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死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?352

1 :本当にあった怖い名無し:2018/09/16(日) 02:05:48.35 ID:LTtrv2IL0.net
貴方が聞いた・体験した怖い話や、2ちゃん・5ちゃんの色んなスレから拾ってきた死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみませんか?
・ジャンルや、事実の有無は問いません。
・創作も歓迎です(創作と宣言すると興ざめてしまう方もいますのでご注意ください)
・要は最高に怖ければいいんです。
初めてきた方は必ず以下テンプレを読んでから投稿しましょう

【重要ルール】
・他の人が書き終えるまで投稿は待ちましょう。
・長文を投稿する時はメモ帳等で全部書き終えてから一気に投稿しましょう。
・煽り・荒らしは徹底放置・完全無視が基本姿勢。反応するあなたも煽り・荒らしです。過剰な自治も激荒らしです。
・コピペの際には転載元を提示。2ch・5ch以外のサイトからは許可を取ること。
・文での感想はOK。点数形式での採点はNG。ただし叩き、煽りと感想は違います。日頃気をつける程度に、言葉には気を遣いましょう。
・スレ立ては>>980を踏んだ人。できなかったら後続にお願いしましょう。
>>980以降でスレ立てに挑戦する人は、必ず事前にスレで宣言をしましょう(重複防止)
・それでも音沙汰無い場合は誰か心の優しい方が建てて下さい。
>>980以降、次スレが立つまでは減速奨励。
・スレ民の総意を得ずに勝手なワッチョイ付きスレ建ては厳禁です。荒れる元となります。

○余り怖くない話と思うなら以下のスレへお願いします
ほんのりと怖い話スレ 131
http://mao.5ch.net/test/read.cgi/occult/1531051499/

前スレ
死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?351
http://mao.5ch.net/test/read.cgi/occult/1529557486/

294 :本当にあった怖い名無し:2018/10/05(金) 14:22:09.86 ID:YXGSsKnr0.net
1/4

忘れられない記憶がある。
小学生の時の話だ。

我が家は毎年二回、田舎にある祖父母の家に帰省していた。
別に誰かが特別行きたがっていた訳では無いが、一応孫の顔を見せに行っていたのだ。
俺には兄弟がいなかったので、特に遊びようの無いその田舎があまり好きではなかった。
あれは、小学一年生の時だと思う。
庭で1人で遊んでいると、女の子が現れたのだ。
とても綺麗な服を着ていて、にっこりと笑っている。
おそらく同年代くらいの子で、庭にある腰くらいの高さの柵の向こうに立って、遊んでいる俺を見ていた。
1人で遊ぶのにも飽きていたので、俺は迷わず声をかけた。
「一緒に、遊ぶ?」
返事は無かった。
俺はまた1人で遊び始め、気がつくと彼女はいなくなっていた。

295 :本当にあった怖い名無し:2018/10/05(金) 14:22:49.87 ID:YXGSsKnr0.net
2/4

翌日、その日はあいにくの雨が降っており、俺は使われていない和室で図鑑を眺めていた。
祖父母の家には何やら小難しい本がいっぱいあったのだが、その中で唯一子供でも楽しめそうな物は図鑑しかなかった。
それにも飽きて縁側に腰掛けたままぼーっとしていると、また女の子が現れた。
昨日と同じ様に柵の向こう側に立っていた。
その次の日も、そのまた次の日も、その子は俺の前に現れた。
今思えば、あれが俺の初恋なんだと思う。
隣近所に家は無かったが、俺が遊んでいると必ず彼女は現れた。
庭に入ってくる事も無く、俺に声をかける事も、俺の声に反応する事もなく、ただにっこりと笑ってそこに立っていた。
「遊ぼうよ」
「名前はなんていうの?」
「僕東京から来てるんだ」
「今はお母さん達お買い物に行ってるから、入っても大丈夫だよ」
いくら声をかけてもピクリともせず、ニコニコと笑ってそこに立っていた。

296 :本当にあった怖い名無し:2018/10/05(金) 14:22:50.69 ID:YXGSsKnr0.net
2/4

翌日、その日はあいにくの雨が降っており、俺は使われていない和室で図鑑を眺めていた。
祖父母の家には何やら小難しい本がいっぱいあったのだが、その中で唯一子供でも楽しめそうな物は図鑑しかなかった。
それにも飽きて縁側に腰掛けたままぼーっとしていると、また女の子が現れた。
昨日と同じ様に柵の向こう側に立っていた。
その次の日も、そのまた次の日も、その子は俺の前に現れた。
今思えば、あれが俺の初恋なんだと思う。
隣近所に家は無かったが、俺が遊んでいると必ず彼女は現れた。
庭に入ってくる事も無く、俺に声をかける事も、俺の声に反応する事もなく、ただにっこりと笑ってそこに立っていた。
「遊ぼうよ」
「名前はなんていうの?」
「僕東京から来てるんだ」
「今はお母さん達お買い物に行ってるから、入っても大丈夫だよ」
いくら声をかけてもピクリともせず、ニコニコと笑ってそこに立っていた。

297 :本当にあった怖い名無し:2018/10/05(金) 14:23:24.23 ID:YXGSsKnr0.net
3/4

祖父母の家を離れる日が近づいてきたある日、理由は忘れたが俺は母親にこっぴどく叱られていた。
1人泣きながら庭に駆け込み、辺り構わず八つ当たりをしまくっていた。
そこら辺にあった石を地面に投げつけたり、枝を折ったりしながら大声を上げていると、例のごとく柵の向こうに立っている女の子が目に入った。
今までと変わらない素敵な笑顔で、俺を眺めている。
この時、初めてこの子を怖いと思った。
こんなに泣いている、こんなに大声を上げている人を目の前にして、眉毛1つ動かさないその子に、一切の感情を感じなかったのである。
気がつくと涙は止まり、じわじわと別の感情が湧き出していた。
一歩、二歩と彼女に近づいていく。
柵越しに彼女の目の前に立ち、俺は声をかけた。
「君は、誰?」

298 :本当にあった怖い名無し:2018/10/05(金) 14:23:45.49 ID:YXGSsKnr0.net
4/4


返事はない。
「誰なの?」
少し震えた声で聞いた。
やはり返事はない。
「誰なんだよお」
ほとんど半ベソだった気がする。
彼女は初めて見た時と全く変わらない、驚くほど綺麗な笑顔で、俺の目の前にいる。
「ねえ」
俺は耐えられなくなり、彼女の肩を掴んだ。
「……!」
掴んだ肩のあまりの冷たさに、俺は思わず後ずさった。
「君は…人間なの…?」
自分でも思わなかった言葉が口をついて出てきた。
しかしそれは、目の前の存在に対して俺が持っている、最も大きな疑問だったのかもしれない。
その時、いつもと変わらない、とても綺麗な、一点の曇りすらない笑顔を浮かべたまま、彼女は初めて口を開いた。
「お前に決めた」
驚くほど美しい顔に似つかわしくない、老人のような声だった。

その後、どのようにして部屋に戻ったのか、どのようにして母親に許しを請うたのか、よく思い出せないでいる。
ただ、彼女はそれ以来、二度と俺の前には現れなかった。

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