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死し人、冥界に墜つ

1 :筆踊らせる死神:2023/03/10(金) 17:25:13.17 ID:RlWNjQQh4
【魂らは存在するのか?】
する。
【魂とは?】
全ての物、概念に存在する力の核だ。
地上界の物にあっても意味は無いが
【人が死んだら魂が彼の世へ逝くのは本当か?】
本当だ。
【魂が無い物はどうなる?】
どうもならん。
【では魂にはどんな役割が?】
宿る物に現実としての強さを与える力がある。
【現実としての強さとは?】
現実としての強さ…つまり現実度、現実性とでも言おうか
現実性が強い物より現実らしくなる
簡単に説明すると「火を点ける」という概念に高い現実性を与えると
状況、条件を無視して火が点く、言わば…
魔法だ…

43 :筆踊らせる死神:2023/06/30(金) 22:34:25.48
エーテ「とんでもないのって…なんでしょうか?」
武装した死神「"ペルセポネ様"…が来るんだ」
ペルセポネ?
神話に出てくる神か?確か…

武装した死神「その様子だと知らないだろう」
武装した死神「まぁザックリ言うと天災だよ、毎日冥界を滅茶苦茶に破壊し尽くすんだ」
破壊し尽くす?ペルセポネって破壊神だったっけ?

武装した死神「冥界の女王…女帝様さ、"天上天下唯我独尊"の擬神化だよ」

エーテ「え!?  な、なんでそんな事を?と言うか危険なんですか?」
武装した死神「危険ってレベルじゃないよこの街も60億平方あるけど彼女が通れば瞬く間に灰塵さ」

トマス「じゃあ何故そんな神に武装してここを護ろうと?」
武装した死神「まぁほんの少しでも被害を減らそうと思ってな。毎日護ってるんだよ!」

エーテ「へぇ〜…いや!それより早く隠れましょう!避難しないと!」
トマス「確かに、早く行こう」

武装した死神「あ!あと〜!」
トマス「なんでしょうー!」
武装した死神「ペルセポネ様の悪口だけは絶対に言わない様にしろよー!」
トマス「は、はい〜!(悪口を?まぁそう言うなら言わない様に気を付けとかないとな)」

44 :筆踊らせる死神:2023/07/01(土) 07:49:26.38
そういえば…避難しながら思い出した
あの教育担当の人は出発する時"文明街に行くように"と言ってたなぁ
なんでかなぁ…

トマス「そういえばさ」
エーテ「はい?」
トマス「教育担当の人はなんでここに行くように言ったのかな?」
エーテ「ここでする事があるんでしょうけど、そもそも教育担当さんもここに着いてるんですかね…」
トマス「うーん取り敢えず…あっ!あった多分あそこ」
急だけども避難する事になったからあのシェルターに隠れないと
トマス「って…え?」

鉄筋が所々露出していて塗装も剥がれている
肝心の入り口の蓋も錆び付いていて…むしろここに居る方が危ない気が…

エーテ「…? 結構ボロボロだけど…大丈夫です…かね?」
トマス「あの人も隠れる様に言ってたし、多分…大丈夫なんだと思う」
そういう事にしとこう。(諦め)
エーテ「私達って…」
トマス「ん?」
エーテ「もしかして、騙されました…んですかね?」
トマス「…まさかね」
まさかそんな事は十中八九ないだろう。

45 :筆踊らせる死神:2023/07/03(月) 21:42:41.07
エーテ「と、取り敢えず勧められた様にここに隠れるしかないですよね…」
トマス「…だなぁ」
蓋を開けると埃が舞い散った。

エーテ「……」
トマス「……」
トマス「…大丈夫だよ!死神はきっと病気とか罹らないと思う!」
エーテ「ホントに…大丈夫ですかね…?」
トマス「………」
入口からは階段が見える…が
とても暗い数段先は暗闇

小さな証明が辛うじて光っているが足下に注意しないとな。
ここから転げ落ちてどうなるかは想像に難くない

46 :筆踊らせる死神:2023/07/03(月) 21:55:41.87
トマス「気を付けてね」
エーテ「…はい」
恐る恐る階段を降りて行くと…少し広いスペースがあった
薄暗い照明、石板の床、丸太の柱…並べられた樽。ここは貯蔵庫…か

