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卍…毎日マンネルへイム元帥で冬戦争は問答無用…卍
- 1 :名無し三等兵:2013/02/22(金) 00:19:59.81 ID:???.net
- やっぱ1000いく前に落ちちゃったね
卍…マンネルへイムな毎日に冬戦争なひと時を…卍
http://toro.2ch.net/test/read.cgi/army/1316922747/
- 2 :1:2013/02/22(金) 00:22:23.50 ID:???.net
- すまん
前スレのタイトル直すの忘れた
これが正しい前スレ
↓
卍…毎日マンネルへイム元帥でお疲れ様…卍
http://toro.2ch.net/test/read.cgi/army/1316922747/
- 3 :名無し三等兵:2013/02/22(金) 04:12:42.07 ID:???.net
- Dat落ちするような過疎スレ立てるなよ
その為に前スレ書き込んだんだからな
m9(^Д^)プギャー
- 4 :名無し三等兵:2013/02/22(金) 06:15:19.32 ID:???.net
- フッ… l!
|l| i|li , __ _ ニ_,,..,,,,_
l|!・ω・ :l. __ ̄ ̄ ̄ / ・ω・≡
!i ;li  ̄ ̄ ̄ キ 三
i!| |i  ̄ ̄  ̄ =`'ー-三‐ ―
/ ; / ; ;
; _,/.,,,// / ヒュンッ
/・ω・ /
| / i/ こ、これは乙の軌跡じゃないんだからねっ!
//ー--/´
: /
/ /;
ニ_,,..,,,,,_
/ ・ω・`ヽ ニ≡ ; .: ダッ
キ 三 三 人/! , ;
=`'ー-三‐ ―_____从ノ レ, 、
- 5 :名無し三等兵:2013/02/22(金) 08:37:27.30 ID:???.net
- 人員輸送列車で揺られる日々やばいお
- 6 :名無し三等兵:2013/02/24(日) 11:48:24.71 ID:???.net
- >1
乙です。
更新まだかな・・・
- 7 :名無し三等兵:2013/02/25(月) 13:05:55.83 ID:???.net
- 海外のサイトで面白い記事見つけたらちょこちょこ訳してるんだけど、
たまになら書き込んでも大丈夫かな?
- 8 :名無し三等兵:2013/02/25(月) 16:12:29.44 ID:???.net
- 大歓迎!!!
- 9 :名無し三等兵:2013/02/25(月) 18:54:10.61 ID:???.net
- ありがとう。
じゃあお言葉に甘えて、まず一本。
いろんなサイトと情報を見比べて、加筆修正も加えてます。
訳の間違いもご容赦を。
フィンランドのBT戦車:
冬戦争中、赤軍はラドガ湖の北岸に大量のBT-2、BT-5、BT-7を配備していたが、
豪雪に覆われ起伏に富んだ地形の森林地帯では、これらBT戦車はグリップ力が低く
急カーブですぐに脱落する貧弱な履帯を持った失敗作である事を証明したに過ぎなかった。
ソ連は開発中にこれらの戦車の防御力を幾分増加させはしたものの、
それでもなお心許無い装甲とあっては、フィンランド軍の対戦車砲や
対戦車ライフルを前にした赤軍戦車兵は幸運を祈る以外の手立てを持たなかった。
- 10 :名無し三等兵:2013/02/25(月) 18:57:03.85 ID:???.net
- 冬戦争の間、この地域の赤軍部隊はフィンランド軍のモッティに包囲されていた。
その結果、赤軍は燃料やスペアパーツも尽き、穴を掘って埋めた戦車を
即席トーチカとして代用する事を余儀なくされた。これは、1つのモッティを破壊してしまえば、
後はフィンランド軍が戦車を確実に鹵獲出来るという意味でもあったのだが、
しかし、フィンランド軍は深刻な牽引車両不足にあり、戦車を多数鹵獲出来る状態にあっても、
これらの回収作業は物理的に不可能であった。
また、戦車のほとんどの状況が回収を困難にしていた。
- 11 :名無し三等兵:2013/02/25(月) 19:00:13.41 ID:???.net
- 包囲した赤軍部隊を攻撃する際、フィンランド軍は、火炎瓶と梱包爆薬で攻撃する事が多かった為に、
対戦車砲や対戦車ライフルよりもはるかに大きなダメージを戦車に残したのだ。
したがって、モッティに残された多数の戦車のほとんどは、
基本的に燃やされるか爆破されるか固く凍結した地面に埋まっているかのいずれかであり、
回収する為の理想的な条件からはかけ離れていた。
そういう事情もあり、冬戦争直後のフィンランド軍は完全な形のBT戦車を所有していなかった。
- 12 :名無し三等兵:2013/02/25(月) 19:03:30.37 ID:???.net
- 継続戦争は1941年の夏に始まった。
ソ連軍は依然、BT戦車を使用しており、フィンランド軍は全く無事な物や少しの修理で
すぐに自軍に組み入れる事も可能なコンディションのBT-5とBT-7を鹵獲した。
それでもフィンランド軍とBT戦車の関係は非常に短命に終わった。
当時、フィンランド軍の標準的な戦車はT-26だった。
T-26はBT戦車と比べると、小さくて、はるかに足は遅く、やや薄い装甲と、BT戦車と同等の武装を持つ戦車だった。
よって、フィンランド軍のBT戦車への関心の欠如は意外に見えるかもしれない。
しかし、この関心の欠如の主な理由は、1941年9月の戦闘で得た、
実践的な経験による裏付けがあるものだった。
- 13 :名無し三等兵:2013/02/25(月) 22:01:34.37 ID:???.net
- BT42は良いね。
- 14 :名無し三等兵:2013/02/25(月) 23:12:39.80 ID:???.net
- 重戦車小隊クリスティー支隊:
フィンランドではBTシリーズの戦車はひとくくりに "クリスティー"の愛称で呼んでいた。
1941年当時、フィンランド軍で主に戦車を使用していたのは戦車大隊の重戦車小隊だった。
1941年6月、継続戦争が始まった当初、この部隊には2両のT-28と2両のT-26
(認識番号R-81とR-82)が配備されていた。 その夏、フィンランドは攻勢を掛け、
冬戦争で奪われたカレリアの土地を取り戻すことに成功した。
1941年8月、フィンランド軍は数両のBT-5とBT-7を、ほとんど、または完全に無傷で鹵獲し、
これらの戦車を戦車大隊に引き渡した。
- 15 :名無し三等兵:2013/02/25(月) 23:15:23.55 ID:???.net
- 自軍に組み入れる為に戦車大隊は再編成を要した。
「クリスティー支隊(Christie-Osasto)」という新設部隊を立ち上げる為に、
T-26は重戦車小隊から第1戦車中隊と第3戦車中隊へ引き渡された。
こうして重戦車小隊のクリスティー支隊は1941年8月13日に設立され、13〜14日に4両のBT-5とBT-7を、
18日に1両のBT戦車を受領した。 これら5両のBT戦車をもって、クリスティー支隊への車両の受領は完了した。
第2戦車中隊のヤルヴェンパー少尉がこの支隊の隊長として選出されたが、
全5両の戦車の為の十分な搭乗員の確保が問題だった。戦車大隊から4両分の搭乗員を確保出来たが、
残り1両の搭乗員の確保は難航が予想された。しかし幸いな事に、
最近廃止された第7装甲車小隊から3人の下士官と7人の兵を補充する事でこの問題は翌日に解決された。
- 16 :名無し三等兵:2013/02/25(月) 23:19:07.68 ID:???.net
- 1941年9月1日の戦車大隊重戦車小隊の編成:
・ T-28 (2両)(認識番号R-48、R-49)
・ BT-5 (3両)(認識番号R-96、R-97、R-99)
・ BT-7 (2両)(37年型認識番号R-100、35年型認識番号不明)
・ トラック (4両)(整備、弾薬、燃料、物資)
・ 連絡用乗用車 (1両)
この支隊は他の戦車部隊と異なり、タンクデサントを基本とするという、
フィンランド軍としては非常に珍しい特性を持っていた。
この為に猟兵大隊からタンクデサント要員を選出し、狙撃部隊からも下士官と兵を6名抽出した。
専門の訓練は8月21日から行われた。
翌22日には第4軽歩兵支隊の護衛という任務を拝領し、独自の独立した部隊となった。
- 17 :名無し三等兵:2013/02/26(火) 00:00:33.21 ID:???.net
- クリスティー支隊の短い戦争:
ラドガ湖の北岸まで進行したフィンランド軍は、その東岸の赤軍陣地を
地下壕とトゥーロス川に阻まれて一ヶ月も攻めあぐねていたが、1941年9月4日、
渡河作戦に成功し、シュヴァリ川方面に攻撃を開始した。これは継続戦争において、
フィンランド-ソ連間における最初の戦車戦であった。
その日、クリスティー支隊は16時40分頃から第4軽歩兵支隊をサポートする為に戦闘状態に入った。
交戦が始まると当時にクリスティー支隊の2両のBT戦車が、
同じ重戦車小隊に属する2両のT-28と共に泥だらけの地形でスタックしてしまった。
- 18 :名無し三等兵:2013/02/26(火) 00:04:46.95 ID:7XPbGx4I.net
- 幸い、T-28はすぐに体勢を立て直し、わずか20分でトゥーロス-オロネツ街道まで進撃、
19時30分には赤軍が防戦一方となるまで追い詰めた。
この戦闘でいくつもの対戦車砲や対戦車ライフル、野砲を3門、数両の装甲車を撃破したものの、
重戦車小隊は2両のT-28が被弾し、認識番号R-49の搭乗員2名が負傷、
認識番号R-48の操縦手が死亡した。車両の修理と新たな搭乗員確保の為にT-28は戦列から下がり、
BT戦車のみとなったクリスティー支隊は厳しい戦いを強いられる事となった。
- 19 :名無し三等兵:2013/02/26(火) 00:09:50.79 ID:???.net
- 翌9月5日早朝、撤退する赤軍に追撃戦を仕掛ける為に、クリスティー支隊から2両のBT-7が出撃した。
しかし、随伴歩兵を付けていない事に気付いたのは後になってからだった。
出撃した2両のうちの1両、R-100の認識番号を持つBT-7は燃料ポンプに問題を抱えていた為、
ドラム缶で急造した燃料タンクをリアデッキに備えていた。
赤軍の対戦車ライフルの攻撃をこの燃料タンクに受けたBT-7は瞬く間に炎上し、
その車両と3名の搭乗員の命が失われた。
- 20 :名無し三等兵:2013/02/26(火) 00:14:53.57 ID:???.net
- 9月7日〜12日、クリスティー支隊はオロネツに到着。シュヴァリ川方面へ攻撃を続けた。
9月13日〜14日、ついにクリスティー支隊の全ての戦車が壊れ、スタックし、戦闘の続行は不可能となった。
シュヴァリ川発電所の程近く、キンキネヴォでの事だった。
それらは完全なオーバーホールと大規模な修理を必要としたが、
泥から引き上げて1両ずつ修理していたのでは追いつかない程に老朽化していた。
クリスティー支隊のケスキネン中尉と重戦車小隊のアルベルト・ラサネン准尉によって書かれた、
残り4両のBT戦車に関する報告から、事態の深刻さを明確に読み取れる。
- 21 :名無し三等兵:2013/02/26(火) 00:19:56.44 ID:???.net
- 「ひとつの故障を修理している間に、別の場所がすでにバラバラになっているような有様。
全ての戦車の履帯は脱落と装着を繰り返し過ぎた為に完全に伸びきってしまっている。
トランスミッションに至ってはギアそのものが無くなっている。在るべき場所に在るべき物が見当たらない。
エンジンは正常に作動しない。ステアリングも同様に正常に作動しない。
全ての車両で配線の確認が必要。全ての車両で光学機器が欠落。車輪の交換も必要。
2両はエンジンスターターが故障。2両はメインクラッチが完全に故障しており、他の2両も確認が必要」
もう戦場での修理は不可能なレベルであった。
- 22 :名無し三等兵:2013/02/26(火) 00:25:01.33 ID:???.net
- 1941年9月16日。
残りの全てのBT戦車は、完全なオーバーホールの為にカウスにある戦車修理工場に出され、
戦車を失ったクリスティー支隊は、翌9月17日に廃止された。
これがフィンランド軍が積極的にBT-5とBT-7を使用した、最初で最後の戦闘だった。
- 23 :名無し三等兵:2013/02/26(火) 00:27:18.58 ID:???.net
- 以上です
長々とスレ汚しすいませんでした
- 24 :名無し三等兵:2013/02/26(火) 09:02:16.73 ID:???.net
- >16
フィンランド軍にも戦車跨乗兵がありましたか。
知らなかったなあ。
- 25 :名無し三等兵:2013/03/08(金) 12:18:11.37 ID:???.net
- 更新待ち・・・
- 26 :名無し三等兵:2013/03/12(火) 00:03:11.51 ID:???.net
- ttp://en.wikipedia.org/wiki/List_of_military_aircraft_of_Finland
なんとまあ、多種多様な機体を使用していたものだなあ。
- 27 :名無し三等兵:2013/03/18(月) 06:34:26.17 ID:???.net
- ここ以外軍板ではフィンランド関係スレはないのか?
- 28 :名無し三等兵:2013/03/18(月) 09:27:07.24 ID:???.net
- シモ・ヘイへスレとか現代ヨーロッパ軍スレとかかな
- 29 :名無し三等兵:2013/03/18(月) 11:25:14.98 ID:???.net
- フィンランドスレは、落ちて久しいですな・・・
- 30 :名無し三等兵:2013/03/31(日) 22:54:14.60 ID:???.net
- 保守しておきましょう。
- 31 :名無し三等兵:2013/04/13(土) 17:02:00.67 ID:???.net
- スケールアヴィエーション誌、次号はフィンランド空軍特集第三弾です。
- 32 :名無し三等兵:2013/04/29(月) 23:58:59.94 ID:???.net
- 続きはまだかしら・・・
- 33 :名無し三等兵:2013/05/04(土) 20:11:12.94 ID:???.net
- ttp://sa-kuva.fi/
これを見て暇をつぶしましょう。
- 34 :名無し三等兵:2013/05/04(土) 20:13:09.61 ID:???.net
- 規制でも食らってんのかね
うp、待ってますよぉ
- 35 :名無し三等兵:2013/05/10(金) 01:26:44.64 ID:???.net
- twitterでフィンランド軍検索したらガルパンだらけ
- 36 :名無し三等兵:2013/05/17(金) 09:50:56.28 ID:???.net
- , -.―――--.、
,イ,,i、リ,,リ,,ノノ,,;;;;;;;;ヽ
.i;}' "ミ;;;;:}
|} ,,..、_、 , _,,,..、 |;;;:| 諸君、当スレの人民の要請により
|} ,_tュ,〈 ヒ''tュ_ i;;;;| 保守をする。
| ー' | ` - ト'{
.「| イ_i _ >、 }〉}
`{| _.ノ;;/;;/,ゞ;ヽ、 .!-'
| ='" |
i゙ 、_ ゙,,, ,, ' {
丿\  ̄ ̄ _,,-"ヽ
''"~ヽ \、_;;,..-" _ ,i`ー-
ヽ、oヽ/ \ /o/ |
- 37 :名無し三等兵:2013/05/23(木) 07:57:11.97 ID:ReHfc3pg.net
- 17日、ロヴァニエミに設置されたドイツ・ラップランド軍司令部は、
フィンランドに6月22日を期して対ソ攻撃を開始することを示唆した。
- 38 :名無し三等兵:2013/05/23(木) 08:05:07.40 ID:ReHfc3pg.net
- 同時期、前年からベルリンに滞在していた山下奉文陸軍中将を長とする日本陸軍欧州視察団は、
ドイツ国防軍総司令部の警告に基づき、慌ただしくベルリンを離れた。
フィンランド軍は直ちに動員を開始した。41歳のアーヴィッド・ヤンフネンは、大きなバッグを
背負うと家を出て徴兵事務所に向かった。「俺は国に借りがあるからな。」家族は彼の言葉を
覚えている。彼は、ヘルシンキの通称エース連隊こと第26連隊に入営した。
クオピオ、スオネンヨキ等北サヴォの郷土防衛隊の隊員達は第30連隊として再編成され、
郷土防衛隊長のエリッキ・ルオッサロ中佐が連隊長となった。
- 39 :名無し三等兵:2013/05/23(木) 12:04:11.87 ID:???.net
- 祝 再開
- 40 :名無し三等兵:2013/05/23(木) 12:56:19.46 ID:???.net
- >>38
>>家族は彼の言葉を覚えている
いきなり戦死の伏線ですか…
しょっぱなから40代まで根こそぎ動員とかパないね
- 41 :名無し三等兵:2013/06/10(月) 21:34:24.05 ID:???.net
- 保守
- 42 :名無し三等兵:2013/06/18(火) 00:42:22.91 ID:???.net
- 規制に引っ掛かっているのかな・・・
- 43 :名無し三等兵:2013/06/24(月) 21:45:24.83 ID:???.net
- 保守
- 44 :名無し三等兵:2013/07/07(日) NY:AN:NY.AN ID:???.net
- ほす
- 45 :名無し三等兵:2013/07/15(月) NY:AN:NY.AN ID:???.net
- まだかまだか
- 46 :名無し三等兵:2013/07/22(月) NY:AN:NY.AN ID:???.net
- 夏が終わるまでには・・・
- 47 :名無し三等兵:2013/07/28(日) NY:AN:NY.AN ID:???.net
- ガンガレ保守
- 48 :名無し三等兵:2013/08/07(水) NY:AN:NY.AN ID:???.net
- 保守
- 49 :名無し三等兵:2013/08/13(火) NY:AN:NY.AN ID:???.net
- ああああああああああああああああああああああああああああ
- 50 :反ス厨 ◆3C9UaD41ww :2013/08/17(土) NY:AN:NY.AN ID:???.net
- 早く
- 51 :名無し三等兵:2013/08/26(月) NY:AN:NY.AN ID:???.net
- 補給は・・・
まだか・・・
- 52 :名無し三等兵:2013/08/27(火) NY:AN:NY.AN ID:???.net
- 保守
- 53 :名無し三等兵:2013/08/27(火) NY:AN:NY.AN ID:tHQK+mOT.net
- ベッジベヘマー基地のフィンランド空軍第34戦隊では、隊員に外出禁止令と緊急待機が発令された。
滑走路の周囲の木陰には、緑と黒の迷彩が施されたバッファロー戦闘機が分散して翼を休めている。
「あの冬を思い出すな。きっと戦争になるよ。」ユーティライネン准尉は、戦闘機の胴体に描かれた
部隊紋章の山猫を見ながら整備員に呟いた。
- 54 :名無し三等兵:2013/08/27(火) NY:AN:NY.AN ID:???.net
- おお、再開か! ありがたや
- 55 :名無し三等兵:2013/08/27(火) NY:AN:NY.AN ID:???.net
- お待ちしておりました
- 56 :名無し三等兵:2013/08/27(火) NY:AN:NY.AN ID:???.net
- キタワァ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(n‘∀‘)η゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*!!!!
- 57 :反ス厨 ◆3C9UaD41ww :2013/08/27(火) NY:AN:NY.AN ID:???.net
- きた
- 58 :名無し三等兵:2013/08/28(水) NY:AN:NY.AN ID:???.net
- キ…(-_-)キ(_- )キ!(- )キッ!( )キタ(. ゚)キタ!( ゚∀)キタ!!( ゚∀゚ )キタ━━━
- 59 :名無し三等兵:2013/08/28(水) NY:AN:NY.AN ID:???.net
- よくぞ戻られた
- 60 :名無し三等兵:2013/08/29(木) NY:AN:NY.AN ID:???.net
- 乞食みたいな100円写真販売サイトでまったく売れない老い耄れが見苦しい言い訳してる。
それに写真がいくら売れなくても商用目的になるから路上無断撮影は違法ですよ。
- 61 :名無し三等兵:2013/08/29(木) NY:AN:NY.AN ID:???.net
- どこの誤爆だろう・・・
誤爆ならスウェーデンに落としなさいよ。
- 62 :名無し三等兵:2013/08/30(金) NY:AN:NY.AN ID:???.net
- バッファロー大活躍の悪寒
- 63 :名無し三等兵:2013/09/02(月) 21:12:43.86 ID:???.net
- tesu
- 64 :名無し三等兵:2013/09/17(火) 23:37:47.67 ID:???.net
- 待望・・・
- 65 :名無し三等兵:2013/09/18(水) 20:58:35.66 ID:sHX+2kFK.net
- 「装備受領のため、第3大隊とロムッパラへ移動せよ。」19日、ルオッサロは第1大隊長
ニーロ・ピエトライネン大尉に命じた。ピエトライネンは、冬戦争をコラーで第34連隊
第3大隊長として戦った経験豊かな将校である。
汽車が駅に到着すると第1中隊長のレイノ・コルピ中尉が号令をかけた。「中隊整列。
乗車しろ。」兵士達は家族や恋人に別れを告げ、賑やかに列車に乗り込んだ。
「今度こそロシア人を叩きだして凱旋するぞ。」ジュッシ・ヴェヴィライネン伍長は
見送りの人々に手を振った。
- 66 :名無し三等兵:2013/09/18(水) 21:04:36.90 ID:???.net
- お帰りなさい
- 67 :反ス厨 ◆3C9UaD41ww :2013/09/18(水) 22:48:47.45 ID:???.net
- ライネンが多いな
- 68 :名無し三等兵:2013/09/19(木) 00:47:06.97 ID:???.net
- キテタ━(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)━!!
- 69 :名無し三等兵:2013/09/19(木) 08:29:31.92 ID:???.net
- >>67
日本での名前の木とか田とか川とかに相当する感じなんかね?w
- 70 :名無し三等兵:2013/09/23(月) 08:42:35.37 ID:???.net
- 佐藤や斉藤や加藤みたいに○藤も多いな
- 71 :名無し三等兵:2013/09/29(日) 21:57:01.34 ID:???.net
- 保守
- 72 :名無し三等兵:2013/09/30(月) 01:10:36.30 ID:???.net
- 梅本さんの「海軍戦闘機隊2」が出ますね。
フィンランド軍関係は・・・もう書かないのかな。
斎木さんにお任せかも。
- 73 :名無し三等兵:2013/10/04(金) 21:53:29.06 ID:???.net
- 良スレなんでage保守
- 74 :名無し三等兵:2013/10/05(土) 00:16:26.37 ID:???.net
- GP誌に斎木さんが連載してた、フィンランド軍三突戦記は単行本化しないのかしら。
- 75 :名無し三等兵:2013/10/05(土) 22:00:04.42 ID:6XSa1LRS.net
- 東サヴォ地区では冬戦争をブオサルミ方面で戦ったアールネ・ブリック大佐が第2師団長に任命され、
慌ただしく部隊編成を始めていた。「動員計画から15時間遅れているぞ。」司令部で彼は声を荒げた。
第2師団は第7、28、29の3個歩兵連隊を中心に編成される計画であったが、師団の担当地域は
交通事情が悪く、兵舎等施設の準備も不十分であった。
冬戦争でタイパレを守ったアルマス・ケンピ大佐は、休戦期間中の現役兵で編成された第7旅団を
連隊へ改編中であった。「軍馬の定数は412頭。車輛は6台、トラック、乗用車、オートバイが
各2台づつだな。」彼は補給担当のM,ヴァイニオ中尉に確認した。
連隊の第1及び第2大隊はタイパレ防衛戦の第19、21連隊、コラーで戦った第35連隊の生き残りを
基幹に編成されている。
- 76 :名無し三等兵:2013/10/05(土) 23:07:29.31 ID:???.net
- やった!
お待ちしておりましたよ。
- 77 :名無し三等兵:2013/10/06(日) 10:00:03.23 ID:???.net
- 歴戦の精鋭だな
- 78 :名無し三等兵:2013/10/06(日) 23:03:52.72 ID:P6ZfQf9/.net
- 一方、第18師団長となったトルヴァヤルヴィの英雄アーロ・パヤリは自信に満ち溢れていた。
「今や我々は冬せんの時とは比べ物のならないほどの装備に恵まれている。」
事実フィンランド軍は冬戦争の結果、火砲160門、対戦車砲100門を捕獲していた。この他、
重機関銃910挺、軽機関銃3900挺、小銃4万丁と野戦炊事、病院設備等により、フィンランド軍の
装備は充実していた。
冬戦争でパヤリの元で戦った第10独立大隊のユーホ・ポッシは故郷を失い、戦後も軍に残って
いたが、第27連隊の中隊長として再びパヤリと戦う事となる。
- 79 :名無し三等兵:2013/10/07(月) 00:05:10.56 ID:???.net
- 焼け太り、というやつですな。
- 80 :名無し三等兵:2013/10/07(月) 10:12:36.83 ID:???.net
- ふと思ったんだが、よく火器を捕獲したというのはあるけど、
弾薬もそれに見合うだけ充分に捕獲できたのか?
それとも国内の工場で生産してたのか?
- 81 :名無し三等兵:2013/10/07(月) 11:07:11.29 ID:???.net
- 小銃と機関銃用の弾薬は鹵獲品と正規の装備で一緒だから問題ない。
火砲類の弾薬は製造したんじゃないかね。
- 82 :反ス厨 ◆3C9UaD41ww :2013/10/07(月) 12:06:43.27 ID:???.net
- 物資不足の赤軍からパクらなければならないほど物資不足の状態でよく持ちこたえたよな
スパムでも喜んで食べそう
- 83 :名無し三等兵:2013/10/07(月) 17:49:22.37 ID:???.net
- フィンランド軍の主力野砲がロシア製(もしくはコピー)の76o1902年型カノン砲(76.2_)なのでラッチュ・バムなんかとは
砲弾が共通のはず。
ストックが心配なのは45_対戦車砲の砲弾だと思う。
- 84 :名無し三等兵:2013/10/11(金) 21:15:25.23 ID:???.net
- BT-42を製造(改造?)するにあたり、英国から貰った115ミリ砲用に
わざわざ成形炸薬弾を製造してますね。
しかし、BT-42で対戦車戦闘は・・・酷い話だ。
- 85 :名無し三等兵:2013/10/12(土) 20:56:35.71 ID:N1xLdFu9.net
- ベルリンを発った日本の遣欧軍事視察団は19日にモスクワに到着した。
駅では赤軍幹部達が山下奉文中将を出迎えた。彼はクレムリンを訪れ、
ノモンハンの敵将ジューコフと対面した。山下が独ソ開戦の可能性を
問うと、ジューコフは首を振って否定したという。
しかし、不吉な予兆はあった。ソ連国境警備隊は、国境の向こう側で
監視塔の増設工事が急速に進み、大勢の警察官が列車から降ろされている
と報告してきた。レニングラードの港からはドイツ商船が慌ただしく
出港していった。
- 86 :名無し三等兵:2013/10/12(土) 20:58:09.59 ID:???.net
- 露助は諦めない。
- 87 :名無し三等兵:2013/10/14(月) 07:52:38.96 ID:bPf8xzgc.net
- ソ連軍の中には危険な兆候に気が付いた人間もいれば、何らかの手を打つべく行動した将校もいた。
20日、レニングラード軍管区の高級将校達は会議のためカンダラクシャに集まっていた。
その夜、工兵司令官のボリス・ビシェフスキー大佐は、軍管区参謀長のN.ニキシェフ少将に
呼び出された。「カレリア地峡のフィンランド軍の活動が活発化している。すぐに国境に地雷原を
設営するのだ。」ビシェフスキーは拒否した。彼は防衛戦の強化命令を受けて、指揮下の
工兵部隊をトーチカ建設に従事させていたのだ。「我々は、コンクリート工事を優先させるよう
モスクワから命令されている。」ニキシェフは声を荒げた。「時間がないんだ。倉庫の地雷を
一つ残らず集めて前線部隊に分配するのだ。」彼は命令書を突きつけた。
- 88 :名無し三等兵:2013/10/16(水) 19:41:38.49 ID:???.net
- 指揮系統が違うから、命令には従わない?
- 89 :名無し三等兵:2013/10/16(水) 20:45:48.97 ID:???.net
- 赤軍の性格と文脈からは、上官の命令よりも共産党直の命令が優先すると私は思う。
- 90 :名無し三等兵:2013/10/17(木) 12:49:05.69 ID:???.net
- その上官の、更に上が誰かにもよるでしょうな。
- 91 :名無し三等兵:2013/10/17(木) 13:46:18.61 ID:???.net
- ただ単にしかかりの仕事放り出して別の仕事始めたくないってだけだろ
- 92 :名無し三等兵:2013/10/17(木) 17:45:57.20 ID:???.net
- どんな些細な事で逮捕されるか・・・
とにかく「粛清の嵐」は継続してましたから、警戒していたでしょう。
- 93 :名無し三等兵:2013/10/19(土) 21:28:38.65 ID:vieZRnLN.net
- 1941年6月22日の日曜日、奇しくもナポレオンのロシア侵攻と同じ日、
バルバロッサ作戦が発動された。
枢軸軍150個師団300万人、装甲戦闘車輛3580輛、輸送車輛60万台、
各種火砲7184門、航空機1800機、馬匹75万頭が独・ソ国境を突破した。
- 94 :名無し三等兵:2013/10/19(土) 23:47:44.33 ID:???.net
- 更新、お疲れ様です
- 95 :名無し三等兵:2013/10/20(日) 10:25:59.68 ID:???.net
- (将兵)300万人、輸送車輛60万台、馬匹75万頭、結構興味深い数字だよね。
若干のルーマニア騎兵が居るにしろ、鉄道、航空機以外の部分で、
将兵4人ぶんの輜重を馬1頭と、0.8台の車が支えていたんだね。
- 96 :名無し三等兵:2013/10/20(日) 15:13:52.48 ID:0gb5m7GR.net
- ヒトラーは東部戦線の3個軍集団のうち、北方軍集団に対してレニングラードの占領又は破壊を
命じている。北方軍集団司令官フォン・レープ元帥は、第一次世界大戦の東部戦線でも
バイエルン第11歩兵師団参謀として、アウグスト・フォン・マッケンゼンのゴルリッツ突破作戦に
参加している。
北方軍集団戦闘序列
第16軍(エルンスト・ブッシュ上級大将)
第2軍団:第12師団、第32師団、第121師団
第10軍団:第30師団、第126師団
第28軍団:第122師団、第123師団
軍直轄:第253 師団
第18軍(ゲオルグ・フォン・キュヒラー上級大将)
第1軍団:第1師団、第11師団、第21師団
第26軍団:第61師団、第217師団
第38軍団:第29師団、第58師団
軍直轄:第291師団
第4装甲集団(エーリッヒ・ヘプナー上級大将)
第41装甲軍団:第1装甲師団、第6装甲師団、第36自動車化歩兵師団、第269師団
第56装甲軍団:第8装甲師団、第3自動車化歩兵師団、第290師団
軍集団予備:第206師団、第251師団、第254師団、第207保安師団、第281保安師団、第285保安師団
- 97 :名無し三等兵:2013/10/24(木) 13:25:16.81 ID:???.net
- 大軍ですな。
- 98 :名無し三等兵:2013/10/26(土) 21:52:48.52 ID:r7EnMUAP.net
- ソ連軍レニングラード軍管区司令部は、緊急召集を受けて集まって来た将校達でごった返していた。
朝5時、参謀長のニキシェフが現れた。「同志諸君、戦争だ。ドイツのファシストが攻撃してきた。」
将校達の間からざわめきが起きた。
レニングラード中心部北東ポリチェフスカヤ通りにある帝政時代の1902年に設立された伝統ある
レニングラード工科専門学校は試験シーズンの真っ只中であった。図書館は試験勉強する学生で
溢れ返っている。共産主義青年同盟の副書記長オスカー・バクシが講堂に集まった学生に宣言した。
「ドイツの軍隊が国境を越えて我が国に侵攻した。すぐに防衛工事に参加しよう。人民のために
防空壕を建設しなければならない。」
- 99 :名無し三等兵:2013/10/26(土) 23:06:44.16 ID:???.net
- ちゃんと読んでます
頑張ってください
- 100 :名無し三等兵:2013/10/27(日) 10:05:23.85 ID:???.net
- その頃、同志書記長閣下は寝室で現実逃避モードで震えていたんだろな。
「ドイツが攻めてくるはずがない。ドイツが攻めてくるはずがない。」と言いながら
- 101 :名無し三等兵:2013/10/27(日) 11:07:27.34 ID:???.net
- 100 名前:名無し三等兵[sage] 投稿日:2013/10/27(日) 10:05:23.85 ID:???
私はファシストのスパイです。
スターリンを誹謗中傷し、民心を動揺させるための工作や殺人・誘拐・強盗を多数繰り返してきました。
- 102 :名無し三等兵:2013/10/27(日) 11:08:14.57 ID:???.net
- この頃、オットー・クーシーネンは何をしていたんだろう。
- 103 :名無し三等兵:2013/10/27(日) 11:52:18.99 ID:O3a8Lh86.net
- プーシキン近郊に展開していたソ連第24戦車師団に警報が発せられた時、
師団長のM.チェスノコフ大佐は困惑した。彼の師団の兵員の充足率は72%。
武器弾薬に至っては50%を切っていた。師団は469台の車両を保有していたが、
それは定数の49%であった。
数日前にキエフの戦車技術学校を卒業し、着任したばかりのイワン・ゴルシュコ
中尉はプスコフで戦車を受領するよう命ぜられていた。補給廠で彼は途方に
暮れた。「KV戦車は使用可能状態にない。T28は訓練用に取られてしまった。
どうすればいい?」先着の第1戦車師団がありったけの戦車を押えていた。
同行した軍曹が報告した。「BT5とBT7が20台あります。」しかし、駆け付けてみると
最初の戦車にはギアボックスが装着されておらず、バッテリーのない車両も
何台か発見された。さらに武装を取り外されている戦車まであった。照明もないまま
夜通し作業し、彼らは何とか稼働状態になった5台のBT5戦車と共に補給廠を
後にした。
※クーシネンはカレロ・フィン共和国首都のペトロザヴォーツクにいたようです。
- 104 :名無し三等兵:2013/10/27(日) 15:11:38.14 ID:???.net
- >103
そうですか、クーシネンはまだカレロ・フィン共和国にいますか。
よくぞその後の粛清を生き残ったものですね。
- 105 :名無し三等兵:2013/10/27(日) 15:37:18.05 ID:???.net
- クーシネンって傀儡の指導者だから残ったのではないかと。
- 106 :名無し三等兵:2013/10/30(水) 08:49:30.55 ID:???.net
- なにげにスターリンのお気に入りで、天寿を全うしたんじゃなかったっけ?
- 107 :名無し三等兵:2013/11/02(土) 11:08:41.13 ID:StqoByVD.net
- 午前9時、フィンランド大統領リュティ臨席の下、内閣外交委員会が開催された。
首相ランゲルは報告する。「この戦争でフィンランドは目下のところ中立である。
軍事情勢が及ぼす影響はフィンランド国内にあるドイツ軍の動き如何による。」
この時フィンランド国内にはドイツ・ラップランド軍が駐留していたが、彼らは
未だソ連への侵攻を開始していなかった。
しかしソ連軍はフィンランド領を空爆し、ハンコやペツアモでは砲撃も加えられた。
外相ヴィッティングは直ちにソ連公使オルローフに抗議をしたが、オルローフは
空襲は行われていない。」と答えた。反対に翌23日、ソ連外相モロトフはフィンランド
駐ソ大使ヒュンニネンを呼びつけ、ハンコやレニングラードへの空襲に対して抗議を
行っている。
この日フィンランド南西部トゥルク港に接岸した旅客船から降り立つ乗客の中に、
日本帝国陸軍大尉広瀬栄一の姿があった。
- 108 :名無し三等兵:2013/11/04(月) 21:29:05.32 ID:O/VE4k1b.net
- 既にラジオで独ソ開戦は報じられており、船内はその噂で一杯であった。広瀬は
フィンランド政府の指定通り、平服で日本大使館の用意した乗用車に飛び乗った。
「婦人ばかりだな。」彼は車窓から町を眺め、運転手に話しかけた。「総動員令が
出ました。男は皆出征ですよ。」運転手は答えた。
広瀬はヘルシンキ郊外にある海軍暗号解読センターに派遣された。「冬戦争の敵討ちだ。」
フィンランド軍将校達は次々と広瀬の手を握りしめ、挨拶した。彼はパルコ大尉、
パレ中尉らと共同作業を始める事となった。「電報は語るんだ。暗号が解けなくとも
本数だけでも貴重な資料となる。どこからどこへ何本言っているか、その数を追うと
思わぬ情報が得られる事がある。」広瀬の言葉に二人のフィンランド軍将校は頷いた。
専門家同士はすぐに打ち解けた。
- 109 :名無し三等兵:2013/11/04(月) 22:01:15.82 ID:???.net
- おつであります
- 110 :名無し三等兵:2013/11/04(月) 23:13:17.39 ID:???.net
- お、広瀬大尉だ。
- 111 :名無し三等兵:2013/11/10(日) 11:47:13.19 ID:jsOyxqB2.net
- レニングラード工科専門学校では、この日も続々と学生達が講堂に詰めかけて来た。
教師、職員、労働者代表らが次々と壇上に登り、演説を始めた。「我々は皆、必要と
あらば祖国に命を捧げるのだ。」E.ニコライ教授が熱弁をふるった。3200名の生徒が
カレリア、ルガ、ガチナ等各地の建設工事支援に出発した。
軍の徴兵事務所も学生達で溢れかえっていた。「僕はドイツ語がわかる。医学の単位も
持っている。軍隊に参加させて下さい。」登録の列に並ぶユーリ・アゾフ、セルゲイ・
オコロコフらは、級友が必死になって従軍を嘆願する姿を見た。
プーシキンのソ連第24戦車師団は、ヴィボルグ方面への出動を命ぜられた。
- 112 :名無し三等兵:2013/11/10(日) 23:38:17.48 ID:???.net
- この頃のヴィープリは、冬戦争でソ連軍に占領されてからそのままかな?
- 113 :名無し三等兵:2013/11/12(火) 23:17:47.31 ID:???.net
- 冬戦争開始まであと二週間
- 114 :名無し三等兵:2013/11/16(土) 12:16:58.41 ID:h3IaLwgl.net
- この時点でソ連第24戦車師団は8642名の兵士を擁し、139台のBT2、BT5、T26を保有していた。
師団長のチェスノコフ大佐は憂鬱であった。「我が師団は戦闘状態にはほど遠かった。兵士達は
勇敢で献身的であったが、組織は未成熟で準備不足は明白だった。戦車の乗員達もお互いのことを
知らなかった。」彼は後に手紙に書いている。
「司令部はイハンタラに設置する。」車両の移動はヴィボルグ高速道路を使用せよ。」将校達は
慌ただしく出発の準備を始めた。弾薬、燃料、予備部品も移送しなければならない。「3日分の
食料も忘れるな。」司令部内を怒号が飛び交った。
- 115 :名無し三等兵:2013/11/16(土) 15:45:20.80 ID:???.net
- BT-2はちょっと古いね。
主力はT-26かな。
- 116 :名無し三等兵:2013/11/17(日) 21:57:59.99 ID:D4q0oJC3.net
- ソ連軍は完全に不意を突かれていた。国境付近に布陣していた部隊は敗退を重ね、
レニングラードを目指すドイツ北方軍集団はバルト三国を席巻していた。
24日、ソ連軍最高司令部は命令第0187号を発令し、レニングラード軍管区の
第7軍、第14軍、第23軍を、北部戦線に改編した。司令官にはM.M.ポポフ中将が
任命された。
ソ連軍北部戦線戦闘序列
第23軍(ピョートル・プシェニコフ少将)
第19軍団:第115狙撃師団、第142狙撃師団
第50軍団:第43狙撃師団、第70狙撃師団、第123狙撃師団
第10機械化軍団:第198自動車化狙撃師団、第21戦車師団、第24戦車師団、第7自動車化連隊
第7軍(フィリップ・ゲロリエンコ中将)
第168狙撃師団、第71狙撃師団、第54狙撃師団
第14軍(ヴァレリアン・フロロフ少将)
第17軍団:第104狙撃師団、第122狙撃師団、第1戦車師団
第42軍団:第14狙撃師団、第52狙撃師団
軍予備:第23狙撃師団
- 117 :名無し三等兵:2013/11/18(月) 13:50:17.08 ID:???.net
- フィンランド軍の何倍の兵力だろうか。
- 118 :名無し三等兵:2013/11/18(月) 21:51:45.88 ID:o73ToYDr.net
- 25日朝、ナアラ湖のフィンランド空軍第28戦隊基地では、駐機しているモラーヌ・ソルニエに
黄色の識別記号を描く作業が続いていた。この日の待機番の第3中隊のタニ軍曹は、テントの中で
仲間とトランプゲームをして時間を潰していた。「もう11時だ。暖かい気分のいい日だな。」
彼は誰にともなく言った。その時警報が鳴った。「緊急出動!」パイロット達は愛機に向かって
一目散に走った。7機のモラーヌ・ソルニエが慌ただしく飛び立つ。
高度5000mに到達した時、無線機から連絡が入った。「15機の双発爆撃機がランタサルミ方面に
侵入。」タニ軍曹とその列機レートネン伍長はミッケリ上空で踵を返してランタサルミへ向かった。
12時20分彼は遂に南西に向かって単独飛行をしているSB2爆撃機を発見した。
- 119 :名無し三等兵:2013/11/19(火) 01:08:14.05 ID:???.net
- 5倍ていど
開戦時で
- 120 :名無し三等兵:2013/11/19(火) 09:29:20.38 ID:???.net
- お、モランだ。
夏だから機体の調子は良いでしょうな。
- 121 :名無し三等兵:2013/11/23(土) 07:38:11.12 ID:B5IGU2w1.net
- タニ軍曹は執拗に追跡した。2機のフィンランド軍戦闘機に気付いたSB2は、
雲の中に飛び込んで逃げ回ったが、遂にタニの愛機MS311号の7.5mm機銃に
左エンジンを捉えられた。オイルが噴出し、MS311号機の風貌に振り注いだ。
タニは今度は右エンジンを狙った。SB2は煙を上げながら降下を始めた。
「畜生、弾切れだ。」タニは列機を振り返った。レートネンは、翼を振って
燃料が残り少ない事をを知らせていた。その時タニは始めて、自分の機の
燃料もあと僅かであることを知った。2機は基地へ向かった。レートネンの
機は遂に燃料が尽き、滑空して着陸した。整備兵が駆け寄ってきた。
「シレン隊長が呼んでいます。お怒りですよ。」
- 122 :反ス厨 ◆3C9UaD41ww :2013/11/23(土) 09:34:21.35 ID:???.net
- 最初から持っている弾薬が少ないのか?
- 123 :名無し三等兵:2013/11/23(土) 10:38:22.22 ID:???.net
- >7.5mm機銃
冬戦争中のフォッカー…全弾撃ち尽くしてもSB2はなかなか墜ちない
ビルマの九七戦…確実に命中しているが敵機の防弾鋼板のに防がれる
的な…状況?
- 124 :名無し三等兵:2013/11/23(土) 12:43:14.72 ID:???.net
- 冬戦争で撃墜したSB-2を調査したところ、胴体に多数撃ち込んでも落ちない。
エンジンを狙うべきだ、という結果が出ています。
ので、タニ軍曹はエンジンを狙って射撃しているうちに、弾薬を使ってしまったのではないかな。
モーターカノンはオリジナルの20ミリ?
それとも、ソ連製ベレシン12.7ミリ?
- 125 :名無し三等兵:2013/11/24(日) 09:32:51.60 ID:XiyDYfmT.net
- 「何故勝手に編隊を離れた?」シレン大尉はタニ軍曹を叱責した。
この日ソ連空軍は、ヘルシンキ、トゥルク、ヨエンスーなど
フィンランド南部諸都市に広範囲に渡る爆撃を行った。これは、
フィン・ソ間における本格的な軍事行動であった。
フィンランド空軍は全力を挙げて迎撃したが、第28戦隊の他の
編隊は会敵できず、その事がシレン大尉を苛立たせていた。彼は
タニの報告を信用せず、レポートの受領すら拒んだ。30分後、
第3航空団司令官となったリク・ロレンツ大佐が査察に現れた。
「シレン大尉、風防についたエンジン・オイルを見たまえ。彼は
正しい決断をした筈だ。」大佐はSB2の捜索を約して帰った。
大佐が戻ったのは数時間後のことであった。「スルカヴァで墜落
したSB2が発見された。弾痕の位置はタニ軍曹の報告と一致している。
おめでとう!第28戦隊の撃墜第1号だ。」パイロット達は駆け寄って
タニを祝福した。
この日、フィンランド空軍が撃墜したソ連軍機の数は26機に達した。
- 126 :名無し三等兵:2013/11/24(日) 11:36:41.34 ID:???.net
- シレン大尉、お気の毒。
- 127 :名無し三等兵:2013/11/25(月) 10:03:54.11 ID:???.net
- 爆撃機ってスカスカで胴体に弾を撃ち込んでもなかなか落ちなかったって
話がよくあるよな。某国のワンショットライターは別にして。
- 128 :反ス厨 ◆3C9UaD41ww :2013/11/25(月) 10:41:35.68 ID:???.net
- 爆撃機内の乗員が死ぬのとエンジンが火を噴くのとどっちが先なんだろう
- 129 :名無し三等兵:2013/11/25(月) 18:10:55.51 ID:???.net
- >>127
某国陸攻も、主翼のかなりの部分を燃料タンクにしちゃったから問題なんで、胴体だけ撃たれてる分には中の人はともかく機体は案外平気
- 130 :名無し三等兵:2013/11/26(火) 11:19:28.01 ID:hM+dN8pv.net
- しかしフィンランドはSB-2を
ブリストルブルドッグで撃墜してたりする
- 131 :名無し三等兵:2013/11/26(火) 21:12:29.52 ID:???.net
- 冬戦争の迎撃ですな。
おそらく、ブリストル・ブルドックが挙げた最後の撃墜戦果でしょう。
- 132 :名無し三等兵:2013/11/26(火) 22:24:57.67 ID:???.net
- 湾ショットライターって結局連合国の宣伝で
自動消火装置がついてたりしてなんだかんだで撃墜されにくいんじゃなかったっけか
- 133 :名無し三等兵:2013/11/26(火) 22:39:29.77 ID:???.net
- 第四次ブーゲンビル島沖航空戦で被弾380発以上で帰還した例もあるしな
- 134 :名無し三等兵:2013/11/26(火) 23:59:41.62 ID:???.net
- マイクロソフトのコンバットフライトシムでの監修を担当した米海兵隊員が
一式陸攻の余りの凶悪さに溢れかえった苦情に
脆くもないし弱くもないそれどころか史実よりかなり弱くしてあるとか言ったんだっけか
- 135 :名無し三等兵:2013/11/27(水) 00:48:04.80 ID:???.net
- >>131
ついでにMartinsyde Buzzardで機銃掃射までしてる
博物館クラスの航空機まで引っ張り出すという・・・
- 136 :名無し三等兵:2013/11/27(水) 17:33:33.10 ID:alPmaIsu.net
- 26日、ラトヴィアのリバウでは48時間の市街戦の後、ドイツ第18軍が市街を制圧した。
マンシュタインの指揮するドイツ第56装甲軍団の先鋒、第8装甲師団は300km前進し、
ドヴィナ河に到達している。ソ連軍はヴェリカヤ川前面のスターリン・ラインと名付けられた
防衛線に立て篭った。
ソ連第24戦車師団は、イハンタラ付近に展開した。到着したのは第48戦車連隊がBT戦車
51台、装甲車1両、第49戦車連隊がBT戦車40台、装甲車2両に過ぎなかった。多くの車両が
整備不良や燃料不足で立ち往生していた。
- 137 :名無し三等兵:2013/11/30(土) 23:21:58.95 ID:???.net
- 冬戦争開戦ですか・・・
- 138 :名無し三等兵:2013/12/01(日) 01:33:04.15 ID:???.net
- 継続戦争じゃね?
- 139 :名無し三等兵:2013/12/01(日) 16:34:03.27 ID:???.net
- >>137
ガルパン歴女チームかよ
- 140 :名無し三等兵:2013/12/01(日) 16:36:09.58 ID:RLv1aX0R.net
- この日、フィンランドの独ソ戦争に対する態度を決定するための秘密国会が開催された。
市民はソ連地上軍の侵攻を噂している。当初首相ランゲルは、中立を表明する旨の原稿を
用意していた。しかし、フィンランド諸都市に対する大規模空襲が行われたことを受け、
草稿は全面的に書き改められた。ランゲルも大統領リュッティも共に、フィンランドが
自衛行動に出る事を宣言したのである。ラジオで演説したリュッティは、次の言葉で
結んだ。
「市民諸君、過去数世紀にわたり我が国が置かれたこの辺境の地では、永続的な平和は
達成出来ないことが示されて来た。我々は常に東方からの圧力に晒されてきた。長年の
脅威を除去し、次世代に幸福で平和な生活を約束するために我々は防衛戦争を開始する。」
- 141 :名無し三等兵:2013/12/01(日) 19:34:48.94 ID:???.net
- >138-139
冬戦争が始まったのは11月30日じゃなかったかしら?
