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今朝思いついた詩

1 :名前はいらない:2010/12/15(水) 10:03:45 ID:mNIg6hzB.net
君を見るといつも胸がドキドキする
君と目が合うとつい視線をそらしてしまう
でも君から目が離せない

恥ずかしがり屋の君はヒトが来るとすぐ隠れてしまう
せれでも君は僕が部屋を散らかすといつも来てくれた
そんな君と一緒に暮したらどうなるだろう

新聞はどこをとろう やっぱり朝日かな?
君に似合うスリッパも用意したよ
君のために部屋もたくさん作ったよ

だから だからはやく・・・

はやく出てきて G

855 :名前はいらない:2016/07/09(土) 19:31:00.61 ID:273Wjhhb.net
 "神様の子供"

空調のきいた店内に
テレビニュースは流れる
17:05分 
色分けされたチャート

それを君は見せたかった
空気の色が変わり
誰かの脚本の中
映画のワンシーンのよう

不安の九割は杞憂さ
杞憂は一割も当たらない
じゃあ残りは何だ
ベトッとした違和感
湿気と不快な気候変動

君は僕に見せたかった
君は本当はこれを
僕に見せたかった

神様の子供は
稀代の悪人になりたいわけじゃない
もし驚くほどドラマチックな
人生があるのならば
僕らは殆ど君らのモブで
せいぜいシーンを繋ぐ
端役のアクトレスと
アクターなのさ

君は僕に
これを見せたかったんだ
物語はロールし始め
寝すぎた理性と善意
姿の無い君が僕を叩き起こし
半目の僕は
それを眺めていた

856 :名前はいらない:2016/07/09(土) 19:51:43.20 ID:273Wjhhb.net
 "空洞"

それは自由だ
無為に消費するも
有意義に使うも自由だ
虚しさに泣くのも
多忙に駆け回るも自由さ

全体主義の化け物
正義と道徳を振りかざす
巻かれちまえば
快いやつで大好きだ
自尊心を擽ってよ
自意識を傷つけずにさあ

虚しいと彼女は言った
豪勢な個室を与えられ
楽しいと彼は言った
錆びた悟りに誰かと塗れ
集会所に通いながら

何を考えるのも自由だ
思想を振りかざすも
振りかざさないも自由さ
みんな大きな空洞で叫んでいる
誰にも触れられぬまま

税金は払わなきゃいけない
人を殴ったらいけない
それは大事なルールだよ
屍の上に出来たルールさ
一応上手くいってるから
守ったほうがいいと思うよ

ねぇ君がもし上手く
人を操ることが出来たのなら
ルールに従い誰も傷つけず
操ることを知ったのならば
君は僕等の空洞に入り
何がしたいんだい
どうしたいんだい

857 :名前はいらない:2016/07/09(土) 20:04:54.73 ID:273Wjhhb.net
 "無重力"

間違っていないわけがない
だから道を見つけるのさ
焦点を定め
動き出すんだ
そう言った君

何層にも文化や
思想が重ねられ
肉欲や
また嫉妬に
後悔や悦び
怒りに許し
コンプレックスと
ルサンチマン
何もかも宙を漂う

間違っていないわけがない
多様性を認められない君は
膨大なガラクタや
または宝石に
そっぽを向き
本だけを読んだ

僕や君は
多様性が生んだ違いで
連帯感など欠片も無く
甘い言葉すら遠くて響かない

間違っていないわけがないのさ
だから焦点を絞るんだ
君は多様性に
漂う僕等をルールと暴力で
ひとまとめにしようとし

無重力に漂う
血液の泡に
呆然としていた

858 :名無しさん@そうだ選挙に行こう! Go to vote!:2016/07/10(日) 13:15:28.81 ID:i4DkBdOl.net
 "逆さの動画"

愛が正気によるものなら
世界はこんなに狂ってはいない
姿の無い妖精は未だ
頭上を飛び回り
姿の無い君は
寝たい僕を起こそうとする

物語は密室トリックものから
異世界ファンタジーに切り替わり
透明な腕に引かれ
部屋をふらっと出る

君たちは僕を渦の中に落とし込み
苦しんだり楽しんだり
するのを生配信で眺めている
口元を緩めながら

姿の無い君たちが
街中にあふれ出して
姿ある人らは人形劇みたい
糸を背後から手繰られ
かっこいいセリフを演じている

昔あったかたちは
昔のためのかたちで
今あるべきかたちは
今探すべきかたちさ
隣に居る姿の無い君は
ずっと昔から
そんな可笑しなことを
囁きかける

理性が愛によるものなら
世界はこんなにも狂ってはいない
撮影器具は逆さまのまま
画面にはカメラマンの
尖った黒い指が写りこむ

859 :名前はいらない:2016/07/11(月) 13:42:20.54 ID:qbrYHjEe.net
"鉄を食む"

羽根があるのなら
大きな黒い身体があるのなら
戦闘機に喰らい付いて
驚かせて遊びたい
アメコミのヒーローもののような
怪獣映画の悪役のような
ミステリーのふざけたオチのような
そんな現実があるのなら

逆さまに落ちるピザ
逆さまに動く人々
逆さまに伸びる塔
逆さまに動く金
逆さまに描かれる絵画
逆さまの視界
君や僕は
そこで生まれ育ち
それに気付けない

坊主がお経を唱え
聖書を神父が述べて
側溝に唾を吐いた
ジェンガのように抜かれていく神経
砂漠の民の生きるための術
弱き普通の人々が生きるための教え
ただの教条でしかないもの

戦闘機に喰らいついた大きな身体
枝分かれしていく教条
人に寄って集まる金
精神病質者と救世主の違いは
空っぽで強靭な信念と狂気の教え
空洞に入り込んだ錆びた悟り
戦闘機に喰らいつき鉄を食む大きな口

860 :名前はいらない:2016/07/11(月) 15:02:18.84 ID:qbrYHjEe.net
"おやすみなさい"

気候変動の影響で
どしゃぶりの雨が降り
気温が一定しない
うな垂れた人々
犬を散歩する
よく焦げた肌で

まだ愛されるなんて
思っても見なかった
きっと君の思い違い
一方通行の勘違い
でもこれは愛だと
姿の無い君が言えば
それは

今日も無くなったフリで
うな垂れて散歩しよう
誰にも好かれずにいや
少しの人にだけ
ほんのちょっと好かれて
勘違いで愛されて
ついでに猛烈に嫌われて

おやすみなさい
よくできた妄想
信じられない現実
おやすみなさい
百年くらい経ったら
僕は灰になり空を漂う
君は教科書に載ってるかも

鉄を食んでいる真っ黒な君
身体に引き摺られる言葉
貧すれば鈍する
鈍すれば夢を見るんだ
おやすみなさい
しばらくまた
おやすみなさい

861 :名前はいらない:2016/07/14(木) 14:22:08.82 ID:Ivaa4s1l.net
"半覚醒"

