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後味の悪い話 その183

73 :本当にあった怖い名無し:2020/12/06(日) 11:53:32.76 ID:wO8w8X4b0.net
十三湖のばば

作者的にはどんな苦境にも負けず、子を失ってもひたむきに生きる女性を描きたかったのかなと思ったけどまさに1の
> 聞いた後に何となく嫌な気分になったり、切なくてやりきれない夜をすごしてしまったり、
>不安に駆られたり、体中がむず痒くなるような話

になったので。文章下手なんで上手く伝えられなかったらごめん。

話の語り部「ばば」は現在80歳。
大正はじめに20歳で十三湖側の寒村に嫁ぎ、以後ほぼ1年おきに子を設け最終的に男児6人女児5人を授かる。
しかし無事結婚するまで生き永らえたのは3人だけで他の子たちは皆ばばより先に亡くなっており夫も若くして先立っている。
戦時中徴兵され戦死した男子1人と出稼ぎ先で行方不明になった女子1人除いて
他の6人の子達は皆農村の貧しさが原因で亡くなっている。
1人目…2歳の女児で田植えの繁忙期に目を話した隙に水路に落ちて死亡。
2人目…12歳の女児。発熱で体調を崩していたが祖父と父にサボりと決めつけられ田植えに駆り出されそのまま状態が悪化して死亡。
3人目…14歳男児。夜中の水車漕ぎで眠気と疲労により転落、ペアを組んでいた父に気付かれず水車下に巻き込まれ溺死。
4人目…7歳男児。不作の年に空腹に耐えかね毒のある木の実が食べられるか「食べたらふかし芋やる」と友人に挑発され食って死亡。
5人目…24歳の男子で長男。珍しく豊作の年だったが大雨で堤防が決壊し刈り入れた稲を守り水死。
6人目…1歳の女児。不作の年で医者にかかる金もなく現在ならすぐ治る病でもどうしようもなく病死。

どの子も今の時代ならありえない死でかと言って時代背景を考えると誰も責められずもやもや。
過酷な農作業以外にも昔は年貢、戦時中は供給米、戦後も地主に搾取されたり後に減反と振り回されたり
日本ではどこでも見られていた景色だったんだろうと切なくなった。
晩年ばばがイタコに頼んで亡くなった子達と会わせてもらい、皆「お母さんを恨んでないよ、元気に過ごしてくれていて嬉しいよ」
と言っていたり残った3人の子供は結婚して孫の顔も見られたのが救いか。

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