- 142 :名無し三等兵:2013/12/01(日) 20:43:33.23 ID:???.net
- >>141
スレの流れを考えろよ…
- 143 :名無し三等兵:2013/12/01(日) 21:45:44.36 ID:???.net
- 逆ギレしてて吹いた
- 144 :名無し三等兵:2013/12/02(月) 00:20:29.25 ID:???.net
- フィンランドに攻め込んだソ連兵たちも、最初は逆切れする余裕もあった事でしょうな。
すぐに冬将軍が来て・・・
- 145 :名無し三等兵:2013/12/07(土) 08:38:42.65 ID:5jyQXjlS.net
- フィンランド政府はこの戦争を「継続戦争」と称した。マンネルへイムは三た度、総司令部を
ミッケリに設置する。
彼のフィンランド参戦に対する態度と貢献を示す資料はほとんど公にされていた。僅かな文献の
記述も極めて曖昧である。しかし、マンネルへイムの承認なくフィンランド軍の作戦計画が
策定されたと考えるのには無理がある。保守党指導者リユノコミエスが回顧録に残した言葉が、
当時のフィンランドの指導者の間に共有されていた感情を表しているのかもしれない。
「私はフィンランドが戦争の圏外に留まるまい、と結論した。ドイツが比較的短期間のうちに
ソ連を打倒し、フィンランドに暴力でもぎ取られたカレリアを奪回する機会が訪れることは
確実と思われた。」
- 146 :名無し三等兵:2013/12/08(日) 21:43:40.54 ID:AQrXmC/f.net
- フィンランド軍戦闘序列
カレリア軍(エリック・ヘインリヒス大将)
第6軍団(パーヴォ・タルベラ少将):第5師団、第11師団、第1猟兵旅団
第7軍団(ユハン・ハグルンド少将):第9師団、第19師団
オイノネン戦闘団:第2猟兵旅団、騎兵旅団
第2軍団(ターヴェッチ・ラーティカイネン少将):第2師団、第15師団、第18師団
第4軍団(レンナルト・オシュ中将):第4師団、第8師団、第12師団
軍直轄:第14師団
マンネルへイムは、イロマンティからピハ湖に至るラトガ・カレリアにはカレリア軍を設置。
カレリア地峡では、サイマー湖に至るラインに第2軍団、フィンランド湾岸には第4軍団を配置した。
この他フィンランドにはドイツ・ラップランド軍が駐留しており、冬戦争のスオムッサルミの
英雄ヤルマル・シーラスヴォ少将の第3軍団がこれに付属している。
ドイツ・ラップランド軍(エドワルド・ディートル大将)戦闘序列
ノルウェー山岳軍団(ニコラス・フォン・ファルケンフォルスト大将)
第2山岳猟兵師団、第3山岳猟兵師団、第40特別編成戦車大隊第1中隊
第36軍団(ハンス・ファイゲ中将)
第169師団、SS戦闘団ノルト、第211戦車大隊、第40特別編成戦車大隊本部、第2中隊
フィンランド第3軍団
フィンランド第6師団、フィンランド第3師団、第40特別編成戦車大隊第3中隊
- 147 :名無し三等兵:2013/12/09(月) 11:17:12.22 ID:???.net
- Wikiにファルケンホルストとヤルマル・シーラスヴォの画像があったから置いとくわ
http://ja.wikipedia.org/wiki/ファイル:Falkenhorst_ja_Siilasvuo2.jpg
- 148 :名無し三等兵:2013/12/10(火) 22:46:45.90 ID:ZDj9Ktpi.net
- ファルケンホルストは、若き日に公爵ルドガー・フォン・デア・ゴルツ指揮下の
ドイツ・バルト師団の作戦参謀として、フィンランド内戦に従軍した経歴が
あるようですね。
- 149 :名無し三等兵:2013/12/12(木) 22:03:46.18 ID:???.net
- ほほう、人に歴史ありだね。
- 150 :名無し三等兵:2013/12/15(日) 10:20:23.43 ID:jDCdL+EL.net
- フィンランドの国民感情は、カレリア地峡、特にヴィープリの解放を強く要求していた。
しかし、マンネルへイムは懸念していた。もしもフィンランド軍がカレリア地峡で攻勢に
出れば、ソ連はそれをレニングラードに対する攻撃と受け止め、戦力を集中するであろう。
仮にドイツ軍の援護を得られるとしても、ラトヴィアにいるドイツ軍との距離は未だ
遥かに離れている。
「第1段階の攻勢はラトガ・カレリアで行う。」マンネルへイムは司令部の高級将校達に
告げた。装備を受領したばかりのフィンランド軍各部隊では、激しい訓練が続けられていた。
- 151 :名無し三等兵:2013/12/17(火) 18:42:18.33 ID:ElwTWJe6.net
- 結局ヴィープリは今だにロシア領だよね
日本に例えると、京都を占領されつづてけるようなもんか
因みにフィン海軍の戦艦ヴァイナモイネンは、賠償艦としてソ連に取られ
ヴィボルグという、ヴィープリのロシア名を付けられる嫌がらせを受けている
- 152 :名無し三等兵:2013/12/18(水) 02:02:58.60 ID:???.net
- イルマリーネンはドイツ軍が敷設した機雷で沈没だしね。
あの2隻は「ついてない」なあ。
- 153 :名無し三等兵:2013/12/21(土) 09:48:32.69 ID:Qb4W5tfV.net
- ソ連軍も慌ただしくレニングラード防衛に奔走していた。開戦により、急遽
国家防衛委員会及び赤軍総司令部のメンバーに復帰したヴォロシーロフは、
設立されたばかりの北部戦線全部隊に命令を発した。「フィンランド軍が
国境を越えたら、あらゆる手段を講じてこれを撃滅せよ。」
カレリア地峡のソ連第50軍団第43狙撃師団長キルビチェニコフ少将は、
人民委員代理の訪問を受けた。「もしもフィンランド軍が攻撃してきたら、
我が赤軍は3週間でヘルシンキまで進撃してみせる。」彼は大声で宣言した。
師団本部はエンソにあり、29kmの前線を担当している。その前面には
森と湖と沼が果てしなく続いている。キルビチェニコフは信じられない
思いだった。「我々には何の準備も出来ていないのだ。」
- 154 :名無し三等兵:2013/12/22(日) 16:54:25.66 ID:2+K0B7oc.net
- 「共産主義革命の危機だ。党としても出来る事総てを行わなければなるまい。
レニングラード地区の情熱的な学生、労働者の志願者を募り、7個師団を
編成しよう。」27日、レニングラード共産党書記のジダーノフは党幹部らに
命じた。レニングラードの労働者評議会も、市民を防衛施設の建設工事に
動員することを決定した。
ネヴァ河に面するバシリー島2番街13番地に住むサヴィチェフ家は、早くに
一家の大黒柱たる父を失っていた。その代わりに母のマリーヤは軍服を縫い、
兄のリョーカは旋盤工としてアドミラルティ造船所、姉のジェーニャは弾薬
工場で働いた。ニーナと末娘の11歳の少女ターニャさえ、塹壕を掘り、弾薬を
運んだ。こうして、木造障害物190km、鉄条網635km、対戦車壕700km、
塹壕25000km、トーチカ5000ヶ所に及ぶ防衛工事が始まった。
- 155 :名無し三等兵:2013/12/22(日) 17:45:29.00 ID:???.net
- ジダーノフか・・・
- 156 :名無し三等兵:2013/12/22(日) 22:44:47.68 ID:???.net
- 「レニングラード」!いいね、この響き。「レニングラード」!
- 157 :名無し三等兵:2013/12/22(日) 23:12:10.82 ID:???.net
- 盗人猛々しいなぁ
- 158 :名無し三等兵:2013/12/23(月) 17:40:25.48 ID:Y+wYW0LS.net
- 極北の地でも戦争は始まろうとしていた。この方面のドイツ軍の作戦は銀狐と名付けられている。
まず、最北のペッツアモでは、ドイツ・ノルウェー山岳軍団がリツァ、ポルセルノエを経由して
ムルマンスク攻略を目指す。その南のドイツ第36軍団は冬戦争でソ連に奪われたサッラ、カイララ、
アルクレッティのフィンランド領を回復した後、カンタラハティを攻略し、ムルマンスク鉄道を
遮断する。さらにその南ではフィンランド第3軍団がロウヒ、ケミへ進撃する予定である。
電撃戦で欧州を席巻するドイツ軍は2個戦車大隊を派遣した。しかし、ドイツ軍にとって極北は
主戦線ではなかったため、両大隊の装備も最新鋭とはほど遠い、旧式、捕獲戦車であった。
1940年3月に編成され、ノルウェーで戦った第40特別編成戦車大隊は、29両の1号戦車、18両の
2号戦車を中心に、1号指揮戦車4両と3両の多砲塔戦車ノイバウフォールツォイクを保有している。
1941年3月に編成された第211戦車大隊は、対フランス戦の勝利により捕獲したフランス製ソミュア
S35を10両とホチキスH39を24両装備していた。
- 159 :名無し三等兵:2013/12/23(月) 21:41:41.95 ID:???.net
- >フランス製ソミュアS35を10両とホチキスH39を24両装備
フィンランド戦線にぴったりな装備なのかな・・・
ソ連軍のT-26でもやばいような気がする。
- 160 :名無し三等兵:2013/12/25(水) 10:19:31.98 ID:???.net
- ソミュアS35とホチキスH39どちらもV号クラスか。
- 161 :名無し三等兵:2013/12/27(金) 14:32:30.20 ID:/H6lswex.net
- ラトガ・カレリアのフィンランド第30連隊本部では、多数の将校が慌ただしく出入りをしていた。
28日午前9時45分、連隊長ルオッサロ中佐は連隊本部に集まった将校に告げた。「トーマ湖に
移動する。いよいよ始まるぞ。各大隊は前進陣地に移動しろ。第2大隊は連隊本部の右翼、第3大隊は
左翼、第1大隊は連隊本部に後続しろ。出発時間は追って個別に知らせる。」5分後には、本部の
猟兵小隊が偵察に出発した。
10時5分、第1大隊はブリーフィングを行い、行軍準備を打ち合わせた。「第2中隊は機関銃小隊、
対戦車砲小隊と先発。第1中隊が後続する。殿は第3中隊と大隊本部、通信小隊、迫撃砲小隊、
衛生小隊だ。各中隊は10分間隔で出発。衛生小隊は迫撃砲小隊の30分後に出発。荷物と車両は
置いて行け。後で追求する。1時間後に出発。」ピエトライネン大尉の説明に将校達は頷いた。
- 162 :名無し三等兵:2013/12/27(金) 15:04:55.68 ID:???.net
- この対戦車砲小隊はボフォース37ミリ砲、捕獲ロシア軍45ミリ砲、どっちだろう?
- 163 :名無し三等兵:2013/12/27(金) 20:28:01.86 ID:???.net
- ムルマンスク取ってたらなあ
- 164 :名無し三等兵:2013/12/27(金) 20:29:20.42 ID:???.net
- フィンランドといえばボフォースってイメージかなぁ
対戦車砲のエース、トイヴォ・イロマキやヤーッコ・リュトニエミもボフォースだよね
- 165 :名無し三等兵:2013/12/28(土) 22:41:24.03 ID:???.net
- ドイツから買った75ミリ対戦車砲で、マンネルヘイム勲章をもらった砲手がいますね。
フィンランドの森は待ち伏せに最適だったでしょう。
- 166 :名無し三等兵:2014/01/01(水) 20:50:53.70 ID:???.net
- >>154
「ターニャの日記」で有名なサヴィチェフ一家だね。
ターニャの日記
1941年12月28日の午後12時、ジェーニャが死んだ。
1942年1月25日の午後3時、おばあちゃん(エフドキヤ・グリゴリェーヴナ)が死んだ。
1942年3月5日の午後5時、リョーカが死んだ。
1942年4月13日の深夜2時、ヴァーシャおじさんが死んだ。
1942年5月10日の午後4時、リョーシャおじさん
1942年5月13日の午前7時半 ── ママ ”
サヴィチェフ家は死んだ
みんな死んだ
残ったのはターニャだけ
残ったターニャも孤児院に送られて、そこで死んだ。
我々軍オタはつい元帥や国家指導者の視点でのみ戦争を見がちだけど、
個々の兵士や市民にとって戦争が何を意味するのか、も忘れないように
したいね。
- 167 :名無し三等兵:2014/01/01(水) 21:11:32.46 ID:???.net
- 強いられた結果とはいえフィンランドがあの残酷な封鎖の片棒を担いでしまったのは大変残念
- 168 :反ス厨 ◆3C9UaD41ww :2014/01/01(水) 21:34:11.31 ID:???.net
- どちらかといえば冬戦争の報復だろ
- 169 :名無し三等兵:2014/01/01(水) 21:39:10.50 ID:???.net
- 仕掛けたのはソ連側ですよ>>140
- 170 :名無し三等兵:2014/01/02(木) 10:55:51.43 ID:???.net
- フィンランド領内に独軍が進駐している状態で
バルバロッサが開始されたのに手を出すなというのは無理がある
- 171 :名無し三等兵:2014/01/03(金) 10:36:39.81 ID:cPZDKITo.net
- 6月29日、ラトガ・カレリアで大隊規模のフィンランド軍の威力偵察が始まった。
ラーデンポーホではフィンランド第2師団のクヤルベルク少尉が36名から成る
前線砲撃観測チームを率いて、観測所に到着した。「野戦電話開通を確認。」少尉が
電話に取り付いている間に、兵士達は標点測定を始めた。その数キロ後方では
第15砲兵連隊が砲列を敷いた。基準砲を中心に50m間隔で直線状に105mm榴弾砲が
配置された。
フィンランド第7連隊第1大隊の兵士達が陣地を出発する。モスクワ条約による国境を
示す標識を、兵士達は無造作に薙ぎ倒した。
- 172 :名無し三等兵:2014/01/03(金) 10:41:03.22 ID:T+dMn1LT.net
- どうでもいいけど、スレタイの卍はナチスのスヮスティカとは逆巻きだよ。
- 173 :名無し三等兵:2014/01/03(金) 12:40:31.93 ID:???.net
- >171
この105mm榴弾砲はどれだろう。
ドイツから買ったのかな。
はたまた、どえらい年代物の日本製か、WWT物の英国製か・・・
>172
いいんですよ、本家フィンランド軍でも逆に書いてるケースが有るから。
- 174 :名無し三等兵:2014/01/03(金) 12:45:49.41 ID:???.net
- >>171
>「野戦電話開通を確認。」少尉が
>電話に取り付いている間に、兵士達は標点測定を始めた。
フィンランド人は、野戦電話用の電柱と電線を見ると、
敵であろうが味方であろうが関係なくブッ壊したくなる衝動がDNAレベルで備わっているのだ…
- 175 :名無し三等兵:2014/01/04(土) 15:44:33.14 ID:ru4QVLGk.net
- 榴弾砲の砲声が轟くと、飛翔音の後にソ連軍陣地で立て続けに爆発が起きた。
やがてソ連軍陣地からも応戦が始まった。
午後8時30分、辺りはまだ明るい。ソ連第142狙撃師団第3大隊の機関銃手、
アレクサンドル・ザホドフスキーは降り注ぐ迫撃砲弾の雨の中、前進する
フィンランド兵を発見した。彼は巧みに偽装された機関銃座から狙いを定め、
敵を掃射する。フィンランド兵は左右に散開した。
その時、連隊長のバシリー・トルバシェフ大佐が陣地に姿を現した。「奴らは
すぐに来るぞ。慌てるな。引き付けろ。」彼らは1919年に赤軍に参加した
古強者である。やがて、にじり寄ったフィンランド兵は第1線陣地に取り付こうと
した。ソ連軍は激しい銃撃を浴びせた。すぐにフィンランド軍の砲撃は正確になり、
迫撃砲弾の破片を浴びた助手のコチュフロフは戦死した。「ここはもう駄目だ。」
陣地に殺到するフィンランド兵に、ザボドフスキーは尚も銃弾を浴びせ続けたが、
遂に弾丸を撃ち尽くし、彼は後退した。「逃げるな。」トルバシェフは兵士を
奮い立たせ、フィンランド軍を撃退した。
- 176 :名無し三等兵:2014/01/05(日) 10:01:39.35 ID:???.net
- >「逃げるな。」兵士を 奮い立たせ、フィンランド軍を撃退した
例によって、逃げる兵に後方ろから機銃掃射したんだろうか?
- 177 :名無し三等兵:2014/01/05(日) 13:29:30.00 ID:NvE/Dsyj.net
- 極北では銀狐作戦が発令された。既にペツアモを制圧した、ドイツ・ノルウェー山岳軍団が
進撃を開始した。第2山岳猟兵師団は、戦闘団ナケと戦闘団ヘングルに分割され、
フォン・ブルシュテイン大尉率いる第40特別編成戦車大隊第1中隊は戦闘団ヘングルと共に
国境を越えた。彼らに対峙するのはソ連第14及び52の2個狙撃師団である。
翌朝、山岳猟兵は戦車との協同作戦でティフトカ川の橋を奪取し、リツァ川を目指した。
しかしラップランドは、森林、湖、川、沼地、荒れ地が複雑に絡み合う過酷な地であり、
細い未舗装道路以外の車輛の通行は不可能であった。2号戦車の幅の狭いキャタピラは
早速荒れ地にはまり、動きがとれなくなった。
- 178 :名無し三等兵:2014/01/05(日) 17:54:22.00 ID:???.net
- >2号戦車の幅の狭いキャタピラは
>早速荒れ地にはまり、動きがとれなくなった。
そら見たことか。
フィンランドは戦車に向かない土地なのじゃ。
- 179 :名無し三等兵:2014/01/05(日) 18:28:03.12 ID:???.net
- >>178
突撃砲に最適化してあるんですね
- 180 :名無し三等兵:2014/01/06(月) 00:00:54.29 ID:???.net
- フィンランド北部の地形では、二号戦車では苦労したでしょうね。
- 181 :名無し三等兵:2014/01/06(月) 00:10:12.17 ID:???.net
- >>178
そんなことドイツの人も知ってると思いますよ
- 182 :名無し三等兵:2014/01/08(水) 06:47:18.08 ID:Uq5ul5DH.net
- 7月1日、ドイツ第36軍団も国境を越えた。第211戦車大隊と第169師団は北から、
自動車化師団に昇格したSSノルト師団は、第40特別編成戦車大隊と共に正面から、
フィンランド第6師団は森林地帯を迂回して、南からサッラを目指した。ドイツ
第496及び520砲兵大隊が支援砲撃を行い、第1地上襲撃航空団第4大隊のスツーカも
飛来した。
しかしサッラのソ連第122狙撃師団は、森の外縁に沿ってコンクリート製トーチカの
連なる強力な防衛線を構築していたため攻撃はすぐに行き詰まった。準備砲撃によって
起きた森林火災による大量の煙は航空支援や砲兵観測の妨げとなった。開けた土地からの
正面攻撃を強いられたSS第5大隊は訓練不足もあって大損害を被った。
この日、バルト方面では快進撃を続けるドイツ軍がリガを占領している。
- 183 :名無し三等兵:2014/01/08(水) 17:15:42.41 ID:???.net
- のちに、ここでは武装SSはえらい負けを・・・
- 184 :名無し三等兵:2014/01/08(水) 23:53:00.06 ID:???.net
- 第一地上攻撃航空団ってフィンランドにも配置されたんだな
てかシュトゥーカを装備してたのか
地上攻撃航空団はHs123やBf109だと思ってた
- 185 :名無し三等兵:2014/01/09(木) 07:22:46.85 ID:Mqy4/wd6.net
- 第4大隊のJu87B36機が北ノルウェイからフィンランドに展開したようですね。
- 186 :名無し三等兵:2014/01/11(土) 09:12:57.83 ID:PNgZEUfG.net
- この時点で、フィンランド戦線でのドイツ・フィンランド両軍の不活発な行動は、
ソ連軍上層部を安堵させていた。「予備部隊を投入して先制攻撃すべきです。」
ソ連軍は反撃を決意した。装備充足と訓練に努めていたソ連第10機械化軍団は、
第142狙撃師団と第115師団の継ぎ目に移動することとなった。
7月2日夜、ソ連第24戦車師団第49戦車連隊は、ヘインヨキ駅で戦車を降ろし、
線路の北側に展開した。ラドチェンコ中尉の指揮する6台の戦車が第255連隊
第1大隊の歩兵と共に偵察に出発した。「明朝攻撃を開始する、準備をしておけ。」
イワン・ゴルシュコ中尉は命令を受けたが、情報は何も無く噂だけが蔓延していた。
続々と後続部隊が追求し、この時点で師団の稼働戦車は209台に達している。
「敵は500m先の森の中に集結しています。」偵察班が報告した。第198自動車化
狙撃師団は、第41戦車連隊と共にエリセンヴァーラに到着した。
- 187 :名無し三等兵:2014/01/13(月) 17:25:50.46 ID:XaedZ057.net
- 4日、ソ連第10機械化軍団にようやく攻撃命令が発令された。兵士達が集合すると、
政治委員の演説が始まった。「同志諸君、党はこの戦いを大祖国戦争と命名した。
祖国と共産主義、そして偉大なる指導者スターリンのために任務を完遂せよ。」
午後2時、第198自動車化狙撃師団の2個連隊が第41戦車連隊の45台のT26戦車と
共に前進を開始した。彼らはソ・フィン国境を越え、キルコプリまで進出した。
その正面にいたのは、フィンランド第2師団第7連隊であった。「敵襲です。
大隊規模。戦車約20台を伴っています。」冬戦争のタイパレ戦の生き残り、第1
大隊長エイノ・ポロン少佐は連隊本部のケンピ大佐に緊急連絡をした。「前進
橋頭堡を保持しなければ。阻止砲火を依頼しろ。」ケンピに応じて副官が
受話器をとった。フィンランド軍は街道上に猛砲撃を加え、その間に伝統的な
モッティ戦術を繰り出した。少人数に分かれたフィンランド兵はソ連軍の隊列を
分断し、各個撃破した。
「進撃を停止して、現在地点で防衛態勢に移れ。」ソ連軍各部隊に停止命令が
発せられた。その日一日だけで160名のソ連兵が死傷していた。
- 188 :名無し三等兵:2014/01/13(月) 19:30:11.66 ID:???.net
- やっぱり「モッティ」戦術なんだね。
ソ連軍は冬戦争から学んでないんだなあ。
- 189 :名無し三等兵:2014/01/13(月) 19:32:27.81 ID:???.net
- まともな指揮官もいない状態では戦訓も生かせなかったんでそ
- 190 :名無し三等兵:2014/01/13(月) 19:49:10.30 ID:???.net
- みんなモッティで・・・合掌。
- 191 :名無し三等兵:2014/01/13(月) 21:34:47.58 ID:???.net
- モッティないな。
- 192 :名無し三等兵:2014/01/14(火) 01:21:26.92 ID:???.net
- 畑で穫れるから問題ない
- 193 :名無し三等兵:2014/01/17(金) 07:45:23.71 ID:yf8/gUNN.net
- サッラ方面でも、第1戦車師団のT28とBT7戦車を伴ったソ連軍が、SS第7連隊の陣地に
押し寄せた。「戦車が突破した!」第1大隊のフランツ・アウグスベルガーSS少佐の
報告により、パニックに陥った第1、第3、第4中隊の武装親衛隊員達は持ち場を捨てて
走り出し、数キロ後方の砲兵陣地に駆け込んだ。SSノルト師団は、攻撃目標を一つも
攻略することなく、この日までに戦死73名(うち将校13名)、負傷232名、行方不明
147名という大損害を出した。
「何たる様が。SSの面汚しではないか!」SS長官ヒムラーは激怒した。師団長の
カール・ディメルフーバーSS少将は必死になって、師団の定員不足や装備の充足率の
低さ、訓練不足を訴えた。実際、特に下士官は定員1575名に対して316名も欠員が
あった。ライフルの充足率も僅か40%で、各種火砲も36門が未着であった。将校は
速成コースの簡単な教育しか受けておらず、砲兵の射撃経験は僅か一回であった。
- 194 :名無し三等兵:2014/01/17(金) 13:59:06.64 ID:???.net
- デメルフーバー、気の毒に・・・
- 195 :名無し三等兵:2014/01/17(金) 23:33:10.74 ID:???.net
- >ライフルの充足率も僅か40%
ソ連の急造民兵師団じゃあるまいし何やってんだ・・・
- 196 :名無し三等兵:2014/01/18(土) 00:41:17.51 ID:???.net
- >>195
ドイツだって二線級師団はそんなもんだよ
しかもSSだし
SSは国防軍に比べて装備調達能力が低くて鹵獲兵器や雑多な装備の比率が高い
1935年の再軍備から1941年の独ソ戦まででドイツ軍の規模は短期間で10倍以上に膨れ上がってる
ドイツの軍需産業が大車輪で操業してそれにポーランドやフランスでの鹵獲分を合わせてもとてもじゃないが足りない
将校下士官だって、ワイマール時代の軍人を基幹にしてそれに下駄履かせて大増員してもそんなもんじゃ足りない
- 197 :名無し三等兵:2014/01/19(日) 23:46:16.06 ID:XCPmxmpK.net
- この日、ドイツ北方軍集団戦区では、ドイツ第1装甲師団がスターリン・ラインを
突破してオストロフを占領した。「北部戦線は反撃を中止して、部隊をプーシキンへ
送るべきだ。」予想以上に早いバルト方面のドイツ軍の進撃により、ソ連最高司令部
は迷走を始めていた。
重要施設の撤収も始まっていた。国家防衛委員会(GKO)はロシア北西部、中央部、
ウクライナ東部にあった多数の工場をウラル、シベリア、沿ボルガ方面へ疎開させる
ことを決定した。KV1重戦車を生産していたレニングラードのキーロフスキー工場は
ウラル山脈東麓のチェリャビンスクへ移転することとなり、総ての生産設備が解体、
梱包され、貨車に積み込まれた。
- 198 :名無し三等兵:2014/01/20(月) 00:25:48.23 ID:???.net
- 後のЧТЗ、チェリャビンスクトラクター工場か
- 199 :名無し三等兵:2014/01/21(火) 20:13:58.55 ID:???.net
- しかしアルツハイマーSS少佐とアスペルガーSS大尉は二人とも自信満々であった。
- 200 :名無し三等兵:2014/01/23(木) 13:05:57.30 ID:???.net
- 「冬戦争 (Historia Talvisota)」 齋木伸生
1939年11月30日午前6時50分、レニングラードに面したカレリア地峡のフィンランド軍防衛線に対してソ連軍の砲撃が開始され、
続いてフィンランド中部、北部のフィン・ソ国境でもソ連軍の侵攻が始まった。冬戦争(Talvisota)の勃発である。
およそ40万のソ連軍に対し、迎え撃つフィンランド軍の兵力は29万5,000。しかも、小火器や砲迫、戦車、航空機に至るまで、
装備の量も劣る。雪崩のようなソ連軍の猛攻を、フィンランド軍は押し止めることができるのか――
本書は、第二次大戦緒戦期にソ連とフィンランドが争った「冬戦争」の全貌を、フィンランド軍の公刊史料等をもとに紐解き、
戦争勃発の背景や日時単位の戦闘経過をはじめ、両軍の編制、陸海空軍の主要装備、キーマンとなった人物の評伝などを、
豊富な写真、地図とともに解説する。
2月7日発売予定。
- 201 :名無し三等兵:2014/01/24(金) 10:13:38.52 ID:???.net
- デアゴスティーニ〜♪
- 202 :名無し三等兵:2014/01/24(金) 15:59:02.04 ID:???.net
- 週刊「冬戦争」
週刊「継続戦争」
創刊!
- 203 :名無し三等兵:2014/01/24(金) 17:07:08.41 ID:???.net
- >豊富な写真、地図とともに解説する
これが嬉しいね
今は地名が変わってるし、調べてもよくわからないことが多いんだ
- 204 :名無し三等兵:2014/01/25(土) 11:36:26.06 ID:MF2ZyXHy.net
- レニングラードの町を、フルンゼ地区の10,094名の民間志願兵から編成された
第3フルンゼ人民武装師団と名付けれた部隊が行進する。1941年時点で総兵力
500万人を擁していたソ連軍は、さらに1400万人の動員を計画していた。
レニングラード地区でも、党が募集した労働者、学生の志願者登録は、既に
4万4千人を越えていた。
第3フルンゼ人民武装師団には、250名のレニングラード工科専門学校の生徒が
参加している。熱狂する市民の前で、地区共産党書記のG.セダーズが連隊に
軍旗を授与した。「まるで、ユデニッシが攻めて来た時のようだ。」年配の
市民は市民達はおよそ20年前の内戦当時を思い出した。
レニングラード地区の志願者は最終的にはおよそ10万人に達し、10個の
人民武装師団が編成された。
- 205 :名無し三等兵:2014/01/25(土) 13:29:05.24 ID:???.net
- 人民武装師団っててきとうにウィキってみたらこれか
http://en.wikipedia.org/wiki/Leningrad_Narodnoe_Opolcheniye_Army
3個歩兵連隊基幹、はともかくトラクター牽引の砲兵連隊、騎馬偵察中隊、工兵大隊、
火炎放射小隊、自動車中隊ないし大隊、科学戦中隊、って本土決戦用機動打撃師団w
より装備良いんじゃね? 民兵のくせに…
- 206 :名無し三等兵:2014/01/25(土) 14:08:47.02 ID:???.net
- ソ連では国防婦人会の工場のパートのオバサン兵士でも85mm高射砲やT-34/76使えるからな。
- 207 :名無し三等兵:2014/01/25(土) 14:48:18.23 ID:???.net
- おばちゃんやお姉ちゃんが出来立てホヤホヤのT-34を工場から現場に直送だもんね
- 208 :名無し三等兵:2014/01/25(土) 19:19:14.20 ID:???.net
- 献金して買った戦車に、自分で乗ってくるおばさんがいるくらいだからねえ・・・
- 209 :名無し三等兵:2014/01/25(土) 19:34:55.17 ID:???.net
- >>205
訂正
×科学戦中隊
○化学戦中隊 でした。
科学戦ってなんだよ、ガッチャマンかよ…
- 210 :反ス厨 ◆oQqUK/.obI :2014/01/25(土) 19:37:27.10 ID:???.net
- WW2ってまだ毒ガス使ってたんだっけ?
- 211 :名無し三等兵:2014/01/26(日) 00:24:53.05 ID:???.net
- この化学戦中隊は、煙幕展開が任務じゃないかな?
- 212 :名無し三等兵:2014/01/26(日) 08:53:22.08 ID:o+Nk4m5A.net
- カレリアの夜が明けると、街道の至る所でソ連軍車輛が燃え上がっていた。
第49戦車連隊は先発部隊に続いたが、暗夜に森林地帯でフィンランド軍の
猛砲撃を浴びた。
ゴルシュコは行動不能になった戦車を離れ、塹壕に立て篭った。「ルサコフの
戦車が燃えているぞ。」黒煙を上げる戦車に人の気配は無かったが、暫くすると
負傷したルサコフ軍曹が現れ、合流した。フィンランド兵は姿を現さなかったが、
街道は砲兵監視下にある筈だった。暗くなるのを待って、彼らはキャタピラの
修理を始めた。
「歩兵達が出発する様子だ。我々も後退しよう。」誰もいない街道をゴルシュコの
戦車は進んだ。
- 213 :名無し三等兵:2014/01/27(月) 07:16:21.68 ID:???.net
- >>200の目次
第一章
第一節 開戦前夜
第二節 開戦
第三節 反撃
第四節 海の戦い
第五節 空の戦い
第六節 スオムッサルミの奇跡
第七節 モッティ戦闘
第八節 フィンランド北部での戦い
第九節 カレリア地峡の危機と和平への兆し
第十節 和平交渉と最後の戦い
第十一節 和平とその代償
コラム
マンネルヘイム線の実態
SMK、T-100 KV重戦車の戦場試験
モッティ
サッラ地区に出動したスウェーデン義勇飛行連隊F19
サッラ防衛を引き継いだスウェーデン義勇部隊
KV-2の戦場試験
冬戦争当時のフィンランド軍戦車隊
- 214 :名無し三等兵:2014/01/27(月) 07:17:02.48 ID:???.net
- 第二章 フィンランド軍の兵器と装備
小銃/拳銃/機関銃
対戦車兵器
軽砲/中砲/重砲
対空機関銃/対空機関砲
沿岸砲
戦車
他国からの支援
艦艇
航空機
第三章 関連人物伝
カール・グスタフ・エミール・マンネルヘイム
パーヴォ・ユホ・タルヴェラ
ヒャルマー・フリードルフ・シーラスヴオ
リカルド・ローレンツ
シモ・ハユハ
カール・グスタフ・フォン・ローゼン
アクセル・エリク・ハインリックス
ハーラルド・ヨークイスト
- 215 :名無し三等兵:2014/01/27(月) 07:18:06.27 ID:???.net
- カラーグラフ
【戦跡】
カレリア地峡
ヴィープリ
ラドガカレリア
イロマンチ
クフモ
スオムッサルミ
サッラ
オーランド諸島
【軍事博物館】
戦車、装甲車両(パロラ)
砲迫(ハメーンリンナ)
航空機(ティッカコスキ)
艦艇(スオメンリンナ)
関連年表
- 216 :名無し三等兵:2014/01/27(月) 13:22:35.23 ID:???.net
- >213
コラムが良いなあ。
楽しみだね。
- 217 :名無し三等兵:2014/01/28(火) 19:35:28.35 ID:???.net
- 戦争の声:時の封鎖をくぐりぬけて
http://roshianow.jp/society/2014/01/27/46873.html
独芬に封鎖されたレニングラードの状況の証言いくつか。
- 218 :名無し三等兵:2014/01/30(木) 21:58:42.87 ID:vj7Ox3w2.net
- 7日、サッラへの総攻撃が開始された。第211戦車大隊のソミュアとホチキス戦車が
戦闘にたち、ソ連軍戦車50台を撃破した。激しい戦いはソ連軍撤退まで続いた。
その北方では、ドイツ第2山岳猟兵師団が、遂にリツア河を渡った。
この日、広瀬大尉は、フィンランド軍情報部のパーティーに招かれた。「君には感謝
している。我々の暗号解読は実用のレベルに達した。」乾杯の挨拶が終わると、無線
傍受大隊長のレイノ・ハッラマー中佐が握手を求めてきた。彼も暗号解読の専門家で
あり、冬戦争時もいち早くソ連軍攻撃の意図をマンネルへイムに報告している。実は、
独ソ開戦直後ソ連軍は、極東地域のものへ暗号表を変更していた。このため、広瀬の
届けた情報はフィンランド軍の暗号解読に大いに役立ったのである。ハッラマーは
広瀬の手を握ったまま言った。「我々は前進を開始する。」総動員開始後20日を経て、
ようやくフィンランド軍の戦時体制が完了したのだった。
- 219 :名無し三等兵:2014/01/30(木) 22:56:11.78 ID:???.net
- おお、広瀬大尉だ。
- 220 :名無し三等兵:2014/02/01(土) 10:28:23.70 ID:3qnsaNzk.net
- ラトガ・カレリアで待機するフィンランド・カレリア軍に進撃命令が発せられた。
ソ連軍戦線突破の先鋒には、冬戦争の英雄タルベラ少将の第6軍団が担う事となった。
「君にも協力して欲しい。」タルベラは左翼のオイノネン集団に属する、第1猟兵旅団長
ルーベン・ラガス大佐に頼み込み、軍団直属の砲兵隊のみならず、隣接部隊からも
ありったけの砲を集めていた。彼が掻き集めた各種野砲は、砲撃開始命令と共に一斉に
火を噴いた。
オイノネン集団の第1及び第2猟兵旅団も国境を越えた。自転車で移動する猟兵部隊は、
道路事情の劣悪なラトガ・カレリアでは貴重な機動戦力となった。対するソ連軍は
フィンランド内戦時にソ連に逃れた元赤衛軍のヴァルター・ヴァリ少佐を指揮官とする
第71狙撃師団第126連隊、第52連隊の一部、そして第80国境警備隊である。彼らの
多くはソ連領カレリアの住民や内戦から逃れたフィンランド人共産主義者達であった。
その中には冬戦争時のオットー・クーシネンの人民軍兵士もいる。
- 221 :名無し三等兵:2014/02/01(土) 22:27:55.92 ID:???.net
- >220
うわー、色んな人物が登場してるなあ。
ラガス大佐の息子、オロフ君はこの時はフィンランド人義勇兵としてドイツ軍武装SSにいる。
ソ連軍のヴァッリ少佐は冬戦争で名前が出てるけど、あの負け戦で粛清はされなかったんだね。
- 222 :名無し三等兵:2014/02/01(土) 23:09:40.36 ID:???.net
- いや、冬戦争は悪戦ではあっても負け戦じゃないでしょ。一応は。
- 223 :名無し三等兵:2014/02/02(日) 09:33:17.62 ID:3GDhhAI9.net
- 「第10機械化軍団はルガ方面へ移動せよ。」フィンランド・カレリア軍が
前進を開始したまさにその時、ソ連軍総司令部はフィンランド方面から次々と
部隊を引き抜いてレニングラードに迫るドイツ軍との戦いに投入していた。
戦車部隊は列車への積載作業を始めた。更に第70狙撃師団と第7軍の第237
狙撃師団もレニングラード南西への移動命令を受領した。ドイツ北方軍集団の
進撃は、急速に情勢を悪化させていたのだ。
指揮下の第146戦車連隊は他の戦線に引き抜かれることになったが、第198
自動車化狙撃師団主力はカレリア地峡のソ連軍予備として控置された。
第24戦車師団第24自動車化連隊も、選抜された100台の戦車と共に留まった。
その頃、ゴルシュコは彼の連隊とはぐれていた。「何の命令もない。何処へ
行けばいいのかもわからない。」彼は途方に暮れつつ、クルーと共に缶詰と
ビスケットで夕食の支度を始めた。
- 224 :名無し三等兵:2014/02/02(日) 20:06:47.06 ID:???.net
- ソ連の粛清ってのは負けたからやるわけじゃないから…(ゴクリ
だいたい、負けたやついちいちヌッ殺してたらいくら将校がいても足りんw
- 225 :名無し三等兵:2014/02/02(日) 20:42:47.05 ID:???.net
- ま、冬戦争で「負けた連中」は・・・
みんなフィンランドの森で凍死してるから・・・
- 226 :名無し三等兵:2014/02/02(日) 21:00:14.79 ID:???.net
- 完全に負けたのはフィンランドですけどね
- 227 :名無し三等兵:2014/02/02(日) 23:44:34.83 ID:???.net
- >226
オットー・クーシネンさん、こんばんは。
- 228 :名無し三等兵:2014/02/03(月) 19:18:42.56 ID:???.net
- >>227
「まだまだやれるから和平反対!」な銃後のヘルシンキ市民さん、こんばんは。
- 229 :名無し三等兵:2014/02/03(月) 19:56:42.68 ID:???.net
- >228
これはこれは。
わざわざ爆撃機から「パン」を投下してくれた、モロトフおじさん。
- 230 :名無し三等兵:2014/02/03(月) 20:11:37.75 ID:???.net
- >>229
クーシネンだろうとモロトフだろうとヴォしーロフだろうと、
ソ連が苦戦しようとフィンランドが健闘しようと、フィンランドが負けたことには変わりないんだ受け入れよう…
そしてファシストを打倒し労働者にとって平等で強大なフィンランドをつくろうではないか同志
- 231 :反ス厨 ◆oQqUK/.obI :2014/02/03(月) 20:28:56.41 ID:???.net
- 良スレを荒らすなよ
- 232 :名無し三等兵:2014/02/03(月) 20:35:30.02 ID:???.net
- 流石崖っぷちの民主主義の一歩先を進む共産主義ですね!
- 233 :名無し三等兵:2014/02/03(月) 23:29:21.32 ID:???.net
- モロトフのパン籠
モロトフのカクテル
モロトフさんは太っ腹だなあ。
- 234 :名無し三等兵:2014/02/03(月) 23:42:11.46 ID:MlRhiWK4.net
- 猛烈な砲撃の後、エイノ・コスキミエス大佐率いるフィンランド第5師団は、
コルピセルカへ進撃した。フィンランド軍兵力がソ連軍を圧倒しているにも
関わらず損害を避けながら前進するコスキミエスの慎重さに、タルベラは
不満を覚えた。「機動戦だ。敵が態勢を立て直す前に主導権を確保するのだ。」
彼は第5師団の指揮を第1猟兵旅団のラガスに委ねた。
コスキミエスはマンネルヘイムの意思に沿って部隊を指揮していた。「我々には
予備兵力も兵站を維持する能力も不足しているのだ。」さらに、師団長の人事は
総司令部に属していたため、マンネルヘイムはタルベラの独断専行に激怒した。
しかし早くも12日には、ラガスは東へ退却するソ連第52連隊を追って冬戦争の
古戦場、トルバヤルヴィに到達した。道路状態は悪く、猟兵達は自転車を担ぎながら
悪路を進んだ。第5師団の猛進撃を見て考え直した彼は、タルベラの決定を覆す
事を思いとどまった。
- 235 :名無し三等兵:2014/02/05(水) 00:48:17.16 ID:???.net
- >>我々には予備兵力も兵站を維持する能力も不足しているのだ。
ヘタリア軍ならとっくに停止してるとこだな
- 236 :名無し三等兵:2014/02/05(水) 01:02:03.04 ID:???.net
- 枢軸国のエース
ドイツ 300〜 2人
200〜 13人
100〜 88人
フィンランド 50〜 3人
30〜 7人
ルーマニア 50〜 2人
ハンガリー 30〜 1人
20〜 3人
スロヴァキア 30〜 1人
20〜 1人
ヘタリア(笑) 20〜 4人
- 237 :名無し三等兵:2014/02/05(水) 01:02:34.15 ID:???.net
-
マンフレート・フォン・リヒトホーフェン(独) 80
フォンク(仏) 75
ビショップ(加) 72
ウーデット(独) 62
・・・
フランチェスコ・バラッカ(ヘタリア) 34(笑)
- 238 :名無し三等兵:2014/02/05(水) 15:46:57.80 ID:???.net
- おい誰だ!
クーシネンだけでなく糞コテやらイタリアスレ常連の糞名無し呼びこんだのは!
- 239 :名無し三等兵:2014/02/05(水) 18:45:26.20 ID:???.net
- 冬戦争の義勇兵は、世界各国から馳せ参じてますし・・・
- 240 :反ス厨 ◆oQqUK/.obI :2014/02/05(水) 21:03:55.92 ID:???.net
- >>238
窘めただけだろ!
- 241 :名無し三等兵:2014/02/05(水) 22:01:56.35 ID:???.net
- >>240
いいからお前は永遠にROMってろ
- 242 :名無し三等兵:2014/02/07(金) 16:28:10.84 ID:???.net
- 斎木さんの「冬戦争」本。
発売日が2月13日に変更されてるね。
- 243 :名無し三等兵:2014/02/08(土) 08:20:01.20 ID:1iIhxMGE.net
- フィンランド第11師団司令部には重要情報が届いていた。「偵察部隊からの報告です。
ソ連軍は国境沿いの陣地を放棄しています。塹壕はもぬけの空です。」フィンランド
第6軍団の攻撃が始まると、ソ連軍は直ちに攻勢作戦を中止し、防衛態勢に移行したのだ。
師団長カーロ・ヘイスカネン大佐はこの好機を逃さなかった。「今度はこちらが攻撃側だ。」
彼の胸中を冬戦争のヴィボルグ防衛時の思い出が交錯した。「敵は移動している。モッティ
戦術だ。ヤニスヤルヴィ東、コルピセルカからヴァルスティラ・スイスタモ間の道路を寸断
しろ。急げ!」彼は何度も地図を指差して幕僚達を叱咤激励した。
フィンランド軍はこの地域に数少ない機動戦力である装甲列車2号と152mm列車砲2門を
派遣した。ソ連軍の後衛、第71狙撃師団第367連隊との間で激しい戦闘が始まった。
- 244 :名無し三等兵:2014/02/08(土) 12:00:09.46 ID:???.net
- >装甲列車2号と152mm列車砲2門
フィンランド軍には装甲列車がありましたか。
ロシア軍から分捕ったのかな?
- 245 :名無し三等兵:2014/02/09(日) 09:00:07.01 ID:C69U6xSW.net
- フィンランド第6軍団の右翼には、冬戦争でラトガ・カレリアを防衛した
ハッグルンド少将が率いる第7軍団が布陣している。彼は、ソルタバラへの
攻撃を命じられていた。ラトガ湖とフィンランド国境の間の回廊は極めて
狭く、交通の要衝であるマトカセルカの鉄道分岐点は、国境から僅か
10kmに位置していた。ソ連軍は休戦後、この地域の防衛を強化している。
「第7師団司令部に伝えろ。工兵隊と共に前進せよ。軍団砲兵が支援する。」
フィンランド第7師団第30連隊は偵察部隊16班を放ち、彼らの正面に
冬戦争以来の歴戦の第168狙撃師団がいることを発見した。
ハッグルンドは、防衛線の北端が最も脆弱であることを見抜き、そこに
攻撃の重点を置いた。7月10日の夕方、激しい雷雨の中、攻撃は始まった。
支援砲撃が中止されたため、単独攻撃を強いられた第30連隊の攻撃は
奇襲となった。
- 246 :名無し三等兵:2014/02/09(日) 09:32:18.26 ID:C69U6xSW.net
- 1918年に8両の赤衛軍装甲列車と2両のロシア軍装甲列車を手に入れたフィンランド軍は、
損傷の少なかった機関車や砲車を組み合わせて2編成の装甲列車を維持していたようです。
継続戦争開戦時の装甲列車2号の武装は、以下の通りです。
75mm野砲1門
40mm対空機関砲2門
7.62mm対空機関銃1挺
7.62mm機関銃17挺
- 247 :名無し三等兵:2014/02/09(日) 12:29:46.08 ID:???.net
- >246
なかなか強力な武装を施していますね。
- 248 :名無し三等兵:2014/02/09(日) 12:34:07.31 ID:???.net
- 40ミリってボフォース?
まあ隣国産だけど…
人力で振り回せるレベルじゃないし動力とかどうしたんだろう?
- 249 :反ス厨 ◆oQqUK/.obI :2014/02/09(日) 14:45:17.77 ID:???.net
- ルーデルが味方の陣営で良かったな
- 250 :名無し三等兵:2014/02/09(日) 23:09:59.85 ID:???.net
- >>248
機関車から蒸気取って発電あるいは蒸気駆動が最もありえそうだけど、小型発電機で動力取ってるかもしれないね
対空任務を主眼とする限り、流石に手動ではないはず(対地攻撃用なら手動でもどうにかなるかも)
- 251 :名無し三等兵:2014/02/10(月) 17:42:08.18 ID:???.net
- >248
ボフォース40ミリ機関砲は強力ですけど・・・
ちと、お高いかと。
イルマリネンやバイナモイネンとかに搭載してた、ビッカース40ミリかも。
- 252 :名無し三等兵:2014/02/11(火) 09:09:11.85 ID:XDeI0ywf.net
- ソ連第402連隊の多くは、待避壕にいる間に包囲された。翌日もフィンランド第7師団は
進撃を続け、包囲網を締め上げた。
その右翼のフィンランド第19師団は、最も強力な防衛陣地の攻撃を担当することとなった。
支援は、僅かな師団砲兵のみである。エウロ・ジュヴァ中佐の第58連隊が先鋒となる。
「ヴァラス少佐、君の第1大隊が先陣だ。第3大隊が続き殿は第2大隊。攻撃開始は2000時。」
第58連隊は一晩中戦い、1.5kmほど前進した。
12日の朝までにフィンランド軍はソ連軍の地雷原と第1線陣地を突破したが、そこから
先はソ連第168狙撃師団主力が強固な第2線陣地を用意していた。ソ連兵は巧妙に包囲をすり
抜けて第1線陣地から後退し、地雷を敷設し直し、破壊されたトーチカや塹壕を修復していた
のだ。彼らの防戦は後にソ連軍の軍事教練の教科書に格好の題材を提供することとなる。
フィンランド第58連隊第1大隊は夥しい死傷者を出し、第3大隊もソ連軍の防御砲火に阻止
された。明らかに砲兵が不足していた。
- 253 :名無し三等兵:2014/02/11(火) 15:32:15.54 ID:???.net
- 大砲はほら…まず戦って鹵獲しないと手に入らないから……
- 254 :名無し三等兵:2014/02/11(火) 22:13:55.52 ID:???.net
- >明らかに砲兵が不足していた
それは今に始まった事ではない・・・
- 255 :反ス厨 ◆oQqUK/.obI :2014/02/11(火) 22:44:19.61 ID:???.net
- そこはモロトフカクテルでなんとけするべき
- 256 :名無し三等兵:2014/02/11(火) 22:46:13.80 ID:???.net
- むしろ充足していたのは何なんだろ?
