだか知らないけどさ、ちょっとうちで休んで行きなさいよ。お代はいいから」

 何とも胡散臭い奴らではある。しかし、詩織はDQNに囲まれた恐怖を思い出し、今すぐに単独で動ける状態ではなかった。
詩織は、言われるまま、二人について行った。

370 :名無しくん、、、好きです。。。:2013/02/23(土) 21:05:34.58 ID:FgK6/bM/.net
藤崎詩織 35歳 第4話 Bパート

 二人の胡散臭い人間に案内されたのは、これもまた寂れた感じのバーであった。
詩織が追い出されたスナックと良い勝負というくらい場末感が漂っているが、「何か」が違う。
「ごめんね、店の中だとちょっと目立つし、貴方には似合わないから、奥の方に上がってちょうだい」
 奥の方に通されたが最後、そこがヤクザの事務所で詩織は脅迫されて……ということも考えられたが、色々と疲れていた詩織は、とにかく一息つきたくて仕方なかった。
 言われるがまま、店の奥の休憩室のような場所に行くと、そこには一人、先客がいた。

「あ、この子も貴方と同じで、ちょっと事情あって、うちでかくまっているのよ。今、飲み物持ってきてあげるから、座って話でもしていて」
 「人間」はそう言うと、店の方へと戻っていった。
 先客は、よく見ると、金髪ストレートで整った顔立ちをしている。相当の美人顔である。
悪い男にでも騙されて、借金取りにでも追われるはめになったのだろうか。ああ、やっぱり美人って不幸なんだわと、詩織は自分の顔に手を当て、ため息をついた。

「こんばんは。レイといいます。今、わけあって、この店で働きながら、かくまってもらっているんです。」
「そうだったの……私は詩織、よろしくね。ホント、美人ってろくな目にあわないわね……貴方もきっと辛かったでしょう?」
 まだ何の理由でこの店にかくまわれているのかさえ分からないのに、詩織は勝手に予想して、はらはらと涙を流しながら、レイの手をとった。
「美人だなんて、そんな……。ところで、貴方は?どうしたの?何かパーティに出るような服装をしているけど……」
「私が嫌だって言っているのに、しつこくつきまとってくる男がいたの。ホント、しつこくて……」
 詩織は、もっともらしいような、そうでもないような嘘をつき、上着を脱いだ。
 上着のポケットから、一枚、名刺が落ちる。

「藤崎……詩織……?貴方、もしかして!きらめき高校○○年度卒業生の、藤崎詩織さん?」

371 :名無しくん、、、好きです。。。:2013/02/23(土) 21:19:41.41 ID:FgK6/bM/.net
藤崎詩織 35歳 Cパート

 いささかの疑問はあった。だが、「女性なら私をライバルとして意識しているはず」と勝手に納得した詩織は、深くうなづきながら答えた。
「そうよ、私が『あの』藤崎詩織よ」
「そうなんだ!藤崎さん、本当に奇遇ね!貴方とこんなところで会えるなんて!私よ!伊集院レイ!忘れた?」
「え?」
 思考が停止する。伊集院レイ……確かに高校在学時には毎日のように聞いたはずの名前である。
だが、伊集院レイは男性。今自分の目の前にいるのは女性。これは一体どういうことなのか?
 詩織の頭の上にいくつもの「?」が浮かび上がる。そんな様子を見たレイは、しまったと思いながらも暴露する。

「そうよね、藤崎さんは知らないわよね。私、実は女なの。男としての私しか見ていないから驚くのも無理はないわね」
 詩織はまだ理解できない。この女は一体何を言っているのか?
 そんな時だった。詩織を助け、店まで案内した「人間」が、飲み物やつまみを用意して戻ってきた。
「あらあら、レイちゃん、ずいぶん今日はテンション高いじゃない?何か良いことがあった?」
「この子、高校時代の同級生なんです!あまりにも偶然で嬉しくて!」
「あらまあ、それはすばらしい奇跡だわ!つもる話もあるでしょうから、今日はここに泊まっていきなさいよ。お布団も用意してあげるから」

372 :名無しくん、、、好きです。。。:2013/02/23(土) 21:24:43.75 ID:FgK6/bM/.net
 完全に固まっている詩織をよそに、二人は盛り上がっている。詩織はなんとか意識を保ちながら、禁断の扉をノックした。
「あのー……ここって、何のお店なの?」
「あらまあ、分からなかった?ここ、オカマバーよ……」
「うっ……」
 レイを見る詩織の目は冷たい。完全な誤解なのだが、今は詩織の頭の中で別の真実が作られていた。
「藤崎さん?」
「いや!!私知らない!こんなオカマ!知らない知らない!人違いです!帰ります!きもいわ!」
「藤崎さん、酷いよ……私、女だよ?」
「ちょっとアンタ!きもいだなんて、そんなこと言うことないじゃない!なんていう子なの!」
「近寄らないでオカマ!不潔!きもい!それ以上近寄ったら本当に警察呼びます!帰ります!追ってこないで!」
 詩織は逃げるように店から出て行った。伊集院レイが何故ここにいるかという重大な話を聞かないまま。そして、それは後に新たな悲劇を生むこととなった。

(つづく)

373 :名無しくん、、、好きです。。。:2013/02/23(土) 22:05:25.14 ID:FgK6/bM/.net
藤崎詩織 35歳 第5話

 結局詩織はビジネスホテルに泊まり、翌日直接職場に向かった。
職場に着くと、いつもは半数以上がまだ出勤していないのに、今日に限ってほぼ全員が出勤していた。
詩織の上司は詩織を見かけると、血相を変えて「どうしたんだ!全然連絡がつかなくて大変だったんだぞ!」と怒鳴ったのである。
 「何でしょうか?」詩織は昨日悲惨な目にあったこともあり、ぶっきらぼうに尋ねた。
「何でしょうかじゃないよ。お前、ニュース見ていないのか?」
 確かに昨日は色々ありすぎてニュースなんか見ていなかった。そんなに重大なニュースがあったというのだろうか。
「状況がわからんまま電話に出られても困る。お前はまず休憩室でニュースを見て来い。そして動きがあったら逐一報告しろ!」
 上司はそう言うと、一刻を争うというような慌てぶりで、秘書課室に戻って行った。

 詩織が休憩室のテレビをつける。皆が働いているというのに、重役のような待遇である。
 テレビをつけると、片目が前髪で隠れるような髪型をした女性の学者が、報道陣に囲まれている。
『博士!RMY細胞で世界のあらゆる病気を治せるというのは嘘だったのでしょうか?』
『RMY細胞を使って、エイズ患者を完治したというのは嘘だったのでしょうか?』
『RMY細胞は実は人類滅亡計画に利用する細菌兵器だという噂がありますが、本当なのでしょうか?』
『博士!答えて下さい!RMY細胞を北の楽園に売っているというのは本当なんですか?答えて下さい!』
 博士と呼ばれている女性は、つい先日までテレビで話題の中心にいた科学者である。
 RMY細胞という特殊な細胞を培養することに成功し、ノーベル賞の最有力候補とも言われ、百年に一人の天才とまで評されていた。

374 :名無しくん、、、好きです。。。:2013/02/23(土) 22:16:33.52 ID:FgK6/bM/.net
「痛い!痛い!離しなさい!離しなさい!」
 博士は大勢の記者に押しくらまんじゅうのように詰め寄られて、悲痛な叫び声をあげる。
 しかし、記者は決して容赦しようとしない。我先にと、博士に詰め寄って質問を浴びせる。
『博士!博士の研究のスポンサーは確かあの伊集院グループですよね?この件も伊集院グループが関与しているのでしょうか?』
『伊集院グループの株価が軒並み暴落していますが、この件について何かコメントを下さい!』
『博士!逃げないで答えて下さい!』

藤崎詩織 35歳 第5話 Bパート

 つまり、こういうことである。
 日本有数の大企業である伊集院グループがスポンサーとなっている博士の研究が、実は病気治療のためのものではなく、世界征服のためのものではないかという見方が強くなった。
その影響により、伊集院グループの株価は一気に大暴落。「北の楽園」とのつながりも疑われているせいで、今や世間は伊集院家を外患誘致の悪の手先として見るようになったのである。
 そして、その影響は伊集院グループだけに限らない。伊集院グループと強固なつながりを持っていた企業も、その影響を強く受けているのである。
 無論、詩織が勤めている企業もそのうちの一つであり、朝から株価は急降下。苦情や問い合わせの電話が鳴りっぱなしである。

375 :名無しくん、、、好きです。。。:2013/02/23(土) 22:27:27.13 ID:FgK6/bM/.net
 確かに、渦中にいる「博士」には黒い噂もあった。
 だが、それらは、今までは博士に及ばない能力の科学者たちによる妬みだとしか捉えられていなかった。
しかし、今回は、きわめて機密性の高い情報が漏れたことにより、博士の研究の暗黒面が、高い信憑性をもって浮き彫りにされたのである。
 あの伊集院家がと、首を傾げたくなるような、お粗末な情報漏えい。
 一説には内部の犯行ではないかと言われているものの、誰の仕業なのか分からなかった。
事件勃発前後から所在不明となっていた伊集院家の長女や次女の仕業なのではないかという噂もあった。

『ここで番組の途中ですが、緊急の情報が入りました。』
 一大事件の報道中だというのに、それを上回る緊急ニュース。一体何事か。詩織も食い入るようにテレビを見る。
『先ほど入った情報によると、暴落した伊集院グループの株を、何者かが買い占めているとのこと。繰り返します……』
 詩織は上司に言われた言葉を思い出し、急いで上司を呼びに行く。
こんな時でも上司の言葉は絶対。エリートとはいえ、いや、エリートだからこその悲しい性でもある。
 事態はまた、新たな局面を迎えようとしていた!

376 :名無しくん、、、好きです。。。:2013/02/23(土) 23:27:47.46 ID:FgK6/bM/.net
藤崎詩織 35歳 第6話

 今や価値が暴落して誰もが見向きさえしなくなった伊集院グループの株。
それを買い占めている者がいるという。一体何のために?
 誰もが疑問に思うところだが、不思議なくらい、その後のニュースは「博士」の研究のことばかりであった。
 しかし、いずれにせよ、この事件で失ったものはあまりにも大きすぎた。

 詩織の会社では、即日、緊急の役員会議が開かれ、依願退職者を大量に募集された。
 職を失うこと、そして、今の一流企業の正社員としての地位を失うことは大きいものの、誰もがこの沈み行く泥舟に残る気はなかった。
会社から代償として支払われる退職金の額が目減りしないうちにと、我先にと退職していく。
 それでいいのかもしれない。なぜならば彼らはエリートだから。彼らの能力をもってすれば、今の会社ほどではないにしろ、職に困ることは考えられなかった。
 そして、詩織も同じ考えだった。沈み行くこのタイタニック号に、いつまでも残っている気はなかったのである。

377 :名無しくん、、、好きです。。。:2013/02/23(土) 23:32:42.45 ID:FgK6/bM/.net
 本社ビルに一礼。颯爽と立ち去る。感慨も何もなかった。
 美樹原愛はこれを機に、しばらく専業主婦として暮らすということで、婚約者と話し合いがついたらしい。
詩織は、そんな美樹原の行為を、「坂道から転がり落ちるような転落人生」と一笑し、自分はそうはならないと心に誓った。
 だが、明日からは、社会的には無職である。早く新たな職を見つけなければ、自分は負け組だ。
ただ、ハローワークに行くようなことだけは絶対にしないと決めていた。あそこは社会の負け犬が職を求めておしかけるような場所だ。自分の行く場所ではない。
それに新聞や雑誌に載っているような、安っぽい求職に応じることもしないと決めていた。自分にはもっとふさわしい場所がある。
 さて、どうしようか……悩んでいた詩織は思わず母校の一流大学に立ち寄る。
 そこには、一流大学生にしか声がかからないような企業の求人情報もあるのである。
詩織の目の前に大きなポスターが目に入った。

「新規開業 副社長をはじめ、幹部候補募集 〜私たちは女性の美を徹底的に追求する会社です〜」
 これしかない! 詩織は早速、社会人経験者を募集していないか問い合わせた。返事は「経験者の方は特に歓迎します」であった。

378 :名無しくん、、、好きです。。。:2013/02/23(土) 23:43:29.00 ID:FgK6/bM/.net
藤崎詩織 35歳 Bパート

 鏡魅羅35歳……かつて、容姿のせいで酷い失恋を経験し、一時期は男性不信のようになった。
幼い兄弟を抱えながら貧しい生活を送り、それを悟られないように、気高く振舞うことに必死だった。
だが、高校時代に出会った、とある男性との交流をきっかけとして、彼女は本来の自分を取り戻すのであった。
 高校卒業後、その美貌を生かし、モデルとして活躍。生活は見違えるほど改善された。
だが、女性が美を保てる時間は短く、そして維持するのには多大な労力を要することを、彼女は一番わかっていた。
ずるずると三枚目のおばかタレントして生き残る道を捨て、モデルとして旬が切れないうちに、惜しまれながら引退。
 その後は、有名な化粧品会社やアパレル系の会社に入って、経営のノウハウを学びながら、弟たちを進学させた。
 一家の長としての役割を終えた彼女は、今までの自分の人生経験を生かすため、自分の蓄えと人脈、そして立派になった弟たちからの援助をもとに、会社を立ち上げたのである。
その名も、「株式会社ミラーデス・コーポレション」である。
 化粧品や服飾品、エステ、美容院、健康食品など、女性の美に関する事業について手広く扱う会社である。

379 :名無しくん、、、好きです。。。:2013/02/23(土) 23:50:54.98 ID:FgK6/bM/.net
 学生時代の彼女の成績は壊滅的ともいうべきものであったが、それも日々の生活に追われて勉強どころでなかったことが大きい。
決して彼女自身が頭が悪いわけではなかったのである。そして苦労人でもあった彼女は実に人身掌握術や交渉術に長けていた。
だからこそ、経営者としては申し分なかったものの、いかんせん、法や経済の専門知識となると話は別だったのである。
 副社長候補をはじめ、幹部候補生の大々的募集。
 彼女は情に流されない部分もあったため、決して自分の弟や親戚縁者を役員に取り入れるようなことは考えなかった。
むしろ、自分の人生とは違う道を歩んできた賢者を手広く募集し、場合によっては三顧の礼を尽くして迎え入れる覚悟だったのである。

「社長、三次面接の合格者が決まりました。こちらの5名です」
「ありがとう……下がっていいわよ……あら?これは……」
「藤崎さん……」
 鏡は何かを決心したように、窓の外を見た。窓には夕日に反射して、「美しい私の顔」が映ってた。

380 :名無しくん、、、好きです。。。:2013/02/24(日) 00:13:40.26 ID:0q51tHRo.net
藤崎詩織 35歳 第7話

「藤崎詩織です。よろしくお願いします」
「どうぞ、おかけ下さい」
 詩織の最終面接が始まった。試験官は社長である鏡魅羅と、外部から詔勅した人材派遣会社役員などの試験官総勢7名である。
 外部試験官からの質問に、詩織は淀みなく、そしてスマートに答えていく。
 筆記試験はトップ通過。経歴も申し分ない。まさに将来の幹部候補としては申し分ない人材であった。
ただ一つ、履歴書に貼ってある写真がずいぶん昔のものではないかと思うほど違っていた一点を除いて。
 ちなみにこの点については、わざわざブサイクな替え玉を用意して望む人間はいないだろうとのことで、難なきを得た。

(この調子、この調子、バッチリだわ!(電球3つ点灯)……この調子でいけば合格間違いなし)
(あと、残すは中央の社長だけだわ。ここが肝心。ここで社長に気に入ってもらえれば私も晴れて副社長候補よ!)
「さて……藤崎詩織さん……」
「はい」
 ついに魅羅が詩織に問いかけた。どんな質問が来るのだろうか?
「弊社社長の鏡魅羅と申します……お久しぶりね、高校時代以来かしら……懐かしいわ」
「え…………」

 詩織の中で電撃が走った。鏡魅羅……そんな名前の人間、この日本に2人といない。
そして、高校時代は、自分と鏡、それとあと一人誰だったか思い出せないが、とにかくその3人で男子生徒の人気を3分していた。
まさにきらめき高校内三国志状態であった。あと一人の名前はにわかに思い出せないものの、鏡の名前は特に覚えていた。
「あら……忘れちゃったかしら……確かにあれからもう20年近く経っているのですし、無理もないわね……」
「……す、すみません……」
 鏡魅羅は、仕事に私情をはさまなかった。そのことは弟たちを役員に取り立てていないことからも明白だった。
しかし、鏡は、かつてのライバルが今職に困っているということ、そして、その原因が有名な紐緒博士・伊集院グループの一連の事件のせいだとわかっていた。
 だから、今回に限っては、詩織が他の試験官の眼鏡にかなう限りは、自分は何も試さずに副社長として取り立てるつもりであったのだ。
同情ではない。詩織の能力を認めたうえでの決断でもある。
 しかし、それを許さない者が一人いたのである。詩織だ。

381 :名無しくん、、、好きです。。。:2013/02/24(日) 01:21:06.51 ID:0q51tHRo.net
藤崎詩織 35歳 第7話 Bパート

 詩織の中では、ここで無難にやり過ごせば合格できるだろうという算段はあった。
 しかし、そのことは、自分が、あの鏡魅羅の部下として働くということをも意味していた。
 新設会社とはいえ、資本金は潤沢で、過去の有名モデル鏡魅羅の会社ということで、事業が軌道にのるのは難しくもなかった。
今、ここで、鏡の部下という地位を甘んじて受け入れれば、自分には副社長としての椅子を与えられるだろう。
 だが、それはどうしても許せなかった。自分があの鏡魅羅より下であってはいけないのだ。
 常に成績表の左上の最上段付近にいた自分が、右下の最下段付近を争っていた鏡より下のはずがないのだ。

「どうしたの?藤崎さん?具合が悪い?トイレだったら遠慮しないで言ってね」
「……知っています……」
「え?」
「知っています、鏡さんのこと。覚えています」
「あ、思い出してくれたのね!それじゃ話は早いわ、私もできれば知っている人の方が……」
「知っていますよ、いつも赤点とって補習受けていた鏡さん」
「え?……い、いやねー、そんなことわざわざここで……」
「意味不明なことを言って、成績悪いのを開き直っていた鏡さんですよね?覚えています」
「っ………」

会場がざわめく……ざわざわ……
「無礼な!」「社長に失礼だぞ!」「いくら元同級生でも礼儀があるだろう!」
試験官たちはいっせいに非難する。しばし、鏡と詩織がにらみ合う形で対峙する。
「藤崎さん、せっかく応募していただいたのですが、貴方はどうやら弊社の社風に……」
「わかっています!私もこの程度の待遇に満足する安い女じゃないですから!」

 詩織は試験官たちの怒号を背に浴びながら退席した。
せっかくのチャンスをふいにしてしまった。そして今後、鏡と再会してもその関係修復はまず不可能だろう。
でもいいのだ。詩織のプライドがそれで守られたのだから。
 詩織は颯爽と立ち去った……。

382 :名無しくん、、、好きです。。。:2013/02/24(日) 01:50:40.58 ID:0q51tHRo.net
藤崎詩織 35歳 第8話

 ちゃらららららーん、ちゃららららーん
「ありがとうございました!」
 ポニーテールの元気な店員が元気良く詩織を見送った。
詩織は近所のコンビニで、ポテチといちご1パックを買って帰路についた。
会計の際に、限定いちごTシャツとプロレス観戦チケットも勧められたが、丁重に断った。