トマス「あの人は地下シェルターって言ってたけどこれは…」
エーテ「で、でも大丈夫ですよ!頑丈そうですし…!!」
トマス「そう…だね」



???「おーい!」



エーテ「ッッッー!?ぎゃあー!?!?ダダダダッ!ダレカイルンデスススカ?」
トマス「うわっ!!  は、はい!」

???「君達〜凄いね〜!良く文明街に来れたね〜!」

47 :筆踊らせる死神:2023/07/03(月) 22:01:33.29
トマス「えぇ?あ!はい」
顔が薄暗くてよく見れない…‥一体…

???「あれ?吃驚させちゃった?アッハハハハハ!」

エーテ「ッ!‥…ーあっ!もしかして」
トマス「もしかして教育担当さんですか?」

教育担当「SOU!君達が来るのを見越して先回りしといたのさ〜!」

エーテ「う〜…吃驚させないで下さい〜」
教育担当「ゴメンゴメンww」
トマス「…そうでした!」
教育担当「はい?」
トマス「どうしてここまで来る様に言ったんですか?」
教育担当「あ〜…それはねぇ…」

48 :筆踊らせる死神:2023/07/04(火) 08:47:16.58
教育担当「ここなら冥界を知る社会勉強が出来るからだね」
トマス「なるほど…」
教育担当「んー…あとここなら生活には困らないし危険も少ないかなって」
トマス「分かりました」

エーテ「こ、ここは安全なんですね…」
教育担当「100%じゃないけど、体感60%は安全かな?」
エーテ「……」

教育担当「…あぁ、それと」
教育担当「ここには私の家があるからね、君達そこに住み込みで働くのが良いかなって」
トマス「分か…え?住み込み…?」
エーテ「えぇ…?な、何故でしょうか?」
教育担当「それはぁ…冥界は土地とかの物価が高いからね、ポンポン買える訳じゃないよ」

エーテ「具体的にどのくらいの値が…」
教育担当「君達が1日働いて1ソウル半…分かり易くいうと1万円くらいでぇ…えっと…」
トマス「えぇ…(どんだけブラックなんだよ)」

教育担当「君達が約700万年働いてトイレを買う事が出来るくらい」
トマス・エーテ「 ? 」
教育担当「700万年」
トマス・エーテ「(°▽°)」

49 :筆踊らせる死神:2023/07/04(火) 09:06:50.40
滅茶苦茶
…そう思った
ホントにどうなってるんだよ

教育担当「それより」
トマス「あっ…そうでした」
教育担当「君達もここに避難して来たんでしょ?」
エーテ「あっ!そ、そうでしたね…」
教育担当「……そろそろ来る。」
トマス「…あのペルセポネ」
教育担当「ペルセポネ様って言って」
トマス「は、はい」
教育担当「……来た!」
エーテ「え?」

50 :筆踊らせる死神:2023/07/04(火) 09:07:57.00
何かが自分の横を通り抜けた


ピカーン


強烈な閃光…全身に伝わる衝撃…脳内で木霊する高音…

トマス「うっ!」
一瞬だけ…白髪の少女が…見えた様な…?

……!?…一体何が…な…

エーテ「ッ!? ぎゃあー!たたたた、助けて〜!!!!」
エーテ!大丈夫か?…くッ…凄まじい風圧が…もしかして…ッ!?

教育担当「ウワーヤヴァーイ!」
教育担当「皆仲良く投げ飛ばされちゃったー!」

トマス「おー!?おー! 墜ちてるー!?!?」
地上が…見えない!? 上空に…居るッ… 一体何で!?

さっきの衝撃はッ!
いや…今はそれよりこの状況をどうするか…!

51 :筆踊らせる死神:2023/07/04(火) 09:14:27.58
教育担当「ほいっ!ほいっ!」
エーテ「うわぁぁぁー!」
教育担当「私に捕まってー!」
トマス「わ、分かりまッ…ーした!」

教育担当「よぉーっし!このまま着地だー!」
トマス「う、うわあぁあぁー!」
エーテ「いやぁー!!!タヒんじゃうぅぅぅぅ!!!!」

不味い…意識が…前が見……

52 :筆踊らせる死神:2023/07/04(火) 09:24:31.43
─…ここ…は?

???「起きろー!」
???「起きろー!寝坊助ー!」

この声は───

???「いつまで寝てんだよッ!」

トマス「ぐえッ!」

ジークフリート?

今…までの…は…夢だったのか?

ジークフリート「朝飯あるから支度したら来いよォー」
いや…幻覚…だろうか…

トマス「んー…眠いよ…もう少し寝てる…から…」
う〜…頭が…重い…眠気も酷いな…

ジークフリート「はぁー…まぁ残しとくからなぁー冷めない内に食えよー」
トマス「う〜ん…」
…前…暗く…寝て…しま………

53 :筆踊らせる死神:2023/07/04(火) 09:34:48.02
……
???「起きろー!寝坊助ー!」

トマス「グヘェア!!」

???「起きろー!」

トマス「うっ…」

トマス「…ハッ!?」
トマス「ジークッ!」
トマス「って…教育担当…さん」
エーテ「だ、大丈夫…ですか?」
はぁ…………夢かぁ?

