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【名無し限定】暇なので話しませんか? ワッチョイPart.2534

793 :優しい名無しさん (ワッチョイ cf25-Qn9W):2023/05/14(日) 18:58:36.21 ID:eL43eRnh0.net
雨といえば……

191206高村光太郎/あをい雨
誰か待つてゐる
私を待つてゐる、私を----
誰かしらぬが待つてゐる、何處かで
ぬれしょぼたれて、私を----

きりのない雨の音(旧漢字PCには無い)もじれつたいが
ほんとに誰だらう私を待つているのは
誰だらう、ほんとに
おや
まつさを雨の中で
微かに顫(ふる)へて吐息する森の中で
暗い若葉の影にしくしく泣いて
ぬれしよぼたれて
私の名を呼んでゐる
若い女の人が----
若い眼の大きい女の人が
警察の分署ではだかにされて
髪の毛を振り乱してもがきながら
呼んでいる、私を----
ああ、行く、行く
たとへ責めの折檻されても
私の行くまできつと我慢おし
白状(状の字に近いが白状の意)した花井(井:どうもこの字ではないらしい)お梅が待つている
寄席で大川端(ルビ”おほかはばた”)で
そして
ミステリアスな南米の花
グロキシニアの花瓣(花弁)の奥で
参照:http://secondlife.yahoo.co.jp/supporter/article/eEeI3NyRP0F0lE1.Kw--/2044/
薄紫の踊子が、楽屋(楽屋旧漢字の楽でルビ”フオワイエエ”)の入り口で
さう、さう
流行(ルビ”はやり”)の小唄をうたひながら
夕方、雷門のレストオランで
怖い女将(将旧漢字ルビ”おかみ”)の眼をぬすんで
待つてゐる、マドモワゼルが
待つてゐる、私を----
けれど、この雨のふりやうは
雨雲がでんぐりがへしでも打つた事か
何しろ、遠い(遠:旧漢字)とほい
事によつたらこの世ではない程とほい處で
待つてゐる、待つてゐる
ヱ”ルハアランも、ドナテロも、デユウゼも
それからマリイ・アントアネツトも
佛御前も、ヒルダも
長い睫毛(ルビ”まつげ”)の人も
待つてゐる、待つてゐる、私を----
それだのに
ああ、ぢれつたい雨の中で
誰が何處で待つてゐるのだろう
こんなみそぼらしい野蠻(やばん)な私を----

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