金田一少年の事件簿R(リターンズ) ファイル35

金田一‥‥

これは―― 償いだよ

あの3人のシャレにならない悪ふざけが
俺の母さんを殺した

俺はあいつらに
その償いをさせたんだ‥‥！

神小路陸 CV:櫻井孝宏
この事件の真犯人「白狐」。

かつては両親と3人暮らしで、家は決して裕福とは言えない状況だった。
6年前のカブスカウトのキャンプも当初は経済的理由から参加を断念せざるを得ないと思われたが、母親のおかげでなんとか参加費用を捻出することができ、さらに新しいスニーカーも買ってもらった。
遭難事件の際に陸が靴紐を渡すのを嫌がった理由はこのため。
そんな事情を知る由もない茉莉香たちには、彼が「いけ好かないやつ」として映ってしまい、凛を襲ったスズメバチを捕え、陸の水筒の中に生きたまま入れるという悪戯を行う。
しかしその水筒を陸が開けることはなく、代わりに犠牲となったのは帰宅した息子から水筒を受け取った母親だった。

運の悪いことに、陸の母親は過去に一度スズメバチに刺されたことがあり、それが原因でアナフィラキシーショックを起こして間もなく死亡。
そして父親は、スズメバチを仕込んだのは陸の仕業であると思い込み、母親を殺すつもりでやったのではないのを理解しつつも心の中で陸を憎むようになり、以降6年間酒浸りになって陸に暴力を振るい、陸も不良とつるみ父親と距離を置くようになり、家庭は事実上崩壊した。
物語の半年前、父親は肝硬変で死亡。事切れる寸前になって母親の死の原因がスズメバチによるものだったということを明かし（当時は心臓発作と言い聞かせていた）、原因を作ったと思い込んでいた陸を憎んでいたことを謝罪して息を引き取ったが、
結局最後まで陸がやったと思ったままで終わり、誤解は解けることがなかった。

「スズメバチ」というキーワードから、陸は6年前の遭難事件を思い出し、母親の死の原因が茉莉香たちにあるのではないかと疑う。
事の真偽を確かめる為に陸は白狐村を訪れ、茉莉香と久しぶりに再会を果たすが…。