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魔法科高校の劣等生はキモウトが涙を流し視聴者がため息をつく糞アニメ109

555 :風の谷の名無しさん@実況は実況板で@\(^o^)/:2014/07/22(火) 00:02:34.05 ID:OY7F37EE0.net
>>551続き

「一瞬で、です。それに、対象は生物に限りません。人体だろうと機械だろうと、お兄様は一瞬で復元してしまうことが可能です」
 あんぐりと口を開けた状態で固まってしまった幹比古を見て、深雪は可笑しそうに、だが同時に、寂しそうに笑った。
「この魔法の所為で、お兄様は他の魔法を自由に使うことが出来ません。
 魔法領域をこの神の如き魔法に占有されている所為で、他の魔法を使う余裕が無いのです」
 神の如き、という形容を、大袈裟だと思った者は一人もいなかった。
 誇張でも何でもなく、それは「奇跡」だった。
「……それで達也くんは、あんなにアンバランスなのね」
「ああ……それほど高度な魔法が待機していては、他の魔法が阻害されても確かに不思議は無い……」
 深雪は真実の半分しか語っていない。
 残りの半分を打ち明けるつもりは無かった。
 ただ都合の良い誤解をしてくれた先輩たちの言葉に、寂しげな微笑みを浮かべるだけだった。
「……でもそれって凄いじゃない。 二十四時間以内に受けた傷なら、どんな重傷でも無かったことになるんでしょう?」
「そうだね。災害現場でも野戦病院でも、その需要は計り知れない。何千、何万という人の命を救うことができる」
「そうよ! それに比べたら、他の魔法が使えないなんて些細なことだわ。 こんな凄い力を何故秘密にしてるの?
 だって、大勢の命を救うことができるんだよ。 命を奪うことで得た名声じゃなくて、命を救うことで得た名声なんて、本物のヒーローじゃん!」
「そうですね……ありとあらゆる負傷を、無かったことにする。 そんな魔法が、何の代償も無く使えるとお考えですか?」
 興奮する花音と対照的に、深雪は極めて冷静で、表情に乏しかった。
 冷たく冴えた眼差しが花音を貫く。
 それを見て初めて、花音も、摩利も、真由美も、深雪が荒れ狂う激情を己が裡で氷付けにすることで、無理矢理平静を保っているのだと悟った。
 彼女は、嘆き哀しんでいた。
 彼女は、怒り狂っていた。

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