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ほんのりと怖い話スレ 136

885 :本当にあった怖い名無し:2019/06/28(金) 21:41:20.98 ID:Ay13zVUs0.net
我が家には小さいながらも庭がある
人は怖がって入ってこない

昔の話になるがある晩寝苦しさに目覚めると
井戸ポンプを動かす音が聞こえた
さては水泥棒だなと縁側の雨戸の隙間から見てみると
当然暗くてよくわからない
が、まあ人間の大きさなら影くらい見えるものだろうと意を決して開け放った
「ぎゃあ」と叫び声をあげたのは逃げた小動物ではなく俺の方
俺は赤ん坊の頃猫に顔面ざりっとやられて顔に傷を持つ男なので
大の動物嫌いだった

翌朝起きてから心配になった
見た小動物の影は肋が浮いていた気がしたんだ
いやいや見間違いに違いあるまいと思い込もうとしたが
嫌いだからといって確認もせず見放すわけにもいくまいと何晩か張り込んでみた

中々来ないのでまた早寝習慣にもどって数日した夜にまた目が醒めた
予感めいたものを感じて縁側に出てみると件の動物がポンプからこぼれた水をペチャペチャとやっていた
心中うわぁだったがそれは静かに行動したと思う
台所で用意したものを持って縁側に出ると
ひくりひくりと腹を動かしていた小動物がさっと耳をそばだててこちらを見た
食べ物の匂いには敏感らしい
こっちはそんなもんでもビクつくわけだが
さりとて死んで欲しいほど嫌いというわけではないので
渋々縁側から下りていって庭石の上にキャドフードを置いてみた
どっちかわからなかったので両方かって半分づつ置いたんだ

塀のそばの茂みに隠れていた猫が観念して姿を表したのは
近づいてきた俺に怯えてひっこんでから何十分かした頃だった
俺の方が先に根負けして翌日の仕事のために寝るかと考えはじめていた頃だった

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