トマス「あ、あぁ大丈夫だよ…」
教育担当「君ぃ〜着地した時に泡吹いて気絶してたよ!」
教育担当「アッハハハハハハハハ!」
トマス「はは…すいません」
教育担当「良いよ良いよ、災害様も通り過ぎたし」
教育担当「一件落着!ってね☆」

54 :筆踊らせる死神:2023/07/28(金) 23:01:44.94
エーテ「だ、大丈夫です…か?」
トマス「え?あぁ大丈夫だよ…安心して」

教育担当「…じゃ、私に付いて来てね〜」
トマス・エーテ「分かりました‥」

一悶着あったと言うのだろうか
そんな事があり教育担当さんに連れられて 夢の(?)シェアハウスに住む事になった

【道中】
エーテ「うわぁ…」
教育担当「アッハハハ…今回も酷いなこりゃあ…」
トマス「……」
あの"災害"が過ぎてから文明街と言う所はすっかり世紀末感の漂う荒野に成っていた
見渡せる限り殆どの建物は消し飛んでおり見える物も歪んだ鉄骨と壁しか残らなかった様だ

55 :筆踊らせる死神:2023/07/28(金) 23:07:30.90
そろそろ教育担当さんの家に着く所で気になる事がひとつ

トマス「…教育担当さん」
教育担当「なんだい?」
トマス「教育担当さんの家は…」
教育担当「ふっふっふー…安心したまえ!トマスくん!」
トマス「は、はぁ?」
教育担当「私の家は!なんと!準カロン製の建物!」
エーテ「カロン製?」
教育担当「カロン製の建物…とはねェ…まぁ滅茶苦茶頑丈な建物さ」
教育担当「ペルセポネの攻撃にだって耐え…ら」
教育担当「耐え…られ…る…」
三人「………」

連れられて来て見た物は家であろうナニカだった

56 :筆踊らせる死神:2023/07/28(金) 23:14:41.00
教育担当「……(災害保険降りるかなぁ)」
教育担当「……(買ったばっかりなのに…)」
トマス「だ、大丈夫ですよ!か、壁は残って…ますし」
エーテ「………」
教育担当「取り敢えず入ってね…」
トマス・エーテ「はい」

幸い基本的に家と呼べる最低限の骨組みは残っていた
家具もあるし…水道は…
教育担当「取り敢えず水出るかも…蛇口を…」
キィ…
………
教育担当「……」
エーテ「ガスは…?どうでしょう…か?」
教育担当「ガス?…そうだ!ガスはあるよね☆流石にね☆」
カチッ…カチッカチッ…カチッカチッカチッ…
…………

57 :筆踊らせる死神:2023/07/28(金) 23:19:13.93
トマス「コ、コンロは駄目でも!お、お風呂は!」
教育担当「水出ないよ」
トマス「……」

エーテ「電気…電気は!どうでしょうか!」
教育担当「ははははは…照明は…」
照明を点けるためのボタンは見当たらない
…あったとして押した所で他と同じ結果だろう

教育担当「…」
トマス・エーテ「……」
教育担当「………」
教育担当「…だ、大丈夫だよ!ほら!屋根と寝床さえあれば!ね!」

58 :筆踊らせる死神:2023/07/28(金) 23:24:26.40
教育担当「下向いててもなんとも!ならないよ!ほら!」
教育担当「なんかほら!どぅーいっと!」
トマス「仕事について教えてくれませんか?」
教育担当「仕事…あぁ!君たちの仕事ねー!はいはいはい」

吹きさらしとまでは行かないが廃墟と言われてしまうと反論は出来ないこの家
三人で力を合わせれば、頑張ればなんとか住めるだろう

〜1時間後〜

エーテ「なるほど…現世へ赴く際は交通許可が必要で…」
教育担当「分かってるね」
トマス「現世で集める魂は換金所で…」
教育担当「うんうん…」

59 :筆踊らせる死神:2023/07/28(金) 23:31:05.71
トマス「だいたい理解できました」
エーテ「分かりました…」

教育担当「んー…ばっちり☆ じゃあ早速行ってらっしゃい〜」
トマス「では、行ってきます」
エーテ「行ってきます!」
教育担当「あー向かうのは文明街の"界境場"だからね〜」
トマス「はーい!」
教育担当「うんうん…取り敢えず見守りますかね…」

教育担当「ふふふ…(あの子たちは上手くやれそうだね…)」

なんだか良く分からないな、でもこんなに濃い1日が続くなら飽きる事はないかもな…
ここでは直ぐに受け入れる、直ぐに理解する。そんなのがないとやって行けんだろうな…

60 :名無し物書き@推敲中?:2023/09/02(土) 15:12:25.81 ID:gXuumL4aX
続きはよ

61 :名無し物書き@推敲中?:2023/10/12(木) 22:40:35.00 ID:h0IeCUk/L
続き

62 :筆踊らせる死神:2023/11/06(月) 16:17:01.74
続きそんな欲しい?

