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新連載 セクハラ刑事(デカ)

1 :この名無しがすごい!:2021/10/15(金) 01:44:49.33 ID:JQFOWBcm.net
 俺の名前は東海洋平。女形(おやま)警察署に勤務する刑事だ。ここの警察署の所長は代々、女系で
他の警察署に無い特別な部署がある。その部署はセクハラ課。この地域は異常にセクハラ事件が多い
ので、セクハラ課として成立してしまった訳なのだ。俺はその課に配属された刑事である。
 俺の相棒は色目沙羅。警察官になったのが不思議なぐらいだ。こいつが嫌いと言っただけで男性署員
が袋叩きにするぐらいである。大した捜査もされないで、罪がでっち上げられるので女帝の異名を持って
いる。沙羅さんが俺に事件の通報があったと連絡して来た。
 「洋平、近所の新聞配達所で暴力事件があったの。手が空いてるなら、担当してくれない?」
 「害者は誰ですか」
 「新聞配達員の社員が外国人アルバイトに殴られたらしいの。全治三日の怪我だって診断書を出して
来たんだけど、社員が外国人アルバイトを訴えるって聞かないのよ。どうにかして、解決してくれない」
 「・・・。何か、オカシイな。その事件、どうも臭うんですよね」
 俺は警視庁の犯罪者データベースにアクセスした。新聞配達員の前科を調べる為だ。
 「ああ、ありましたね。その社員は数年前に女性をストーカーして、体を触った挙句に殴打して、セクハラ
で捕まってますね」
 「と言うことは、社員は黒ね」
 「そうですね。セクハラを洗えば、大体、事件は解決しますよ」
 「お手柄よ」
 こうして、新聞配達員は外国人アルバイトにパワハラしてるのが明るみに出て、俺は社員を不利にして
示談させたのだ。

2 :この名無しがすごい!:2021/10/15(金) 12:15:02.55 ID:JQFOWBcm.net
 山本秀美は生活安全課の署員だ。隣の課なのに俺の所によく会いに来る。
「洋平さん、お仕事中ですか。沙羅さんは元気ですか」
 実際、こいつのK-POPアイドルみたいな顔を見るのもウンザリしてる。みんな、こいつに愛情を向けるので
邪魔者以外の何者でもない。
「ああ、仕事中だよ。星のインターネット検索履歴を閲覧してるんだが」
「麻薬捜査ですか」
「いいや」
「何の山か教えてくださいよ」
「少女にイタズラしてるって近所の通報があってさ、エロサイトの動画閲覧履歴を見てた訳よ。まあ、あるある。
中学生とか小学生ばっかり検索してるよ」
「ちょっと、いいんですか。よく令状下りましたね。組織犯罪じゃないんでしょ。」
「君ね、児童ポルノの犯罪組織からDVDを購入してる恐れもある。通信を傍受して当たり前じゃないか」
「深いですね」
「だろ。今日は何の用事で来たんだよ。沙羅さんの顔でも見に来たのか。」
「用事は二件なんですけど、一件目は企業に爆破予告があったんですけど」
「はあ?今時、テロか?アニメでも見てるんじゃないか。テロは警察の仕事じゃないからやりません」
「もう、一件はマザー牧場という所で、オス牛を放牧したそうなんです。そうしたら、マザー牧場の中で
動物が交尾したがって手が付けられないそうです。最悪なことに人間の女性とも交尾したがったらしいです。
と殺するのも可哀そうなので、牛の取り押さえをお願いできないかって通報がありました。でも、警察の仕事
じゃないですよね」
「君ね、警察がそういう事件を見逃したらダメじゃないか。すぐに出動しよう」

洋平がマザー牧場に着くとオス牛の所に案内された。オス牛は静かな寝息を立てている。飼育員が洋平の
所にやって来て事情を説明してくれた。
「ああやって穏やかそうに見えるんですけど、すぐに交尾したがるんですよ。近所に来たら、母牛でも人間でも
お構いなしなんです。何とかなりませんかね」
「分かりました。私が対処しましょう」
洋平は放牧地の柵の中に入り、オス牛の前に立った。そして、洋平は激しく牛を殴り出した。
「この野郎!人間と交尾しようとしやがって、畜生が。牧場の信用はどうなるんだ!」
ボコボコ!
「この牛野郎が!俺だって恋人がいねえのに、先に交尾するんじゃねえよ!」
洋平がボコボコと牛を殴ると、牛はひっくり返って気絶してしまった。洋平は飼育員の所に行くと状況を説明した。
「私がタップリ反省させましたので、大丈夫だと思います。何かあったら、セクハラ課まで連絡をください」
「ああ、ありがとうございます。流石、セクハラ課の先生だ。また、牛が交尾したがったら、よろしくお願いします」
「うむ」

3 :この名無しがすごい!:2021/10/15(金) 21:55:58.43 ID:JQFOWBcm.net
 沙羅は洋平の前を無言で歩いている。黙々と歩くと取り調べ室に着いた。
取り調べ室の中には、OLらしき女性が座っていた。被害者のプライバシーを考えてHさんとしておこう。
洋平はHさんの容姿を軽く眺めた。まあ、ヒドイ容姿だ。化粧もしてないし、飾り気も全然ない。
今時、こんな地味な人がいるのかなって思ったぐらいだ。ダイエットもしてないから、顔が油ぎってる。
こういう女を嫁さんに連れて帰ったら、親に怒られるだろうな。
洋平はHさんと並置して座り、語りかけた。
「では、事件について知ってることを教えてください」
「私、会社の先輩で素敵だなって思う人がいたんです。会社の忘年会で隣の席に座ることができたんです。
でも、私、飲み過ぎちゃって。気付いたら、ラブホテルの中で寝てたんです。」
「それがどうしたんですか」
「私、セックスまでする気は無かったんです。それなのに。酔っている私をラブホテルに連れ込んで、それで・・」
「それで、どうしたんですか」
「私、レイプされたと思うんです」
「レイプですか!?」
「はい、乱暴されました」
「レイプの現場を見た人はいますか!?」
「それはいませんけど、私、レイプされたとしか考えられないんです」
「申し訳ないんですけど、目撃者もいないし、ラブホテルで寝てたってだけでは、どうしようもないですね」
「ヒドイと思いませんか?」
「無理ですよ。裸で抱き合ってる写真でもあるんですか?」
「ヒドイと思わない?」
「残念ですが」
「被害届を出させてください。」
「それも無理ですって。好きな人とセックスするぐらいあるんじゃないんですか。好きなら、レイプって言うのは
無理です。」
「裁判してもいい」
「だから、無理ですって。好意を持っていたんでしょ」
「私、処女なの!」
「処女!」
「私は処女なのにレイプしたから、捕まえて」
横で聞いていた沙羅が口を出した。
「洋平、これで明らかになったわね」
洋平はウナズイタ。
「処女に乱暴するなんて許せないですよね!」
沙羅は意外性を隠せないようだ。
「え、え!?いつからそっちになったの!」
「私、処女だって聞いて、グッと来ました。怒りを隠せない。」
Hさんは割って入った。
「では、処罰してくれるんですね。」
「やりましょう」

