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【妄想ポエム】青嶋ひろの Part5【御用ライター】

373 :氷上の名無しさん@実況厳禁:2011/04/26(火) 18:34:53.32 ID:L3JMAeGr0.net
ホテルで報道陣と顔を合わせたときの表情も明るく、「こんにちは!」とにこやかにあいさつ。
「安藤美姫、いい感じ!」と、日本の関係者の雰囲気も明るくなったのだが、しかし……。

この日最大の衝撃は、1年ぶりに試合会場で見たキム・ヨナだった。
事前にソウルで公開された練習を見た韓国人記者も、
「ヨナ、すごくいいですよ。もうバンクーバーのころと全然変わらないレベルまで戻してきています。
フリップのエッジも直ってますしね!」と電話をくれたものだから、ちょっと楽しみにしてはいた。
でもソウルでの公開練習はたった10分、眉に唾をつけておこう、と……。

ところが1年間競技に出なかったオリンピックチャンピオンは、
信じられないような完成度の高さを、初日から見せつけてきたのだ。

前日に非公開で練習をしているとはいえ、まだモスクワ入りして2日目。
女子の本選が始まるまで、まだ5日もある。
その状況でキム・ヨナは3つのパーフェクトなジャンプを含めた完璧なショートプログラムを滑ってしまったのだ。

新プログラム、(そして試合で滑るのは今回一度だけであろう)「ジゼル」。
韓国の報道陣も含め、誰もが初めて見るという話題作の、公式の場での初お披露目だ。

まずトリプルルッツ-トリプルトウループの素晴らしいコンビネーションジャンプを着氷し、
目を覚まされたような思いがする。
そうだ、ヨナのルッツ-トウはこんなジャンプだったんだ、と本当に久しぶりに思いだしてしまった。
そのまま食い入るように見つめる人々の前で、単独トリプルフリップ、ダブルアクセルとすべて完璧。
この人は、ほんとうに一年間試合から遠ざかっていた人だろうか?

さらに言えば「ジゼル」も素晴らしいプログラムだ。
「クラシックバレエを意識した」とヨナは言うけれど、彼女の抒情性、細やかな感情表現の
技術を信頼しきったデイビッド・ウィルソンが、バレエに負けない氷の上の「ジゼル」を
丁寧に丁寧に描き出した、そんな印象だ。

このプログラムを試合で一度しか見られないのだとしたら、全神経をとがらせて、
すべての動きを見逃さないようにしたい――そんな気持ちになってしまう。

「すごいですね……」
練習を見た日本の報道陣のその言葉に、主語はなかった。
「ひょっとしたらショートプログラムで、決められてしまうかも?」
そんな悲観的な意見まで出る。

一方で韓国メディアの人々は、興奮気味だ。
「どうでしたか? ヨナ、いいでしょう? でも僕も、こんなにいいプログラムだとは思いませんでした!」

安藤美姫は絶好調。
浅田真央も上り調子で、1カ月の開催遅れでさらなる練習も積めている。
今、日本中が彼女たちの活躍を願うなか、きっと今年の世界選手権は、このふたりだろう。

そんな前向きな気持ちでモスクワに来たものだから、ヨナの素晴らしい演技を見て、
少しシュンとなってしまったのが正直なところだ。

でも、07年の東京大会よりも、バンクーバー五輪の時よりも、確実に強くなった日本のエースたち。
彼女たちのまさに充実期に開かれる世界選手権に、キム・ヨナという存在が立ちはだかることもまた、
このうえもなくエキサイティングなことだ。

開催地変更というアクシデントを越えた、世界選手権。
きっとアジアの3人は、世界選手権の歴史に残る美しい一戦を繰り広げるだろう。

photo/Masami Morita text/Hirono Aoshima 

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