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ほんのりと怖い話スレ 134

34 :本当にあった怖い名無し:2019/02/08(金) 06:17:12.85 ID:1GXNPrL+0.net
一本一本が子どもの腕ほどもある鉄棒が岩に埋め込まれててね。
これはそんなに古いもんじゃない。戦争中に旧日本軍が造ったもんだよ。
むろん鉄柵も凍りついてて、そこに巨大な錠前がついてたんだ。
当時・・・鍵は村議会で管理してたが、
その奥に入ることは10年に1度ほどしかなかったはずだ。入ったことがあるかって?
ああ、1度だけある。その話をこれからするんだよ。
氷穴の奥に入るのは、大きな地震があった後の確認のためだ。
震度にすればだいたい4か5以上のとき、村の青年団に招集がかかって、
みなで氷穴の奥に入るんだよ。俺が青年団のとき、つまり結婚前ってことだが、
秋口に大きめの地震があって、そんときに皆と一緒に入った。その頃になると林道が通ってて、
岩山の麓までは車で行くことができるようになってたから、山登りは2時間くらいだった。

青年団は12人で、村長が団長だったな。
奥に何があるか、俺は知らなかったが知ってるやつもいた。でもこれは、
語るな聞くなの、一種の禁忌になってて。俺は22歳だったが、
団員の中には、8年前の地震の後に氷穴に入った経験者もいたはずだよ。
完全防寒した12名の団員、村長と村会議員・・・村長は高齢だったから中には入らず、
一番若手の議員が鍵をあずかり、松明を焚き、2列になって注連縄をくぐった。
すぐにホールに出て、錠に魔法瓶の湯をかけて溶かし、鍵を差し込んだ。
でもな、扉は凍りついているから、みなでノミを使って氷を落とさなきゃならなかった。
これだけで小一時間かかった。そっから先は1列でしか進めない氷の通路で、
高さも掲げた松明がつっかえるくらい。曲がりくねって吐いたが、分岐はなく一本道だった。
でな、その氷穴の凍りついた壁だが、反射する松明の明かりが全体に緑っぽくなってきた。

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