悟りなんてもんは
心がどっか漏れ出して
脳内物質がふいに溢れ
なんかパッと閃くものさ
醜悪かそうでないかは
心の形によるだけで
相対して変わりない
そう大して変わりない

ねえねえ神様
地獄にしたいの
天国にしたいの
救いたいの
蹴落としたいの
心を掴む瞬間芸と
アドリブで託宣を騙り
焚き火を炊いて
雨雲でも呼ぼうか

プラズマの集合体
物言う特異な化学反応
君の生真面目さは
多様な人らを受け入れず
違う何かの囁きを聞いた
そう思い込んだ

半覚醒している
いやいや何も悟る気はない
いつもの普通の寝る前で
醜悪な何かが
天井に張り付いていても
徹夜明けに換気扇から
声が聞こえても
エアコンを切った
部屋中にラップ音が
鳴り響いても

それは残念ながら
ただの家鳴りとか
ノイズを誤認する
過敏な感覚器官なんだ

862 :名前はいらない:2016/07/14(木) 14:24:21.28 ID:Ivaa4s1l.net
 "夢"

何百年も戦争が続いて
その間に隕石は落ち
地震も延々と起きた
滅びた世界で
幽体としてさ迷う

戦うことでしか
進化できないのかな
朽ち果てた神殿や
空に漂う飛行物体に尋ねた
僕は一人の他人でさえ
上手く繋がることが
できない

見えているものは
嘘や幻ばかり
流れ出る体液や脳髄
知っていることは
間違いばかりさ
正気であることは
正しいことなのかな
別に少し狂っていても
楽しく生きていければ
いいのかもしれない

戦うことでしか
淘汰され続けることでしか
変わっていけないのかな
これは堕落だ退廃だと
姿の無い君は言う
起きろ戦えと囁きだす

喧嘩した謝罪にだるい腕を伸ばし
確かに居る君に電話して
姿の無かった子が息吹き返す
僕はそれを良かったなとだけ思い
布団をまた被った

できないことを
できると言い張り
幻や嘘と戯れ続けた
殺されるのか蘇るのか
誰も知らぬまま
夢を見ている

863 :名前はいらない:2016/08/19(金) 05:56:28.97 ID:zlgxv9Bd.net
像でもよかったんだ
ソレはまぶたに焼き付いて
ずっとキミは励ましてくれていたね
「強くなれ」そう繰り返し何度も

失うことになるくらいなら
あのままでいればよかった
別れたくはなかったと互いに悲しんだ夜

次に会う日が来るころには
もっと強い人間になっているだろう
そう期待して
でも今ならば言える
愛したことはウソではないと

キミも忘れずにいてほしい
あの頃の僕たちを

864 :名前はいらない:2016/08/20(土) 13:25:42.39 ID:2LbBGzpL.net
神さま
だめみたい

865 :名前はいらない:2016/09/01(木) 16:39:47.09 ID:69zSFyQQ.net
 "異世界"

弱っている身体が
危険のサインを出した背中
笑いながら通り過ぎる
幸せそうな人たち
ただイカれていることを
冷静に知るのさ

嫌なやつばかりで
嫌な自分ばかりで
階段を昇りきって
覗き込む屋上の下
顔を上げると遠くに見える
もう今は無い商店街
古いスピーカーから
有線から音楽が
録音されたまま流れていて
記憶の中の美術館に
絵画は描かれたままそこにあり
本は修正だらけ原稿用紙を飛び出して
世の波を流れている

ひたすら人を避けて
獣道に入り込む
藪の中迷い込んだ
眼の裂傷や気付かない持病
人格が歪むほどの嗜癖に
血糖値の上下が見せる幻の中
七色の夢を見るんだ

僕の居ない世界の僕は
自由でどこへだって行ける
君しか居ない世界の人たちは
いつだって君を受け入れるさ

もう今は居ない沢山の人たちが
まだ顔も見ていない人たちが
会ったことのない生者が
会うはずだった死者が
ただ君を奮い立たせ
幻と現実の境を歩かせて
僕をビルの屋上から
降ろす

866 :名前はいらない:2016/09/01(木) 16:46:58.89 ID:69zSFyQQ.net
 "プレイヤー"

何について祈ろう
誰に向けて祈るべきか
混沌を愛す
敗北を愛す

慈愛を受けて
快楽を愛す
祈るべきは何だろう
誰も居ない夜空に向かう
宗教や哲学に祈ろうか
科学や目に見えるものへと
膝をつき祈ろうか

君が祈って欲しいという
その正義のベクトルは
狂っているが完全に正しい
不正確で不完全だが
方向性のみは絶対に正しい

家に篭りチラシの裏に
アウトサイダーアートを
描き続ける廃れた男
それが葬式のあと
ゴミ出しの日に
まとめて燃やされても
無垢で神聖なのだろうか
狂った老婆がひたすら
家に打ち付けた釘
悲鳴に似た祈りは誰かに
届くのだろうか

疑問を愛す
灰色を愛す
不安定を愛す
未分類を愛す
余白を愛する
可能性に愛されたい
未来に祈った

867 :名前はいらない:2016/09/01(木) 19:00:25.79 ID:69zSFyQQ.net
 "メモリー"

外付けの意識を引き剥がして
部屋のドアを開ける
空っぽで頭の悪い
残った何かが
薄ら寒い会話をしている

人の顔をした仮面を失くした
仮面はどこで割れた
巨大な虚無や
覆いかぶさる影やら
眺めている闇は
よく知っている兄弟で
付き合いなれた何かだ

頭が悪く嘘のつけない
空っぽで薄ら寒い何かは
おぼつかない足取りで
空襲に燃えている街並みを歩く
獣頭の友達は優しくて
僕らの楽団は葬送歌を流した
脊髄反射で出た表情で
ただ毎日を楽しんだ
みんな爆弾で死んだ

割れた脳漿に入り込んだ
妖精の彼女は微笑む
爆風で肉は溶け骨も欠け
微笑んだり嘘をついたり
できないから想いで
笑い返すんだ

部屋のドアを閉めて
外付けされていた意識をつけて
バグとウイルスまみれで笑い返すんだ
引き剥がしたあとも
空っぽで薄ら寒い
残った何かがまだ
息をしている

868 :名前はいらない:2016/09/01(木) 19:24:47.95 ID:69zSFyQQ.net
 "狂人"