- 257 :名無し三等兵:2014/02/11(火) 23:17:04.99 ID:???.net
- 精神力・・・とか
- 258 :名無し三等兵:2014/02/12(水) 12:30:30.36 ID:???.net
- 撃墜されたソ連軍戦闘機や爆撃機の残骸なら、うなるほど有ったかと。
- 259 :名無し三等兵:2014/02/12(水) 16:20:17.94 ID:???.net
- >>258
全てフィン軍が回収するから
跡形も残ってないだろw
- 260 :名無し三等兵:2014/02/12(水) 17:30:16.35 ID:???.net
- ニッシネン曹長 「I-16を落としたよ!尾翼には珍しく4ケタの数字が書いてあったよ!
回収班 「おお、本当だ
- 261 :名無し三等兵:2014/02/13(木) 19:20:39.33 ID:???.net
- 「冬戦争」 斎木伸生
買いました。
分厚い本だね。
- 262 :名無し三等兵:2014/02/13(木) 21:02:00.71 ID:PDk+stAC.net
- 「軍団司令部に繋げ。砲兵支援を要請する。」突破口の確保に執念を燃やす、フィンランド
第7軍団は、前線からの要請を受け各師団の砲兵連隊の補強のため軍団直轄砲兵を集結させた。
13日、フィンランド第7師団はヤニス湖西岸に到達し、南方へ向かった。冬戦争のコラーの
英雄、モロッコの恐怖ことアールネ・ユーティライネン大尉は、ソ連軍陣地を外縁を進む
第9連隊の中隊長として、この攻撃に参加している。「砲兵達もやるな。」ソ連軍戦線で
炸裂する砲弾が双眼鏡でも観察できた。冬戦争では、敵の砲声ばかりを聞いていた彼は、
友軍の砲撃に安堵を覚えた。間もなくソ連軍の防御砲火も始まった。砲弾の飛翔音がすると
兵士達は蜘蛛の子を散らすように木陰に飛び込んで伏せた。ユーティライネンは戦場の
真ん中に立ったまま、大声で笑った。「あの音はまだ遠いぞ。」15日までに、彼らは
ソルタバラ・ペトロザヴォーツク鉄道達し、そこでソ連軍守備隊を包囲した。
- 263 :名無し三等兵:2014/02/14(金) 12:00:36.91 ID:???.net
- 「モロッコの恐怖」、再び!
- 264 :名無し三等兵:2014/02/15(土) 09:16:58.61 ID:vifzeX5n.net
- 「レニングラードからです。」スオ湖に司令部を置くソ連第7軍司令官
フィリップ・ゲロリエンコ中将は、参謀の差し出す受話器を受けとった。
「同志将軍、第23軍から2個連隊と独立大隊を幾つか引き抜き、第7軍
戦区に送る。ラトガ湖東岸の裂け目を繕えるか?」北部戦線司令官
マルキアン・ポポフ中将が語りかけた。「NKVDが直接部隊の移動を
支援する。」政治委員のN.クレメンツェフが付け加える。「同志北部戦線
司令官、最善を尽くします。」ゲロリエンコは汗を拭った。
ソルタバラ北西のソ連第198自動車化狙撃師団司令部では、師団長の
ウラジミール・クルコフ少将が電話で、激しく抗議を繰り返していた。
「フィンランド軍の攻撃が迫っています。今、第450、第452連隊を
引き抜かれたら戦線の維持は困難です。」彼の部隊は、臨戦待機中の
フィンランド第2軍団の強力な圧力に晒されていた。ポポフは、編成中の
民兵部隊、第3フルンゼ人民武装師団の1個連隊をクルコフの指揮下に
入れることで彼を納得させた。
この時、ドイツ北方軍集団は旧ソ連・エストニア国境のスターリンラインを
攻撃し、その南の中央軍集団の先頭を進む第29自動車化歩兵師団は、
モスクワまで350kmのスモレンスク市街に突入していた。
- 265 :名無し三等兵:2014/02/15(土) 10:32:00.76 ID:???.net
- >NKVDが直接部隊の移動を支援する
うわあああっ!!
- 266 :名無し三等兵:2014/02/15(土) 12:28:21.20 ID:???.net
- NKVDに本音をゲロるのは出来ないな(汗
- 267 :名無し三等兵:2014/02/15(土) 12:46:08.35 ID:???.net
- フィンランド軍よりもNKVDの方が怖いだろうね。
そりゃあ汗も出るわな。
- 268 :反ス厨 ◆oQqUK/.obI :2014/02/15(土) 13:04:26.64 ID:???.net
- どちらかと言えば移動中の兵の脱走を防ぐためだろ
- 269 :名無し三等兵:2014/02/15(土) 13:06:17.20 ID:???.net
- いや・・・
ちょっとでも「反ソ的」な言動とされると・・・
「シベリアで樹を数える」ハメになる・・・
- 270 :名無し三等兵:2014/02/15(土) 20:58:37.10 ID:???.net
- 命令したのは方面軍司令官のポポフだからNKVDの意向はあんまり関係ないのでは?
- 271 :名無し三等兵:2014/02/16(日) 08:36:06.93 ID:jxz5X86h.net
- ソ連軍最高司令部は、必死になって軍組織の再編成を進めていた。あまりにも早い
ドイツ軍の進撃の前に、前線部隊も後方支援部隊も重装備と共に壊滅していた。
15日、軍司令官は直接師団を指揮することとし、軍団司令部の機能を引き継いだ。
対戦車部隊、対空部隊、戦車、砲兵もそれらが必要とされる場所に柔軟に配置出来る
よう軍司令部が掌握することとなった。
機械化軍団も廃止された。自動車化狙撃師団は通常の狙撃師団となり、生き残った
戦車は各戦車師団に217台ずつ配置された。20を越える戦車師団が戦車旅団又は
独立戦車大隊に格下げされ、予備の戦車部隊は新編成部隊の骨格となった。
開戦時点でソ連には1400万人の予備役がいた。この時点でそのうち530万人が
動員され、抽出された軍団司令部要員を加え、新たに13の野戦軍が編成された。
- 272 :名無し三等兵:2014/02/17(月) 20:17:20.33 ID:???.net
- >>271
1400万人の予備役…
530万人動員…
- 273 :名無し三等兵:2014/02/17(月) 20:29:03.69 ID:???.net
- まさに恐ロシアだ。
- 274 :名無し三等兵:2014/02/18(火) 02:37:18.83 ID:???.net
- そりゃ武器不足になるわ
「銃は二人で一挺だー!!」はともかく
モシンナガンの銃身を半分にちょん切ってPPShを二挺作ろうとしたり
超旧式のウインチェスター銃を配備したりしたそうだ
ttp://world.guns.ru/rifle/repeating-rifle/usa/winchester-m195-e.html
ttp://en.wikipedia.org/wiki/Winchester_Model_1895
ちなみにこんな銃
もちろんフィンランド軍も使用
- 275 :名無し三等兵:2014/02/18(火) 09:56:21.32 ID:???.net
- まさか、ウィンチェスター銃も二人に一つ?
- 276 :名無し三等兵:2014/02/18(火) 12:19:55.72 ID:???.net
- >274
最近出た「冬戦争」にも、フィン軍の貧弱っぷりが詳細に描かれていますよ。
よくあれで戦争できたもんだ。
- 277 :名無し三等兵:2014/02/19(水) 00:01:16.27 ID:???.net
- だから敗けたんじゃん
- 278 :名無し三等兵:2014/02/19(水) 01:20:24.45 ID:???.net
- まあ・・・
充分頑張ったじゃないですか・・・
- 279 :名無し三等兵:2014/02/19(水) 22:35:16.45 ID:GcW1761b.net
- タルベラのフィンランド第6軍団は、1939年当時のフィン・ソ国境に向かっていた。
一方第7軍団はソルタバラ目指して進撃している。同軍団の第7師団はヤニス湖と
ヴァーヴァ湖の間でソ連軍防衛線を突破し、17日に第6軍団の第11師団と連絡した。
19日早朝、サルミの北5kmの地点でフィンランド第6軍団は、午後にはソ連第7軍の
後方を切断した。「順調だな。」森の中の司令部で報告を受けたタルベラは満足した。
「敵に立ち直る隙を与えるな。時間との戦いだぞ。」しかし、マンネルヘイムは前進を
許さなかった。「進撃を停止させよ。」航空偵察、長距離偵察、無線傍受、あらゆる
情報がソ連軍の反撃が近いことを告げていた。
事実、ソ連ラトガ沿岸防衛司令官パブロフ少将はレニングラードのキーロフ海軍学校
生徒4個大隊から編成された第3海軍歩兵旅団にフィンランド軍の背後を衝くよう
命じていた。
- 280 :名無し三等兵:2014/02/21(金) 20:28:00.08 ID:???.net
- 海軍歩兵ですか。
あの制服が良いね。
- 281 :名無し三等兵:2014/02/22(土) 10:11:38.34 ID:NYkK6mBA.net
- レニングラード防衛に責任を持つ2人の重要人物が、ペトロザヴォーツクを訪れていた。
厳重な警戒の元、列車が到着し、中からレニングラード共産党第1書記のジダーノフと
北西戦線司令官となったヴォロシーロフが降り立った。「司令官は?」ジダーノフの問いに
2人を迎えた第7軍参謀長アレクセイ・クルチコフ少将が答えた。「前線です。」
司令部に入ると戦況の説明が始まった。「我が軍3個師団に対して敵は7個師団と3個旅団。
最前線はサルミからロイモラです。」クルチコフは戦線維持のため、砲兵6個中隊、機関銃
1000挺、弾薬と補充兵を要請した。「待て。どうしてロイモラ駅を放棄したのだ?」
ヴォロシーロフは説明を遮った。「予備兵力が枯渇したからです。」クルチコフは声を
荒げた。「第237狙撃師団が引き抜かれたからです。あの師団さえあれば、我々は戦線を
維持出来たでしょう。」
緊迫したやり取りが続いた後、ジダーノフが増援部隊の派遣を約束した。彼はさらに
続けた。「兵士、労働者、そして市民までもがレニングラード防衛のため献身的な
努力を捧げている。防衛線に穴を開けるわけにはいかん。この地域の党員及び共産党
青年団から予備兵力を組織する。」
- 282 :名無し三等兵:2014/02/22(土) 11:44:15.61 ID:???.net
- 同志ジダーノフ登場か
- 283 :名無し三等兵:2014/02/23(日) 08:36:50.90 ID:JSesI6Rw.net
- レニングラード駅では、2週間の速成訓練を終えた第3フルンゼ人民武装師団の兵士達が
整列していた。真新しい夏の軍服と軍靴、小銃と弾丸250発、手榴弾とガスマスクが支給
された。砲兵隊には27門の76mm砲が配備され、9個砲兵中隊に編成された。彼らこそが、
ジダーノフが約束した増援部隊であった。「スヴィル河を越えてオロネツへ向かうらしい。」
兵士達は囁きながら、北へ向かう列車に乗り込んだ。
「レニングラードの北の扉を開けるわけにはいかない。」ソ連有数の大工業地帯である
レニングラードには520の工場と78万人の工場労働者がソ連の水力発電の91%、火力発電の
82%、工作機械の20%、国内全工業生産の10%を生産しているのだ。守勢のソ連軍司令部は
戦線の再編成に奔走しなければならなかった。
20日、フィンランド第6軍団には編成を終えたパーヴォ・パール大佐の第1師団が到着した。
- 284 :名無し三等兵:2014/02/26(水) 09:54:50.80 ID:???.net
- >弾丸250発
弾丸の携帯数が250発だけ?と思って調べてみたら
日本陸軍は120発だったでござる
- 285 :名無し三等兵:2014/02/27(木) 01:27:21.53 ID:pNuk7vED.net
- ttp://www.sci.fi/~fta/ca-01m.jpg
転載。
- 286 :名無し三等兵:2014/02/27(木) 23:34:04.47 ID:oh5RQReD.net
- 21日、ソルタバラ付近でソ連第7軍主力と切り離された第168狙撃師団と第71狙撃師団の
1個連隊が、カレリア地峡を防衛する第23軍に編入された。第7軍には北の第14軍から、
第1戦車師団の第2戦車連隊が増援として送り込まれた。この時点で、連隊の稼働戦車は
4台のKV-1、13台のT-28、29台のBT-7、57台のBT-5、32台のT-26戦車である。
第7軍は、M.アントノフ少将率いる1個歩兵連隊、2個自動車化連隊、1個戦車連隊、そして
幾つかの独立部隊から成るペトロザヴォーツク作戦集団と、V.ツヴェタジェフ少将指揮下の
第3海軍歩兵旅団、2個自動車化連隊、その他雑多な小部隊から成る南方作戦集団の2つに
分割された。
- 287 :名無し三等兵:2014/02/28(金) 00:54:04.93 ID:???.net
- > 4台のKV-1、13台のT-28、29台のBT-7、57台のBT-5、32台のT-26
大兵力だなあ。
- 288 :名無し三等兵:2014/03/01(土) 08:49:47.14 ID:89nKvXYy.net
- ヤニス湖南西に集結したソ連第7軍南方作戦集団の2個自動車化連隊は、ラトガ湖岸に沿って
フィンランド第5師団の右翼に攻撃をかけてきた。マンネルへイムの懸念は現実のものとなった。
さらに24日早朝、ソ連第3海軍歩兵旅団が巡洋艦1隻と魚雷艇2隻に護衛された15隻の船に
分乗して、サルミ後方のルークランサーリとマンツシに上陸した。
「やはり来たか。」タルベラは矢印だらけの地図を睨んだ。指揮下の各師団は戦闘中であり、
急行させられる部隊は無かった。タルベラは架橋中の工兵隊を含む、集められる限りの後方
支援部隊を迎撃に向かわせた。急を救ったのは砲兵隊であった。彼らは集中射撃により、
4隻の船舶を破壊した。やがて第11師団の第8連隊が駆け付けてきた。ソ連軍は3つの橋頭堡に
閉じ込められ、各個に撃破された。
「敵の戦死者は480名です。」第11師団長ヘイスカネン大佐は報告を受けた。第8連隊は
戦死21名、負傷33名に加え、1名が行方不明となっていた。
- 289 :名無し三等兵:2014/03/01(土) 19:17:32.39 ID:???.net
- 相変わらずのキルレシオ
- 290 :名無し三等兵:2014/03/01(土) 22:35:25.29 ID:???.net
- しかしフィンランド側のほうが痛いというこの無情
- 291 :名無し三等兵:2014/03/02(日) 09:15:30.04 ID:kPmLDXda.net
- ソ連軍をヤニス川の渓谷から追い出した後、フィンランド第7師団は南西へ向かった。
森の中で第9連隊は先行していた部隊と合流し、小休止した。補給部隊が彼らを迎える。
「小隊毎に糧食を受領しろ。警戒を怠るな。」ユーティライネンは命じた。「将校は
集合。」彼は部下が常に状況を正確に把握していることを望んでいた。「一体、我々は
今何処にいるのだ。」彼は傍らのアーローレ少尉に尋ねた。彼は慌てて鞄の中を探したが、
なかなか地図を取り出せないでいた。「まだか?」暫く待ったユーティライネンは、
遂に癇癪を起こした。彼は拳銃を引き抜いて叫んだ。「地図も探せないような間抜けは
俺がこの場で片付けてやる。」
25日、フィンランド第9連隊はトーマ川を渡河した。ソ連第168狙撃師団は丘の上に
強固な陣地を構築し、激しく抵抗したため、フィンランド軍の前進は困難を極めた。
「攻撃が不徹底だ。俺が行こう。」アーローレ少尉が止めるのも聞かず、彼は弾雨の
中を飛び出した。倒木の陰に数名の兵士が伏せていた。ユーティライネンは彼らの間に
滑り込んだ。「お前達、いくらも前進しないうちにもう休憩か?進め!」慌てた兵士が
駆け出すと、ユーティライネンは素早く辺りを見回し、再び動かない兵士に向かって
走っていった。
- 292 :反ス厨 ◆oQqUK/.obI :2014/03/02(日) 10:10:32.99 ID:???.net
- かっこいい
- 293 :名無し三等兵:2014/03/02(日) 11:43:43.93 ID:???.net
- 流石は「モロッコの恐怖」、ユーッティライネン中尉だね。
- 294 :名無し三等兵:2014/03/02(日) 11:55:35.48 ID:???.net
- >彼は拳銃を引き抜いて叫んだ。「地図も探せないような間抜けは
>俺がこの場で片付けてやる。」
なんというか、平時の社会には適応できなさそうな人だなあ…
- 295 :名無し三等兵:2014/03/03(月) 08:00:10.23 ID:???.net
- ユーティライネン中尉の戦後って酒場で同僚のフィンランド軍士官を撃たなかったっけ
戦功が評価されても予備役だったのは素行不良が原因だろう
- 296 :名無し三等兵:2014/03/03(月) 21:21:50.91 ID:???.net
- もともと、モロッコ帰りでアル中の予備役が、
戦争という状況によってたまたま社会復帰できただけだから…
調べれば調べるほど、アールネさんは生粋のトラブルメーカーだと知ることになる
- 297 :名無し三等兵:2014/03/04(火) 01:13:15.17 ID:???.net
- なお弟はこれまた有名なあのエイノ・イルマリ・ユーティライネン
- 298 :名無し三等兵:2014/03/04(火) 05:41:18.21 ID:???.net
- このスレなら常識だろ。
- 299 :名無し三等兵:2014/03/04(火) 11:55:47.18 ID:???.net
- 最初は結構知られてなかったよ
日本語Wikiにも記述無かったし
ちなみに弟エイノも軍に入る前はバイク乗り回す悪ガキだったとのこと
戦後空軍に入った長男を事故で亡くしてるし、彼は彼なりに波乱の人生
- 300 :名無し三等兵:2014/03/05(水) 00:52:27.32 ID:D+D0tUd+.net
- >>299
> 最初は結構知られてなかったよ
> 日本語Wikiにも記述無かったし
> ちなみに弟エイノも軍に入る前はバイク乗り回す悪ガキだったとのこと
軍に入ってからも悪ガキでしたよ。
超エースだから許されていただけで。
- 301 :名無し三等兵:2014/03/05(水) 06:38:01.53 ID:???.net
- Wikiだと弟は15言語に記事有るのに兄は4言語だけだが海外ではマイナーな人なのかな
- 302 :名無し三等兵:2014/03/05(水) 12:32:10.31 ID:???.net
- >>301
うむ、兄がマイナーというよりも弟が有名なだけでは?
元々のエースパイロットという知名度プラス、フィンランド大使館公認の美少女化キャラもいることだしな…
- 303 :名無し三等兵:2014/03/05(水) 15:35:10.80 ID:???.net
- 戦後は退職金がわりに貰ったジプシーモスで観光飛行の仕事して、悠々自適の人生だもんな
- 304 :名無し三等兵:2014/03/05(水) 19:39:11.23 ID:???.net
- ユーッティライネン准尉が貰った機体は、シュトルヒじゃなかったかしら?
ジプシーモスも良いなあ。
- 305 :名無し三等兵:2014/03/05(水) 21:46:01.61 ID:PU4MArK0.net
- 「ヤニス湖とラトガ湖の間の地峡を奪回せねばならない。」ソ連第23軍司令官
プシェニコフ少将の言葉に参謀達は頷いた。ラトガ湖北岸のフィンランド軍の
圧迫を軽減することは急務になっていた。「第198自動車化狙撃師団をソルタバラへ
移動させましょう。第168狙撃師団と共に反撃させます。」参謀長のゴロジエフスキー
大佐が応じた。さらに第43狙撃師団から1個連隊が引き抜かれ、第198自動車化
狙撃師団の指揮下に入った。第198自動車化狙撃師団は直ちに移動準備を始めた。
第7軍には、新たにチフビン地区の住民から編成された第272狙撃師団が配属される
こととなっている。
28日、フィンランド第30連隊の猟兵小隊の兵士が偵察から戻って来た。「往路で
敵の斥候4班と遭遇しました。街道上を多数の車両が移動する音も聞こえました。」
次に戻ったグループも報告した。「ソ連軍車両の縦隊がソルタバラ方面に向かって
います。」連隊長ルオッサロ中佐は第1大隊長ピエトライネン大尉に命じた。
「直ちに攻撃せよ。」
- 306 :名無し三等兵:2014/03/06(木) 18:42:10.37 ID:???.net
- >>304
本人がタイガーモスと言ってるインタビューもあるが、機体番号はジプシーモス
あとシュトルヒでは遊覧飛行は無理だと思われ
- 307 :名無し三等兵:2014/03/07(金) 11:56:04.63 ID:lgw7FcC0.net
- まあ、シモ・ヘイへ 現地語読みだとハユハになります。
赤軍兵士を暖かく迎えてやろうぜ、
モトロフ・カクテルでもいかが?
- 308 :名無し三等兵:2014/03/07(金) 20:04:27.85 ID:???.net
- 知ってます
- 309 :名無し三等兵:2014/03/07(金) 23:25:35.66 ID:fT3h8qDU.net
- 「待ち伏せ攻撃だ。機関銃を左右に据え付けろ。十字砲火を浴びせるんだ。」
森の中で、第1中隊のコルピ中尉が兵士を配置に付けた。やがて車列が現れた。
「射撃開始!」中尉の合図と共に機関銃手のヴェーヴィライネン伍長は引き金を
引いた。
突如の襲撃を受け、2台の装甲車が撃破された。ソ連軍は大混乱に陥った。車列は
第198自動車化狙撃師団司令部であった。参謀長シニク中佐の遺体が確認され、
重要書類の束が押収されたが、その中には翌日に予定された反撃作戦の計画書も
含まれている。フィンランド軍は直ちに防衛態勢を構築した。
- 310 :名無し三等兵:2014/03/07(金) 23:58:13.36 ID:???.net
- 最近更新多くて嬉しいです
頑張ってください
- 311 :名無し三等兵:2014/03/08(土) 08:32:23.77 ID:siv1eNTs.net
- 「手持ちの地雷は全部埋めろ。穴倉を掘るのも忘れるな。」将校は部隊を飛び回りながら、
兵士に作業を促した。
ソ連軍の反撃は29日に始まったが、予め情報を得ていたフィンランド軍は効果的に防衛戦
を展開し、反撃は失敗に終わった。フィンランド第30連隊は8台の戦車を撃破した。
「敵の銃から弾だけを抜き取れ。後始末は後続の連中に任せるんだ。」コルピ中尉が
命令するとヴェーヴィライネン伍長は放棄されたデグチャレフ機関銃の弾帯を拾い上げた。
フィンランド第19師団第16連隊も11台の戦車撃破を報告した。
エストニアでは、追求する歩兵部隊を待っていたドイツ北方軍集団の装甲部隊が攻勢を
再開した。ソ連軍は必死になってレニングラード防衛のための兵力を掻き集めていた。
このためフィンランド方面のソ連軍は乏しい戦力で戦わねばならなかった。「いよいよ
カレリア地峡の奪回だな。」マンネルへイムはヴィボルグ方面への進撃を決意した。
※声援ありがとうございます。継続戦争初期はあまり語られる事が少ないので、調べると
まだまだ新しいエピソードがたくさん出てきますね。
- 312 :名無し三等兵:2014/03/08(土) 09:56:08.61 ID:???.net
- >後始末は後続の連中に任せるんだ
撃破された戦車持ち帰ってニコイチ・サンコイチで再生するんだろな
- 313 :名無し三等兵:2014/03/08(土) 23:21:01.65 ID:???.net
- フィンランドの対戦車戦闘は壊しすぎると叱責される理不尽なお仕事です♪
- 314 :名無し三等兵:2014/03/09(日) 09:31:05.70 ID:GU7Uuq4Z.net
- 7月30日、およそ1ヶ月の間塹壕に立て篭っていた、ターヴェッチ・ラーティカイネン少将の
フィンランド第2軍団がヒートラ・ケクスゴルム方面で、強力な砲兵の援護の元攻勢に転じた。
対するソ連第115狙撃師団と第142狙撃師団は、ブオクシ川とこれに沿った主要道路沿いに
陣地を構築していた。防衛線の縦深は7〜8kmにも及び、地雷、鉄条網、塹壕、トーチカが
巧みに配置されていた。冬戦争の猛将パヤリ大佐のフィンランド第18師団は、森を抜け、
防衛線の北端を守るソ連第115狙撃師団を攻撃した。
「あのコンクリートトーチカを攻撃する。」第27連隊第11中隊長のユーホ・ポッシ中尉は、
立ちはだかるソ連軍の防衛拠点を指差した。彼らの前進路はソ連軍の機関銃座に格好の射撃
機会を与えることが明らかだった。「無茶だ。自殺命令だ。」兵の間から不平の声が漏れた。
「怖じ気づいたのか?俺が手本を見せてやる。」ポッシは援護射撃を命ずると余分の手榴弾を
持って匍匐前進を始めた。数分後、兵士達は爆発音を耳にした。「始末したぞ。早く来い。」
煙の向こうで手を振るポッシの姿を認めると、兵士達はコンクリートの廃墟に向かって
走り出した。
- 315 :名無し三等兵:2014/03/09(日) 15:26:24.02 ID:???.net
- ユーホ・ポッシ中尉、すげー
- 316 :名無し三等兵:2014/03/09(日) 20:32:07.39 ID:GU7Uuq4Z.net
- このポッシ氏は、冬戦争2日目に44発の射撃で、42名のソ連兵を倒したという逸話の持ち主です。
- 317 :名無し三等兵:2014/03/09(日) 21:42:24.25 ID:???.net
- >>「怖じ気づいたのか?俺が手本を見せてやる。」
良い子はマネしたら駄目だろ
- 318 :名無し三等兵:2014/03/09(日) 22:02:16.75 ID:???.net
- こういう台詞吐いてもし戦死したら恥ずかしいことこの上ないな
- 319 :名無し三等兵:2014/03/10(月) 12:55:40.17 ID:???.net
- >316
つまりそれは・・・
射撃しても外しようがないほど、ソ連兵が突撃してきた・・・
恐ロシア。
- 320 :名無し三等兵:2014/03/14(金) 20:50:10.61 ID:0xeNU5En.net
- フィンランド軍は主要交差点を確保すると道路を避け、工兵が深い森と沼地の中に切り開いた
仮設道路を通り、再び森の中から次の交差点を目指した。「交差点を確保したら対戦車砲を
配置せよ。敵は必ず戦車で攻めて来るぞ。」師団長パヤリ大佐は各連隊長に命じた。
果たしてソ連軍戦車はやって来た。フィンランド軍の20mm対戦車砲はまるで役に立たず、
猛攻撃を受けた第27連隊第3大隊は混乱に陥った。折り重なる戦死者の間で負傷兵が呻き、
将校を失った小隊は伍長が指揮を執った。対戦車砲中隊のヴィルホ・ラットー二等兵は、
放棄されたソ連軍の45mm対戦車砲に駆け寄った。炸裂する砲弾により半ば埋もれていた
砲を掘り起こし、照準器に付いた泥を拭う。ラットーは燃料タンクを狙って発砲した。
至近距離からの砲撃は敵戦車を捉えた。「やったぞ。もっと砲弾を持ってこい。」炎上する
戦車を見たラットーは戦友に向かって叫んだ。ソ連軍が後退した後には、4台の戦車の残骸が
残されていた。
間もなくパヤリが到着した。「ラットー二等兵、来い。」連隊長のラウリ・ハーンテラ中佐が
声をかけると、ラットーは直立した。「あれをやったのは君か?」ラットーは敬礼をして答えた。
「私です。大佐殿。」彼は二等兵としては初のマンネルへイム勲章受章者となった。
- 321 :名無し三等兵:2014/03/15(土) 03:19:21.92 ID:???.net
- この時期のフィンランドってマンネルヘイムの個人崇拝が進んでたのかな?
いろいろ事情はあったろうけど正直、民主主義国で存命中の権力者の名前を勲章に付するのって、
正気の沙汰とは思えない。キューバのカストロでさえそれはやらないようにしてるのに・・・
- 322 :名無し三等兵:2014/03/15(土) 09:02:46.86 ID:???.net
- 実態は人民を搾取する白色富農政権ですので、正気などそもそも持ち合わせてないのです
一日も早く人民民主主義政府が取って代わらねばなりません
- 323 :名無し三等兵:2014/03/15(土) 17:08:08.62 ID:???.net
- >>320
>連隊長のラウリ・ハーンテラ中佐が
>「私です。大佐殿。」
連隊長と大佐の混同による誤訳かな?どっちもColonelだからな
連隊長が中佐で師団長が大佐ってけっこう珍しいよね。師団長が准将〜少将くらいはよくみるけど。
- 324 :名無し三等兵:2014/03/15(土) 19:56:30.69 ID:???.net
- >322
さあ、歴史研究に戻るんだ、同志オットー・クーシーネン。
- 325 :名無し三等兵:2014/03/15(土) 21:48:20.65 ID:z9P6mMbw.net
- 「ラットー二等兵、来い。」と言ったのがハーンテラ中佐。
「あれをやったのは君か?」と言ったのがパヤリ大佐。
でした。
はしょり過ぎてすいません。
- 326 :名無し三等兵:2014/03/15(土) 21:55:34.60 ID:z9P6mMbw.net
- 8月1日、フィンランド空軍第24戦隊はソ連軍の戦爆連合を迎え撃った。オレンジの8番、
ヨルマ・カルフネン中尉の第3中隊7機のブルーステルは、ラウト湖上空で爆撃機を直援する
I-16と交戦し、そのうちの6機を撃墜した。オレンジの4番、ユーティライネン機は、
そのうちの2機を仕留めた。
「12.7mmの威力は凄いな。弾もまっすぐに飛んでいくよ。」意気揚々と報告に向かった
ユーティライネンは仲間に祝福され、戦隊長のマグヌッソン中佐より、准尉への昇進を
告げられた。
後に「ついてないカタヤイネン」として有名になるオレンジの1番、ニルス・カタヤイネン
軍曹も1機の撃墜を記録した。
- 327 :名無し三等兵:2014/03/16(日) 13:55:19.59 ID:???.net
- お、ヨッペ登場
べらぼうにイケメンなんだよね…
- 328 :名無し三等兵:2014/03/16(日) 21:56:24.74 ID:omuMKisE.net
- 「師団本部からです。」3日、フィンランド第7連隊長ケンピ大佐は副官の差し出す暗号電文を
受け取った。「タイリャ村を包囲する。敵は第142狙撃師団第461連隊の2個大隊だ。」村は
ソ連軍の手によって、半ば要塞と化している。電文を読み終わるとケンピは連隊副官に怒鳴った。
「攻撃だ。村の東方からソ連軍をタイリャ湖に圧迫する。大隊長を集めろ。」遂に陣地を出る時が
来たのだ。
塹壕戦の合間、フィンランド軍第7中隊の陣地では或る者は武器の手入れをし、別の者はカードで
給料を元手に賭けに興じていた。「小隊長と分隊長は集合。」伝令の呼び声が響いた。それが
何を意味するか知っている古参の兵は、カードを片付け始めた。
「中隊はタイリャ村を攻撃する。出発は22時。」第7中隊のE.ティッカネン少尉が集まった指揮官
に告げた。通信機と2名の通信兵、そして対戦車砲と4名の砲兵が中隊に合流した。
- 329 :名無し三等兵:2014/03/16(日) 22:23:20.46 ID:omuMKisE.net
- ヨルマ・カルフネンは7/4に大尉に昇進してました。かつ、オレンジの6番でした。
- 330 :名無し三等兵:2014/03/21(金) 08:34:33.18 ID:kRGks3YI.net
- 日没を待って、アーヴォ・アホラ大尉の指揮する第2大隊は、前進を始めた。ソ連軍はすぐに
彼らを発見した。照明弾が打ち上げられ、大量に配置された機関銃と半ば地中に埋められ、
トーチカと化した戦車がフィンランド兵を迎え撃った。
「突撃!」ティッカネン少尉を先頭に第7中隊の兵士達は駆け出した。ヴァルデ・ソルサ
伍長は砲火をかいくぐり、真っ先に敵の陣地に飛び込んだ。ヴァイノ・ハマライネン伍長は
ソ連軍トーチカの後方に回り込り、塹壕内で白兵戦を展開した。彼の分隊は30名ほどの
敵兵を倒したが、彼自身も負傷して意識を失った。
4日、フィンランド第2軍団はイルミー街道を制圧した。ソ連軍は陣地を捨て、国境方面へ
後退を始めた。
- 331 :名無し三等兵:2014/03/22(土) 19:41:15.38 ID:YC9BA5K1.net
- 筆まめなハマライネン少尉とは別の人ですか・・・
- 332 :名無し三等兵:2014/03/22(土) 22:07:15.09 ID:QOAF8ZCB.net
- フィンランド空軍第24戦隊のユーティライネン准尉は、ブルーステルBW-364号機に乗って
地上支援に出動した。「冬戦争のビオラーチ湾以来だ。」ソ連軍機はフィンランドの空から
駆逐されつつあり、空中戦の機会は減少していた。
コルキヨキ付近の街道上にソ連軍の車列を見つけると、彼は急降下して走行中の灰色のバスに
狙いを定めた。「オレンジ4、攻撃を開始する。」12.7mm機銃の一斉射でバスは横転し、火を
噴いた。フィンランド軍機が去った後、戦車2台、トラック20台が煙を上げていた。
フィンランド軍先鋒からラトガ湖西岸までは15kmであり、ソ連第7軍の包囲は間近であった。
- 333 :名無し三等兵:2014/03/22(土) 22:13:05.94 ID:QOAF8ZCB.net
- 別のハマライネン氏です。こちらのハマライネン氏は1944年に大活躍します。
- 334 :名無し三等兵:2014/03/29(土) 10:10:31.30 ID:5019hm2H.net
- タイリャ村では、第7連隊第3大隊と第28連隊が村を迂回して南へ進んだ。
ソ連軍の激しい防御砲火の中、フィンランド軍は甚大な損害を出しながらも
確実に進撃し、遂に包囲網を完成させた。
やがてソ連軍の反撃が始まる。第14中隊のアート・クエルヴォ・シッポラ少尉は
包囲網突破を図るソ連軍戦車に遭遇した。「6台の戦車が接近してきた。我々は
地雷で阻止した。」後に彼はこの戦闘についてインタビュアーに語っている。
1台の戦車が爆発した時、中から乗組員が飛び出した。彼らが投げた手榴弾が
シッポラの鼻先で爆発した。彼の隣で若い少尉が戦死した。シッポラはとにかく
撃ち続けた。「戦闘が終わると何台かのトラックが我々の手に落ちた。缶詰、
砂糖、ウォッカ、煙草をみつけて我々は大喜びだった。」と彼は語っている。
- 335 :名無し三等兵:2014/03/29(土) 13:24:35.33 ID:0TVt71HI.net
- スターリンからの贈り物だね。
- 336 :名無し三等兵:2014/03/30(日) 09:07:33.75 ID:Q/drrO9t.net
- サカリ・サンドロース伍長も、戦車に驚く仲間の兵士が逃げた後も踏みとどまり、
機銃掃射を続けた。一部のソ連兵が森を抜けて脱出に成功したが、数百名のソ連兵が
戦死し、約200名が重装備と共に村で降伏した。
フィンランド第7連隊の損害も大きかった。147名がここで命を失い、612名が負傷
した。5日、フィンランド第7連隊はエリセンヴァーラの鉄道分岐点まで進出し、
全軍で一番早くヴィープリ・ソルタバラ鉄道に到達した。駅には数台のソ連軍T-26
戦車が待ち構えており、激しい銃砲撃を浴びせてきた。
- 337 :軍事板強制ID制式採用選挙4/19-25:2014/03/30(日) 22:21:54.23 ID:SOCYWX1M.net
- 強制ID制仮導入ノ是非ヲ問フ投票ヲ4.19ヨリ決行セリ!総員参加セヨ!自ラノ意思ヲ示ス戦ヒニ!
【4/19〜4/25までの期間、強制ID表示の是非を問う再投票を行います】
議論中失礼いたします。
皆様お気付きのように3/19に、軍事板では任意ID制から強制ID制への変更が行われました。
今回の導入は飽くまで仮導入のため、実施一ヶ月後に是非を問う投票を行います。
投票当日に向けての議論は現行自治スレにて、自治スレ他で指摘された強制ID制導入
に伴うメリット・デメリットのまとめはまとめウィキにて行っています。
自治スレッド53(ID強制表示本採用投票4/19予定)
http://toro.2ch.net/test/read.cgi/army/1395286401/
軍事板強制ID制メリット・デメリットまとめWIKI
http://idtroops.wiki.fc2.com/
これらを参考に、強制IDに賛成の方も反対の方も共に、投票による意思表示をお願いします。
- 338 :名無し三等兵:2014/04/01(火) 19:47:24.20 ID:uK2OkUjz.net
- 「森の端まで後退しろ。」偵察に参加していたシッポラは、木々の間に逃げ込んだ。
やがて対戦車砲が到着した。彼は前進するソ連軍戦車と砲火を交えた。シッポラも
ライン振るを構えた。「弾がなくなるまで撃ち続けた。だが戦車には全く手応えが
無かった。」しかし、対戦車砲と集束手榴弾により、最後にはソ連軍戦車は駆逐された。
戦いの後、第7連隊は師団予備となり、2日間の休養が与えられた。今やタイリャ連隊が
彼らの愛称となった。兵士達は歓声をあげた。後方に下がると兵士達はサウナで戦塵を
落とし、軍団軍楽隊の演奏を楽しんだ。音楽会の間、ロッタの一団がコーヒーとビスケット
を兵士達に配った。
- 339 :名無し三等兵:2014/04/01(火) 21:53:41.79 ID:DmPndV7k.net
- フィンランドなら、やっぱりサウナですな。
- 340 :名無し三等兵:2014/04/02(水) 10:10:50.15 ID:biJvwzA4.net
- ロシア人もサウナ大好きなんだよな
ロシア人も基本森の民でキノコやベリーとか大好きだし、厳寒にも慣れてるはずなんだけど、
どうしてこんなふがいない戦いぶりになっちゃったかな?
- 341 :名無し三等兵:2014/04/02(水) 10:19:42.27 ID:NpTJs5lQ.net
- >>340
>>キノコやベリーとか大好き
やっぱとことんクマだなアイツラ
冬戦争ならロシア側の苦戦は単なる準備不足
侵攻すれば即手を挙げると思って防寒装備とか何も用意してなかっただけ
粛清直後で軍内ガタガタだったし
- 342 :名無し三等兵:2014/04/02(水) 14:47:18.73 ID:pteCSuUZ.net
- 準備不足と言うが、フィンランドに初期に兵力50万、装甲車両2500、火砲2000門投入しているし、冬季装備も装備されていた。
あれほど凍死者を出したのは、モッティ戦術によって燃料の補給が激減したのと、その年の冬が例外的に寒かったことだ。
- 343 :名無し三等兵:2014/04/02(水) 15:56:56.53 ID:ZskifC/u.net
- ソ連でも南の方出身の兵が投入されたんじゃなかったっけか
まあ冬戦争の動画見たら分かるけど、厳冬なんてレベルじゃない戦場
その中で奮闘するフィン軍は、当時の海外新聞でも風刺漫画が描かれるくらいチート部隊だったみたい
- 344 :名無し三等兵:2014/04/02(水) 16:45:08.88 ID:VR7T4LKi.net
- >342
>冬季装備も装備されていた
有りません。
ソ連兵はコート姿で、冬季装備ではありません。
しかも、1939-1940年の冬は最初は、平均気温よりも温暖でした。
そこへ凄まじい寒気が来まして・・・嗚呼。
- 345 :名無し三等兵:2014/04/02(水) 17:47:44.23 ID:pteCSuUZ.net
- 支給されるのは夏服で、
冬季装備でなく個人所持の防寒装備だったらしいですね
- 346 :名無し三等兵:2014/04/02(水) 18:41:44.02 ID:ZskifC/u.net
- まあフィン軍も個人でバラバラの防寒装備だったわけでw
- 347 :名無し三等兵:2014/04/02(水) 19:45:33.36 ID:hSNEuKr8.net
- そこらへん地元と他所者の差で防寒対策に大きな開きが
- 348 :名無し三等兵:2014/04/03(木) 11:49:24.38 ID:czJCaG55.net
- 実家が最前線の近所で、ちょいちょい家に帰って着替えたりメシ食ってたフィン兵もいたと聞く
実家が遠い人はロッタが何くれとなく気を配ってたんじゃないかな
- 349 :名無し三等兵:2014/04/03(木) 20:02:41.01 ID:2W+tvbcg.net
- >>348
なんかちょっとイカした話っぽくなってるが、そいつら大半戦後は難民の憂き目だから…
継続戦争で帰還できたと思ったら、再度難民と踏んだり蹴ったり…
- 350 :名無し三等兵:2014/04/05(土) 09:11:29.40 ID:1sW0MxtJ.net
- ソ連第23軍司令部に前線から至急電が届いた。室内は将校の怒鳴り声や鳴り響く電話で
騒然としている。「チリマキとオカンマキの防衛拠点が陥落した。」司令部員の間に
同様が走った。「反撃は中止だ。第198自動車化狙撃師団に第142狙撃師団と合流して、
フィンランド第2師団を阻止させるのだ。」
ソ連第49戦車連隊のゴルシュコは戦車と共に後退していた。ガソリンの残量が気になり
始めた頃、彼は友軍のトラックの列に出会った。彼は第2中隊のセムキン中尉の姿を
見つけた。二人は再会を喜んだ。
ラトガ湖畔へ後退中のソ連軍は、ソルタバラ付近に圧迫されつつあった。旧国境へ向けて
進撃するフィンランド軍の背後に残されたソルタバラは、今となっては戦略的な重要性は
薄れていたが、フィンランドにとっては政治的に価値のある町であった。フィンランド軍は、
ソ連軍の殲滅よりもソルタバラの解放を優先させた。
- 351 :名無し三等兵:2014/04/05(土) 16:48:17.32 ID:jOjs1eUm.net
- ナチスドイツ 第三帝国 2マルク銀貨 出品中です。
ご興味のある方は是非御覧くださいm(__)m
http://auction.rakuten.co.jp/item/12085582/a/10000022
- 352 :名無し三等兵:2014/04/06(日) 08:15:30.26 ID:lJlXcT1c.net
- 6日、フィンランド軍は得意のモッティ戦術でヴィープリ・ソルタバラ鉄道を遮断した。
その結果、ラトガ湖西岸のソ連軍は3つに分断された。「我々は第7軍とも左翼の第23軍とも
連絡を断たれたようだな。」ソ連第168狙撃師団長ボンダレフ大佐は師団司令部、第71狙撃
師団第367連隊、第74偵察大隊、第230砲兵連隊、第115師団第708連隊と共に包囲された。
ハイトラ北東方では、第142狙撃師団と第198自動車化狙撃師団が孤立し、その他種々雑多な
部隊がケスクゴルム付近に取り残されていた。
「第2軍団からの報告です。第18師団はインキラでヴィープリ・ソルタバラ鉄道に到達。」
ミッケリのフィンランド軍総司令部には各地からの報告が続々と届けられていた。
司令部要員が巨大なテーブルに広げられた地図上の部隊の所在を示す旗を移動させる。
「第10師団の進撃の進捗は?」マンネルへイムは第15師団と第18師団の中間を進む、
シフヴォ大佐の部隊の所在を尋ねた。同師団はカキサルミ・ハイトラ鉄道を目標に
攻撃を続けている。「第10師団はハイトラを解放しました。」参謀の返答は
マンネルへイムを満足させた。ソ連軍の後方は遮断されたのだ。
マンネルへイムはラトガ・カレリア方面に目を転じた。「第2猟兵旅団の偵察隊の
報告によると、アグラ湖方面のソ連軍は陣地を放棄して東へ後退している模様です。」
この方面には既にラップランドからドイツ第163師団が来援している。「追加兵力を
投入しよう。」7月20日以来前線から引き揚げられ予備になっていた第11師団に
移動命令が起草された。「ドイツ第163師団と我が第1師団の間に投入するのだ。」
フィンランド軍は、後退するソ連軍を追うと共に、包囲網に取り残された強力な
敵軍にも対応しなければならなかった。マンネルへイムは、ラトガ湖西岸制圧のため
新しい司令部機能の必要性を直感した。彼の右腕のアイロ少将は即座に意図を察し、
第2軍団から第2師団、第7軍団から第7師団、司令部予備から第9師団を抽出し、
第1軍団を編成した。
- 353 :名無し三等兵:2014/04/06(日) 17:38:57.15 ID:12LLgdcy.net
- 好きでモッティやってる訳では無いからなあ・・・
さっさと殲滅したいからね。
もっと兵力が有れば・・・
- 354 :名無し三等兵:2014/04/08(火) 23:55:50.98 ID:whXr4jtU.net
- 9日、フィンランド第10師団の先遣隊がラトガ湖に達するとソ連第198自動車化狙撃師団と
第142狙撃師団も包囲された。
フィンランド第2師団には新たに編成された第1軍団に所属し、北方のソ連軍橋頭堡を攻撃
するよう命令が降りた。ケンピの第7連隊は次の戦場に向かって行軍を始めた。
フィンランド軍の機械化は遅れていたため、歩兵部隊は徒歩で移動しなければならなかった。
「2日で30マイルだ。強行軍だな。」ケンピは転出したポロン少佐の後任で冬季オリンピック
選手の第1大隊長エイノ・クヴァヤ少佐と共に歩いた。道ばたで疲れきった兵士の一人が
機関銃にもたれかかって涙を流していた。ケンピは彼の傍に寄って煙草を差し出した。
その兵士は中年というより初老に近い老兵であった。「我々は拷問に耐えているのではない。
奪われた故郷を取り返しているのだ。」ケンピは彼を立たせると、老兵の弾薬と交換銃身の
ケースを持って、再び歩き始めた。
- 355 :名無し三等兵:2014/04/12(土) 16:53:26.64
- ドイツの科学力は世界一ィィィ ワラタ
http://video.fc2.com/content/20140412XLTCAPKU
- 356 :名無し三等兵:2014/04/13(日) 14:24:20.43 ID:XPuLg/lk.net
- 南の橋頭堡内のソ連第142狙撃師団と第198自動車化狙撃師団は、海軍の支援により
湖上への脱出の機会を伺っていた。これを掃討する任務はフィンランド第10及び
第15師団に与えられた。
10日、ソ連第23軍は増援の第265狙撃師団をライサーラへ派遣し、包囲網の解囲を
試みた。第265狙撃師団は7月11日にモスクワ軍管区でNKVD要員から編成された
ばかりでだった。兵力は定数の50%以下の5539名である。先発の第951連隊の兵士は
列車から降りるや否や前線に向かった。
偶然にも九葉中のフィンランド第18師団は同日進撃命令を受領していた。ソ連軍が
インキラで攻撃を開始した時、その僅か5km西で待機していた同師団は、素早く
後方に回り込みその補給路を断ち切った。ソ連第265狙撃師団は南方へ退却した。
11日、フィンランド第15師団はハイトラの鉄道分岐点を占領した。ただちにコラー川
から装甲列車2号が呼び寄せられ、列車砲中隊はソ連軍に猛砲撃を浴びせた。
- 357 :名無し三等兵:2014/04/13(日) 15:03:14.62 ID:5iRsj6+j.net
- >355
>海軍の支援により
T-28やT-34の砲塔を載せた砲艦かな。
- 358 :名無し三等兵:2014/04/14(月) 09:48:40.34 ID:hblCBxLw.net
- ソ連軍はラドガ湖に水上兵力を配置してなかったのかとず〜っと思ってたんだが
置いていたのか。
- 359 :軍事板強制ID制式採用選挙4/19-25:2014/04/19(土) 18:21:59.76 ID:oDJ31SLQ.net
- 4/19〜4/25までは、軍事板強制ID表示の制式採用の可否を問う選挙期間です。
投票所はコチラ。
軍事板強制ID制式採用投票スレッド
http://nozomi.2ch.net/test/read.cgi/vote/1397822163/l50
議論スレはコチラ。
自治スレッド54(ID強制表示本採用投票4/19-25)
http://toro.2ch.net/test/read.cgi/army/1396337551/
議論まとめや参考データはコチラ。
軍事板強制ID制メリット・デメリットまとめWIKI
http://idtroops.wiki.fc2.com/
皆様からの投票、お待ちしています。
- 360 :軍事板強制ID制式採用選挙4/19-25:2014/04/19(土) 18:48:16.52 ID:oDJ31SLQ.net
- 4/19〜4/25までは、軍事板強制ID表示の制式採用の可否を問う選挙期間です。
投票所はコチラ。
軍事板強制ID制式採用投票スレッド
http://nozomi.2ch.net/test/read.cgi/vote/1397822163/l50
議論スレはコチラ。
自治スレッド54(ID強制表示本採用投票4/19-25)
http://toro.2ch.net/test/read.cgi/army/1396337551/
議論まとめや参考データはコチラ。
軍事板強制ID制メリット・デメリットまとめWIKI
http://idtroops.wiki.fc2.com/
皆様からの投票、お待ちしています。
- 361 :名無し三等兵:2014/04/25(金) 09:51:00.63 ID:7ZRM9jz8.net
- そろそろ保守しておこう
- 362 :名無し三等兵:2014/04/26(土) 08:06:38.46 ID:XAUKSTpG.net
- ソルタバラへ向かう街道は遺棄されたソ連軍の車輛で塞がれていた。
12日、フィンランド第7師団はソルタバラへ到達した。犠牲者を
抑えるため兵士達は煙幕に紛れ、姿勢を低くし、慎重に進んだ。
市街への損害を避けるため砲撃も必要最小限に限られた。ソ連軍は
文字通り死ぬまで抵抗した。
ソ連軍はフイスコンニエミ半島に立て篭ったが、フィンランド軍に
とって2個師団もの大軍を殲滅する事は容易ではなかった。カレリア版
ダンケルクが始まった。ソ連軍は艦船を掻き集め、橋頭堡に閉じ込められた
部隊の救出を始めたのだ。
フィンランド空軍第24戦隊のルーカネンは船団攻撃に出動した。20隻もの
各種船舶が眼下に見えた。「僚機と代わる代わる銃撃を行ったが、目立った
損害は与えられなかったと思う。」彼は回想している。フィンランド軍機は
余りに少な過ぎたのだ。
- 363 :名無し三等兵:2014/04/27(日) 17:42:19.80 ID:DNxQQaPW.net
- 戦闘機の銃撃ではしょうがないね。
- 364 :名無し三等兵:2014/04/27(日) 20:39:25.50 ID:BmqGCmCR.net
- 14日、ソ連第49戦車大隊のゴルシュコは連絡将校として、第168狙撃師団司令部を訪れた。
橋頭堡内では撤収作業が進んでいた。フィンランド軍の砲弾が炸裂する中、トラックや兵士の
列が港へ向かっている。黒いタールを流したような黒煙が幾筋も立ち上っていた。
「こちらへどうぞ」案内の兵士の後に続いていくと、地下壕には2人の将校が座っていた。
「ここでお待ち下さい」兵士は姿を消した。彼が煙草を取り出すと、先客が応えた。
「ここは禁煙だ」暫く待たされた後、彼は師団参謀のS.ボルシェフ中尉と面談した。
「君の大隊は残った戦車を破壊した後、人員は乗船して移動して欲しい。桟橋はここだ。」
中尉は地図上の一点を指した。
15日15時10分、フィンランド第30連隊の兵士が市庁舎に青い軍旗を掲げた。540名の
ソ連兵が投降し、残りは脱出した。こうしてソルタバラは解放された。フィンランド
第7師団には1週間の休暇が与えられた。「野戦郵便局も到着するから手紙が出せるぞ。
理由が有る者は故郷に帰ってもいい。先任軍曹に申告させろ。」コルピ中尉は、中隊の
将校達に伝えた。
- 365 :名無し三等兵:2014/04/27(日) 23:28:30.99 ID:he9m5Dng.net
- >>363
撤退中の艦船なんて甲板上は修羅場になってそうだがw
- 366 :名無し三等兵:2014/04/28(月) 10:22:35.12 ID:8X87vKki.net
- 確かスターリングラードという映画でもソ連軍が
輸送艦に銃撃されて凄い事になってたな
- 367 :名無し三等兵:2014/04/29(火) 08:38:10.57 ID:9L14B8+5.net
- 満足な装備も訓練もないままにラトガ・カレリアの前線に投入された
第3フルンゼ人民武装師団では、前線に到着するまでに多くの兵士が
負傷や病気のため戦列を離れている。
「英雄になって勲章をもらおうと思っていたのに、穴掘りと移動ばかりの
毎日だ。」軍楽隊出身の伝令兵、アレクサンドル・ネブスキーが軽口を
叩いた。「司令部員は気楽でいいな。」包帯を巻いた、同じレニングラード
工科専門学校出身の仲間が冷やかした。義勇兵達は学校の教室や工場の
職場から参加したので、皆顔見知りだった。将校が部下に丁寧語で指示する
のも、兵士が将校に軽口を叩くのも日常であった。しかし、戦争は気楽な
ものではなかった。不慣れな兵士達は次々とフィンランド軍の銃弾の餌食と
なり、16日には冬戦争タイパレ戦のソ連邦英雄、師団長ネトレバ大佐までもが、
フィンランド軍の砲撃により重傷を負って後送された。
- 368 :名無し三等兵:2014/05/03(土) 20:06:21.49 ID:32HTz0yS.net
- 17日、ラトガ湖畔のソ連軍橋頭堡は幅12km、深さ10kmにまで圧迫されていた。
ソ連軍は海軍と空軍のありったけをつぎ込んで、脱出作戦を展開した。負傷兵、重資材、
歩兵部隊が次々と船に乗り込んでいった。ゴルシュコは戦車を爆破した後、幸いにも
移動中の砲兵部隊に合流して港に到着した。フィンランド軍が迫っており、港でも砲弾が
炸裂していた。「乗船許可願いたし。最後の砲も破壊した。」擦り切れた軍服を着た
砲兵将校が命令書を提示した。
「師団参謀の命令なんだ。車を船に積んでくれ。苦労してここまで運んだんだ。」
1台の乗用車を前に兵士達が押し問答をしていた。「駄目だ。船はもう一杯だ。何一つ
敵の手に渡すわけにはいかない。この場で爆破する。」なおも抗議する運転兵は
桟橋へ向かう兵士の列に押し込まれた。検問所の兵士はボンネットを開けると、
手榴弾を放り込んだ。
ソ連軍は必死の抵抗を見せ、フィンランド第2師団の前進は阻まれた。砲艦ウィラ、
ブレヤ、オレクマらの支援の元、掃海艇と輸送船が兵士を収容していた。水面にも
盛んに水柱が立ち上がっていたが、ソ連兵の乗船は続いた。艀が岸壁を離れ、
ソルタバラの町が小さく見えた時、ゴルシュコはようやく生き残った実感に安堵した。
2万6千名の将兵、砲155門、機関銃178挺、車輛800台、そして5千頭の馬匹が海路
撤収した。最後の船が桟橋を離れた後フィンランド軍に残されたのは、砲40門、
戦車8台、車輛310 台、トラクター35台、死んだものも含む1500頭の馬匹だけであった。
- 369 :名無し三等兵:2014/05/04(日) 00:07:02.81 ID:x4JJYkEn.net
- >368
>砲艦ウィラ、ブレヤ、オレクマ
どんな艦だろう?