 洋平は一般にはあまり知られていない会社に電話をした。公務員であるのだが、強制力はなく、お客から利益
を取ってセクハラの証拠集めをする公共団体にだ。
「もしもし、洋平ですけど。山が出たんで、いつものやつお願いします」

 AM4:00。洋平は男と一緒にゴミ捨て場を監視していた。男の名前は小俣美佐男。先日、公共団体に連絡した
男だ。数時間、監視しているとターゲットの男がゴミを捨てに来た。5分ほど待って、小俣は車から勢い良く飛び
出した。そして、ターゲットの男が出したゴミをつかみ、車のトランクに詰め込んだ。
「やりました」
「上出来だ」

 ブルーシートを敷き、ターゲットの男性のゴミをその上に広げる。弁当の空箱や牛乳パックなど色々なゴミが
ある。分類を続けると、丸まったティッシュを発見した。小俣は付着物を拾い上げ、臭いをかいだ。
「上物です。絞り立てですね。」
「よくやった!」

 付着物には男の精子が沢山、付いていた。DNA鑑定の結果、男性と一致した。これをレイプの証拠として
提出し、憧れの先輩はレイプ犯として御用となったのである。

4 :この名無しがすごい!:2021/10/21(木) 03:46:41.32 ID:wOFPlIUc.net
 洋平は休暇を楽しもうと思った。新宿に出ると服屋に行こうと思った。角井のメンズ館を回ってみたが、
しっくり来る服は無かった。どれもありきたりなデザインばかりだ。外に出ると歌舞伎町に足が向いた。
歌舞伎町の中は落ち着く。新食店街に行くと一軒の店が目を引いた。「confessions from women」
中々、いい名前だ。中に入ってみることにした。店は洋服屋だった。純白のスーツが売られている。
まるで白馬の王子様みたいだ。プリントが大きなTシャツやヒョウ柄の上着など着たら、意識されそうな
ものばかりだ。ここは結構、いい店だな。黒い上下のスーツを手に取った時に声をかけられた。
「あら、あなたは洋平君じゃない?」
声をかけたのは色目沙羅だった。
「偶然ですね。今日はショッピングですか。」
「ええ、そうよ。あなたも?」
「はい、いい名前のお店だったので入ってみたんですけど、変わった服が多いですね」
「そうね。あなたもホストみたいで素敵よ」
「沙羅さん、お腹空きませんか。明るいですけど、お酒でも飲みませんか」
「私はお酒を飲めないから、食事ならいいわよ」
「じゃあ、ご飯に行きましょうよ」

新宿を歩いていると薬膳料理店を見つけた。
「沙羅さん、ここいいですね。入ってみませんか」
「お任せするわ」
店内に入ると待合室に酒と書かれた瓶が並んでいた。ラベルを読むと、オットセイのペニス、虎のペニスなどと
書かれている。
「沙羅さん、珍しいお酒がありますよ。とても健康にいいみたいですよ」
「そうね。血流が良くなって冷え性に効きそうね」
従業員に案内され、テーブルに座り、メニューを眺めた。料理名を見ても何が出て来るのか分からないな。
沙羅さんは決まったようだ。
「すいません、この美肌になる料理をください。」
「ああ、僕もそれください」
沙羅さんはお水を飲み、新宿の雑踏を眺めている。何て綺麗なんだ、でも、どうして、こんな綺麗な人が警察に
来たんだろう。
「沙羅さんはどうしてセクハラ課に来たんですか」
「私?そうね、昔から痴漢とかストーカーが多かったの。警察に通報しても捕まえてくれないから、自分で捕ま
えれば安全かなって」
「結婚はしないんですか?」
「あんまり興味はないかな」
「彼氏はいたんですよね」
「そういうのは秘密よ」
「チェリー食べます?」
「いえ、要らないわ」
「子供を産みたいって願望はあるんですよね」
「まあ、それはあるわね」
暫く、沈黙が流れた。
「そう言えば、セクハラ課の署員が言ってるわよ。私、洋平君に見られてるって」
「僕がですか?そんなこと、ありましたか」
「凝視するから、耐えられないぐらい恥ずかしいって」
「耐えられないって。体触ったとか、汚物を送ったんじゃないんですから」
「あの視線は想像の中でイヤらしいことを考えてるって」
「またまた、妄想でも持ってるんですか。そんなことありませんよ」
薬膳料理が運ばれて来た。何か動物のコラーゲンのスープのようだ。スープを飲み仕事のことを聞いてみた。
「沙羅さん、セクハラ課の仕事は意味があるんですかね。取り締まっても無くなることはないんじゃないかと思う
んです。恋愛をして子供を作る為に、人間からセクハラは生まれて来るものでしょ。人の人生に口を出すのって
お節介なんじゃないかと思うんですが」
「洋平君、セクハラ課はセクハラから市民を守る重大な使命があるの。この世からセクハラは無くならないかも
しれないけど、少しの間だけでも平和になったらいいじゃない。平和な間隔を少しでも長くするのが私たちの仕事
なの」
「あんまり仕事に熱中すると婚期を逃しますよ」
「ちょっと、女の行先は家庭だけって考えるの止めない?」
「そんな美人なのに勿体ない」
そんなことを話しながら、料理を食べ、明日、また会いましょうと別れたのであった。

5 :この名無しがすごい!:2021/10/21(木) 10:21:37.07 ID:O6tl45Ec.net
紀伊國屋書店
https://mevius.5ch.net/test/read.cgi/books/1509758857/