63 :筆踊らせる死神:2023/11/10(金) 01:40:21.14
【界境場へ向かう道】
教育担当さんに色々教わった自分達は…初仕事をする為に〜
?
…いや

トマス「……いや、どうなってんだよこれ!!」
エーテ「ヒャイ!?」
トマス「タヒんだら急に死神になって物事がトントン(?)拍子に進んで…」
トマス「おかしいだろ!普通に!」
エーテ「ドド、どうしたんですかいきなり…?」
トマス「普通に考えてこんな話ある訳〜」

???「"死んだらいきなり社畜になってしまった。"」

トマス・エーテ「え?」

64 :筆踊らせる死神:2023/11/10(金) 01:50:07.47
???「"働く事に疑問を懐かない"」

トマス「ゑ? はい?」
エーテ「す、すみません、何方様ですか…?」

???「俺?」
???「……お前ら、新人だろ」

トマス「…はい」

???「なら…俺の事は知らねぇよな、」

エーテ「(勿体振って無いでさっさと名乗らないかなぁ…)」

???「ここはなぁ…」

65 :筆踊らせる死神:2023/11/10(金) 01:54:40.34
トマス「あのぅ〜…」

???「…なんだ?」

トマス「お名前は〜?」

???「"6"」

トマス・エーテ「はい?」

 6「"ロク"って名前だ、"禄"な名前じゃねぇよな?」

トマス「そ、そうですね…」
エーテ「あ、あはは…」
 6「無理して笑わなくて良いぞ」
トマス・エーテ「はい…」

66 :筆踊らせる死神:2023/11/10(金) 02:04:09.03
エーテ「そ、それより」
 6「ん?」
エーテ「さっき"死んだらいきなり社畜に〜"って言ってましたけど」
エーテ「あれってどういう事なんですか?」

 6「どんな事って…まぁ、特に意味なんてねぇよ」

エーテ「そ、そうなんですね…」
 6「腹は空かないか?」
トマス「 はい…確かに今日は何も口にしてませんけど」
 6「飯を…」
エーテ「飯を…?」
 6「お前らは飯を食える所を知ってるか?」
トマス「え、それは街を歩いてれば〜」

 6「良いことを教えてやろう。」

67 :筆踊らせる死神:2023/11/10(金) 02:18:10.21
エーテ「良いこt
 6「"冥界で食料品はとても貴重"」
トマス「え?とても貴重って…」
 6「"名前のある死神はとても強く位が高い"」
エーテ「?」
 6「"冥界で常識は通用しない"」
 6「冥界で通用するのはまぁ…法律【ルール】だな」

トマス・エーテ「…」

 6「お前、」
トマス「はい?」
 6「お前さっき、声を荒げて"おかしいだろ〜"とか"普通に考えて〜"とか」
トマス「えぇ…あっ!」
 6「新人は良くなるんだよな、あー言うの」
 6「現状と常識にギャップが生まれてどんどん自分自身も冥界みたいに可怪しくなる」
トマス・エーテ「…」
 6「気を付けろよ」
トマス「は、はい。 …ご忠告ありがとうございます」
 6「忠告も何ももうなってたけどな、…ふっ」
トマス「ははは…」
エーテ「はぁ… 」

68 :筆踊らせる死神:2023/11/10(金) 02:35:02.50
???「新人に随分優しくしてるわねぇ6」
トマス「…?」
また死神が現れた、目を奪われる程に綺麗で、その…大きい(身長)人だ

 6「…気紛れだ」
 13「…あぁ、6が世話になったわね、私は"13"って言うわ」

 6「世話になった〜って、俺が世話してるぐらいだし〜…」
 13「6は外顔(蛆を掻き集めて潰した様な醜悪な顔)も悪いし子供(身長)みたいだし嫌味なオッサンだけどどうぞご贔屓に☆」
トマス「は、はい」
エーテ「はぁ…?」
 6「勝手に贔屓してろ」
エーテ「す、すみません!」

 6「それより13、俺はもう帰るが…」
 13「あらそう…じゃ、私もオイタマするわね」

トマス「分かりました」

 13「気を付けてねぇ〜」

トマス・エーテ「はい〜!」

69 :筆踊らせる死神:2023/11/10(金) 02:54:48.69
エーテ「なんだったんですかね、あの人達…」
トマス「さぁ?  でもちょっと裕福な感じはしたなぁ〜」

教育担当「貴族だよ〜」
エーテ「わうぇ!!??き、教育担当さん!?」
トマス「…!!教育担当さん!いきなり出ないで下さいよ…」
教育担当「君たちの事が心配で心配でぇ〜もう来ちゃった☆」