- 370 :名無し三等兵:2014/05/04(日) 10:00:21.55 ID:RyKxAjja.net
- こんな感じだったようです。
http://alternathistory.org.ua/ladozhskie-linkory
- 371 :名無し三等兵:2014/05/04(日) 10:19:15.13 ID:RyKxAjja.net
- ラトガ湖畔でソ連軍が脱出作戦を展開している間、カレリア地峡ではフィンランド第2軍団が
ブオクシ川目指して進撃を続けていた。街道上の破壊された車輛やソ連軍が放棄した装備の
間を兵士達はひたすら歩き続けた。
「ここで一息入れよう。」フィンランド第27連隊のユーホ・ポッシ中尉は休憩を命じた。
「俺は斥候に出かける。各分隊は見張りを1名立てろ。」ポッシは数名の兵と共に装備を
置いて身軽な格好で出発していった。「ドイツ軍はタリンに迫っているそうだ。ラジオで
聞いたよ。」残った第11中隊の兵士達は肩から銃を降ろし、座り込んだ。「さっさと
戦争を終わらせないと収穫の時期になってしまうよ。」
偵察に出たポッシ達は、道路から外れて森の中を進んだ。一人の兵士が前方を指差した。
「中隊長、堤防です。」ソ連兵の姿は無かった。ポッシは兵を連れて土手を駆け上がった。
「我々が一番乗りだ。」彼の目の前にはブオクシ川が広がっていた。
この日、8月18日にフィンランド第18師団はブオクシ川を渡った。航空支援に出撃した
フィンランド空軍第24戦隊のルーカネンは、ボートを攻撃するソ連軍旗を撃墜している。
南野エストニアでは、ドイツ軍がナルヴァに達した。
- 372 :名無し三等兵:2014/05/04(日) 11:29:31.25 ID:SUfbu4uo.net
- “Бира”, “Бурея”,“Олёкма”だからビラ、ブレヤ、オリョークマ(アリョークマ)と読むべきでは?
- 373 :名無し三等兵:2014/05/04(日) 23:41:53.29 ID:lg5Gi50S.net
- >>370
船体の形といい砲配置といい、まさに陸上支援用砲艦って感じだな
- 374 :名無し三等兵:2014/05/05(月) 09:55:51.88 ID:KForA73D.net
- WWT感が漂ってるね
- 375 :名無し三等兵:2014/05/05(月) 12:56:20.87 ID:pRoxy+iw.net
- フィンランド軍とドイツ軍の戦線が接近するにつれ、新たな議論が提起されることとなる。
20日、ドイツ軍の連絡将校W.エルフルト中将はマンネルへイムのもとを訪れた。彼は、
ドイツ国防軍最高司令部総長ウィルヘルム・カイテル元帥からフィンランド軍による
レニングラード攻撃の要請がある旨を告げた。エルフルトは1920年に語学を教えるため
フィンランドを訪れて以来、マンネルへイムの個人的な友人でもあった。マンネルへイムは
直ちに国防相ルドルフ・ワルデンと打ち合わせを行った。朝食のテーブルではコーヒーが
湯気を立てている。
「私はフィンランド軍はレニングラード攻撃に参加すべきではない、と考えている。
スヴィル川も越えるべきではない。」ワルデンは即答した。「同意します。」もしも
レニングラードを攻撃すれば、ソ連はそれを忘れもしなければ、許しもしないであろう。
答えは決まった。マンネルへイムはエルフルトに実務上の難点を説明し、政治上からも
軍事上からも攻撃に賛成出来ない、と答えた。フィンランド政府は、防衛上必要な場合を
除き、旧国境から先の進撃を許可していなかった。
- 376 :名無し三等兵:2014/05/05(月) 22:13:30.40 ID:D6UhKhjP.net
- >370
単装砲塔が並列に配置されてる。
これは面白い!
機械翻訳してみると、「ドイツ・ハンブルグで1939年から1941年2月まで建造された」とでるから
元はドイツ製なのかな?
- 377 :名無し三等兵:2014/05/07(水) 19:19:29.72 ID:r6iyjao5.net
- 21日、ドイツ北方軍集団戦区で、ヘープナー上級大将の第4装甲集団が、
レニングラード40km地点に到達した。総統命令34号が発令された。
「フィンランド軍と連絡し、レニングラードを包囲せよ。」
そのレニングラードにはモスクワからの特使として、スターリンの腹心、
人民委員会第1副議長モロトフと共産党中央委員会書記マレンコフが
到着した。2人の目的は、この頃戦争の重圧により心身共に不安定と
なっていたスターリンの為に、殉教者を探し出すことであった。
- 378 :名無し三等兵:2014/05/08(木) 22:26:47.88 ID:ei2z24SY.net
- 社会主義国で「殉教者」とは・・・
- 379 :名無し三等兵:2014/05/10(土) 13:22:46.65 ID:ge6lxkoG.net
- 2人を迎えたジダーノフはしばしば咳き込みながらも、煙草の火をつけ続けた。
「正直に告白しよう。酒の力を借りて、何とか踏みとどまっているのだ。」
ジダーノフは重圧と戦っていた。忠実なスターリニストとして彼は、執務室に
スターリンの肖像画を掲げ、スターリンを真似て執務室の長椅子で睡眠を
とっていた。「この町を捨てる事などあり得ない。その時は、ここで死ぬ。」
マレンコフとモロトフは、潜在的なライバルを葬るつもりでいたが、彼の姿に
憐れみを感じた。
レニングラードにいるもう一人の指導者ヴォロシーロフは内戦以来の古参の
闘志であった。彼は1918年にツァーリツィンで戦った時と同じように、
前線を飛び回り、敗走する兵士を励ましていた。しかし2人には、彼の戦い方は
近代戦の時代に大きく遅れをとっているように感じられた。
同じ日、フィンランド第2軍団は、ケクスゴルムを解放してソ連軍ヴィボルグ
集団後方に進出した。
- 380 :名無し三等兵:2014/05/11(日) 15:29:47.15 ID:XheYhsxM.net
- >>1
まんじとハーケンクロイツは違うだろうwwww
- 381 :名無し三等兵:2014/05/11(日) 15:37:57.24 ID:HkOutfGn.net
- 初代スレは2007年
そろそろ七周年を迎えるスレでそれですか
賢い方がいらっしゃいましたね
トホホ・・・
- 382 :名無し三等兵:2014/05/11(日) 17:52:46.76 ID:7kwa+ECX.net
- フィンランドの森で、迷子だったんじゃないかな・・・
7年間もね。
- 383 :名無し三等兵:2014/05/11(日) 19:41:20.72 ID:qCTiX3G6.net
- 7年も迷子だったということはあの伝説の「アメリも嫉妬ショッピング」を知らないのか
可哀そうに
- 384 :名無し三等兵:2014/05/11(日) 20:26:32.18 ID:Q0Yj/fV9.net
- そこは「残忍な人参に射撃」だろ
あれこそ至高のギャグ
- 385 :名無し三等兵:2014/05/18(日) 10:14:39.21 ID:cRol7ukS.net
- マンネルへイムがカレリア軍に優先権を与えていたため待機を強いられていた第4軍団は、
8月22日に南カレリアに進撃を開始した。軍団長レンナルト・オシュ中将は、第27プロシア
猟兵大隊出身で、内戦では彼自身が編成した第18猟兵大隊を指揮して赤衛軍と戦った。
冬戦争では参謀長としてマンネルへイムを支えている。
ヴィープリ・レニングラード鉄道に沿って進むフィンランド第4師団第25連隊と第8師団
第45連隊は、ソ連軍の猛烈な抵抗によりヌルミ駅付近で進撃停止を余儀なくされた。
オシュは直ちに装甲列車1号を送り込んだ。第25連隊第3大隊の兵士達は歓声を上げ、
再び前進を開始した。ソ連軍はヒエタラの鉄橋を爆破して後退した。
夕方、ブオクシ川岸はフィンランド軍が制圧した。撤退が急であったため、ソ連第123
狙撃師団も第115狙撃師団も統制が取れていなかった。フィンランド第4師団はサイマー
運河に沿って前進し、ソ連第43狙撃師団を圧迫した。フィンランド軍最南端の第8師団は
23日までにヴィープリ湾を渡る準備を始めていた。
- 386 :名無し三等兵:2014/05/18(日) 10:59:45.91 ID:o/CL1Fpq.net
- プロシア猟兵大隊出身ですか。
大ベテランだね。
- 387 :名無し三等兵:2014/05/31(土) 08:18:45.38 ID:G5U4QnhI.net
- 23日、ソ連軍最高司令部令第001199号により、ソ連北部戦線はレニングラード戦線と
カレリア戦線に分割された。
パヤリのフィンランド第18師団はムオラー湖からサルメンカイタへの進出機会を伺い、
ヴィープリ方面の第8師団は24日朝にヴィープリ湾を横断して、リハニエミ半島に
上陸した。
マンネルへイムは第4軍団にヴィープリ突入を避け、そのまま旧国境へ進出するよう
命じた。25日午後にはフィンランド第3連隊がカマラ駅を確保し、ヴィープリは
包囲された。この結果、第43、第115、第123の3個狙撃師団のソ連軍が罠に嵌った。
「第12師団と連絡せよ。」パヤリは第46連隊に命じた。
- 388 :名無し三等兵:2014/05/31(土) 13:21:28.12 ID:f7ZjtGPz.net
- ヴィープリ奪還まであと少し!
- 389 :名無し三等兵:2014/06/01(日) 07:46:17.65 ID:sS88tQsq.net
- パヤリの第18師団の右翼ではフィンランド第12師団が南西への攻撃を続け、27日には
ヴィープリ・レニングラード街道を遮断した。ソルタバラの解放を終えた第1 軍団も
ブオクシ川戦線へ移動している。フィンランド湾対岸のエストニアでは、この日から
ソ連軍のタリンからの海上撤退が始まった。
ソ連軍最高司令部は第23軍に対して、ヴィボルグ撤退を許可した。
「司令部の許可を得た。戦線を整理するため全部隊に後退を命ぜよ。新防衛線は
ヴィボルグ南西からブオクシ川北を通りタイパレ川河口だ。」戦線の立て直しに
奔走する第23軍司令官ゲラシモフ中将は、かつてマンネルへイム線があった場所に
新たな防衛線を築こうと試みた。この方針に沿い、ソルタバラから撤退してきた
第142狙撃師団と第198自動車化狙撃師団がタイパレに布陣した。
しかし、この後退は国境沿いの数ヶ月かけて用意した陣地の放棄を意味していた。
「現在の防衛線は莫大な資材と最新の技術が投じられています。一方、新防衛線
には何もありません。」工兵司令官のB.V.ビシェフスキー大佐はゲラシモフに
翻意を懇願した。彼こそが冬戦争後、心血を注いで要塞地帯を整備してきた
のであった。
- 390 :名無し三等兵:2014/06/01(日) 21:16:57.31 ID:0xnUhFuh.net
- VTライン、というやつだね
- 391 :名無し三等兵:2014/06/07(土) 12:33:29.96 ID:VQ+bZwK3.net
- 28日夕方、ソ連軍はイーラ・ソンメ間で封鎖線を突破し、トラックによる包囲網内への
物資搬送を試みた。フィンランド軍は砲撃によってこれに応えた。砲兵管制下の道路は、
破壊された車輛と遺棄された装備に埋め尽くされた。死体の山の中で見捨てられた負傷者が
呻いていた。街道上の地獄を通行できるのは徒歩の兵士だけであった。
次の2日間で、ソ連軍は何度も鉄道連絡の回復を試みたが、夕方遅くにフィンランド
第12師団第3連隊は第8連隊と連絡し、再び包囲網は閉じた。包囲網内では、逃げ遅れた
ソ連第43狙撃師団長ウラジミール・キルピチニコフ少将が憔悴しきっていた。彼とその
幕僚は部隊を再編成しようと必死の努力を続けたが、部隊は分裂し混乱している。
「諦めてはいかん。」政治委員のテリチョフ大佐が言った。「無神論の共産主義者でも
奇跡を信じるのだな。」キルピチニコフは吐き捨てるように言った。「恐らく今の我々は
完全武装の1個大隊で制圧できるであろうな。」彼は力なく呟いた。
- 392 :名無し三等兵:2014/06/07(土) 23:15:08.37 ID:B4nHtqoe.net
- フィンランド独立戦争の頃のヴィープリ某所。
白衛軍による赤衛軍兵士虐殺があった。
ので・・・今でも赤衛軍の亡霊が出るそうな。
- 393 :名無し三等兵:2014/06/08(日) 08:47:50.22 ID:SH1PzXTa.net
- ヴィープリ城には、独立戦争時の1918年4月27日に赤衛軍に虐殺された30名の白衛軍政治犯の
亡霊が出るという、伝説があるようですよ。
- 394 :名無し三等兵:2014/06/08(日) 08:59:09.63 ID:SH1PzXTa.net
- 29日、フィンランド第18師団は攻撃を再開した。第27連隊のユーホ・ポッシ中尉率いる
第11中隊が最初の2つのトーチカを制圧し、キヴェンナーパの交差点は確保された。
フィンランド第10師団は、ソ連第198自動車化狙撃師団の反撃を受けたが、フィンランド
第15師団が駆けつけブオクシ川の対岸からソ連軍を攻撃した。
フィンランド第4師団と第8師団の偵察隊は、共に正午近くにヴィープリ市中心部に到達した。
既にソ連軍は撤退した後で市内は瓦礫に埋め尽くされていた。兵士達はフィンランドの古都の
破壊に衝撃を受けた。ランドマークである中世の古城ヴィープリ城に、ヴィープリ出身の
2人の兵士によってフィンランド国旗が掲げられた。それは冬戦争休戦時まで同じ場所で
はためいていた国旗であった。
ヴィープリ解放の公式発表がされると、ヘルシンキ市民は一斉に街頭に繰り出した。誰もが
目に涙を浮かべていた。
- 395 :名無し三等兵:2014/06/09(月) 11:24:56.58 ID:3adzxc6/.net
- 提灯行列か
- 396 :名無し三等兵:2014/06/11(水) 06:49:07.43 ID:xAXmgUja.net
- フィンランド空軍第24戦隊のルーカネンは物資調達のため、補給部隊のトラックに乗って
ヴィープリ市内に入った。ソ連軍車両の残骸や焼け焦げた資材を避けながらトラックは
慎重に進んだ。建物の多くも廃墟となっていた。彼らは食品工場で放棄された大量の
ジャムや乾燥果物を発見した。「もっと大きいトラックで来るべきだったな。」ルーカネンは
笑った。城塞橋へ向かう途中、彼はヴィープリ城の塔に翻るフィンランド国旗を見た。
翌31日、フィンランド軍はヴィープリで記念パレードを行った。兵士達は4列縦隊で、
市場の一角に立つクルグラヤ塔の前を通り、海岸通りを経て、戦乱で焼け爛れた無惨な
外壁を晒す美術館前で閲兵を受けた。ヴィープリの創建者、13世紀のスウェーデンの
武将、トルケル・クヌートソンの像だけは、昔日のままそこにそびえ立っていた。
- 397 :名無し三等兵:2014/06/11(水) 22:04:48.74 ID:kMpcz1vQ.net
- まさに「焼け太り」ですな。
- 398 :名無し三等兵:2014/06/14(土) 14:47:01.50 ID:/7Lx7o6n.net
- その頃マンネルへイムは東カレリアへの侵攻を準備していた。これは直接には、
タルヴェラ少将らカレリア軍からの「旧国境では再びソ連軍の反撃を受けた場合
防衛が困難である。侵攻の防波堤となる緩衝地帯の確保が必要と思料する。」
という意見具申から始まっている。元来フィンランド人とカレリア人は、同民族で
言語や文化・風習もほぼ同じである。フィンランド人の中には、カレリアを共産
主義者から解放すべきだと考える者も多かった。
「我が総統より閣下に騎士十字章をお持ちしました。」エルフルト中将は再び
マンネルヘイムを訪れた。「我が北方軍集団はレニングラード南のネヴァ川に到達し、
レニングラードに通じる最後の鉄道が遮断されました。」彼はマンネルへイムに
東カレリア侵攻を中止し、代わりにレニングラードを攻撃するよう翻意を促した。
マンネルへイムは受勲には丁重に礼を述べたが。「しかし、リッティ大統領も
レニングラード攻撃は受け入れまい。レニングラードは元々ロシアの首都なのだ。」
彼にとってレニングラード攻撃は侵略であったが、東カレリア進出はフィンランド
民族統一の戦いであった。
マンネルへイムは改めて前線部隊に、ラジャ川からオータの線で進撃を停止するよう
命じた。これによりソ連軍のレニングラード北方防衛戦(KaUR)と接触する畏れは
なくなり、フィンランド軍は戦線を縮小して部隊を東カレリア方面に移送することが
できるようになった。
- 399 :名無し三等兵:2014/06/19(木) 00:06:28.35 ID:93CefQ+N.net
- レニングラードを攻める兵力はフィンランドに有りませんからね。
- 400 :名無し三等兵:2014/06/21(土) 09:34:28.83 ID:9mqvfYKz.net
- 第123狙撃師団主力を中心とする1万2千名のソ連軍は重装備を放棄してコイヴィスト島に逃れた。
ソ連第43狙撃師団は、包囲網内でまだ絶望的な戦闘を続けていた。第147連隊はフィンランド軍
戦線を突破しようと試みたが、既に弾薬も尽きかけていた。キルピチニコフは包囲網突破を決意
した。「三手に別れよう。右翼の第65連隊はソンメの鉄道駅を目指す。中央は第101砲兵連隊、
左翼は第147連隊。第123狙撃師団の残余もこれに加わる。出発は19時だ。」キルピチニコフは
集まった指揮官達の顔を見回した。
まだ日の高い夕刻、ソ連兵は続々と集結した。
- 401 :名無し三等兵:2014/06/27(金) 21:28:44.98 ID:/xHj/PoF.net
- 大量の兵器がフィンランド軍の手に渡ったのだね。
- 402 :名無し三等兵:2014/06/28(土) 09:46:45.54 ID:4mL4/4iN.net
- 脱出を図るソ連軍とこれを阻止するフィンランド軍の戦闘は夜通し続いた。
9月1日11時、フィンランド第8師団第24連隊の衛生兵グンナー・ベルグストロームは
ソンメ南東1.5kmの旧街道上を警戒していた。路上には待ち伏せ攻撃を受けたソ連軍
輸送隊の残骸がまだ煙を上げていた。「森の中を探せ。ロシア兵が逃げた。連携を保て。」
中隊長のアーレンベルグ中尉の声が聞こえた。ベルグストロームは森に入り、
間もなくレインコートを被って横たわる2人のソ連兵を見つけた。生死を確認すべく
コートを捲ると1人は少将の階級章を付けていた。「息があるぞ。」捕虜は、大隊長
モーベルグ少佐に伴われて連隊本部に送還された。やがて捕虜の将軍はソ連第43狙撃
師団長キルピチニコフ少将であることが判明した。
13時30分、第1機関銃中隊のホルガー・クロゲラス中尉とオッシ・ワレニュイス少尉は、
3名のソ連兵を発見した。彼らは丸腰で中央の男はひどく負傷していた。「この男は
大佐だと言っているぞ。」2人のフィンランド将校は顔を強ばらせた。捕虜となった
佐官はソ連第43狙撃師団政治委員のテリチョフ大佐であった。
「我々は義務を果たした。ここを出よう。」包囲網内の9,325名のソ連軍兵士は
降伏を選んだ。
- 403 :名無し三等兵:2014/06/28(土) 10:28:46.92 ID:rz/X6Bag.net
- >>402
グンナー・ベルグストローム、アーレンベルグ、ホルガー・クロゲラス、オッシ・ワレニュイス
フィンランド第8師団第24連隊は、スウェーデン系フィンランド人部隊のようだね。
- 404 :名無し三等兵:2014/06/28(土) 12:10:45.34 ID:4mL4/4iN.net
- 第8師団は、フィンランド湾岸ウーシマー地区で編成されているので、スウェーデン語圏の部隊のようですね。
- 405 :名無し三等兵:2014/06/29(日) 09:31:43.41 ID:45rnp9g6.net
- 各種野砲306門、迫撃砲246門、戦車55台、トラック673台、馬匹4500頭そして大量の物資が
フィンランド軍の手に渡った。フィンランド兵は約7500ものソ連兵の遺体の埋葬に追われた。
一方、フィンランド軍の死傷者は3000名に達している。
2日、コイヴィスト島に逃れたソ連第123狙撃師団は、バルチック艦隊の支援の元、海上から
包囲網脱出を開始した。まず2000名の負傷兵が船に乗せられ、次に健康な兵士が続いた。
フィンランド第18師団はマイニラに到達した。冬戦争を第21野戦砲兵連隊で戦った、ラウリ・
メリコスキは中尉に昇進し第26重砲大隊に所属している。「おい、本物のマイニラショットを
お見舞いしてやろう。」彼が冗談めかして言うと、早速砲兵達がインクを持って来て、砲弾に
マイニラと書き込んだ。彼らは冬戦争の発端となったソ連の陰謀を忘れてはいなかったのだ。
間もなく、フィンランド全軍が旧国境に揃った。
- 406 :名無し三等兵:2014/06/29(日) 12:11:35.14 ID:wMaU6Ycw.net
- 「フィンランド側からの砲撃により、ソ連軍に死傷者が出た」と、因縁を付けてきた場所が
マイニラですな。
この「事件」はまだ調査が続けられていると、大昔のMG誌に出ていたけど、決着したのだろうか?
当時のソ連とフィンランド国内の「左派」向けのポーズでもあったようだ。
- 407 :名無し三等兵:2014/07/03(木) 22:01:50.60 ID:M84HWZL8.net
- 保守
- 408 :名無し三等兵:2014/07/03(木) 22:02:35.99 ID:M84HWZL8.net
- 保守
- 409 :名無し三等兵:2014/07/04(金) 10:09:43.29 ID:Q/Iq+2RO.net
- ハッカペル!
- 410 :名無し三等兵:2014/07/12(土) 12:55:34.84 ID:A08DYgSm.net
- その頃極北の地では、ムルマンスク鉄道を目指して進むドイツ第36軍団が苦境に陥っていた。
荒涼とした大地は大軍の進撃を阻み、対するソ連軍は地形を利用して頑強に抵抗した。特に
SSノルト師団は、ソ連軍に補給路を断たれ敵中に孤立していた。
救出のためフィンランド軍が出動し、フィンランド第53連隊は小さな突破口を啓開することに
成功した。この回廊を通じて約600名の負傷兵が救護所に後送されている。
9月2日、SS第6連隊は森林を通って包囲網から脱出する。放棄された重装備の中には沼地に
はまって動きがとれなくなった3台の軽戦車が含まれている。SSノルト師団は、防御陣地を
構築し、人員の補充と部隊の再編成を始めた。
- 411 :名無し三等兵:2014/07/12(土) 21:40:16.75 ID:BqZX5bav.net
- >>410
>放棄された重装備の中には沼地にはまって動きがとれなくなった3台の軽戦車が含まれている
何だろう?
U号戦車かな。
- 412 :名無し三等兵:2014/07/13(日) 08:31:40.49 ID:p10wvVKJ.net
- フィンランド第53連隊の軍医レオ・スクーニク少佐は、この時の負傷兵救援の功により、
ドイツ軍から鉄十字章を授与された。連隊長ウォルフ・ハルスティ少佐は語っている。
「彼は救護をしただけではない。自ら銃火をかいくぐってフィンランド兵、ドイツ兵の
区別なく自ら負傷兵を救い出したのだ。」皮肉なことにスクーニクはユダヤ人であった。
ウフツアでドイツ第163師団と共に戦うフィンランド第24連隊にも勇敢な将校がいた。
ドイツ軍のピルグリム大佐はフィンランド第24連隊のソロモン・クラス大尉の奮戦を
讃えるため、彼の陣地を訪れた。クラス大尉は、冬戦争をラーテの第64連隊で戦った
猛者である。「君はバルト方面の出身かね?」大尉の言葉の訛りに気が付いた
ピルグリムは尋ねた。「いいえ。私の父母はユダヤの言葉を話すので、その影響かも
しれません。」気まずい沈黙の後、ピルグリムは彼に右手を差し出した。「私は、
個人的にはユダヤ人に何の偏見も持っていない。大尉、君の戦いぶりは称賛に値する。」
二人は握手をした。ピルグリムは右手を上げ、ナチス式の敬礼をすると去って行った。
彼にも鉄十字章が贈られた。
2人の将校はいずれも勲章の授与を謝絶している。
- 413 :名無し三等兵:2014/07/13(日) 10:54:04.68 ID:zYgtCkdd.net
- >>411
上の方のレスを遡って行けば分かるが2号
- 414 :名無し三等兵:2014/07/14(月) 12:42:47.72 ID:HfW8sXjA.net
- >>411
>>158
これだね。
いかにも二線級装備だなあ。
- 415 :名無し三等兵:2014/07/18(金) 05:48:30.34 ID:UHtGzbwi.net
- 8月の間、ラトガ・カレリアのフィンランド軍は着々と攻勢の準備を進めていた。
フィンランド・アウニュス軍戦闘序列
第6軍団:第5師団、第7師団、第17師団、ドイツ第163師団、ラガス戦闘団
第7軍団:第1師団、第4師団、第11師団
フィンランド第7師団は第6軍団と第7軍団の継ぎ目に配置され、どちらの軍団をも支援できる
態勢をとった。オロネツ・ペトロザヴォーツク街道では、フィンランド第1師団と第11師団が
待機していた。彼らはサプサン川に橋頭堡を築いている。
SSフィンランド義勇大隊帰りのラーズ・レンクィステン大尉の第1師団第8偵察大隊の機関銃
小隊に同じくSSから復帰したばかりのラウリ・トルニ中尉がいる。彼の小隊は攻撃の先鋒を
務める事になってる。SSフィンランド義勇大隊には将校の志願者が多く、彼らのポストが
余っていたという。また、一方でフィンランド軍には経験のある将校が不足していた。
一説によると、フィンランド人将校の帰国にはドイツの戦争への関与を最小限にしようと
考えるマンネルへイムの意向が関わっていたともいう。
- 416 :名無し三等兵:2014/07/18(金) 20:28:38.11 ID:P5eW/HLB.net
- 継続戦争にスウェーデンからの義勇兵が参加したのは、いつ頃だろう。
映画「Tali-Ihantala1944」にも、ちゃんとスウェーデン人義勇兵たちが登場してる。
- 417 :名無し三等兵:2014/07/20(日) 08:13:12.65 ID:kRuE9lhQ.net
- フィンランド軍の前進に伴い、兵士達の数少ない娯楽であるラジオの受信が困難となった。
そこで軍はオロネツ・ラジオという放送局を開設した。スポーツコメンテーターのスロ・コルッカ
少尉、作家のマルッティ・ハーヴィオ、そして冬線をタイパレで戦った詩人イエーロ・ジルハン
中尉がスタッフに加わった。マンッシラ村に機材が持ち込まれ、コルッカがオープニングを務めた。
従軍牧師が祈りを捧げ、ジルハンが詩を朗読した。兵士にはとりわけ軽音楽の番組が人気となった。
9月4日、フィンランド軍の東カレリア侵攻が始まった。
- 418 :名無し三等兵:2014/07/24(木) 20:20:05.56 ID:GMA5zniK.net
- ドイツ第234砲兵連隊は、フィンランド軍支援のため布陣している。砲兵陣地では観測担当の
兵士が温度の記録を取り、通信班は野戦電話の敷設をしていた。通話を確認すると前進観測班が
座標を連絡してきた。「アントン、試射用意。」基準砲の兵士が砲に取り付いた。2番砲兵が
白燐弾を押し込む。轟音と共に砲弾は発射された。「弾着確認。」前進観測班が座標修正値を
送ってきた。「砲撃開始。」中隊付下士官の号令の元、2万発の砲弾が撃ち込まれた。
フィンランド軍も砲兵62個中隊を集結させ、1万5千発もの事前砲撃を行った。
タルベラの第6軍団は、ソ連第7軍の南部作戦集団の防衛線を突破した。第5師団の最初の目標は
トゥーロス川であった。この作戦のためフィンランド軍はルーベン・ラガス大佐を指揮官とする
装甲部隊、ラガス戦闘団を組織した。これまで出番の無かったスヴェン・ビョークマン中佐の
戦車大隊もこれに加わっている。
- 419 :名無し三等兵:2014/07/24(木) 23:18:08.20 ID:9bxqiAQ4.net
- お、ラガス戦闘団だ。
同じ頃、息子さんはドイツ武装SSでソ連進撃中。
- 420 :名無し三等兵:2014/07/26(土) 10:28:49.59 ID:gTKK48B3.net
- 早朝5時、ラガス戦闘団は河口から7km南の地点でトゥーロス川渡河を開始した。
ボートに乗り込んだ戦闘工兵部隊が先陣をきる。砲弾の炸裂する中対岸に辿り着くと、
第1陣の兵士達は散開してスオミ短機関銃を構えた。「ボートを繋いで浮橋を作れ。」
渡河点を確保すると工兵の中尉が命令した。間もなく架橋資材を積んだ第2陣の
ボートが到着した。前日に降った雨のせいであたりは泥沼と化しており、道路は
ひどい渋滞になっていた。
ラガスは部隊をポロン戦闘団、ハッキネン戦闘団、シュローウェ戦闘団、及び
ヒィンニネン戦闘団に分割した。一面の煙幕の中、仮設橋を渡った戦車大隊は
後退するソ連軍を追って進撃した。シュローウェ戦闘団は快調に進んだが、
狙撃兵の銃弾が随伴する第3戦車中隊長スネッルマン大尉の胸を貫通した。
「君が指揮を引き継げ。攻撃を続行しろ。」戦車大隊長ビョークマン中佐は、
カールナ・カリン中尉に命じた。
ソ連軍の反撃は午後1時に始まり、河岸沿いに進むフィンランド軍に包囲の
危機が迫った。緊急事態に気付いたラガスは予備の第4偵察大隊を投入した。
泥濘のため2台の戦車が落伍したが、重戦車小隊のT-28とBT戦車と共に彼らは
前進し、午後5時30分には包囲網を突破することに成功した。
- 421 :名無し三等兵:2014/07/30(水) 00:57:21.81 ID:sBgC4lMN.net
- トゥーロス川渡河作戦だ。
モデルグラフィックス誌で、写真入りで詳しく述べられてましたな。
この時に投入された捕獲BT戦車隊の事は、よく分からないと書いてたような・・・
- 422 :名無し三等兵:2014/08/03(日) 08:57:24.63 ID:Nmw4vZ+R.net
- フィンランド軍は戦車戦を制し、ソ連第3海軍歩兵連隊、第452及び419連隊を蹴散らした。
オロネツまではがら空きとなった。
泥だらけのフィンランド軍乗用車が停車した。車を降りたラガスは戦車上の将校を呼び寄せた。
「ヒィンニネン大尉、アウニュス・マクリアン交差点でシュローウェ戦闘団と合流せよ。」
ヒィンニネン大尉の猟兵中隊と第2戦車中隊の9台の戦車が先鋒となった。ビッケルス戦車は
泥を巻き上げながら全速力で進撃する。この日、ドイツ軍によるレニングラード市内への
砲撃が開始された。
5日、ラガス戦闘団は第1工兵大体が徹夜で架橋した仮設橋を通ってさらに進撃した。
戦車隊は随伴歩兵の到着を待たず、後退するソ連軍を追撃した。BT7戦車R100号車は、
ソ連軍の対戦車砲弾を浴びて、乗組員全員が戦死した。ソ連軍はこの日3台のフィンランド軍
戦車の破壊を報告している。
- 423 :名無し三等兵:2014/08/05(火) 23:22:35.93 ID:Xh1LbgZ4.net
- R100…
無理しやがって…
- 424 :名無し三等兵:2014/08/08(金) 15:41:38.13 ID:0iwHvu5m.net
- BTでは45ミリ対戦車砲にかないませんな。
- 425 :名無し三等兵:2014/08/10(日) 22:52:22.24 ID:UwSNctwK.net
- SS帰りのラウリ・トルニ中尉は、コスティ・パウッカラ中尉率いる装甲車中隊に便乗して
プラーサを目指していた。前進する部隊にソ連軍の砲弾が降り注いだ。トルニ中尉の乗った
装甲車は、砲弾を避けるうちに溝に嵌り込んだ。彼は部下に援護を命ずると、弾雨の中を
走って後続車に飛び乗った。「牽引してくれ。」救出された装甲車が戦闘に復帰すると
遂にソ連軍は退却を始めた。
6日、ハッキネン戦闘団がオロネツを奪取した。「直ちにオロネツに司令部を移動します。
先遣のヒィンニネンは、既にマクリアンに向けて前進中。」ラガスはタルベラに短い報告を
送った。第1猟兵旅団第2大隊は激しい砲火の中を前進し、白兵戦闘で幾つかの機関銃座を
沈黙させた。短時間の戦闘後、塹壕や森の中からぞろぞろとソ連兵が両手を上げて現れた。
年寄りもいれば、少年のような補充兵もいた。
- 426 :名無し三等兵:2014/08/11(月) 17:52:46.02 ID:4ONag6UD.net
- 装甲車はBA-6やBA-10かな。
冬戦争でかなりの数を捕獲した事でしょう。
- 427 :名無し三等兵:2014/08/16(土) 05:49:34.11 ID:08ExEZhy.net
- フィンランド第7軍団戦区では第11師団がスオ湖・ペトロザヴォーツク鉄道沿いに進撃していた。
装甲列車2号と列車砲中隊はジェッソイラまで進出し、彼らを支援している。フォンランド軍は
休むことなく前進を続け、7日早朝にスヴィル川まで到達した。
「閣下、本日我が部隊はスヴィル川に到達。フィンランド国旗が河岸に翻っています。」
タルベラはヘインリヒスに報告した。後続の部隊は遥か後方にいたが、ラガスはさらに東を
目指した。
ソ連第3フルンゼ人民武装師団はサンタマを確保していた。この時師団の兵力は既に半減していた。
それでも兵の士気は申し分なかったが、誰もが虱の猛威に閉口していた。ソ連軍はありとあらゆる
人的資源を掻き集めていた。「見ろよ。補充兵だ。女子供に老人だ。」カレリアの住民から成る
義勇大隊が到着した。将校だけが制服を着ていた。ペトロザヴォーツクの女性税関職員、ユージン・
パンテレーヴェもその中にいる。
- 428 :名無し三等兵:2014/08/16(土) 11:23:32.45 ID:+ngfLu3l.net
- ユージンだと男になっちゃうな
>女性税関職員、ユージン・パンテレーヴェ
ロシア語ならエヴゲーニャ・パンテレーエワか
- 429 :名無し三等兵:2014/08/17(日) 17:53:19.76 ID:ANIafJK8.net
- ラガス戦闘団の第44連隊は北方へ進撃し、ヌーモイラへ進出した。抵抗を見ることなく
プラーサに到着したフィンランド第8連隊はオロネツ・ペトロザヴォーツク街道を遮断した。
これにより、ソ連ペトロザヴォーツク作戦集団の第272狙撃師団及び第9連隊と第24連隊は
孤立することとなった。進撃を続けピハ湖まで進出するという第11師団長ヘイスカネンに、
第8連隊長のピエタリ・アウッティ大佐は抗議した。「200名程度の犠牲を覚悟する必要が
あります。」
8日、ラガス戦闘団はスヴィル川北端の鉄道橋を占領し、ムルマンスク鉄道を遮断した。
フィンランド第17師団もスヴィル川に到達した。この師団に所属する第8砲兵連隊
第2大隊の兵士が休んでいると先任曹長が現れ、兵士を集めた。「鉄道に行って、脱線した
敵の列車を確保しろ。食料を積んでいるぞ。」兵士達は嬉々として出発した。列車は小麦を
満載していた。兵士マルクス・ペイヨネンは補給部隊からバターを塩を調達してきた。
兵士達は豪華な食事にありつき、大喜びであった。
- 430 :名無し三等兵:2014/08/18(月) 01:58:30.53 ID:HbB5z7jM.net
- まさに「美味しく頂いた」だなあ。
- 431 :名無し三等兵:2014/08/23(土) 08:00:11.86 ID:FtsxiJYL.net
- この地域にはダムと水力発電所があり、バルト海と白海を結ぶ海上交通の要衝でもあることから、
ソ連軍は防衛に躍起となった。ソ連軍には北カザフスタンから第314狙撃師団が到着し、
フィンランド軍の進撃は衰えた。しかし、フィンランド軍はじわじわとスヴィル川南岸の
橋頭堡を幅40km、深さ5〜10kmにまで拡張する。レニングラードは160km先にある。
同じ頃、ドイツ北方軍集団もラドガ湖に到達し、遂にラドガ湖上を通るルートを除く全ての
連絡路が完全に遮断された。同日、空襲によってレニングラード市内178ヶ所で火災が発生した。
ドイツ軍は市外縁から僅か12kmの地点まで進出していた。フィンランド国内は相次ぐ勝報に
沸き返り、ラガスは国民的英雄になっていた。
- 432 :名無し三等兵:2014/08/23(土) 08:38:59.27 ID:ceRdbfaA.net
- WW2最大の民間人死者を出したレニングラード包囲戦開始か
- 433 :名無し三等兵:2014/08/24(日) 07:16:51.94 ID:W5Zgw87C.net
- 10日、フィンランド第30連隊第3大隊の長距離偵察隊は、ピハ湖南で撤退中のソ連軍の縦隊を
発見した。「第272狙撃師団だ。」双眼鏡を受け取り、状況を確認した将校がすぐに無電連絡を
命じた。各地で鉄道が寸断されていたため、ソ連軍の移動は遅々として進まず、伸び切ったその
隊列は9kmにも及んでいた。報告を受けたフィンランド第6軍団司令部のタルベラはソ連軍の
殲滅を決意した。「第7師団に攻撃を命じろ。」得意のモッティ戦術を繰り出す絶好の機会であった。
11日には、プラーサの封鎖点に対するソ連第3フルンゼ人民武装師団の反撃が始まった。ユージンは
若くハンサムな砲兵将校ミハイル・イグナチエフ大尉と共に、友軍の砲撃を誘導していた。
フィンランド軍砲兵も反撃を開始した。「弾着が近くなった。発見されたかもしれない。」大尉は
観測班に移動を命じた。その時砲弾が炸裂した。ユージンが顔を上げると大尉は血に染まって
倒れていた。「伏せるんだ。」彼の言葉は弱々しかった。やがて衛生兵が駆け付けて負傷者を
担架に乗せて運んで行った。ソ連軍は何度も突撃を繰り返したが、フィンランド軍は陣地を
固守した。その夜、ユージンは大尉の死を知らされた。
- 434 :名無し三等兵:2014/08/25(月) 14:08:07.27 ID:Qu8vN1Ey.net
- >ソ連第3フルンゼ人民武装師団
名前はカッコいいのにね。
- 435 :名無し三等兵:2014/08/26(火) 22:10:55.51 ID:iC+0ic7W.net
- 9月13日には、吉報もあれば凶報もあった。フィンランド湾でサーレマー島とヒーウマー島を
攻略するノルトヴィント作戦に参加していたフィンランド海軍主力の海防戦艦イルマリネンと
ヴァイナモイネンは、帰投時に機雷原に進入した。触雷したイルマリネンは僅か7分で沈没し、
乗組員271名が艦と運命を共にした。生存者は132名であった。
レニングラード南方では、ドイツ軍が遂に市の外縁の防衛線を突破した。ツァールスコエセロ、
そして嘗てユデニッシ軍の前進限界だったプルコヴォ高地も制圧された。11時30分、ドイツ
第1装甲師団第1装甲擲弾兵連隊第6中隊のダリウス中尉は、167高地の頂上に立った。眼下には
レニングラードの町が広がっていた。
- 436 :名無し三等兵:2014/08/30(土) 06:52:50.07 ID:7IdyVsxD.net
- レニングラードへの補給はほぼ途絶していた。レニングラード共産党書記ジダーノフは、
レニングラード市長ボブコフと会談を持った。「8日の空襲で穀類、砂糖が焼失しました。」
ボブコフの表情は沈痛だった。軍には多少の備蓄があったが、それとて量は限られていた。
12日には再び食糧配給が、肉体労働者には1日パン500g、その他の労働者と子供は300g、
一般の市民は250gに削減された。
この日、スターリンの命を受けたゲオルギー・ジューコフがレニングラード戦線司令部に
現れた。彼が差し出す命令書を一読すると、ヴォロシーロフは悲痛な表情になった。
「同志、すぐに引継ぎを始めよう。老いぼれが去る時が来たのだな。」
- 437 :名無し三等兵:2014/08/31(日) 23:10:35.57 ID:3SQkS6dv.net
- >>435
このあと、ヴァイナモイネンは引きこもってしまう・・・
しょうがないけどね。
- 438 :名無し三等兵:2014/09/01(月) 15:41:49.81 ID:fgzvfduW.net
- ヴァイナイモネンは戦後ソ連に賠償艦として引き渡され
ソ連が奪ったカレリアの古都ヴィープリのロシア名ヴィボルグと名付けられるという
嫌がらせを受けている
- 439 :名無し三等兵:2014/09/01(月) 18:08:18.82 ID:mL3hPssX.net
- 知ってる
- 440 :名無し三等兵:2014/09/04(木) 00:32:01.53 ID:WDcvzBnz.net
- >>438
ソ連軍はヴィヴォルグをどのように運用したんだろうか?
飾りかな。
- 441 :名無し三等兵:2014/09/07(日) 21:50:14.84
- ソ連軍の反撃は14日まで続いた。この頃にはフィンランド軍装甲列車は歩兵の火力支援よりも、
補給列車の対空護衛が主任務となっていた。装甲列車2号はフィンランド第7軍団の補給拠点
となっていたジェイッソラ駅で、76mm高射砲の搭載作業をしていた。
駅にはカレリア地峡から移送されてきた第8師団の第4連隊が到着していた。第3大隊長の
ハンス・カタス大尉は大隊本部の将校とラジオを聞いていた。「ドイツと我々は手を結んで
戦っている。しかし、フィンランドは世界大戦に参加するつもりはないし、ドイツもそのこと
に関し意見の相違はない。」フィンランド外相ヴァイノ・タンネルのヴァーサでの演説が
流れていた。
兵士達は装甲列車と列車砲の勇姿に感嘆の声を上げ、カメラを持っている兵士は盛んに
シャッターを切った。「空襲警報。」突如サイレンが鳴った。兵士達は慌てて遮蔽物を
探して駆け出した。低空から侵入したソ連軍機に、駅を守る対空砲部隊も銃撃を始めた。
空襲は始まった時と同じ様に突如終わった。兵士が周囲を捜索するとSB2爆撃機2機と
5機の戦闘機の残骸が発見された。
- 442 :名無し三等兵:2014/09/10(水) 23:51:26.81 ID:Ggxy5W2y.net
- ムルマンスクの湖から回収されたMiG-3が修理なって、試験飛行開始。
脚は出したままだけど、目出度く飛びました。
ひょっとして、フィンランド空軍が撃墜した機体かな。
- 443 :名無し三等兵:2014/09/11(木) 16:46:51.61 ID:+t8ycrx9.net
- MiG-3とかソ連機の例に漏れず大半の素材木と鉄だろ
よくまあ復元できたもんだ
最北の地は木が腐るのすら遅いのか…?