「ふぅ……嫌な一日だったわ」
 今日はある意味最悪な一日だった。今まで明らかに勝ち組に属していた自分が、なぜか負けている感じがしてならなかったのである。
そのため、詩織は、目の前の信号が赤になったままだということに気づかないでいた。
「おいこら!あぶねえだろうが!!」
 横断歩道を渡ろうとする寸前で、何者かに止められる。

「ばいばーい、みどりのおばちゃん!」
「気をつけて帰るのよ」
 すぐ近くで、学校帰りの小学生たちが、「みどりのおばちゃん」に元気に挨拶して行った。
 そして、詩織を止めているのもまた、みどりのおばちゃんである。
「おい、あんたなあ、子供も見ているんだよ!交通ルールくらい守れよ!」
 詩織を止めている方のみどりのおばちゃんは、かなり気の強いタイプのようであり、言葉遣いもまるで男だ。
みどりのおばちゃんというよりは、婦人警官、いや、自衛隊員と言った方がふさわしいような感じの迫力である。
「望ちゃん、落ち着いて落ち着いて、その人もついうっかりしただけかもしれないから」
「だから未緒は甘いって言っているんだよ!いいか?轢かれてからだと遅いんだぞ!命は一つしかねえんだ!」

383 :名無しくん、、、好きです。。。:2013/02/24(日) 02:07:25.63 ID:0q51tHRo.net
藤崎詩織 35歳 第8話 Bパート

 二人のみどりのおばちゃんが口論?をしている時も、詩織はどこかうつろである。
二人が今、何を話しているのかさえ、耳に入ってこない。
「おい、あんたなあ、聞いているのかよ?」
「え?」
 詩織は「何のこと?」と言わんばかりの反応を示し、目の前の信号が青になったこともあって、二人を無視して歩き出そうとした。
「おい、無視するなよ!」
「望ちゃん、もうその辺にし……あっ……」
「おい、未緒!未緒!大丈夫か?また貧血か?ちくしょう!あんなに無理するなって言っただろうが!」
「大丈夫よ、それより、あの人、心配だわ。何か心ここにあらずといった感じだったし」
「ああ……なんか様子がおかしいっていえばおかしかったな」
「望ちゃん、ここ、お願いね」
「おい、ちょっと!!」

 病弱な方のみどりのおばちゃんが、信号をちょうど渡りきった詩織に追いつく。
呼び止めようとしても全く無視して歩いていく詩織の肩にようやく手が届いた。
「え?何?まだ何か用なの?」
「いいえ、貴方、何か悩み事がありそうで、心配だったから。さっきも赤信号で飛び出そうとしていたし」
「別に……大丈夫ですから」
「あの……」
「何?」
「良かったら、お家までご一緒しますよ。その方が安全だと思うし……」

 病弱な方のみどりのおばちゃんは、自分の健康状態もあまり良くないはずなのに、詩織を心配して同伴を申し出た。
だが、詩織は、そんなみどりのおばちゃんを突き放すように、こう言った。
「一緒に帰って、変な噂とかされると恥ずかしいですから。じゃ……」
 一生懸命走って追いつこうとしたせいで、病弱なみどりのおばちゃんの息はあがっていた。
病弱なみどりのおばちゃんは、詩織の返事を聞くと、ショックだったのか、その場に座り込んでしまった。
詩織は、そんなみどりのおばちゃんを気にもとめず、帰路へとつくのであった。

384 :名無しくん、、、好きです。。。:2013/02/24(日) 02:23:48.06 ID:0q51tHRo.net
藤崎詩織 35歳 第9話

 詩織にとって最悪の朝がやってきた。今までの人生の中で、一度たりとも負け組に属していたことはなかった。
今朝、負け組としての最初の朝を迎えたのである。藤崎詩織35歳・独身・無職、負け組。それが今の詩織である。
 今日もまた、母校の一流大学の就職情報コーナーに行こうと気合を入れていた。
 詩織が、駅に向かって歩いていた時であった。

「帰って下さい!私、何度言われても、この土地は売る気はないんです!」
「奥さん、他の皆はもう納得して売ってくれているんだよ?奥さんだけだよ、俺らを困らせているのは」
「俺らにもノルマがあるんだよなあ。奥さんがウンって言ってくれないと、俺らも上からヤキ入れられるんだよ」
「どうせこの食堂だって儲かっていないんだろう?こんな食堂、潰れてしまったら、何も残らないんだぜ?」
 食堂の前で、店主と思われる女性と、柄の悪い大男3人が対峙している。
 男たちは極めて体格ががっちりしており、派手なスーツを着ている。見るからに「ヤ」の人たちである。

「そうそう、もしかしたら、火事とか起きちゃうかもしれないよ?そうなりゃ、こんな店、丸焦げだなあ」
「火事が起きなくても、ブルトーザーが事故を起こして突っ込んできても大変だ。お客さんも無事ではすまないかもなあ」
「人の噂って怖いからな。昔、ネズミの肉が入っていると噂されたハンバーグ屋も潰れたしなあ。噂は怖いよな、な、お前ら」
「あんたたち……脅しているのね、私を」
「おいおい、人聞きの悪いことを言うなよ。俺たちは忠告してあげているだけだよ?」
「そもそも奥さん、もし、もしもだよ、俺らが言ったようなことが起きたら、どうやってこの店守るんだい?」
「……根性で守ってみせるわ……」
「がははははは!おい、また根性だってよ!」
「古いんだよな、奥さん。根性で食っていけたら、誰も苦労しねえよ」
「さて、奥さん、一瞬で済むんだ。何もハンコとって来いとは言わねえよ。この朱肉にちょっとその親指をだな……」

385 :名無しくん、、、好きです。。。:2013/02/24(日) 02:51:22.23 ID:0q51tHRo.net
藤崎詩織 35歳 第9話 Bパート

 いつもの詩織ならば、「君子危うきに近寄らずよ」と言いながら、見て見ぬふりをして別の道を通ったかもしれない。
そうでなくとも、相手は「ヤ」のつく人たちである。本当にいざという時になれば、何をされるか分からない。
 だが、今の詩織には見過ごすわけにはいかなかった。なぜならば、一夜明けて、圧倒的に少なくなった「自分よりも明らかに弱者」を発見したから。
自分より明らかに弱い者に対してだけは助けなければならない。それは詩織が優位に立って自己満足……ゴホンゴホン、ではなく、義憤によるものである!

「待ちなさい!あんたたち!」
「なんだてめえは!」
「大の男が寄ってたかって女性をいたぶるなんて、どういう神経をしているの?」
「ああん?おめえ、何言いがかりつけているんだよ?俺たちがいついたぶったって言うんだ?」
「一部始終見させてもらったわ!あんたたちのやっていることは、れっきとした脅迫よ!」
「うぜえな、関係ない外野は引っ込んでろや、怪我したくなかったらな」
「怪我したくなかったらなってどういう意味?」
「そのままの意味だ、自分で考えな」
「怪我したくなかったらなってどういう意味?」
「しつけえな」「おい、構うな」
「ねえ、怪我したくなかったらなってどういう意味?」
「うるせえ!殺されたいのか!」
「ふん……刑法第222条、脅迫罪、生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を……」
「お、おい……」
「今、あんたたちは、『殺されたいのか』と言って、私の生命もしくは身体に対して明白に……」
「やべえぞ、こいつ、サツか?」
「弁護士です。あんたたち、どこの組?」
「お、おい……」「分が悪そうだな」「奥さん、また来るからな」

 ハッタリである。昔付き合っていた貧乏弁護士から聞きかじったことを思い出して、言ってみた。
あまりにもすらすらと言えたせいか、弁護士バッチをつけていないにもかかわらず、ヤさんたちは時代劇の小悪党のように立ち去っていった。
「あ、ありがとう……」
「別に礼を言われるほどのことじゃないわ」
「良かったら、上がって、ご飯でも食べていって下さい」

386 :名無しくん、、、好きです。。。:2013/02/24(日) 03:06:21.94 ID:0q51tHRo.net
※ナレーション 立木文彦

SSスレへの移行お願いしといてこう言うのもなんだがこれSSじゃないっスねw大作じゃん
じゃ、続き楽しみにしてます

387 :名無しくん、、、好きです。。。:2013/02/24(日) 05:04:37.37 ID:lJdBIHfw.net
緊急インタビュー 「藤崎詩織 35歳」の作者に突撃!

Q 「藤崎詩織35歳」大人気ですね、アニメ化、映画化も決まったようで、おめでとうございます。
A ありがとうございます。思わぬ大反響で、私としても嬉しい限りです。
Q 途中から作風が変わったのではないかという指摘がありますが……
A 序盤はある程度飛ばさないと(笑)。本編はまだまだ続きますしね。全部同じ作者が書いていますよ。
Q この作品を書くにあたって、影響を受けた作品はありますか?
A 「カイジ」シリーズですね。カイジのアニメを全部ぶっ通しで見てから書き始めました。
  だから、序盤の話でナレーターがカイジのナレーターと同じ人を当てられたときはびっくりしましたよ。
Q なるほど。そういえば、カイジと似たような作風ですね。さて、これからどんな展開に?
A それは読んでのお楽しみですが、これからは名づけるとしたら「根性食堂編」ということで、物語の後半に入ります。
Q そういえば、あの人は?
A おおっと!賢明な読者の皆さんならもう気づいていると思いますが、まだ登場していない人物がいます。その人がキーマンです。これ以上はいえませんね。
Q 先生はアンチ詩織なのですか?
A そうでもないですね、誤解してもらっては困ります。アンチ虹野でもありません。基本的にアンチのキャラはいません。
Q 最後に読者の皆さんに一言お願いします。
A これからも応援よろしく。そして、これからの怒涛の流れ、衝撃的で感動的なラストに乞うご期待!

388 :名無しくん、、、好きです。。。:2013/02/24(日) 05:06:43.72 ID:lJdBIHfw.net
もう少し待たれよ。これから物語は「根性食堂編」に突入する。

さて、ここで読者からのQ&Aコーナー

・伊集院はどうしてオカマバーにかくまわれていたの?
 →まだ教えられません。

・清川さんがどうして緑のおばさんに……水泳選手じゃないんですか?
 →交通事故で足をやられたのです。選手生命を事実上絶たれた清川さんは、交通安全を訴えるため、緑のおばさんになりました。
  なお、如月さんは最初から役所の職員として緑のおばさんをやっています。

・RMY細胞って何?
 →諸説ありますが、「レイサマメイサマユイナサマ細胞」の略だというのが通説です。
  あらゆる病気を治す細胞として注目されていましたが、細菌兵器ではないかとの疑惑も持たれています。

・コアラとメット以外は全員未婚なの?
 →虹野さん、清川さん、如月さん、優美も結婚しています。
  また、閣下と鏡さんは仕事の都合で夫婦別姓です。片桐さんは同棲中で結婚間近です。
  夕子はバツ1で、今フリーですが、同窓会で好雄と再会し(以下略)。

・あの〜、一人忘れてません?
 →忘れていません。むしろ真打ちです。その人の活躍に乞うご期待!

389 :名無しくん、、、好きです。。。:2013/03/02(土) 22:57:48.01 ID:X03eb7vH.net
  ∧_∧
 ( ・∀・)
 ( ∪ ∪ -期待age-
 と__)__)

390 :名無しくん、、、好きです。。。:2013/03/02(土) 23:37:33.06 ID:qW0mOUtm.net
早くしろ、風邪引くだろ

391 :名無しくん、、、好きです。。。:2013/03/12(火) 23:04:00.94 ID:V7jFTeTA.net
ほしゅ

392 :名無しくん、、、好きです。。。:2013/03/22(金) 08:32:16.21 ID:bEIfLZro.net
こりゃ筆者も飽きたな

393 :名無しくん、、、好きです。。。:2013/03/22(金) 20:10:20.08 ID:vbk/sckZ.net
元々本スレ荒らすのが目的だったんだろうから
追い出されてやる気なくしたんだろ

394 :名無しくん、、、好きです。。。:2013/03/23(土) 15:49:51.58 ID:t6T4Sdai.net
最近見た長文の中ではかなり面白かった
続き読みたい

395 :名無しくん、、、好きです。。。:2013/04/07(日) 23:40:22.50 ID:6ziPj7r/.net
ほしゅ(・∀・ )っ/凵⌒☆チンチン

396 :名無しくん、、、好きです。。。:2013/04/30(火) 23:19:26.96 ID:Fhp2UugB.net
根性食堂編は?

397 :名無しくん、、、好きです。。。:2013/05/19(日) 22:58:07.90 ID:9hdqTNws.net
     _, ,_
    ( *゚∀゚)ほしゅ
 ググッ "⊂ノ

398 :名無しくん、、、好きです。。。:2013/10/07(月) 00:00:57.37 ID:BqCsmOwQ.net
さくや

399 :名無しくん、、、好きです。。。:2013/12/02(月) 13:35:06.29 ID:OmVH0rBx.net
根性食堂編待ち

400 :名無しくん、、、好きです。。。:2013/12/03(火) 18:26:26.51 ID:K9Q6qsKW.net
19歳の時に出来た彼女が詩織っぽかった。
山本香織ってコ。
2週間くらいで分かれちゃったけど。

401 :名無しくん、、、好きです。。。:2014/02/28(金) 21:55:57.30 ID:RHTg98gK.net
保守あげ

402 :名無しくん、、、好きです。。。:2014/02/28(金) 21:57:43.76 ID:FGJIOkur.net
勇気の神様の替え歌で、
「気づくとIPチェックしてる」ってやつ覚えている人いない?
歌詞張ってほしい。

403 :名無しくん、、、好きです。。。:2014/03/01(土) 19:10:14.93 ID:zPjylqvz.net
むーむーさんが書いた陵辱のメモリアルが凄いと聞いたんですけど、どこかで見られませんか?
随分前にサイトが消えてしまったようで・・・

404 :名無しくん、、、好きです。。。:2014/03/15(土) 20:23:31.97 ID:rl20xiM9.net


405 :名無しくん、、、好きです。。。@\(^o^)/:2014/08/08(金) 00:48:39.67 ID:dAdCnSWk.net
副所長

406 :名無しくん、、、好きです。。。@\(^o^)/:2014/09/18(木) 03:37:31.40 ID:icCGWCcs.net
巷では「吹奏楽部(軽音部)の片桐さん」が主流みたいだけど
あえて「美術部の片桐さん」とのSSでも書こうと思ってるんで
完成したら投下させていただく保守

407 :うしとらパロ@\(^o^)/:2014/09/22(月) 02:56:40.15 ID:sgRa267Q.net
主人公「鬱陶しかったんだよなぁ・・・虹野さんのあの甘ちゃんの目・・・。
 『どんな時でもあなたを応援してます』って感じの目。
 これで帰りの誘い断ったりデートすっぽかせば、あのお人よしの虹野さんも
 俺の正体にようやく気付くだろうさ。俺がサイテーの爆弾職人だってなァ!」

片桐「くく・・・くふふ・・・ふふ・・・」
主人公「何笑ってんだ」
片桐「What is this? なーんだ、なんのコトはないわ。
 あなたは虹野さんの目に耐えられなかっただけじゃない。ふふふっ。
 『そんな目で見ないでくれ』『俺はそんなに根性がある奴じゃない』
 『俺はそんなんじゃない』・・・ってさ。ふふっはははっ」
主人公「・・・・・」
片桐「くふっふふふっ・・・!ふふっ・・・あっはははっははっは!
 とってもファニーね、デリケートさんっ!」

主人公「 だ ま れ ぇ ぇ !! 」
ドカドカドカドカドカドカドカドカドカドカドカドカドカドカドカドカドカドカドカドカドカドカ!!
片桐「あははは、怒った怒った!」
主人公「だまれだまれだまれだまれだまれだまれ――――っ!」
メキッ
片桐「 シ ャ ラ ッ プ 、 負 け 犬 !!
 あははは、怒った!デリケートさんが怒っちゃったわぁ〜!」

408 :名無しくん、、、好きです。。。@\(^o^)/:2014/09/24(水) 21:53:59.07 ID:va5fMhVL.net
え?もう終り?

409 :名無しくん、、、好きです。。。@\(^o^)/:2014/09/25(木) 02:23:22.04 ID:MvJU4qi9.net
パロディの一発ネタかね

詩織って恋愛に関して秋葉流みたいな感情抱いてそうだな

410 :名無しくん、、、好きです。。。@\(^o^)/:2014/12/12(金) 13:44:09.82 ID:MI0dhhN0.net
せやろか

411 :名無しくん、、、好きです。。。@\(^o^)/:2015/01/11(日) 12:41:36.33 ID:tZmgZPTP.net
如月「紐緒さん・・・・っていいましたっけ
 あなたは科学力に優れた素晴らしい超兵器の発明家だそうで
 しかし私の領域(テリトリー)の中では、あなたただの厨二病ですよ」
紐緒「・・・・」
詩織「紐緒さん!!挑発よ、乗っちゃダメ」

詩織「紐緒さん!!」
紐緒「『あつい』と言ったから何だというの?
 私が『あつい』と言えばあなたが私を殺せるとでも言うの!?」

如月「あ〜あ・・・・言っちゃいましたね」

412 :名無しくん、、、好きです。。。@\(^o^)/:2015/01/13(火) 16:36:53.70 ID:Q3e1CxPO.net
>>411
片桐「鏡さん、オレンジジュースでいい?」
鏡「ええ」
詩織「私も同じのでいいわ」

鏡「あ、ついでに氷も入れてくださるかしら
  コップも透明なのがいいわね、ストローもあったらお願いね」
片桐「注文が多いわね〜」

 ド ク ン

鏡「!?」
如月「二人目ですね」

詩織「どうして!?」
片桐「ホワット!?鏡さん『あつい』って言ってないじゃない!!」

詩織「あ・・・」
片桐「あっ」

片桐「しまっ・・・!」
バァーン

413 :名無しくん、、、好きです。。。@\(^o^)/:2015/01/15(木) 00:45:06.05 ID:Hs4x8bt2.net
紐緒「解剖してやるぜぁー!」

414 :名無しくん、、、好きです。。。@\(^o^)/:2015/01/29(木) 01:50:44.03 ID:7I+MxoXb.net
文系は如月さんのが得意なんだよね

415 :名無しくん、、、好きです。。。@\(^o^)/:2015/07/30(木) 01:32:54.94 ID:F9m774Mw.net
ウィルソン「我々がこのたび20世紀に来たのは、
       21世紀の公人が廃人になってるからです」
好雄「そんなバカな、どうしてそういうことに?」

グレンチコ「一言で言うと爆弾汚染です。苺メット爆弾はもちろんですが
       特に爆弾による詩織の傷心度の汚染は詩織爆弾をも誘発し
       公人は振られてついに致命的な精神破壊を受けます」
ウィルソン「我々は、将来の公人の悲劇を救うためにやってきました」

好雄「救うったってあんた、一体どうやって?」
ウィルソン「詩織を、マッッサツするのです!」
エミー「ここに一冊の本があります」

416 :名無しくん、、、好きです。。。@\(^o^)/:2015/07/30(木) 01:34:44.28 ID:F9m774Mw.net


ウィルソン「詩織は消えた。Mr.伊集院から連絡があった」
好雄「詩織ちゃんがときメモから消えた…」
グレンチコ「そう、我々の計画通りにいった、そこまでは…」
好雄「そこまでは?何か計画外のことでも?」
ウィルソン「詩織の代わりに…陽ノ下光が現れた」
好雄「陽ノ下光!?」

伊集院「確かに藤崎家は高見家の隣から姿を消した。
     だが同時に、高見家の隣に陽ノ下家が出現した!」
好雄「同時に!?詩織ちゃんが消えたことと何か関係が…」
伊集院「まだ何もわからない…。
     だが公人君は詩織君以上の脅威に晒されることになったわけだ」
外井「レイ様!陽ノ下光が公人様の下校に…!」

417 :名無しくん、、、好きです。。。@\(^o^)/:2015/07/30(木) 01:36:51.16 ID:F9m774Mw.net


好雄「あの幼女があんなになって!」
伊集院「詩織君がまた戻ってきた」

ウィルソン「詩織が、復活したとは…」
グレンチコ「考えてみればどこの中学に詩織をワープしようと
       詩織のきらめき高校入学は避けられなかったかもしれない」
ウィルソン「我々がせっかくマッッサツしてやったのに…」
グレンチコ「おろかな時代だ、救いようの無い原始人どもだ」

ウィルソン「ワレワレノヒロインヲ、シオリトタタカワセロ!!」



高見「奴はもう一度、我々のために戦ってくれる」
ウィルソン「ユケッ、陽ノミョト光!」

418 :名無しくん、、、好きです。。。@\(^o^)/:2015/12/18(金) 15:49:50.38 ID:XJHlwJII.net
飼育

419 :名無しくん、、、好きです。。。@\(^o^)/:2016/09/16(金) 00:49:44.03 ID:jNlUsScb.net
今更ながら、初代ときメモの小説をコツコツ書いてる。

420 :名無しくん、、、好きです。。。@\(^o^)/:2017/02/13(月) 22:24:49.10 ID:oJ27EDju.net
今の若い衆の思い描くヒロインってこんな感じなんだろうな・・・
良くも悪くも現実思考になったというか・・・
俺たちの頃(23年前)は脳内の理想の世界を味わうのが主流だったから
マジ、時代も変わったよなぁ〜
https://www.famitsu.com/images/000/126/468/589ade7d0b0ca.html

421 :第二理科室(別館) ◆ALSOK.E/CI @\(^o^)/:2017/03/03(金) 14:56:43.09 ID:ELW4B7Dl.net
今日は館林の誕生日だな

422 :名無しくん、、、好きです。。。:2017/10/10(火) 21:27:25.61 ID:1yxQr3Hq.net
リプレイ日記形式でいろんなサイトの読んでると面白いね

423 :名無しくん、、、好きです。。。:2017/10/10(火) 23:07:37.24 ID:7c14DEZ1.net
>>422
昔はときメモのSSサイトいっぱいあったよね 今はほとんど更新凍結状態になったり、無くなっているけど
最近読んで、面白かったサイトを幾つか紹介してくれないかな?