6 :この名無しがすごい!:2021/10/28(木) 02:24:30.50 ID:72qWDDuj.net
 女形署の会議があった。最近、若者の間で新種のドラッグが流行ってるらしいのだ。
副作用が少なく興奮作用ばかりある。多少、暴力的になるのだが、理想的な薬として若者の間で爆発的に
広まっている。これが一般の薬なら良いのだが、判グレの収入源になっているらしい。
会議室は各課の刑事たちでごった返している。山本秀美は掲示板の前でプレゼンしている。
「現在、この地域で違法ドラッグを販売しているのはホワイト・モービディック。ヘッドは新井啓介です。
末端だけが逮捕されてるんですが、販売方法が巧妙で本筋の摘発数はゼロ件です。どなたかいい案
はありませんか」
 今まで逮捕されなかったのに自分が急に考え付くはずがない。誰もが下を向いて時間が過ぎるのを
待っている。山本秀美は一人の刑事を使命した。
「東海洋平さん、何か意見はありませんか。」
「え、私ですか」
「はい」
「私は専門外なんですけど」
「ええ、何でもいいですよ。ご自分の立場から意見を言ってくだされば」
「・・・・」
洋平は暫く、思案した。そして、おもむろに発言した。
「それでしたら、新井の精子を提出させられませんかね」
「精子ですか。何故、ですか」
「性犯罪の前科があったら、余罪で麻薬の捜査ができると思うんです」
「それは名案ですね!」
「当然ですよ」
「早速、精子を提出させましょう」
 新井啓介に性犯罪の訴えがあったので、精子を提出するように令状が下りた。余罪で麻薬捜査の家宅捜索が
行われた。今まで証拠が少しも無かったので踏み込めなかったのだが。新井の自宅は綺麗なマンションの一室
だった。何かの商売をしているようで、事務室のようなものがあった。見積書や電話番号リストを押収した。
 販売先に出かけて行き、血液検査や家宅捜索をかけると違法ドラックの反応が出て来た。何故、違法ドラック
の反応が出るのか、新井の所に電話番号があったのは何故かと問い詰めると顧客は自供を始めた。新井啓介は
性犯罪と麻薬取締法で逮捕されることになり、地域から麻薬ルートが壊滅した。
 女形署の廊下で洋平は山本秀美に声をかけられた。
「流石、セクハラデカですね」
「だろ?セクハラにできないかなって思ったんだよ」
「よく、新井がセクハラだって分かりましたね」
「女性がセクハラで苦しんでるのは常識じゃないかよ」
「言うことが違いますね」
「分かればいいんですよ」

7 :この名無しがすごい!:2021/10/29(金) 02:37:36.73 ID:7ZH0U+hJ.net
 洋平はアイドルのSNSをチェックしていた。セクハラな言動をしてる書き込みをしてるやつに
接近禁止の電話を入れる為だ。
「何で、こんなやつが。パ+パチンコビックだと!アカウント名がセクハラじゃないか!」
「洋平さん、どうしたんですか」
「おお、山本か。何でもないよ。ちょっと、SNSをチェックしていただけだ。」
「先日の麻薬捜査、お疲れ様でした。」
「いや、大したことはしてないよ」
「本当、助かりましたよ。また、お願いしますよ」
「おお」
 奥のデスクで嫌に作り込んだ話し声が聞こえて来る。沙羅さんと誰かが話しているらしい。
「俺、将来、警察署長になるから。よろしくね」
「うん、夢って大事。がんばってね」
 沙羅さんと別れてこちらに向かって来るのは金子大介だ。金子は山本を見つけると景気よく挨拶をした。
「やあ、今日も爽やかフェイスだね」
「うん、君も元気そうだね」
 洋平はSNSのチェックに戻った。トラブルになるのが嫌だから。こいつをやり込めるのは簡単だが、同僚に
暴行罪で逮捕されるのはもっと嫌だから。
「あれ〜、そこにいるのは洋平さんじゃないですか〜」
「おお、金子か。久しぶり」
「つい最近、まぐれで麻薬捜査を解決したそうですね」
「おい、言い過ぎだぞ」
「よく、洋平レベルで解決できましたね。まあ、僕に言わせれば、あの程度の事件の解決は中学生ですよ」
「不味いなあ、地域から麻薬組織が無くなったからいいじゃないの」
「主犯が分ってれば、小学生でもできますよ」
「まあな。主犯が男だったから、上手く行ったわな」
「幼女レベルですね」
「・・・」
「私なら責任取ってやってもいいですよ」
「山本、聞いたか?」
「はい」
「金子、淫行罪の容疑で現行犯逮捕する」
「ちょっと、待て

8 :この名無しがすごい!:2021/10/30(土) 02:40:20.05 ID:1WBycQ0W.net
 隣りの新人は小池智。警察に来るのには学歴が高過ぎて目に付くやつだ。業務を教えても一回で覚える
ので頭はいいのだろうが、性格が悪い。先輩の俺のことを全然、尊敬しない。教えるのが嫌だから、沙羅さん
にお願いすることにした。俺は嫌なのに、何故だか、沙羅さんには素直に教えに従うのだ。
 小池は働きもせず沙羅さんと長い間、喋り続けている。そろそろ、業務に戻らないかと注意したいが仲が悪く
なるのも嫌だな。すると、小池はとんでもないことを口走り出した。
「ちょっと、小池君、お喋りしてて平気なの?そろそろ、仕事に戻らないと」
「何、いいんですよ。単純労働に向いてるやつに働かせておけば。沙羅さんみたいな素敵な人と仲良くなるほう
が大事ですから」
 隣りで聞いていたのは聞き間違いか。今のはセクハラではないのか。どうして、こんなやつが!
考えろ。美人にばっかり現を持つやつは罰しなければならない。・・・。
そうだ!こいつは確かに頭はいい。それは逆を言えば、勉強ばかりしてたってことだ!ゲームもアニメも見てないし、
恋愛だってしてないってことなんじゃないだろうか!これは検証してみる必要がある!
洋平は話の輪の中に加わってみた。
「チッ!何だよ。お前かよ」
「ちょっといいですか。智君、頭いいよね。大学で勉強ばっかりやってたんだ。」
「お前よりな」
「ずっと勉強してたんでしょ?じゃあ、学生時代、今まで彼女とかいたの?」
「いねえよ」
「そうなんだ。じゃあ、初体験もまだ、何だ!」
「あああー!」
「君、童貞でしょ!」
「いつから気付いたんですか!」
「それは勉強ばっかりしてたら、Hしないもんね」
「あなたセクハラではありませんか!」
「それはないよ。だって、人間は生れ付き童貞だもの。赤ちゃんは童貞でしょ。自然なことがどうしてセクハラなの?」
「僕を侮辱するのか!」
「侮辱って事実じゃないの」
「もう、絶対、許せない!」
「沙羅さん、童貞なんですって」
「あら、そうなの。あなた、洋平さんに失礼な態度は良くないわよ。手を出したの、謝りなさいよ」
「沙羅さん!どうして、こんなやつに」
「それは階級が上だからじゃないの」
「そうですか。分かりました」
「それと、単純労働をサボっちゃダメよ。あなたの仕事だから」
「はい」