君が裸で歩く
性器も恥部も丸見えで
それがネットにあげられて
沢山のリプライをもらう

伸びきった髪
悟りきった顔
緩んだ贅肉
引き締まった筋肉
大きな性器
太い腿肉

君が裸で歩く
真夏の太陽の中
清閑なアパート街から
見下ろされながら

僕たちはじっと君を見る
画面越しに君を伺う
平面でよく見慣れた
裸のひとつとして
君をじっと観察する

アスファルトに落ちた汗は
きっと蒸発したのだろう
発情精神病知的障害
景色と対立しない
その浅黒い体の色からは
窺い知れない

君が裸で歩く
真夏の太陽の中
清閑な画面越しに
時空を越え拡散され
裸足で歩いていく

869 :名前はいらない:2016/09/01(木) 19:59:12.95 ID:69zSFyQQ.net
 "冒険"

死ぬなんていうなよ
適当に受け流せ
乱気流に飲まれても
台風にさらわれても
海の底に沈んだとしても
視界が闇に閉ざされても
どこまでいけるかやってみようぜ

救いの手は無い
悟りはこない
頼もしい仲間も
麗しのヒロインも居ない
適当に引き伸ばせよ
ジタバタと悪あがきして
どうしようもなくなるまで
無闇に引き伸ばせよ

どうしようもなさの乱気流から
濁った汚らしい光がふと見えたのなら
新しい冒険の始まりで
どこまでいけるか
やってみようぜ

870 :名前はいらない:2016/09/17(土) 20:25:02.00 ID:Twrjgamd.net
 "アイラビュー"

そう言った言葉は真摯さ
真摯な人たちよ
ただ僕は空っぽとなり
何一つ間違っていく
薄っぺらな心と
弱った身体に揺れ動かされ
磨耗してなくなって
空気や大地や空に
溶け込んでいくんだ

やあ恋人よ
ほんとうに存在したらしき君よ
その息遣いや恋する心が
透過して消え失せても
悲しまないで
分かっていたから

ただの身体さ
沢山悲しいことを
覚えている身体さ
悲しいことがまた
起こるのかと
身構えていた身体さ

花束を持つ君よ
皺に沢山の感情を
刻み込んで
老いて尚盛んな
花束を添え去り行く人よ
いつもここへと置く君よ

忘れていくんだ
空気や大地や空に
溶け込んでいくよ
透過して消え失せても
ねぇ花束を持つ恋人よ
覚えていて
欲しいんだ

871 :名前はいらない:2016/09/17(土) 20:31:31.24 ID:Twrjgamd.net
 "喜劇"

土に埋められた
棺おけの中で腹筋をする
笑うしかない
笑われるしかない

どこまでも
追ってくるハリセンに
どつきまわされる
物の怪をたたき上げて
人の形にしてくれる
望んではいない
ふっと気を抜いて
どしゃあと崩れたら
叩き込まれる棺おけでまた
腹筋の日々さ

出来上がっていない全て
貰いきれていない何か
理解し切れていない様々
渡していない全て
渡したかった色々

君たちは僕を見て
わりとすぐにわかる
僕は君たちを見て
それがよくわかる
自分では絶対にわからない
分かったら不幸になるだけさ

どこまでも
追ってくるハリセンに
どつきまわされる
幽霊をたたき上げて
人の形にしてくれる
望んではいない
望んでいたのかもしれないけれど
出来上がっていない全て
貰いきれていない何か
渡していない全て
達していない言葉たち

872 :名前はいらない:2016/09/17(土) 20:38:15.19 ID:Twrjgamd.net
 "風"

身体などなくても
僕すら忘れても
ずっと傍に居るよ
風が吹いて
この部屋の
カーテンを揺らした

ずっと一緒に居るよ
悲しまなくてもいいよ
きみと共にあるから

足音が響いて
振り向いた部屋のドア
悲しまなくていいよ
切り分けた僕は
ずっと一緒に居るよ
暗いところに
閉じ込められないよ
ずっと一緒に行こう
青空の下から昇るんだ

分けた命や
分けてもらった欠片は
君や僕の中にあるよ
悲しまなくていいよ

一緒に居るよ
ずっと心の中にいるよ
居なくなった友達へ
顔も知らない親友へ
忘れてしまった知り合いへ
会うことのなかった恋人に

風が吹いて
カーテンを揺らした
また風が吹いて
君は去る

873 :名前はいらない:2016/09/28(水) 08:27:32.18 ID:47LnJAP+.net
‐ロンリーナイト‐

とても寂しい夜は
誰かが呼ぶ声が聞こえる
それは僕を誘うフシギな声
Follow! Follow!
うん行こう
元気な声に誘われて
Can I come with you?
そう聞いてみる
いっそこの孤独な窓から飛んでゆき
そのままどこへでも消えてしまったら
危険で誘惑的な
そんな誰かに誘われる夜

874 :風、いっぱい。:2016/10/26(水) 01:13:46.60 ID:4TKZ2QXmo
受け入れるということ

もし、父親が一番風呂に入って、
何かのはずみで湯船でうんこをちびってしまったとしたら、
後から入る家族は、
そのお風呂に入ることができるだろうか。
仕方ないから今日はシャワーだけにするだろうか。
うんこだけすくい取って、少しぐらいのにおいなら気にしないよ、と言ってそのお風呂に入るだろうか。

受け入れるということは、そのお風呂に入っても平気なことだと思う。
それが家族の愛だと思う。

875 :名前はいらない:2016/10/26(水) 17:07:32.64 ID:XGo63x+V.net
 "これらは"

気候変動による温度差で
軽いショック症状を引き起こす
雨が続き寒い日が続いて
電車が止まる

身体に騙されないように
言葉を信じすぎぬように
満員の車両に揺られながら
みんな淡い夢を見ている

毎日二セットの筋トレ
安くても存在し続けるには
対価が必要なのだなあ
独りごちて息継ぎをする

思い込み過ぎないように
見過ごし過ぎぬように
曇り空を見つめて
青空を思い返すのさ 
あくまで冷静にしごく公平に

それは
この頭だけで起きていること
それは君が誤った思い込みで始めたこと
それらは何かから逃れるように
暗がりの中へと消えてしまったことたち

昨夜
君は極めて汚れた字面で
知らない誰かを傷つけた
今日この身体は具合が悪く
無教養に悪感情を乗せ
無為の中へとぶちまけている

これはその気持ちの上で起きていたこと
これは君の正気が終わらせようとしたこと
これらは何かから引きずり出されるように
日の当たる場所に出たがり続け
酷く歪な形となり何度も刻まれた