トマス「それより貴族ってどういう事ですか?」
教育担当「12死神って呼ばれる冥界でもトップ2クラスの神達」
トマス「12死神…」
エーテ「それって、12人居るんですか?」
教育担当「13人居るよ」
エーテ「じゃあなぜ12死神なんて名前…」

教育担当「12人の死神が集まった時12って名前の人が死神だったかららしい?」

ん…?どういう意味だろう…いや考えてもしょうがないか

70 :筆踊らせる死神:2023/12/14(木) 06:34:15.11
【界堺場へ向かう道の途中】
界堺場って場所の附近は被害が少ない様だ

教育担当「はっ………」
エーテ「…? どうかしましたか?」
教育担当「…ゑ?ナンデモナイヨォ〜」
教育担当さんは私達の隣でペラペラ喋ってヘラヘラしているが
時折だんまりしていて何か考えてるのが分かった

トマス「その12死神って言うのは冥界【ここ】で一番偉いんですか?」
教育担当「…いんや、貴族って言ったでしょ?つまり王族も居るって訳」
エーテ「それってここ滅茶苦茶にした…」
教育担当「そうそう、ペルセポネ様だね。彼女は王族の一人、冥界の女王」
トマス「(あの破壊神がか…)」

71 :筆踊らせる死神:2023/12/14(木) 06:50:59.17
教育担当「…と言うか私用事あるんだった。」
トマス「あ!そうだったんですね」
教育担当「ちょこちょこチョコっと行って来るね〜」
エーテ「は、はい…」
教育担当「頑張れよ〜」
トマス・エーテ「はーい!」
途中で出会ったのは多分用事を片付ける様あったからだろう
教育担当さんは何かを考えながら鋭い目つきで何処かへ飛び去った

〜10分後〜

トマス「……何か臭わない?」
エーテ「はい?(もしかして私…?)」
トマス「酷い腐臭が…するような?」
エーテ「は、はぁ…(まさかそんなに臭ってる?)」
トマス「あと獣臭、んー…これなんだろう?」
エーテ「さ、さぁ?ネズミや野犬の腐乱屍があるだけじゃ?」
トマス「そう…かなぁ…」

72 :筆踊らせる死神:2024/01/20(土) 06:41:53.53
エーテ「あっ、そう言えば(唐突)」
トマス「ん?」
エーテ「認識を合わせる為に訊くんですけど」
トマス「うん」
エーテ「魔法って知ってますよね?」
トマス「まぁ…一応ね、呪文を唱えたり手順を踏んで対価を払って〜」
トマス「兎に角…複雑な感じ?」
エーテ「あぁ…そう、そうですね。」
エーテ「‥そうですか……」

エーテも何か考えてる様だ
教育担当さんも考え事してそうだし、もしかしたら自分だけ呆けてるってのが可笑しいんだろうか?
なんて考える。

73 :筆踊らせる死神:2024/01/20(土) 06:56:01.95
考える…ん?
記憶によれば(生きてた時の)自分はもっと考えに耽ける奴だった
仲間からもそれを良く指摘されてた
それに、

トマス「…?」
トマス「‥何かを…忘れて…?」
エーテ「はい?」
トマス「あっ、いや!別に…」

エーテ「…あれ」
トマス「ん?」
エーテが何かに気づいたのか道端にある何かを眺めている
眺めている方向を見てみれば看板があった
錆びて古びて、字だけは何度も上から書き足している

未知の言語で書かれている看板

74 :筆踊らせる死神:2024/01/20(土) 07:11:06.35
エーテ「"ガルム出没注意"…?」
トマス「読めるの?」
エーテ「わっ!?え、いや、私この字はさっぱりなのに」
エーテ「私がこれをよ、読めたんですかね…?」
トマス「これは…」
トマス「"誰でも理解できる"ようになってるのか?」
エーテ「…不思議、ですね」
トマス「たぶん冥界で使われる言語なのかな…」
エーテ「あっ!?そう言えば」
トマス「確かに」

思い返せば案内板の文字や教育担当さんの書いた字も読めてた
理解出来ていた、これが…冥界特有の言語による影響なのかな?
分かっているのに余計に分からなくなって来た

75 :筆踊らせる死神:2024/01/20(土) 07:25:04.31
と言うか
トマス「と言うかガルムって…」
エーテ「ガルム?…ガルムって北欧神話に出てくる…」
トマス「もしかして危険?」

???「そんな事ないよ〜」

エーテ「ヴャア!!」
トマス「!?」

凄まじい死臭がする、瓦礫の陰に潜んでいて姿は見えないが明らかに何かが発している
その何かが言葉を発して自分達に近付いて来ているが

???「なんで避けるの〜」
???「俺達フレンドリ〜アニマル〜」

エーテ「えっえっ…えっ?"俺達"!?」
トマス「…っ」

76 :筆踊らせる死神:2024/01/20(土) 07:42:19.23
さっきまで考え込んでたせいで全く気付かなかった
呻るような息遣いが周囲から聴こえてくる…
この何かが安全じゃないと誰でも分かるハズ