外板はみんな作りなおしたのか?
- 444 :名無し三等兵:2014/09/12(金) 01:47:25.64 ID:Ss7Eq84V.net
- >>443
ttp://blog.livedoor.jp/aircraftchannel/archives/4860344.html
ロシアはI-153とかI-16、Yak-3などなど色々とレストアしたり、リ・プロダクトしてるね。
商売になっているんだなあ。
- 445 :名無し三等兵:2014/09/13(土) 11:10:16.29
- 東カレリアのソ連軍は、フィンランド軍戦線を突破しようと試み、森の中を通って脱出を始めた。
モッティの罠に嵌ったソ連第272狙撃師団は16日に壊滅した。500名が戦死し、200名が降伏した。
フィンランド軍は装甲車両13台、その他車両220台、野砲33門、迫撃砲220門、馬匹290頭、
機関銃61挺、小銃1000丁を捕獲した。加えて食糧とウォッカの山が兵士達を喜ばせた。
一方、フィンランド軍は第8連隊だけで114名が死傷している。「第8連隊に休暇を与える。
昇進者のリストも用意して欲しい。」ヘイスカネンは連隊長のアウッティに伝えた。この戦いで
146名に昇進の機会が与えられた。
- 446 :名無し三等兵:2014/09/15(月) 12:44:14.98
- 前線視察のためスヴィル川を訪れたマンネルへイムは、河岸にはためくフィンランド国旗を
認め、目を細めた。副官が双眼鏡を差し出す。マンネルへイムは対岸を見渡した。「よくやった。
私は全般的な状況に満足している。」彼は随行する将軍達を労った。
しかしこの頃、ドイツ軍首脳部ではフィンランド軍の勝利条件に重大な影響を与える決定が
なされていた。ヒトラーは「赤い首都」モスクワの攻略を優先させ、レニングラードは占領せず、
包囲するものとしたのだ。その結果、第4装甲集団に所属する装甲部隊は9月15日以降、次第に
戦線を離脱していった。このドイツ軍の決定には、フィンランド軍のレニングラード攻撃不参加が
影響していた可能性もある。
自らの手を汚さずレニングラードの陥落を期待するフィンランドの思惑は、実現から遠のき
始めていた。
- 447 :名無し三等兵:2014/09/20(土) 19:22:39.00
- 9月18日、ラガス戦闘団は東への進撃を開始した。既に晩秋の到来を告げる冷たい雨が降っていた。
道路は泥濘と化し、装輪車両はぬかるみの中で次々と脱落していった。猟兵達は、膝まで沈み込む
泥の中から足を引っ張り上げて前進を続けた。「ケーブルを取ってくれ。」戦車大隊第3中隊の
ラウリ・ヘイノ軍曹は戦車兵を指揮して、スタックしたトラックの牽引を試みていた。なけなしの
戦車を立ち往生している車両の牽引に割きながら、ラガス戦闘団はラトヴァ村を目指して前進を
続けた。
一方、フィンランド第7師団も沼と森を抜けムルマンスク鉄道のラトヴァ駅に至る30kmに及ぶ
道路を建設していた。工兵隊は、除去地雷数1000個を報告している。彼らの目的はソ連第3
フルンゼ人民武装師団とその他独立部隊からなるソ連軍主力を包囲することであった。
- 448 :名無し三等兵:2014/09/21(日) 06:46:25.67
- 薄暗く先の見通しの効かない森の中の進撃は、フィンランド兵をも神経質にさせていた。
フィンランド第9連隊の先鋒は、強力な敵の抵抗に阻止された旨を報告してきた。このため、
後続部隊の進撃は停滞した。ここで、現場に向かうユーティライネン大尉は衝撃を受ける
こととなる。
兵士達は立ち塞がる樹木を睨みながらうずくまっていった。「状況を報告しろ。」大尉が
顎をしゃくると若い少尉が起立した。「前方に有力な敵部隊が占位し、道路には地雷が敷設
されています。工兵の到着を待たずして前進は不可能です。あそこに機関銃座が見えます。」
ユーティライネンは静まり返った森の中を凝視した。「貴官自身が偵察したのか?」少尉は
直立不動のまま答えた。「いいえ。先任軍曹から聞きました。」軍曹を呼ぶと、彼は部下から
報告を受けたと答えた。「もういい。」ユーティライネンは舌打ちした。「つまり誰も確かめて
いないということだな。前進すればすぐにわかることだ。」彼は数名の兵士を連れて慎重に
歩き始めた。強力な敵などどこにもいなかった。ただ、丸太が数本転がっているだけであった。
- 449 :名無し三等兵:2014/09/21(日) 21:11:13.95 ID:SYBG3lCe.net
- 続き待望保守。
- 450 :名無し三等兵:2014/09/22(月) 09:59:16.41 ID:j3eI04fF.net
- ふと思ったんだが、初代スレから7年以上続いてるんだな。
> 1 :1:2007/06/27(水) 14:14:13 ID:t3NYSOE0
> ではマンネリにならないように 語ってください。
- 451 :名無し三等兵:2014/09/22(月) 20:29:55.06 ID:U7r8Xhvv.net
- マンネリヘルム元帥
- 452 :名無し三等兵:2014/09/23(火) 07:42:08.81
- 主街道沿いに進むラウリ・トルニの隊は、損害を省みず進んでいた。非力な装甲車の攻撃が
不十分と見て取ると、彼は車から飛び降りて手榴弾を敵に叩き込んだ。ソ連兵が火炎瓶を
投げつけて装甲車が炎上すると、トルニは自らハンドルを握り敵陣へ突入した。
フィンランド第11師団も街道を進み、ソ連軍補給路を各所で寸断した。ソ連軍は陣地を
捨て、撤退を始めた。フィンランド兵は慎重にソ連軍が放棄した陣地を調べ始めた。
「特別配給だ。」この晩補給部隊から酒が届き、兵の士気は高揚した。
21日、フィンランド第4師団はヴィッラヴァーサまで進出したが、そこで激しい抵抗に
直面した。「出発だ。本日中に第25連隊と連絡を付ける。モッティが完成するぞ。」
将校が命令すると第5連隊第5中隊の兵士達は立ち上がった。ヘイモ伍長はスオミ短機関銃を
構え、分隊の先頭にたった。
フィンランド軍の奇襲は成功し、ラトヴァは占領され、包囲網が完成した。フィンランド軍は
無傷のT34戦車2台を捕獲し、このニュースはラガスを大いに喜ばせた。
- 453 :名無し三等兵:2014/09/27(土) 08:45:46.21
- 包囲されたソ連第3フルンゼ人民武装師団長Z.N.アレクセーエフ大佐は、即座に脱出を決意した。
彼らは砲兵の掩護の元、車両、重装備を放棄し、鉄道に沿って北へ退却を始めた。欺瞞のため、
アレクセーエフは僅かに残った装甲車両を集めて南方への陽動攻撃も行っている。
ペトロザヴォーツクの義勇兵ユージンは回想する。「我々には車もなく、負傷者でさえ歩かねば
ならなかった。」
しかしフィンランド軍には追撃する力が残っていなかった。戦車大隊第1中隊はエンジンオイルの
補給を待っていた。「一体何をしているんだ。休暇にはまだ早いぞ。」ラガスは机を叩いた。
豪雨が疲れ切ったフィンランド軍兵士の士気を低下させていた。
「フィンランドの勝利、フィンランドの勝利、応答願います。」無線機が暗号で呼びかけてきた。
ヒィンニネンはマイクを握った。「状況は糞溜めみたいだ。もっとこの場にふさわしいコードネーム
に変えよう。これからは尻の穴と呼んでくれ。」一同は大爆笑した。
- 454 :名無し三等兵:2014/09/29(月) 15:48:30.18 ID:R7cVz5Nw.net
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- 455 :名無し三等兵:2014/10/02(木) 00:35:20.71 ID:giWruWZg.net
- >>436
去れる人はまだ良い方だな
- 456 :名無し三等兵:2014/10/02(木) 21:23:43.55
- 敗走するソ連第3フルンゼ人民武装師団には食糧補給もなく、兵士達は茸や野生のベリーを
口に入れて飢えと戦った。「ボリソフ、起きろ。もう少し歩けば友軍戦線に着くぞ。」
第3連隊情報参謀コンスタンティン・バトラーは、疲れた兵士達が倒れる度に引き起こした。
道中倒れた戦友を埋葬することも出来ず、森の中に多くの遺体が取り残された。それでも
彼らは森の中を150km歩き通し、タルゼポールとラトヴァ駅の間でキーロフ鉄道に到達し、
支援のため待機していた1編成のBP-35型装甲列車と合流することに成功した。
1941年6月の時点でソ連軍は19両の重装甲列車と34両の軽装甲列車を保有していた。さらに
NKVDは内戦時代のものではあるが、さらに25両の装甲列車を装備していた。ソ連第7軍には
少なくともそのうちの2両が配備されている。BP-35型は最も標準的な装甲列車であり、
PR-35型装甲機関車とPL-35型砲車2両、さらに必要に応じてその他貨車で編成されていた。
砲車は76mm砲と7.62mm機関銃を装備している。
偵察隊の報告を携え、バトラーは師団司令部のあるテントに赴いた。衛兵の制服はぼろぼろに
なっていたが、また彼は屹立するだけの士気を保っていた。「包囲網は思ったよりも厚みが
ありません。」彼の報告を聞くと、頬のこけた政治委員ソバレフは目を輝かせた。「装甲列車は
出動できるか?突破部隊を編成する。」師団長アレクセーエフ大佐はまだ戦う力の残っている
兵士を集め、武器弾薬を残らず配付した。
装甲列車の支援により、ソ連軍は包囲網を突破した。
- 457 :名無し三等兵:2014/10/04(土) 09:28:59.81
- レニングラードに対するドイツ軍の空襲は連日行われていた。
9月23日、ドイツ第2急降下爆撃航空団はクロンシュタット軍港攻撃に出発した。
前日に偵察機から、ソ連パルチック艦隊主力部隊の出港が報告されていた。
第3中隊のハンス・ウルリッヒ・ルーデル中尉のスツーカは戦域上空で待機している。
彼は眼下に戦艦マラートの姿を捕らえていた。
8時45分、待望の攻撃命令が出た。ルーデルは操縦桿を押し倒し、急降下を始めた。
スツーカは独特のサイレンのようなブレーキ音を上げながら、急速に高度を下げて行った。
「煙突を狙うぞ。」マラートは艦橋と煙突が一体化した独特のシルエットを持っている。
ルーデルは投下ボタンを押し、海面すれすれで機を持ち上げた。閃光と火柱が見えた。
「戦艦が炎上しています。」後部機銃手アルフレッド・シャルノブスキー伍長が叫んだ。
マラートの汽罐部直上にある煙突に1t爆弾が命中し、艦の内部で炸裂した。そこは魚雷
格納庫にに隣接していた。魚雷が誘爆し、艦体の艦首側1/3が吹き飛んだ。この日の攻撃で
駆逐艦ステルグシュチー、ミンスク、シルーヌイも撃沈されている。
- 458 :名無し三等兵:2014/10/05(日) 17:20:11.51
- 兵士達が立ち往生する乗用車の車輪の下に木材を添えている。「オネガ湖に到達せりや?」
伝令が旅団本部からの電文をヒィンニネンに手渡した。泥の海となった街道は、軍用車輛と
資材を積んだ荷車で大渋滞となっていた。外套を着た兵士の群れが、その両脇をひしめき合い
ながら前進していた。「回答しろ。未だ到達せず。ただし湖はもう見えている。」
24日、ラガスはスヴィル川の鉄道橋付近に指揮下の部隊を集結させた。先鋒はついにオネガ湖に
到達した。フィンランド第11師団はペトロザヴォーツクから20kmのプオリイヴァリ村まで
前進している。ペトロザヴォーツクの陸路からの補給は脅威を受けた。
ソ連第3フルンゼ人民武装師団は装甲列車を含む重装備を爆破し、森の中を通ってさらに南へ
向かっていた。誰もがフィンランド軍の待ち伏せや狙撃兵を恐れていた。
- 459 :名無し三等兵:2014/10/09(木) 02:39:50.54 ID:1vZmP/t5.net
- レニングラード包囲はあんまり日本じゃ話題にもならんなと
都市空襲のほうが身内が犠牲になっただけあって話題になりやすいのかとも思ったけど
よくよく考えたら独ソ戦自体あったことを知っている奴がどれほどいるのかと
- 460 :名無し三等兵:2014/10/11(土) 14:36:18.45
- ソ連第3フルンゼ人民武装師団のアレキサンダー・クレメンツェフは呟いた。「ここで
生き残ったら奇跡だ。」南へ向かう隊列はばらばらになり、彼と行動を共にするのは
ほんの数名になっていた。彼らはNKVDの将校が率いる数十名の集団と出会った。
「そこで何をしている。一緒に来い。」座って休みをとっている彼らに、将校は同行するよう
促したが、アレキサンダーはNKVDと行動を共にすることに漠然とした不安を覚えた。
「そもそも地図も持っていない素人集団に付いて行ったってろくなことはないさ。
他のメンバーも気が進まない様子であった。アレキサンダーはNKVDの将校の元へ戻った。
「我々は大隊命令で後続の野戦病院を待っているところです。彼らと合流し次第、急いで
追及します。」彼はとっさにでまかせを口にした。「重要任務だな。承知した。」将校は
鷹揚に頷くと、兵と共に森の中へ消えて行った。
- 461 :名無し三等兵:2014/10/13(月) 11:08:10.36
- ドイツ軍はレニングラード攻略から包囲へと方針を転換したが、だからといってフィンランド軍への
レニングラード攻撃要請が忘れられた訳ではなかった。フィンランドはソ連に奪われた国土を奪還
できればそれでよく、最後までドイツと付き合う気など無かったのだが、かと言ってこの段階で
ドイツの要求を無視する訳にもいかなかった。
9月25日、マンネルへイムはドイツ国防軍最高司令部(OKW)に対して、スヴィル川とカレリア
地峡における新たな攻勢を改めて拒否すると共に、代替案としてベロモロスクへの攻撃を提案した。
白海のほとりのベロモロスクはムルマンスク鉄道が分岐する交通の要衝であった。マンネルへイムは
ドイツ軍がレニングラードを陥落させれば、8〜9個旅団をこの方面に振り向ける事が可能と考えた。
ヒトラーもOKWもこの提案を喜んだ。ムルマンスク鉄道へ向かうドイツ軍の進撃はヴェルマン川で
停止していた。ドイツ軍は第5及び第7山岳猟兵師団をカンダラクシャ方面への増援とすると共に、
第36軍団を山岳軍団に改編することとした。
- 462 :名無し三等兵:2014/10/18(土) 20:03:34.78
- 26日、フィンランド第1及び第11師団は西方からペトロザヴォーツクへの攻撃を続けていた。
「ペトロザヴォーツクが見えるぞ。」小高い丘を制圧した先頭部隊の兵士達は狂喜乱舞した。
町は15km先に見えていた。「第8連隊と第50連隊にスオルスマキを攻撃させろ。」第11師団長
ヘイスカネンは命じた。劣勢のソ連軍はペトロザヴォーツクからの撤退を始めた。
27日、北上するビョークマン戦闘団はオルセガでペトロザヴォーツク鉄道を遮断した。翌日
彼らはペトロザヴォーツクまであと4kmに迫ったが、またも装甲列車に支援されたソ連軍の
攻撃が始まったため、進撃停止を余儀なくされた。
29日、フィンランド軍には第7師団が駆けつけたが、ソ連軍は遂に封鎖線を突破した。
「装甲列車を始末せねばならん。」ラガスは猟兵第3大隊を派遣した。
- 463 :名無し三等兵:2014/10/20(月) 00:05:29.96 ID:54fbb1aE.net
- 待機中。
- 464 :名無し三等兵:2014/10/24(金) 19:45:30.25 ID:49EoIp92.net
- フィンランド空軍の戦闘機は話題になることは多いがいまいち爆撃機や攻撃機は話題にならないなあ、
やはりどうしても地味な地上攻撃が中心だからだろうな。
- 465 :名無し三等兵:2014/10/24(金) 21:56:11.89 ID:RIxtPPir.net
- >>464
爆撃機の主力はブリストル・ブレニム。
フィンランドでライセンス生産していました。
ドイツから購入したドルニエDo17とユンカースJu88は、数が少ないうえ、
訓練不足による損失ばかりが目立ちますね。
捕獲機であるツポレフSB-2とイリューシンDB-3(Il-4)、ペトリヤコフPe-2は
例によって有効に使っています。
- 466 :名無し三等兵:2014/10/25(土) 11:02:17.27 ID:2DuD9I7g.net
- イリューシンは冬にも強くて結構使えたと聞いてるが
SB-2はそのあたりどうだったんだろう
- 467 :名無し三等兵:2014/10/25(土) 19:35:07.85 ID:Uv59yph1.net
- >ソ連第3フルンゼ人民武装師団
フルンゼってソ連時代、軍学校があったはず
北朝鮮の軍人たちの中にもここの留学組が多くて、チャウシェスク処刑報道の後
それに刺激された北朝鮮フルンゼ留学組がクーデターを企んだが
決起直前に発覚、参加者全員が処刑されたって話があったな、ガセかもしれんけど
- 468 :名無し三等兵:2014/10/25(土) 19:55:24.99 ID:FaPikZYl.net
- >>466
SB-2はフィンランド湾の対潜哨戒に使用されて戦果を挙げています。
24戦隊から左遷されてきたニルス・カタヤイネン軍曹は、SB-2の操縦をやってました。
- 469 :名無し三等兵:2014/10/25(土) 22:59:42.14 ID:JM9JzJRK.net
- このフルンゼは都市名じゃなくてその元になった人名(軍事人民委員)由来かと。
- 470 :名無し三等兵:2014/10/26(日) 06:53:53.87
- フィンランド軍工兵部隊が線路に取り付いた。「点火」号令と共に枕木やレールの破片が宙を舞う。
線路の補修にソ連軍装甲列車が到着した所で、フィンランド軍戦車が装甲列車を取り囲んだ。
30日、フィンランド第11師団がペトロザヴォーツク北方の陸上連絡路を切断した。「先鋒部隊は
市内に突入したみたいだ。」独立第30重砲大隊の兵士達は彼方に立ち上る黒煙を見ながら噂した。
「せっかくここまで来たんだ。俺達も町に入りたいな。」エーロ・ユーティラ伍長が双眼鏡の
レンズを磨きながら言った。大隊は12門の152mm榴弾砲を装備している。南方からは激しい
砲声が聞こえていた。しかし、ソ連第71狙撃師団第53連隊、第272狙撃師団第1061連隊及び
NKVD第15連隊から編成されたソ連軍守備隊の大半は撤退した後で、これを捕捉出来なかった
先鋒部隊からは砲撃支援の要請も無かった。
10月1日午前4時30分、フィンランド軍の総攻撃が始まった。
- 471 :451:2014/10/27(月) 19:40:08.55 ID:3OXH4Fst.net
- >>465
ありがとうございます。
冬戦争の頃だとブレニムでも充分活躍できたけれども、
継続戦争ぐらいになるといささか厳しかったでしょうね。
- 472 :名無し三等兵:2014/10/27(月) 22:24:05.93 ID:kQaPfs9Y.net
- 「アンネの日記」でドイツと共に戦ってるフィンランドを
”バカなフィンランド”とアンネ・フランクが記述してる一節がある
彼女にフィンランドの苦悩は分からなかったようだ(当たり前と云えば当たり前か)
- 473 :名無し三等兵:2014/10/28(火) 19:05:01.25 ID:3JkK0h4g.net
- >>465
タリ・イハンタラの戦いで苦戦したソ連が
戦後フィンランドに善戦の理由を聞いたところ
鹵獲ペトリャコフPe-2での戦場空撮部隊の活躍をあげた話があるね
- 474 :名無し三等兵:2014/10/28(火) 22:50:55.17 ID:e2TMkPFv.net
- >>473
ペトリヤコフPe-2はメッサーシュミットMe109Gの護衛の下、何度も偵察に出ています。
貴重な高速偵察機だった事でしょう。
- 475 :名無し三等兵:2014/11/01(土) 09:07:52.81
- 抵抗は軽微であった。フィンランド第56連隊の先遣中隊72名が市街に突入し、その後連隊主力が
飛行場へ進出した。北方への移動命令が出ると待機中の独立第30重砲大隊の兵士の間から不満の
声が上がった。「ペトロザヴォーツクへ行けというから来たのに、目前で方向転換か。」幸運にも
ユーティラ伍長だけは連絡任務のため、軍馬の死骸が散乱する街路を自転車で走り抜けた。
「港の引き込み線を制圧しました。」午後2時半、報告を受けたラガスは即座にありったけの
戦車を市街戦に投入した。ルンペ大尉率いる第1中隊は重戦車小隊を先頭に市街に入った。
ソ連軍T26戦車3台が出現したが、重戦車小隊のT28の76mm砲の斉射を受けると彼らは逃走した。
撤退するソ連軍により町の建物の大半は破壊され尽くしていた。フィンランド軍はそのまま
前進を続け、焼け落ちた北国ホテルの前を通過し、カレロ・フィン共和国政庁を制圧した。
冬戦争時の傀儡政権を率いたオットー・クーシネンはいち早く脱出した後であった。早速屋上に
フィンランド国旗が掲げられた。
最後のソ連軍部隊が湖上を撤退し、フィンランド軍はペトロザヴォーツクを占領した。
- 476 :名無し三等兵:2014/11/03(月) 09:00:05.42
- ソ連第3フルンゼ人民武装師団では、負傷したアレクセーエフ大佐に代わって師団長となった
ヒョードル・スダコフ大佐が撤退戦を指揮中に戦死した。師団の指揮命令系統は崩壊し、
将兵はばらばらになって自軍の戦線に向かった。
なんとかスヴィル川に辿り着いたユージンら8名の女性兵士のグループは、河岸でみつけた
橇を基に筏を組み立てた。しかし、川の半ばまで来た時筏は浸水し、彼女達は川を泳いで
渡る羽目になった。対岸にはずぶ濡れとなった2名の友軍兵士がいた。彼らは力尽きてその場で
座り込んで眠った。「動くな。」大声に驚いた彼らは4名のフィンランド兵に囲まれていた。
ユージンは慌てて共産党員証を地中に埋めた。
幸運な者達もいた。2週間の間に1500名以上のソ連兵がスヴィル川を越えることが出来た。
第3フルンゼ人民武装師団は僅か320名にまで減っていた。バトラーとアレクサンダーは
レニングラード工科専門学校出身の数少ない生き残りとなった。
- 477 :名無し三等兵:2014/11/04(火) 13:54:25.16 ID:EV3a008M.net
- 新ネタかが無いなあ。
- 478 :名無し三等兵:2014/11/08(土) 12:41:34.55
- ソ連第7軍司令部は離散兵を集め、スヴィル川防衛線の再編成に務めた。街道は撤退する部隊と
新たに到着した増援部隊でごった返している。「お前達、所属部隊名、官、姓名を申告しろ。」
検問所では将校が薄汚れた軍服の集団を詰問していた。「同志、第74偵察大隊フロロフ中尉です。」
兵士が司令部に電話をかけ、後退許可の有無を確認する。「通ってよし。このまま進め。製材
工場に再編成本部がある。装備を受領しろ。」ソ連軍は生き残りを集めて第67狙撃師団に再編した。
ペトロザヴォーツクの陥落はソ連にとって痛手ではあったが、それを上回る朗報もあった。時を
同じくしてアメリカ合衆国との間にレンドリース(武器貸与法)第1協定が締結されたのだ。
これにより、ドラックから4発重爆撃機までの膨大な軍需物資がソ連へ届けられることとなった。
援助物資の輸送は北極海、ペルシア回廊、太平洋の3ルートで行われることとなった。物資発送の
拠点イギリスから最短距離のムルマンスク港を擁する極北の地は、にわかに戦略的重要性を
帯びることとなった。
遥か南方のヴォルガ軍管区からは第368狙撃師団、南東方のモスクワ軍管区からは再編された
第46戦車旅団が到着した。この旅団には37台のT26、22台のT34、そして7台のKV-1戦車が
配備されている。さらに太平洋艦隊、カスピ海艦隊、海軍士官学校から第69、70、71海軍歩兵
旅団が編成され、第7軍に送り込まれた。
- 479 :名無し三等兵:2014/11/09(日) 10:50:55.94
- まだまだソ連にとっての末期戦は続くけど遂にレンドリース締結か
- 480 :名無し三等兵:2014/11/09(日) 19:33:15.04
- レニングラード共産党第1書記のジダーノフは、ネヴァ川河畔のスモルヌイと呼ばれる党軍事本部へ
向かっていた。家並みの揃った美しい街路を車は進む。ジダーノフは幹の太い楡の木やその濃い枝の
下の新聞の売店を眺めた。「飼料用えん麦も食用に回さねばなるまい。」レニングラードは深刻な
食糧不足に見舞われていた。市内のあらゆる空き地には野菜が植えられた。9月末には石油と石炭も
尽きた。肉類も底をつき、内蔵や皮革が料理されている。
10月24日大通りこと旧ネフスキー大通りで車は警官に制止された。「この先で不発弾を処理中です。」
彼は車窓から見た道路沿いのビルの柱に、青色に塗られた小さな四角形の表示を見つけた。その上から
白色で何か書かれている。「警告!通りのこちら側は空襲時に危険。」レニングラードの中心部を
東西に走る大通りは、常に日向側と日陰側に分かれる。その結果がこの警告標識となった。戦時下の
都市では、些細な事が生死を分けるのだ。
- 481 :名無し三等兵:2014/11/14(金) 21:10:00.40 ID:7NfaWUOW.net
- フィンランドはすでに冬だろうなあ。
今年は冬戦争開戦75周年ですぜ。
- 482 :名無し三等兵:2014/11/15(土) 20:21:03.98
- フィンランド第7師団第9連隊を基幹とするクイスティオ戦闘団は、オネーガ湖に沿って南へ
攻撃を開始し、スヴィル川に到達した。かくしてラトガ湖からオネーガ湖に至るスヴィル川
流域がフィンランド軍に制圧された。この時ソ連軍は戦車と共に反撃に出た。ポドポロージェ
にある建設途上の水力発電所付近で、フィンランド兵は見慣れない戦車に気が付いた。付近は
見渡す限りの平地で遮蔽物は何もなく、そこここに森と沼地が点在している。
4台のT34戦車が歩兵と共に前進する。しかし、ソ連軍の攻撃はすぐに挫折した。「威力偵察
だろう。また来るぞ。」塹壕に潜む兵士に対戦車地雷が配られた。果たしてソ連軍は再び
襲来した。今度は戦車の数は18台に増えていた。フィンランド軍は十分に引き付け、ソ連軍に
銃砲撃を浴びせた。5台の戦車が破壊された。ソ連軍が去った後の戦場でフィンランド兵は
1台のT34がスタックしているのを発見した。「凄いな。無傷だ。」乗組員の姿はなく、96発
もの砲弾も残っていた。
フィンランド軍はこの戦車を回収し、R-105号車として登録した。戦車大隊からラウリ・ヘイノ
軍曹が派遣され、この戦車をペトロザヴォーツクまで移送した。道中T34を見たフィンランド兵が
指を指して笑った。「見ろよ。まるでアヒルだ。アヒル戦車だ。」横から見たT34のシルエットが
兵士達に水上を進む水鳥の姿を連想させたのだ。この時からT34の愛称はソトカ(アヒル)となった。
さらにもう1台の戦車がスタックしていた。こちらの乗員は頑強に抵抗した。第46戦車旅団の
戦車運転兵イワン・クドリンは戦車長が戦死した後も、休戦が到着するまで戦車を守り続け、
ソ連邦英雄に賞せられている。
- 483 :名無し三等兵:2014/11/16(日) 10:11:29.36 ID:1I8zEyDX.net
- >>481
えっと、ヘルシンキは....
11/17 日の出8:24 日の入り15:46 気温1℃/-3℃
ちな旭川
11/16 日の出6:23 日の入り16:05 気温3℃/-5℃
う〜む.....。
- 484 :名無し三等兵:2014/11/16(日) 11:36:11.23 ID:btbyu5B+.net
- ちな?
- 485 :名無し三等兵:2014/11/16(日) 13:24:23.51 ID:GjibRNS4.net
- 何だまだまだ宵の口じゃないか
- 486 :名無し三等兵:2014/11/16(日) 20:03:03.32
- 10月4日、クイスティオ戦闘団によるスヴィル川渡河の試みは失敗した。突撃部隊の兵士達が
危険な夜間の前進命令に従わなかったのだ。「兵達は満足に寝てもいません。」第1中隊長の
イエロ・ケイノネン中尉が訴えた。「臆病風に吹かれたのか?」大隊長となっていた
ユーティライネン大尉が目を剥いた。「大尉、私は開戦以来敵に背中を見せたことはありません。」
その答えはユーティライネンを満足させた。彼は攻撃を諦め、中尉に退去を許した。
ケイノネンは後にフィンランド国軍司令官となっている。
次の夜、別の大隊も命令を拒否した。「もう領土は回復したし、やれと言われたことはやった
じゃないか。」ジュシ・ヴェーヴィライネン伍長は、仲間の兵士達と不満の声を上げた。兵士達は
数ヶ月続いた戦争に疲れ切っていた。しかも、旧国境を越えた時点で戦争目的が変わったと
感じていた。クイスティオ大佐は兵士を休ませ、士気を高めるべく演説をし、支援砲撃を手配した。
これによりフィンランド軍はようやくスヴィル川を渡河した。
翌週、フィンランド第7師団によるスヴィル川南の突破口の深さは10kmに達したが、シベリアから
到着したソ連第114狙撃師団の抵抗により、進撃はそこで停止した。
- 487 :名無し三等兵:2014/11/16(日) 21:23:48.32 ID:wo/WlwYn.net
- >>483
「ヘルシンキはかなり暖かい」と、フィンランド人が力説してたもんだ・・・
オーロラ観測で行った北部は、夜は-20度くらいだったよ@1月
寒いと言うよりも痛かった。
- 488 :名無し三等兵:2014/11/17(月) 18:10:40.95 ID:t2xc4F9O.net
- 冬戦争はマイナス40度の戦いだからな
当時の記録フィルムにワロタ
遭難してる様にしか見えないという
- 489 :名無し三等兵:2014/11/17(月) 21:15:02.60 ID:aZ8xRQgY.net
- シベリア在住のロシア人でも、−40度以下じゃヲトカかっくらって寝てすごす
んじゃなかったか?
- 490 :名無し三等兵:2014/11/21(金) 10:17:52.08 ID:jabqRKqg.net
- 北海道行くと北海道の冬(-25℃)体験とかいう観光施設があちこちにあるよ。
オレの行った所は一角にシベリアの冬(-40℃)体験コーナーがあったけど、
真夏に防寒服を渡されて入ったんだが5分位で逃げ出したっけ。w
- 491 :名無し三等兵:2014/11/21(金) 12:05:13.57 ID:cNRflzG2.net
- 防寒着きて冷凍室を駆け抜け、、
暖かい小屋に逃げ込んで半袖になってアイスを食う北海道冬体験
シベリアモードはブリザードとウォトカに変わります
ヒートショックとか大丈夫なんかね
- 492 :名無し三等兵:2014/11/22(土) 10:13:49.84
- 10月8日、日本帝国フィンランド公使館附武官小野打大佐は、ミッケリで開催されたフィンランド軍
総司令部の会議に招かれた。「6日にドイツ軍のモスクワ攻撃が始まった。これで戦争は決定的な
段階に入った。」ドイツ北方軍集団はチフビンに到達し、スヴィル川のフィンランド軍との連絡も
間近と予想されている。将校達の顔は皆明るく、ドイツの勝利を確信していた。
しかし、ドイツの勝利は遠のきつつあった。11日、イギリスが送り込んだPQ1船団が
アルハンゲリスクに到着した。船団は11隻の商船で構成され、積み荷は戦車やハリケーン戦闘機で
あった。13日には6隻の商船から成るPQ2船団がリバプールを出港した。
14日、レニングラード市内に初雪が降り、気温は氷点下に下がった。
- 493 :名無し三等兵:2014/11/23(日) 15:46:08.18 ID:vy52Hi30.net
- 昨日にNHKでやってた「フィンランディア」特集番組。
フィンランド軍スキー部隊の映像が何度か出て来てました。
T-26火炎放射戦車も出てたけど、あれはソ連軍の映像だね。
- 494 :名無し三等兵:2014/11/24(月) 08:24:08.98
- 空港に到着するとソ連軍砲兵部長となっていたニコライ・ヴォロノフは、まっすぐスモルヌイに
向かった。車中からは家やビル、トーチカに書かれたスローガンが見えた。「戦いの準備は出来ている。」
市内はいつもより混み合っているように見えたが、レニングラードは困窮していた。市民達は古い
皮革を煮てゼリーパテを作り、セルローズを煮だしてスープにした。口紅も食糧となり、化粧クリームは
バター代わりに代用パンに塗って食べた。
党軍事本部スモルヌイは、元はエカテリーナ2世時代に建築されたロシア初の女学校である。10月革命の
折り、ここにレーニンの革命司令部が設置された由緒ある建物である。3階にある執務室で、ジダーノフが
ヴォロノフを迎えた。「確かに市内の人口は増えている。」ジダーノフは告げた。包囲網が狭まるにつれ、
郊外から多数の避難民が流れ込んできた。軍の将兵50万人と合計すると包囲網内の総人口は340万人に
達する見込みであった。「バタイエフの倉庫群は空襲で焼けてしまったし、ラトガ湖畔の鉄道は敵の砲兵
管制下にあるので、市民を避難させることもできない。」ジダーノフは憔悴していた。
11月1日時点の備蓄食糧は小麦粉15日分、砂糖30日分、脂肪22日分にまで減少しており、肉類は
ほとんど残っていなかった。
- 495 :名無し三等兵:2014/11/29(土) 18:00:12.01
- その後、ヴォロノフとジダーノフの二人は軍事委員のA.クズネツォフ、党書記J.カプスチンらを
交えてレニングラード市内の工場の再組織化による弾薬生産についての打合せを行った。
驚くべきことにレニングラードの生産能力はまだ生きていた。工場では出征した父親に代わり、
12〜13歳の少年、14歳の少女が作業台に届くよう、ベンチや箱に乗って作業をしていた。
ヴォロノフは工場を視察し、婦人労働者達と語り合った。「覚悟は出来ています。私達の配給は
諦めてもいい。でも貴方達軍人はなんとしてでも敵を食い止めて下さい。」ヴォロノフは
彼らの言葉に感銘を受けた。「赤軍も党も必要な援助は惜しみません。」彼は労働者達と
握手を交わした。
3週間の準備の後、東カレリアのフィンランド軍は北方への攻勢を再開した。ソ連軍には
アルハンゲリスクの刑務所の囚人まで動員した新編の第263狙撃師団が到着したため、
フィンランド軍の進撃は遅々としたものとなった。すでに季節は冬になってあり、凍てつく
風が松林を揺さぶっていた。
- 496 :名無し三等兵:2014/12/05(金) 07:03:35.92
- 11月6日、マンネルへイムはマーセルカ地峡の占領を命じていた。「カルフマキとマーセルカに
到達したら攻撃を停止し、部隊は防衛態勢に移行せよ。」この作戦の具体的な必要性は、今後
予想されるソ連軍の反攻に対して、防衛上の地の利を得ておくというものであったが、彼の胸中
には、フィンランド独立時の大フィンランド構想への思いもあったのかもしれない。
11月7日の革命記念日にスターリンは、軍の士気を鼓舞すべく恒例の演説と軍事パレードを
敢行した。雨が続いていた東部戦線では天候の回復と共に気温が低下していた。凍結した路面は
ドイツ軍の進撃スピードを回復させた。8日チフビンの町が占領された。しかし、伸び切った
補給線は限界に達しようとしていた。
20日、結氷したラトガ湖上から馬橇部隊がレニングラードに物資を送り届けた。この氷上の
連絡路は「命の道」と呼ばれることとなる。
- 497 :名無し三等兵:2014/12/06(土) 09:44:56.12 ID:vVrBteYm.net
- 雪だ.....。(@名古屋)
- 498 :名無し三等兵:2014/12/11(木) 20:52:00.24
- フィンランド軍は疲弊していた。第8師団第4連隊第9中隊長ヴァイノ・キビネン大尉が点呼を取ると、
将校2名、下士官7名、兵47名、合計56名が中隊の全てであった。第4師団はカルフマキから4kmの
地点で進撃を阻まれていた。
26日、ヘルシンキ出身者で編成されたエース連隊こと第8師団第26連隊は、ソ連軍の反撃を辛うじて
撃退した。「敵の死体をチェックして、装備を回収しろ。」アーヴィッド・ヤンフネン伍長は、将校の
死体の傍らにかがみ込んだ。その時、死んだと思われていたソ連軍将校は突如目を見開き、ピストルを
発砲した。腹部に銃弾を受けたヤンフネンは、野戦病院に運びこまれたが、そこで死んだ。師団長の
ヴィルヤネン大佐の推挙により、彼には43番目のマンネルへイム十字章が授けられた。
「8月25日ヴィープリ戦にて敵兵20名を射殺し、戦車1台を撃破。9月28日東カレリア方面で単独にて18名の
捕虜を得る。」凄まじい彼の戦歴を聞かされた遺族は、「俺は国に借りがあるからな。」という出征時の
彼の言葉を思い出した。ヤンフネンは1918年のフィンランド内戦時の赤衛軍兵士だった。そして、元赤衛軍
兵士がマンネルへイム十字章を受賞した唯一の例となった。
- 499 :名無し三等兵@そうだ選挙に行こう:2014/12/14(日) 08:14:39.80
- この頃フィンランドは日独伊が締結した防共協定に加盟している。協定の内容は軍事的性格を
持つものではなかったが、フィンランド政府内ではアメリカに与える影響を懸念する声もあった。
結局リュッティ大統領が了承し、外相ヴィッティングが調印を行った。フィンランドは武装平和を
維持する選択をしたのだ。フィンランドはソ連からの単独和平提案も拒絶している。予想通り、
これらのことは国際社会ではフィンランドの枢軸陣営への加担として受け止められた。
ソ連はイギリスに対して対フィンランド宣戦布告を強烈に求めていた。28日、チャーチルは
マンネルへイムに個人的な書簡を送った。「私は今から起こりうることに深い悲しみを抱いています。
我々は同盟国ソ連への忠誠心から数日以内にフィンランドに対して宣戦布告を行わなければ
なりません。」
フィンランドは未だ、対ソ戦はソ連の崩壊によってドイツ軍の勝利に終わると考えていた。
11月30日、ドイツ軍先頭部隊はモスクワから8kmのヒムキへ到達した。
- 500 :名無しさん@そうだ選挙に行こう:2014/12/14(日) 17:03:40.08 ID:Cf9Nfgrg.net
- 今月のアーマーモデリング誌、「ラスト・オブ・カンプグルッペ」に
フィンランド海軍海防艦イルマリネンが登場。
ノルトヴィント作戦で・・・お気の毒。
- 501 :名無し三等兵:2014/12/16(火) 21:04:00.57 ID:B1h4acNC.net
- そもそもイルマリネン型の用途というか、仮想敵ってなんだったんだろう?
ちょっとガングート辺りとやりあうのはきついだろうから、駆逐艦あたりか?
- 502 :名無し三等兵:2014/12/16(火) 22:30:41.69 ID:Yz6fm37A.net
- 沿岸砲台の代わりかな。
無駄な装備と言われた理由も解る。
小さめな潜水艦か魚雷艇の方が合ってるし。
- 503 :名無し三等兵:2014/12/18(木) 12:15:02.68 ID:reWBnYHD.net
- ガチで殴り合うんじゃなくって、ビスマルク・テルピッツや大和・武蔵みたいに
嫌なやつがいると思わせる使い方じゃないかな?
- 504 :474:2014/12/19(金) 21:45:16.91 ID:ErKghMHC.net
- うーん、やっぱり戦力としてはイルマリネン型は微妙かあ。
もっとお金があれば水雷艇なんかと組ませてフランスの新生学派が考えたみたいな艦隊ができるのだろうけど
そんな金があるなら陸軍にまわしてくれという話だろうなあ。
実際マンネルハイム線は予算がきついから中途半端だったわけだし。
- 505 :名無し三等兵:2014/12/20(土) 11:25:01.04
- 12月2日、開戦以来長らく包囲戦が続いていたフィンランド国内のソ連軍基地ハンコから、
最後のソ連軍部隊が撤収した。駆逐艦ストーイキイ、シーリヌイ、客船イショフ・スターリン、
6隻の掃海艇、7隻の哨戒艇、4隻の魚雷艇から成る船団がハンコを出港した。彼らの行手を
3線に渡るフィンランド軍の機雷原が阻んだ。
午前1時14分、そのうちの1発が5589名の将兵が乗船するイショフ・スターリンを捕らえた。
さらに3度の爆発が起きた。「金属扉で閉鎖しろ。」政治将校ステパノフ大尉が命じた。
船員は懸命に補修を試みたが、やがてフィンランド軍沿岸砲兵の305mm砲の砲撃も始まった。
砲弾は船内の弾薬庫に命中し、同船はたちまち沈没を始めた。船長のエフドキモフ大尉は50名の
船員と共に避難を指揮した。救援に向かった掃海艇1隻もたちまち爆沈する。それでも残った
掃海艇と4隻の哨戒艇が駆けつけ、1740名が救出された。機関を失った同船はなおも沈まず、
エストニア方面に漂流した。その後約3千名の完全武装した兵士がドイツ軍の捕虜となった。
- 506 :名無し三等兵:2014/12/21(日) 16:43:04.51
- フィンランド軍もドイツ軍もその進撃は全面的に停止していた。ドイツ国防軍最高司令部からの
度重なる冬季攻勢の打診に対して、マンネルへイムは「9月に提案したべルモルスクへの攻撃は、
あくまでもレニングラードが攻略され、ドイツ軍とフィンランド軍の連絡が確立し、カレリア
地峡のフィンランド軍を新たな攻勢に振り向けられる事が前提となる。」と強調した。
この頃カルフマキ付近では、ソ連軍の防衛体制は強化されていた。東カレリアから後退してきた
2個師団に加え、これまでの戦闘の生き残りから第37狙撃師団が編成された。カルフマキの南と
西の丘陵地帯はソ連軍に格好の防衛拠点を提供していた。
ソ連軍カルフマキ作戦集団(ミハイル・クナージェフ少将)
-第313狙撃師団
-第71狙撃師団
-第37狙撃師団
さらに、シース湖の南には第8スキー大隊に増強された第289狙撃師団が配置されている。一方、
マンネルへイムは第4、第8師団に加え、戦車大隊を加えた増強第1猟兵旅団と第2猟兵旅団を
この地に派遣した。
ラガス少将の第1猟兵旅団は12月4日に攻撃を開始した。
- 507 :名無し三等兵:2014/12/25(木) 22:52:17.62 ID:bO2UYT9c.net
- イルマリネン買う金で、何機の戦闘機が買えたか・・・
イルマリネン買う金で、何両の戦車を買えたか・・・
空軍と陸軍からは恨まれた事でしょう。
- 508 :名無し三等兵:2014/12/26(金) 09:44:44.08 ID:gdOIYcpB.net
- それを言ったら日本だって...