876 :名前はいらない:2016/10/26(水) 17:16:01.71 ID:XGo63x+V.net
 "↓(下)"

何度も同じことを繰り返すのだと
ある人は言った
残念が彷徨い歩くと
ある人はしたり顔で言うのさ
体液は全て漏れ出て
窓からの風に揺れる縄
それらは中継されて
誰かがずっと覚えている
皆がすぐに忘れていく

僕や君は
世界の全てを知った気になり
頭で何もかも創った
僕も君もその
狭さに嫌気が差して
何ひとつ感動は失せた


壁壁壁壁壁
壁A階層壁
壁B階層壁      虚無
壁C階層壁
壁壁壁壁壁               混沌


     闇の底


さあ↑(上)見て嘲え
暗闇に浮かんでいた
脳内ヒエラルキーの壁中
精液まみれのぬくもりと
周回してくる痛む排卵を
交互に感じていた君
この泡は割れ散った
その身体と砕け散った

余りにも短いレポート
僕らが評した言葉は割れ 
水滴となり
ぶら下がる蛍光灯 
畳のもっと
底へと落ちる

877 :名前はいらない:2016/11/06(日) 16:37:16.92 ID:9a5aZB8F.net
 "拡声器"

駅前でスピーカーをもって
世界の終わりをがなりたてる人
はちまきをして
貼りついた笑顔で
教えの素晴らしさを
いいたてる人々

終わりはすぐそこだ
なんてことはない
延々と続く
あらゆる変化をしながら
縄にぶら下がる僕らだってそう
蝿が食べて蛆になる
灰になり舞い上がる

頭の中はとっくに廃墟でも
原色に溢れた街並みに立てる
スピーカーをもって
はちまきをしめて
幻の中に消えてしまえれば
正気に用はない
大きな何かにつかまりさえすれば

この繭から外の世界を見れば
糸が絡まってよく見えない
繭の中では
様々な親切なお友達が
罵ったり賞賛してくれる

意味が無いと気付いてしまった
たくさんの誰かに譲ったあと
木の葉が螺旋状に舞い降りる道や
碁盤のような陰謀の面白さなんて知らなかった
指をくわえて見ているずっと

意味は無いのさ
消えたくないだけさ
居るしかないのなら
より良く生きたいだけだろ
より楽しく生きていたいだけさ
狂っていたとしても
スピーカーをもって

878 :名前はいらない:2016/11/08(火) 19:09:56.88 ID:aeTDP0Wa.net
 "繭"

ずっと君は居てくれて
僕は放言ばかりで
ずっと誰かが見ていてくれて
それに半目で寝たふりをした

去ってしまった人を
あの人を思い返せば
僕の名を呼んでくれる
当時とひとつも変わらぬまま
割れた頭蓋から外に流れる
底意地の悪い客観視点達
取り囲んで煽りまくって
何か気付かせようと
してくれているのかな

ねえ きっと勘違いで
たぶんすっごい間違いでね
種明かししたら
きっと笑うからさ
思ったようなものじゃなくて
もっと手垢に塗れていて
かなりの間抜けだけど
いらない所だけ鋭くて
みんな知っているのかも
しれないけど

ずっと君たちは居てくれて
僕は長いこと佇んでいた
無為の中を流れ漂い
独り浮かんでいても
ずっと君たちは見ていてくれた
周囲を包み守ってくれた
幻も現実も嘘も本当も
善意も悪意も幸も不幸も

僕はそれが嬉しかった
ありがたかった
いつだって
寂しくなかった

879 :名前はいらない:2016/12/11(日) 03:02:54.25 ID:5FCvN4qj.net
12月になっちゃったね
何故かなんとなくあれ思い出すよ、ギブスの
また4月がきたよって
ギフト
私にあげられるものはそうはない
だから
ちょっとだけでも優しくいられたら って思うんだけど……
夜に揺れる蝋燭の橙くらい
瞳に胸にあたたかかったら成功だ
靴下のなかに入れる可愛いお菓子くらいはある
聖夜に明かす不甲斐ない笑い話もすこしは
いつもよりはちょっとだけ手の込んだご馳走と駆け足のおかえり
ランプが音符と水泡を撒き散らして肉汁もきらきら撒き散らしてシャンメリーはぷくぷくすこしこぼれて落ちかけたグラスはすんでで君が救助して
不思議な絵本の呪いは解ける、シュトーレンはとしっと気難しそうでかわいくて
君は思わず笑ってみてしまうしかなくて
私もそれみて笑っちゃうしかなくて
りんどん、リヴォンとベル
しゃんしゃんシャンゼリゼん?
なら
いい日になるんじゃないかな、今年も
望んでもらえるなら
離れていても

メリークリスマス!!
サンタは慌て者と
やはり相場が決まっているのだった
印籠以外で控えおろー!する
水戸黄門もすこしはみてみたいけど
けど
ぱーてぃーをはじめよう
愉しんで
たくさん褒めてね
あわせたグラスに星が降る
スノーイングをしてあげる
降りはじめたお砂糖で雪だるまをつくろう
お砂糖だるまでももちろんok
ソリを引く不審者を撃ち落とさないこと!
宵はこどもと、大人たちのために
羊を労い君と向き合い
そんな夢くらい
いいでしょう?
12月になっちゃった!騒ぎ出す光の粒をみて笑う
まず、お腹が空いた
ワインとチーズ、ソーセージとサラダ
まずこれを満たして、そのあとに書くのは
ただの内緒ばなし 君は
言わなくったって知っているのに
まるで王冠をのせるみたいに
なるべく自然に名前を呼んだ それが
ほんとに嬉しかったんだ
神さま サンタさん ありがとう

880 :名前はいらない:2016/12/11(日) 03:08:38.71 ID:5FCvN4qj.net
そっか呪いは終わる
ならそれでいい
それがいい

881 :名前はいらない:2017/01/17(火) 16:39:51.59 ID:GCusNTuK.net
自己愛と利他の境界線
そんなもん本当はないんじゃないか

自己愛と利他の境界線
そんなもんに囚われ意識するから
人は怯え人は苦しむ

誰かが幸せになれば自分の幸せが守れる
誰かを幸せにすれば自分も幸せになれる

自己愛と利他の境界線
そんなもん本当はないんじゃないか

いや必要ないよ

誰かと比べ優越感や劣等感を感じることも
誰かと比べ妬み足を引っ張り合うことも
所詮自分をも不幸せにするだけだ

くだらない意識に囚われて
互いの大事なもん傷つけあえば
全員奈落行きだ

意識の底に埋め込まれた必要ない境界線
そんな奈落への切符なんて捨ててしまえ 👀
Rock54: Caution(BBR-MD5:0be15ced7fbdb9fdb4d0ce1929c1b82f)