9 :この名無しがすごい!:2021/10/30(土) 03:56:15.39 ID:1WBycQ0W.net
 沙羅さんの着信音が鳴った。スマートフォンの通信ボタンを押すと信じられない一言を聞いた。
「私、レイプされたの」
取り調べ室に小池が座っている。深夜に呼び出されたのに背広でインテリジェンスな格好をしている。
黙って座っているので何故、取り調べ室に呼び出されたのか分からないようである。
巡査が調書を取り終えて取り調べ室に入って来た。小池は痺れを切らして聞いた。
「そろそろ、教えてくださいよ。どうして、取り調べ室に入れられているんですか」
「それね。すーっ!残念だけど、被害者のプライバシーがあるから、教えられないんだけど、
レイプされたって訴えがあったから、これから君に事情を聞きたいんだ」
「え!僕が!」
「すいません。付き合うから、許してください」
「うん、ダメ。昨日の夜は何をやってたの」
「レイプなんてやってないですよ。沙羅先輩にお酒を付き合えって誘われて。セクハラじゃないかって言ったんですが」
「それで?」
「男だから平気だって。それで、お酒を飲みました」
「そうなんだ。お酒を飲んで」
「初めてお酒を飲んだので飲みすぎまして泥酔しまして、沙羅さんにキスをしたり、胸を揉んだんです」
「・・・・」
「だから、レイプしてないんです」
「・・・・」
「証拠はあるんです」
「何だ」
「僕は童貞なんです。童貞なら、レイプできないでしょ」
「ムリだろ」
「信じてください」
洋平は聞いた話を隣りの会議室で刑事たちと合議した。無実の鍵を握るのは童貞である。何故、小池は童貞なのか。
ある刑事は空間的に童貞なのではないかと主張した。まだ、先が入ってないのを確認できない状態だと。
ある刑事は時間的に童貞ではないかと主張した。生れ付き童貞なんじゃないか。
空間と時間のどちらの採用すべきか討論を重ねたが、洋平は大事なことを見落としてると提案した。
沙羅さんにキスをしたと。
みんな、レイプしたでいいよと結論した。
取調室に入ると小池は手錠を嵌められた。巡査は留置場に送り、裁判にかけられることになったのだった。

10 :この名無しがすごい!:2021/10/31(日) 04:15:19.89 ID:ZkLbfw8i.net
 洋平と沙羅たちは拳銃を携帯し、武装してセクハラ課総出で出動した。
向かった先は某雑居ビル。やつらは仏教過激派を名乗り大自在天を信奉している。
宗教法人オイディプス。数十年前、日本を震撼させた破壊活動をする組織犯罪者たちである。
御神体に男根崇拝をしているのだが、ネックレスや鞄のストラップに男根を飾るのはセクハラだと警察官に逮捕
される事件が起こった。続けて、教団オイディプスが毎年、開催してるお御輿があるのだが、御神体に巨大な
男根を担いで町内を歩き回るというものである。歴史も伝統もないお祭りは明らかにセクハラであるとして、開催
は中止に追い込まれた。これに怒った教団は市役所や市議会に超音波発生器で四六時中、音波妨害するという
暴挙に出た。市議会院の多くは病院の診察を受け、即日、公共施設での使用禁止の法律が可決された。
教祖はセクハラの罪で刑務所に送られたのだが、刑務官と喧嘩ばかりするので刑期が伸び続け、
セクハラの罪が懲役20年に及んでいる。
 今日は公共施設を襲った組織犯罪者の破壊活動を防止する為にやって来た。洋平は男性信者に声をかける。
「はい、みなさん、今から渡しますのは試験管になります。個室で精子を採取してください。これはシリンジ法と
いいまして、サンプルとしてみなさまの精子をストックしたいと思います」
信者の一人が聞いて来た。
「おい、俺たちの精子を集めて何をする気なんだ」
「・・・」
巡査が体だけで信者を押し出しにかかる。後で訴えられても、手を出してませんと言い訳する為だ。
色目沙羅は洋平の所にやって来た。
「洋平、これは極めて重要な仕事よ。」
「分かってます」
「破壊活動がセクハラしたら、レイプするに決まってるじゃない。精子のサンプルを取っておけばすぐに照合でき
るわ」
「我々はセクハラから国民を守る使命がありますからね」
「セクハラ課はテロからも国民を守れるのよ」

11 :この名無しがすごい!:2021/11/01(月) 06:57:09.79 ID:wdNi9xQy.net
 テレビから上野動物園のニュースが流れていた。
「ゴールデンライオンタマリン展が開催してます。是非、恋人、ご家族でご入場ください」
「いいわね。今度、行こうかしら」
沙羅さんが動物園に興味を持ったらしい。洋平はすかさず、沙羅さんに声をかける。
「いいですね。動物園ですか」
「うん。女性警察官と行こうかしら」
「がっかりですね」
沙羅さんが携帯電話を見ている。
「何見てるんですか」
「携帯が重いから、写真の整理をしてるのよ。」
「どんなしゃしんがあるのか見ていいですか」
「ええ、別にいいわよ。これは長崎ちゃんぽんを食べた写真ね」
「あ、美味しそうですね・・・はっ!」
恐ろしいことに気付いた・・・。
沙羅さんのピースサインの手が小さい「ゃ」の所を隠してセクハラ写真になってる事に。
「沙羅さん、この写真はすぐに消したほうがいいですよ」
「ええ、そうね。これはチンチン電車ね。荒川に行った時にまだ、ローカル線が残ってたのよ」
はっ!女性が発音を許されてる商品名。
「沙羅さん、それも消したほうが良くないですか」
「これは私のペットね。これは消さないわ」
「可愛いですね。犬種は何ですか」
「チンチラよ。」
これじゃあ、チンチンがうっかり見えてしまうみたいじゃないの!
「まあ、個人的に飼うならいいでしょう」
「うん?」
沙羅さんは携帯の画像を消し終えて、洋平に頼みごとがあるのだと言う。同輩の一人が元気がないのだと言う。
様子を見て来てくれないかと言うのだ。洋平は分かりましたと了解した。

セクハラ課の端に中村真という男がいる。彼はパソコンで何かの仕事に熱中している。近くに寄ると甘柿のような
匂いがする。
「うわ、臭い。君、飲んでるのか。」
「ああ、何だ。洋平さんか。そうでもないですよ。」
「昨日、何時まで飲んだんだ」
「朝の四時ぐらいですかね」
「おい、おい、何でそこまで飲むんだ。業務に支障があるだろ。いつもなのか?」
「すいません」
「何で飲んでるの?」
「・・・」
「悪いようにしないから、言ってごらん?」
「心に決めていた人にフラれて、それで、お酒に逃げたんです。そうしたら、アル中になって止められなくなって」
「それで毎晩、飲んでるんだ」
「はい」
「分かった。お酒、止められるといいね。」
二コリとして中村の所から立ち去った。洋平は沙羅さんの所に帰り、事件の報告をした。
「沙羅さん、あいつ、どう考えても病気ですよ。酒に溺れて、女とセックスすることしか考えてません」
「まあ、それはセクハラの温床ね」
「はい、俺たちより人間性が劣るんじゃないかと思うんですけど、セクハラ課に置いといていいんですか?」
「うん、監視しておくから、あなたは自重して」
「僕もセクハラを我慢できない時がありますからね」