424 :名無しくん、、、好きです。。。:2017/11/30(木) 13:43:31.74 ID:viCuw7bt.net
MAG速とは

・前のサイト名は来世から本気出す
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・ネガティブな記事やアニメ・声優下げが顕著
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・特定のアニメや声優ネタの連投ばかりで飽きられている
・偏った内容の記事やコメントが目立ってしまうからアンチ量産
・アニメ・ゲーム・漫画・声優業界の癌細胞でしかないアフィカス

※記事内容を信じないようにしましょう (不快ならブロックリストで非表示に)

425 :名無しくん、、、好きです。。。:2018/01/13(土) 23:05:16.67 ID:pd+RepoC.net
ギャルゲームじゃないけどお得なネット情報館
グーグル検索⇒『稲本のメツイオウレフフレゼ』

DHEO2

426 :名無しくん、、、好きです。。。:2018/08/06(月) 01:32:31.11 ID:V0s2Alg9.net
質問なんだけど、伝説の樹って桜の樹じゃないよね?
画像からは樫の木っぽいけど

427 :名無しくん、、、好きです。。。:2018/08/07(火) 05:27:35.66 ID:9N6ciNsUM
>>426
ピンとくるソースが見つからなかったが、wikipedia内、ラジオドラマのあらすじとメモ4のあらすじに、桜の樹との表記がある。おっしゃるように樫や、けやき、あるいはくすのき、といった樹の方がイメージには合うのだけれど。

余談になるが、ヤエベニシダレという桜の大樹が、某所で実際に卒業式の日にこの木の下で成立したカップルは(ry 的な伝説をあてがわれていたらしい。気になればそちらも調べてみて。

428 :名無しくん、、、好きです。。。:2018/08/09(木) 12:16:41.94 ID:y9c91Lzm.net
>>426
桜じゃないね。
桜なら華が散った後に葉が芽を出して、枝を覆うからね。
設定資料にはなんとも書いてないので分からないな。

429 :名無しくん、、、好きです。。。:2019/04/27(土) 14:18:57.09 ID:i6t1Ifnk.net
そうなんだ

430 :名無しくん、、、好きです。。。:2019/05/06(月) 23:24:06.03 ID:SlNZ91lk.net
po

431 :名無しくん、、、好きです。。。:2019/12/03(火) 14:39:02.88 ID:XmStN28i.net
一体どれだけのSSが消えたのだろう。

432 :名無しくん、、、好きです。。。:2019/12/25(水) 19:07:08.34 ID:Ui7If2DK.net
メリークリスマス!

433 :名無しくん、、、好きです。。。:2019/12/29(日) 19:58:55.17 ID:kHWvNlet.net
寂しくなりましたね。

434 :名無しくん、、、好きです。。。:2020/01/04(土) 19:34:30.91 ID:2L3ApL1P.net
https://i.imgur.com/GOJkTVV.jpg

435 :名無しくん、、、好きです。。。:2020/01/05(日) 00:38:26.07 ID:hedUyG/1.net
>>434
この文章、日本語がおかしいよ
×学校に、ブルマを復活してください→○学校に、ブルマを復活させてください
あと「実際のタイム」って何のこと?まったく意味分からん
よく2chのスレにいきなりコピペの政治的意見などを書き込む奴いるけど、
こんなところに書き込むより、文部科学省に請願するための署名活動でもしたら?

436 :名無しくん、、、好きです。。。:2020/01/10(金) 06:57:26.10 ID:KnLJ/Vgk.net
だーれもいない

437 :名無しくん、、、好きです。。。:2020/02/04(火) 12:55:07.93 ID:gtAlQOKS.net
>>434
何の脈絡もないスレに突然
・憲法改正9条改定に賛成しましょう
・日本の核武装に賛成しましょう
・ブルマを復活させましょう
とか書き込む奴はバカ以外の何物でもない
実効性がない無意味なことだということに気づいていないのかな
ガキなんだろ

438 :名無しくん、、、好きです。。。:2020/02/04(火) 14:33:48 ID:J3p+Et9P.net
マルチにレス付けるだけ労力の無駄だからスルー推奨(´・ω・`)

439 :名無しくん、、、好きです。。。:2020/08/14(金) 00:42:16 ID:kO4j5qSV.net
2のキャラクターが非常によかったから、今度書いたら投下しに来るね。

440 :名無しくん、、、好きです。。。:2020/08/18(火) 21:08:55 ID:aPT0DWfw.net
439です。有言実行しに来たよ。最近になってときメモを知ったばかりのにわかだから、所々ベテランの知識や解釈と異なるのは
勘弁して欲しい。2の赤井ほむらがすごく良かったから書いたから、今から投下していくね。連投規制に引っかかりませんように……。

441 :赤井ほむらの猪突猛進 1/13:2020/08/18(火) 21:11:05 ID:aPT0DWfw.net
「ほむら、デートしようぜ」
「へ?」
 メシの最中に電話をかけてきたと思ったら、あいつの開口一番がそんな一言だったもの
で、つい間抜けな返答が出てしまった。
「いや、デートしようぜ、って」
「そりゃ聞こえてるよ」
「何か変なこと言ったか?」
「別に変じゃねえけどよ、お前いつも『遊びに行こうぜ』って誘ってくるだろ」
「あー、それなんだけどさ」
 高校生活で多分一番たくさん一緒に遊んだあいつとあたしの関係は、前代未聞のあの卒
業式の日から少し変わった。前進した、と言えばいいのかな。頭のバカなあたしにだって
へったくそだったと分かるあんな告白でも言いたいことは伝わってくれたらしく、ちゃん
とあいつから「好き」って意思表示を聞けた。ほんの2,3週間前なのに、思い出すだけ
でまだ顔が熱くなる。
 なんでもあいつが言うには、友達同士から恋人同士になったんだから、始めからそうい
う風に誘って一緒に出掛けてみたかった、って事らしい。
「デートか……まぁいいや。もちろん行く! いつ行くんだ?」
 遊びに行くのとデートするのって、何が違うんだろうな。よく分からないけど、何とな
くウキウキしてくる。
「ちょっと急なんだけど、今週の土曜、午後1時集合でどうだ?」
「オッケー。明日だって行けるぜ」
「悪いな、四月以降、大学の予定がまだどうなるか分からないからさ、今月中がいいんだ」
「おう分かった。じゃあ、ラーメン伸びちまうから――」
「あっ、待ってくれ! お願いがあるんだが……」

442 :赤井ほむらの猪突猛進 2/13:2020/08/18(火) 21:12:46 ID:aPT0DWfw.net
 翌日、あたしは一人でブティックへ買い物に来ていた。まだ残っていたお年玉を、とり
あえず全額引っ掴んで。
「可愛いカッコ、ねぇ」
 『できるだけ可愛い恰好で来て欲しい、ほむらのセンスに任せるから』なんてリクエス
トをあいつはぶつけてきた。以前のあたしだったら絶対、間違いなく「めんどくせえ」っ
て断っていた。何しろ、持っている私服は未だに、面白そうだからという理由で買ったも
のばかりで、周りのコみたいな女の子らしいものなんてロクに持ち合わせが無かった。あ
いつの趣味なんだろうけど、クリスマスプレゼントにくれたスカートは好評だったし、あ
たしのお気に入りの一着でもあるんだけど、それももう何回か履いていってたから、今回
は見送ることにした。
「うーん……」
 とはいえ、どこからどう見たらいいものやら。様々なテナントの店が立ち並ぶフロアの
ディスプレイを少し眺めてはまた歩いて。あたしはぐるぐるしてばかりだった。可愛いの
を真面目に選んでうまくいく自信はそんなになかったけど、他ならぬあいつの期待には応
えたい。「いいぜ、あたしの本気を見せてやるから期待してろよ」なんて威勢よく言って
しまったし。でも――ちゃんと気を遣ってみた服装にあいつがどんな反応をしてくれるの
か、それが何より楽しみだった。
 可愛いって言ってくれっかな。見惚れちゃったりすんのかな。……あー、まだ何を着て
いくかも決めてない内からドキドキしてきてるのが分かる。
「……お客様?」
 目の前で何かがヒラヒラしているのを見て、我にかえった。店員があたしに手を振って
いた。「何かお探しですか?」というキレイな営業スマイル。
 とりあえずここ見てみっか。案内されるまま、ブースに足を踏み入れる。

443 :赤井ほむらの猪突猛進 3/13:2020/08/18(火) 21:14:45.09 ID:aPT0DWfw.net
「デートだなんて素敵ですねー!」
 見知らぬ人へ馬鹿正直に話すこともなかったな、なんて思いつつも、店員に事情の一部
を説明した。ちらと視線を巡らせると、大人っぽいの、派手なの、結構色々なのがある。
値段がいくらなのかはここからじゃ分からないけど、結構しそうだ。
「コーディネートはどんなのにするか、考えてたりします?」
「うーん、まぁ、何となくは」
 スカートは必須だよな。あいつを驚かせたいから、いつものイメージとはちょっと違う
のがいい。暗めの色は、いつものイメージと違うけど、あたしには似合う気がしなかった。
 吊るされた衣服をあれでもないこれでもないと手に取りつつ眺めていると、ある一着が
目に留まった。
「これ……」
 オレンジ色のワンピース。制服とか例のスカートとは違って、長くて裾がヒラヒラして
る。ハンガーを棚から外しただけで、空気の上をふわっと踊る。うっすらと向こう側が透
けて見える下半身部分が、なんとなく涼しげなのに、温かそうでもある。姿見の前に立っ
て自分の体に合わせてみると、足首がすっぽりスカートに隠れた。
「お客様、アクティブ系な印象を受けますけど、普段そういうのも着られるんですか?」
「いや、まったく。ワンピースって持ってなくて」
 こういうタイプの服で唯一の例外といえば、一回だけ着たあのドレスくらいのもんだな。
積極的に着てみたいって思ったことはない。
「案外イケちゃうと思いますよ! 試着してみます?」
 スカートの緩いヒダが、腕にじゃれついてきた気がした。
「……うん」
 試着するだけならタダだし、このワンピースには興味を惹かれた。このふんわりした感
じと明るさ、いいよなぁ。試着室に入れてもらい、上着だけ脱いでそれを被ってみると、
サイズ感は悪くない。丈が長すぎて引きずることも無いし、横や後ろを見ようとして体を
ねじると、それについてくるロングスカートがさらりさらりとなびく。内側に隠されてい
た値札もチェックしておく。これならいける。

444 :赤井ほむらの猪突猛進 4/13:2020/08/18(火) 21:17:21.29 ID:aPT0DWfw.net
「へぇ〜……いいなぁ、これ」
「お客様、いかがですか?」
 試着室の外から尋ねてくる店員に、カーテンを開いて見せてみる。ぱっちりした目が大
きく見開かれた。
「いいですよ! すごくいい! 似合いますね!」
「へへ……可愛い?」
「めちゃくちゃ可愛いです! 普段のお召し物とギャップがあるなら、なおさらですよ」
「……じゃ、これ下さい」
「ありがとうございまーす!」
 営業トークに乗せられちまったかな。でも、あたし自身がこれでいいと感じたんだから
これでいい。同じように選んだ浴衣とか水着だって気に入ってもらえたんだから、きっと
大丈夫。万が一ヘンだったとしても、あいつは懐が深いから、笑ってくれるよな。
「他に何か見ていかれますか?」
「この時期ワンピースだけだと寒いよなぁ……カーディガンとかあります?」
「ええ、ございますよ。ご案内しますね」


 数十分後、『楽しいデートになるといいですね』なんていう、白のカーディガンもしっ
かり買わせて満足げな店員の声を背中に受けながら、小奇麗な紙袋を手にあたしはその店
を後にした。これでオッケーだな、と思いながら、あいつがどんな顔するんだろう、って
また思い描く。楽しみだな。大盛り上がりになったら、初めてのちゃんとしたデートはど
うなっていくんだろう。まだ手を握ったこともないけど、一気に進展して……?
「いやいやまさか、初回からそうはならねえだろ。けど……」
 全くもってありえない、とは言い切れないし、ちょっとした弾みで見えたりする可能性
だってある。
「せっかくだし、いいのつけてくか……」
 出口に進みかけていた足を路線変更、下着売り場も見ていくことに決めたのだった。

445 :赤井ほむらの猪突猛進 5/13:2020/08/18(火) 21:19:08.41 ID:aPT0DWfw.net
 土曜当日。抜けるような空は心地よく晴れ渡っている。ポカポカと暖かいけど、風が強
い。髪をポニーテールにして正解だった。
 そういえば、去年も一昨年も、これぐらいの時期に中央公園に誘われたな。春風に乗っ
て舞う桜の花びらが、それを思い出させてくれた。
 あいつはどこだ。いた。まだこっちを見つけてない。ゲートの柱に寄りかかって、本を
読みながら、時々顔を上げている。嬉しくなってきた。声を張り上げて呼びかけたい唇を
噛み、駆け寄りたいのを我慢し、歩く人波に紛れてゆっくりと忍び寄る。
「よ、待たせたな」
「……ん? ああ、ほむ――」
 掌から文庫サイズの本がべしゃりと滑り落ちた。
「お望み通り、本気出して来てやったぜ」
 落とした本を拾おうと屈んだあいつが、見下ろすあたしの陰に入った。
「……っ」
 咳払いと同時に、合わせた視線が逸らされる。おーおー、耳を赤くしてやがる。なかな
かいいリアクションじゃねーか。
「ほれほれ、恥ずかしがってないで何か言えよ」
 サムズアップがにゅっと突き出てきた。
「いい、すごくいい」
「どうだ、嬉しいか?」
「……ありがとう。感激だ。期待してたよりずっと可愛い。こんなに可愛い彼女とデート
できるなんて幸せだよ」
「へへ、そんな言い方……照れるぜ」
 だらしない顔になるのをこらえるようにあいつははにかむ。それを見ているだけで口元
が緩みそうだし、なんだか暑くなってきた。
「ほ、ほら、行くぞ。桜見に来たんだろ?」
 高鳴っていく鼓動が体を突き動かすみたいで、勢いのままあたしはあいつの手を握りし
めていた。

446 :赤井ほむらの猪突猛進 6/13:2020/08/18(火) 21:21:58.68 ID:aPT0DWfw.net
 並木道の桜の木にはまだ咲きかけのものもあるけれど、多くは満開を迎えている。そこ
そこの人通りはゆったりと流れていて、あたしたちみたいにちょくちょく立ち止まってい
る人も多い。囲いの無い木も中にはあって、たいていそういう場所はもう場所取りを済ま
せた花見客にキープされてしまっている。
「綺麗だよな〜。何度見に来ても飽きないぜ」
 思わずため息をつく。中央公園は刺激が少なくて退屈だけど、この季節だけは話が別だ。
「今年も見に来られて良かったよ」
 頭一つ分高い所からあいつが相槌を打つ。掌を握りしめるようにしていた互いの手は、
歩く内に指を絡めあうつなぎ方に変わっていた。
 一緒になってバカみたいにあっちこっちで遊び回ってたあいつとこういうカンケイにな
るって、同じ桜を見てた高1や高2のあたしはちらっとでも考えたことがあっただろうか。
思い出そうとしたけれど、去年から今年の間だけでもあまりに色んなことがありすぎてす
ぐには思い出せなかったし――繋いだ、というより、大きなゴツゴツした手に包まれるみ
たいになった右手に伝わってくる熱が、そんなことを考える余裕を与えてくれなかった。
 青空から流れてくる花びらを視線で追いつつ、何度もあいつと目が合う。
「……何だよ。あたしの顔に何かついてるか?」
「いや……その、ほむらが可愛くて、つい」
「!! ……よ、よせって。ほら、歩く時に余所見すんなよ。転んじまうぞ?」
 一瞬、呼吸が止まった。いやまぁ、狙い通りというか狙い以上というか、願ったり叶っ
たりなんだけど、すげームズムズする。もっと褒められたいけど、互いの体温が伝わるこ
んな距離で言われると、恥ずかしくてたまらない。

447 :赤井ほむらの猪突猛進 7/13:2020/08/18(火) 21:24:06.38 ID:aPT0DWfw.net
 枝同士が触れ合ってできた桜のアーチをくぐったりしていると、花見客を狙った屋台が
見えてきた。
「何を食べるんだ?」
「まだ何も言ってねーだろ」
「えっ、食べないのか?」
「バカヤロー、こんな時にしっかり食わねぇでどうすんだ。食うに決まってるじゃねーか」
 たこ焼き、フランクフルト、焼きそば、ジェラートにクレープ……りんご飴もある。ど
れもいいな。焼きそばの屋台の辺りから漂うソースの匂いに、体の中から空腹感が沸き起
こってくる。
「お前、どれにすんだ?」
「昼飯は食べてきたしなぁ。アイスにしようかな」
「屋台あんのにそんだけしか食わねーのかよ。もったいねえなぁ。んじゃ、ちょっと買っ
てく――」
 踏み出そうとしたら、右手が後方に引っ張られた。
「……お前も来いよ」
「ん? どれ買うのか分からないし、ここで待ってるよ」
「い、いいから」
 手を離したくねえんだよ、って言いかけたけど……そんなこと口にしたらあたしはその
場で茹でダコになっちまう。
 ほどけそうになった指をぐいと捕まえて、一歩二歩。あいつもすぐに握り直してくれた。