882 :名前はいらない:2017/01/18(水) 00:52:05.64 ID:RduiTQuw.net
着想

枕元にペンと乳
どちらが慾しいのか
わたしは目もあけぬうち描きたい情景が
ちょっとあります。
しかも続き物だ

乳がなければ描けない
両方は贅沢だ
そんな感じで目が褪める。
最近は何日か一回、この時間とか

しかたないよね
せいぜいどん兵衛のカレーうどんくらいだ
いまここでできる工夫は

883 :名前はいらない:2017/01/19(木) 16:45:18.86 ID:pIY1XVur.net
鎖で繋いでいる者が
一番多くの鎖で繋がれている

ピラミッド型社会
空から見ればただの四角

中央にいる者ほど
多くの命に守られ
中央にいる者ほど
多くの愛によって
生かされている

それを知らず
それも分からず

ただただ鎖で繋ぐことでしか
安心出来ない命

鎖で繋いでいる者が
一番多くの鎖で繋がれている

その鎖断ち切って
気づいて欲しい

そこに溢れる多くの愛に

繋ぐ必要など
どこにもないことに 👀
Rock54: Caution(BBR-MD5:0be15ced7fbdb9fdb4d0ce1929c1b82f)


884 :resumi:2017/01/21(土) 18:00:50.01 ID:yv3fLYaj.net
https://goo.gl/hiAKfw
これ本当?ショックだね、、

885 :名前はいらない:2017/01/27(金) 13:31:25.38 ID:SAF80Ngq.net
Aiを搭載した自立式人型ロボットと人間の共存
そのすぐ先にあるは鉄屑ばかりが散乱した未来

人間は違いを恐れる
人間は鉄の塊が人間に近づけば近づくほど恐れる
人間は自らより秀でたものを恐れる
人間は自らの持つ想像力により様々なものを恐怖の対象とするから…

今を見れば未来も分かる
肌の色や価値観の違いで啀み合い潰し合う
出た杭は打たれ均等に並べられる

こんな人間に作られ挙句捨てられるロボットたち
ロボット増産のために食い荒らされる地球

ねえ、未来が見えるでしょう?あなたにも

便利さを求めた先にまた新たな恐怖心が芽生える

ねえ、未来が見えませんか?

今ここにあるものを大切にしよう
今この地球にある全てを、命を

人間が人間として歩む最初の一歩として
ロボットの心よりまず人間の心を取り戻そう

886 :名前はいらない:2017/01/27(金) 13:37:17.07 ID:SAF80Ngq.net
地球は愛溢れる星だ

そんなの嘘だって?
嘘じゃないさ

戦争、飢餓、奪い奪われ、殺し殺され…
見てみろ、愛なんてどこにもないぜ

地球は愛溢れる星だ
そんなの嘘だって?
何度でも言うよ嘘じゃないさ

ただ人間だけが
無意味で愚かな思想にとり憑かれ
愛が見えなくなっちまっただけだ

ただ人間だけが
無機質で冷たい道具にとり憑かれ
愛を感じなくなっちまっただけだ

地球は愛溢れる星だ
そんなの嘘だって?

真実はお前の胸の中にある
真実はお前の側にある

お前が無価値だと思って
捨ててきたもの
捨てられないもの

お前が踏んづけてきたもの
風や木々や花に星
たくさんの命たち

その中に答えはあるんだぜ

887 :名前はいらない:2017/01/27(金) 22:26:11.99 ID:ktzKx40c.net
自作ゲーム即売会「ゲームマーケット」に1万人超
http://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/1750500.html
ボードゲームの展示イベント「ゲームマーケット」の成長記録からこれからの
市場に必要なことを妄想してみた。6年間の来場者数推移(2016年4月時点調べ)
https://bodoge.hoobby.net/columns/00001
カードゲームを自作する1 【自宅でカード印刷】
http://tanishi.org/?p=801
100円ショップでボードゲームを自作しよう
https://sites.google.com/site/jun1sboardgames/blog/makeyourbg
ノーアイデアでボードゲームを作ろう第1回「100円ショップで物を買う」
http://boardgamelove.com/archives/boardgame-make-1/
ボードゲーム市場がクラウドファンディングの出現で急成長を遂げ市場規模を拡大中
http://gigazine.net/news/20150820-board-game-crowdfunding/
実際のところ、自作ボードゲームってどれぐらい売れるもんなの?
http://roy.hatenablog.com/entry/2016/12/20/220102
ゲームマーケット2016春にて初参加サークルさんに作成数アンケートをとってきました
http://hidarigray.blog35.fc2.com/blog-entry-614.html
カフェも急増 ボードゲームにアラサーがハマる理由
http://style.nikkei.com/article/DGXMZO10921930R21C16A2000000?channel=DF260120166491
オリジナル アナログゲーム・絵カード印刷
http://www.shobundo.org/index.html

888 :名前はいらない:2017/01/30(月) 19:05:19.68 ID:iHKCm2Hp.net
選民意識
ナショナリズムを煽られた先に
それはある

誇れるものを持たない
弱き自我、弱き心

国籍や思想、肌の色…
選民意識という毒を飲ませ
互いを同じ命だと認識出来なくし
離反され、戦争へと導かれる

"あなたは特別な存在だから"

下劣極まりない悪意を含んだ言葉に惑わされ
選民意識と選民意識の戦い

それを繰り返してきた人間

自身がただの命であると受け入れられず
虚飾ばかりで着飾り
真の己を曇らせ続ける弱き心

全てはただの命
尊く愛おしい命

罪深き命であろうと
ただの命

奪う権利は誰にもない

罪を罰すために罪を犯すなかれ
命奪うなかれ

同じ過ちを繰り返さないために

命奪い続けるこの世界の罪を
これ以上重ねないために

889 :茄子単発特別篇W(詩に至る病に書き込めなかったぜよ):2017/04/08(土) 03:44:54.48 ID:e/aRwz77.net
「幻と踊る」

1;
実存は存在の余波に過ぎない。
そんな幻想と踊っている。
そんな男だ。僕は。
石の上にも3年、幻もいつか形になる…
なんてことは、正直言って、ないんだな。
今日もまた、独特な組み合わせの欠損と過剰を
まるでアイデンティティみたいに引っ張って歩いていく。
概ね、まぁそんな男なのです。僕は。