12 :この名無しがすごい!:2021/11/01(月) 11:47:11.48 ID:wdNi9xQy.net
 洋平は富士の樹海に来ていた。ここなら誰かセクハラだと言う人はいるか?いいや、誰もいない。
ここで行われたことは社会ではセクハラにはならない。洋平は考えるのを停止し、富士の樹海の奥地
に足を踏み入れた。何をしに来たのか。富士の樹海にはセクハラの祠が建立されており、セクハラの聖典
を取りに来たのだ。戦国時代に書かれた絵巻物で、日本を統一した木下藤吉郎、別名、豊臣秀吉が朝鮮
半島に攻め入った際に、地元の住民にセックスを強要をして謝罪をする図である。明治の芸術家・独島明
が描いた絵巻物だとされている。名称は、輪廻・女系不変醜。
 樹海は磁石が効かないというがガイドラインがあり、遭難者が出ないようになっている。これを頼りにすれば、
ある程度は迷わずに進むことができる。暫く進むと、森の奥からうめき声が聞こえて来た。荒い息使い。
不審に思いガイドラインを外れて森に分け入ると、最初に見えたのは男の尻だった。男は女性にまたがり、
レイプをしていた。洋平は拳銃を抜き男に向けた。
「フリーズ!」
男は慌てて立ち上がった。
「手を上げろ!」
男は手を上げた!
パン!威嚇射撃をした。
「女性から離れろ!」
女性から離れた。男は衣服に手を伸ばした。これは凶器を取ろうとしている!洋平は頭部に銃弾を叩きこんだ!
血だまりの男の手の中にある衣服を探ってみたが、凶器らしきものは何も無かった。
「チッ!性器を隠そうとでも思ったのか。まあいい。公務員だったから、殺したと報告しよう」
男の横に女性が座っている。
「あなた、名前は」
「佐藤久美子です」
「どうして、こんな所にいたの」
「世の中に疲れまして。それで、こういう所に来ました」
「何で、レイプされてたの」
「どうせ、死ぬなら、死ぬ前にセックスさせてくれって。あの世まで持って行けないだろって」
「それでセックスしてたんですか」
「まあ、どうせ死ぬしいいかもなって」
「チッ!レイプじゃねえじゃねえかよ」
「私、どうすればいいんでしょう」
「自殺の恐れがあるので保護します」
「そうですか」
「それと、樹海ではセックスしないでください。ホテルなどを使ってください」

13 :この名無しがすごい!:2021/11/01(月) 13:04:32.99 ID:wdNi9xQy.net
女形署はセクハラ発生件数日本一の地域だ。毎日、セクハラが発生するので洋平は頭を痛めていた。
どうしたら、セクハラが抑制できるのか。自分では考えられないので、上司に尋ねてみることにした。
橋山修は警部補である。地域のセクハラの監督であり、橋山の思い通りにセクハラは事件になると言って良い。
洋平は橋山に地域のセクハラを抑制できないか聞いてみることにした。
「橋山さん、セクハラはどうしたら減るんでしょうか」
「私以外でも気付いてる人がいたんだ」
「ええ、だから、聞きに来たんですけど」
「何故、セクハラすると思う?」
「子供を作りたいんですか」
「他にはない?」
「綺麗だったからですか」
「それもあるかもね。それだけ?」
「いや、溜まってるんですかね」
「そうだね。男性はあるよね。君は今答えた中で抑制できると思う?じゃあ、それで抑制してみて。」
「いいえ、ちょっと、決定打に欠けますね。この地域のセクハラを抑制するのは無理でしょうね」
「そうだね」
「どうしたらいいんですか」
「彼らにはセクハラしたい何かがある」
「それは何ですか」
「暴力衝動があるから、犯罪なんだってこと」
「なるほど」
「セクハラで捕まったものは暴力団登録します」
「え、え?いいんですか!」
「当然ですよ。暴力衝動があるんですもの。犯罪してるでしょ。これは暴力団じゃないですか」
「許されるんですか」
「その説では有名ですね」
「なるほど」
「暴力団登録すれば、セクハラは自然消滅します。尤も、人権なんてあるからなんですけどね」
「もっと、いい案はないんですか」
「セクハラ発生件数を減らす方法ならありますよ」
「何ですか」
「通報があっても無視すればいいんですよ。アニメでも見てるのとか、AVでも見過ぎじゃないぐらい言って
おけば、犯罪は発生してないことになりますから」
「また、また!橋山さん」
「だろ?そうですねって言ったら、配置転換だよ」
「ですよね」
「ほら、取り締まりして来い」
「はい」

14 :この名無しがすごい!:2021/11/03(水) 01:16:44.21 ID:hNFPxIiq.net
 セクハラ課の橋山修は女形署のマザーコンピュータからアダルトビデオの閲覧履歴を一軒づつ、開いていた。
「中学生の裸の動画、目視!」
「小学生の放尿画像、目視!」
 閲覧履歴を閉じて東海洋平を呼んだ。
「何ですか」
「高屋敷勝幸という男がいるんだが、エッチなビデオを見てるので仕事にちょっかいかけて来てくれないか」
「ええ?いいんですか?男の人ってみんな、見るものじゃないんですか。」
「実は、この男、セクハラの容疑があるんだが、捕まらなかったんだよ」
「証拠はあるんですか」
「いや、無い」
「それってセクハラじゃないですか?」
「聞こえなかった?エッチなビデオを見てるから、仕事に迷惑をかけて来てくれって言ったの。
お前は業務に不服従なのか?」
「はい、分かりました」
洋平は茨城の奥地にまで足を運んだ。高屋敷の学生時代の友人を装い、地元のヤンキーたちに接触を持って
みた。
「君たち、高屋敷って知ってる?」
「おお、俺たちの仲間だよ」
「俺は高校時代の友達なんだよ」
「ああ、そうなんだ。あいついいよね。ハバネロ系でさ。チャイニーズキャベツとハバネロの料理が好物なんだよ」
「へぇ〜、聞いたことないけど、オシャレな感じだね」
「で、てめえは何だよ」
「あいつ、知ってる?この間まで東京にいたんだけどさ、女の子をレイプして警察沙汰になったんだよ」
「おいおい、マジかよ。信じられねえな。女の名前は誰だよ」
「知られたら、口封じされたり、嫌がらせされるから、秘密にされてるんだけど、中学生ぐらいの子らしいよ」
「分からねえな。高屋敷のことナメテルのかよ」
「それがさ、高屋敷の仕事は何か知ってる?」
「牛乳配達の朝の仕事だけど」
「普通、建築の仕事とか就くだろ?俺たちより身分が低いのはどうしてなのかってこと」
「マジかよ。身分が低いのかよ。信じるしかねえじゃねえかよ」
「だろ?牛乳配達してるのは彼にとっても良くないって心配してるの。だから、仕事を辞めさて欲しいの」
「ちょっと、待てよ。そんなことしてお前に何のメリットがあるんだよ。何にも無え俺たちの所に会いに来た
お前は何者だ?サツか?」
「友達だって言ったろ?」
「友達なら、何であいつに会いにいかねえんだよ」
「あいつが中学生だから」
「チッ、クソが。高屋敷がロリコン野郎ってことだ。俺たちで監視するしかねえ」
「俺も友達が心配なんだよね。じゃあ、俺はそろそろ帰るよ。じゃあな。」
「じゃあな」