448 :赤井ほむらの猪突猛進 8/13:2020/08/18(火) 21:26:19.38 ID:aPT0DWfw.net
 腰を下ろす所を探すこと数分。良さそうな場所にはことごとく先客がいる。そりゃそう
か。みんな同じこと考えるよな。歩き回っている内にもうフランクフルトは無くなったし、
すぐ食えそうだからと手に持っていたチョコバナナもあと一口。左の手首に提げた袋には
まだまだ色んなものがあるけど、このままだとうろうろしてる間に空っぽになりそうだ。
 混雑してきたし河川敷公園にでも行こうか、とあいつが提案してきて更に歩くこと数分。
中央公園とは違って、こっちには数えられそうなぐらいにしか人がいない。ちょっと湿り
気を帯びた風がひゅうと吹き抜けて、草の香りを運んでくる。芝生の緑の中に、鮮やかな
花の色が目立つ。ここにも春があるな。
「桜の木、見えなくなっちまったな」
「やっぱり見に戻る?」
「食ってからでいいよ。いい加減冷めちまう」
 土手から河川敷へ繋がる石段に腰を下ろす。熱心に握りしめてたのに、食欲に負けてる
みたいでごめん、と心の中であいつに謝りながら右手を離した。
 焼きそばは思いのほか、まだホカホカと温かい。隣に腰を下ろしたあいつは、時間が経
って結構溶けてきたジェラートアイスのカップにようやくスプーンを刺した。
「ほむら、退屈してないか?」
「全然。なんでだ?」
「俺のワガママに付き合わせちゃったかな、ってちょっと思ったんだ」
 良く言えば静か。悪く言えば何もない。あたしからすれば、河川敷公園に遊びに来る理
由は無い。でも、あいつと一緒にいれば絶対楽しいんだから、そんなことはどうだってよ
かった。
「こういう所、お前が好きなんだろ?」
「まぁな。俺のお気に入りだ。一人でこういう所に来てボーっとするの、好きなんだよ」
「だったらあたしも好きな場所ってことでいいよ。お前のワガママに付き合わされてるっ
て思ったら最初っからこねーって」

449 :赤井ほむらの猪突猛進 9/13:2020/08/18(火) 21:27:46.23 ID:aPT0DWfw.net
「……ありがとう。今日はさ、ほむらとゆっくりしたかったんだ」
 シャクシャクとカップをかき混ぜながら、あいつはパクパクとアイスを口に運ぶ。白い
アレ、バニラ味かな、なんて横目で覗き込みながら焼きそばをズルズル食っていたら、あっ
という間にパックが空っぽになってしまった。
「な、アイス一口くれよ。甘いもの欲しくなっちまった」
 ああいいよ、とあいつがカップを差し出す。スプーンから、程よくとろけたのを一口。
 果物の爽やかな甘さ。バニラじゃなくてピーチだ。
「うめーなこれ。もう一口もーらい。……ん?」
 スプーンを咥えたあたしを見て、あいつが何やら固まっている。
「ははーん、お前、間接キスとか気にするタイプ?」
「いや、べっ、別にそんなわけでも」
「何なら、直接しちまうか」
「え――」

 風が止んだ。

 やべえ、やっちまった。

 それに気が付いたのは、あたしが顔を離した後だった。

 確かに接触した。まだその感覚が残ってる。

「わ……悪い。つい勢いで……。雰囲気無かったよな」

 ファーストキスってもう少しこう、いいムードの中でするものだって思ってたのに、こ
れじゃただのイタズラだ。

「赤井ほむら」
「お、おう」

450 :赤井ほむらの猪突猛進 10/13:2020/08/18(火) 21:33:51.00 ID:aPT0DWfw.net
「そこから動くなよ」
「え、あ?」

 もしかして怒らせちゃった? 右肩を掴まれた。
 真顔のあいつがゆっくり近づいてくる。いや違う、なんか角度がついてる。
 もしかして、これは。多分、こうした方が。ギュっと目を閉じる。

「…………」

 何も来ない。
 まだかよ。
 するならこう、一気に来てくれよ。

「…………」
 じれったくなって左目をうっすらと開ける。瞬間、額にぺちっとした微かな振動。
 デコピンされた!? あたしはカッと目を見開いて「バカヤロー!」って言おうとした
けど、その叫びは……あいつに吸い込まれてしまった。

 時が、止まっている。
 ほんの数秒前まで聞こえたはずの、風にそよぐ草の音も、遠くに聞こえた犬の声も消失
した。それなのに、自分の鼓動がやけに響いてくる。

 ちょっと息苦しさを覚え始めた瞬間、あたしにくっついていた柔らかくしっとりしたも
のが離れていった。

「……俺たちの雰囲気って、こんな感じだろ」
「お……驚かすんじゃねーよ、バカヤロー。この……ば、バカ……」
「それは俺のセリフだ」
 さっき食べたばかりのアイスの味が濃くなった気がする。口の中の甘ったるさがどんど
ん強くなって、体中が熱い。
 遊んでて楽しい時とは違う高揚感が全身を駆け巡ってて嬉しい一方、叫びたいぐらい恥
ずかしい。

451 :赤井ほむらの猪突猛進 11/13:2020/08/18(火) 21:35:15.27 ID:aPT0DWfw.net
 でも――さっきやらかした瞬間の気まずさは、完全にどこかへ行ってくれた。

「な、たこ焼き食おうぜ」
 袋の中にあった最後のパックを出して、片方の竹串をあいつに握らせる。さすがに冷め
てるけど、火照った今のあたしにはちょうどよかった。
「一つ、思い出した」
「思い出した、って何のこと?」
「2年の修学旅行でさ、夜景見に行こうぜ、ってあたしが誘ったの、覚えてるか?」
「あー、あったあった」
「あの時すげーいい雰囲気でなんか甘酸っぱ〜い気分になってて、その場の勢いで……こ、
告っちまおうかな、って思ってた。でも、その時の気持ちを何て言い表したらいいのか全
然分かんなくて、何も言えなかったんだよな」
 あいつが目を丸くした。
「なんだ……脈アリだったのか」
「え? もしかしてお前も、あの時……?」
「完全にタイミング逃した、って後悔してたんだ、俺はずっと」
「……いつから?」
「いつから、って」
「い、いつから、その……あたしのこと、すす、す、す、好きだったんだ?」
 刺激が強すぎる暴露話。今となっちゃ昔のことなんてどうだっていいけど、異性として
意識されてた期間の長さは気にならないわけがない。
「……一年の夏かな」
「い、一年?」
 その頃なんて、ただの面白い遊び友達ぐらいにしか思ってなかったぜ。
「縁日とか花火大会とか、誘ったら来てくれただろ。ああ、こういうのにノッてくれるん
だったら、警戒されてないんだな、って」
「ま、楽しそうだったからなー」

452 :赤井ほむらの猪突猛進 12/13:2020/08/18(火) 21:37:17.63 ID:aPT0DWfw.net
「お前には分からなかっただろうけどさ。俺、遊びに誘う電話する時、いつもドキドキし
てたんだぜ。オッケーもらってはしゃいでたしな」
「へー……ほー……ふーん……あー、何かニヤけちまう。嬉しいぜ。ありがとな」
 恥ずかしさとは違う、じわりとした温かさが胸の内めがけて溜まっていく。いい気分だ。
「でもよ、それなら何でお前から言ってくれなかったんだよ。『赤井さん』って呼んでた
のが、いつの間にか下の名前で呼んでくるようになって、あんなにたくさん二人で遊んで、
デートスポットみたいな所もたくさん行って、そんなことが続けば、あたしだって女なん
だから『もしかして』って期待しちまうだろ。二人っきりでクリスマスプレゼントまでく
れたのに何にもしてくれねえもんだから、いよいよ後がねえってんで卒業式で最後の手段
に出たんだからな、あたしは。お前の罪は重いぜ」
「……悪かった、ごめん。お前と友達同士のままでいるのが心地良くて、『恋愛対象じゃ
ない』なんて言われたらこの関係も壊れてしまうと思って、踏み出せなかったんだ」
「……うん……分かるぜ」
 ああ――長いこと『友達以上恋人未満』ってヤツだったんだ。
 修学旅行の夜にやろうとしたことがずっとできなかったのは、きっとあたしもこいつと
同じ思いを抱えてて、臆病になっちまってたからなんだ。
「でもよ、もういいんだ。思い出は思い出。もう過去のことだし、あたしは土壇場の大逆
転勝利を収め、感動の最終回を迎えたってわけだ。最高のヒーローだろ?」
 残っていた最後のたこ焼きを頬張る。空っぽになったパックに視線を落とすと、不思議
と気分が軽くなったような気がした。
「何だよ、最終回って。終わっちゃうのか?」
「第一部はな。今はもう第二部が絶賛放送中だぜ」
「そうか……そうだな」

453 :赤井ほむらの猪突猛進 13/13:2020/08/18(火) 21:40:52.03 ID:aPT0DWfw.net
 空の高い位置にあった太陽も随分西に傾いて、青一色だった空が少しずつ茜色に染まっ
ていく。
「そろそろ行こうか。なんだか風が冷たくなってきたよ」
「帰るにはちょっと早いよな。まだ遊ぼうぜ」
 差し出した右手が、温かさに包み込まれる。
「ゲーセンでも行くか? 俺も遊びたくなってきた」
「行く! 今日はあたしが勝つかんな。格の違いってヤツを見せつけてやんよ」
「そう言ってこの間も負けたヤツが何か言ってるぞ」
「うるせー、三度目の正直だ。分からしてやる……!」
 数えきれないほど繰り返してきたいつものやり取りに、心が落ち着きを取り戻していく。
 さっきみたいに甘々なムードに浸るのもたまらなかったけど、あんな時間がずっと続い
てたら、心臓がいくつあっても足りねえぜ。たまになら……そう、たまになら、さっきみ
たいにイチャイチャしたい。
 一応そこそこ高い下着をつけてきてたけど、その出番も無くて安心した。もしそこまで
一気に進んでたら、頭がおかしくなっちまってたな。
 ――でも、いつかは……いつかって、いつだ?
 結局、ゲーセンの筐体に辿り着くまで、妙なムズムズにあたしは揺さぶられたままなの
であった。


 終わり

454 :名無しくん、、、好きです。。。:2020/08/18(火) 21:44:16.23 ID:aPT0DWfw.net
以上。ほとんど流れが無いスレみたいだから、少しでも活性化になってくれれば……!

455 :名無しくん、、、好きです。。。:2020/08/22(土) 13:35:05.59 ID:qXJrmmdr.net
SS探してても見つからないor数が少ない。需要があるのに供給がない。
どうして盛り上がっている当時に作品を知らなかったんだ。
自給自足したから鬱憤を晴らしに来たよ。人もいないから……いいよね。
大体2年秋ぐらいの時期のお話。13レスほど借ります。

456 :紅いハイビスカスとピンクのバラ 1/13:2020/08/22(土) 13:35:58.21 ID:qXJrmmdr.net
 うだるような夏の暑さもすっかりなりをひそめ、引っ張り出した長袖を着ていても汗
をかく気配すら無くなった。もう秋だ。数週間前は団扇をパタパタ扇ぎながら歩いてい
る人だらけだったのに、今は街中ではためくものと言えば、店の前にあるのぼりぐらい
のものだ。休日の駅前広場は人通りも多くそこそこに多く、流れている人を避けるよう
にして、俺みたいな待ち合わせ中の人が端っこに立っている。
 時計台に視線を送る。俺の待ち合わせ予定時刻まで、あと2,3分ぐらいか。何事も
なく辿り着ければいいんだけど、なんて、普通ならば大袈裟どころか荒唐無稽なことを
考えながら、内心で手を合わせて待ち合わせ相手の無事を祈った。
 それから数分。駆け寄ってくる姿を見て、俺はホッと胸を撫で下ろした。
「ごめーん、遅れちゃったよね」
「大丈夫だよ、俺も少し前に来たばかりだったから」
 人混みに紛れていてもすぐに見分けがつくぐらい、寿さんはいつだってカラフルだ。
それなのに、けばけばしさは感じられず、派手過ぎる一歩手前でうまくバランスを取っ
ている感じがする。今日だって、大阪の食い倒れ人形みたいな紅白ストライプのジャケッ
トを着ているのに、コミカルな印象を受けない。おしゃれだよなぁ。
「今日は無事だった?」
「ねー、聞いてよ! すっごくラッキーなんだよー! トラックと一台も遭わなかった
し、ノラ猫ちゃんに引っかかれただけで済んだのー!」
 鼻息も荒く、寿さんは右の手の甲を差し出して指を開く。親指の付け根と、手首の辺
りに絆創膏が貼られている。猫に引っかかれるなんて十分に運が悪いのだけれども、い
つもの寿さんを知る今では、おみくじでいう所の中吉から大吉はあるような気がする。
「待たせちゃってごめんね。行こ」
「先に家電の所見に行っちゃおうと思うんだけど、いい?」
「うん!」

457 :紅いハイビスカスとピンクのバラ 2/13:2020/08/22(土) 13:38:57.03 ID:qXJrmmdr.net
 寿さんは「すっごくラッキー」だと言っていたけれど、すっごくラッキーなのは俺の
方だ。今回は、一緒に出掛ける口実がたまたま発生して自然にそういう流れになり、勇
気を振り絞って誘う必要が無かったからだ。さらに、途中で大きな事故に遭うこともな
く、寿さんは元気にやってきてくれたじゃないか。それだけで、もう俺は嬉しい。
「寿さん、目覚まし無くて大丈夫だったの?」
「うん、待ち合わせが午後だったからねー」
「ははっ、それもそうか」
「ねー、もう何を買うか決めた?」
「いや、あんまり考えてなかった」
 壊れた目覚まし時計を買い替えるのなんてわざわざ誰かとするような用事じゃない。
それこそ一人で買い物に来れば済む話なのだが、隣に寿さんがいるのは、彼女も目覚ま
し時計が壊れて買い替える必要がある、という話になったからだった。今までで最も長
持ちしたので十ヶ月だったらしい。やたらと運が悪いとは聞いているし、その片鱗も見
ているけれど、一体そうなる原因がどこにあるというのだろう。
「そっかー……じゃあ、一緒に選ぼー! 美幸も、今度の時計何にするか楽しみだなー!」
「楽しみ?」
「そうだよ! 壊れちゃって直らないのは悲しいけどー……また新しいのと出会えるん
だから!」
「寿さんは前向きだな。俺も見習わないと」
「えへへ……そんな、大袈裟だよ」
 この人は凄い、と俺が心底思ってやまないのは、こういう考え方だ。寿さんにかかれ
ば、大抵の嫌なことは良いことに変わってしまう。たとえ今から豪雨が降ってきたとし
ても、楽しい気分になってしまうに違いない。
 駅前から見える場所にあったから、家電用品店にたどり着くのはすぐだった。時計の
置いてあるフロアにエスカレーターで登り、それらしいコーナーにさしかかると、壁に
もショーケースにも一面の時計。俺たちの目当ては目覚まし時計だけど、壁掛け時計の
コーナーでつい足が止まった。

458 :紅いハイビスカスとピンクのバラ 3/13:2020/08/22(土) 13:40:01.46 ID:qXJrmmdr.net
「見て見てー! 鳩がポッポーって」
 ちょうど午後2時になった所だったようで、小窓の中から白い鳩のモデルが飛び出し
てきて、二回鳴き声をあげた。その隣では振り子時計のリズムに合わせてオルゴールが
流れている。
「ああいうの、寿さんの家にはある?」
「うーん……昔はあったみたいなんだけど、美幸が小さい頃に壊れちゃって、普通の時
計にしたって言ってたよー」
「家のリビングにも、凝った壁時計は無いな……。学校にあるみたいな、無機質なアナ
ログ時計だよ」
 定時になっていっせいに動き出した壁掛け時計のアクションが一通り終わったのを見
届けて、俺たちはまた歩き始めた。いくら休日とはいえど、こういうものを買いに来る
人はそう多くないようで、客足はまばらだ。程なくして、目覚まし時計が所狭しと並ぶ
ブースが見えてきた。
「すっごいねー! これいっぺんに鳴ったら大騒ぎだよねー!」
「想像したくもない……」
 ベルが鳴るモデル、数字がキャラクターのデザインになっているモデル……みんな機
能は同じなのに、デザインでこれだけの差別化がされている。とりあえず動けばいいや、
ぐらいの気分でいたが、こうなると色々見て選んでみたくなる。コーナーの一角には、
壊れた時計と同じものも置いてあった。
「ねーねー、どれにするの?」
「こんなにたくさんあると迷っちゃうね」
「せっかくだからさー、お互いの選んでみない?」
「えっ?」
「美幸がキミのを、キミが美幸のを選ぶのって、楽しそうだなーって」
「俺が選んで、寿さんのセンスに合うかな……?」
「とりあえず、やってみよ? ダメそうだったら、自分で選ぶからだいじょーぶだよ」
「……よし、分かった。やってみよう」
 俺が首肯すると、寿さんはにっこりと目を細めた。じゃあ、決まったら合流しよう、
ということになって、お互いキョロキョロと辺りを見回し始めた。

459 :紅いハイビスカスとピンクのバラ 4/13:2020/08/22(土) 13:40:59.97 ID:qXJrmmdr.net
 どういう基準で選ぼうか。見た目だと……寿さんなら、可愛いキャラクター物がよく
似合うよな。ただ、最も長持ちした時計でも十ヵ月だと言っていたから、頑丈な物の方
がいいかもしれない。電池まわりのトラブルも多そうだ……。あまり思い入れの湧かな
い無機質な物の方が、もしもまた取り換えなくちゃいけなくなった時にドライな気分で
いられるかな?
 何を選んだら一番喜んでもらえるだろうか。カンニングができるのならばそうしたい
気分だった。
 寿さんは何にするんだろう。後ろを向くと、彼女もあれこれ手に取ってはしげしげと
眺めている。ディスプレイの品物を壊しちゃったりしないかな。そんなことがふと心に
浮かび上がる。
 十分ぐらい悩んで、何とか俺は一つだけ選ぶことができた。
「寿さん、決まった?」
「うん、もう決まってるよー!」
 これなんかどうかな、と言いながら寿さんが見せてくれたのは、木枠で縁取られた四
角いアナログ時計。手触りがサラサラしていて心地良い。
「こういうの、キミに合いそうだな、って思うんだー」
「シンプルだな、これ……って、あ、猫がいる」
 数字のデザインにもどことなく和の雰囲気が漂う中、模様かと思ったら、文字盤の中
央に白い猫が丸まっている。
「さりげなく可愛いね」
「でしょー? こういうのなら、男の子の部屋に置いても大丈夫、かな?」
「確かに、いいね。俺の部屋、インテリアらしいものなんてあまり置いてないから。こ
れにするよ」
「へへ、良かったー! で、で、そっちはどんなのを選んでくれたの?」
「……これ。どうかな?」
 俺が選んだのは、直方体のデジタル時計。一見ただの黒い箱に見えるけど、青のLEDが
時刻を表示してくれるようになっている。
「電池が充電式になってて、コンセントに繋げばチャージできるから、電池を交換しなく
ていいんだ。表面がゴムで覆われてて、ちょっとやそっとぶつけたぐらいじゃ壊れないだ
ろうと思って」