???「…自己紹介しよ〜」
自分達の後ろからはっきりと声が聴こえてきた

ガルム「俺は…いや俺達はガルムって言うんだぁ〜」
振り返るとそこには屍の様に赤黒くハイエナの顔をした獅子が居た

エーテ「ひぃ…」
トマス「……(隙を見つけて逃げないと)」
ガルム「へへ〜食べちゃうぞ〜」
エーテ「いやぁぁぁ!!!」
トマス「エーテッ!」
エーテ「(ガクッ…」

ガルム「あっ」
トマス「気絶した…」

77 :筆踊らせる死神:2024/01/20(土) 07:59:29.33
トマス「っ……何が望みだ」
ガルム「えぇ…(困惑)俺達そんなつもりじゃなかったのになぁ…」
トマス「普通に喋ってるし…それに涎だだ漏れだし、絶対食うつもりじゃ…」
急に口調を変えてきた…と言うかさっきまで明らかにかまととぶってたよな…

ガルム「俺達は強いて言うなら可愛い女の子が望みや」
ガルム「誰がお前を食うんだよ、身の程を知れ死神」
トマス「…ッチ(なんでこんな事言われなきゃ駄目なんだ」
ガルム「あ〜舌打ちした〜良く無い〜!」
トマス「と言うか俺"達"って言ってたけど他にも居るのか…?」
ガルム「うん、狩りしてるからや」
トマス「狩り?…でも自分達は襲わないのか?」
ガルム「死神は食えんてw」
トマス「?」
ガルム「死んだら消えるもん」
トマス「‥そうなのか…」
ガルム「死神が知らねーのかよっ!全くこれだから若いもんは…」
トマス「"若いもん"って、じゃあお前はいくつなんだよ」
ガルム「(生前は)24歳、野犬です。」
トマス「俺より年下じゃねーか!吾31ぞ?!」

78 :筆踊らせる死神:2024/02/28(水) 02:34:57.75
ガルム「そんな事よりだなぁ…」
トマス「そんな事って…」
ガルム「良かったなお前達」
トマス「?」
ガルム「俺等が恐水に罹ってて理性を失ってたらお前達絶体絶命だったぞ?」
トマス「恐水…(狂犬病と言う奴か…)」
ガルム「"ここ"で理性のない獣は害獣とか家畜みたいな扱いされるんだよ」
トマス「…」
ガルム「ある日突然。そうなる危険に怯えながら生きるなんて、息が詰まるよ全く…」
トマス「そう…(無関心)」
ガルム「話聞いて、どうぞ」
ガルム「まぁ…死神はそんなに怯える必要は無いし、なんせ病気に罹らんからな!」
トマス「へぇ…(病気に罹らないのか?)」
ガルム「まっ、お喋りもここまで、群れのボスは忙しいんだ、お前に構ってる暇は無い!」
トマス「えぇ…」
ガルム「達者でな。その娘にもな」
トマス「はぁ…」

そうして話が終わると瓦礫の裏から黒い影が散り散りに何処かへ去った

79 :筆踊らせる死神:2024/02/28(水) 02:50:27.37
エーテ「うぅ…うーん、あっ」
トマス「また寝てたね…」
エーテ「はっ……/////」
エーテ「…スイマセン」
トマス「良いよ、ハハ…気にしてないから」
エーテ「そそ、それより!界境場に…む、向かいましょう!」
トマス「…うん」
こうして他愛もない談笑をしていると懐かしいような気分に浸れるな…

〜30分後〜

トマス「…あった」
エーテ「あっ、はい!」
道成りに歩いていると何時しか建物と人に囲われた広場に着いた

エーテ「あそこですね…」
自分が見ている方向にエーテも目を向けた

ピカピカに磨かれた鉄製の看板に「界境場」と書かれてあったのが読めた

トマス「ここに入れば…いいハズ」

80 :筆踊らせる死神:2024/02/28(水) 02:59:52.30
徹底的に整備された巨大な駅の様な建物があった
周囲の建造物と比べても異質な程綺麗で新品同然の見た目で
トマス「凄く目立ってるね」
エーテ「ほ、本当に私達が入って良いような建物なんですかね…?」
トマス「教育担当さんに言われたんだから、取り敢えず入ろうか」
エーテ「は、はいぃ……」
どうやらエーテは乗り気じゃなさそうだけど……
"自分は平気"なんて一瞬思ったけど、この巨大な建物に付いた大きな入口を見ると流石に怖気付いた