15 :この名無しがすごい!:2021/11/03(水) 07:49:25.37 ID:hNFPxIiq.net
 洋平は高屋敷勝幸の納税記録を調べていた。納税額は大幅に増えている。何故、ここまで増えたのだろう。
上司の橋山に相談する必要があるかもしれない。
「橋山さん、この間のセクハラ犯の高屋敷の追跡調査が必要だと思うんですけど」
「僕より先にできるやつがいたんだ。それで、何をするの?」
「納税記録を調べていたんですけど、十倍ぐらいになってるんです。何故、アルバイトなのに、これだけ納税が
あるんでしょうね」
「気付いた?どうしてだと思う?」
「違法なものをサバイてるか、風俗関係ですかね。でも、違法なものなら、そもそも、納税しないんじゃないかと」
「正解。高屋敷はここに勤めてる」
差し出されたA4コピー紙には、住所と企業名が書いてあった。
「あいつは今、新宿のキャバクラでポン引きをしてるよ。セクハラ課の署員で目視もしてる」
「キャバクラと言ったら、セクハラの温床じゃないですか!」
「セクハラは再犯率が高いから、社会の監視が必要なんだけど、マイクロチップの埋め込みを許可して欲しいよね。
監視する苦労が無くなるから」
「橋山さん、手術は不味くないですか?病気ですか?」
「いいや、犯罪だけど」
「そういう話しじゃないんだけど。セクハラするやつは豚とか猿とかと一緒だな」
「僕の所に来たってことは仕事が欲しいんでしょ?」
「ええ、やりたいですね」
「じゃあ、今回も気が付いたから捜査に加えてあげるよ。新宿でポン引きの現場を逮捕して来てよ」

夜半、高屋敷はサラリーマンの男に歩調を合わせる。不意に隣りに進み出ると話始めた。
「若い子いるよ、若い子。見た目は中学生だけど、中身は大人。首から下はツルツルにしてあります。
1時間目まで2000円」
サラリーマンは通り過ぎた。サラリーマンのグループが来た。高屋敷は隣に寄り添う。
「「副部長、若い子いますよ、若い子。見た目は中学生レベルだけ、中身は大人。首から下はツルツルですよ。
1時間目まで2000円。女の子はマイク握り放題、声出し放題のサービス券も付けます」
「それ本当?追加料金ないの?」
「ええ、本当ですよ。お酒を飲んで、お客さんのマイクを握り放題ですよ」
「マイク握り放題なの。結構、Hなサービスもしてくれるお店な訳?」
「それはお客さんと姫たちが連日通って恋愛したら、そういうこともありますけど」
「お店どこよ。近いの?」
「すぐそこですよ」
「じゃあ、これ見てよ」
洋平は胸ポケットから警察手帳を取り出した。
「分かってるね。路上で客引き」
「はい」
「自動車来てるから」
高屋敷は周りにいる捜査官と伴に警察署に連れて行かれた。

16 :この名無しがすごい!:2021/11/03(水) 17:22:54.38 ID:hNFPxIiq.net
洋平は高屋敷勝幸のSNSを毎日、チェックしている。今日はどんな書き込みをしてるのかな。
「#中学生の悩み相談塾 #清潔なお付き合い #自宅での個人レッスン」
どうも自分だけでは判断に迷うな。周りの人がどう思うか相談したほうがいいんじゃないかな。
洋平は沙羅さんの所にURLをメモして行った。
「沙羅さん、マルヒを女性目線でどんな感想を持つか聞いてみたいんですけど」
「どれ、見せてみて」
PCの画面を覗き込むので沙羅さんに体が近くなり、シャンプーのいい香りがする。
「これ見てください」
「まあ、これはセクハラね」
「プロフィール見てください。少年の心を持った大人。心の中に愛を放つ」
「何だかチンチンが小さそうな男ね」
「もう、ヒドイんですよ。携帯電話のSNSに頻繁に誘導してるでしょ?セックスのことばかり考えてるからです」
「飽きれた」
「心理学を学んでるとか書いてあるでしょ?この男、高卒なんですよ。いいかげんな知識しかないのに
悩みを打ち明けさせて弱味を握ろうとしてるんです」
「汚いわね」
「#メンヘル とか書いてあるでしょ?病気の中学生ともセックスする気なんですよ」
「最低ね」
「私、許せないから、止めさせて来ていいですか?」
「中学生をロリコンの手から守って来て!」

洋平はある病院を尋ねた。病院の受付の女性に警察手帳を見せた。奥に通され、年配の女性で事務職のリーダー
と面会することができた。洋平は携帯電話を取り出し。高屋敷のSNSのURLを入力した。
「これ見てくださいよ。このSNS書いたの、清掃係の高屋敷君なんですけど。」
「どれどれ。まあ、中学生を自宅に招いて個人レッスン?」
「恋愛相談をするそうなんですよ。男性は受け付けてない。これ、女性の目線から見てどうですか」
「これはセックスをするつもりじゃないかしらね」
「そういう意見を言う人もいる。中学生とセックスする人をどうしたらいいんですか?」
「でも、清掃員足りないしね」
「事件になった時に病院に捜査が入りますよ」
「それ困りますね・・・」
「すると?」
「辞めてもらうしかないわね」
「ううん、そういう決定なら、仕方ないですね。誠意を見せて頂けるなら、そういう職員がいたことは不問にします」
「ありがとうございます」