460 :紅いハイビスカスとピンクのバラ 5/13:2020/08/22(土) 13:42:09.95 ID:qXJrmmdr.net
「すごいねー! 美幸の目覚まし、乾電池が爆発したり、朝起きたら床で割れてたりした
から、いいかもー!」
「み、見た目はどう?」
「デジタル時計って初めてだけど、新しい感じがしていいねー! 今までの美幸だったら
選ばなかったよ!」
 甲高い声で、これにするー! と言って、寿さんは時計を大事そうに抱え込んだ。
「こういう方向性の選び方もあるんだね! 新たな境地に目覚めそうな感じがするー!」
「……よかったよ」
 本当に気に入らなかったのにポジティブに受け止め直しているだけなのかも、と不安が
よぎったけれど、無邪気に笑っている寿さんを見ていると、その不安はすぐに掻き消えて
いった。
 互いに選んだ目覚まし時計を自分のカバンにしまい終えて店を後にする。合流した時は
若干雲が多かったが、晴れ間が広がっていた。ひゅうと一陣の風が吹き、寿さんの長い髪
が中空に舞う。
「天気、良くなったね」
「ホントだー、さっきより晴れてる!」
「今日は、ラッキーデー?」
「うん! ねぇ、美幸、見に行きたいお店があるんだけど、いい?」
「いいよ、行こうか」
「オッケー! じゃあ、早速いこー!」


 先導されるようにしてやってきた先は、何度か見に来た(本当に見ただけ)こともある
ファンシーショップだった。ただ、記憶の中にあるものと店の様子が違っている。随分と
繁盛しているようだけど、何が……?
「ここね、最近リニューアルオープンしたばっかりなんだよー」
「ああ、それで人が多いのか……?」
「どうしたのー?」
「なんか、男が多くないか? 普通こういう店って女の子に客層が偏ると思うんだけど……」
 店内に入る人、出てくる人を見ると、こういう店には似つかわしくない姿が妙に目立つ。
並んで出てくる女性も同じぐらいいるようだから、男に偏っているというわけでもなさそう
だけど、一体何だろう。

461 :紅いハイビスカスとピンクのバラ 6/13:2020/08/22(土) 13:43:37.89 ID:qXJrmmdr.net
「あっ! ねぇねぇ」
 寿さんが俺の名前を呼ぶ。見て見て、と視線を誘導された先にはセールの掲示があった。
『リニューアル記念セール! 全品40%オフから! カップルは70%オフ!』
「最低でも40%、場合によっちゃ70%も……!」
 だから、男が多いのか。ということは、ここを出入りしているのはカップルばかりなのか。
 隣の寿さんが同じ部活の友達でしかないことに悔しさを覚える自分が切なかった。
「入ろー?」
 俺を招く寿さんの瞳はどこまでも澄んでいて、胸の高鳴りを覚えつつも、デートしている
つもりでいる俺が邪に思えてしまった。
「これかわいーねー……あっ、あれもー……」
 混み合う店内で、寿さんの視線はキビキビと動き回っている。俺が一つの商品を見る間に、
三つか四つぐらいは見ているのではなかろうか。カタツムリのようにのろのろと棚の商品を
眺めていると、小銭入れが目に入った。先月財布を買い替えたばかりだけど、思ったより細
かいお金の出し入れが不便になっていたな、と思い出しながら、水色の小銭入れを手に取る。
「……ん?」
 穴に通されたリングに、もう一つ同じようなサイズの小銭入れが付いている。ペアで使う
のを前提にしているのかな。ひっくり返してみてみると、花の刺繍があしらわれている。水
色の方は、赤いハイビスカス。エメラルドグリーンの方には、ピンク色のバラ。持ち運びの
利便性は申し分ない。最低でも40%オフは保証されているわけだし、値段もそこまでしない。
男が持つアイテムとしてどうなんだろう、と思わないでもないけど、買おうかな。
「何見てるのー?」
「ああ、小銭入れ買っておこうかな、って思って。安いし」
「二つもいっぺんに使うのー?」
「うーん、一つは予備ってことにするにも、そんな頻繁に取り替えるものでもないし……」
「お花の刺繍、キレイだね。色の組み合わせもいい感じー」
「……寿さん、片方持っていく?」
「えっ?」
「あっ、い、一緒に使おうって言うんじゃなくってさ。小銭入れ欲しいんだけど、使うのは
一つで十分だし……」

462 :紅いハイビスカスとピンクのバラ 7/13:2020/08/22(土) 13:44:32.27 ID:qXJrmmdr.net
「それならー……」
 冗談半分で、笑い飛ばされるつもりで言った提案――それと俺の弁解――を聞いて、寿さ
んは手元の小銭入れに視線を落とした。
「もらってもいいー?」
 ふんわりと寿さんが笑う。
 でも、気のせいだろうか。一瞬だけ、瞳に翳りが見えたような気がする。
「……いいよ。どっちにする?」
「どっちもいいなー……キミが選んで、残った方にするー」
「じゃあ……」
 会計が終わるまでに考えておく、と言いながら、考える時間を稼いだ。俺はどちらでもよ
かった。となれば、どちらを寿さんにあげるか、だ。キャラクター系の小物を身に着けてい
ることが多い彼女には、どちらの花が似合うのだろう。花ということは、花言葉があったり
するんだろうか。だが単なる男子高校生が花言葉になんて精通しているわけがない。悪い意
味のものを渡してしまったらどうしよう。
 レジまではほんの十数秒しかなかった。いや、まだだ、会計が終わるまでは……。
「お客様、お客様」
 柔らかい笑みを浮かべた店員に、多く支払い過ぎていると指摘された。
「あちらの女の子と、ペアで使われるのでしょう?」
「い、いえっ、俺たちはそんな――」
「初々しいですね。お付き合いを始めて間もないのですか?」
 こんなことを寿さんに聞かれては、と思って背後をちらりと見たが、幸か不幸か、俺の隣
や後ろにはいなかった。どこか別のコーナーを見ているようだ。
「……まだです。た……ただの友達なんです。だから、この金額で……」
 思い切り声をひそめる。ただの友達、と言葉にすると、口の中が苦かった。
「ありがとうございました。またのお越しをお待ちしています」
 大量にお釣りが返ってきた。包んでもらった商品をもらう瞬間「頑張ってくださいね」な
んて励まされるおまけつきだ。
 会計を終えて振り返ると、俺の背後に何人かの列が形成されていた。その中には寿さんの
姿もある。

463 :紅いハイビスカスとピンクのバラ 8/13:2020/08/22(土) 13:46:44.27 ID:qXJrmmdr.net
「先にお店の外で、待っててー」
 そんなことを言う寿さんは右手に何かを持っていたようだったが、体に隠れて見えない。
 店の外で、二つの小銭入れを繋いでいたリングを外していると、寿さんも会計を済ませて
店から出てきた。
「じゃあ寿さん、これを」
 結局どちらを渡すかを決定できないままに俺が渡したのは、水色の、ハイビスカスの花が
ついた小銭入れだった。
「ありがとー! じゃあ美幸からも、これあげるね」
 差し出した右手に、何かを乗せられた。
「寿さん、これは……?」
「美幸からのお礼ー」
 砂時計だった。ただ、俺が知っている、試験管のような無職透明のケースではなく、深い
青のガラスケース。黄色い砂が中でサラサラと揺れている。
「時計で被っちゃって、ごめんねー」
「へえ、砂時計ってこういうのもあるんだ……海の中みたいで、キレイだなぁ」
「そうなんだよー。定価がちょっと高かったけど、思いっきり値引きしてもらえたからラッ
キーだったの」
「ありがとう、寿さん」
「へへ……どういたしましてー」
 いつものようにニコニコしながら、寿さんが水色の小銭入れとリングをカバンにしまった。
「さて、どうしようかな」
 お互い、夕方には解散する予定になっているけれど、まだそこまでの時間は残されている。
しかし、カラオケに入ったりするには足りないし、ちょっと中途半端な時間だ。
「どっか行くー?」
「そうだな……お茶でもしていく?」
「いいねいいね! 行こー!」

464 :紅いハイビスカスとピンクのバラ 9/13:2020/08/22(土) 13:48:22 ID:qXJrmmdr.net
 付近の施設で良さそうな所は、駅前のコーヒーショップだった。少しばかりの並びが発生し
ていたが、テイクアウトを注文する客が多かったのか、二人が座る場所までが埋まってしまう
ことは無いようだった。
「席空いててラッキーだったね」
 先に席を取っておいてくれた寿さんに、キャラメルマキアートを差し出す。ラッキー、とい
う言葉に、彼女は顔をほころばせた。
「ねぇ、ハイビスカスの花言葉って、知ってるー?」
「……ごめん、俺、花言葉とか全然知らないんだ」
 花言葉――先程の懸念がもう的中した。素直に謝るほかなかった。
「赤いハイビスカスだと『常に新しい美』とか『勇敢』っていうのがあるんだよー。美幸は勇
敢じゃないかもだけど、アクセとか小物で新しい物結構買ったりするから、そういう所、合っ
てるなーって思ったんだー」
「へー、そうなんだ。よく知ってるね」
「ちなみにー、ハイビスカス全般だとね……『繊細な美』と、それから――」
 ぱっちりした大きな瞳にじっと見つめられる。体温が上がりそうだ。
「……へへへ、何だったっけ、忘れちゃったー」
 何かを言いかけた寿さんが、はにかんで視線を逸らした。
「えっと……俺が持ってるこれは?」
 ポケットにしまっていた小銭入れをテーブルに出す。ピンク色のバラが咲いている。
「んーとね……バラの花言葉ってすっごくたくさんあって、色とか本数でも変わってくるんだー。
美幸も全部を知ってるわけじゃないけど……ピンクのバラは『幸福』だったかなー」
「幸福? じゃあ、こっちの方が、寿さんに合ってるんじゃないかな。今からでも交換する?」
「ううん、いいよ。もし美幸がどっちかを選べたとしても、ハイビスカスを選んだと思うから」
 寿さんは、小銭入れのハイビスカスを見て目を細めた。
「それにしても、不思議だな。花に言葉としての意味を持たせるなんて、どこから始まったんだ
ろう。俺には想像もつかないや」
「割と最近みたいだよー。フランスの貴族階級の人たちが始めたのが、200年ぐらい前、本になっ
て広まったんだってー。花の性質とか特徴から決めたのと、ふるーい文化から決めたのと、二種
類あるんだってー。最初に決めた人、すごいよねー!」
「寿さん、詳しいなぁ。すごいや」

465 :紅いハイビスカスとピンクのバラ 10/13:2020/08/22(土) 13:49:40 ID:qXJrmmdr.net
「えへへー……学校の勉強はできないし、キミみたいにテニスも上手くないけど、こういうのは
ねー……」
 ストローを咥えたすぐ傍の頬が、ほんのり赤くなっている。照れているのかな。
 それにしても、ピンクのバラは『幸福』なのか。今の俺の人生が果たして『幸福』なのかどう
かは分からないけど、寿さんとこんな風に二人で出かけて談笑できているこの瞬間は、間違いな
く幸福だな。これが、もっと先に進めればもっといいのに。


 先月行った修学旅行の話やら、追加で出された数学の課題のことやら、色々な話で盛り上がっ
ていたら、もう外が薄暗くなってきていた。いつだって、楽しい時間はあっという間に過ぎてし
まう。今日も、それは例外ではなかった。
「日が落ちるのがすっかり早くなったね」
「もう、秋だねー。夕方になると、ちょっとひんやりするしー」
 確かに、日中は涼しいと感じていた風も、今は少々肌寒さを覚えるぐらいだ。帰っていく人達
も心なしか急いでいるように見える。途中まで帰る方向が一緒な俺たちも、東口方面から流れて
いく人波に紛れていく。カラフルな寿さんは目立っていて、やっぱり見失いようがなかった。
 もう少しこの時間が長引いてくれれば、と思いながらも、俺と寿さんが別れる交差点までは、
残酷なほどにあっという間だった。
「よし、じゃあここで。また――」
「あ、ま、待ってよー」
 手を振りかけた俺を、寿さんが呼び止めた。
「あのー……美幸の家まで送って欲しいなー……って言ったら、困っちゃう?」
「えっ? いや、全然そんなことはないよ」
 むしろ喜んで、という言葉は、言いかけて慌てて飲み込んだ。そうか、もう少し一緒にいられ
るんだ、と思うと否応なしに胸が高鳴る。
「よかったー! もう少しお話したいって思ってたんだー! じゃあ行こ、こっちだよ」
 いつもは左折していく交差点を、今日は右折することになった。通ったことはあるけど、通り
慣れない道……見たことのある眺めが妙に新鮮だ。大丈夫だろうとは思いつつも、念のために自
分は車道側に立った。
「今日買い物した時さー、何%オフになったー?」
 店員のニコニコ顔と、多過ぎるからと返された釣銭が脳裏に浮かぶ。

466 :紅いハイビスカスとピンクのバラ 11/13:2020/08/22(土) 13:52:01 ID:qXJrmmdr.net
「……70%オフだった」
「やっぱり? 美幸が買ったのも70%オフだったよー! なんかー、ちょっと恥ずかしかったなー」
 歩く度に、頭頂部のアンテナがぴょこぴょこと揺れている。
「まぁ、男女二人で店に入ってきたら、そう見えるものかもね」
 そう見えていて欲しい、と内心で俺は付け足した。
「……ねぇ、ちょっと聞いてもいいー?」
「うん、何?」
「キミって、彼女いるの?」
「はっ!?」
 思わず素っ頓狂な声をあげてしまった。
「い、いや、いないけど。っていうか、今までいたことも……」
 そして、動揺からつい余計なことまで口走ってしまう。
「へー、そうなんだー」
「こっ、寿さんの方は、どうなんだよ」
 それが絶望を生むものかもしれないとは考えず、つい俺も尋ね返した。
 数秒の沈黙。心拍数が一気に跳ね上がり、肌が粟立つ。
「美幸はねー……いないよ、今は」
「今は? 前にはいたんだ」
 良かった、本当に良かった。動揺からの平静、急上昇からの急下降。背中に汗が滲む。
「何回かね、男の子から告白されて、お付き合いしたことはあったんだけどねー……」
 寿さんの声のトーンが下がっていく。
「……ダメだったんだー、みんな」
「ダメ、って」
「美幸と一緒にいるとどんどん悪いことばっかり起こっちゃってねー、『もうついていけない』っ
てフられてばっかりで……色々あったんだよー」
 いつもののんびりした調子の口調が、聞いていて痛々しいぐらいだ。俯いてしまった顔を覗き込
もうと思ったけれど、そっとしておいた方がいい気もした。
「一年の頃はあまり話さなかったけど、二年になってから、キミとはよく絡むようになったよねー。
一緒に遊ぶのも、もう5回目ぐらいかなー」
「あぁ、うん」
「一緒にいてすっごく楽しいしー、仲良くできて嬉しいんだー。でもね、美幸と一緒にいると、い
つかキミまで……」

467 :紅いハイビスカスとピンクのバラ 12/13:2020/08/22(土) 13:53:39 ID:qXJrmmdr.net
「そんなこと――」
「……キミのこと、傷つけたくないよ」
 寿さんは笑顔を作ったけれど、曇った目の、くすんだ作り笑いだった。
「そんなことにはならない!」
「え?」
「寿さんといて、不幸になんてならない。俺、証明する」
「どうやって?」
「寿さん、何があっても絶対めげないだろ。物事前向きにとらえてさ、細かい『ラッキー』をいつ
も見つけてるじゃないか。俺もそうする」
 拳を固める俺を見て、寿さんは一瞬目を丸くした。
「大丈夫なの? 大変だよ、絶対……」
「大丈夫だよ。大丈夫にするから」
 根拠なんて無いけど、不思議とそうできるような気がした。虚勢? いや、これは自信だ。
「分かった。じゃあ……また遊ぼうね、今日みたいに」
「今日は偶然だったけど、今度は俺から誘うよ」
 デートに、と言ってもきっと良かったような気がしたけど、そうは言えなかった。
「うん、連絡待ってるよ、美幸」
 立ち止まったり、歩いたりを繰り返している内に、初めて見る寿さんの家の表札が見えた。
「それじゃあ、本当にすぐそこだけど……じゃあね、また」
 今度こそ手を振って、踵を返した。帰ってゲームでもしようかな。
「……!?」
 寿さんの家に背を向けて歩き出そうとした瞬間、背中に衝撃。驚いて振り向こうとした瞬間、何
かが腰に巻き付いてきた。
「キミのおかげで、元気出たよ。ありがとー……」
 今までに聞いたことのないような、落ち着きはらった色気のある声。
「こ、寿さん……!?」
「美幸から誘っても、いいんだよね」
「あ、あのっ――」
 するりと腕が解ける。背後を確認すると、そこに立っていたのはいつものにこやかな寿さんだった。
「へへ……おやすみー」
「あ、あぁ、お休み」
 それだけを交わすと、今度こそ寿さんは、パタパタと駆けていってしまった。

468 :紅いハイビスカスとピンクのバラ 13/13:2020/08/22(土) 13:57:45 ID:qXJrmmdr.net
 背中越しに伝わってきた温かさ。密着した瞬間漂ってきた甘い匂いがまだ肺の中に残っているよ
うな気がして、俺は酔っぱらいになっていた。
 嗚呼、俺が背を向けてさえいなければ、ハグできたのかなぁ。嬉しさと口惜しさがトランポリン
で跳ねまわっている。
「――うッ!?」
 突如、アスファルトとは明らかに異なる感触が右足から伝わり、余韻が砂粒になって消えた。
 このぐにゃりとしたモノは、まさか、犬の――
「うおおおおおお……うあああああああ!?」
 思わず飛びのいた先の左足にはべしゃりとした水っぽい何か――人の口から飛び出た残滓――が
あり……足元を見下ろした俺は叫ばずにはいられなかった。
 なんということだ、なんというアンラッキー……いや、違う、これはアンラッキーなんかじゃな
い。ウンが、そう運がついたのだ。そうに違いない。
 こりゃあ、前途多難すぎるぜ。
 ヤケクソに夜道を駆けながら、俺は寿さんへのリスペクトをますます強めるのだった。


 * * * * * * * * * * * * * * * *


ハイビスカス全般の花言葉は「繊細な美」「新しい恋」。

「新しい恋」「常に新しい美」の花言葉は、ハイビスカスがその日のうちに枯れてしまう一日花で
毎日新しい花を咲かせることにちなみます。


 終わり

469 :名無しくん、、、好きです。。。:2020/08/22(土) 14:00:49.85 ID:qXJrmmdr.net
以上です。くそーこの渇望をどうすればいいんだ。誰かいいサイトとか知らないものかね。

470 :名無しくん、、、好きです。。。:2020/12/04(金) 13:43:51.11 ID:KgkfcKOL.net
特にコメントしません。10点

471 :名無しくん、、、好きです。。。:2020/12/08(火) 03:30:14.83 ID:doQhg88q.net
完全に詩織やと思ってたら館林からの告白なぜだろう

472 :名無しくん、、、好きです。。。:2020/12/08(火) 17:55:19.90 ID:0M+cOEeX.net
ステータスかデートの回数か好感度が足りないだけだろ

473 :名無しくん、、、好きです。。。:2020/12/11(金) 15:09:32.60 ID:GjAvGcSd.net
今日も楽しく詩織ちゃんのおっぱいもんで寝るか

474 :名無しくん、、、好きです。。。:2021/08/28(土) 03:38:37.72 ID:iEY1pmzc.net
https://i.imgur.com/lX3qvSP.jpg

475 :名無しくん、、、好きです。。。:2021/12/05(日) 19:45:28.80 ID:jNbg4LLM.net
ときメモ2の陽ノ下光ちゃん初めて攻略した時、ちょっと感動してしまった。
昔のいい思い出好きだったなぁー

476 :名無しくん、、、好きです。。。:2022/06/05(日) 09:46:31.83 ID:4PKEoS9k.net
リレーで実況!【各キャラの〇ん〇の直鑑賞】白雪真帆

