ほんのりと怖い話スレ 137

282 ：病院の名無しさん ：2019/08/14(水) 19:26:09.58 ID:u3f1DL3P0.net

病院の怖い話と怖くない話 ６９．３度弾き
これは関東の病院に勤めてる彼女の看護学校時代の友人からの又聞き。
８０代の高齢ドライバーが、青信号を横断中の母娘を跳ね飛ばしたんだって。そしてその勢いで歩道に乗り上げて、さらに１０何人か跳ねてから電柱にぶつかってやっと止まった。
後にドライバー曰く「アクセルが戻らなくなった」と言っていたんだけど、現場に行った救急隊員曰く
「あれ一旦止まってるよ」「バックして車道に戻そうとした形跡がある」
「その時に後輪でもう一度引いたんだ」「んでまた前進して３回目のとどめを刺した」
彼は苦苦しいような泣きそうな表情で
「検視官の人が泣きながらご遺体を集めてた」
ひどい話だけれどここまでが前振り。
そのドライバーはなんでも元高級官僚だったそうで、起訴どころか逮捕すらされなかったのね。
しかも自身も怪我をしたとしたと言って同じ病院に入院してきたんだって。
なんともやるせない気持ちだけど仕事だからお世話はしなくちゃいけない。
ある夜の巡回中にそのじーさんの病室の前を通ると何かぼそぼそと話声のようなものが聞こえる。
彼女はビビりだったんで先輩を連れてきて病室を覗いたら、個室のベッドですやすや寝ている。話し声も聞こえない。
ただ、点滴のパックがゆらゆら揺れていたのが記憶に残ったそうだ。

一か月ほどして世間の関心が他の話題に移った頃、じーさんはこっそりと退院して行った。
が、１カ月ちょっとしてまた病院に戻って来た。
症状は頭痛、幻覚、手足の震え、etc...
血液検査をした内科の先生が退院時のデータと見比べて眉をひそめている。
「何か処方以外の薬とか使われましたか？」
そんな事はないという返事。
「うーん」
一旦診察室を出て行ってもらって、
「これ、覚醒剤だよ。たぶん」
「やっぱり罪悪感あるんだね、どうやって入手したのか分からないけど逃避したかったんだろうね」
「でも相当の中毒になってるよ。シャブ中の禁断症状はひどいからねえ、あの年齢で耐えられるかな」
彼女の脳裏にゆらゆら揺れる点滴のパックが思い出されたって。