トマス「はぁ〜… 入ろうか」

81 :筆踊らせる死神:2024/02/28(水) 03:40:11.28
トコトコ…

建物の中は灰色の大理石で出来た床、壁、天井…
エーテ「ハ、ハデス宮殿より綺麗だったり…?」
トマス「…」
入ってすぐ目の前に受付、側に並べられた椅子があり
受付に立っている死神は私達のそれより豪華そうな制服の様な衣装をしていた

スタスタ…
トマス「すいません」
受付死神「どのようなご用件で」
受付の死神から無機質な声が発せられた
トマス「…(教育担当さんに言われた通りに)」
トマス「20級魂斂死神、二人。現世へ仕事に」
そう言うと直ぐに編纂書を開きペラペラと捲り何かを確認した後直ぐ閉じた
受付死神「…確認完了、現世へ向かって下さい」
トマス「はい」

エーテ「だ、大丈夫でしたか…?」
トマス「あぁ!平気平気、気にする程の事じゃないよ」
エーテ「は、はい!」

82 :筆踊らせる死神:2024/02/28(水) 04:26:07.69
エーテ「で、では行きましょう!」
トマス「そうだね、じゃあ…あ」

緑青色の死神「ふむ」
どうやら他の死神も入って来たようだ、考えればこの仕事をしてる死神は他にも居るから当たり前か
トマス「…(随分と装飾された服だな)」
緑青色の死神「…2級異裁死神、対象ネメアを狩りに」
ネメア…なんだろう?異裁死神ってのも…

受付死神「…確認完了、現世へ向かって下さ
緑青色の死神「ん?」
受付死神「どうかしました」
緑青色の死神「君…!」
受付死神「……はい」
緑青色の死神「アルバトロス?!」
受付死神「げっ…」
緑青色の死神「会いたかったんだ!」
緑青色の死神「また逢えるなんて…!これは運命だ…!これは!!」
受付死神「クソ…あぁ〜…そこの20級の御二方!」
エーテ「えぇ!?」
受付死神「さっさと行って下さい!」
トマス「は、はい…」
受付死神「…(見世物じゃねぇぞ…」
緑青色の死神「もぉ〜!ソレより私ともっとお話しようよ!」
受付死神「黙れ」

83 :筆踊らせる死神:2024/02/28(水) 04:45:47.70
トコトコスタスタ…
何だか向こうではいざこざが始まりそうなので自分達もさっさと"仕事場"へ向かうことにした

エーテ「あれ…大丈夫なんですかね?」
トマス「うーん、でも自分達には関係ないから気にする事はないよ(…多分」
トマス「…着いた、ここが入口…いや出口?」
一寸先は虚空が広がる門、どうやらここが現世に繋がっているらしい

エーテ「うぅ…」
エーテは怯えた様子でこっちを見たけど自分は何とも言えないので

トマス「じゃあ…入るよ!」
エーテ「え?え!!わ、私も!」

無駄にローブをはためかせながら門へと飛び込んだ

ヒュ~ン

84 :筆踊らせる死神:2024/02/29(木) 23:57:22.50
煌めく虚空が眼前に広がる
そして歪んでいく

身体が落ちる様な感覚がし…

目が醒めた

気が付いたら虚空は森に変わっていた

トマス「…はっ!」
トマス「(日中か…ここは?」
トマス「…!それより!」
それよりエーテは何処に?

直ぐに周りを確認したら少し離れた所におどおどしているエーテを見つけた

エーテ「…あっ!トマスさん!」
エーテもこっちを見つけた様だ

85 :筆踊らせる死神:2024/03/01(金) 21:37:42.64
トマス「大丈夫?」
エーテ「は、はい…私は」
エーテ「それよりここはどこなんでしょう…」
トマス「…取り敢えず人の居る所を目指そうか」
空気はそこまで澄んでは居ない、人里に近いのかも?
…あっ!

トマス「道があるね」
エーテ「あっ…本当ですね…」
少し拓けていて硬い土が続いている…

トマス「登ってみよう」
エーテ「え?」
トマス「案内板があるかもしれない」
エーテ「はい…」

86 :筆踊らせる死神:2024/03/01(金) 23:06:06.37
教育担当「私が案内してやろう!!」
エーテ「わっ!?」
トマス「えぇ!…また突然現れましたね…」
教育担当「まぁまぁ、何時か慣れるさ」
エーテ「うぅ…慣れません…」
トマス「はは…」
教育担当「そんなことより、説明しよう!」
教育担当「ここは現世、人の魂を集めよう」
トマス「はい…」
教育担当「付いて来て」
エーテ「わ、分かりました」
そう言うと教育担当さんが道の様な藪をさっさと歩いて行った
…ついて行くしかない