- 509 :名無し三等兵:2014/12/27(土) 15:24:38.61
- フィンランド戦車大隊からは、それぞれ16台のT26を有する第1及び第3中隊が攻撃に参加した。
この他、4台のT28と捕獲したばかりのT34 R-105号車を有する重戦車小隊も加わっている。
稼働戦車が揃わなかった第2小隊はペトロザヴォーツクで留め置かれた。「砲が凍りついている。」
戦車兵が機材の不良を訴えた。「一発撃ち込んで砲をしゃきっとさせよ。」少佐に昇進している
ヒィンニネンが命じた。
北から第4師団、西から第1猟兵旅団がカルフマキ市内に侵入した。翌日、第1猟兵旅団は市内を
抜けて東のポヴェンツァへ向かったので、後続する第2猟兵旅団が市街地を掃討した。重戦車
小隊のT28とT34各1台が道路を制圧すべく町の東へ向かう。歩兵支援を命ぜられたミッコネン
中尉のT28 R-102号車は、町の西部で不意にソ連軍のBT7戦車2台と遭遇した。「まずいぞ」
避ける間もなくR-102号車は2発被弾し、乗組員1名が戦死した。素早く逃走したBT7は、道路を
警戒するR105号車に出会った。R−105号車は運転手ハッチに被弾したが、2台のBT7を見事に
返り討ちにした。
翌朝、T28戦車のうちR-49とR-102号車は燃料パイプが凍結し、R-101号車もエンジンを起動
させることが出来なかった。このため、唯一残ったR-105号車のみが戦闘に参加した。
- 510 :名無し三等兵:2014/12/28(日) 14:03:21.51
- 先鋒の第4猟兵大隊の兵士達は零下30度の極寒の中、自転車を漕いで雪原を進む。暖房が無いため、
戦車兵は車内で震えていた。潤滑油も凍りつき、戦車は砲塔を回転させることすらままならない。
突如フィンランド軍前方に2台のソ連軍装甲車が姿を現した。ここからフィンランド軍T34 R-105
号車による極北のヴィレル・ボカージュが始まる。
「前進しろ。」車長のヘイノ軍曹は狭い車内で叫んだ。装甲車はたちまち逃走を始めた。「11台の
トラックの車列を発見。」R-105号車はそのまま前進し、T26がこれに続く。76mm砲が火を噴き、
牽引されていたトラクターが炎上した。兵士達はトラックを捨てて逃げ惑う。馬匹のソ連軍砲兵隊が
慌てて76mm砲数門を配置し、砲口を戦車に向けた。だが、T34の傾斜装甲は難なく砲弾を弾き返し、
R-105号車は砲を踏みつぶした。しかし、この戦闘で2台のフィンランド軍T26が大破している。
ソ連軍はスターリン運河に架かる橋のたもとでトラックで道を封鎖し、85mm高射砲で戦車を阻止
しようとした。「踏みつぶせ。」ヘイノは命じた。R-105号車が突進すると、ソ連軍守備隊は降伏
した。ポヴェンツァの1km手前では37mm対空砲を持つソ連軍が頑強に抵抗した。墓地付近に設置
された45mm対戦車砲も加わり、砲撃を浴びたT26戦車隊では死傷者が続出した。「榴弾装填。
全部吹っ飛ばせ。」R-105号車は片っ端からソ連軍砲兵に砲弾を叩き込んだ。
夜11時、猟兵と戦車隊はポヴェンツァを制圧し、スターリン運河を閉鎖した。ソ連軍は家々に火を
放ち、橋を爆破して去って行った。車上から部隊を先導していたヒィンニネンは戦車から飛び降りて
フィンランド国旗を打ち立てた。「よくやった。独立記念日に素晴らしいニュースだ。」報告を
受けた第2軍団のラーティカイネンはラガスを労った。
- 511 :名無し三等兵:2014/12/31(水) 01:14:19.00 ID:8LHSuZeA.net
- どこの国でもある話でしょう。
が、フィンランド軍みたいな小所帯で、あの二隻はね。
- 512 :名無し三等兵:2014/12/31(水) 13:52:45.12
- 作戦目標を占領したフィンランド軍は、進撃を停止した。ソ連軍は運河の護岸壁を爆破して、
後退していった。この時殊勲のR-105号車は、小さな橋をを踏み外し横転している。不幸にも
乗組員のヤロネン伍長が命を失ったが、車両は後に回収された。この頃にはドイツ軍による
モスクワ占領は不可能であることが明白となっている。ソ連軍はチフビンを奪回し、これに
よりドイツ北方軍集団とフィンランド軍が連絡する望みは断たれた。
12月8日は日本海軍による真珠湾攻撃の日でもあった。10日、ドイツはアメリカに宣戦布告を
し、第二次世界大戦は地球規模に拡大した。「大統領、大破局が始まった。ドイツはこの戦争に
負けるであろう。我々は戦争離脱を真剣に考えねばならない。」マンネルへイムはリュッティに
告げた。
- 513 :名無し三等兵:2014/12/31(水) 19:27:02.58 ID:ax2/1hHj.net
- 来年も問答無用
- 514 :名無し三等兵:2015/01/04(日) 20:39:42.37
- 14日、最高司令部の会議の後でマンネルへイムは列車に乗って、ロヴァニエミの
ドイツ・ラップランド軍司令部に向かった。悪天候の為、交通は混乱していた。
マンネルへイムは、憂鬱な白一色の風景を車窓から眺めた。彼は、停滞している
カンダラクシャ方面の戦況について、あまり明るい見通しを持ってはいなかったし、
これ以上フィンランド軍を危険に晒す事にはためらいがあった。
旧シレジア貴族のファルケンフォルスト上級大将以下幕僚が彼を迎えた。「英国の
宣戦布告と米国の世界大戦への参戦はムルマンスク港の重要性を高めている。」
会議の席上、マンネルへイムは再びファルケンフォルストに、フィンランド・ドイツ
両軍によるベルモルスク攻撃を提案した。ドイツ軍はこれを喜び、冬の間に到着する
予定の第7山岳猟兵師団を提供することを約束した。
15日、モスクワの危機は去ったと判断したスターリンは、疎開していた政府機関を
モスクワに戻すよう命じた。
- 515 :名無し三等兵:2015/01/06(火) 09:31:39.21 ID:lmi+Iihu.net
- 今年も問答無用
- 516 :名無し三等兵:2015/01/10(土) 09:52:18.73
- レニングラード市民は懸命に戦っていた。27日、レニングラード音楽学院教授
ドミートリイ・ショスタコーヴィチは、交響曲第7番ハ長調作品60を書き上げた。
彼はこの曲を「ファシズムに対する戦いと我々の宿命的勝利、そしてわが故郷
レニングラードに捧げる。」とコメントしている。
バシリー島に住むサヴィチェフ家の長女、32歳のジェーニャは毎朝夜明け前に
起きては、7km歩いて工場に出勤し、1日2交代で地雷のケースを作っていた。
仕事の後には献血もしていた。食糧不足で衰弱していた彼女はそんな生活を
続ける事が出来ず、28日工場で死んだ。
町のアパートの多くは砲撃によって窓が吹き飛んでいた。このため室温が5度も
あれば、暖かいと見なされている。18〜19才の少女から編成された防空隊が
木造家屋を取り壊し、薪を集めた。市民は本を焼き、それが無くなると家具も
燃やして寒さを凌いだ。市場にタンスを持って行っても誰も見向きもしないのに、
それを壊して薪にすると20ルーブルの値が付いた。野戦手当を除いた兵士の
月給が8ルーブル50コペイカである。
- 517 :名無し三等兵:2015/01/13(火) 10:15:26.38
- 1941年9月5日の朝日新聞 右下の方に芬軍スンマ要塞奪還という記事がある
http://livedoor.blogimg.jp/tamenuko/imgs/0/2/027aa65f.jpg
- 518 :名無し三等兵:2015/01/13(火) 21:21:44.59 ID:U1K0uql0.net
- 8/30を最後に語り部さん来てないな...。(´・ω・`)
- 519 :名無し三等兵:2015/01/13(火) 22:40:53.49 ID:s4lylifI.net
- 復活の日を、心して待ちましょう。
- 520 :名無し三等兵:2015/01/17(土) 08:36:12.73
- レニングラードの食糧事情は悲惨の極みであった。最初に死んだのは配給量が少ない10代の
少年少女達だった。司令部員のロザック少佐はトーリス公園近くの自宅からスモルヌイの司令部
まで徒歩で通勤していた。後方勤務の彼の食糧配給は1日当たり250gであった。彼はその半分を
老いた両親に分けていた。「まるで間もなく死ぬと顔に書いてあるようだ。」彼は突然路上で
倒れる市民を何人も見ていた。疲れを感じた彼はベンチで休んだ。雪の降る路上を見つめる彼は
雪が人形に盛り上がっているのを認めた。誰かがそこで倒れていたのだ。
全般的に男は女より先に倒れた。健常者は慢性廃疾者より先に餓死した。平等に配給された食糧は
運動量の多い者には少な過ぎたのだった。ロシア大統領になったウラジミール・プーチンも兄の
一人をこの時期に失っている。(彼自身はまだ生まれていない。)人々は愛犬を食べた。歴代に皇帝と
過ごして来たエルミタージュの猫が守衛の1ヶ月分の給料で売られていたという記録も残っている。
ネズミはドイツ軍の前線へと逃げ出した。1月電気が完全に止まり、ラジオが沈黙した。1日に4千人の
市民が餓死したと言われている。
- 521 :名無し三等兵:2015/01/18(日) 20:51:44.80
- この頃になると、モスクワ戦での勝利に気をよくしたスターリンの心に、ラトガ湖から黒海に至る
全戦線での攻勢というアイデアが芽生えた。1942年1月5日、国家防衛委員会のメンバー、参謀総長
ボリス・シャポシニコフ元帥ら軍幹部、軍需物資の生産を担当するニコライ・ボズネセンスキー
第一副首相らが招集された。
スターリンはシャポシニコフに各方面の情勢と作戦計画案の説明を求め、一通り聞くと一同に告げた。
「ドイツ軍はモスクワでの敗戦に意気消沈している。奴らの冬季戦準備は全くなっとらん。今こそ、
総攻撃に移る絶好の機会である。」ジューコフは発言を求めた。「西部正面の各戦線は攻勢を継続
しなければならない。しかしそのためには、兵力や資材の補給が必要だ。とりわけ戦車が必要だ。
この際西部正面の部隊を強化し、他方面では当面は持久すべきであろう。」ボズネセンスキーが彼を
支持した。ソ連軍の兵站能力は限られていたのだ。しかしスターリンの腹心のマレンコフと秘密警察を
掌握するベリアはスターリンに追従した。「君はいつでも未来の事を難しいと言う。悪い癖だ。改め
た方がいい。」スターリンの一言で会議は終わった。「これで話をやめようと思う。」
人々が退席する時、シャポシニコフはジューコフに話しかけた。「時間の無駄だったな。最高司令官は
既に決心していたよ。部隊には命令済みだ。」ジューコフは思わず疑問を口にした。「それでは何故
最高司令官は意見を求めたのだろう?」シャポシニコフはため息をついた。「わからないね。君、
それはわからないよ。」
- 522 :名無し三等兵:2015/01/23(金) 22:12:34.49 ID:uPdEq0sF.net
- 待ち遠しい。
- 523 :名無し三等兵:2015/01/24(土) 09:49:21.17
- スターリンの企図した全戦線での反攻は、北方ではマーセルカ地峡で始まった。6個師団と4個旅団
から成るソ連軍はカルフマキ奪還を目指して、フィンランド第2軍団を攻撃した。
しかし、ソ連軍の内情は厳しいものがあった。例えば前年12月18日に到着したばかりの第367狙撃
師団は、兵員こそ10910名を擁していたが、将校の多くは予備役出身で、小隊長は士官学校を卒業
したばかりの少尉達であり、下士官兵は30代後半の老兵であった。砲も不足し、対空砲は1門も
無かった。兵士達にはベルトも無く、軍服も数週間洗濯されていない有様であった。
ソ連第186狙撃師団第290連隊による攻撃には支援砲撃も無かった。最初の突撃はフィンランド軍の
弾幕砲火により粉砕された。兵士達は見ているだけで良かった。しかし、休息は束の間であった。
ソ連軍はウォッカで兵士の攻撃精神を煽り、容赦なく大勢の兵士を攻撃に注ぎ込んだ。
- 524 :名無し三等兵:2015/01/31(土) 11:30:34.46 ID:HPizlm/7.net
- https://www.youtube.com/watch?v=eFXZKL-stB4
- 525 :名無し三等兵:2015/01/31(土) 12:18:59.93
- 「戦車を前進させよ。」ソ連第290連隊のN.V. アザロフ少佐は、幅広のキャタピラと大口径砲を
持つ新鋭戦車T34を投入した。ソ連軍は500mほど進んだが、高地に陣取ったフィンランド軍が
攻撃を阻んだ。しかし、ソ連軍は執拗に攻撃を続け、クルヴィ村付近でフィンランド軍陣地を
突破した。
「敵は重火器に不足している。攻撃の主力は歩兵だ。」フィンランド第2軍団長ラーティカイネン
少将は、総司令部に増援を求めた。フィンランド軍はカイ・サボンヨウシ中佐率いる第3旅団と、
アーニスリンナと改名されたペトロザヴォーツクから装甲列車2号と第2列車砲中隊を送り込んだ。
「モッティ戦術で敵を締め上げる。」フィンランド第4連隊第9中隊長のヴァイノ・キヴィネン大尉
は、整列した兵士に告げた。ソ連第367狙撃師団を包囲すべくフィンランド軍は反撃を開始した。
- 526 :名無し三等兵:2015/02/01(日) 14:00:45.61 ID:SSBabOnQ.net
- 1939年11月30日時点のフィンランド陸軍の装備していた火砲
A)砲口径100mm以下で駐退装置があるもの
総数 配備数 予備
1)75K02 12 12 -
2)76K00 21 18 3
3)76K02 192 192 -
4)76LK10T.13 72 71 1
5)76K22 4 4 -
6)76K23 4 4 -
合計 305 301 4
1)75K02:スウェーデン製
2)76K00:ロシア帝国製1900年式野砲
3)76K00:ロシア帝国製1902年式野砲
4)76LK10T.13:ロシア帝国製1913年式軽榴弾砲?(SHORT GUN)
5)76K22:フランス、シュナイダー社製、輸出用モデル?(COMMERCIAL MODEL)
6)76K23:フランス、サンシャモン社製、輸出用モデル?(COMMERCIAL MODEL)
- 527 :487:2015/02/01(日) 14:13:41.55 ID:SSBabOnQ.net
- いかん、文字ずれが
1)総数12、配備数12、予備0
2)総数21、配備数18、予備3
3)総数192、配備数192、予備0
4)総数72、配備数71、予備1
5)総数4、配備数4、予備0
6)総数4、配備数4、予備0
4)
5)
- 528 :名無し三等兵:2015/02/02(月) 23:42:10.41 ID:5GCkDU1x.net
- 見事に「年代物」ですね。
- 529 :名無し三等兵:2015/02/03(火) 09:48:00.86 ID:KPKASYEW.net
- そういやフィンランドに流れたとされる日露戦争の時に使われた
日本の野砲はどうなった?
- 530 :名無し三等兵:2015/02/03(火) 12:06:27.42 ID:SgBg1Jz/.net
- ハメーンリンナの砲兵博物館に行ったら展示してたな。
- 531 :名無し三等兵:2015/02/03(火) 16:03:33.62 ID:yiZZur2X.net
- ロシア、ソ連とフィンランドの間を行ったり来たりしてた、クルップ15センチ野砲かな。
あれは日露戦争用に生産したけど間に合わず、余剰になった砲を帝政ロシアに売却。
白軍が使ってたけど、赤軍が捕獲。
それをフィンランド独立戦争時に赤軍が持ち込んで、フィンランド軍が捕獲。
冬戦争でソ連軍に捕獲されて、更に継続戦争でフィンランド軍が捕獲。
よくもまあ、あちこちで使われたもんだね。
- 532 :名無し三等兵:2015/02/03(火) 17:15:57.79 ID:Y/ZFT1i5.net
- 弾はどうしたんだろう
- 533 :487:2015/02/04(水) 00:58:12.96 ID:rMuPTlNC.net
- 三一年式山砲は75VK98という名前で戦間期に44門保有。
弾薬は同じ口径で合うものを融通していたとかですかねえ。
- 534 :名無し三等兵:2015/02/04(水) 02:03:27.57 ID:mnjSJF1S.net
- 普通に生産すんだろ
何でもかんでも貰ったものと拾ったもの使いまわすこと前提にするなよw
- 535 :487:2015/02/04(水) 07:35:34.85 ID:rMuPTlNC.net
- >>534
それもそうですよねw
いい加減なことを書いてしまい失礼しました。
- 536 :名無し三等兵:2015/02/04(水) 20:01:40.14 ID:j2mQpCiB.net
- 世界で見つけたMade in Japan見てたら
現代のフィンランドでも日本の竹製品が大人気だったな
軍人じゃなくて奥様方にだけど
- 537 :名無し三等兵:2015/02/05(木) 00:24:10.02 ID:fAqX0dxy.net
- >>534-535
フィンランドの生産能力を考えると、どこまで砲弾や銃弾を自国生産していたか、
知りたいですね。
やはり、お隣のスウェーデンから大量に購入していたかも。
- 538 :名無し三等兵:2015/02/05(木) 11:38:53.81 ID:/9QEa4SC.net
- >>536
日本の竹製品が大人気って一瞬竹やりを思い浮かべてしまった。 w
- 539 :名無し三等兵:2015/02/05(木) 15:05:26.43 ID:gHzcx8Ke.net
- >>537
常識論で言うと、戦争中に銃砲弾まで供与しちゃうと中立は通らない
大戦中スウェーデンは枢軸に鉄鉱石はじめ大量の戦略物資を供給してるけど、でも逆に言えば資源止まり
冬戦争時に連合各国はフィンランドに航空機始め大量の兵器をくれたけど、あれはソ連の国際連盟除名などと一環の意思表示でもう中立じゃなかったし
まあアメリカがレンドリースでその辺の国際常識蹂躙しちゃうんだけどねw
でもスウェーデンがそれをやって通るかというと疑問だし、あえてするまでの動機もなかった
裏ではいろいろ強力はあったろうが、それはあくまでも裏の事でしか無いよ
- 540 :名無し三等兵:2015/02/05(木) 16:28:50.24 ID:73bsa27F.net
- まあスウェーデンはフィンランドにDBエンジンを融通してたけどな
あくまで裏の話だろうけど
- 541 :名無し三等兵:2015/02/05(木) 19:24:56.72 ID:+YtxgsC3.net
- >>538
日本製の竹の編み針がニット大国フィンランドで大人気なんだとさ
手触りが良くてしなやかで疲れないんだそうな
スキーのストックに重宝してた頃は流石に凝った加工はしてなかったろうが
時を越えて同じ素材が受けてるのは面白かった
- 542 :名無し三等兵:2015/02/06(金) 23:01:29.67 ID:M4a0/MQ2.net
- 国を挙げて支援した「冬戦争」とは違い、「継続戦争」ではこっそりと支援したでしょうね。
スウェーデン人義勇兵は、映画「Tali-Ihantala1944」に登場してる。
>>540
スウェーデンが勝手にコピーしたワスプエンジンも供給してますね。
フォッカーD-21とかミルスキに積んでます。
- 543 :名無し三等兵:2015/02/08(日) 09:32:36.20
- 戦線の延伸に伴って、ブルーステル戦闘機が集中配備されたフィンランド空軍第24戦隊も
東カレリアに進出していた。ソ連軍の反撃が始まったカルフマキ上空では激しい空戦が
展開された。戦隊長のマグヌッソン中佐は、任務から戻った部下からの報告に眉をひそめた。
「長鼻、低翼、流線型ボディの初めて見る戦闘機に英国のハリケーンか。」モスクワ
防空戦で活躍したMiG-3やレンドリースに基づき供与されたハリケーン戦闘機などソ連軍には
新鋭機が到着しつつあった。
7日には、冬戦争を指揮したメレツコフ大将の指揮するソ連ヴォルホフ戦線がレニングラード
西方で攻勢を開始した。アンドレイ・ウラソフ中将の指揮するソ連軍主力第2突撃軍はドイツ軍
戦線を突破し、ヴォルホフ川を越えた。
- 544 :487:2015/02/11(水) 19:31:06.97 ID:Cre5phbx.net
- 1939年11月30日時点のフィンランド陸軍の装備していた火砲
B)砲口径100mm以上で駐退装置があるもの
1)107K10t.13 総数11、配備数10、予備1
2)122H09t.10 総数70、配備数69、予備1
3)150H14J 総数12、配備数12
4)152H10.13 総数8、配備数8
5)152H15-17 総数12、配備数12
合計 総数113、配備数111 予備2
1)107K10t.13:フランス、シュナイダー社開発ロシア帝国プチロフ工廠製
2)122H09t.10:ドイツ、クルップ社開発、ロシア帝国ライセンス製造
3)150H14J:日本、三十八式十五糎榴弾砲
4)152H10.13:フランス、シュナイダー社開発ロシア帝国プチロフ工廠製
5)152H15-17:フランス、シュナイダー社製
- 545 :名無し三等兵:2015/02/11(水) 20:55:31.75
- この日、フィンランンド群参謀総長ヘインリヒスは、ベルリンのドイツ国防軍最高司令部(OKW)を
訪問した。「目下の状況を鑑みると、この先の攻勢は現実的ではありません。」彼はソ連軍の反撃
を念頭に置きながら、告げた。OKW総長のカイテル元帥は激しく反発し、ベロモロスク攻撃の必要性
を強調した。一方で、ヘインリヒスはドイツ軍の戦略予備の状況とレニングラード方面への作戦
意図について探るよう、マンネルへイムから命ぜられていた。しかし、この点に関しては、カイテルは
何も語ろうとはしなかった。
12日、ヒトラーはドイツ海軍司令官レーダー元帥と会見した。「海軍の主力をノルウェイに派遣せよ。」
ヒトラーは、英米のソ連向け船団を危険視していた。1941年末までに戦車752両、戦闘機799機、
各種車両1404両、10万tの物資がソ連に送られていた。さらに彼は、英国によるノルウェイ奪回作戦を
恐れていた。
- 546 :名無し三等兵:2015/02/11(水) 23:55:41.02 ID:nOm+9skE.net
- >>544
>駐退装置があるもの
つまり、駐退装置が装着されていない砲があったと・・・
- 547 :名無し三等兵:2015/02/13(金) 09:56:35.59 ID:9wiXmtY8.net
- 前装式もどさくさに紛れて使ってそうな雰囲気が....
- 548 :487:2015/02/15(日) 23:57:05.36 ID:+k657OdD.net
- >>547
イタリア軍はWW2でも一部で前装式152mm砲をつかっていたらしいですからねえ。
駐退装置無しもちょっとみてみます。
- 549 :名無し三等兵:2015/02/21(土) 22:29:49.63
- レーダー提督は、新鋭のナルヴィク級駆逐艦で編成された第8駆逐艦戦隊と第8魚雷艇隊を
ノルウェイに派遣すると共に、主力艦にも出動を命じた。潜水艦隊司令デーニッツ提督も
大西洋戦線から貴重なUボート10隻を抽出し「ウラン戦隊」を編成した。1月16日、当時
世界最大級の戦艦ティルピッツがトロンハイムに入港した。
同じ日、遥か南のウクライナではSSフィンランド義勇兵大隊が悪路に悩まされながらも
ロストフ付近のSSヴィーキング師団に合流した。稼働車両は1/3になっていた。フィンランド
南部ムールラ出身の17歳の義勇兵へイナカリは第4中隊に配属され、車両の運転を担当
していた。彼は実家ではトラクターを運転していたので、任務は容易なものだった。
「ドイツ軍は凄いよ。伝令は皆バイクに乗っているし、迫撃砲部隊だって自前のBMWを
持っているよ。」彼らはドイツ軍の装備に感心した。「君は運転が好きなんだな。俺は
ドイツ軍の戦車に乗りたい。祖国にはあんな戦車部隊はないからな。」彼の車の同乗
していたオーラ・オリンが話しかけてきた。車を降りて塹壕陣地に入ると、今度は霜と
強風が兵士達を苦しめた。
- 550 :名無し三等兵:2015/02/24(火) 01:13:41.51 ID:T21yAyAa.net
- 弾はどうしたんだろうか。
意外と、互換性があったのかな。
- 551 :名無し三等兵:2015/02/26(木) 18:37:58.10 ID:LHMRItRd.net
- 学研M文庫が廃止。
「北欧空戦史」はまた絶版だね。
残念。
- 552 :名無し三等兵:2015/02/28(土) 09:20:40.96
- ソ連軍の攻勢は続いていたが、一方でドイツ軍もこれを乗り切れる見通しを持ち始めていた。
ドイツ軍は、野戦部隊の再建と次期攻勢の可能性の検討を始める。ドイツ・ラップランド軍と
マンネルへイムの間のベルモルスク攻撃の議論は続いた。
マンネルへイムはフィンランド軍参加の拒否を明言することは無かったが、ドイツ軍による
レニングラード占領の重要性を強調し続けた。「マンネルへイムはドイツ軍のレニングラード
付近の戦況が好転しない限り、ベロモルスク攻撃に前向きではない。」1月20日、ドイツ軍の
ワルデマー・エルフルト大将は本国に報告している。他のフィンランド軍将官はさほど悲観的
ではないが、マンネルへイム個人を納得させる必要がある、と彼は感じていた。フィンランド軍は
これまでの戦闘で17,000人の戦死者、4,000人の行方不明者、そして59,500名の負傷者という
損害を被っている。
ドイツ軍のカイテル元帥はマンネルへイムに書簡を送った。「ソ連軍は春までには消耗し、
予備を使い果たすであろう。これはベルモルスク攻撃の助けとなる筈だ。」
- 553 :名無し三等兵:2015/03/07(土) 18:39:33.63 ID:/xDxtywP.net
- へーきへーき角川が萌えキャラの絵を表紙にして刊行するから(棒)
- 554 :反ス厨 ◆h/AOiLNoMg :2015/03/08(日) 00:25:10.43 ID:ZO3Co9u0.net
- 萌えアニメで冬戦争の凄惨さを再現できればいいな
- 555 :名無し三等兵:2015/03/08(日) 09:46:08.20
- 21日、マンネルへイムはリュッテイ大統領を訪ね、全般的な状況について意見を交換した。
最も重要な問題は食糧の確保であった。フィンランドは小麦の供給をドイツに依存している。
次に動員解除の問題があった。生産人口のほとんど総てを軍に貼り付ける事は、フィンランド
経済の重荷になっていた。作付けの始まる春までには少なくとも20%の兵士を故郷に返す
必要があった。リュッテイは戦争の見通しについて尋ねた。「ドイツ軍は想像以上に冬季戦への
準備が不足していた。彼らが東部戦線で全面的な勝利を得る見通しは厳しいと思われる。」
エルフルトはマンネルへイムの態度について報告した。「彼自身の悲観的な見通しのみならず、
フィンランド国内政局の影響も伺える。」マンネルへイムとリュッテイ大統領は、これまで
あと少しの努力で戦争は集結するとフィンランド国民に訴えてきたのだ。マンネルへイムは
2月3日、カイテルに返書を送った。「戦況が明らかに好転しない限り、フィランド軍部隊を
冬季攻勢に使う事は難しい。勿論作戦の構想そのものを諦めた訳ではないが。」
- 556 :名無し三等兵:2015/03/08(日) 15:42:01.79 ID:GAzM9KnG.net
- ('A`)
止めて・・・
- 557 :名無し三等兵:2015/03/09(月) 09:51:41.19 ID:9L8Mdu7J.net
- 戦国武将はもちろん、エースパイロット・航空機・戦闘艦。
どれをググっても萌え画像しか出てこないんだけど....。(´・ω・`)
- 558 :名無し三等兵:2015/03/09(月) 12:43:05.01 ID:Ck2cgjgT.net
- ソ連の兵器をこれくしょんするのか
- 559 :名無し三等兵:2015/03/09(月) 16:02:06.29 ID:gO4BYTr5.net
- 糞コテと萌え豚はフィンランド湾に沈めておこう
- 560 :名無し三等兵:2015/03/18(水) 17:44:45.95 ID:w7AMoQ13.net
- >>559
凍結したフィンランド湾を渡らせよう・・・
- 561 :名無し三等兵:2015/03/26(木) 22:04:55.27 ID:Jl0p/I06.net
- バッファローのレストアは進んでいるのかしら。
- 562 :名無し三等兵:2015/03/29(日) 10:32:11.77
- 2月6日クルヴィを包囲するフィンランド第8師団が激しい準備砲撃の後、攻撃を開始した。
第35連隊がモッティに閉じ込められたソ連第367狙撃師団第1221連隊の防衛線を突破する。
間もなく第1217連隊と1219連隊の連絡も途絶した。
7日午前3時、フィンランド軍は攻撃を再開した。ソ連第367狙撃師団は壊滅した。4000名の
ソ連兵の死体が確認された。捕虜は152名。ソ連第1217連隊の生き残りは僅か28名であった。
フィンランド軍は121名を失っている。この攻撃に参加したフィンランド第8師団のオットー・
コインヴァンガーサは回想する。「道路の両側はソ連兵の死体で埋め尽くされていた。凍死した
兵士達はお互い支え合って、立ったまま凍り付いていた。」フィンランド第4連隊第9中隊の
タウノ・カホネン伍長は2人の戦友と共に、T34の残骸によじ上った。戦車の周囲では多数の
ソ連兵の遺体が雪の中で折り重なっていた。
10日、これまでの戦闘で多数の装備を手に入れたフィンランド戦車大隊は2個大隊から成る
戦車旅団に拡大された。15日にはBT戦車を改造したBT42から成る突撃砲大隊も編成される。
ラップランドにはドイツ第7山岳師団が到着し、トロンヘイムには北極海における通商破壊
作戦のため、オットージリアックス提督率いるポケット戦艦アドミラル・ヘーア以下の艦隊が
到着した。
- 563 :名無し三等兵:2015/04/04(土) 11:09:19.78
- レニングラードの市民は長いこと体を洗っていなかった。薪も燃料も無かった。それでも市民は
髭だけは剃るよう心がけていた。新しいエチケットも確立された。それは、食料のことを話題に
しない、というものであった。ロザック少佐はある寒い夕方、ラジオ委員会の初老の男と会話した。
彼は数時間もの間、カントとヘーゲルのことをまくしたてた。モスクワ方面での善戦が市民に
力を与えていたのだ。
3月5日、クイビシェフで、ボリショイ劇場オーケストラがショスターコヴィッチ交響曲第7番の
初演を行った。4楽章から成るこの交響曲のスコアは連合国各国へ運ばれ、反ファシズムの象徴
としてショスターコヴィッチの名は国際舞台に踊り出る事となる。
- 564 :名無し三等兵:2015/04/11(土) 20:46:34.83
- 前年の短期決戦失敗により、ドイツは対ソ長期戦を覚悟せねばならなくなった。そこでヒトラーは
まずソ連の兵站を支える連合国のレンドリースの妨害に乗り出した。3月6日には戦艦ティルピッツ
が出撃し、21日には重巡洋艦アドミラル・ヒッパーが駆逐艦3隻、水雷艇2隻と共にトロンハイムに
到着した。
28日、ドイツ参謀本部は新たな攻勢計画をヒトラーに提出した。この作戦は当初「ジークフリート」
と名付けられていたが、伝説上の人物名は演技悪いという理由により、ヒトラーによりブラウ(青)
作戦と改名された。4月5日、ヒトラーは総統命令第41号としてブラウ作戦を東部戦線の各司令官に
通達した。戦争経済を重視するヒトラーが掲げた戦略目標はコーカサスの油田地帯であった。前年の
ドイツの人的損失は膨大であり、練度、士気、装備の劣るルーマニア、スロバギア、イタリア、
ハンガリー及びクロアチア軍にまで支援を頼まざるを得ない状況であったが、南方軍集団の装甲師団
には、装甲と火力を強化した新型の三号及び四号戦車が優先的に補充された。
- 565 :名無し三等兵:2015/04/12(日) 00:14:19.07 ID:L9vDoU//.net
- 綺麗な姿で蘇るといいなあ<バッファロー
- 566 :名無し三等兵:2015/04/12(日) 21:02:33.19
- 4月10日、レニングラード北東のスヴィル戦線で、ソ連軍は第3海軍歩兵旅団、第114、第272、
第368狙撃師団により、フィンランド第5及び第6軍団の継ぎ目に攻勢をかけた。ソ連軍は工場から
到着したばかりのKV1戦車に掩護されていた。フィンランド軍にはこの戦車を破壊する対戦車砲は
なく、ソ連軍は易々とスヴィル川を渡り、橋頭堡を築いた。
この地域のフィンランド軍司令官レンナルト・オシュの動きは素早かった。彼は直ちに呼びの第11、
17師団を反撃に投じた。フィンランド軍は拠点となるレンガ工場を中心に濃密な防衛線を敷いた。
KV1重戦車には、76mm高射砲で対抗し、工兵が火薬を増量した地雷で肉薄攻撃をかける。14日、
フィンランド第11師団がソ連軍橋頭堡を包囲した。数台のKV1、そしてT34戦車が戦線を突破したが、
その全てが撃破された。その後の10日間の激戦で、ソ連軍の攻勢は雪解けの泥水の中に潰えた。
ソ連軍は1万名を失い、フィンランド軍は440名が戦死した。
「この戦車は動くぞ。」23日夜、戦車大隊から派遣されたラウリ・ヘイノと技術者のヘルミネンと
工兵達が1台のKV1をフィンランド軍戦線に移送した。これに気付いたソ連軍が、大量の砲弾を撃ち
込んで作業を阻止しようとしたが、装備に不足するフィンランド軍は命がけで作業を続けた。KV1は
鋳造砲塔の1942年型で、同じ時期に捕獲されたT34と共に修理の後、実戦部隊に引き渡された。
- 567 :名無し三等兵:2015/04/19(日) 09:44:23.08 ID:30TyAKqK.net
- ところで本編どうなったんだろ?
もう8ヶ月も音沙汰無し。w
- 568 :名無し三等兵:2015/04/26(日) 12:04:05.12
- 次のソ連軍の反撃は、4月の下旬であった。ムルマンスクへ揚陸された援助物資を輸送する
キーロフ鉄道は何としてでも守らねばならない。北部戦線に2個狙撃師団が輸送され、24日
ソ連北部戦線司令官フロロフ中将は、第14軍の3個狙撃師団、2個海軍歩兵旅団及び1個スキー
旅団を繰り出して反撃に出た。
大口径砲が不足していたため、76mm砲33個中隊が準備砲撃を行った。空軍の支援のもと
第186狙撃師団と第80海軍歩兵旅団が前進を開始した。独立第374、376戦車大隊が
キエスティンキ、第377、429戦車大隊がサッラへの攻撃に参加している。キエスティンキ
付近にいたSSノルド師団正面にはソ連第23及び263狙撃師団が、その南のフィンランド
J師団にはソ連第67狙撃師団が攻撃を加えた。
ソ連第8スキー旅団は戦線を迂回して、SSノルド師団後方に回り込んだ。ソ連軍もまた
彼らが散々痛めつけられたモッティ戦術を試みようとしていたのだ。
- 569 :名無し三等兵:2015/04/28(火) 23:44:44.82 ID:ZYR0j/gU.net
- 更新を待ちましょう。
- 570 :名無し三等兵:2015/04/29(水) 14:18:14.15
- SSノルド師団高射砲大隊ラインホルト・グレイナーはここで初めて対空戦闘を経験した。
ソ連軍のラタ(ネズミ)の異名を持つI-16戦闘機の群れが低空からキエスティンキの倉庫群に
機銃掃射を加えた。グレイナーは37mm対空機関砲に取り付いた。しかし37mm砲は発射速度
が遅く、1機として撃墜することは出来なかった。
トラックが横転し、バラックからは黒煙が上がっていた。負傷兵が衛生兵の肩を借りながら
よたよたと歩いている。「被害甚大だな。」彼は仲間と顔を見合わせた。「お前達は義務を
果たした。奴らが少しでも仕事をすれば、1機は撃ち落とせたんだ。」中隊長のSS大尉は、
すぐ近くのアラド飛行場の空軍の対空機関銃部隊の不活発さをなじった。
25日、ソ連第263狙撃師団は3台のKV1及び同数のT34戦車と共に攻撃を前進を開始した。
SSノルト師団は第40特別戦車大隊の1個中隊の支援を受け、フィンランド第6師団を共に
防衛戦を展開した。KV1の1台は対戦車砲によって撃破され、2台は道を外れ沼地でスタック
した。T34は前進することさえ出来なかった。27日にはドイツ第163師団が応援に駆けつけ、
戦線は膠着した。
- 571 :名無し三等兵:2015/05/10(日) 11:59:05.31
- この頃トロンヘイムに集結したドイツ艦隊は、空軍と協力して活発な作戦を展開していた。
19隻の輸送船から成るPQ13船団は空海からの攻撃により、5隻を失った。ドイツ駆逐艦隊は
護衛していたイギリス本国艦隊の軽巡洋艦トリニダードと交戦した。この時トリニダードは
自ら発射した魚雷が命中し、大破している。続くPQ14船団はドイツ軍機に捕捉され、潜水艦
U403の雷撃により1隻の輸送船を失い、船団を構成する25隻のうち17隻はアイスランドの
レイキャピックに逃げ戻った。
28日には、ドイツ偵察機が25隻の輸送船と12隻の護衛部隊から成るPQ15船団を発見した。
第26爆撃航空団が出撃し、ドイツ空軍初の魚雷攻撃を行い3隻を葬った。さらに護衛部隊は
衝突事故により駆逐艦パンジャビを失い、英戦艦キングジョージ5世及び米戦艦ワシントンが
損傷し、さらに同士討ちのためポーランド潜水艦ヤストルザブが沈没している。
加えて、レンドリースの代金である4.5tの金塊を積んでムルマンスクを出港したQP11船団の
護衛艦隊旗艦、軽巡エディンバラも3隻のドイツ駆逐艦の襲撃を受け、金塊と共に沈んだ。
ちなみに、この金塊は約40年後の1981年9月に引き揚げられている。
- 572 :名無し三等兵:2015/05/21(木) 13:34:49.22 ID:SrkRwE+Y.net
- >>565
フィンランド空軍仕様でレストアされえる予定と聞きました。
果たして、「ハカリスティ」がちゃんと描かれるかどうか・・・
- 573 :名無:2015/05/22(金) 15:35:51.83 ID:gt6Fd+RY.net
- >>572
無理だよなあ。伍長のせいで。
- 574 :名無し三等兵:2015/05/26(火) 07:17:17.02 ID:SlFv1jhr.net
- ちゃんと描かれると思うよ
レストアされたグロスターゴーントレットなんか
ハカリスティばっちり描かれてて、しかも飛び回ってる
- 575 :名無し三等兵:2015/05/26(火) 17:38:01.63 ID:H/ZjoXm1.net
- >>574
フィンランドやスウェーデンならば、ハカリスティはそのまま描かれているね。
が、アメリカでは・・・どうだろう。
- 576 :名無し三等兵:2015/05/27(水) 07:13:12.49 ID:nqZ3/PpI.net
- スミソニアンのドイツ機はハーケンクロイツつけてたし
ペンサコラの航空博物館もつけてたと思う
そういえばフィンランドのBBSで、国籍マークをハカリスティに戻す運動やろうぜとか盛り上がってたな
戦後の使用禁止は言いがかりもいいところだしね
- 577 :名無し三等兵:2015/05/27(水) 21:29:23.31 ID:EOqsljpb.net
- てす
- 578 :名無し三等兵:2015/05/31(日) 09:22:31.82
- 極北でも4月27日、ソ連軍は44隻の船舶に便乗した第12海軍歩兵旅団をドイツ軍背後に
上陸させた。5月1日になるとリツァ川の橋頭堡もソ連第10親衛狙撃師団、第14狙撃師団の
攻撃を受けた。ドイツ・ノルウェイ山岳軍団長フェルディナント・シェルナー少将は
後方部隊の兵をかき集め、自ら最前線でライフルを打ちながら兵士を叱咤激励した。
一方で軍規違反者には過酷な処罰が課せられた。
シェルナーはミュンヘン出身の陸軍将校で、第一次世界大戦ではアルペン軍団の一員として
フランス、セルビア、ルーマニア、北イタリアを転戦した。1917年秋のカポレット攻勢
におけるコロヴラト・リッジの戦いでは、ヴェルテンベルグ山岳猟兵大隊のロンメル中尉と
1114高地一番乗りを争い、バイエルン出身の陸軍少尉として唯一のブルー・ル・メリット
勲章受賞者となっている。
- 579 :名無し三等兵:2015/06/07(日) 07:27:54.53
- 一方ソ連軍も第152狙撃師団を新たに投入した。この師団はヴォルガ地方で17の民族から
徴兵された11370名の兵士から編成されている。「70kmを踏破する。行軍計画を立案せよ。」
師団長グレゴリー・ヴェーヒン大佐は幕僚に命じた。
行軍初日は春のようによく晴れた日であった。兵士は薄着で出発した。しかし、夜になると
風は北西に変わり、湿った重い雪に道路は塞がれた。車での移動は不可能となり、兵も荷物も
動きが取れなくなった。やがて気温が下がると吹雪となり、冷たい風と拳大の氷の塊が兵士を
襲った。橇を引く馬が次々と斃れる。「白い狂気だ。」アウグスト・オレストフ軍曹は
凍えながらも日記に書き留めた。兵は雪の中の穴に潜むしかなかった。
風が止むと行軍が再開された。食料も炊事設備も荷物も吹雪の中で失われてしまった。
やがて衰弱した兵士が倒れ始めた。前を歩く兵が倒れると連れれるようにその後ろの者も
倒れた。「救護は無用。そのまま進め。」将校は命じた。この場合、戦友を助けることは
死を意味した。兵士の最期を看取るのは将校の仕事だった。「小隊長、ここで死んだと家族に
伝えてください。」オレストフは若い少尉の手を握りながら息を引き取った。
この行軍で484名が凍死し、1683名が凍傷のため後送された。
- 580 :名無し三等兵:2015/06/11(木) 22:32:57.23 ID:uSCyfiRe.net
- 俳優クリストファー・リーのご冥福をお祈りします
冬戦争にイギリスの義勇兵として参加されました
- 581 :名無し三等兵:2015/06/13(土) 21:54:50.15
- 第152狙撃師団の隊列はなおも前進を続けたが、遂にドイツ軍の砲撃に晒されることとなった。
ソ連軍は繰り返し攻撃を続けたが、その都度屍の山を築いた。ドイツ軍陣地正面の無人地帯
には無数の死体が横たわり、放置されたままとなった。風向きが悪いと悪臭は兵士にとって
耐え難いものとなった。
シェルナーの必死の防戦と過酷なツンドラの自然環境は、ソ連軍を消耗させた。5月13日、
ソ連軍橋頭堡は放棄された。だが、ドイツ軍の反撃も兵力不足によって力尽きた。シェルナー
は「北極圏には何もない。」とコメントを残している。
この話には後日談がある。数ヶ月後、オレストフの妻は一人の少尉の書いた手紙を受け取った。
「あなたの夫は英雄的な戦死を遂げました。伝え聞くところによりますと、ムルマンスク湾岸に
墓が用意されました。彼とその戦友は最大級の敬意と共にそこに眠っています。」
- 582 :名無し三等兵:2015/06/13(土) 23:50:37.39 ID:Qh3OQAHX.net
- それはまた凄い経歴をお持ちですね。
どんな部隊におられたのだろうか。
- 583 :名無し三等兵:2015/06/15(月) 17:54:37.75 ID:18EQZ6fy.net
- スケールアヴィエーション誌で、イリューシンIl-2シュツルモビクを作った梅本さんが
フィンランド空軍の事をちょっと書いてる。
忘れてなかったんだね。
- 584 :名無し三等兵:2015/06/16(火) 19:06:18.77 ID:82cnx1JM.net
- >>582
後方部隊で警備任務だったようですね
(イギリスのような支援国の兵隊は丁重に扱われた)
その後RAFの地上勤務から中東やイタリアなどに赴任されてます
冬戦争に参加した世代もどんどん亡くなっておられるかと
- 585 :名無し三等兵:2015/06/20(土) 22:48:19.99
- ニコライ・ヴォロノフは砲兵総監として、赤軍砲兵の再建に尽力していた。彼は前年の戦いで
ドイツ軍の突撃砲の威力に驚嘆していた。軍中央砲兵理事会は自走砲開発を強く要求したが、
戦車の生産に追われるソ連軍機甲局には余裕は無かった。ヴォロノフはT34戦車の主要工場と
なったウラル重機械工場に機甲砲兵局を設立し、自ら自走砲開発にあたることにした。ここは、
元々スターリングラード・トラクター工場向けにシャーシと溶接砲塔を供給していた工場である。
主砲兵設計チームのペトロフ将軍、グラービン技師とトロヤーノフ技師が共同で自走砲の開発に
あたることとなった。さらにソ連軍砲兵総局は戦車工業人民委員部の協力の下、書く装甲車両の
設計局に対戦車砲よりも歩兵支援に適した口径の大きな榴弾砲を搭載する車両の開発要求を提出
した。
- 586 :名無し三等兵:2015/06/26(金) 12:41:27.77 ID:mRfnk4c5.net
- >>584
そうでしょうね。
1939年に25歳だったとして・・・今は91歳。
フィンランドでも多くの方が鬼籍に入られてしまっている事でしょう。
- 587 :名無し三等兵:2015/06/27(土) 22:15:04.23
- 6月3日の晩、フィンランド空軍第24戦隊のユーティライネン准尉は、急いで出頭するよう
命ぜられた。任務の内容は何も知らされず、飛行場には緊急発進に備えるブルーステル
戦闘機の姿が見られた。翌日の晴れた朝、ハッセ・ウィンド中尉の指揮する5機の戦闘機は、
見た事の無い巨大な4発エンジン機を含む大型機の編隊と会合した。
フィンランド軍機に護衛され、カイテル元帥、ティートル上級大将、デーニッツ提督ら
ドイツ軍高官を乗せたハインケルHe111数機、そして総統専用機フォッケウルフFw200
コンドルが、フィンランド空軍イマトラ基地に着陸した。フィンランド軍司令部代表と
してベルリンに駐在していたタルベラ少将もコンドルに乗機している。
ドイツ第3帝国総統ヒトラーが、マンネルヘイムの75歳の誕生日を祝うため、フィンランドを
訪問したのだった。専用機のタラップを降りるとヒトラーは辺りを見回した。「ここが
フィンランドか。なんと美しい国だ。」
- 588 :名無し三等兵:2015/06/28(日) 09:53:31.42 ID:gCZB39LE.net
- >>586
いやいや、彼は棺の中で密かに復活の時を待っているに違いない。
- 589 :名無し三等兵:2015/06/28(日) 21:32:13.99
- 事前調整もないこの強引な来訪はマンネルヘイムを困惑させた。連絡を受けたマンネルヘイムは、
公式行事ととられぬようミッケリやヘルシンキを避け、ヒトラーが到着したイマトラ基地近くの
列車の中で訪問客を迎えた。彼は、とりわけアメリカに対してフィンランドがドイツの同盟国で
あるかのようなメッセージを送らぬよう細心の注意を払おうとしていた。
将軍達が並ぶ中、マンネルヘイムはヒトラーと握手をした。会食中、ヒトラーはソ連に対する
新たな作戦実行を求めたが、マンネルヘイムは何らの言質を与えなかった。食事が終わり、
マンネルヘイムはシガーに火を付けた。ドイツの随行員達は顔をしかめた。ヒトラーは大の
煙草嫌いだったのだ。しかし、ヒトラーは特に口を挟まなかった。マンネルヘイムは彼の
態度を見て、ドイツがフィンランドに対して必ずしも強い立場にないことを確信した。
ヒトラーは5時間滞在し、そして去っていった。翌日マンネルヘイムは、ミッケリの総司令部で
ロッタ・スヴァルトの代表と会見している。
- 590 :名無し三等兵:2015/07/04(土) 20:01:51.64
- この頃陸上では戦線は落ち着きを見せ、パトロール部隊による小競り合いの他は活発な戦闘
活動は無かった。前線宿舎はサウナや映画館付きの豪華なものになった。SSノルト師団は、
戦区を他の部隊に交代して再編成と訓練のためドイツ本土へ引き上げた。
一方、空の戦いは激しかった。フィンランド空軍第24戦隊のエース、ルーカネン、ニッシネン、
ユーティライネン、ペクリ、カタヤイネン達は撃墜数を伸ばしている。ドイツ第5航空艦隊は
ムルマンスクへの空襲を続けている。6月18日にはドイツ軍機は焼夷弾を投下装置ごと落とし、
乾燥した強い風のため、市の中心部から北東部に火災が広がった。アメリカのジャーナリスト、
デイブ・マルローは記事に書いた。「ロシア人でなければここには踏みとどまれない。いつか
平和が訪れたなら真っ先にムルマンスクを訪れて欲しい。」
- 591 :名無し三等兵:2015/07/05(日) 16:17:09.14
- この6月18日時点で、フィンランド空軍第24戦隊は33機のブルーステル戦闘機を有している。
開戦以来の損失は僅か1機である。
実は連合国側ではこの戦闘機はドイツのメッサーシュミットBf109には対抗できないと判断
され、主としてアジアに配備された。太平洋で戦端が開かれると、当機は瞬く間に隼や零戦
などの日本軍機に撃墜、又は地上撃破されている。事実、この時期のミッドウェイ海戦では
出撃した19機のうち13機が零戦に撃墜された。
フィンランド軍のブルーステルは、ほぼ10倍のソ連軍機を撃墜していた。英国が懸命な努力で
ムルマンスクに運び込んでいたハリケーン戦闘機も、フィンランドのエース達の前では無力で
あった。「ハリケーンそのものは良い飛行機だが、ロシア人と我々とでは腕がまるで違う。」
1977年3月にユーティライネンは、こう回想している。
- 592 :名無し三等兵:2015/07/25(土) 00:29:31.75 ID:rNZSUyvU.net
- ドラキュラだ!
