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後味の悪い話 その183

736 :本当にあった怖い名無し:2021/05/19(水) 21:29:42.68 ID:k4mMsSQo0.net
今はなきライバルコミックスに連載していた漫画、『エンマ』

地獄の閻魔大王がつくった、切っても突いても死なない不思議な紙人形、エンマという少女が主人公の、一話(二話)完結の作品
彼女の目的は、殺戮、惨事の原因あるいは遠因となる人間を前もって殺し、死者を抑えるというもの。ちなみに殺す相手の骨を抜くという能力があるのだが、これには"その人を想う人数分だけは骨を抜けない"という制約がある
長くなったが、その中の1エピソード

舞台は昔の中国。反乱を乗り越えたある兄弟がのちに、兄は軍をまとめる将軍へ、弟は政治をまとめる皇帝となった
弟は優しく民からの人望もあったが、兄は敵軍や政敵に情け容赦がなく、恐れられていた。また、兄は側近などに舐められがちな弟を叱咤してもいた

さて、エンマはその弟の侍女として潜り込み、兄を殺す機会をうかがっていた。残虐無道の兄は、多くの死をまねくというわけだ
ただ、エンマとて鬼ではなく、弟から「兄を信じきれない」という相談を聞いてあげたりした。さらに、それまでの任務で人間に感化されつつあったエンマは、「お前が勇気を出してみろ。人間の強い想いは、きっと何かを起こす」と励ました
その言葉を胸に、弟は兄へ「なるべく死者を出さないでくれ」と持ちかける、が、兄は聞く耳を持たない。弟は必死に、「兄上が殺しをやめるなら、皇帝の座を差し上げる」とまで言い出す

そこで兄は立ち止まったかと思うと、嘲るような笑みで言う。「だからお前はダメなんだ」
呆然とする弟。そこへもはや説得は無理とさとったエンマが現れ、兄の骨を抜こうとする
しかし、骨は一本も抜けない。実は兄は戦場の兵士たちに強く慕われていたのだ。隙をつき、兄がエンマの体に火をつける。紙人形のエンマは傷は平気だが火に弱く、燃え尽きてしまった。そこへ兵士がかけつけると、弟は「兄、将軍をとらえろ」と命じる。ここまでが前半

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