高屋敷勝幸は病院の清掃員の仕事をしている。給料は安いが気楽さが売りの簡単な仕事だ。今日もいつも通り
終わると思っていた。いつもと違うのは事務員のリーダーがいたことだ。
「ここで清掃してるのはあなた?」
「はい、そうですけど」
「はぁ〜、前から注意してるけど、何度目なの?」
「はい?今日が初めてですけど」
「じゃあ、伝達が途切れているのね。まったくもう!言いたくないけど、あなたの清掃雑なのよ。これじゃあ、
汚くて問題外よ」
「すいません、やり直します」
「謝って済む問題?」
「いえ、じゃあ、どこが汚いのか指摘してくださいよ。OK出るまで清掃しますんで」
「う〜ん、あなた、性格が悪そうだから、病院のイメージに合わないのよね。病院に怖い人が出入りしてる
イメージになる」
「はあ、すいません」
「申し訳ないんだけど、今日で解雇させてもらっていい?」
「え、今日ですか?それ、労働基準法とか悪くないですか?」
「あなたは正社員じゃないし、仕事もサボってるから仕方ないわよ」
「いや、でも、困りますよ。俺、どうやって食って行けばいいんですか」
「そうね、暫く、生活保護でも貰ったら?」
「勘弁してくださいよ」
「私ね、中学生とセックスする人に働いて欲しくないのよ」
「どうして気付いたんですか!」
「短い付き合いだったわね。さようなら」

17 :この名無しがすごい!:2021/11/04(木) 23:52:57.34 ID:iBYUuIM9.net
洋平は次の計画を実行に移す時だと分かっていた。洋平はある会社に電話した。電話の先は小俣美佐男だ。
「小俣さん、女の子を一人、用意して欲しいんですけど」
「何をするんですか」
「植物に輪廻転生した環境に優しい生き物の社会実験に使うんですけど」
「できますよ。どんな女の子ですか」
「不良娘とか暴走族とかに出入りしてるような娘がいいです。見た目は美人がいいです」
「何人ぐらいがいいですか」
「そうですね。3人ぐらいがいいですね」
「数日中に用意できます」

高屋敷勝幸は車のトランクを開け、エアコンをつかんだ。亜鉛鋼板で囲われた敷地の中には、エアコンの山
や銅線の山やアルミ素材の山が詰まれている。高屋敷はエアコンの山に次々と降ろした。
「じゃあ、全部、降ろしたんで計量台の上に行ってください」
高屋敷はトラックがバックで入って来るのを誘導した。荷台を開けると銅線の束が入っている。新品の束が
数十個もある。どうして、新品の銅線が買い取りに出されたんだろう。勿体ないことをする人もいるものだ。
運転手の人が高屋敷に聞いて来た。
「君、見ない顔だね。何年目なの?」
「最近ですね」
「そうなんだ。じゃあ、相場聞いても分からないか」
「銅なら10円高いですよ」
「悪くないねえ!大儲かりじゃないの」
「じゃあ、計量に行ってください」
ホームレスのおやじが空き缶をビニール袋に積めて三袋持って来た。
「すいません。アルミ缶の買い取りお願いします」
「おお、お前か。じゃあ、体重計の上に置いてよ」
「はい」
メモリは4kgを指した。
「あちゃ〜、アルミ缶さあ、潰して無いと重さが出ないから、お金を割引していい?」
「本当ですか?そんな話し初めて聞いたなあ」
「おお、こっちの都合で悪いけどさ」
「じゃあ、それでいいっす」
「おお、500円の紙渡すから受け取ってよ」
こんな調子で一日の仕事は終わった

仕事の帰りに大手の居酒屋に一人で寄った。生ビールにタコ焼きを頼んだ。美味い。
やっぱり、何でも生がいいよな。カツオのたたきとシーザーサラダとカルパッチョも頼もう。
タコ焼きを食べていると、ヤバイ女がこっちをガン見してる。二人連れだった。
「ねえ、あのお兄さん、いい男じゃない?」
「手が早そうで、たまんないわね」
高屋敷はすぐにテーブルの近くに行った。
「お姉さんたち、今、暇なの?一緒に飲まない?」
「いいわよ」
高屋敷たちは同じテーブルで飲むことにした。
「お姉さんたちは仕事何をしてるの?」
「スーパーでアルバイト」
「家事手伝い」
やった!これなら、金属買い取り業者で働いてる俺でもワンチャンあるな!
「へぇ〜、お小遣い自分で稼いだり、家庭的なんだ、いいねぇ〜!」
「だべ〜。君何やってるの?」
「うん、サステナビリティーな仕事かな。そういう業態の従業員程度なんだけどさ」
「嘘!すげえじゃん!」
「ロシアからの製品も入って来てるから」
「マジで!海外の製品も取引してるの!」
「俺たちの業界では普通だから」
「私、この人のお嫁さんになりたい!」
一人の子が言った。高屋敷はその子を彼女にして、一年後、子供ができた。
洋平は子供が生まれた報告を受けた。それを橋山さんに届ける。
「高屋敷に子供を産ませる実験は成功しました」
「よし、セクハラしたやつはゴミ屋になって、次の子供を産ませる実験は成功だな」

18 :この名無しがすごい!:2021/11/05(金) 14:22:57.41 ID:GzJkUbtQ.net
 橋山と洋平はセクハラ課の小林徹と居酒屋に飲みに来ていた。洋平は前に飲みに来たことがあるので
二人を誘導した。
「ここのチャイニーズキャベツとハバネロのサラダ、美味しいんですよ」
橋山は興味を引かれたようだ。
「それはすごく美味しそうなだな。見たことも聞いたこともない料理だ」
洋平は店員を呼んだ。オーダーは軽く洋平が頼んでも構わないだろう。
「急いで生三つ持って来て。それと、このサラダ、コールドパスタとビーンスプラウトのハバネロ和え、
後、焼肉のハラミ、タン、イベリコ豚とかもいいね。そこら辺を持ってきてよ」
女性の店員が生を三つ、持って来た。
「お!来た来た!じゃあ、乾杯!」
洋平は一気に飲み干す。酒が入ると開口一番、小林がの口が滑り出した。
「この席に沙羅さんは呼べなかったんですか」
「沙羅さんは俺たちが呼んでも来てくれないかな。山本秀美あたりを呼ばないと同席してくれないぞ」
「僕、沙羅さん、素敵ですよね」
「ああ、美人だよな」
「沙羅さん、僕の好きな人、沙羅さんなんですよね」
洋平は何だか知れない憎しみが沸いて来た。
「沙羅さんの美しさの秘訣は何なんだろう」
「メンドクセエやつだな。あれは生れ付きだよ」
「そんなこと言わないでくださいよ。彼氏はいるんですかね」
洋平はもう、我慢できんと思った。
「沙羅さん、彼氏いるってよ」
小林の顔が一瞬で真っ白になるのが分かった。下を向き黙っている。橋山が心配になって声をかけた。
「おい、小林大丈夫か」
「僕、帰ります」
小林は挨拶もせずに帰って行った。橋山は洋平に言った。
「君、沙羅さんが大好きだって男に彼氏がいるって告げるのはセクハラハラじゃないのか?実際、いるのか?」
「いいえ、いませんよ。大体、沙羅さんとHしたそうにしてるのがムカついただけですから」
「ほら、セクハラじゃないか」
洋平と橋山は焼肉をつっつきながら、新種のサラダを食べた。
「このサラダ、美味いね。懐かしい感じがするよ」
「案外、いけますよね」
洋平は常々、抱いていた疑問を上司の橋山に聞いてみることにした。
「橋山さん、聞いていいですか」
「問題によるけど、どうしたの」
「セクハラ課のやってることって、ストーカーではないんですか?」
橋山は大きく頭を振った。
「そういうことは考えたらダメ。じゃあ、聞くけど、ストーカーって、どういうもの?」
「異性を恋愛感情や怨恨で付け狙うことです。追跡に伴い、汚物を置いたり、社会的に失墜させたりします」
「そうだね。我々は女性をターゲットにしてる?」
「いいえ、警察官は男性を、女性警察官は女性をターゲットにしてます」
「そうだね。じゃあ、我々は加害者に何か恨みでもある?知り合いとか近所の住民だとか」
「いいえ、全然、知らない人です」
「そうだね。異性でもないし、恋愛感情もないし、恨みもない。これは尾行してもストーカーではなくないか」
「それはそうですね。では、何の為に犯人を追いかけてるんですか?」
「それは一つは署長の為だよ。我々は公務員だからね。命令があるから、従ってるってことだよ」
「それだけですか」
「それが国の利益になるってことじゃないかな」
「なるほど、そこまで分かり易い人と一緒にいましたか」
「うん、分からないことがあったら、いつでも聞きなよ」