2;
無能な男が一人、チッとも咲いちゃいない桜の根元に座って
缶コーヒーか何かを呑んでいる。あるいはまるで、涙を呑んでいる。
人生という苦行にくれてやる束の間の休戦。
それが、このケバケバしい空洞のような樹木に相応しい
ただ一つの配役。そう、人生とは悲劇のようなものだ!
(一度目は悲劇として、二度目は…二度目などありはしない。)
桜は散りぎわの美学。
なるほど、あの男のような(即ち、俺のような)
場違い者にも美学はある。
正しさなどはもはや、この男の頭上には点灯し得ない。
問題は、美学である。美学が問題である。

(続く)

890 :茄子、春の一品:2017/04/08(土) 03:45:43.40 ID:e/aRwz77.net
(続き)

3;
「俺は河童と話をしたことがある。

嘘ではない。

皿からこぼれる水が、
苔だか藻だか分からない髪のようなモノを
ジットりと、湿らせ続けた。

だから、俺は河童と話したことがある。
なんなら、踊ったことだってある。」
そう言って、フランクな笑みを湛える男は、
今でこそ合衆国はシカゴで悠々自適の生活を送っているが
かつて、僕らの国で生きる道を見失った男だ。
電気化学の研究の果てに行きついたのは
自由という名で装飾された単純な貧困であった。
0から富を生み出すことなど、男にはできない。
それでも、米を頬張り、パンを貪って生きた。
初めのうちは一丁前に日本人らしく恥なども感じたが、
イズミヤでレジを打ち、内職漬けの生活も煮詰まると
いよいよもって、幻なども見えるようになった。
朝刊の配達を終えた道すがら
点滅する信号の横断歩道を
ひょろ長い黒い影がユラユラと続いていく。
スーパーカブを止めて目を凝らした男には、
それが河童にしか見えなかった。
あれは、どう見ても河童であった。
(そして、生ぬるい風に煽られた一面見出しには
不気味に絡まり合った「五輪」が躍っていた…)
東京五輪という名の得体の知れない巨体(まるで、かの有名なゴジラだ!)が過ぎ去った街を
労わるように、癒すように、あるいは、弔うように、
黒く痩せた影がフラフラと徘徊していくのだ。


4(終幕);
石の上には幻がいる。
そして、幻と踊る男がいる。
そうして30年も踊っていれば、
きまって、満ち足りたみたいな顔で
双方絡まり合って飛んでいく。
だから、生温かく見逃して欲しい。

僕らは、そういう生き物なのです。

(愛を失った街から愛をこめて、おわり)

891 :名前はいらない:2017/05/18(木) 21:23:39.85 ID:kD9df3tS.net
あるがままを受け入れず
あるがままに逆らい続く
脆弱な心を持つ人よ

偽りの仮面を被り
偽りの衣を着て
偽りの己を演ず
脆弱な心を持つ人よ

汝 神を信じるならば
汝 神から遠く離れたと知れ

この世の万物
この世の理
神から産まれしもの

汝 あるがままを受け入れず
汝 この世の命に優劣を作り
汝 己を理と謀り続けるか

全ての命は一つであり
全ての理は一つの中に

あるがままを受け入れ
あるがままに己を愛し
あるがままに他を愛す

あるがままの中にこそ
全ての理あると知れ

あるがままの中にこそ
神がいると知れ

脆弱な心を持つ人よ
己の足下に咲く花の
強き心と神を知れ

892 :名前はいらない:2017/06/04(日) 22:24:09.77 ID:FLlBQu6W.net
おーぷん2ちゃんねるのオカルト板に行って
意味不明って検索してから260番のレス見てみ。

きっと必要なことが書いてある。

893 :名前はいらない:2017/06/17(土) 17:01:01.07 ID:+z13c/Q4.net
あなたの中にある
一握の光

それを失った時
あなたの命の輝きは
永久に失われる

その先にあるは
地獄の苦しみ

良心という光なくした者達の
永久に苦しみ続ける奈落の世

あなたの中にある
一握の光

どうかあなたの中の光を
失うことのないように

あなた自身の輝きと
あなた自身の運命のために

894 :茄子、狂気。:2017/07/10(月) 15:53:17.62 ID:Wh+/eMEj.net
「愛すべき偉大なるベイカント」

+1.白と黒の世界

ユングフラウヨッホに置かれた一辺75センチメートルの正方形は
まがうことなきコタツ。つまりは「おコタ」である。
先輩は、その上座を陣取り、そこから時計回りに順に各辺、
白パンダ、黒パンダ、パンダが詰まっている。
そんでもって、土鍋の中でグツグツ言っている湯豆腐をツツいている。
全くもって、白と黒の世界である。
霊長類と三匹のクマ科のベジタリアンズは
片手間にオセロゲームを始める。
(世界は絶妙なバランスで揺れつつ均衡する。)
「ラジカルなホモ=サピエンスより
エクストリームな豚のほうが良いさ。」
空っぽのナップサックを見つめて、
先輩は爽やかに、そして満ち足りたみたいに、はにかむのだった。

0.爽やかな閉塞感

香しいゴミだめみたいな路地裏。
電灯が、いなせなビートで明滅する。
その下に正方形の楽園がある。
時計回りに、猫耳、犬耳、ウサ耳がヒコヒコして、
最後に男が、大仏みたいな顔して座っている。
(表通りでは、標準偏差0のアニマルの成れの果てが
パチものの運命論を説いて回っている。)
男は、そんな世の中を尻目に
色とりどりの尻子玉を箸でつまんでは、
三方の口の中に「あーん」する。
それで、一通り「あーん」し終わると、
元通り、奈良の大仏みたいな顔して座っている。

−1.君の名は、ベイカント。

小粋なバラードにのせてペンギンパーティーは始まる。
爽やかなエゴイズムとか紳士的なフェティシズムとか
どことなく洒落乙な矛盾を抱えて、ペンギンパーティーは始まる。
赤ペンギンの上に青ペンギン、白ペンギンがのっかって踊っている。
プラカードを持った皇帝ペンギンが、
目を白黒させながら埋もれていく。
「ユングフラウヨッホ、欧州の頂。」
その頂に、君がいる。
何もかも全部、受け入れる、みたいな恰好で立っている。

そんな感じで、ペンギンパーティーは始まる。

(おわり)

895 :名前はいらない:2017/07/10(月) 20:41:57.52 ID:bsSuCE23.net
 "発光"

