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後味の悪い話 その183

1 :本当にあった怖い名無し:2020/11/21(土) 08:25:29.84 ID:h3vi6J1W0.net
■注意■
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・既出上等。
・知らない人にも内容がわかるように紹介して下さい。(>>2-5あたり参照)
・ageよりsage進行でおながいします。
・映画や小説、漫画、ネットの噂などのネタやコピぺも可です。
・1回で投稿しきれない長文は、投稿前にメモ帳でぜんぶの文章を書き終えてから、連続投稿してください。
・漫画ネタを見たくない人は「漫画」「まんが」「マンガ」「アニメ」をNGワード登録しておくと快適にご覧いただけます。

聞いた後に何となく嫌な気分になったり、切なくてやりきれない夜をすごしてしまったり、
不安に駆られたり、体中がむず痒くなるような話を語り合うスレです。

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後味の悪い話 その182
https://mao.5ch.net/test/read.cgi/occult/1593440696/

275 :1/2:2021/02/08(月) 20:21:53.63 ID:f04r1DN70.net
夢の中 悪夢の中(三原順)
90年代はじめの短編漫画

主人公は四人兄妹の末っ子の少女。物語開始時14歳。
兄3人はそれぞれラグビーやアメフトの選手。
この家における「正常」な人間とは、よく運動し、よく食べ、スポーツ観戦に夢中になり、食後は眠る時間まで家族と仲良くにぎやかに過ごす人間だった。
ひとり静かに本を読むのが好きな主人公は家族にとって「異常」であり、主人公のことを「『正常』にしてやらねば」と考えている。
母は主人公を何度も精神科医につれていき、兄は執拗にスポーツに打ち込めと薦める。


主人公は家族に理解を求めるのを諦め、友人と口裏を合わせてフェンシング部に入ったと嘘をつく。
部活の時間帯は自分のために読書する時間とし、家では望まれるとおりリビングで家族の時間を過ごした。
しかしある日、母が作った弁当をこっそり捨てたところを兄に見つかってしまう。部活で運動したという嘘のため夕食をたくさん食べなくてはならず、代わりに昼食を抜いていたのだ。
「異常」扱いされないためにはこうするしかなかった、こうさせたのは家族だと主人公は訴えるが、兄はその頬を張り飛ばす。

「小説や映画みたいな嘘の世界にとりつかれているから嘘をつく。スポーツは本物の世界だ。正直な人間になれ」

兄に嘘がばれたため、主人公は無理やりソフトボールチームに入れられる。厳しい練習に疲れ果て、本を読む気力もない生活は2年間、主人公が練習中にアキレス腱を切る怪我をして入院するまで続いた。

276 :1.5/2:2021/02/08(月) 20:29:33.98 ID:f04r1DN70.net
怪我により練習から解放された主人公は、ある学者の蔵書整理のアルバイトを始めた。
静かな、本に囲まれた時間は夢にまで見たもので、主人公は思わず涙をこぼす。
雇い主の学者も読書好きな主人公を気に入り、主人公は学者の知性と蔵書に触れながら満ち足りた時間を過ごすようになる。
そのうちに主人公は学者の息子と恋に落ちる。
主人公の家庭環境を理解した彼は、主人公の高校卒業と自分の就職を待って結婚しようという。


兄は激しく反対し、口論の末主人公が床に倒れ込むほど頬を殴る。
しかしそれでも自分の意志を押し通そうとする主人公に兄は不意に態度を軟化させた。
「お前が俺の脅しに屈しなかったのは今回が初めてだ。お前もようやく‘本気’になったんだな。お前なら大丈夫だ。お前はソフトボールの厳しい練習にもめげなかった自慢の妹だ」
主人公は愕然とし、兄の言葉に怒りを感じながらも何も言えず、彼のもとに走る。
そうして二人は結婚し、実家とは遠くはなれた場所で理想の静かで幸福な生活を手に入れた。


主人公が子供を身ごもったことがわかった日、主人公の母が事故で大怪我を負う。
もう手の施しようがなく死を待つばかりの母は、駆けつけた主人公を涙を流しながら睨み付け、言う。
「私はまだ死ねない、お前に、家族に愛されているとわからせるまで。
 お前はわかっていない、私たちがお前をどんなに愛しているか。
 知ってるんだからね、お前が信じてないことくらい」

277 :2/2:2021/02/08(月) 20:33:58.31 ID:f04r1DN70.net
数年後、主人公夫婦の間には元気な…まるで兄たちのミニチュアのように元気な男の子がいた。
静かさや清潔さを好む主人公は、やんちゃな息子につい声を荒げてしまう。

息子が叫ぶような話し方をするのは、主人公が息子をぶった際に片耳の鼓膜を破ってしまったせいだ。
夫は、鼓膜のことは不運な事故だと主人公を庇うものの、自分が息子をつれてしばらく義兄の家に行くと提案する。
「君が子供の頃、お母さんにされて苦しかったことを、今、僕たちの息子にしているとは思わないか。
 あの子は絶えず動き回り、にぎやかに過ごすのが好きなんだよ」

主人公は子供の頃、自分が母親になったら、何かを子供に無理強いなど決してしないと誓っていたはずだった。
夫と息子が出掛けたあと、一人残された部屋で母の写真に向かい涙を流す。

「母さん、よくわかったわ、貴女は私のせいで不幸だった、とても不幸だった。
 だからってどうすればよかったの? 貴女を愛せばよかったっていうの?」

主人公の息子は、死んだ母とそっくりな笑いかたをして、甲高い笑い声を町に響かせている。



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文字数間違った…申し訳ない

途中の兄の「はじめて‘本気’になったな」のくだり、私なら刺し殺さない自信がない

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