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コテ小説@不倫板
- 94 :名無しさんといつまでも一緒:2020/03/24(火) 17:29:34.89 0.net
- クウェート軍から砲弾でも受けたのか、車両は大破していたが、中から何かが聞こえた気がした山元は近づいて中を覗いた
中には傷付いたイラク軍の兵士がいた
山元はすぐに兵士の手当を行った
「…ハァハァ、ありがとう…」
「無理して喋らなくてもいいわ、楽にして」
「…あなた、どこから来たの…」
「日本よ」
「…日本?! …アメリカの同盟国の日本のあなたがなぜ私を助ける… あなただって我々がクウェートを侵略しようとしてると責めてるんじゃないのか…」
「責めてなんかいないわ、あなたたちにはあなたたちの言い分があることもちゃんと知っている」
「…分かってくれているんだね…」
「ただね、私はどちら側の味方につくというわけでもないの、それだけは分かって 真実を世界に発信し続ける、ただそれだけ それが私たちジャーナリストの使命なの」
この兵士の名はヒムーラ・イブン・タマタン 今回の救護をきっかけに、山元らはその後も彼とコンタクトを取り続けることになる
イラクによるクウェート侵攻に危機感を抱いたのは欧米諸国のみならず、クウェート同様に産油国であるサウジアラビアも同じだった
サウジアラビアはアメリカに石油を売り、それで得た潤沢なオイルマネーでアメリカから最新兵器を買うという、いわばアメリカと持ちつ持たれつの関係であった
サウジアラビアを守るという理由でアメリカはサウジアラビア国内に米軍を駐留させることになった
そして4月4日(1991年)イラクによるクウェート侵攻を良しとしないアメリカは、多国籍軍を組んでクウェート内にいるイラク軍に攻撃を仕掛けた
「山元さん、米軍からしたらイラク軍なんて赤子の手をひねるようなものなのに、なんでわざわざ多国籍軍なんか組むんでしょうか」
「イラク対アメリカの戦争がイスラム対キリストの構図にならないようにするためでしょ だからわざわざイスラムの国を含む多国籍軍にしたんだわ
ただそのせいで、またこうしてアラブ人同士が戦うことになってしまったのわね…」
アメリカ主導の多国籍軍の圧倒的な戦力の元、イラク軍はクウェートから撤退した
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