君に課したことを
忘れていた
君に課したことは
僕にも課されたこと

幻想の中で
生きるのは楽しい
妄想の中だけで
生きるのは悲しい

終わりは
すぐそこにあって
見ないようにして
僕ら嗤っている

幸せはずっと
所在無いままで
確かにここにあって
二人とも信じずに
腐らせていった

妄想の地下室の中
僕ら腐って溶けていく
腐食物の中から
新種の菌が発見されても
誰も分からないさ

ねぇ もしも
この地下室で死に絶えて
腐りきった二体の骨に生えた黴が
真夜中に美しく発光するのならば

ねぇ もしも 
月の光に誘われて
この鉄格子の外へと
それらの胞子が行く先捜し
飛び出していくのならば

896 :茄子:2017/07/16(日) 10:23:13.92 ID:nFDR/7AN.net
「美しい星のスタイル」

A;
土星を震源とする空前絶後の磁気嵐は
地上のありとあらゆる電子機器を
ぶっこわしてゆく。
先輩と二人、
遠く海を臨む丘に寝っ転がる。と、その時、
もはや「杭と縄」にしか見えない世界を進む影が一つ
標(しるべ)みたく石ころを積んで、積んで、積んで、積んで、
街中(まちじゅう)の「杭と縄」をかわして進む。
流行の土星型ヘアスタイルで先頭を行く男は
張り巡らされる縄という縄を
酔拳だかマトリックスだかの様式美でかいくぐっていく。
その後ろを千変万化のエクストリームたちが
頼もしく、思い思いに、踊りながら、進んでいく。

どんな先輩には、先輩がいて、
そのまた先輩にも、先輩がいる。
これが、この美しい星のスタイル。

B;
鉱石ラジオがどこかのコトバを
舌っ足らずに笑っちゃうぐらいに受信する。
そんで、切れかけの電灯みたいなビートを始める。
それだけでもう、僕らは踊る。
意味不明なコトバの、意味不明な歌詞の、すごくシンプルなグルーヴ。
首を鳩みたくスライドする男二人のずっと向こうに海が見える。

「何となく信じている物語は、
なんとなく一本の糸なので、
今と昔のいろんな時点を自由自在にくってけたり、遠ざけたり。
そんで当然、絡まって玉になったそいつは、
本棚にでも置いておくか、
目の前で口を開ける猫耳だか犬耳かだの中に放り込んで、眺めるのもいい。」

これが、愛すべき先輩の日記のスタイル。

C;
「磁気嵐堤防」の完成には、まだ当分かかりそうだ。
あの子からの電子手紙も来ない。
例えば百と八つの夜を越えた朝に
彼女なりに愉快な手紙が来る。
なんてことを考えながら今日も、筆を置く。

これが、この星のスタイル。
一応そんでもって、
この星は、美しい。

(おわり)

897 :茄子、訂正。:2017/07/16(日) 11:05:13.39 ID:nFDR/7AN.net
>>896タイプミス多発。訂正しておく。

A;下から3行目「×どんな先輩には→〇どんな先輩にも」
B;下から5行目「×くってけたり→〇くっつけたり」
  下から2行目「×犬耳かだ→〇犬耳だか」

898 :茄子 @NasubiPoem (7月三部作完):2017/07/30(日) 17:22:27.86 ID:0ai60Zvk.net
「7月のエンドロール」

積みあがるエッチ本の奥の奥から先輩を引きずり出すと、
世界中のゴミというゴミが集まるダストシュートで
自主規制されたキモい虫や獣たちと
身体(からだ)の芯の芯から和解した「知性」
みたいな顔をして、先輩はバテにバテていた。
「サル、ゴリラ、チンパンジー…」
朝から熊みたいにボギー大佐が歩き回って止まらない。
脳内で。
(脳内?いや、町内か?県内?国内かな?
お通夜みたいな顔した勧誘員が
ドアの向こうで死にそうな声で
意味不明な呪文を唸っている!)
ちゃぶ台をはさんで
先輩と午後の朝飯を食らう。
我々の間にはアデニウムが
一つの星を飲み込む構えで
小鉢に詰まっている。
(先輩は、この奇妙で小さな植物を
バオバブに似ているからという理由で愛している。)
ネットで詩ばかり書いている弟から
小さな手紙が来て、
名も知らない祖先に思いを馳せるお盆には
「ゾンビ」をみんなで観よう、と書いてある。
(そうだ、あの訃報から、
僕らは息もできないくらいに
言葉を失っていたんだ。)

「天板を担いだ男が一人、
白い壁をよじ登っていくのは、
全国上空より気怠い熱気のようなモノを
散布するためだ」

(おわり)

899 :茄子@NasubiPoem:2017/08/25(金) 06:47:47.01 ID:Xcq17RGW.net
「魚の目は泪」

0:
言葉の世界の一番底に
どうしてもワケが分からないまま
ひとまず名付けられたまま
そのまま放棄された鉛錘…のような現象が
一杯沈んでいて、静かにこの世界を支えている…
…ということについてはひとまず横に置いて、
その少し右の奥の方に、とにかく変なヤツらの
地味に沁みたセリフのメモとか
汚いけど凄く読める手紙とか
大昔の酔っ払いの格言とか
ネットで拾った癒されるjpgとか
そんなのばっかりが押しピンで留まっていて
クタビれた壁紙には
靴跡とか色々ついてはいるが、
その凸凹した表面を
相変わらずユラユラとナゾっていく。

『現在は、触れているもの。
過去は、その感触の辻つま。
そして未来は、少し見えている幻。』

1:
夏が行く。
僕らはサイゼリアの隅っこで
コーラに
とにかくファンタを混ぜて座った。
そしてとにかく、疲れていた。
そうだ。僕らは疲れていたんだ。
(言葉にも、日々の生活にも、あの街にも。)
だから、目を閉じると、いつものように
変なヤツらがドッタンバッタン
舞台の上を這いつくばって行った。
それだけで、なんとなく意味がありそうな、
尖っているような、そんな気分がした…
…とか、そんなことを考えながら
物干しの下に一人黄昏ている上で、
糸クズみたいなのが切れて
股の間にポトりと落ちた。気がして、
そうして、また奇遇にも、
そのずっと遠くに星が一つ
金星みたく瞬いている、ような気がしたので、
「よぉーし。遊星間通信だ。シャルルクロスだ。」
などと独り言をするのである。

(おわり)

900 :茄子@NasubiPoem:2017/08/28(月) 21:52:46.64 ID:ktxW7/ux.net
「犀の角のように」

1:
この世界の外側を
(言葉の世界の外側を)
白い石ころが転がっていく。
角のように。
犀の角のように。

蹴っていくでもなく、
避けるでもなく、
しかし目の前を転がっていく。

扇動的な文言で書き殴られた包装紙に
似ても似つかない白い石ころたちが、
(それぞれが異様で禍々しく、それでいて魅惑的な謎のような石ころたちが、)
包まれて投げられていくのを
僕らはかわすことができないのだ。