- 593 :名無し三等兵:2015/07/25(土) 19:11:57.70
- 東カレリアの前線視察に出かけたマンネルヘイムは、6月20日にポヴェンツァの第35連隊の
陣地を訪れた。そこはソ連軍の砲弾が撃ち込まれるまさに最前線であった。マンネルヘイムは
塹壕内を歩き、双眼鏡で敵陣を観察し、案内役の将校の説明に耳を傾けた。敬礼する兵士達に
ねぎらいの言葉をかけるとマンネルヘイム一行は、松林の中を司令部へ向かった。その時、
砲弾の飛翔音がした。
「伏せろ。」轟音が轟き、破片が降り注いだ。この時、マンネルヘイムを護衛していた第35
連隊第3大隊のアーティ・ペトラマー大尉は指三本を失った。「怪我は無いか。」随行していた
将校が駆け寄った。「怪我は無いかだと?馬鹿を言うな。大尉は三本の指を失っているぞ。」
一行は騒然となった。ペトラマーは顔を苦痛に歪ませながらも答えた。「我々は幸運です。
元帥がご無事なのですから。」マンネルヘイムは、その場で彼を少佐に昇進させた。
- 594 :名無し三等兵:2015/08/07(金) 01:20:43.94 ID:rxbuvLSV.net
- フィンランドも暑いのかねえ・・・
- 595 :名無し三等兵:2015/08/08(土) 21:31:37.15
- マンネルヘイムは多忙であった。フィンランド軍は25万人体制への移行を始めていた。
フィンランド産業は労働力を渇望していたのだ。
第12、19、第2猟兵旅団、そして各師団の偵察大隊は解散し、標準的な師団は2個連隊
(現役兵、応招兵各1個連隊)と1個独立大隊(現役兵)によって再編され、4個大隊を
持つ6個旅団が新編された。こうして比較的年配の兵士を中心に10万人が復員した。
砲兵総監のネノネンは砲兵部隊の整備に余念がなかった。41年の戦闘で800門以上の
野砲を手に入れた他、ネノネンはドイツからも大量のフランス製野砲を買い付けた。
さらに国内工場でボフォース105mm榴弾砲140門が生産された。彼は使用砲の整理も
行った。あまりにも多種多用な砲が使用されていたため、弾薬の補給が非効率になって
いたのである。これらの装備により、独立野戦砲兵部隊の装備も可能な限り更新された。
- 596 :名無し三等兵:2015/08/10(月) 00:05:02.05
- マンネルヘイムはドイツを訪れ、慌ただしいスケジュールの合間を縫って、ゲーリングの
私邸で狩猟を楽しんだ。彼はそこでヒトラーと夕食を共にしている。
厳粛な雰囲気の中、会談は行われた。同行したタルベラ少将にはヒトラーの右隣の席が
与えられた。ヒトラーに戦勝の秘策を尋ねるタルベラにヒトラーは答えた。「我々には
秘密兵器がある。」その頃ドイツ軍は、南方軍集団戦区には同盟軍を含む130万の兵力と
1900輌の戦車を集結させていた。既にクリミア半島では激戦が展開され、マンシュタイン
率いるドイツ第11軍はセバストポリ要塞を包囲していた。夕食からの帰途、タルベラは
マンネルヘイムに前線復帰を懇願した「外交の仕事は十分です。」27日、マンネルヘイムは
フィンランドへの帰途についた。
28日、フィンランド軍は第1猟兵旅団と新たに編成された装甲旅団から成る装甲師団の
発足を発表した。師団長はルーベン・ラガス少将が任命された。この日、ドイツ軍は
夏季攻勢ブラウ作戦を開始した。
- 597 :名無し三等兵:2015/08/15(土) 18:12:29.28
- ドイツ軍の夏季攻勢は順調に進展した。7月6日にはドイツ第4機甲軍がヴォロネジへ突入し、
25日にはソ連海軍の拠点ロストフが占領された。
28日、スターリンは悪名高い最高司令部命令0227を発令する。「陸軍軍事評議会及び
陸軍司令官は、状況により臆病な不安定により軍律を乱した下士官と兵士からなる懲罰
大隊を編成すべし。この舞台は最も困難な戦局に配置されたし。それによりこれらの
兵士達は母なるロシアへの罪に対する血による名誉挽回の機会を与えられる。」
- 598 :名無し三等兵:2015/08/16(日) 10:02:10.06 ID:QSgsA/7F.net
- 保守
- 599 :名無し三等兵:2015/08/17(月) 00:21:32.53 ID:YriBXc+3.net
- ちょっと前のタミヤニュースに、フィンランド大使館副館長さんが出てたね。
お祖父さん、伯父さん、父親、全てが戦車兵。
で、本人も戦車兵訓練を受けたけど、外交官となりましたとさ。
- 600 :名無し三等兵:2015/08/22(土) 10:50:51.28
- ナチス親衛隊長官ヒムラーがヘルシンキを訪れたのは、7月29日のことだった。
彼はフィンランド首相ランゲルと会談を持った。ユダヤ人問題を持ち出したヒムラーに
ランゲルは答えている。「我が国には2000人のユダヤ人がいるが、皆良き市民だ。
青年たちは銃を取って前線に立っている。我が国にユダヤ人問題は存在していない。」
ヒムラーはマンネルヘイムに自由大十字章を授与した。マンネルヘイムもユダヤ人について
ヒムラーに語った。「私の指揮下の軍に勤務するユダヤ人の離脱は認めない。」
その後、マンネルヘイムは国防省ワルデン、オロネツ集団司令官オシュ、第5軍団長マキネン
らと共にスヴィル戦線を視察した。前線視察はしばしば予告なく行われた。マンネルヘイムは
それによって、部隊の正確な状況を把握したかったのだ。
一方ヒムラーは8月2日にSSノルトランド師団を訪問し、翌日にはカナナイネンに移動し、
国防軍のボーム大将から状況報告を受けた。フィンランド第3軍団司令部では司令官の
シーラスヴォにも会っているが、彼はヒムラーに特段強い印象を受けなかったようである。
6日ヒムラーはフィンランドを発った。
- 601 :名無し三等兵:2015/08/23(日) 16:16:47.43
- 地上での戦闘が下火になった代わりに、フィンランド湾上空では激しい戦闘が繰り広げ
られている。フィンランド空軍のエースパイロット達は休む間も無く連日出撃した。
8月15日、東カレリアから移動したフィンランド第24戦隊第1中隊、白の7ことハッセ・
ウィンド中尉はBW-393号機ハリケーン2機を撃墜した。第3中隊オレンジの6、ヨルマ・
カルフネン中尉は翌16日、愛機BW-366号機の垂直安定版に白い3本の撃墜マークを描き
加えた。この日BW-373号機で出撃したオレンジの3、ニルス・カタヤイネン少尉もI-16
を2機撃墜し、スコアを13機に伸ばしている。
「10機のI-16が東進中。」18日、緊急連絡を受けたウィンド中尉は8機のブルーステルを
率いて出撃した。「セイスカリへ向かう。」高度2000mでソ連軍機を待ち伏せた彼の
視界に現れたのは60機近い大編隊であった。「救援を求む。」直ちに、カルフネン中尉と
ルンメ中尉がそれぞれ4機を率いて離陸した。
- 602 :名無し三等兵:2015/09/10(木) 22:19:29.80 ID:6sNdKYZi.net
- 復活を待つ・・・
- 603 :名無し三等兵:2015/09/12(土) 15:40:23.71
- ウィンド中尉はこの日の空戦について報告している。「4機のハリケーンと交戦し、
2連射でそのうちの1機に命中弾を与えた。その時約60機の敵戦闘機が現れた。私は
1機のI-16に火を吐かせたが、左翼に命中弾を受けた。機体を引き起こした際に、
先ほどのI-16が水面で炎上しているのを見た。さらに反航する3機のI-16の正面に銃撃を
加えたが、結果は未確認である。その後単機で飛ぶI-16を発見し、背後に回りこんで
1連射で撃墜した。」
この日フィンランド軍は1機の喪失を引き換えに、13機のI-16、ハリケーン2機、Pe-2
爆撃機2機を撃墜した。ウィンドはハリケーン2機と1機のI-16撃墜を公認された。
カルフネン、そして第3中隊のオレンジの4、ユーティライネンもそれぞれ3機の撃墜を
認められた。
8月12日からの1週間で第24戦隊は第3中隊だけで25機の撃墜戦果を上げた。
- 604 :名無し三等兵:2015/09/13(日) 16:19:34.91
- この頃ナルヴィクからはドイツ海軍のポケット戦艦アドミラル・シェーアが、駆逐艦3隻、
Uボート2隻と共に出撃している。ドイツの海空軍は北極海で暴れまわっている。7月には
PQ17船団を壊滅させ、今度はヴンターラント作戦という名の通称破壊作戦が始まったのだ。
8月24日U601はソ連船クイビシェフを撃沈した。アドミラル・シェーアは翌25日カラ海の
ゼラニア岬のソ連気象観測所を破壊し、砕氷艦シビリャコフを撃沈した。27日にはディクソン
の港を砲撃し、港湾施設と船舶2隻に損害を与えた。
9月12日、ドイツ軍飛行艇は大船団を発見した。44隻の商船と空母を含む護衛部隊から成る
PQ18船団である。ドイツ空軍の雷撃機部隊とUボートが船団に襲い掛かった。14日までに
13隻の船舶が撃沈された。
連合軍の被害は甚大であり、秋の間北方海域での大規模輸送作戦は実施が見送られることと
なった。
- 605 :名無し三等兵:2015/09/20(日) 17:42:58.03
- 9月15日、ミッケリの司令部で叙勲式が開催された。将兵が中庭に整列すると幕僚を伴って
マンネルヘイムが姿を現した。「コッコ中尉は、戦闘期間を通じて、優れた中隊長としての
資質と個人的な勇気を証明しました。敵の包囲下においても・・・」副官が授与理由を
述べると、マンネルヘイムはまず、第22連隊のラウリ・コッコ中尉に十字章を授け、彼と
握手をした。報道班員がその様子をカメラに収めていく。
「シッポラ少尉は、優れた対戦車部隊将校として・・・」第4連隊のパーヴォ・ヌオティオ
少尉に続き、10台以上の戦車を撃破した功によりマンネルヘイム十字章を授与された
アート・シッポラ少尉にマンネルヘイムは尋ねた。「何故君はリボンも階級章も付けて
いないのだ?」シッポラは直立したまま答えた。
「前線から直行して参りました。私がいる陣地では、将校であることを示すような物は
敵狙撃兵に目印を与えるので危険です。それに叙勲を予想していなかったので、着替える
時間もありませんでした。」
- 606 :名無し三等兵:2015/09/23(水) 13:51:26.51
- ドン河を渡った攻勢中のドイツ軍は、9月13日にスターリングラード市内に突入した。
ソ連軍守備隊は1日当たりおよそ2500人もの犠牲を払いながら死守を続けた。
赤軍砲兵総監ニコライ・ヴォロノフの努力は続いていた。「人員の損失は許容レベルを
遥かに超えている。砲兵保証以外にこの問題を解決する方法はない。」彼は砲兵火力
集中のための組織を整えようとしていた。10月、ソ連軍総司令部は砲兵師団18個の
編成を決定した。師団は3個砲兵連隊(各連隊は122mm榴弾砲20門を装備)、3個
対戦車砲連隊(各76mm対戦車砲24門を装備)、2個対空砲連隊(85mm高射砲24門
を装備)、さらに2個砲兵連隊(152mm榴弾砲18門)と偵察大隊、航空偵察中隊と
師団司令部から編成された。砲兵師団は、他国には例を見ない独立した火力集中部隊
であった。
- 607 :名無し三等兵:2015/10/12(月) 18:16:12.35
- コーカサスを進撃するドイツSS第5ヴィーキング師団は油田地帯の玄関口、マルゴベクに
迫っていた。フィンランド義勇大隊はここで711高地の包囲戦に参加した。ソ連軍は高台の
陣地から激しい銃砲撃を浴びせたため、大隊の所属するノルトランド連隊は夥しい死傷者を
出していた。
「君の大隊が攻撃する番だ。」連隊長フリッツ・フォン・ショルツSS大佐は、ハンス・
コラニSS少佐に命じた。10月14日、コラニSS少佐は偵察部隊の報告を待って、作戦を
立案した。「第12中隊が火力支援をする。第9、10、11中隊の進撃路はここだ。」コラニ
SS少佐は地図上にルートを示した。通訳がフィンランド人将校に彼の言葉を伝える。
数時間後、フィンランド義勇兵は711高地の山頂に達した。犠牲は大きかった。この闘いで
88名が戦死し、負傷者は346名に達していた。兵士達は711高地を「殺しの丘」と呼んだ。
- 608 :名無し三等兵:2015/10/25(日) 22:49:17.65 ID:IX4KlI8e.net
- NHK 「新 映像の世紀」
マンネルヘイムは・・・登場しないかな・・・
- 609 :名無し三等兵:2015/10/26(月) 17:55:18.53 ID:5idp4WI3.net
- ない(断言)
- 610 :名無し三等兵:2015/10/28(水) 23:40:10.95 ID:FUIkvMNv.net
- 某ニコ動の動画で冬戦争知ったけどすごいのう。
バルト三国やポーランドが次々にソ連に蹂躙されていく中人口たったの370万人のフィンランドがあれほど持ちこたえるとは。
- 611 :名無し三等兵:2015/10/29(木) 19:33:16.56 ID:X97x24AZ.net
- まあソ連がアホすぎた側面も大きいけどね
- 612 :名無し三等兵:2015/10/30(金) 00:45:52.45 ID:JlL9TxpS.net
- ソ連軍の兵隊さんは大変ですな・・・
- 613 :名無し三等兵:2015/10/30(金) 07:53:51.47 ID:tnxYvJfj.net
- 末端どころか将官まで使い捨てだからな…
- 614 :名無し三等兵:2015/10/31(土) 09:59:43.32 ID:o9wXU29Z.net
- 大丈夫!あの国の兵隊はすぐ生えてくる
- 615 :名無し三等兵:2015/10/31(土) 20:46:35.56
- 1942年のバルト海での海上戦は、主にソ連の潜水艦との間で戦われた。10月、音響装置と
兵器システムの更新を終えた3隻のフィンランド海軍潜水艦が復帰すると、それらは
オーランド諸島海域での潜水艦狩りに投入された。10月21日防潜網と機雷源の突破を
試みたソ連潜水艦S7、26日にはシチャー317、11月5日にはシチャー305の3隻のソ連
潜水艦が撃沈された。海面の凍結が始まるとソ連潜水艦は具ロンシュタットへ退避した。
バルチック艦隊航空部隊は戦闘機による空中哨戒を増やしている。フィンランド軍は
イノに前線観測班を置いていた。そこからはクロンシュタットとオラニエンバウムの
飛行場に離着陸するソ連軍機がよく見えた。フィンランド空軍第24戦隊は、基地へ
急ぐ燃料と弾薬を消耗した敵機を数多く撃墜した。11月11日ルーカネンは17機を
撃墜したBW-393をハッセ・ウィンドに譲り、偵察機部隊である第30戦隊へ異動した。
18日、3隻のフィンランド軍魚雷艇がラヴァンサーリのソ連海軍基地を強襲した。
この攻撃で、砲艦クラスノエ・ズナミヤが撃沈されている。
- 616 :名無し三等兵:2015/11/03(火) 09:37:37.34
- 11月19日、スターリングラード方面ではソ連軍の大攻勢が始まった。ソ連軍は兵力110万、
戦車804両、各種野砲13400門、航空機100機以上に及ぶ。正面にいたルーマニア軍の戦線は
21日に崩壊し、その翌日にはドン川東方のドイツ軍は包囲された。
コーカサスでもソ連軍の猛反撃は続いていた。約200名の補充中隊の増援を得た711高地の
フィンランド義勇兵は、斜面の塹壕に立てこもり、辛抱強く陣地を守っていた。12月4日、
イエーロ・ピーティア、カレヴィ・ケノネンの二人は、持ち場である機関銃座で援護のない
まま8時間に及ぶソ連軍の攻撃を耐え抜き、第1級鉄十字章を受賞した。
この頃太平洋ではニューギニア及びガダルカナル島で日米両軍が死闘を繰り広げている。
6日、フィンランド全土で独立25周年記念行事が盛大に開催された。「日本軍は進撃を
続けている。しかしこれに対するフィンランドの反応は冷ややかなものだ。」小野打は
日記に記した。
- 617 :名無し三等兵:2015/11/16(月) 20:16:35.29 ID:A37SKFrM.net
- ソ連軍がアホというか、本当にすぐ終わる演習気分でやったら、大事になって立て直すまでバタバタやられてしまい、
あたふたしてやっと建て直しはじめたら休戦ということなんだろうなあ。
あと少し休戦がのびたら逆にフィンランド側が大惨事になっていた。
- 618 :名無し三等兵:2015/11/20(金) 20:58:19.92 ID:G2pVCbHa.net
- おい電撃ネプテューヌ買おうと思ったけどどこも売り切れじゃねーか(´・ω・`)
通販でまだ買えるとこあんのか?
って書こうとしたらヨドバシにあったわ(´・ω・`)
楽天ポイント結構入ったから楽天で買いたかったのだが(´・ω・`)
- 619 :名無し三等兵:2015/11/25(水) 18:34:01.89 ID:WgmyCr6b.net
- 今月のモデルグラフィックス誌、Vol.374にBT-42が登場。
ガルパン映画に出てくるんだね。
- 620 :名無し三等兵:2015/11/29(日) 09:21:20.69
- スターリングラード方面では独ソ両軍の激戦が続いていたが、ソ連軍の反撃により約30万の
ドイツ軍が市内に包囲されていた。ソ連軍は南方だけでなく、戦線中央部のルジェフでも
火星作戦と名付けた大攻勢に出ていた。スターリンはソ連軍の兵站を支えるべく英米に
対して、北極海での物資輸送再開を執拗に要求していた。その結果、両国は12月にJW
という名の輸送船団を編成する。
一方、ドイツ海軍は戦艦ティルピッツと装甲艦アドミラル・シェーアを修理のため引き上げ
させ、代わりに装甲艦リュッツオーと軽巡洋艦ニュールンベルグを派遣した。12月30日、
潜水艦U354がJW51船団を発見する。
31日、氷と嵐の中、薄暗い高緯度のバレンツ海で、ドイツ艦隊とイギリス護衛艦隊は激突
した。戦力に劣るイギリス艦隊は勇戦し、駆逐艦2隻を失ったがドイツ駆逐艦1隻を撃沈
した。ドイツ艦隊の船団攻撃は失敗し、商船は無傷でムルマンスクに入港した。
この知らせに激怒したヒトラーは、大型艦の解体命令を発した。
- 621 :名無し三等兵:2015/12/19(土) 23:56:42.38 ID:yXGzIkGR.net
- 今年のフィンランドの冬は・・・
やっぱり寒いのかねえ。
- 622 :名無し三等兵:2016/01/16(土) 21:53:46.03 ID:gnHAcOqy.net
- 更新を期待しましょう・・・
- 623 :名無し三等兵:2016/01/17(日) 09:45:16.50 ID:7jHWarSx.net
- 年明けてからスレの広告にKV−2のプラモが出てくるんだが何故だろう?
- 624 :名無し三等兵:2016/01/29(金) 00:49:37.52 ID:CdCSizYH.net
- モデルグラフィックス誌 2016年3月号 Vol.376
ガルパン絡みで、梅本さんと斎木さんがBT-42について書いてますよ。
>>623
ガルパン映画版の影響かな?
- 625 :名無し三等兵:2016/01/30(土) 16:46:21.37
- しかし、1942年を通じてフィンランドには悲観的なムードは感じられなかった。
この頃、ストックホルム、リネガータンのアパートの5階にあったスウェーデン駐在
武官室の小野寺少将を長とする第日本帝国軍の諜報機関は、160万クローネ(現在の
価値でおよそ20億円)の予算を持ち、50人以上の工作員を擁し、活発な諜報活動を
繰り広げていた。
空気が変わるのは1943年2月2日のスターリングラードのドイツ軍敗北からであった。
ヘルシンキで小野寺の諜報組織の一翼を担っていた駐在武官の小野打は、フィンランド軍
情報将校の言葉を聞いて驚愕した。「我々は戦争に負けたのかもしれない。」
実際、ソ連は驚異的な粘り強さを見せていた。包囲下のレニングラードでは、
エルミタージュ美術館は1日も閉館することなく、日常業務を続けていた。
- 626 :名無し三等兵:2016/01/31(日) 18:25:43.85
- この頃、英米からの支援もありソ連軍の訓練と装備が改善されため、フィンランド空軍の
損害は次第に増えていた。すでにブルーステルさえも時代遅れになりつつあった。実際、
最新鋭のソ連軍機La-5sなどはブルーステルよりも最高で時速100km以上も高速で飛行して
いる。
そこでフィンランド空軍が目を付けたのは、同軍の最大保有機数を誇るフランス製のモラン・ソルニエであった。冬戦争寺にフランスは30機をフィンランドに送ったが、フランス敗戦
後押収された57機が、さらにドイツから購入されていた。リク・ロレンツ大佐は、旧式化
したモラン・ソルニエのエンジン換装を提案していた。タンペレの国営工廠に勤務する
28歳のアールネ・ラコマー技師がこのプロジェクトを担当した。
初めラコマーは、ドイツのダイムラー・ベンツ製エンジンを候補に考えていたが、機体には
合わなかった。「クリモフM105Pを試してみよう。」設計図もないまま、試作用のMS601号機に、撃墜されたソ連軍機から入手したエンジンが搭載された。クリモフのエンジンは
元々モラン・ソルニエのエンジンと同系列だったのだ。
2月4日、テスト飛行が行われた。最高速度はオリジナルの機体を時速46km上回るなど
上々であったが、冷却システムにはまだ改善が必要であった。
- 627 :名無し三等兵:2016/02/07(日) 00:09:29.04 ID:zeief+Od.net
- 『ガルパン』ミリタリートークショー。登壇者が話すたびに驚きが生まれる宝石箱のような45分
ttp://dengekionline.com/elem/000/001/213/1213689/
鈴木貴昭氏、岡部いさく氏、吉川和篤氏、齋木伸生氏、杉山潔プロデューサー
- 628 :名無し三等兵:2016/02/20(土) 20:43:44.15
- 2月13日、ヘルシンキに第日本帝国陸軍大谷修少将を団長とする日本軍視察団が到着した。
この中には後にロケット戦闘機秋水計画で活躍する巌谷英一技術中佐の姿もある。
彼らはオウルを経由してロバニエミのドイツ第20山岳軍団司令部を訪れエドゥアルト・
ディートル大将に謁見した後、フィンランド北部に展開するドイツ第5航空艦隊の基地、
第168師団前線などを視察した。
「高級レストランもナイトクラブも、宝石店だって閉鎖だ。」ドイツから来たメンバー
からは戦局の厳しさを伺わせる発言が相次いだ。視察団がヘルシンキに戻った夕食会の
場で、小野打大佐は広瀬少佐に話しかけた。「先月の君の報告書も実に興味深かった。」
当時広瀬は、ソ連軍だけでなく、各国の暗号解読に尽力していた。「お伝えした通り、
フィンランドは既にソ連、アメリカ、トルコの暗号を解読しています。おそらく、
スウェーデンとドイツのものも。通信傍受部隊のハッラマー中佐はPQ船団関連の
暗号解読でドイツの鉄十字章も受賞しています。」この時、日本軍は南太平洋で米軍と
激闘を繰り広げている。
「米軍が使っているクリプトテクニック社の暗号機を入手できないか?」小野打は広瀬に
依頼した。当時欧州と日本の連絡は潜水艦を使って細々と行われていた。彼は本年中に
来欧する日本海軍の潜水艦で機材を日本に送ることを考えていた。
- 629 :名無し三等兵:2016/03/22(火) 10:40:06.03 ID:62aTqo1Q.net
- サッカーブッシュ日本代表日程ぷあたんしゅっちょう社長交代春文40代売上チョコレート
https://www.youtube.com/watch?v=NDq1QoJY0nY宇ドナルド
サッカーブッシュ日本代表日程古本屋まんびきしゅっちょう
ディーラー税務署天才開発者死亡詰みヨミドクターサービス不足
サッカーブッシュ日本代表日程ぷあたんシフト光金さかい強制バイト問題
ニューヨークラスベガスソルトレイク福岡横浜課金パチシフト強制バイト問題新潟米センター生残
オーチスエスカレーター転落
- 630 :名無し三等兵:2016/04/29(金) 11:53:33.17
- この頃、貿易交渉の結果、ドイツはフィンランドから1億740万ライヒスマルク相当の
木材加工品、銅2000t及びニッケル4000tを購入することとなった。一方フィンランドは
ドイツから16機の新品と14機のオーバーホール済みのメッサーシュミットBf109G-2型
戦闘機を購入することとなった。
これに伴い、オラビ・エルンロース少佐を隊長とする、エースパイロットを集めた
第34戦闘機隊が編成され、第24戦闘機隊のユーティライネンもここに異動した。
彼は17名の仲間と共にハンシン・ユッカ号で、ドイツのノイシュタットに飛び、
待望の新鋭戦闘機Bf109を受領した。慣熟飛行を始めたユーティライネンは興奮した。
「ブルーステルは紳士の飛行機だが、メルスは殺しの機械だ。」彼はこの戦闘機なら
あらゆるソ連軍機をたたき落とせると確信した。
3月13日にフィンランドに戻った彼らの初陣は3月24日だった。マルミ基地を飛び立った
P.エルヴィ大尉の編隊はエストニア方面を哨戒中、単機で飛ぶPe-2偵察機を発見した。
MT-212号機に乗ったユーティライネンはスールサーリ付近でこれを撃墜する。
27日、隊長のエルンロース少佐は訓練飛行中に事故死し、急遽ルーカネンが復帰した。
- 631 :名無し三等兵:2016/05/05(木) 08:20:38.77
- 同じ頃、フィンランドは政府首脳は戦争からの離脱を本格的に考え始めていた。新たに
外相となったヘンリッキ・ラムゼイはベルリンに飛び、分離講和の可能性を打診した。
任務は完全に失敗し、逆にドイツ政府に戦争継続を誓わされる事を余儀なくされた。
フィンランド政府はさらに、冬戦争で和平交渉を担当したパーシキヴィに再びソ連との
接触を開始させた。しかし、この動きも直ちにドイツに察知され、ドイツはフィンランド
への燃料、食料の供給を停止する。
ウクライナではドイツ軍の反撃が成功し、ハリコフが再びドイツ軍の手に帰した。
消耗したSSヴィーキング師団フィンランド義勇大隊には休暇が与えられることになった。
「国に帰れるぞ」兵士達はみな喜んだ。4月15日SS本部長のゴットローブ・ベルガー
SS大将とフィンランドSS委員会のネヴァンリンナ教授は、フィンランド政府に対し、
新たな義勇部隊の編成の協議を持ちかけた。
- 632 :名無し三等兵:2016/06/30(木) 17:07:44.57 ID:TcLz2gY/.net
- あ
- 633 :名無し三等兵:2016/11/04(金) 20:14:04.47 ID:L0ugN+Hj.net
- このスレすごい楽しみだったんだけど、復活しないかな。
- 634 :名無し三等兵:2016/11/16(水) 23:46:51.05 ID:t7hTyIiA.net
- 更新を待ちましょう。
- 635 :名無し三等兵:2016/11/17(木) 17:52:25.44 ID:Em8gvVv5.net
- ヤフーネットダイエットニュース マイナス金利狙い通り「仏」ローーン
https://www.youtube.com/watch?v=L2805v4e48c
ヤフーネットダイエットニュース (アリババダイエット)
こじらせ在日中国人中国車リコール発言
ヤフーネットダイエットニュース
40代安売ドラマ世代魔界村
40代不倫情報プロ級世代新社屋TRUMPTOWER左遷「仏」 60代郵便局レベル速報駐車場 (入社拒否
- 636 :名無し三等兵:2016/11/18(金) 15:00:30.18 ID:/BmZtarO.net
- 私は元創価の会員でした。
すぐ隣に防衛省の背広組の官舎があるのですが、
自分の家の窓にUSB接続のwebカムを貼り付けて、そこの動画を撮影し続け、
学会本部に送っていました。
別に大したものは写っていません。ゴミだしとか奥さんが子供を遊ばせている所とか。
官舎が老朽化し使われなくなってから、
今まで法人税(うちは自営業です)をほぼ払わなくても済んでいたのが、
もう守ってやれないのでこれからは満額申告するように言われました。
納得がいかないと言うと、君は自業自得で餓鬼地獄へ落ちる、
朝夕南無妙法蓮華経と三千回ずつ唱えあげ、心をきれいにしなさいと言われ
馬鹿らしくなって脱会しました。
それ以来、どこへ行くにもぞろ目ナンバーの車につけまわされたり大変な日々です。
全ては自分の出来心から起きた事で、どこに訴えて出ると言う訳にもいかないのですが、
なんとかあの人たちと縁を切った上で新しい始まりを迎える方法はないんだろうか。
- 637 :名無し三等兵:2016/11/24(木) 13:02:00.55 ID:Iw6PEVDh.net
- 更新期待保守。
- 638 :名無し三等兵:2016/12/14(水) 20:15:30.16 ID:oZUjFB7p.net
- 今頃、フィンランドの森では・・・
哀れなロシア軍将兵たちが・・・
- 639 :名無し三等兵:2016/12/25(日) 18:15:43.03
- 同じ4月15日、マンネルヘイムは療養のため一ヶ月の休暇を取得し、スイスのチューリッヒへ向かった。
彼の不在中はヘインリヒスが総司令官代行となった。冬戦争以来の激務は77歳となった老将軍の心臓に過大な
負担をかけていた。冬戦争で活躍したハンシン・ユッカ号が彼を運んだが、シュツットガルト上空で不調と
なり、一行は急遽スイス航空機に乗り換えるというハプニングも起きている。
その後マンネルヘイムは、ルガノ湖畔のスプレンディードホテルに滞在した。彼は男爵丸ハイムと名乗り、療養の合間に幾人かの旧友と再会した。
その頃、赤軍砲兵の再編に取り掛かっていたニコライ・ヴォロノフを待っていたのは、自走砲を巡る装甲局との
闘争であった。
- 640 :名無し三等兵:2016/12/30(金) 22:17:19.14 ID:maYdnv+M.net
- 更新保守
- 641 :名無し三等兵:2017/01/05(木) 23:39:05.79 ID:1kYOVfWq.net
- 現在、フィンランドには大寒波が襲来しているそうな。
哀れなロシア将兵たちが・・・森で・・・
- 642 :名無し三等兵:2017/01/21(土) 05:13:09.30 ID:5fCR9MFx.net
- 保守
- 643 :名無し三等兵:2017/01/21(土) 17:22:07.19
- >>642
偉大なる名も無き三等兵に敬礼!!
- 644 :名無し三等兵:2017/02/21(火) 08:12:02.37 ID:p8JBZcVt.net
- ヤフージャパンブログ社員ダイエットニュース マイナス金利狙い通り「仏」ローーン
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中国建築歌富裕層息子カジノ通い連日連夜オールTRUMPパーティー(反日飛行機雲農薬散布マスク女問題)駅内マスクオンNA工場白煙健康被害ニュース
- 645 :名無し三等兵:2017/03/12(日) 16:55:43.96 ID:NPG5PFTw.net
- 今月のタミヤニュースに、パロラ博物館ネタが載ってます。
- 646 :名無し三等兵:2017/04/09(日) 22:15:56.54
- 「砲兵が戦車部隊の修理施設を利用するのは、装甲部隊の運用を非効率にするものだ。」
戦車部隊の将軍達は、自走砲は彼ら自身で管理すべきだと主張した。議論は国家防衛委員会
に持ち込まれた。白熱した議論が続き、遂にスターリンが仲裁を試みた。
結局、最高司令部に所属していたカチューシャ・ロケット装備の親衛榴弾砲師団が砲兵局の
指揮下に入った代わりに、ヴォロノフの反対にも拘わらず、自走砲部隊は装甲局に
移管された。ソ連軍の装備は連合国からの支援物資により、急速に充実しつつあった。
ソ連軍はバルト海から黒海までの戦線に投入するために、兵員130万人、戦車3600台、
砲2000門、航空機2800機を配備した。
ヴォロノフは来るべき攻勢作戦に備え、4個の突破砲兵軍団の編成に取り掛かった。
軍団は、2個突破砲兵師団、1個親衛榴弾砲師団(カチューシャロケット装備)、軍団司令部
から成る強力な部隊であった。
- 647 :名無し三等兵:2017/04/15(土) 09:05:57.65
- 5月6日、今度はルーカネンが仲間のパイロットと共に、ハンシン・ユッカ号でドイツに飛んだ。
任務は、追加のメッサーシュミット14機の受領である。ソ連軍は続々と新手を繰り出していた。
それでも旧式のブルーステルはよく戦い、3機の損失で81機もの敵機を撃墜していた。
しかし、撃墜のペースは日に日に低下している。
ミュンヘン郊外のエアディング空軍基地で戦闘機パイロットを下ろすと、ハンシン・ユッカ号は
短い休暇を過ごすマンネルヘイムを迎えにスイスに向かって飛び立っていった。フィンランドの
パイロット達は翌日、メッサーシュミットの工場を見学して過ごした。駅には南から来た軍用列車が
到着し、祭りのような騒ぎだった。ルーカネンは、アフリカ帰りのドイツ軍兵士達が大きな籠に
果物を山積みにして列車から降りてくるのを見た。
8日、ルーカネン達は受領する戦闘機のテスト飛行を行った。
- 648 :名無し三等兵:2017/06/02(金) 17:05:58.45 ID:HoV79Tzj.net
- 更新はまだかしら。
- 649 :名無し三等兵:2017/06/05(月) 00:19:10.70 ID:vZ/wsp8W.net
- まだでしょうな
- 650 :名無し三等兵:2017/07/02(日) 15:00:48.32 ID:C7qKHMXu.net
- 「北欧空戦史」がホビージャパンから、復刊されますな。
嬉しいね。
発売は8月だって。
- 651 :名無し三等兵:2017/07/02(日) 15:56:21.79 ID:S7LAZC1O.net
- >>650
http://www.1999.co.jp/10476391
それはめでたい。写真が増えていればもっとうれしい。
- 652 :名無し三等兵:2017/07/04(火) 20:40:40.48 ID:Iwyl/Zwt.net
- >>なぜフィンランド空軍は大国ソ連空軍に勝てたのか
…
勝手に勝ったことにするなよ…
アホな改題すんな
- 653 :名無し三等兵:2017/07/05(水) 17:11:55.04 ID:gnt9CdIz.net
- この副題を考えた人は、「北欧空戦史」を読んでませんね。
まあ、大袈裟な見出しで気を引かないといけないから、しょうがないかな。
- 654 :名無し三等兵:2017/07/16(日) 18:01:16.36
- ルーカネンはBf109の虜になった。「メルスの操舵反応は非常に繊細で、機体はロケットのように上昇していった。
わたしはメルスの並外れた強力さと、速度に完全に魅惑されてしまった。古い「空の真珠」なぞ、比べ物にならない。」
夕方南方から1機のフォッケウルフが飛来した。機体は弾痕だらけであった。その日のディナー・パーティに
フォッケウルフのパイロットの中尉が飛び入り参加した。アフリカ帰りの彼は、ウォッカが進むにつれ饒舌になった。
彼の話によると、アフリカの空は、連合軍が圧倒的な強さで制圧していた。「爆撃機の単独飛行なんて
命を捨てるようなものさ。だからフォッケウルフに爆弾架をつけて地上掩護をしてるんだ。」彼の話はルーカネンを驚かせた。
ドイツ・イタリアのアフリカ軍集団が降伏するのはこの直後のことである。
ハンシン・ユッカ号はこの後チューリッヒへ飛び、マンネルヘイムを乗せて、ヘルシンキに帰還した。
- 655 :名無し三等兵:2017/07/21(金) 14:53:35.81.net
- 「北欧空戦史」は8月5日発売予定です。
写真追加など少しでも改訂されていると、嬉しいですね。
- 656 :名無し三等兵:2017/08/09(水) 01:39:23.80 ID:G2nvd4NW.net
- 「北欧空戦史」復刻版を買われた方の感想は・・・
ないかしら・・・
- 657 :名無し三等兵:2017/08/15(火) 08:47:01.74
- 6月2日、ウクライナ戦線から引き上げてきたフィンランドSS義勇兵達はエストニアのタリンに到着した。
ここでSSフィンランド義勇兵大隊は解散式を行った。前SS第5ヴィーキング師団長フェリックス・シュタイナーSS大将、
フィンランド軍からはラウリ・マルミベルグ中将、カレルボ・クルキアラ郷土防衛隊司令官が閲兵し、パレードを見守った。
SS本部とフィンランド軍司令部の間では約1ヶ月に渡り交渉が続いた。既に北方戦線では大きな脅威がなかったことと、
フィンランド本土の防衛に専念したいというマンネルヘイムの強い意向があったことにより、フィンランドSS義勇兵大隊は、
SSの戦闘序列から抹消されることになった。離任の日、大隊長のハンス・ニコラSS中佐自ら既にフィンランド軍の制服を着た
45名の将兵に鉄十字章を授与し、固い握手を交わした。これと同時にバド・テルツのSS士官学校に派遣されていた
フィンランド軍兵士も9月には帰国することが決まった。
合計1407名のフィンランド人が義勇兵大隊に参加し、256名が戦死、686名が負傷した。残留を希望する者は引き続き、
SSに勤務した。その数は不明であるが、除隊日不明者75名の中に彼らは含められている。
- 658 :名無し三等兵:2017/09/06(水) 02:17:49.51 ID:b8upHo3o.net
- 復刻版「北欧空戦史」を読みました。
本文に改訂は、ないようでした。
- 659 :名無し三等兵:2017/09/13(水) 01:38:28.72 ID:SkGpcAv7.net
- 上坂すみれの文化部は夜歩く 第75夜
斎木伸生さんがゲスト出演。
フィンランド軍の事を喋ってます。
- 660 :名無し三等兵:2017/10/17(火) 02:40:56.43 ID:XPiEkgRf.net
- パローラ戦車博物館は、戦車の移動作業をやっているね。
BT-42が牽引されている映像が動画サイトにありました。
- 661 :名無し三等兵:2017/10/29(日) 18:22:15.66
- SS本部とフィンランド軍司令部の間では約1ヶ月に渡り交渉が続いた。既に北方戦線では大きな脅威が無かったこと、
フィンランド本土の防衛に専念したいというマンネルヘイムの強い意向により、7月11日にSSフィンランド義勇兵大隊は
SSの戦闘序列から抹消されることになった。離任の日、大隊長のハンス・コラニSS中佐自ら、既にフィンランド軍の
制服を着た45名の将兵に鉄十字賞を授与し、硬い握手を交わした。これと同時にバドテルツのSS士官学校に派遣されていた
フィンランド軍兵士も9月に帰国することとなった。合計1407名のフィンランド人が義勇兵大隊に参加し、256名が戦死、
686名が負傷した。残留を希望する者は引き続き、SSに勤務した。その総数は不明であるが、除隊日不明者75名の中に
彼らは含められている。
この頃マンネルヘイムは、ドイツの勝利はないと判断し、戦争の長期化に備えようとしていた。冬戦争でラトガ・カレリアを
防衛したハッグルンド中将が防御施設計画本部長に任命された。彼は、マンネルヘイムから国土防衛戦の準備を命ぜられた。
- 662 :名無し三等兵:2017/10/30(月) 00:37:57.64 ID:Wa9/6k7V.net
- 映画「ウィンターウォー」の完全版が、出るようですよ。
- 663 :名無し三等兵:2017/10/31(火) 20:51:17.85
- この頃、フィンランド軍待望の新戦力、V号突撃砲G型10両がドイツより供与された。突撃砲はその後8月と9月にも
各10両が到着した。フィンランド軍はヴァルカウスの戦車訓練センターで、装填手ハッチ上の機関銃を鹵獲品のソ連製
デグチャレフDT7.62mm機銃に換装、シュルツェンの除去、装備品の配置変更等独自の改装を行い、3色迷彩に塗装し、
突撃砲大隊を編成した。第5SS装甲装甲擲弾兵師団ヴィーキングで義勇兵として経験を積んだマウリ・サルティオ中尉
以下19名の将兵を中核とした基幹要員は既に6月にベルリン南方のユターボクの突撃砲学校に派遣され、5週間の研修
コースに参加している。
突撃砲大隊戦闘序列
大隊本部(E.オケルマン少佐)
第1中隊(カール・キヴィカント大尉以下2個小隊)
第2中隊(フォン・トロイユ大尉以下2個小隊)
第3中隊(トール・組むリン大尉以下2個中隊)
各小隊は突撃砲3台で編成。
- 664 :名無し三等兵:2017/11/01(水) 17:43:48.26 ID:Dos8H0DY.net
- >>302
あのキャラクター何かと思ってたらそうだったのか
今更納得した
- 665 :名無し三等兵:2017/11/16(木) 14:45:45.75 ID:DH1JhTa6.net
- 更新はまだかな。
- 666 :名無し三等兵:2017/12/05(火) 18:55:46.43 ID:zGftIy+h.net
- サンタとムーミンの国に学ぶ「小国」の生き残り術
独立100周年!人口550万人のフィンランドが日本より豊かな理由
ttp://jbpress.ismedia.jp/articles/-/51739
- 667 :名無し三等兵:2017/12/17(日) 17:52:35.45
- フィンランド軍砲兵総監のヴィルホ・ネノネンは、フィンランド軍砲兵の能力向上に心血を注いでいる。この頃までに彼は、
砲兵管制システムを刷新していた。通常砲兵観測哨は、陣地から離れた場所にある。従って、彼らの誘導は砲兵指揮所を
経由した間接的なものとなり、複雑な数学的計算を必要とする。ネノネンの元をエイノ・ハンコ大佐が砲兵学校教官の
ウント・ペタヤー少佐を伴って訪れた。「新しいアイデアがあります。」ペタヤー少佐は、彼の発案による補正コンバーターを
持参していた。これにより、前線の観測哨のデータをそのまま砲撃方向に変換する事が出来た。「素晴らしい。これなら
観測哨戒が直接、砲兵を指示するようなものだ。」ネノネンは、彼の試みを採用することとした。
- 668 :名無し三等兵:2017/12/24(日) 20:51:34.47
- 東部戦線クルスクで鳴り物入りで始まったドイツ軍の夏季攻勢ツィタデレ作戦は、連合軍のシシリー島上陸と共に中止された。
1943年7月25日、イタリアでクーデターが発生し、失脚したムッソリーニはグランサッソ山荘に幽閉され、ボドリオ元帥が首相に
任命される。
フィンランド軍パイロット達はこの頃には、抜群の速度と上昇力を持つメッセーシュミットを乗りこなしていた。第34戦隊の
ハッセ・ウィンド中尉は順調にスコアを伸ばしていた。7月31日、彼は34機撃墜の功績により、全軍で116番目のマンネルヘイム
十字章を受賞した。典型的な戦時将校タイプの彼は書類仕事には興味を示さなかったが、部下や同僚には人気があった。彼が
勲章と共に受け取ったボーナスはあっという間に酒となって消えた。8月に新しいメッサーシュミットG-6型は第34戦隊に
配備され、G-2型は第24戦隊に引き渡された。
- 669 :名無し三等兵:2017/12/30(土) 18:16:28.81
- 8月23日、ルーマニアで政変が発生し、ルーマニアは枢軸国陣営から脱落した。9月8日にはイタリアが無条件降伏を発表。
9日ブルガリアが続いた。ドイツ軍はすかさずローマ以北のイタリアに進駐し、さらに空軍降下猟兵及びオットー・スコルツェニー
SS大尉らSSの特殊部隊によって救出されたムッソリーニは23日にイタリア社会共和國を建国した。
9月25日、OKW作戦部はフィンランドで戦争離脱の意見が強まりつつあることをヒトラーに警告した。28日、総統命令第50号が
起草された。「もしもフィンランドが戦争から離脱、若しくは崩壊した場合、第20山岳軍はフィンランド北部を維持しつつ
カレスアンドからイヴァロを結ぶ第19山岳軍団陣地へ後退せよ。」10月6日、フィンランド軍はエルフルト大将に、ドイツ軍
戦線後方に防衛線を構築することを求めてきた。「恐らく我軍のラップランドからの後退を憂慮してのことだろう。」
エルフルトは直ちにマンネルヘイムにトップレベルでの情報交換を提案した。
14日、ヨードル上級大将がフィンランドを訪れた。
- 670 :名無し三等兵:2017/12/30(土) 18:53:26.28
- 間違えました。
8月28日、マンネルヘイムは国防相ワルデン他フィンランド軍高級将校らとアーニスリンナの戦車訓練センターを訪れ、新式の
対戦車戦闘のデモを視察した。この時の、捕獲したソ連軍戦車から成る戦車旅団重戦車小隊を閲兵する写真が残されている。
9月8日にはイタリアが無条件降伏を発表。ドイツ軍はすかさずローマ以北のイタリアに進駐し、さらに空軍降下猟兵及び
オットー・スコルツェニーSS大尉らSSの特殊部隊によって救出されたムッソリーニは23日にイタリア社会共和國を建国した。
9月25日、OKW作戦部はフィンランドで戦争離脱の意見が強まりつつあることをヒトラーに警告した。28日、総統命令第50号が
起草された。「もしもフィンランドが戦争から離脱、若しくは崩壊した場合、第20山岳軍はフィンランド北部を維持しつつ
カレスアンドからイヴァロを結ぶ第19山岳軍団陣地へ後退せよ。」10月6日、フィンランド軍はエルフルト大将に、ドイツ軍
戦線後方に防衛線を構築することを求めてきた。「恐らく我軍のラップランドからの後退を憂慮してのことだろう。」
エルフルトは直ちにマンネルヘイムにトップレベルでの情報交換を提案した。
14日、ヨードル上級大将がフィンランドを訪れた。
- 671 :名無し三等兵:2017/12/31(日) 21:41:46.62
- 「イタリアの降伏は軍事的には重大な意味を持っていない。」ヨードルは語った。さらに彼は英米のフランスへの
上陸作戦の予想も伝えた。「我が軍にとってはむしろ有難い。ここで英米軍を完膚なきまでに叩き、フランスに
貼り付けている部隊を東部戦線へ振り向けることができる。」マンネルヘイムは来るべきソ連軍の攻勢に備え、
カレリア地峡にヴィープリからタイパレに至るVKTライン、ソルタバラ付近のラトガカレリアにUラインという
防衛線を用意しようと考えていた。マンネルヘイムは改めて第20山岳軍後方への陣地構築の承認を求めた。ヨードルは
これに同意し、さらに告げた。「貴国の懸念は承知している。どの国も自国の存亡以上に重要な問題は持たない。
そして自国を滅亡する道を強制する権利は誰も持たない。」マンネルヘイムはヨードルの率直さに驚いた。ただし、
ヨードルはドイツと共に戦うのが最善の選択であることを強調することは忘れなかった。マンネルヘイムはヨードルとの
会談を好意的に感じだが、彼自身の戦争に対する見通しには変更はなかった。夕食後ヨードルとマンネルヘイムが
スピーチした後、再度ヨードルが立ち上がった。「我々は決して降伏はしない。同盟国を裏切ることもしない。
最後の勝利まで闘い続ける。」出席者は皆拍手で応えた。
- 672 :名無し三等兵:2018/01/06(土) 10:53:53.14
- すでに時代遅れとなっていたモラン・ソルニエ戦闘機の改造プロジェクトは続いていた。武装はドイツ軍製マウザー20mm機関銃に
換装された。「機体の前面が重すぎる」重心位置の調整に苦労したが、技術陣は操縦席背後の防弾板を厚くすることによりこれを
解決した。排気システムも更新された。遂にラコマーはメッサーシュミット製のオイル・クーラーを搭載した試作機を完成させた。
この機体は最高速度525kmを記録し、その上昇速度も申し分ないものであった。メルケ・モラン誕生の瞬間であった。
フィンランド空軍は全てのモラン・ソルニエを順次改造することとした。しかし、量産に移行するためには問題があった。
「エンジン供給の目処をつけねばならん」僥倖はあった。ドイツ軍はスモレンスク、ヴィデブスク等の占領区域の工場から
多数のクリモフエンジンを押収している。12月、ドイツはこれら200台のエンジンをチェコでオーバーホールし、
フィンランドに売却した。
- 673 :名無し三等兵:2018/01/09(火) 15:40:31.92 ID:8QZH1Ipg.net
- WW2 Tweets from 1940
https://twitter.com/RealTimeWWII
冬戦争の事を色々とつぶやいてます。
- 674 :名無し三等兵:2018/01/14(日) 04:08:00.07 ID:wGlYl3/G.net
- センター試験地理「ムーミン」出題が話題 不正解受験生嘆き ムーミン公式「反省」
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180113-00000095-spnannex-ent
>間違えたとみられる一部の受験生がムーミン公式サイトのツイッターアカウントに対し
>「絶対に許さない。今すぐ国籍をノルウェーに変えろ」「おまえ、ノルウェーだろ?」などと恨み節。
>ムーミンが一時、炎上気味になった。
- 675 :名無し三等兵:2018/01/28(日) 02:12:21.40 ID:TVjZmtYu.net
- フィンランド紙、日本のムーミン騒動に驚き 「学歴社会の日本では、人生を懸ける一大事だ」
https://hayabusa9.5ch.net/test/read.cgi/news/1517037617/
- 676 :名無し三等兵:2018/01/30(火) 22:33:38.55 ID:YPmyPeDV.net
- 大した話題じゃないけど埋めネタに。
俺、冬山やるんだけど、最も怖いのは凍傷。
装備(特に肌着)濡らしたらアウト。そこから結氷が始まって組織の壊死にいたる。
(八甲田の生存者も、とにかく汗をかかないよう工夫してた)
しかも冬戦争の戦場は俺にとっても未知の領域。
全身運動しながら、ゴアテックスもなしで肌着やアンダーウェアのコンディションを保てるのだろうか?
- 677 :名無し三等兵:2018/01/30(火) 22:49:06.71 ID:yVFXp4po.net
- >>676
白金カイロを2つもっていけ
- 678 :名無し三等兵:2018/02/03(土) 14:47:27.57 ID:ViLuk7JH.net
- >>676
ウールかフェルトじゃないかなぁ
近くのサーミ人はフェルト生地の服を着てる
ちなみにスコット隊は毛織り物と牛革の防寒着で>>676氏の言われる通り
体からの水蒸気が衣服に付着して凍結し体力を消耗、遭難しました
- 679 :名無し三等兵:2018/02/03(土) 22:07:57.87 ID:tBAT7cer.net
- >>678
フェルトかぁ。なるほどあれなら一定程度に防風防寒・通気性・強靭性を両立させられるだろうな。
極寒の地で、戦闘行動(全身運動)を行うにはこの三つの条件は必須だからね。
それにしても、満足な防寒装備も与えられず戦場に投入されたソ連兵は哀れだな。
もちろんロシアにも冬季戦装備のノウハウはあったんだろうけど、周知のごとく上層部は真冬が来る前に勝負がつくとナメ切ってたからな...