これなんの罰ゲームよ?ていうかそのものだよ?でも、ぞくぞくするんね、みられちゃうの、〇ん〇するの?いやいや、みないで、
匂い嗅がないでよお、臭いなんていわないでよって、泣いちゃうの?そうなんだ?へ一すごいね?こんなん、だれが、かんがえたの?
で、なにぼやっとしてるの?ほら、ぬがせてよ、おろしてよ、そうそう、ああ、ストップ、ちがう、かたっぽだけ、脚から抜いてよ
そっちの好きなんだよねえ?知ってるって、変態くん?さあ、どうする?まずは、はい、どうぞ、さわるのはあとで好きなだけしていいよ、
あたしのお〇り、〇情した?そうねえ、あんたで6人目かな?あ一ごめんごめん、うそよ、うそ、男の子は、はじめてだから、いやん、
はあ、男は?って?もう、きずついたよ?は、はじめてなの?し、〇女なんだよ、あ、あたし、うん、みえないよね、遊んでそう?
白雪姉妹は、姉の方がって、ううん、なんでもない、きくな、いわない、直接聞け、聞けない?いえてるね、わかるわ、とにかく、
あたしの体、じゃなよ、ちがうもん、ぜんぶ、こころもからだも、あんただけのものだよ、よかったね一、あんた、ついてるよ、
あたしがえらんだんだから、覚悟してちょうだい、もう、一生はなさない、逃がさない、あんたもでしょ?だよね、そうでないとね
なになに?ああ、き、急にぎゅってされると力抜けちゃうよ、でも、あったかい、ね、ねえ?キ、キス?しよう、かかか?どうして?
なんで、あ、あんたのペースになってるのよ、えっ?だめ、また、ぎゅって、声でちゃうよお、お口ふさいで?うぷ、(ドキドキ)
(キスしちゃった、はじめて、くるわね、これくるわ、えっ?べろちゅ一?舌入ってきた一、気持ちいい、いやらしい、というか、
ひとつになってる感じ?ほしいよお、なめてえ、あたしにも、なめさせて、なめちゃうもん、とろけちゃうよお、もっとしてよ)、

477 :名無しくん、、、好きです。。。:2022/06/05(日) 09:47:23.83 ID:4PKEoS9k.net
はあはあ、あ、あんた、なによ?う、うまいじゃない?おかしいじゃん、なんでよ?なんでなのよ?うそだ?しんじらんない
うそうそ、うそだ、ばかばか、他の女としたんだ?したんでしょ?したんだだよね?してないわけないんだよね?やだやだ、
そんなのやだ、あんたは、あ、あたしだけのものなの!でも、他の女のとキスしたんだ?その先までいったんだ、そうでしょ?
あたし、泣くよ?泣いちゃうよ?もう泣くから、いま泣くから、すぐ泣くから、もう泣いたから、もっと泣くから、ずっと泣くから、
いつまでも泣くから、でも、あんたが、他の女としたとしても、くやしいけど、きずついちゃうけど、あ、あたし、ゆるしちゃうんだ、
ゆるしちゃうしかないの、だって、好きなんだもん、あいしてるんだもん、悲しいけど、つらいけど、無理だもん、あんたが、
となりにいないの、絶対無理よ、だから、ね?一回殴らせろっていってんだよ!おらあ!

えっ?ちがう、キスはじめて?うそだうそだ、うそつくなあ、えっ?ほんと?練習した?毎日?はあ?あ、あたしの写真で?
かああ、みないで、ほっぺ、あ、赤いから、あついから、は、はずかしよお、うれしいの、信じてほしい?そ、そうね、わかった、
そ、そういうことなら、まあ、いいかな、いいよね、あたし?うん、信じる、ごめんね、ごめんなさい、うたがって、あっ、

休み時間、終わっちゃったね?どうする?まあ、このまま、〇ん〇、がまんするの、体によくないからさ、あれも、かたっぽ、
ひっかかったままね、〇ん〇でたら、そのまま、早退して、いこうよ、どこって、そうねえ、あんたの家?あたしの家?ホ〇ル?
いったことないから、美帆に案内、いや、なんでもない、わすれて、わすれろっていってんのよ、ご、ごめんね、でも、ホテルでも?
えっ?ここで?いいわよお?あ一、こういうところがいいんだ?うんうん、変態なのね?はいはい、あんたの変態につきあったげる、
はい、決まりですから、よろしくね

478 :名無しくん、、、好きです。。。:2022/06/08(水) 07:35:29.08 ID:hOeAigE8.net
リレーで実況!【水無月琴子の〇ん〇の一部始終】水無月琴子

一琴子と八重さんのトイレでの一部始終一

琴子「あー、ごめん、わたし、トイレいっとく、さきいってて?」
八重「そう、あ、じゃあ、わたしも」
琴子「(チッ、ついてくんな)」

ざばあ、しーん、

じょろ、じょろじょろじょろー、じょろじょろじょろー、じょろじょろー、じょろじょろー、
じょー、じょじょー、ちょろちょろ、ちょろ、ぴた、しーん

八重「(はあ、すっきりしたあ、けど、琴子ちゃん?どうなってるかな?)」

しーん、しーん、

八重「あの?琴子ちゃん?音してないけど、し、してる?」
琴子「えっ?なにを?」
八重「な、なにって、あ、あの、お、お〇っ〇?よ?」
八重「でないんの?い、いたいの?で、出るところ?」
琴子「だ、大丈夫、病気したことないよ、すぐするから、まってて?」
八重「うん」
八重「(まってなんていないよ、すわって、ゆっくりして」

からからから、ざばあ、しゅるしゅる

八重「わたし、さきにでるね?」
八重「個室からはなれてるから」
琴子「うん、わかった」
琴子「(やっと、いったか)」

479 :名無しくん、、、好きです。。。:2022/06/08(水) 07:39:51.78 ID:hOeAigE8.net
ざばあ、しーん、しーん、

八重「(でも長いかな?音もしないよ、大丈夫?心配だよ)」

しーん、しーん、

八重「(琴子ちゃん、倒れてる?貧血おこしてないよね?)」
八重「(してるんだよね?ト、トイレですること)」

しーん、しーん、

八重「あ、あの、琴子ちゃん?ご、ごめんね、お、大きい方?してる?」
琴子「えっ?えっ?ち、ちがう、し、してないよ?」
琴子「はわわ、お、お〇っ〇よ、はわわ」
琴子「(花桜梨ったら、まだ、いたの?そとでててよ、もう)」

しーん、しーん

琴子「(くそ、なんて、かたいの?でかいの?お〇りの〇な、さけちゃうよ)」
琴子「(もうひといきなんだけど、ぐぬぬ、でろ、でてこいっての)」

八重「(琴子ちゃん、なにしてるのかしら?あ、もしかして、きちゃった?」
八重「あ、あの、琴子ちゃん、大丈夫?」

しーん、しーん

480 :名無しくん、、、好きです。。。:2022/06/08(水) 07:40:57.35 ID:hOeAigE8.net
しーん、しーん

琴子「(うるさい、話しかけるな、どあほ)」
八重「琴子ちゃん?わたしのでよければ、もってる、使って?」
琴子「(?)」
八重「き、きちゃった?とか?」
琴子「(ちがうわよ、くそ、あと、ひ、と、い、き)」
琴子「う一ん、ぐぬぬ、くそ、う一ん、ぬぬっ」
八重「(ぐぬぬ?)」
琴子「(ああ、さけるう、あいたた、いたいいたいよお)」

め〇め〇〇り〇っ、ず〇ず〇ず〇〇ぶ、ず〇〇ぶ、ず〇ぶ、
〇一、ぷ〇、〇すっ、ぴた、しーん

八重「(はっ!こ、これは!(///)、す、すごい(///)、こ、琴子ちゃん)」

琴子「(はあはあ、、で、でた、すごいでた、おおっきい(^^)やった!)」
琴子「(くっさー、はながまがる、あたまくらくらする、死んじゃうよ)」

八重「(…琴子(///)ちゃん…お…音が…す…すごいよ…)」

琴子「(あっ!血がでてるじゃん!やっちまった)」

八重「(…琴子(///)ちゃん…ここまで…く…くさいの…きてるよ…)」

琴子「(ひりひりするし、ぽたぽたってたれてるじゃん)」

八重「(なにも聞いてない、知らない、臭わない、ばれなきゃいい、がんばれ、わたし(///)、琴子ちゃんのため)」
八重「(わたしも、朝した、下品な音たてて、汚いの、大きくて長くて、く、臭いの(///)、琴子ちゃん、わるくない)」
八重「(出したあと、しばらく見てた、あきずに見てた、流したくなかった、また明日もしようと思った(///)、うそつかないよ)」
八重「(目あわさない、わらわない、泣かない、臭くないふり、平常心、がんばれ、わたし(///)、できる、やるんだ)」

481 :名無しくん、、、好きです。。。:2022/06/08(水) 07:42:51.16 ID:hOeAigE8.net
からからから、からからから、ざばあ、しゅるしゅる

琴子「ねえ?花桜梨?もってるんでしょ?」
八重「(もってる?なにをかな?)」
琴子「さっきいってたのよ、なかに投げてよこして」
八重「?さっきのって?ナ、ナ〇キ〇?なにに使うのかしら?)」
琴子「ほらほら、はやく、投げ入れて」
八重「う、うん、わかった、琴子ちゃん、いくよ」
八重「はい(えい)」
琴子「ありがとう、たすかったわ」
八重「ううん、なんでもないよ、〇ん〇してる間にきちゃったのかしら?)」
琴子「(血、とまりそうね、花桜梨のナ〇キ〇、〇門にあてて、家で、クリームぬって、座薬いれよう)」

ばた、

八重「あ、あの、琴子ちゃん、わたし、な、なにも、聞いていないよ(///)、しらないよ」
八重「なにも、しらないよ(///)、な、なかった(///)というか」
琴子「そう?ありがと」
八重「うん!ありがとう!」
琴子「(みんな知ってるよ、光とかも、あ、花桜梨、はじめてか?)」
琴子「(さすがに、あんなに血が出たのは、びびったけど)」
琴子「じゃあ、買い物してかえろう」
八重「うん」
八重「(あれ?琴子ちゃん、歩き方がおかしい)」
琴子「どうしたの?」
八重「琴子ちゃん?どっか?あし、ぶつけた?」
琴子「大丈夫よ、心配いらないわ」
琴子「(お〇りのあ〇が痛くて歩きずらいのよ、いたた)」
琴子「今日は、どんな、お花があるかしら、なにかってこうかしら」
琴子「(〇門にぶっさす薬草とかないよね?ないか)」
八重「うん、あした、教室に飾る分も、かえたらいいね」
琴子「うん、そうだね!」

482 :名無しくん、、、好きです。。。:2022/06/08(水) 22:44:20.77 ID:hOeAigE8.net
リレーで実況!【サイコパス八重さんのモノローグ】八重花桜梨

八重「(琴子ちゃんの〇ん〇、明日、教室で大々的に発表しよう、ぜんぶRecしてあるんだよ、盗撮ってことにするから、わたしだって、ばれないよね、大丈夫、ネットにはあげないよ、琴子ちゃん?)」

八重「(ごめんね、琴子ちゃん、わたし、琴子ちゃんが大好き、愛してるの、独り占めしたいの、だから、ぜんぶなくして、一人ぼっちで人間不信で絶望して自暴自棄になってもらうの)」
八重「(わたし、助けるよ、琴子ちゃんが汚れる前に、絶対見捨てない、闇落ち?大丈夫、わたしがしあわせにするわ、あっ!崖から背中押して突き落としたの、わたしだったね)」
八重「(万が一、琴子ちゃんが汚されてたら、助けるよ、きれいにしてあげるの、だって、琴子ちゃんはきれいじゃなきゃダメなの、こころもからだも、あらってあげる、流してあげる)」
八重「(それでも、汚いのが落ちなかったら、ごめんね、琴子ちゃん、助けてあげられなくてって、わたし、泣いちゃうよ、きれいにできなくて、わたしも、いっしょよ、一人になんかしないよ)」
八重「(一緒に飛び降りる?一緒に舌噛む?琴子ちゃん、はい、これ飲んで?甘いでしょ?そろそろ?すごく苦しそうだけど、心配よ、ごめんなさい)」
八重「(せめて腕に抱いてあげるよ、わたしを見て泣いてる、信じてくれてたんだね、一番信用しちゃだめなのに、ちがう、愛し合っていたんだから、信じてくれるわ)」
八重「(裏切ったんじゃない、誰よりしあわせになってほしいの、琴子ちゃん?苦しみと痛み、こんなに長くつづくの?まだ泣いてる、つらい、でも、責めても、うらんでもない)」
八重「(なぜ?こんなことしたのに?愛してくれるの?苦しんでも信じてるの?どうしよう?もう銃で殺す方がいい?ああ、銃はかくしておいたけど、みてたのね、首ふっていやがってた)」
八重「(こわかったの?銃が?痛いと思ったの?でも、くるしかったんでしょ?楽になれたんだよ?でも、いやいやして泣いていた、わたしも泣いて、二人みつめあっていた)」

八重「(琴子ちゃんの地獄は、終わらない、つづいた、おねがいだから、はやく死んでよ、そして、その時がきた、やっと死んだ、目は見開かれ唇からはあわ)」

483 :名無しくん、、、好きです。。。:2022/06/08(水) 22:45:34.53 ID:hOeAigE8.net
八重「(目を閉じて口をぬぐった、やっぱり、きれいだわ、ああ、大好き、愛してるよ、よかった、外傷はない、ブラウスをはだけ、ブ〇もとった、汗びっしょりね、さっきまで生きてたから)」
八重「(きれいなわきの下!ぷはあ、いい匂いだわ、わたしだけのものなの、でも、この発汗、急激な体温の上昇と発汗、体温調節は毒物摂取後も機能していた)」
八重「(匂いも由来が無味無臭だから、汚染されても、匂いまでは侵さない、おなかとむね、末端の手足の先以外にいくつも赤斑がでてる、血〇毒だから溶血作用ね)」
八重「(お顔に赤斑がなくてよかった、系統もちがう、構造もちがうからね、大好きな琴子ちゃんのお顔にあざつけたら、わたし、わたしがゆるせなくて、銃で頭打ちぬいてたもの)」
八重「(やすものの毒〇だから時間がかかるんだわ、神〇毒なら数十秒せいぜい2一3分以内で死ぬ場合もあるわ、そして、気になる事があった、苦しんでいる、その途中からだった)」
八重「(スカートに手をいれ、大きくだらしなく開かれた両脚の間、一瞬だけ手を触れた、そうよね、に〇いの元に下着の布ごしに手を触れた、お〇っこで床にひろがってるけど)」
八重「(〇ん〇は、下着でとまった、琴子ちゃん?琴子ちゃんが死んだあとのこと、どう思ってたの?わたしが見捨てたら、誰かに、もしかしたら、大勢の人に見られてたんだよ?)」

八重「(苦しかったから?痛かったから?なにも、考えられなかったの?ごめんね、琴子ちゃん、いっしょにお風呂入ろう、きれいにしよう、ごめんね、ごめんね)」

八重「(悲しかったでしょ?苦しくって、これから死ぬんだって、すごく怖かったでしょ?死にたくないって思ったのね、だから、どうしてあきらめなかったの?)」
八重「(泣いてたのに、がまんしたの?死ぬよりは苦しい方がいいって?助かると思ったの?そうだよね、だって、なにがおきたのか?わからなかったよね?)」
八重「(わたしが、琴子ちゃんにあげた飲み物、甘かったでしょ?美味しかったでしょ?毒が入ってて死んじゃうから、せめて、最期は美味しい飲み物、飲んでほしいって)」
八重「(冷たいぶどうジュース、わたしが作ったの、マスカットだから、しつこくないでしょ?全部のんでくれた、のこさなかった、でも、ちがうよね、美味しかったからでしょ?)」

484 :名無しくん、、、好きです。。。:2022/06/08(水) 22:47:14.14 ID:hOeAigE8.net
八重「(わたしが、毒入れたの、知ってたから、ちがうよね?入れた毒は無味無臭に近い、酸味があるとか、アーモンドの味がするとかじゃなくね)」

八重「(でも、琴子ちゃん、泣いてたね、わたしが、毒を入れたのがわかったのかな、死の予感?どうして泣いてたの!わたしのこと、好きだから、愛しているからとしか思えないのよ!)」
八重「(どうして?毒入れたわたしが好きなの?嫌いになるでしょ?にくいでしょ?どうして責めなかったの?ゆるしてくれたの?苦しいのに?どうして?どうして?どうしてなのよ!)」

八重「(銃があるの、知ってたのに、わたしが、撃てば終わるのに、出そうとするだけで、いやいやして、もっと、泣いた、そして、苦しんで苦しんで)」
八重「(体の中いたくて、あざできてたのに、お〇っこも〇ん〇も、お〇らしして汚くなって、でも、銃は怖かったの?どうして、わたしを責めなかったの、うらまずおこらず、ゆるしてくれたの?)」

八重「(泣きながら最後まで苦しんで死んだんだ、そして、すくわれたのは琴子ちゃんじゃない、わたしなのに?どうして、ゆるしてくれたの?)」
八重「(わたし、負けたんだよ、すくわれて負けるなんて、わたし、琴子ちゃんのこと、もっともっと、好きになっちゃう、もう、琴子ちゃんはいないのに)」
八重「(大好きな琴子ちゃんがいないんじゃ、もっと、好きになっても、しかたないの、どうすればいいの?撃たなかった、琴子ちゃんがのぞまないなかったから、それでいいんだ)」

八重「(やっと死ねたんだ、命がもたなかった、よろめいてた体から、何もかも絞りつくされ、最期の力を出したところで、動かなくなった、たぶん、意識は少し遅れた)」
八重「(うすれていく意識、おわったのね、しあわせになりたかたよって、つぶやいたんだ、くるしかったのに、しあわせのこと、おもってたんだね)」
八重「(すごくながかった、苦しんだ時間、ごめんなさい、ほんとうに、ごめんなさい、いつも琴子ちゃんのしあわせばかり考えていたのに)」
八重「(すこし、汚れただけで、見捨てた、殺した、たった一人の大好きな女の子を、罪滅ぼしなんてできないんだ、ちがう、ゆるしてくれたのは、琴子ちゃんだった」

485 :名無しくん、、、好きです。。。:2022/06/08(水) 22:48:15.62 ID:hOeAigE8.net
八重「(泣かせちゃった、涙が出た、ふるえた、後悔した、殺してしまったこと、大好きな女の子を、誰より愛していたのに、はじまりは片思いだった)」
八重「(わたしは、必死に努力した、気づいてもらいたい、振りむいてもらいたい、自然と仲良くなった、女の子同士、でも、わたしはちがう、欲しかった)]
八重「(体がほしかったの、琴子ちゃんと寝たかったの、お〇んこもあなも、お〇ぱいも、だから、琴子ちゃんを破滅させた)」
八重「(だれも振り向かないように仕組んで、弱っていた琴子ちゃんを誘惑した、ごめんね、でも、この気持ちは本当なの)」
八重「(琴子ちゃんが、わたしのとなりでんている、すやすや、寝息をたてて、夜は、あんなに激しくしたのに、ああ、なんて愛しい女の子なの)」
八重「(天使?悪魔かしら、だから、琴子ちゃんに、きらわれないか?こわかったけど、告白したの、わたし、女の子が好きなの)」
八重「(だから、琴子ちゃんが好き、大好きっていった、愛してるって、子どもみたいに、小さくなって、打ち明けた、わかってくれた)」
八重「(わたしのことは、でも、やっぱり、そうなんだ、やっぱり、お友だちなんだ、琴子ちゃんは、普通の女の子だったのね、男の子が好きな女の子)」

八重「(くやしかった、どうしてこんなに好きなのにわかってくれないの、泣きながら、わかってよ、女の子が好きなのっていった)」
八重「(琴子ちゃんを愛してるの、わかってって、お祈りするように目を閉じ、おねがいした、琴子ちゃんは、びっくりしてたけど、となりにきて)」