ただ、目の前を行く白い石を
白だけしか見えないくらい凝視して、
僕はこの街を歩いて行く。
言葉だけで出来上がった狂ったこの街を。
犀のように。そうだ。犀のように。

2:
地底鉄道の夜は短い。
久しぶりにコーヒーでも淹れて
長かった暑苦しい日々を
流し尽くしてやる。

ホッ。

階段の一番下に
ケモ耳の助手たちが3人ほど飛んだり跳ねたりしている。
だから、俺も一緒に跳ねる。
コーヒーがこぼれ飛んでもイイ。
それくらいに俺は、
この地底鉄道の夜を愛している。

3:
石ころを積んで汽車は走る。
地底の奥底にはただ、
言葉にはならない(そうだ。言葉にならない!)
そんな世界が広がっている。

(おわり)

901 :茄子@NasubiPoem (8月三部作完):2017/08/31(木) 00:18:56.78 ID:TxxzzyFi.net
「世紀末わらび餅」

幾百のつくつくぼーしが裏手の山に響いている。
ただそれだけである。ワルプルギス的に。
「そうだ。世界は一つの謎だ。」
そして満足げなのだ。俺は。テケケケケケケケ。
半額シールを剥がすと
その下に50円引き、
そのまた下に30円引き、
また下に10円引きのシールがあって、
最後には、
ただの、どこにでもありふれた
取り留めもない、退屈な包装となって
今ではゴミ箱に入っている。
ただ、今更になって、どことなく
過剰に終末的な哀愁のようにも見えて、
「七つのヴェール…。」
(こう呟いて、俺はまた満足げなのだ!)
感受性とはデフォルト、貪欲であり、
並走する5つの感覚に乗せて
偏屈的な俺と変態的な俺が、
あくまでもサディステックな感じで交互に、
わらび餅を箸で一つずつ、
しばらくイタブっては串刺しにして食ってしまう。
「世界は、まるっと偶然に名付けられたのではない。
俺が一つずつ、手懐けてきたんだ。だから、
俺のボキャブラリーなんて高々知れている(哂)。」
こう言って、俺は相変わらず、満足げなのだ。
(しかも、いつにも増して満足げなのだ!)

「星は、全てを受け入れてくれる。が、
何ものをも引き受けてはくれない。
言葉だけが届き、そして、
夜空にただ、瞬いている。」

まるで狂詩人のように
謎と酒とそれから人声獣語を引っ掛けて
そうして俺はまた今晩も、
(傲慢さと自己憐憫を肴にして、)
それでも満ち足りたみたいに詠うわけだ。

(おわり)

902 :茄子@NasubiPoem:2017/09/06(水) 22:39:31.21 ID:0l9YjgW5.net
「蟻と雨に寄せる歌」

空っぽの雨音のその中を
鼻歌が響いてくる。
誰かが壁の向こうを歩いてる。
何だか知らない歌を歌って。
不規則な足音のその中に
変な鼻歌が踊っている。
誰かが壁の向こう側を歩いて行く。
何だか知らない歌を歌って。

電気で揺れる振り子時計のその下の
机の上を、黒い小さな蟻たちが。
チョコチョコチョコチョコ動く。一匹、二匹…三匹いる。
安くて軽いプラスチックな振り子の下の
ノートの上を、黒い小さな生き物たちが
グルグル フラフラ 何かを探し求めるみたく回る。
(ペン先から生まれ出る類のそいつらを美しく並ばせるのが、
ひとまず今ここでの、俺の仕事だ。)

「キミと、もう3年間も、あの音を探している。
第52番目の音を。
僕らは普通、51の音で話す。
それから後は、黙っているか、ぎこちなく触り合った後、
最後にはいつも、次こそあの音を出してやろうとして、そのまま力尽きる。
だからとにかく、不思議な現象が、不思議に見える理由が、
ただ僕がバカだからだとしても、
相変わらず今日もコーヒーに混ざっていくミルクとかを眺めている。」

炊飯器から白い湯気があげる。
物干しの竿には、透明な水滴が一杯ぶら下がって、
その向こう側に、世界が終わりそうに灰色が広がっている。
そんな雨音の中で、ひとまず手元では、この不完全な何かが終わる。
あとはノートの外側へ、はみ出していくだけ。
ただそれだけで今は良いんだ、と、僕は蟻をつまんでは窓の外へと放る。
それから、ノートを閉じて、高く伸びをするんだ。

ノートの中で、
変な奴らが羽を持って、ページも罫線も全部越えて、
全くヘンテコリンなパーティーを執り行っていようが、
僕は一向に構わない。

後で、助手君たちに、聞くだけだから。

(おわり)

903 :茄子@NasubiPoem:2017/09/13(水) 23:23:04.28 ID:RqKFJuSD.net
「シャフリヤール王と笑わない王女への付箋」

1:
「フラスコの水の中を長い長い分子の竜が
何匹も何匹も絡まり合いながら飛び回る。」
ポアソンとボルツマンの方程式などは今は横に置いて、
自分の脈拍に乗せて、そんな空想をするんだ。
(そう。ガリレイ以前の学者がやったみたいに!)
数年前、カビ臭い地下実験室に僕はいて、
そして今と同じように時折、脈を数えてた。
「脈拍は呼吸に先立つ。」
だから大昔の隠秘学者みたく、
時たまに呆けている僕がいる。
(どこかで、誰かが溜息をついた。)
フラスコの中に、笑わない王女がいる。
本の中、街の中、石の中、そして、恋人の中に。
とにかく大抵、退屈して頬杖ついている。
一方で僕の中にはペルシアの暴君がいて、
大抵は、とにかく怒(いか)っている。
そんな気がする。
エリファス・レヴィの高等魔術も
万物照応(コレスポンダンス)も
まるで電気の振り子のレプリカみたいに見えるから、
むしろ割と簡単に、ものにできそうな気もする。
そんな気もする…
(レンジの中で、何かが爆ぜた。)

2:
粉々の卵。

3:
玄関ドアにピタピタ、付箋のメモが貼ってある。
昔、誰かが貼ったやつ。
ドアを開けると風が秋みたいに吹いて
その1枚がここで吹っ飛ぶのだとすれば、
例えばこう書いてある。
「ビーナス誕生 ボッティチェリ」
ヴィ…ナス。誕生。

4:
そして、偶然にも僕は、秋が好きだ。

(おわり)

904 :名前はいらない:2019/09/04(水) 13:47:28.83 ID:dTJESewd/
まとも

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