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響け!ユーフォニアム 14小節目

128 :風の谷の名無しさん@実況は実況板で@\(^o^)/:2015/04/15(水) 07:49:07.94 ID:q3/9xsrK0.net
そして高校に進学し、斎藤葵は本物の天才に出会ってしまった。

ピロティーからは今日も疎らなサックスの音が聞こえてくる。正直うるさい。葵は開いていた参考書から一度視線を離し、
それから窓の外へと視線を落とした。コンクリート製の水飲み場の近くでサックスパートの数人が練習をしている。
紺色のセーラー服が風を受けてひらりと翻る。太陽の光を浴びて、楽器の表面がキラリと瞬いた。
「……あの子達、練習なんてしいひんタイプやったのに」
 無意識の内に独り言ちた言葉を、聞いている者はいなかった。放課後の教室に人影はなく、静寂を孕んだ空気はしっとりと重い。
指先でページの端を弄りながら、葵は再び自身の参考書へと目を向ける。
 葵が入学した当初、北宇治高校吹奏楽部はあまり熱心な部活ではなかった。休みも多かったし、練習も本気でしている部員は少なかった。
そんな部の空気を一変させたのが、あの滝という教師だった。今年からこの学校にやって来た彼は、みるみるうちに部活の空気を変えてしまった。

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