486 :名無しくん、、、好きです。。。:2022/06/08(水) 22:49:53.72 ID:hOeAigE8.net
八重「(うん、わかった、わたしのことが好きなのね、でも、いいの?大事なことがあるの、知りたいの、聞いていい?)」
八重「(わたし、怖くなった、真剣な質問ってわかった、なにが知りたいの?わたし、答えられるかなって、思った、琴子ちゃんの言葉をまったわ、どきどきした)」
八重「(どうして、わたしが好きなの?女の子だから?そうだね、それはあるよ、でも、でも?なあに?おしえて、あ、あの、どういえばいいの?わからないよ?)」
八重「(なにが知りたいの?おしえて、おねがい、だめなら、あきらめる、わたし、琴子ちゃんが好き、みんなに好かれて、こころがきれい、尊敬してる、ルックスも好み、かわいい)」
八重「(やさしいし、髪の色も長いのも好き、だって、すごく似合ってるし、スタイルもいい、むねもお〇りも、きれいで、さ、さわりたいの、髪もからだにも)」
八重「(うん、うん、それから?、それからって?キスしたい、抱き合いたい、ね、寝たいの、あら、そうなの?わかる、わかるわ、わたしも花桜梨が好きよ)」
八重「(女の子が好きな花桜梨が、もしかしたら、わたしの方が恋しちゃったかも、大好きよ、でも、もう、ちょっとだけ聞かせて、そ、その寝たい?だったっけ?)」
八重「(オ、オ〇ニーしてた、いつもいつも、琴子ちゃんのこと、は、は〇かとか、そ、想像して?ご、ごめんなさい、きらわれちゃうよね)」
八重「(なみだがでてきた、きらわれたと思った、わかったよ、うん、花桜梨はきれいな子ね、こころがきれい、大好きよ、わたしたち、付き合おう、恋人同士で)」
八重「(これは、わたしの告白よ、おねがいします、付き合ってください、わたし、あなたが好き、あなたのぜんぶが好き、でも、わたし、あなたが好きなの)」
八重「(あなたがあなただから、あなたしかいないの、あなたじゃなければだめなの、だから恋人になってください)」
八重「(あっ、そうだ、わたし、女の子が好きだったの?琴子ちゃんが好きだったの?どちらもあるけど、わ、わたしも、そうなの、わかった、ごめんなさい)」

487 :名無しくん、、、好きです。。。:2022/06/08(水) 22:54:37.96 ID:hOeAigE8.net
八重「(わたし、わからなかったんだわ、女の子が好きというのは、好きな理由のひとつ、わたしのいちばんの理由は、琴子ちゃんなの、琴子ちゃんじゃなきゃだめなの)」
八重「(わたしは、泣きだした、おしえてもらった、ありがとう、ごめんなさい、気がつかなくて、わたし、不合格だね)」
八重「(そうかな?わたしは、その前に、花桜梨が好きになった、花桜梨じゃなきゃいやって思った、絶対付き合いたい、恋人になってほしい)」
八重「(合格よね?じゃあ、間に合ったの?そうかそうか、わたしの告白は、琴子ちゃんと付き合いたいの、恋人になってほしいの、琴子ちゃん以外はだめ)」
八重「(いやなの、おねがいします、わたしは、おねがいした、あ?琴子ちゃんのおねがいは、もちろん、はいです!そしたら、横にいた琴子ちゃんがわたしを抱きしめたの)」
八重「(はわわ、こ、琴子ちゃん、だ、だめだよお、そんな、いきなり、急すぎるよ、〇ナ〇ーより気持ちいいことしようよ?いいでしょ?わたし、あ、あの、したことないから)」
八重「(うまくできるか、あっ!ちゅー?琴子ちゃんがキスしてきた、もう、だめ、すごい、舌絡ませるの?む、夢中になっちゃう、こ、こんなことされたら、わたし、なんでも許しちゃうよ)」
八重「(うんうん、そうだよね、わたしもなの、こんなこともしちゃうよ、ああ、お〇ぱ〇、いい、わ、わたし、はじめてなのに、こんなに感じちゃって、どうしよう)」
八重「(何もきてなかった、いつのまにか、ブ〇もパ〇ティも、いやいや、そこだけはみないでおねがい、せめてシーツでかくして、堪忍してください)」
八重「(ほんと、だめ、そこ、あ、あの、グ〇いの、オ〇ニーしてるからだめえ?、甘えちゃったの、大好きな人と寝るんだから、そう、女の子同士でセ〇〇スしてるんだもの)」

488 :名無しくん、、、好きです。。。:2022/06/08(水) 22:55:30.25 ID:hOeAigE8.net
八重「(わたし、はじめてだった、でも、琴子ちゃんは、わかってた、だって、あんなに、たくさんやさしく愛してくれたんだから、わかるよ、男としてたの、汚されちゃったんだ)」
八重「(琴子ちゃんを汚い手でさわって、なにもしらないからって、だまして入れたんだ、いたかったでしょ?琴子ちゃん?ゆるせない、だから、汚したやつを破滅させた)」
八重「(麻酔でねむらせ、わることしたむくいだ、とってやった、もう役に立たない、平らでなにもないから、そいつ、病院から失踪して行方不明だってさ)」
八重「(わたしも知らない、好都合だった、もともと、琴子ちゃんとは切れていた、ちょうどいい、すぱっと切れて)」

489 :名無しくん、、、好きです。。。:2022/06/15(水) 20:20:17.50 ID:6cGaucRk.net
「白雪美帆一夢見る少女であること、それがわたしがわたしであることのあかしだった一」

いつか、ちがう、もう限界だったの、眠り姫の夢に終わりがくることを、妹は知っていた、
真帆?真帆は、おねえちゃんに似なくてよかったね、しあわせになってね、
おねえちゃんにできなかったこと、夢をかなえてほしい

おねえちゃんは、だめだった、必死に守っていた、小さくても大事なものがぜんぶ壊れちゃったの、
残酷な現実にすべて踏みにじられて、こころがずたずたに切り裂かれた

おねえちゃん、帰るね、真帆はしらないよね、おねえちゃんだけがおかあさんにおしえてもらったの
とおい昔に、わたしたちが住んでいたふるさとよ、

ひとりにしてゴメンね、でも、わたしは、もう一度、眠り姫にもどって、夢見る少女になれる

真帆、もう一人のわたし、でも、切り離されたから、あなたは、わたしとちがう、あなただけのあなたになれた
あなたが妹なの、わたしのほこりよ、さようなら

おねえちゃん、どこに行ったのかは、いまはわからない、でも、かならずさがして、会いに行くんだ、
眠り姫の夢を覚まして、この世界でも居場所をいっしょにさがそう、大丈夫、わたしは、おねえちゃんの妹だもの

490 :名無しくん、、、好きです。。。:2022/06/16(木) 05:34:23.10 ID:3Y/kSewN.net
琴子「(花桜梨、わたしの〇ん〇のことも、気づかってくれた、ありがとうね、大好きだよ)」
八重「(あ、あれ、琴子ちゃんがこっち見てる(///)、はわわわ、どうしたの?琴子ちゃん?もしかして?)」
八重「(わたし、いいよ、琴子ちゃんなら、はわわわ(///)、どうしよう?琴子ちゃんの思い、うけとめて(///)あげたいよ、そうだ)」
八重「こ、琴子ちゃん?買い物の帰り、お家来る?おかあさんが作ったケーキがあるの」
琴子「(えっ?ケーキ食べた一い、まあ、少しくらいなら、おくれてもいいか、お〇り、血も止まったしね)」
琴子「うん、食べた一い、いくいく、花桜梨のお家、ひさしぶりだね、よろしくおねがいします!」

491 :名無しくん、、、好きです。。。:2022/07/02(土) 07:15:19 ID:wB9gXN+x.net
光「ほら!電車きてるよ、きみ、走って走って、早くしないと電車行っちゃうよ、あっ!」

電車におくれまいと走り出した光をおってワイも後を追いかけたんだが、
目のまえの光がいきなり躓いて前のめりにスっころんびそうになっただわ、うわ、あぶねえ

「あーあぶなかった、あたしったら、ほんと、転びそうだったよ」

でもさ運動神経のいい光は、通路の石畳に手をついて踏みとどまった
反対にどんくさいワイは、手をついておしりをこっちにつき出してる光に追突しちまったってわけ

492 :名無しくん、、、好きです。。。:2022/07/02(土) 07:15:54 ID:wB9gXN+x.net
それがわるかった、ワイは神様を呪った…じゃなくて感謝した、

ミニのスカートがめくれて光のピンクのパ〇ツにつつまれたお〇りがまるみえになっててさ
しかも、ワイは、その光のお〇りにあたまからつっこんじゃったわけなんっす

「わり一い光、ぶつかる一、ふわあ」
「きゃ?きみ?ど、どうしたの?」

なんとかふみとどまったもののワイの顔を光のお〇りが受け止めて鼻先は割〇目にめりこんだ

「きゃあ!きみ?そ、そんな、だめだよ」

「いま、いま、そんなことされたら、だめだめ、だめなの一あああ」
「ひっ、で、でるぅぅ!」
(ぶっ〇っ一一)
ひかりのお〇りの割〇目のくぼんだところから、下品な音がして、
ぶわっとガスがいきおいよくワイの顔にふきかかったんや
匂いは、「くっさー、わが人生に一片の悔いなし」ってやつかな

(バチバチ!バシリ一ン☆)

「バカバカ、あ、あたし、うわ一ん」

むきなおった光にひっぱだかれた、光はその場にへなへなとひざをつき腰を落とし
ふるえながら泣き出した

「光、わりい、でも、中身まで出なくてよかったな」とワイは、慰めようとしたんだが、

「ちがうもん!でちゃったの!もう責任とってよ!きみ一」

ワイは、着ていたジャージの上を光の腰に巻いて、トイレまで支えて歩いたってわけですよ

493 :名無しくん、、、好きです。。。:2022/07/02(土) 07:17:33 ID:wB9gXN+x.net
こいつ全部仕組んでやがった、最初からねらってたんやな

「うわ一ん、お嫁にいけないよ、ワイくんのせいだあ?」
「ちょっ、あの光さん?いくらなんでも」
「いきなり後ろからなんてえ、ひどいよ、ワイくん?」
「いや、あのまわりの人に誤解されるって」
「え一ん、こわかったんだから、はずかしかったんだから」
「泣かないで、涙ふいて、ハンカチかすから」
「そう?ありがと…でも、これはもらっておきます、証拠品よ、え一ん」
「うん、いいけど」
「友達に見られちゃったら、噂になっちゃうよ」
「不可抗力?いややっぱワイがわるいんか?そんな気がしてきたぞ」
「もう一生お嫁にいけない、ワイくんがわるいんだから?責任とってね?」
「わかったって、もう泣かないで、わかったから」
「くすん?なにがわかったの?」
「ああ、だから、ワイが責任とるって」
「くすん、ほんとに?」
「はいはい、約束するから(ごめんなさい〇〇先生)」
「ぐすん、うん、わかった、じゃあ、ゆるしてあげる(ニヤソ)」
「(やった一逆転満塁ホームラン勝ち、きちゃった!ざまーみろ、カス!ビッチ!)」
「えっ?大丈夫か?光?」
「う、うん、じゃあ、これから、よろしくお願いします、ワイくん」
「あ、ああ、こちらこそ」

494 :名無しくん、、、好きです。。。:2022/07/02(土) 07:22:58 ID:wB9gXN+x.net
「じゃあさ、ワイくん?」
「な、なに?」
「いこう?」
「えっ?どこへ?」
「そうねえ?お役所?それともきせいじじつつくりにいく?」
「きせいじじつ?光?漢字で発音してくれないと意味わかんないよ」
「だからあ、帰省事実?田舎に帰るの?もう、いいじゃん、なんでも、えへへ」
「ああ、わかった、おまかせしますわ」
「じゃあ両方!決まりね(ヤッホー!〇〇先生?みてる?あたし大勝利よ☆)」
「はいはい、さっさといくぞ」
「あ一言い方!」
「(おまえ、なに舌だしてんだよ、かわいいじゃねえか)」
「わかりました、じゃあ、いきましょう、お姫様」
「!(///)」
「うん、じゃなくて、はい、ワイくん」

495 :名無しくん、、、好きです。。。:2022/07/02(土) 07:27:20 ID:wB9gXN+x.net
「あ一〇〇くん、やっと来たあ、もう待ってたんだよ?」
「ああ、わりい」
「それでさ?話って何?」
「いや、じつは…おれ…」
「は!(///)」
「ちょっ、ちょっと、まって」
「えっ?ああ、うん」

(ガチャ)

「おい、光、なんで部屋の鍵かける?」

「ね、ねえ?きみは、彼女にするなら?ど、どんな感じの子がいいとか、あ、あるのかな?」
「り、理想のタイプ?…ど、どんな女の子なのかなあ?って思ってさ?」
「えっ?あ、あたし?…って…えっ…(///)…えっ?」
「じ、冗談?なっ、なによ、それ一?傷ついたよお?もう」

496 :名無しくん、、、好きです。。。:2022/07/02(土) 13:41:48.56 ID:wB9gXN+x.net
「えっ?あたしは幼なじみ?」
「そ、それだけ?」
「あ、あたし、きみが引っ越しちゃったとき車追いかけってたでしょ?」
「忘れちゃったの?えっ?見てなかった?」
「(くそ、何のために芝居打ったか?わかんないじゃん、ころんですりむいて…)」
「追いかけてさ、ころんじゃったんだよ?いたかったんだよ?泣いちゃったんだよ?」
「そうだったの?って、もう、思い出してよ」
「(ひざ、いまでもまだ痛むんだから、一生なおらないのに、あたしをきずものにしたのに)」
「もう、反省するまでここから出さない、部屋の鍵…かくしたんだから」
「どこに?って、いわな一い、おしえな一い、そんなこと、女の子に聞くもんじゃありませ一ん」
「えっ?飲み込んだ?ど、どこによ?」
「どこにって、おなかの中しかない?」
「ちがうでしょ!女の子は隠し場所いっぱいあるんだから」
「は!(///)」
「な、なんでもな一い」
「け、け〇のあ〇?」
「それ、女の子の前でいうかな?なぐるよ、きみ?」
「お、幼なじみだからいい?」
「そ、そうか、そうなんだ、…わかった…」
「ひ?な、なに、急に(///)!」
「あ、頭なでないでよ(うわっ、きみの手のひら、大きい、あったかい)」
「おちこんでなんかない、だ、大丈夫よ」
「(バタ)」
「あ一こうして横になると気持ちいい」
「(は!なにやってんのよ、あたし?猫がおなかむけてあまえるのとおなじじゃん?)」
「(てか、こいつ、あたしが横になってて、なんにも思わないの?感じないの?)」

497 :名無しくん、、、好きです。。。:2022/07/02(土) 14:13:58.03 ID:wB9gXN+x.net
「ね、ねえ?きみは横にならないの?」
「えっ?場所が狭い?」
「い、いいじゃん、あたし、幼なじみなんだから、多少、その、く、くっついてもさ」
「(バタ)」
「ね、ねえーあたし目つぶっちゃったよ?なんにも見えないよ?(ドキドキ)」
「(ペチャ)」
「キャ?(おなかさわられた?)」
「(上か下か、どっちかにしてよ、順番からいえば上だけど)」
「(でも、手あったか一い)」
「(というか、もっと動かしてよ、上か下に)」
「(こわいんだ?そっか、そうか、こわくないのに、あたし、ぜんぜん大丈夫、おこってないよ」
「(あったか一い、もっとあっためて、おなかだけじゃなくさ)」
「(いくじなし、もう、いいよ、あ、あたしが手をそえてあげるね)」
「(ほらほら、む、むねの方に動かすよ、あっためて)」
「(パタ)」
「キャ?(なんで?なんで手はなすの?もう少しだったのに、チッ)」
「(なにしてるのよ?ちょっと?えーい、目あけちゃおう)」
「あっ!」
「(ポカーン)」
「(ね、ねてる?熟睡じゃん、ちょっと、あんた?ねてる場合じゃありませんよ)」
「(あたしのお〇ぱいでいいよね、それなりにふくらんでるし、あと4センチだったのよ)」
「くすっ(よだれたらして、どんな夢みてるのかな?)」
「はっ!」
「(ズボン!ズボンの前が隆起してる?あっ!また大きくなった?)」
「(大丈夫かしら?これって?ぼ、ぼ〇きしてるって状態なの?)」
「(火山みたく噴火するの?かな)」
「(このままだとおそわれちゃうんじゃない?でも、お〇されたい)」
「う一ん」、ぶつぶつ」
「キャ!(なんか言ってる、どんな夢見てるのかしら、それともうそねしてるの?)」
「(この場合、あ、あたしが、誘った方がいいのかな?)」
「(それだけはだめ、女の子から誘うなんて、失敗したらきらわれちゃうよ)」
「(でも、がまんできないよ、してよ、していいから、大丈夫だから、あ、あたし、オッケーだよ)」

498 :名無しくん、、、好きです。。。:2022/07/02(土) 19:20:55.50 ID:wB9gXN+x.net
「うーん、ああ、よく寝た、よお、光、おはよう」
「えっ?あっ!お、おはよう、主人公くん」
「(これから襲うと思ってたら起きやがった、チッ)」
「光はよく眠れたか?」
「う、うん、まあまあかな、あはは」
「(あの状況で寝ろってのが無理っしょ?)」
「あ一そうだ、光、鍵開けて」
「えっ?いや、もっとお話しするの」
「(まだ聞きだしてないこといっぱいなんだから)」
「いいでしょう?」
「うん、話するのはいいんだけど」
「うん、なあに?」
「トイレ行ってくる」
「えっ?と、トイレ?」
「(まずい、想定外でもないけど、かくしてるとこがまずいのよ)」
「(あんたの目の前で取り出せないもん)」
「もう、すこしくらいがまんして、ね?」
「無理」
「も、もしかして、お、おおきい方?」
「ちがうけど」
「じ、じゃあ、大丈夫だよ、お〇っこなんて、女の子の方が我慢しづらいんだよ」
「ほう?なんで知ってるの?男のお〇っこのこと」
「え?そ、そうだね、なんでだろ?」
「にやり、おまえ、まさか?」
「ちがうちがう、保健体育で習ったの、ほんとよ?」
「ほんとかあ?」
「ムカっ!男の子のことなんて知らないっての、ばかばかばか、うわ一ん」
「おいおい、泣くなよ、わるかった、冗談のつもりだったんだけど」
「うるさい!あ、あたしが、あんた以外の男の子に興味あるわけないだろ!」
「ちくしょう!バカにすんな!あ、あたしは、うわ一ん」
「ひ、光…」

499 :名無しくん、、、好きです。。。:2022/07/02(土) 19:31:22.78 ID:wB9gXN+x.net
「もう、いい!」
「おい、光、なにしてるんだ?」
「なにって?鍵がいるんでしょ?」
「そ、そうだけど、なんでスカートめくってるの?」
「パ〇ツ脱ぐんだもん」
「へっ?な、なんで」
「鍵入ってるんだもん」
「ぱ、パ〇ツの中に?入れてたの??」
「ち、ちがうよ、あの、その」
「?」
「ぱ、パ〇ツの中にあるものの中にいれたの」
「な、なにそれ?どういうこと?」
「だ、だから、あ、あたしの、お、お〇ん〇の中に入れたの」
「あ、そ、そうなの…か…」
「うわ一ん、ばかばかばか」
「いや、光、もういい、ごめんな、大丈夫だから」
「大丈夫なわけないでしょ?まっててよ、すぐだすから、ぐすん」
「でも、後ろむいてて、おねがい、ぐすん」