- 680 :名無し三等兵:2018/02/04(日) 00:40:23.93 ID:Mxj+wC+v.net
- スウェーデン軍のコートは厚めのフェルト生地だった。
- 681 :名無し三等兵:2018/02/22(木) 06:02:55.61 ID:wzt23Dqg.net
- ムーミン問題「決着」 日フィンランド外相
https://this.kiji.is/339059156570883169
- 682 :名無し三等兵:2018/02/22(木) 08:35:47.44 ID:zf2p0zg+.net
- ユニークで個性的なパソコン一台でお金持ちになれるやり方
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- 683 :名無し三等兵:2018/02/24(土) 19:56:08.89
- ソ連軍砲兵の機械化を担うニコライ・ヴォロノフは激務に追われていた。1942年12月に編成された自走砲連隊は、SU-76自走砲4個中隊(17両)と
SU-122突撃榴弾砲2個中隊(8両)で構成されていた。しかし、SU-76とSU-122の一体運用には難があり、1943年5月に軽自走砲連隊と中自走砲連隊に
再編成された。
ソ連では対戦車戦は、戦車ではなく砲兵の仕事であった。1943年7月のクルスク戦では、新型のドイツ軍戦車に対し122mm榴弾砲が非力であることが
露呈した。そこで12両のSU-85駆逐戦車を装備した独立自走砲大隊が編成され、軍または戦線司令部の直轄とされた。より規模の大きい駆逐戦車連隊も
編成された。同連隊は機械化軍団に配属され、対戦車火力支援を担当した。SU-152重突撃砲は、独立重自走砲連隊(21両)に編成され、戦線司令部直轄で
重要方面に投入され、戦車や歩兵部隊の直接支援に当たった。
大量の砲兵部隊を編成するため、教育・訓練の充実、来たるべき大攻勢に備えた砲弾の備蓄、前線への輸送等で、彼は1日に16時間から20時間働くこと
さえあった。さらに最前線の司令官と直接会話することを好むヴォロノフは、各地の司令部を飛び回った。遂には、彼は体調を崩し、モスクワに留まり
静養を強いられることとなった。
- 684 :名無し三等兵:2018/02/25(日) 15:39:53.55
- 1943年末、ソ連軍は全戦線での攻撃計画を用意していた。1944年の冬季線は全戦線での同時攻勢ではなく、兵力を1戦域に集中する
こととなっていた。1月にはレニングラード、次いでウクライナ、その次がフィンランドである。ドイツ北方軍集団は戦略予備の
南方転出により弱体化していた。
1944年のソ連砲兵ドクトリンPU-44では、最前線から後方に至るまで、それぞれに十分過ぎるほとの火力を集中し、全縦深を同時制圧
することが突破作戦成功の必須条件とされた。移動手段が制限される砲兵部隊は砲兵師団に集められ、攻勢時に集中しようされることに
なった。ヴォロノフはレニングラード地区に、火砲21000門、ロケット砲1500門、対空砲600門を送り込んだ。
1944年1月15日、レニングラードの完全解放とドイツ北方軍集団の殲滅を目標とするレニングラード・ノヴゴロド作戦が開始された。
- 685 :名無し三等兵:2018/03/21(水) 17:56:36.44
- 兵力約40万人、戦車・突撃砲125両のドイツ北方軍集団に対し、レニングラード、ヴォルホフ、第2バルトの3戦線にバルチック艦隊、
長距離航空艦隊から成るソ連軍の総兵力は125万人。戦車及び自走砲は1580両、航空機は1386機に達した。1マイルあたり320門が
配置された火砲により、2時間半に渡り50万発という史上空前規模の砲弾がドイツ軍陣地に撃ち込まれた。
1月27日、レニングラードの街頭に設置されたスピーカーからレニングラード戦線司令官レオニード・ゴヴォロフ、共産党政治局員
アンドレイ・ジダーノフらレニングラード軍事委員の演説が放送された。「同志レニングラート戦線の兵士、軍曹、将校、バルチック
艦隊の水兵、労働者諸君、およそ20日に及ぶ激しい戦いの末、歴史的に重要な任務は達成された。レニングラードは敵の封鎖と攻撃から
解放されたのだ。この勝利の日を記憶しよう。レニングラード戦線の兵士、そして労働者に栄光あれ!」
午後8時、324発の祝砲が瓦礫と化したアパートや工場に轟いた。ドイツ軍の先遣部隊が市の外郭防衛戦に姿を見せた1941年8月21日から
889日目のことであった。
- 686 :名無し三等兵:2018/03/23(金) 18:52:19.38
- この方面でこんなに戦力差がありましたか。確かにドイツは西部や南方
に戦力分散しているのだからこうなったのでしょう。兵力だけでなく自動小銃など歩兵火器でも差がつく頃ですね。
- 687 :名無し三等兵:2018/04/07(土) 07:40:49.39
- ニコライ・ヴォロノフらの努力により、赤軍内では火力重視のドクトリンが制定され、砲兵の集中使用が進みました。
赤軍の歩兵火器については、ドラム型の弾倉の付いた短機関銃はコストが安く大量生産向きなので大量に支給されたものの、
ライフルの方が遠距離から強力な打撃を与えられるので、主力にはならなかったようです。市街戦や陣地内線などでは
威力を発揮したようですね。
- 688 :名無し三等兵:2018/04/07(土) 07:49:20.82
- ドイツ軍はパンターラインと呼ばれる防衛線に後退した。31日、カイテル元帥はマンネルヘイムに書簡を送った。
「北方軍集団の後退はフィンランドへの脅威を増大させるものではない。」
2月になるとソ連軍はエストニアに迫り、ナルヴァでは激戦が展開されていた。エストニアのドイツ軍は、フィンランド
防衛の要であった。一度エストニアがソ連軍の手に渡れば、そこはフィンランド攻撃のための格好な拠点となる筈であった。
マンネルヘイムは、冬戦争の際にヘルシンキやトゥルクで展開された対空戦闘を思い返した。「エストニアからドイツ軍が
撤退すれば、フィンランドがソ連と和平を結ばざるを得なくなる」彼のメッセージは繰り返しドイツに伝えられた。
マンネルヘイムの懸念を察したがごとく、ソ連空軍は3度に渡りヘルシンキを空爆した。効率的な防空システムにより、
被害は最小限に食い止められたが、マンネルヘイムは、ソ連軍は強大になっており早々の和平が必要であると
大統領リッティに説いた。
- 689 :名無し三等兵:2018/04/14(土) 19:28:36.09
- 「122mm砲を装備した新型重戦車の生産が始まっています。」フィンランド情報部のケトネン中将の元には不吉な情報が
集まりつつあった。ソ連の攻勢準備は、スウェーデン軍からの内密に伝えられている。「ロシア軍の攻勢の時期は6月。
場所はカレリア地峡と予測します。」ケトネンはマンネルヘイムに報告した。フィンランド軍はカレリア地峡の防衛線、
VTラインの整備を急いた。
2月8日、スターリンはフィンランドに和平条件を提示し、12日フィンランド政府はパーシキヴィをストックホルムに
派遣し、交渉を開始した。しかし、ソ連側の条件は冬戦争後の国境の確定に加え、新たな領土割譲、多額の賠償金、
フィンランド領内のドイツ軍の抑留など過酷を極めるものであった。政府を主導していた財務大臣ヴァイノ・タンネルら
親独派は結論を先延ばしにした。
- 690 :名無し三等兵:2018/04/15(日) 18:49:40.68
- 21日、マンネルヘイムは1926年生まれの新兵の部分動員と共に、前線司令官交代を決意する。ドイツへ派遣されていたタルヴェラは
帰国することとなり、代わりにヒューゴ・エステルマンがベルリンへ向かった。マンネルヘイムと比較的冷ややかな関係にいた
ハロルド・オーキュストが軍訓練総監に任命された。さらに用心のため、ペトロザヴォーツクに駐留する装甲師団に、ヴィープリへの
移動が発令された。3月、マンネルヘイムは防御施設計画本部長ハッグルンド中将に極秘の任務を与えた。「ドイツ軍がフィンランド
政府中枢部に打撃を与える可能性がある。ヘルシンキの防衛を準備して欲しい。」ソ連との交渉の如何によってはドイツとの
手切れの可能性があった。ハッグルンドは応えた。「承知しました。元帥。」彼は8千名からなる防衛部隊を編成し、自警団、
訓練センターから1万名の予備部隊を用意した。「およそ1個師団を確保します。」マンネルヘイムは彼の計画を承認した。
- 691 :名無し三等兵:2018/04/22(日) 21:03:50.51
- この頃、メッサーシュミットBf109G-2型21機の購入契約がドイツとの間で締結された。フィンランド空軍第34戦隊が
この機材を装備することとなり、使用中のBf109は第24戦隊に譲られることとなった。3月21日、第24戦隊のハッセ・ウィンドは
La-5を撃墜した。これが、彼にとってブルーステルでの最後の戦果となった。
ヘルシンキに駐在している日本武官の小野打はフィンランドとソ連の和平交渉に気付いていた。小野打は日記に記している。
「坂谷大使と面談。ヴァイノ・タンネル曰く、フィンランドはドイツの勝利の見通しの元に戦争を開始したが、その可能性は
失われた。戦争を終結させる時が来た。」この3月下旬の時点で、親独派のタンネルすら、和平へ舵を切ったことが伺える。
小野打は溜息をついた。
3月26日、パーシキヴィと外相エンケルがフィンランド政府代表として、空路モスクワへ向かった。
- 692 :名無し三等兵:2018/04/28(土) 21:52:42.56 ID:6P2Gt8PC.net
- まだ生きていたんだね、このスレ。
いまでも時々過去スレを読み直すよ。
更新されなくなって久しいけど、すばらしいスレッドを作ってくれて感謝。
- 693 :名無し三等兵:2018/04/29(日) 07:20:32.15
- ソ連外相モロトフとの会談は27及び29日に行われた。「まず、ドイツとの関係を絶つこと。貴国がこれに同意して
初めて他の問題を討議することができる。」パーシキヴィはフィンランドの立場が中立であることを主張し、ドイツ軍を
交渉によって撤退させることを述べた。「それではドイツは、撤退させた部隊を他の戦線へ転用できるではないか」
しかし、モロトフはこの件に関してはドイツ軍追放でよしとした。
その後、パーシキヴィはモロトフから和平の追加条件の提示を受けた。「1940年国境の回復。ただし、ハンコを
ペッツアモと交換しよう。それと貴国が1940年6月に我が領土を侵略して以来被った被害賠償だ。我々の見積もりでは
総額12億ドルに相当するが、貴国にはせめてその半額6億ドルを賠償いただきたい。」6億ドルは当時のフィンランドの
外貨保有高5年分に相当する。「我々は、貴国に無条件降伏を求めているわけではない。貴国政府の交代も要求していない。
貴国都市の占領も求めてはいない。」モロトフは提案が寛大なものであることを強調した。
同じ29日、シーラスヴォ中将はVTラインの建設について最高司令部に報告した。「VTラインは机上の存在です。
我々の資材の状況から言っても、近い将来に完成する見込みはありません。」
4月2日、帰国した代表団は、首相、外相らが同席する中で大統領リュティにソ連側の和平条件説明を報告したが、
要求内容の膨大さに列席者は困惑した。フィンランドにとってドイツ軍の追放ないし拘禁はあまりに大きな
課題であった。これにはマンネルヘイムも沈黙せざると得なかった。「これは、我国の独立を破壊しかねない提案だ」
パーシキヴィはただ一人和平条件受入れを主張し、容れられないと晃るや決然退席した。
- 694 :名無し三等兵:2018/05/03(木) 15:48:11.99
- 「フランスへの上陸作戦は5月31日前後。最終的な日程は天候と潮流により決定する。」西側連合国からスターリン
の元へ待望の第2戦線の知らせがもたらされたのはこの頃であった。スターリンは6月中旬に東部戦線でも新たな攻勢を
開始することを西側連合国に通知した。しかしスターリンは、具体的にどこで攻勢を開始するのかは告げなかった。
ドイツ北方軍集団はナルヴァでソ連軍を阻止している。OKWのカイテル元帥は、マンネルヘイムにナルヴァ戦線に
フィンランド軍視察団を受け入れる用意があることを伝えてきていた。これを受けてフィンランド軍は7日、
ヴァーロ・ニーティラ作戦部長を含む4名の将校をナルヴァへ派遣した。
- 695 :名無し三等兵:2018/05/04(金) 23:22:15.06
- 4月 12日、首相リンコミエスは国会に対し、ソ連側の和平条件はフィンランドの独立を危険にさらす冒の説明を行ない、
国会の支持にもとづいてフィンランド政府は、会談継続を拒否するにいたった。ドイツからも強烈な圧力がかけられた。
フィンランドの新聞が、エストニアのタルツ大学の収蔵品がソ連軍の手に落ちるのを防ぐため、ドイツ軍がこれを
輸送したことを批判する記事を掲載すると、フィンランドとソ連の和平交渉を知ってたヒトラーはこの記事を口実に、
13日、フィンランドへの穀物輸出停止を命じた。さらに4月18日には軍需物資の禁輸も決定された。「ドイツ軍の反撃
により、クリヴァソーの橋頭堡は破壊され、ソ連第59軍の2個軍団を殲滅。救援のソ連第8突撃軍は後退の模様。」
ナルヴァに派遣された使節団の報告も、エストニア戦線の安定を知らせてきた。この日、リュッティ大統領は
和平交渉を打ち切った。
危機は去っていなかったが、マンネルヘイムは9500名の前線の兵士に実家に戻り農作業に就く許可を与えた。
種まきの季節になったのだ。この時、フィンランドの食料自給率は40%にまで低下していた。
- 696 :名無し三等兵:2018/05/05(土) 18:28:51.43
- 和平交渉が打ち切りになると、ソ連軍は着々と攻勢の準備を進めた。4月28日、第21軍が再び編成され、レニングラード戦線
参謀長のドミトリー・グーセフ中将が司令官に任命された。大戦開始以来、ソ連軍は継戦能力の限界に近い危機的な水準にまで
人命を消耗していた。このため、最も損害が少なくなるよう攻撃方式を考案せねばならなかった。砲兵による破壊主義が持論の
ヴォロノフは、2個砲兵突破師団にカチューシャ・ロケットを装備する親衛砲兵師団を加えて、各種野砲計712門を有する
第3突破砲兵師団をナルヴァ戦線から引き抜いた。「師団レベルの砲兵の不足は重突撃砲や旧式重戦車、120mm重迫撃砲で
補おう。」歩兵部隊の不足は重突撃砲連隊や重戦車連帯で補われた。
各部隊は補充、再編、訓練が必要だった。攻勢の主力部隊には、他戦区の狙撃師団の定数を減少させ、補充要員を確保した。
第108軍団に加え、ナルヴァ戦線から移動してきた第30親衛及び第109軍団が、夜間を利用して船でオラニエンバウムから
フィンランド湾岸に輸送された。第97軍団と第3突破砲兵軍団は線路で移動したが、レニングラードは迂回し、国境地帯の
森の中に潜んだ。無線は封止され、砲兵は発泡を厳禁されている。
1941年のフィンランド軍攻勢の際、ソルタバラの包囲網から命からがら脱出したソ連第49戦車連隊のイワン・ゴルシュコは
少佐に昇進し、レニングラード戦線戦車整備部副指令になっていた。
- 697 :名無し三等兵:2018/05/13(日) 12:40:01.87
- マンネルヘイムは情報部からの報告書に目を通していた。「敵に新部隊編成の可能性あり。レニングラード地区で、
新しい歩兵師団、砲兵部隊、装甲部隊、そして以前にはいなかった新しい司令部要員の動きが観測される。」
5月10日、マンネルヘイムは将校達に再び防衛線の強化を訴えた。「諸君らは圧倒的に強大な敵に直面している。
私は尋ねよう。指揮官諸君、君達は十分な準備は出来ているか?」しかし、マンネルヘイムの激励にも関わらず、
この時はまだVTラインは全く機能していない状況であった。
カレリア地峡で活動するソ連軍機は1200機にも達していた。Bf109への改編を急ぐフィンランド空軍戦闘機隊は
強力なソ連空軍に果敢に戦いを挑んでいた。16日、緊急発進した第32戦隊のニッシネンのメッサーシュミットは
ヌーモイラ上空でLa-5を撃墜した。27日にはハッセ・ウィンドもBf109による初撃墜を果たす。爆撃機隊も
負けてはいなかった。18日、フィンランド空軍はヘルシンキ空襲の報復として、レニングラードの東方100マイル
東にあるメルギノのソ連軍飛行場を42機の爆撃機で夜間攻撃を行った。
- 698 :名無し三等兵:2018/05/19(土) 19:21:18.36 ID:qmM7J888.net
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- 699 :名無し三等兵:2018/05/27(日) 23:22:16.78 ID:82A3yKUN.net
- とりあえず保守
- 700 :名無し三等兵:2018/06/05(火) 21:34:34.98 ID:IaxKRVVP.net
- 名スレ保守
- 701 :名無し三等兵:2018/06/09(土) 21:34:30.29
- ソ連第30親衛軍団はレニングラードを解放し、ナルヴァで戦った歴戦の3個狙撃師団から成っている。
第45親衛狙撃師団は、冬戦争を戦ったかつての第70狙撃師団であり、第63親衛狙撃師団は
1941年に
ハンコを防衛した第8狙撃旅団が基幹となっており、第64親衛狙撃師団はヴォルホフ戦線で奮戦した
元の第327狙撃師団である。親衛称号を与えられたこれらの部隊は主に戦闘経験のある兵士の補充を受け、
新型兵器も優先配備された。それ以外の部隊には、年齢も民族もまちまちな新兵が補充された。
新兵器も投入された。戦車部隊には85mm砲を装備した新型T34が届いた。第21軍に配属された重戦車連隊のうち、
第26、27親衛重戦車連隊にはIS2が配備されている。IS2は、KV戦車に代わる重戦車で、強力な46.3口径
122mm砲を搭載し、前線突破戦車として重防御された陣地の攻撃用に集中投入されていた。「
ウクライナからはファシストは一掃された。レニングラード南でも敵はナルヴァまで敗走した。次は我々の番だ。
ソ連人民の作った新型戦車で失われた国土を取り戻すのだ。」戦車長達の前で、第27親衛重戦車連隊長
ドミトリー・グネジロフ中佐は訓示した。「味方識別のため、砲塔に赤い星を描かせろ。」中佐は命じた。
彼はフィンランド軍がソ連の捕獲戦車を大量に使用していることを知っていた。将校は数度にわたって
最前線の塹壕へ招かれ、進撃ルートを取り決めたり、戦車隊の乗員たちに引き会わされたりした。全軍の
攻勢の開始時期は秘密のままで、いつ始まるかは分からない。
- 702 :名無し三等兵:2018/06/23(土) 18:18:11.57
- カレリア地峡のフィンランド軍は、シーラスヴォの第3軍団が北に、ラーティカイネンの第4軍団が南に配置されている。
兵力は合計9万名。ラトガ湖北のアウニュス集団はオネガ湖との間のスヴィル川に布陣し、その兵力は同じく9万名。
その北方のマーセルカ地峡には第2軍団4万5千名がいた。第14師団は独立してルカヤルヴィにあり、最も北のドイツ軍
作戦地域後方の北フィンランドに、通称青旅団こと第3旅団が配置されていた。第1線の航空部隊は117機が稼働状態にあった。
5月下旬、フィンランド軍情報部はソ連の新たな2個軍と1個軍団がフィンランド軍前面に移送されたことを把握した。
しかし、いくつかの不注意が重なりこのレポートは信頼性が低いと判断された。ソ連軍の活発な活動にも関わらず、
この時期の前線の死傷者は比較的少なかった。5月を通したフィンランド軍の損失は、戦死195名、負傷940名、
行方不明17名であった。フィンランド軍情報部は再び総司令部に警告した。「ソ連軍の総攻撃は10日以内に始まると
予測する。」ソ連軍は無線封止をしていた。それは、通常攻勢の4,5日前に行われる、明らかな兆候であった。
- 703 :名無し三等兵:2018/06/24(日) 19:57:51.63
- フィンランド軍戦闘序列
第3軍団(ヤルマール・シーラスヴォ)
第15師団:第15,36,57連隊
第19旅団
第4軍団(ターヴェッチ・ラーティカイネン)
第2師団:第6,7連隊,49連隊第2大隊,第11連隊第3大隊,第200連隊第1大隊,独立第12大隊)
第10師団:第1,2,43連隊)
軍団予備:第1猟兵大隊
総司令部予備:第3師団、第4師団、第18師団、装甲師団、騎兵旅団
アウニュス集団(パーヴォ・タルベラ)
第5軍団(アンテラ・スヴェンソン)
第11師団;第8,50連隊
第7師団:第9,30,51連隊
第6軍団(アールネ・ブリック)
第5師団:第22,23,44連隊
第8師団M:第4,24,45連隊
第15旅団
予備:第17師団、第20旅団
第2軍団(エイナール・マキネン)
第6師団:第12,33,54連隊
第1師団:第14,35,56連隊
第21旅団
第14師団
第3旅団
- 704 :名無し三等兵:2018/06/30(土) 19:40:55.23
- 森の中でソ連第152戦車旅団の兵士達は戦車の砲身を掃除し、キャタピラを張り、給油をしている。「砲弾が届いたぞ」
補給部隊が到着し、大きな木箱が地面に積み上げられた。「新兵に砲弾をグリースで磨かせろ」1年前にハリコフ戦車
学校を卒業したばかりの21歳のボリス・マイストレンコ中尉が部下に命じた。その後で、砲弾は徹甲弾と榴弾に分けて
砲塔内に収容されるのだ。暫くするとどこからともなく続々と政治部員や指揮官達が、戦車の周りに集まってきた。
「大きなニュースがあるそうだぞ」戦車の無線機はモスクワや外国のラジオ放送を拾うことができた。「パーヴェル、
ニュースを聞かせろ」マイストレンコ中尉は通信兵に命じた。兵士は渋々無線機のダイヤルを捻った。エンジンんが
動いていては音が良く聞こえないので、将校達はバッテリーでラジオを聴く方を好んでいたのだが、通信兵は将校が
去った後でバッテリーを担ぎ、充電に行かねばならなかった。
ラジオは連合軍のフランスへの上陸を報じていた。「第2戦線が出来たぞ!」将校の間からどよめきが起きた。
レニングラード戦線工兵司令官のボリス・ビシェフスキー中将は、第52工兵旅団司令部でそのニュースに接した。
彼は旅団長のA.P.シュービンの手を握った。「どれほどこの時を待ったことか!」
- 705 :名無し三等兵:2018/07/03(火) 03:13:05.41 ID:hSigtUPw.net
- グランドパワー2018年8月号別冊
「フィンランド軍の突撃砲」
7月19日発売です。
- 706 :名無し三等兵:2018/07/15(日) 17:05:51.46
- ソ連軍戦闘序列
レニングラード戦線(レオニード・ゴヴォロフ大将)
第21軍(ドミトリー・グーセフ中将)
第109軍団:第13狙撃師団、第109狙撃師団、第72狙撃師団、第125狙撃師団、第185独立戦車連隊、第1222自走砲連隊
第97軍団:第80親衛狙撃師団、第381狙撃師団、第358狙撃師団、第178狙撃師団、第226独立戦車連隊、第396親衛重自走砲連隊
親衛第30軍団:第45親衛狙撃師団、第63親衛狙撃師団、第64親衛狙撃師団、第31独立親衛重戦車連隊、第260親衛重戦車連隊、第394親衛独立重自走砲連隊、第1238自走砲連隊、第1439自走砲連隊
第108軍団:第46狙撃師団、第90狙撃師団、第314狙撃師団
第110軍団:第168狙撃師団、第265狙撃師団、第268狙撃師団
第1機動集団:第152戦車旅団、第26親衛突撃重戦車連隊、第397親衛重自走砲連隊
第2機動集団:第1赤旗戦車旅団、第27親衛突撃重戦車連隊
第3機動集団:第30親衛戦車旅団
軍直轄:第220戦車旅団、第98独立戦車連隊、第124戦車連隊、第351親衛重自走砲連隊、第952自走砲連隊、第94駆逐戦車連隊
第3砲兵突破軍団(N.N.ザダノフ少将):第18砲兵突破師団、第23砲兵突破師団、第1親衛重榴弾砲師団
第23軍(アレクサンドル・チェレパノフ中将)
第115軍団:第92狙撃師団、第10狙撃師団、第142狙撃師団
第98軍団:第177狙撃師団、第281狙撃師団、第372狙撃師団、第46親衛突撃戦車連隊、第938突撃砲連隊
第6軍団:第382狙撃師団
軍直轄:第46重戦車連隊、第226戦車連、第396親衛重自走砲連隊、第938自走砲連隊、第952突撃砲連隊
第32軍(フィリップ・ガレレンコ少将)
第27狙撃師団、第176狙撃師団、第289狙撃師団、第313狙撃師団
- 707 :名無し三等兵:2018/07/21(土) 08:56:37.58
- フィンランド人は6月を「夏の月」と呼ぶ。この1944年6月、ソ連は冬戦争では成し得なかったフィンランドの屈服を企図した
6月9日未明、ソ連軍はフィンランド軍の10倍もの兵力をカレリア地峡正面に集中配備し、大攻勢を開始した。総兵力26万人、
7,500門の重砲と628台の戦車、自走砲、さらに1200機の航空機が作戦に参加している。このソ連軍は、量だけでなく質的にも
冬戦争、継続戦争初期と同じ軍隊ではなかった。前年秋のドニエプルの戦い以降、彼らは戦術も装備も飛躍的な進歩を遂げていた。
6時、数百機の爆撃機と地上襲撃機が飛来し、6時45分には猛烈な砲撃がフィンランド軍防衛線南端のヴァルケアサーリの
第一線陣地を鋤き返した。そこを守るフィンランド第10師団はパニックに陥った。8時20分、ソ連軍の砲撃は第二線陣地
まで延伸された。発煙弾の煙幕の中を赤旗を押し立てた歩兵達が前進を開始する。彼らの前に立ちはだかる3階建の
コンクリート・トーチカ「百万ドル砦」は90発もの203mm砲の直撃弾を浴びていた。
- 708 :名無し三等兵:2018/07/22(日) 07:52:16.48
- この時のソ連軍の砲声は170マイル離れたヘルシンキにまで届いたと言われている。しかし、これに対するフィンランド軍の
初動は間の抜けたものであった。「大規模な威力偵察だな」第4軍団長のラーティカイネンは、これを本格攻勢とは思わなかった。
「捕虜の尋問結果では、これは明らかにソ連軍の大攻勢です」情報部のウェイナー大尉の言葉は無視された。大尉が司令部を出ると、
高級将校達はテニスを楽しみ、工兵達はサウナで汗を流していた。「前線に弾薬を送るべきです」それでも心配になった作戦参謀の
リョトコスキ中尉は補給を試みた。しかし、彼は厳しい交通規制と数段階に及ぶ書類手続きに巻き込まれることとなった。
ソ連軍爆撃機と地上襲撃機はフィンランド軍後方部隊を終日叩き続けた。その日の夕刻、ソ連軍はすでにフィンランド湾
近くに前進拠点を確保していた。
- 709 :名無し三等兵:2018/07/28(土) 22:41:27.28
- フィンランド軍の塹壕は土砂に埋まり、地雷原は穴だらけとなり、通信網はそこここで分断された。
フィンランド第1連隊長T.ヴィルヤネン中佐は、一晩中陣地を飛び回り、取り分け損害の大きかった
第一大隊の兵士達を前線に再配置した。
ソ連軍司令部は重点形成にも配慮を怠っていなかった。「ヴァルケアサーリで突破しよう」参謀達は
立ち上がり、前線部隊に連絡を取るべく電話に向かって走った。「まずは敵戦線に大穴を幾つか開ける。
その次に突破口の連結だ」ギューセフは第30独立親衛重戦車連隊、第260重戦車連隊、第98独立戦車連隊に
ヴァルケアサーリ正面での終結を命じた。点呼をとると、KV1戦車の車列が動き始める。ソ連第109狙撃師団が
こじ開けた突破口に大量の戦車が送り込まれていた。
フィンランド兵は森の中から聴こえてくるエンジン音を聞きながら、不安のうちにその夜を過ごした。
- 710 :名無し三等兵:2018/08/14(火) 08:58:34.17
- 翌日には本格攻勢が始まった。午前5時からの1kmあたり200門、合計3000門の砲撃は2時間続いた。
7時、ソ連軍先鋒の親衛第30軍団の狙撃兵が戦車と共に前進を始めた。2個重戦車連隊のKV-1に支援された
狙撃兵師団が突破口を啓開する。航空管制将校は戦車部隊と共に移動し、最前線の500mから1km先に
地上襲撃機を誘導した。フィンランド軍トーチカが機銃掃射を浴びせると、重突撃砲が直接射撃で
これを沈黙させる。
ゴルシュコは前線観測哨へ移動し、第220戦車旅団の攻撃を見ていた。第51戦車大隊長のM.コノロフ大尉が
T34の2個中退を率いて、最新鋭のIS2重戦車1個小隊と共に前進を開始した。彼らの前方には工兵の姿が見える。
間も無く先頭の戦車が爆発を起こした。「地雷だ」すぐさま戦車回収班と衛生兵のチームが出動した。
こうして戦線に開いた裂け目に戦車部隊と機械化部隊が殺到し、突破口を3方へ拡大する。狙撃兵は
速やかに進出し、側面を援護した。「応急修理施設を前進させよう」ゴルシュコは決意した。幅500m、
奥行き1kmのソ連軍突破口には15台もの戦車が擱座しているのが見えた。
- 711 :名無し三等兵:2018/08/15(水) 09:20:22.61
- レニングラード戦線工兵司令官ビチェフスキーは第109軍団の前線観測哨にいた。「まだ百万ドル砦は生きているぞ」
砲煙に包まれた巨大なコンクリート城塞からは、未だ盛んな機関銃の閃光が見えた。このため、爆薬を用意した
工兵達はトーチカに近づけないでいた。「砲撃を要請する」軍団長のアルフェロフは砲兵司令官のミハルキンと
交信していた。
百万ドル砦の中では木箱を背負った兵士が銃座の間を駆け回っていた。「こっちもだ。早く弾をくれ」
善戦するフィンランド軍には決定的に欠けるものがあった。それは空軍の支援と対戦車装備であった。
「弾薬はまだか」張遼する地上襲撃機を睨みながら、フィンランド第10師団長シフヴォ少将は声を荒げた。
第4軍団司令部は正午までにライヴォラ駅に弾薬を届けると約束していたが、それが果たされる見通しはなかった。
午後、ついに第1連隊の陣地が崩れた。死傷者は連隊の1/3に近い900人に達していた。12人の中隊長のうち
8人が戦死している。浮き足立った兵士達は持ち場を捨てて逃げ去った。「第58連隊と第20独立大隊に後退を
命ぜよ」包囲を恐れたシフヴォは退却を決意した。トラクターや馬匹が陣地構築作業や近隣の農業支援に
駆り出されていたため、牽引手段を失った野砲68門がソ連軍の手に落ちた。捕虜となったフィンランド兵は
ソ連兵に言った。「あらゆる抵抗が無意味だ」
- 712 :名無し三等兵:2018/08/16(木) 09:31:03.24
- ソ連軍は幅15kmの戦線で20kmの前進を達成していた。フィンランド軍最高司令部は恐慌状態に陥った。
「第3師団と騎兵旅団を送る。反撃だ。」作戦部長にニーティラ大佐は予備部隊を投入しての反撃を主張した。
実際、マンネルヘイムはVTラインへの退却提案を却下していた。この時点で、前線部隊の指揮官達は口々に
現在地点でソ連軍を撃退してみせると述べていたのだ。しかし、第4軍団長のラーティカイネンは失敗を
予期していた。「反撃は間に合わない。ソ連軍の進撃が早すぎる。」彼はニーティラに答えた。「元帥は
退却を望んでいないぞ。」ニーティラは頭を抱えた。
正午、マンネルヘイムは第3師団長パヤリに直接連絡をとった。「装甲師団、それから第18師団と共に
主戦線を回復することは可能か?」パヤリは赤矢印で埋め尽くされた地図を睨んだ。」参謀が次々と
新しい敵の位置を書き加えている。「閣下、遺憾ながらその反撃作戦には大きなリスクが伴います。」
沈黙が流れた。パヤリはマンネルヘイムがあくまでも反撃を求めていることを悟った。「閣下」パヤリは
意見を具申した。「私がVTラインの防衛に責任を負わないということであれば、攻撃を実施します。」
マンネルヘイムは、この信頼すべき前線指揮官の意見を聞いて考えを改めた。「VTラインこそが防衛の要である。」
- 713 :名無し三等兵:2018/08/17(金) 07:44:16.98
- フィンランド軍は弛緩しきっていた。実際、最前線のフィンランド第10師団の兵士の1割は農作業支援に駆り出されていた。
和平交渉の噂は兵士達から緊張感を失わせていた。フィンランド軍最高司令部補給総監のアクセル・アイロ少将は後に
語っている。「ソ連軍の攻勢は予想していた。しかし、我々はそれがいつ、どこで始まるのかを知ることができなかった。」
このコメントは疑問である。事前の警告はすべて無視されていた。この時彼は、ソ連軍の攻勢はエストニアに向けられると
思い込んでいた。ソ連軍はドイツ軍打倒を優先させ、フィンランドは後回しになるという希望的観測にしがみついていたのだ。
その理由について、今日では最高司令部は彼らの老元帥を心配させたくなかった、という説が有力になっている。
老元帥とはいうまでもなくマンネルヘイムのことであった。「今日は我が国の歴史の中で暗黒の日となった。」
彼は一人ですべてを背負い込もうとしていた。あらゆる情報が彼に報告され、すべての部門が彼の指示を仰ぎ、
決断は彼一人によってなされていた。参謀長でさえ、彼自身で決められることはわずかであったという。
マンネルヘイムは、今彼がすべきことをしようとしていた。
- 714 :名無し三等兵:2018/08/18(土) 11:18:32.44
- まずはボロボロになった戦線の整理であった。「第4軍団に退却を命ぜよ。VTラインで再配置だ」ソ連軍はすでに
第10師団の戦線を穴だらけにしていた。「シーランマキを押さえるのだ」そこにはコンクリートの対戦障害物が
建設された陣地が用意されたいる。フィンランド第2師団長のマルトラ少将は速やかにシーランマキを確保した。
しかし、第4軍団の後退により、第3軍団の右翼が危機にさらされることとなった。
「増援が必要だ」次にマンネルヘイムは、東カレリアの第4,6,11,17の4個師団と第20旅団、そして北方の第3旅団を
カレリア地峡に移動するよう命じた。「アグルッティに集結し、列車に乗車しろ」サッラ東方の陣地にいた第3旅団
第2大隊のヒリー少尉は中隊本部から命令を受けた。「身の回りのものだけを背嚢に詰めろ。準備が出来次第出発だ。
ぐずぐずするな」ヒリーは命じた。
その後やるべきことは援助の要請であった。「対戦車兵器が必要だ。我々には敵戦車を食い止める術がない」
彼の意を受けたニーティラ大佐は直ちにドイツ軍のエルフルト将軍と連絡をとり、援軍と武器援助を要請した。
- 715 :名無し三等兵:2018/09/19(水) 18:42:53.83 ID:WROhfnMI.net
- >>1のタイムスタンプに泣いた><;
- 716 :名無し三等兵:2018/09/22(土) 23:09:19.15
- 夕方、レニングラード戦線司令官ゴヴォロフは第21軍司令部を訪れた。「第63親衛狙撃師団がヴィボルグ高速道路の
入り口を押さえました。」司令部には各軍団から続々と報告が届いていた。「捕虜の尋問によると、攻撃は完璧に
奇襲となったようだな。」ゴヴォロフは満足げに将校達を見回した。「無線傍受班から至急電です。敵第3師団が前線に
移動中。敵は予備兵力を投入してきました。」第21軍司令官グーセフが告げた。ソ連軍の対応はフィンランド軍の
それとは異なり機敏なものであった。ゴヴォロフは命じた。「予備の第108軍団を君の指揮下に送る。敵の
作戦予備部隊を拘束し、叩き潰せ。」
その頃、ソ連軍が占領したばかりのテリヨキには、第30親衛軍団第45親衛狙撃師団が集結していた。兵士達が
集合を命ぜられると、政治将校、青年共産主義同盟、共産党指導者が入れ替わり立ち代り演説を行った。
「同志諸君、ヴィボルグは歴史的に重要な町だ。偉大なる指導者レーニンは何度もその町を訪れている。1907年、
そして1917年にもアレクサンドル通り15番地に住み、革命を指導した。この住所を覚えて欲しい。この町を
ファシストの手から取り戻し、偉大な歴史遺産を破壊から守るのだ。」ソ連軍はヴィープリへ向けて
進撃を開始しようとしていた。
- 717 :名無し三等兵:2018/09/29(土) 18:24:40.11
- 「敵の機動部隊はどこにいる?」フィンランド軍は戦線突破後に現れるであろうソ連作戦機動群の所在を必死で探索していた。
11日、装甲師団所属猟兵旅団は、第4軍団司令部から威力偵察を命ぜられた。あいにく、旅団長のアルベルト・プルマ大佐は
夏季休暇で不在のため、副官のエリック・サンドストローム中佐の指揮下、攻撃は10時に始まった。砲兵の支援もない混乱した
状況下、部隊はポルヴィセルカ付近でソ連第30親衛軍団の前衛部隊と接触した。猟兵達は奮戦し、何台かの戦車を撃破したが、
砲兵及び対戦車兵器の不足により結局は後退を強いられた。
「もしVTラインが破られたら、スヴィルとマーセルカから撤退します。」ヘインリヒスはドイツ第20山岳軍のディートル大将に
告げた。これによりフィンランド軍は2〜3個師団をVKTラインの防衛に投入できるはずであった。「その計画はできる限り早く
始めた方が良い」ディートルは答えた。カレリアの戦線はあまりに長かった。もしフィンランド軍が敗れれば、彼の部隊は
ノルウェイへの退路を断たれる恐れがあった。
- 718 :名無し三等兵:2018/10/08(月) 12:28:15.03
- その頃、ラトビア、リガ東方のマルピルスのドイツ第1航空艦隊司令部に慌ただしい動きがあった。
「OKL(空軍総司令部)から臨時部隊を編成せよとの命令が来た」司令官クルト・フリューグベイル
中将は幕僚達に部隊編成を命じた。
数時間後、エストニアのタルツ近郊ドルパット基地の第3地上襲撃航空団本部の電話が鳴る。ここは
ドイツ空軍の前線重要拠点であり、補給部隊や修理部隊の施設が集まっていた。コンクリート舗装
された滑走路には待機中のJu87スツーカ急降下爆撃機が並んでいる。「指揮官、航空艦隊司令部からです」
クルト・クールメイ中佐は司令部員から受話器を受け取った。窓からは連絡機が離陸するのが見えた。
クールメイはポーランド、ノルウェイ、フランス、イギリス、地中海、ソ連を転戦した歴戦のスツーカ・
パイロットである。1941年1月10日には英空母イラストリアスに命中弾を与えている。彼は2言か3言
話すと受話器を置き、その場にた第1大隊長ハンス・フォン・バーゲン大尉に言った。「至急移動準備だ。
第1大隊は航空団本部と行動を共にせよ。目的地はイモラ基地。」バーゲンは訝しげな表情を浮かべた。
「イモラ?」クールメイは答えた。「フィンランドだ。」
- 719 :名無し三等兵:2018/10/13(土) 09:39:07.02
- 同じドルパット基地に駐留する第54戦闘航空団(JG54)もペトセリー基地の第2代替をフィンランドに
移送させるよう命令を受けていた。緑色のハート、グリュンヘルツを紋章とするJG54は、東部戦線の
ドイツ空軍部隊の中でも際立った戦功で知られていた。戦争終結までに9500機もの撃墜戦果をあげ、
ヴェルナー・ノボトニー、オットー・キッテルら100名以上のエースは輩出している。指揮官エーリッヒ・
ルドルファー少佐は、2ヶ月前に134機撃墜の功により、柏葉付騎士十字章を授与されたばかりの、
ドイツ空軍が誇るトップエースの一人である。
12日朝、カレリア地峡では、ソ連軍は早くもVTラインに到達した。
- 720 :名無し三等兵:2018/10/14(日) 14:31:59.29
- 第10師団を後衛に後退するフィンランド軍は、南から第3師団、騎兵旅団がVTラインの陣地に配置された。
北部では第3軍団が右翼に部隊を移動させている。中央の第4軍団の防衛の要はヴィープリへの前進路である
キヴェンナーパであった。
しかしゴヴォロフは手薄な海岸道路にも大規模な部隊を集中しようと考えた。戦車、重戦車、自走砲の
各1個連隊で増強された第30親衛軍団主力はキヴェンナーパへ、第64親衛狙撃師団と戦車連隊2個、自走砲
連隊2個、重自走砲連隊1個はヴァンメルスーへ向かった。
12日朝、早くもソ連軍はVTラインに到達した。東カレリアからアロンゾ・サンドマン少将の
第17師団が
カレリア地峡へ急行していた。冬戦争で第30連隊を指揮してタイパレの攻防戦に参加し、41年の攻勢では
第7連隊でタイリャ、ソルタバラ、東カレリアを転戦したアルマス・ケンピ大佐の第20旅団もカルフマキ駅に
集結した。総ては時間との戦いであった。
- 721 :名無し三等兵:2018/12/28(金) 01:40:36.42 ID:oNjZDKUi.net
- 冬将軍来襲保守
- 722 :名無し三等兵:2018/12/29(土) 19:31:49.54
- 第20旅団は第22連隊の2個大隊を基幹に、歩兵4個大隊と第40重砲大隊、そして第20軽野砲大隊から構成されている。
彼らの移動は容易ではなかった。ソ連軍爆撃機の跳梁が激しく、線路は各地で寸断されていた。機関車や貨車も不足
している。「まずは人員と武器だ。余計なものは後からでいい。急げ。」ケンピは声をからして、兵を叱咤した。
南下する第3旅団の将兵を乗せた長い列車は、単線の線路をケミ湖に向かって走っていた。「何処に向かっているんだ?」
兵士達は小声で囁き合っていた。「警報。空襲だ。」突如見張りの兵士が叫び、対空機関砲が火を噴いた。ほぼ同時に、
爆音と共に太陽を背にしたソ連の戦闘機が列車を機銃掃射した。銃弾はボイラーを撃ち抜き機関車は煙を上げて停止した。
この空襲により、第3旅団長ハンヌラ大佐が戦死した。このため、カイ・サボンヨウシ大佐が旅団の指揮を引き継いだ。
大量に部隊を引き抜いたため、東カレリアの防衛戦の再構築が必要となっていた。マンネルヘイムは、ベルリンに赴任
していたパーヴォ・タルベラを緊急召還した。「マセル作戦群を指揮して欲しい。」ミッケリの総司令部に出頭した
タルベラはその場で第2軍団長に任命された。
- 723 :名無し三等兵:2019/01/01(火) 21:12:21.41 ID:8NPKhSN4.net
- とりあえず保守
- 724 :名無し三等兵:2019/01/01(火) 21:12:40.26 ID:8NPKhSN4.net
- 名スレ干す
- 725 :名無し三等兵:2019/01/01(火) 21:12:57.93 ID:8NPKhSN4.net
- wniの鈴木里奈の脇くっさ
(6 lゝ、●.ノ ヽ、●_ノ |!/
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\ 、'、v三ツ /
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- 726 :名無し三等兵:2019/01/03(木) 18:05:53.66
- 朗報もあった。援助を要請するフィンランド政府に対して、ヒトラーはまず武器禁輸令を解除した。ドイツ軍は早速
兵器の緊急輸送に着手する。「輸送機には余裕がない。敵機の行動も活発だ。敵の海空軍の警戒線を突破するには
夜間の海上輸送がよかろう。」エストニアの海軍基地からフィンランドまでは数時間の距離である。水雷学校や
訓練艦隊から高速艇がかき集められた。
13日、日の出前の暗い海面をドイツ海軍魚雷艇の一団が波濤を蹴立てて進んでいた。この船団はフィンランド軍
にとって、起死回生の秘密兵器、携帯式対戦車ロケット砲を運んでいる。「会合点だ」魚雷艇の艇長が双眼鏡で
あたりを警戒する。やがて彼は、発光信号を点滅させながら近づく船舶を発見した。「我に続け」の信号を確認
すると彼は航海士に命じた。「フィンランド軍だ。あの船に続け」魚雷艇はフィンランド軍哨戒艇の先導により
フィンランド東部、ポリに入港した。
この日476本のパンツァーファウストとパンツァーシュレック50門、そしてロケット弾600発が揚陸された。
- 727 :名無し三等兵:2019/01/12(土) 16:29:40.14
- 「戦線中央には敵第18師団、装甲師団の一部が配置されています。航空偵察によると第4師団が前線に向かっています。」
情報部からの報告を元に、ソ連軍も次の攻勢に向けて部隊を再編成していた。「キヴェンナーパの守りは固いな。
クーテルセルカと、その北のシーランマキで突破しよう。」偵察部隊の報告を聞いたゴヴォロフは、第30親衛軍団を
キヴェンナーパに配置する一方で、同軍団から第31独立親衛重戦車連隊、第351親衛重自走砲連隊を引き抜き、
第109軍団指揮下に入れた。さらに独立戦車連隊と自走砲連隊それぞれ2個を第108軍団に編入した。シーランマキは
第23軍の担当となった。クーテルセルカには第21軍の第72狙撃師団が集結し、第31戦車旅団、第27親衛独立重戦車連隊、
第98及び185独立戦車連隊、第351親衛独立重自走砲連隊、第1222自走砲連隊の車両がひしめき合っていた。
街道上はひどい混乱に陥っていた。戦闘部隊に加え、様々な後方勤務員も前進していたし、その一方で流れに逆らって
進む後送する負傷兵を乗せた自動車や荷車は各地で行軍を妨げていた。道は狭く、後退するフィンランド軍は周囲一面に
地雷を埋設していたが、工兵隊にも地雷処理の余裕がなかったため、街道を外れるのは極めて危険であった。
- 728 :名無し三等兵:2019/04/27(土) 02:01:23.91 ID:/DF46yCw.net
- フィンランド先生が何か、執筆中のようですよ。
- 729 :名無し三等兵:2019/04/30(火) 19:37:03.21
- 「再びカレリア地峡軍司令部を設置する必要がある。」マンネルヘイムは、効率的に舞台を運営するため、
3月にカレリア地峡軍を2個軍団に再編成していたが、実際にソ連軍の攻勢が始まると2個軍団は各個撃破される
おそれが高まっていた。さらに到着するであろう増援部隊も、必要な時に必要な場所に投入される必要があった。
14日朝、オネガ湖方面にいたレンナルト・オシュ中将は最高司令部のアイロ少将からの緊急電話をとった。
「状況は絶望的です。最高司令部は貴官に新しい任務を与えます。第3軍団と第4軍団の統括のため、直ちに
最高司令部に出頭してください。」オシュは、自身がカレリア地峡軍司令官になったことを知った。彼は
すぐさま司令部スタッフと連絡をとった。「ソ連軍攻勢の主軸は第4軍団に向けられている。すぐに
ラーティカイネンと連絡をとりたい。」オシュの問いにアイロは答えた。「所在不明です。ヴィープリ周辺の
どこかにいるはずです。」オシュにとっては冬戦争以来の苦境であったが、今後はもっと深刻であった。
- 730 :名無し三等兵:2019/05/02(木) 10:21:05.52
- VT線に配備されたばかりのフィンランド第3師団の戦区では、8時30分に90分の事前砲撃の後、ソ連第109軍団が攻撃を開始した。
ソ連軍先鋒は第53連隊の第1線陣地で釘付けにされた。フィンランド軍の防御砲火は熾烈であった。ソ連第72狙撃師団第133連隊
通信中隊は早々に中隊長を失った。砲撃により、電話線は各所で寸断されている。「増援を呼べない以上俺たちが行くしかない」
レオニード・アルダシェフ軍曹は、信号弾を打ち上げると自らライフルを持って駆け出す。中隊全員が彼に続いた。彼らが
塹壕になだれ込むと白兵戦が始まった。
フィンランド軍陣地には動揺が走った。「予備の第48連隊から1個大隊を増援に送れ」パヤリは命じた。しかし、早くも
9時には第53連隊第2大隊の守るクーテルセルカ村の防衛線は突破された。ソ連軍はそのまま進撃を続け、辛うじて戦線を
持ちこたえていたヴァンメルスーの騎兵旅団の左翼を圧迫する。
増援の第48連隊第1大隊が到着したのは、昼過ぎであった。8台のT34戦車と2台のSu76自走砲を伴ったソ連第133連隊は
対戦車障害物の爆砕を始めている。午後1時にはさらにフィンランド独立第13大隊も駆けつけてきたが、ソ連軍の浸透速度が
速く、彼らは反撃どころか防衛線の構築に忙殺された。「包囲される前に退却だ」対戦車兵器に欠く騎兵旅団は重圧を受け、
撤退を余儀なくされた。
- 731 :名無し三等兵:2019/05/06(月) 15:01:02.03
- フィンランド第4軍団司令部では、ラーティカイネンが戦線を繕おうと試みていた。18時、8機のJu88爆撃機が飛来し、
交差点と線路付近のソ連軍を爆撃した。「敵がVTライン後方に回り込み始めている。クーテルセルカの穴を塞がねば
ならない。」マンネルヘイムは、虎の子の装甲師団に出動を命じた。アルベルト・プロマ大佐指揮下に、猟兵旅団、
突撃砲大隊、高射砲中退、戦車猟兵大隊から成る戦闘団が編成された。「緊急出動だ。ぼやぼやするな」
SSヴィーキング師団出身の猛者、突撃砲大隊第1中隊長のカール・キヴィカント中尉が命令すると、突撃砲兵は
愛車に向かって駆け出した。急降下爆撃第4連隊の爆撃は22時と23時過ぎにも決行され、さらに砲兵4個大隊も
砲撃支援を行った。
装甲師団長ルーベン・ラガス少将が第3師団司令部に姿を現した。第3師団長パヤリは覗き込んでいた地図から
顔を上げた。「よく来てくれた。この戦況を何とかしよう。君の部隊に攻撃目標を与える」それを聞いた
ラガスは侮蔑の表情を浮かべた。「私は君が開けた穴を塞ぎにきたんだ。誰からの指示も受けない。」
パヤリは顔を紅潮させたが、屈服せざるを得なかった。ラーティカイネンより、戦略予備部隊は独立して
作戦を行うと告げられたのだ。彼は怒りのあまり、何も言わずに部屋を出た。
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