トコトコ~スタスタ~

87 :筆踊らせる死神:2024/03/01(金) 23:52:24.33
教育担当「ほら着いたよ」
町…
トマス「もしかして…に、日本?」
エーテ「にほんって何でしょうか?」
教育担当「知ってるの?はえ〜すっごい」
トマス「あっ、えぇ…」
教育担当「この世界で国って呼ばれてる国だよ」
エーテ「そうなんですね…」
教育担当「まず、いや…うーん、君たちまだ飛べないからなぁ…」
トマス・エーテ「?」
教育担当「…(おっ!丁度いいな)あれ見える?」
エーテ「あれ?」
トマス「はぁ…ん?」

教育担当さんが指差している方に目を凝らすと何かが朧げに浮いている

88 :筆踊らせる死神:2024/03/03(日) 17:06:31.68
エーテ「あ、フラフラ歩いている人が居ます…」
教育担当「そうだけど、なにか揺らめく物が見えるよね?」
トマス「ん?」
フラフラと歩いてる男の頭から背中にかけて白い炎の様な物が揺らめいている
教育担当「あれは死ぬ事が決まっている人間だ」
トマス・エーテ「……」
教育担当「エーテ、あの人間に向かって武器を振ってみて」
エーテ「えぇ!私ですか!?」
教育担当「……」
トマス「……」
エーテ「うぅ…」
エーテは嫌嫌男の方へ歩いて行った、何度も振り返って何かを訴えかけている様だが
結局男の近くまで行った
エーテ「あのぅ…」
男「…して…野郎…」
エーテ「あ、あの!」
エーテ「うぅ…///」
教育担当「現世にいる生物は自分達に気付かないよ、触る事も出来ない」
エーテ「あっ…はい…」
エーテ「…やります」

覚悟を決めたらしい

89 :筆踊らせる死神:2024/03/03(日) 17:25:12.13
エーテ「ふぅ…」

エーテ「…えい!」
力んだのか怖いのか目を瞑って鎌を大きく振った

エーテ「……?」
目を開けると男から揺らめく何かが消えていた

トマス・エーテ「え?」
男はさっきと変わって居ない様子だ

エーテ「教育担当さん…これで大丈夫ですかね…?」
教育担当「YES」
エーテ「(ほっ…」
緊張が解けて表情が少し緩んだ

教育担当「容器を確認してみて」
エーテ「は、はい!」
エーテのポシェットバッグの内側が光っている
教育担当「ちゃんと入ってるね、光が強い程多く入ってるよ」
教育担当「要量は掴めたね?じゃあ二人共そこら辺からパパっと集めて来てね〜」
トマス「分かりました」
エーテ「はい…!」

90 :筆踊らせる死神:2024/03/21(木) 22:52:05.18
トマス「…おっ」
少し歩いているとさっきと同じように白い炎を出している人間がちらほら居た

エーテ「あ、あれ」
トマス「ん?」
エーテの目線は人に向かっている…いや

トマス「…人間ではないね」
エーテ「も、もしかして…オバケ…」
トマス「あれも回収出来るのかな?ちょっと行ってくる」
エーテ「えぇ…?き、気を付けて下さい…」
それに背負ってる"コレ"の使い勝手も気になる

良く見てみるとそれは浮かんでいる人型の炎で微かな軌跡を残しながらフラフラと漂っている

注意しながらソレに近づいて…剣を手に持った

91 :筆踊らせる死神:2024/03/21(木) 23:05:11.90
トマス「おぉ…」
軽い、ツヴァイヘンダーとはまるで思えないくらい
     「…ふう」
深く早く息を吸い、吐く…そして持ち上げる
    「……はぁっ」

ブンっ!

剣の先が風を切るように素早く動いた
この武器は使うのが楽しくなる程気持ち良く動く

エーテ「おぉ…!」
トマス「お〜…」

人型の炎は霧散した…同時に腰に吊るているランタンが仄かに光を発した

92 :筆踊らせる死神:2024/03/21(木) 23:24:52.69
エーテ「す、凄いですね…」
トマス「はは…そうかな?褒めらr
エーテ「トマスさんの持ってる剣も私のも軽いみたいです」
トマス「あっ…うん、そうだね。」
エーテ「これも何らかの技術ですかね…」

それから二人で周辺を回りひたすらに魂を集め続けた

〜4時間後〜

【駅前】


教育担当「ふぁ〜眠い眠い……」
教育担当「おっ!」
教育担当「来た来た!」

トマス「戻りました」
エーテ「つ、疲れたぁ〜…」
教育担当「たったの5時間で疲れるなんてこの国の労働者に呆れられるよッ!?」
エーテ「えぇ〜…」
教育担当「二人とも初仕事ご苦労さま、んじゃ、帰ろっか〜」
トマス・エーテ「はい…!」

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