500 :名無しくん、、、好きです。。。:2022/07/02(土) 20:08:03.01 ID:wB9gXN+x.net
「(あ、あれ?落ちてこない?)」
「(でてこない?とりだせないよ、奥に入っちゃった?)」
「(痛くないから、ひっかかってはいないよね、なんで?)」
「(自然にそとに押し出せるはずなのに、でてこない)」
「主人公くん、ちょ、ちょっと、まっててね」
「いや、ゆっくりでいいよ、大丈夫だからさ」
「あ、ありがと、あ、あたしがこんなとこにかくさなければ、ごめんね」
「いや、こっちこそ、わるかった、後ろむいてるから、ゆっくりでいいぞ」
「そ、その、あわてて、怪我しないようにしてくれよ」
「そ、それがね、なんか、奥の方に入っちゃって、でてこないの?」
「そ、そうか、姿勢とか、かえてみたら、どうかな?」
「いや、おれも女の子の体のことはわからないんだけどさ」
「ありがとう、でも、あ、あのね」
「う、うん、どうした?光?」
「て、手伝ってほしいかな?」
「えっ?て、手伝うって?」
「うん、きみの方がゆび長いでしょ」
「だ、だから」
「ちょっと待った、光」
「俺、ドア蹴破るからさ、いっしょに病院行こう」
「やだやだ、そんな、はずかしいよ、いやだよ」
「たぶん、もうちょっとなんだけど、あ、あたしのゆびじゃ届かないだけよ」
「でも、ここ、手洗うとこもないし」
「除菌用のティシュなら持ってるし」
「とりだしたあとなら、病院行けるよ」
「み、見るのが、あなたが最初ならいいよ、お医者さんはそのあとじゃなきゃいや」

501 :名無しくん、、、好きです。。。:2022/07/03(日) 14:07:45.17 ID:9x821Tjp.net
ときメモ2にも眼鏡っ子が欲しかった
リアルだとパリミキのCMで波瑠が「気づいてよぉ!」とか言うの見るたびにムラムラする

502 :名無しくん、、、好きです。。。:2022/07/04(月) 03:20:04.82 ID:xXTtgqMU.net
どうですね
1と3はいたのに、2でメガネに改造するとなると琴子、華澄あたりですかね

503 :名無しくん、、、好きです。。。:2022/07/04(月) 04:09:47.67 ID:xXTtgqMU.net
すみません、「どうですね」じゃなく、「そうですね」でした

このスレも現在421KB、リミットの512KBまであと約90KB、まだかなりありますね

504 :名無しくん、、、好きです。。。:2022/07/04(月) 06:11:32.37 ID:xXTtgqMU.net
ルートA

「(すまん、光)」
「(ガツン)」
「えっ?」
「(あれっ?なに…ふわっ…て…)」
「(ガクン、バタ)」

……

「えっ?」
「ここどこ?」
「おっ!起きたか!光」
「あっ!主人公くん?」
「ここどこ?なんで、あたし、ベッドでねてるの?」
「光、鍵、ちゃんと取り出せたんだって」
「あ、あと、なか?きずついたり、ばい菌とか入ってないって」
「よかったな、光」
「えっ?どういうこと?」
「光が気を失ってる間に、ドア蹴破って病院に連れてきたんだよ」
「えっ?ここ病院?そういえば、そうだね」
「あ、ありがとう…主人公くん…」
「いいって、おれたち、幼なじみじゃん、当たり前だよ」
「び、病院の人にはなんていったの?そ、その鍵が入っちゃったの」
「う、うん、おれが光がねてる間にいたずらしたってさ」
「えらい、怒られたよ、学校には連絡しないでくれるみたいだけど」
「でも、光のおかあさんには連絡した、あやまったよ」
「おまえは、おかあさんに何もいわないでな、もうゆるしてくれたみたいだし」
「あ、ありがとう…幼なじみ…だもんね…」
「(バタ)」

505 :名無しくん、、、好きです。。。:2022/07/04(月) 06:12:03.12 ID:xXTtgqMU.net
「光!あ!目がさめてる?」
「こ、琴子?どうして」
「どうしたも、こうしたもないわよ、光がいきなりたおれたってきいてね」
「病院に連絡して、こいつと二人でいっしょにつれてったの」
「琴子、たすかったよ、病院とかあてなかったし、タクシーまで読んでくれて」
「当たり前よ、光がたおれたなんて聞いて、なにもしないわけないわ」
「琴子は、そういうこと、ほんと頼りになるな、ありがとう」
「それより、大丈夫なの?体の具合?」
「うん、検査したけど、異常なしだって、よくわからんけど、ひ、貧血とかじゃね」
「あんた?光に変なことしたんじゃないでしょうね?」
「してないって、そもそも、へんなことってなんだよ?」
「そ、それは…(///)…」
「廊下走って、光に体当たりしたとか?」
「それ?へんなことかあ?」
「いうの!変なことっていうの!」
「はいはい、でも、大丈夫だよ、琴子」
「ま、まあ、いいわ、光が無事なら、問題なし」
「あとは、光に体当たりしたあんたが賠償金払うぐらいね」
「いや、それどんな交通事故?そういうことやってないから」
「ふふ、わかってる、わたし、あんたのこと信じてるよ」
「そうだ、ちょっと、飲み物でも買ってくる」
「いや、おれ、いくよ」
「あんたはいいの、光についててあげて」
「それにけっこう、体使ったでしょ、それにめんじて、すこし休みなさい」
「ま、日頃の運動不足がわるんだけど?」
「おまえ、そこまでいうか?」
「あはは、ごめんごめん、でも、あんたが頼りになる事がわかって、わたしうれしいの」
「大事な親友を、光を助けてくれたの、かっこよかったよ」
「そ、そうか?あたりまえだよ、光は、おれにとっても大事な親友、幼なじみだしな」
「うんうん、わかってるじゃない、じゃあ、買ってくるね」

506 :名無しくん、、、好きです。。。:2022/07/04(月) 06:12:42.86 ID:xXTtgqMU.net
「なんか、あんた?琴子と、ずいぶん仲いいんだね」
「あ、ああ、ま、まあな」
「もしかして?」
「えっ?」
「つ、つきあってるとか?」
「あ、ああ、まあな」
「えっ!本当なんだ」
「うん、夏休みの途中から付き合いだしてさ」
「…、そ…、そうなんだ…」
「よ、よかったね、おめでとう…」
「アハハ、あんたに彼女ができるとは世界の七不思議みたいな、ハハ」
「それも…琴子なんて高嶺の花の中の高嶺の花…ね」
「神様もびっくりってやつ?ね…」

「ご、ごめん、今日はもう帰って、なんか疲れちゃった…の…」
「大丈夫か?光、主治医の先生呼ぶか?」
「いい、ほほら、鍵かくしたところがあそこじゃん?」
「…はずかしいっていうか…反省するみたいな…」
「…一人になり…たいの…」
「わかった、まあ、あれは気にしないでな、おれも、もうわすれたしさ」
「明日、午後、退院の予定だからさ」
「光のおかあさんと俺と琴子で迎えに来ることになってる」
「…そ…そうなんだ…」
「このあと、光のおかあさんも来るはずだよ」
「仕事中だったけど、中断してこっちに向かってるらしいしさ」
「じゃあ、おれは、琴子が飲み物買ってもどってきたら」
「かえるわ」
「…うん…わかった…」
「ほんと、お大事にな、今日はゆっくり休めよ」
「…うん…ありがと…」

507 :名無しくん、、、好きです。。。:2022/07/04(月) 06:13:05.96 ID:xXTtgqMU.net
「光、あんた、買ってきたよ」
「おお、琴子、ごくろうさん」
「いいわよ、どうせ、あんたのおごりなんだから」
「えっ?」
「当然でしょ?こんなかわいい幼なじみの光とその親友のわたしにおごらないなんて」
「おかしいでしょ?まちがってるでしょ?」
「なるほど、じゃあ、かわいい幼なじみのひかりだけでもいいんじゃない」
「それも、そうね」
「いや、冗談だって、なに、納得しかかってるんだよ」
「、そうね、やっぱ、光と私なら、当然ね」
「はいはい」
「あっ、琴子、もうすぐ、光のおかあさんもくるし、その前に、光も休んでた方がいいだろ?」
「なんで、おれたち二人は、また明日な、退院のときに来るってことで」
「そうね」
「光、わたし、本当は、一晩中、となりについていたいの」
「でも、おかあさまもいらっしゃるし、今日はかえるね」
「…うん…琴子…ありがとう…うれしいわ…」
「」大丈夫よ」
「」わたしとこいつは、いつでも、光のそばにいるよ」
「…そうだね…ニコ…あたし…うれしい…ニコ…」
「では、われわれは、そろそろ、ひきあげますでございます」
「あはは、なによ、その言い方、おかしい」
「じゃあ、光、お大事にね」
「…うん…ありがとう…琴子…」
「光、おかあさんには、状況はおれから説明したからな、さっきのとおりな」
「なあに?さっきのとおりって?」
「いえ、琴子さまのおっしゃったとおり、廊下でぶつかったみたいな?」
「あら、本当だったの?」
「冗談だよ」
「あはは、わかったわよ」
「じゃあ、光、また明日な、迎えに来るわよ、お大事に!」

508 :名無しくん、、、好きです。。。:2022/07/04(月) 06:26:11.62 ID:jfjcEddM.net
考えてくれてありがとうね
僕が好きな眼鏡っ子は、常時メガネを掛けてるというよりは、日常生活の中で
掛けたり外したりを繰り返してる子になるかな
(1)視力が0.4前後など中途半端で、基本的に裸眼で過ごしているけど、車の運転や
 大学の授業で後ろに座った時などにメガネを掛ける子
(2)視力が0.1未満などかなり悪く、外ではコンタクト、家の中ではメガネの子

509 :名無しくん、、、好きです。。。:2022/07/04(月) 07:05:51.21 ID:xXTtgqMU.net
>>508
承知しました
上で琴子、華澄に限定しましたが、白雪さんやメイちゃんあたり、
あるいは12キャラ全てでも改造可能かな?なんておもいました
ムラっするのいいですね!作成できましたら、投下してみます
その前に光とのビッチキャラ談義をつくっていこうとおもってます
どれもこれも未完背で終わるかもですが(^^;

510 :名無しくん、、、好きです。。。:2022/07/04(月) 08:58:42 ID:xXTtgqMU.net
Aルート
>>491丸正餃子編につづく

511 :名無しくん、、、好きです。。。:2022/07/04(月) 11:52:26.83 ID:xXTtgqMU.net
訂正
Aルート

「じゃあ、光、また明日な、迎えに来るわよ、お大事に!」
「(…)」
「うん、今日は本当にありがとうね一」
「(…)」

「…琴子…」
「…泥棒猫…」
「…ビッチ…」
「…ど〇ス」
「…ゆるさない…」
「…もう親友じゃない…」
「…友達になって損した…」
「…戦術的失敗…」
「…メリットなかった…」
「…安牌だと思ってた…」
「…認める…油断した…」
「…盗人…」
「…ギルティ…」
「…敵だ…」
「…主人公くんわるくない…」
「…絶対悪…琴子…」

512 :名無しくん、、、好きです。。。:2022/07/04(月) 11:57:48.92 ID:xXTtgqMU.net
「…事案発生…」
「…なんとかしなきゃ…」
「…早めの顕在化は幸運…」
「…つまり鍵事件は計り知れないメリットがあった…」
「…非常事態宣言…緊急警報発令…」
「…やったかやってないかは50/50…」
「…むしろ…やったほうが…価値はさがる…」
「…ねたなら…あたしもねる…」
「…ねてないなら…あたしはねる…」
「…いちかばちか?…ちがう…ギャンブルじゃない…」
「…でも…もっと…本質的なアプローチがあるはず…」
「…ネガティブになるな…」
「…考えろ…考え続けろ…」
「…発想の転換…生産的思考…プロブレムソルビング…」
「…確実に勝つ…必ず勝つ方法…」
「…勝つべくして勝つなんて趣味じゃない…」
「…合理性と最適解…」
「…全力で…人生かけて…」
「…できる…やるんだ…」
「…がんばれ!あたし…」
「…大丈夫…絶対叩き潰す…」

「琴子のこは…こそどろのこ」
「琴子のとは…トラップのと」
「琴子のこは…こ〇すのこ」

「…ひとつ確かなのは…」
「…きたねえつばつけたのはメス豚ど〇スのほう…」
「…だって主人公くんが好きなのはあたしなんだもん…きゅん…」
「…勝てる…というか…勝った…」

>>491丸正餃子編につづく

513 :名無しくん、、、好きです。。。:2022/07/04(月) 17:34:00.26 ID:xXTtgqMU.net
Bルート?

「そ、そうだ、いいこと考えた」
「いいこと?いや、それより鍵大丈夫なの?何か」心配になってきたぞ」
「し、心配?心配してくれてるの?」
「当たり前だよ、俺はおまえの体が大丈夫か?の方が心配なんだよ」
「し、主人公くん、うれしい、あたし、うれしいよ」
「だれでも、心配するだろ、こういう状況じゃさ」
「だから、まずは、お〇っこね」
「出すもん出さないといいかんがえも浮かばないでしょ?」
「ま、まあ、そうだけど」
「おれに、どうしろと?」
「飲むの」
「はあ?」
「はやく、棒だして、お〇っこ棒」
「棒ねえ、おまえが考えてるのとは、違うと思うぞ」
「飲むって、おれのを飲むの?おまえが?」
「そう」
「なんで?」
「だって、鍵なくしたの、私のせいでしょ?」
「ちょっと待て、今度はおまえがしたくなったらどうすんだ?」
「飲んで」
「はあ?」
「あたしのお〇っこ飲んで」
「代わりばんこに飲めばいいじゃん」
「それはないだろ、この部屋からはいつ出れるんだよ」
「鍵は、そのうち出てくるよ」
「まずは、だしてすっきりしてほしいの」
「鍵は、そのあとかんがえればいいでしょ?」

514 :名無しくん、、、好きです。。。:2022/07/05(火) 22:16:59 ID:AJfhC6UP.net
>>509
未だに解けない謎、メイちゃんって部屋着だと眼鏡の時が多いよね
おうちメガネな(2)なのか、それとも視力は問題ないけどファッションで
わざわざ眼鏡を掛けてるのか、ずっと気になってるよ

515 :名無しくん、、、好きです。。。:2022/07/06(水) 08:08:49.32 ID:PJ0jfnQ9.net
メイ「おい、咲之進!」
咲「はい、なんでございましょうか?メイ様」
メイ「子どもの作り方がわからないのだが」
咲「は!こ、子どもですか?」
メイ「そうだ、うん?どうした咲之進?かおが赤いぞ?」
咲之進「」いえ、そ、そうのようなことは、ございません、だ、大丈夫です」
メイ「なんか、あやしいな?」
メイ「ちょっと、こっちにこい、顔をよく見せろ」
咲之進「はう、そ、それは」
メイ「いいから、顔をよく見せろ、おまえ汗かいてるじゃないか?」
咲之進「わ、わかりました」
メイ「そうだ、もっと近くにこい、なんか、息があらいな、本当に大丈夫か」
咲之進「大丈夫でございます、メイ様」
咲之進「あっ?メイ様、メガネまで外して、な、なにを、その目でみつめられるとわ、わたしは!」
メイ「ふふふ、かかったな?咲之進?今日は、これから子どもをつくるのじゃ、いいな?」
咲之進「メイ様、そのような、お戯れは、わたくし、その、はじめてでして」
メイ「はじめてえ?ハハハハハ、なさけない奴だ」
メイ「仕方ない、メイが面倒見いてやるのだ」
咲之進「はは、ありがたく幸せに、ございます」
メイ「じゃあ、まず、種族を決めよう、それから職業かな」
咲之進「へ?」
メイ「いや、だから、育成ゲームのキャラだけど」
咲之進「そ、そうだったんですか、あはは、あはははは」
メイ「(なわけねーだろ、まずは油断っせておいてっと、ニヤソ)」
メイ「(いただきまーす!)」

516 :名無しくん、、、好きです。。。:2022/07/06(水) 08:12:26.39 ID:PJ0jfnQ9.net
>>514
アイデアが浮かんだら、もっと長めの本格的なのを作りたいですね
メイの謎も面白いですね、そういうアイデアがあると捗ります

517 :名無しくん、、、好きです。。。:2022/07/07(木) 14:08:28 ID:wA8YjdCm.net
クソスレ

518 :名無しくん、、、好きです。。。:2022/07/07(木) 17:46:21.78 ID:uqNh39MM.net
>>516
ありがとう
「メイちゃんはダテメガネ?ガチメガネ?」というニッチな話題を
エロに絡めて展開するのは至難の技かと思いますが頼みます

519 :名無しくん、、、好きです。。。:2022/07/18(月) 01:47:04 ID:Nq5nXq9s.net
この物語はフィクションである
だが、意図、主題について、なにも明らかにされていない
もちろん、終始一貫して意味不明な作品、物語などいくらでもある
だからといって、これもそうであるとは、必ずしも限らない

ひとつ助言しよう

これを見つけ読んだ人は、おでんの作り方を習っていたのに
ハンバーグが出来上がった、と同様の困惑を覚えるかもしれない

520 :名無しくん、、、好きです。。。:2023/07/20(木) 02:41:47.50 ID:r18Ee1lVK
曰本國民は國家の存亡に関わる陰謀に立ち向かわねは゛なりません.日本國民の若者を始め武器を持って戰える全ての人は、ためらわす゛この義務
を果たしてくた゛さい,力による−方的な現状変更によって滑走路にクソ航空機にと倍増させて都心まで数珠つなぎて゛鉄道のзΟ倍以上もの莫大
な温室効果ガスまき散らして氣候変動させて海水温上昇させてかつてない量の水蒸氣を曰本列島に供給させて洪水に土砂崩れに暴風にと住民の
生命に財産に地球にと破壊することて゛私腹を肥やし続ける世界最悪の殺人テロ組織公明党國土破壊省の陰謀から国を守って國民としての名誉を
得るのです。山口那津男は議員報酬という名目で毎年國民から2O〇O萬以上もの金銭を強盗してるし強盜殺人の首魁斎藤鉄夫なんか蓄財З億
圓を超えてるわけた゛が、欧州みたいに他人の権利を強奪して私腹を肥やすた゛けの存在て゛ある恥知らす゛犬コ口公務員と四六時中殺し合ってる社會
を民主主義というんだぞ,マゾ体質の西曰本被害者とかいつまて゛モクト‐だの無意味なバカ晒し続けてんた゛か、この私利私欲な動機に基づいた
行為を通し゛て人の命を非常なまて゛に軽視するテ囗政府には物理的反撃なくしてお前らの生命と財産は維持できないことをいい加減認識しよう!

創価学會員は.何百萬人も殺傷して損害を与えて私腹を肥やし続けて逮捕者まて゛出てる世界最惡の殺人腐敗組織公明党を
池田センセ‐か゛囗をきけて容認するとか本気て゛思ってるとしたら侮辱にもほと゛か゛あるそ゛!
hTтРs://i,imgur.сοm/hnli1ga.jpeg

521 :名無しくん、、、好きです。。。:2023/12/04(月) 18:12:44.74 ID:mUaUu29b.net
理解不能理解不能

522 :名無しくん、、、好きです。。。:2023/12/14(木) 21:51:18.92 ID:wFOuyg/i.net
ロボ行きなさい
ロボ行きなさい
ロボ行きなさい
ロボ行きなさい
ロボ行きなさい
ロボ行きなさい
ロボ行きなさい
邪魔者は消すのみ

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