19 :この名無しがすごい!:2021/11/07(日) 08:22:36.33 ID:bwvYld9E.net
 洋平と橋山は署長室に呼ばれた。日頃のセクハラの取り締まりの功績により表彰したいそうだ。
橋山さんは洋平に注意した。
「いいか、口の利き方に気を付けろ。署長の前ではセクハラの話しは禁止だ。レイプの話は御法度だからな」
「何故ですか」
「先ず、報告したやつが殺されるし、犯人も殺されるからだ。署長はこの地域のセクハラを全滅させるつもりだ」
「なるほど」
「それと、絶対、ナメタ態度を取るな」
「はい」
署長室に入ると椅子には誰もいなかった。お茶くみ係らしき女の子がお菓子を持って来てくれた。
「ありがとう」
受け取ったお菓子を食べながら、橋山さんのほうを向くと直立不動の姿勢を取っていた。
「あれ、橋山さん、どうしたんですか」
「バカ、お前、何をやってるんだ。署長の前で菓子を食うやつがあるか」
「ええ?署長って、どちらにいるんですか」
「お前、署長の顔も知らんのか?横にいるだろ」
「え?え?この幼女が署長ですか?」
いきなり、向こう脛を蹴られた。
「誰が幼女だ。バカ者が!署長の顔ぐらい知っておけ」
 洋平は苦痛から解放されると、目の前の幼女らしき女性を見た。まるで、アニメの世界から抜け出して来た
ような美少女でポニーテールをしている。この人は何歳なんだろう。女性に年を聞く訳にもいかないし、どうしよう。
洋平は勤続年数を聞いてみた。
「署長、勤続何年目ですか?」
「うん?25年目だが。」
すると、40代半ばかな。この年で何で幼女みたいなんだろう。机の上を見るとセーラームーンの筆箱が置いてあった。
年代は合ってるみたいだな。
「私の顔も知らないやつがいるみたいだから、改めて自己紹介しておこう。署長の甘粕雅だ。よろしくな。
君たち、セクハラの取り締まりをがんばってくれてるようじゃないか。賞状を渡そう」
「橋山さん、何でこの人、署長になれたんですか」
「お前、そんなことも知らんのか。甘粕所長はこの地域を美化した最初の人だぞ。その功績で署長になったんだ」
「照れるな。昔のことだ」
「署長、部下への指導が足りなくて申し訳ありません」
「うん、気にするな。これからも社会で最初に用済みになる子たちに力を与えてやってくれ」
洋平たちは賞状をもらった。部屋を退出すると、橋山さんと話した。
「甘粕所長の方針って何ですか。トップにすると何か変わるんですか」
「みんなが良い子ちゃんになるんだ」
「それだけですか」
「良い子ちゃんが意地悪したり、喧嘩したら嫌われるだろ」
「はい」
「君ね、幼女はモラルだと思わないかね」
「あ、そこまで気付くんですか」
「それはこういう所に来たら気付くべきなんだよ」
「なるほど」
「明日から、セクハラの摘発に励みなさい」

20 :この名無しがすごい!:2021/11/09(火) 10:57:36.40 ID:UOScwtRy.net
 セクハラ課に署長の甘粕雅がやって来た。雅署長はセクハラ課に来るなり、駆け出した。
「沙羅ー!」
「あら、署長、いらっしゃい!」
雅署長沙羅に抱き着いた。
「沙羅、一日、会えないから、私のことを嫌いになったのかと思ったぞ」
「署長、同じ署にいるでしょ。毎日、出社して来てるじゃないですか」
「危ない事件には出動してないか?」
「セクハラ課ですよ。刃物一つありませんから」
「もしものことがある。この米軍の開発した防弾防刃特殊チョッキを装備しなくていいのか?マグナムも防ぐぞ」
「もう、署長、重くて仕事できませんよ」
「何か困ったことはないのか?」
「私だけ特別扱いは止めてください」
「遅刻は全部、消しておいたから、安心しておけよ」
「あれは出勤途中におじいさんが道を聞いて来て。別にいいですから」
「あの遠くで見てる男は何だ!ストーカーか?辞めさせるか?」
小林君を指さした。
「ひっ!」
「違いますよ。小林君は私の仲の良い同僚ですから」
「うん、心配ないようだな」
「ところで、署長、今日は何をしに来たんですか?」
「うん、先日、釣りをしたんだがな。クロダイの幼体しか釣れなかった。大量に釣れたのだが、煮付けにしたが
食いきれなくてな。沙羅に食べさせに来たのだ」
「頂いていいんですか?」
「おお、いいぞ」
「まあ、美味しい!」
「だろ!どんどん食べろよ」
洋平も署長の隣りに来て、料理に興味を持った。
「署長、煮付け、美味しそうですね」
「おお、お前も食いたいか。食っていいぞ」
「じゃあ、お一つ。これは中々いけますね。これ何の魚ですか」
「ちんちんだ」
「え?署長、僕、聞き間違えたみたいですけど、何ですって?」
「クロダイの幼体の名前だ。知らないのか」
「ふー、よくある名前でよかった」
署長は沙羅の机にクロダイの煮付けを置き、帰った。
「沙羅、暫く、会えないけど、元気にしてるんだぞ」
「もう、署長、明日、会えるじゃないですか」
「じゃあな」

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