【ライ麦】サリンジャー総合【グラース】
- 1 :やれやれ、僕は名を失った:2010/09/18(土) 22:05:30 .net
- 遺稿は出版されるのか!?
サリンジャーを語れ!
- 642 :吾輩は名無しである:2024/05/24(金) 23:25:18.73 ID:Gpd9yghR.net
- 人格形成期にライ麦畑やナイン・ストーリーズを読んで、よく解説本で書かれてた主人公への同一化、とかではなくサリンジャーの作品のビジュアルイメージみたいなのに強く惹かれたのはワイだけではないと思う。
世代的な問題なのかもしれないが、ライ麦畑に強く恋い焦がれはしたんだけど、別にインヴォルブもされなかったし、誰かを殺したくなったりはしなかったんだけどとにかく、小説内の風景に惹かれた。みたいな人ってたくさんいるはずで、それはサリンジャーが風景描写の巧い作家だからなんだが、
- 643 :吾輩は名無しである:2024/05/24(金) 23:31:01.13 ID:Gpd9yghR.net
- >>642
一方、ライ麦はまだしもナイン・ストーリーズを読んで、冒頭のバナナフィッシュと最後のテディって、わけのわからない二作に、すごくわかりやすい短編群がサンドイッチになってる構成は、いくらなんでもなんかの意図があることを誰だって感じるはずで、正直謎解きサリンジャーってすごく腑に落ちた。
- 644 :吾輩は名無しである:2024/05/24(金) 23:36:44.26 ID:Gpd9yghR.net
- >>643
ナイン・ストーリーズの中で、頭のバナナフィッシュと尻尾のテディだけが余りにも難解、てってのは、通して読んだ人ならみんなが思うことで、ワイは恥ずかしながらナイン・ストーリーズって短編集が謎の銃声から始まり、謎の悲鳴で終わる、って構成自体に気が付かなかった。
何百回も読んだはずなのに。
- 645 :吾輩は名無しである:2024/05/24(金) 23:49:23.54 ID:Gpd9yghR.net
- ナイン・ストーリーズって、なんの理由も示されないままシーモアが拳銃で自殺する場面から始まり、小学生の国語の教科書レベルの自己完結的なわかりやすい短編を挟み、最後にテディの、またしても理由の示されない自殺と、誰かの悲鳴によって終わる。
この構成。
んで、言い逃れできないのが、冒頭の片手のなる音〜って文。
私の好きなサリンジャーってのはそれぞれあっていいと思うが、文学史上においてサリンジャーってニューウェーブの人だったってのは、すでに他界してる人にこういう評価するのもどうかとは思うが、もう、言い逃れしようとがないと思う。
- 646 :吾輩は名無しである:2024/05/25(土) 00:05:02.75 ID:386dZYzD.net
- >>645
ワイがそうだが、東洋人が好きなサリンジャー的な風景ってのがあって、それってそれこそアメリカの田舎町の背の高いライ麦畑だったり、陰キャ目線で見るクリスマスシーズンのニューヨークの町並みだったりするんだけど、実はサリンジャーの描くアメリカってマイルドヤンキー的というか、オールドアメリカンなそれでホッパーほどの都会ネイティブなものでもない。
- 647 :吾輩は名無しである:2024/05/25(土) 00:20:19.08 ID:386dZYzD.net
- >>646
禅の本場である東洋のサリンジャーの読者に、なぜかサリンジャーが禅に傾倒していた、って明らかな事実を受け入れられない感性ってのがある気がするのだ。
サリンジャーをアメリカの懐かしい風景として好きだってんなら、別にそれはそれでいいけど、批評の俎上にサリンジャーを正しく置くとすれば、謎解きサリンジャーって決定的な一冊なんだよね。サリンジャーは東洋の禅を意識しているのに、東洋のサリンジャー読者はサリンジャーの描く西洋(アメリカ)の風景に恋い焦がれているので、ニューウェーブ以降の世代はとくに逆輸入に耐えられない、みたいなの、ないか?
- 648 :吾輩は名無しである:2024/05/25(土) 23:14:34.45 ID:eQIf31jk.net
- >>641
ビートルズが一時期なんとかってヨガだかに嵌ってすぐ嫌になってやめたって話は有名だが、あの時代に西洋人にオリエンタリズムみたいなのが流行ったんだが、その一昔前にオリエンタリズムにガッツリのめり込んじゃってた人の一人がサリンジャーで、サリンジャーにせよビートルズにせよ日本人にとっては逆輸入されたオリエンタリズムみたいなのがある。
これを団塊世代の一人の西洋文学好きの日本人男性の視点に想像のピントを合わせると、村上春樹って現れるべくして現れた作家だと思う。
- 649 :吾輩は名無しである:2024/06/13(木) 02:27:44.08 ID:uYmqaKPI.net
- 活字の学び
2007年09月16日
第12回「翻訳文学のいま」
【角田】 10代で唯一読んだ英米文学が野崎孝さん訳の『ライ麦畑でつかまえて』です。村上さんの新訳を読んで、こ
んなに違うものかと思いました。すごくクールで格好良く思えた主人公の男の子が、弱っちくてちょっと情けない子にな
っていて。自分が大人になったこともありますが。17歳で村上訳を読んだら、もっと違う感想を持ったかもしれない。
【金原】 たしか川上弘美さんが、新訳はモダンな家だが、昔読んだ旧訳は古い自分の家みたいと言ってたけど、それは
あるかな。
金原瑞人
角田光代
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