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ほんのりと怖い話スレ 136
- 1497 :[5/6]:2019/07/24(水) 00:53:12.42 ID:36iZg3Ca0.net
- ここからはDさんのターンになる。
確かに彼らは青木ヶ原樹海から、おそらくは自殺者のものであろう霊を連れ帰っていた。
けれども霊の側には特別な悪意や執着があるわけでもなく、
霊現象の大半は彼らの思い込みだと感づいていた。
ひとりを除けば他は放っておいても構わないだろうという程度のものだった。
ひとりというのは最初に樹海へ行くのを渋っていた女の子で、彼女には男性の霊がたくさんついていた。
「なんで?」と、尋ねたのは俺だ。
Dさん曰く、「女の子の顔が可愛くて性格が優しそうだったから」。
女の霊はそうでもないが、男の霊は女につきやすいそうだ。
理由は、男だから。
霊にも好みの女性のタイプがあるのか、
自称・霊感がある女の子よりも酒井法子に似た女の子のほうにばかりついていた。
幽霊になっても男というのは男らしい。自分の下半身に正直だ。情けない。
Dさんの除霊のしかたはとても変わっていて、
それは神社仏閣を巡ったり、繁華街を歩いたり、果ては遊園地で遊んだりするというものだ。
そして霊がなにか珍しいものに気をとられているうちにさっさと逃げだして置き去りにするという、
霊にとっては迷惑極まりない悪質なものらしい。
新宿は歌舞伎町、アルタ前から始まって池袋まで徒歩で向かい、
山手線を時計回りにブラブラと電車で移動しながら渋谷へ、
明治神宮を通り抜けて竹下通り、銀座方面へ向かって東京駅から千葉は浦安のTDLへ、
ナイトパレードの電飾を目にする頃にはほとんどの霊が迷子なっていたそうな。
統率のない幼稚園児の遠足を想像してほしい。
大体、そんなものらしい。
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