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【実話】青森白神山地で体験した恐い話(岩木山)

1 :teda wakou:2018/05/06(日) 07:32:59.91 ID:OhgYhHEl0.net
 今からちょうど10年前の2008年5月、筆者は青森県の白神山地に居た。
遊びに行っていたわけではなく、山に入るちょっと特殊な仕事で現地に入っていた。
この時の筆者は20代前半、そんな20代の繁忙期、白神山地に入って、ちょっと不思議な体験をした事がある。
今日はそんな話をしてみたいと思う。

 2008年5月、人と荷物が満載の車を運転し、筆者は函館のフェリーターミナルに向かっていた。
天気は良好。出発してから4時間弱で目的のターミナルに着いた。
乗船手続きを済ませ、船員の誘導に従い車をフェリーの中に突入させる。
誘導された場所に車を停める。車から降りると、トラックのエンジン音と排気ガスの臭いが海水の臭いと混ざって独特の臭いがしている。

客室へ上がり、ウダウダしていると出港のアナウンスが流れ、のそのそと船が動き始めた。
この日乗っていたのは津軽海峡を渡る船。大部屋のマスにはトドになった人がゴロゴロとしている。
座っていると、尻が突き上げられては体がフワッと浮く。内臓が浮く感じがした。
この日の津軽海峡は、ことのほか波が荒かったのを憶えている。

そんなこんなでしばらくすると、着港まで後何分とアナウンスが流れたので車へ戻るのだが、
暇という地獄から開放されたせいだろうか、足取りがやけに軽い。
船のゲートが開き、車を船から滑らせるように出すと、新鮮な景色が広がっていた。青森に着いた。


>>2につづく(1-7まであります)

2 :teda wakou:2018/05/06(日) 07:33:34.52 ID:OhgYhHEl0.net
>>1のつづき


 フェリーターミナルに降り立つと、開放感を感じた。でも何か体が揺れている気がする・・・。
ここ青森のターミナルから、現場である白神山地に向かうのだが、アナログな車にはカーナビなど無く、
助手席で地図を開いているその人こそがナビとなる。

 と、まあ やれ右だ左だ目印だとガヤガヤしていると青森県の弘前市に着いた。
街並みに目を奪われながらも、ただただ現場の白神山地に向かう。

弘前市を抜けると、あたり一面りんご農園と水田に囲まれた道に出た。
この道を、ただただ走行してゆくと、眼前に岩木山が見えてきた。
岩木山を右手に拝みながらひた走ると小町に入った。この小町には津軽三味線の工房が多いらしく、屋号が目立つ。

 この町で一番目立つ工房の看板がある所に信号機がある。この信号を右折。あとはひたすら走る。
しばらくすると、集落に入る。急な坂道の途中に一軒の商店があった。おばあちゃんがのんびりと歩いていた。
なんだか感じが良かった事もあり、この集落に車を停めて例の商店で飲み物を買う。
まだ5月の青森だったのだが、気温は既に夏日となっていた。とにかく暑い。
そんな鳥と虫の声がする中で、ばあちゃんが畑仕事をしている。そんなのどかな所。


>>3につづく

3 :teda wakou:2018/05/06(日) 07:34:01.22 ID:OhgYhHEl0.net
>>2のつづき


 こんな所で一服し終えた筆者一行は、ゾロゾロ車に乗り込み現場へ向かう。
少し走るとまた集落が見えてきた。この集落を過ぎると鬼怒川という川に出た。もう辺りは白神山地の麓。
この川沿いを走ってゆく。車同士すれ違うのがやっとな道だ。
少し緊張しながら走行していると、ひときわ赤くて目立つ何かが右手に見えたのでふと見る。
稲荷神社のように鳥居が連なっているのが目に飛び込んできた。
珍しいのだろうか? その神社の鳥居は人の背丈程の高さしかなかったが、田舎の山道らしい良い雰囲気を醸し出している。

 こんな感じの道を走ってゆくと左手に寂れた看板が見えてきた。"ヤマタノオロチ伝説の滝"と書いてある。
ゆっくり走行していたので少し読めたのだが、ヤマタノオロチを成敗した剣があるとか書いてあった。
これらを横目に、ややしばらく行くと、助手席のナビがそわそわしている。そろそろ現場が近いとの事だ。
こんな感じの場所がどうやら現場だそうだ。

 時刻は大体4時半頃、黄色くて小さな縦看板が見えた。現場の看板だ。
看板を左に曲がり現場内に入る。目の前に太い砂利道があった。どうやら道路を拡幅し新設する為の現場らしい。
筆者らが行う作業は、工事現場となっている道路横。山の斜面を保護する仕事だ。
現場を一通り下見したあと、この日はすぐ、集落にある宿へチェックイン。
これから宿で一ヶ月は御世話になる。
挨拶をし、部屋割りをする。
夕食を頂き、明日から始まる作業の為に早めの就寝・・・。


>>4につづく

4 :teda wakou:2018/05/06(日) 07:34:26.06 ID:OhgYhHEl0.net
>>3のつづき


 目覚まし時計がうるさい。朝だ。洗面台は順番待ち。とりあえず作業着に着替えながら順番を待つ。
着替えが終わるとちょうど洗面台が空いた。顔を洗い歯を磨く。
昨日から思っていたのだが、水が美味い。
全員揃ったところで朝食を頂く。やはり昨日から思っていたのだが飯が美味い。水が美味い。

 さて、現場の時間だ。
宿から出ると外は驚くほど冷え込んでいた。結露が付いている車に乗り込み現場に向かう。
現場に着くと作業の開始だ。足袋に履き替え斜面を登るとスズメバチにお出迎えされた。
オオスズメバチとキイロスズメバチ、それに腹が黒いスズメバチだ。これがそこらじゅうをブンブン飛び回っていた。

 昼頃になり、現場の下準備が粗方終わった頃、気温は夏日となっていた。
朝の寒さに騙されて、厚着の筆者は目眩がしていた。

昼が終わり、薄着となった筆者には元気が戻っていた。
その足どりは、野山を駆け回る小学生と言ったところだろうか。

とまあ、こんな日々を半月程過ごした頃、我が家となった宿からいつものように現場へ向かう。
ふと思い出した。稲荷さんがこの辺にあったこと。が、いくら注視しても鳥居群どころか神社すらない。
単純に見落とした。


>>5につづく

5 :teda wakou:2018/05/06(日) 07:34:59.44 ID:OhgYhHEl0.net
>>4のつづき


 現場に着いて足袋に履き替える。いつものように山に登る。
この頃になると現場には仮設の梯子が所々付いていて、山の斜面に楽に登る事ができる。

 この日、梯子を先頭切って昇って行くと、昇りきったそこに“マムシ”がトグロを巻いてこちを見ていた。
梯子を昇りきった時の目線にマムシが居たのだ。慌てて梯子を降りる。
後続隊に事情を説明すると、その内の一人が昇って行った。
もう既に居なくなっていたそうだ。

 その日の作業が終わり、現場を出てすぐだった。
体長2メートル程のマムシが車に轢かれて死んでいた。
そんなこんなで気分的に滅入る中、宿へ帰宅する為に車を走らせる。
その道中、神社を探したがどこにも無い。
助手席のナビに、この時初めて神社の事を話したのだが、
「そんな神社は見ていない。無い。変な物を見るな」と言われてしまった。

それから数日後、現場で作業をしていた時だった。
筆者はスズメバチの巣の上を歩いてしまった。
どういう事になったのかは言うまでも無いだろう・・・。
この件が切っ掛けとなり、青森出張で初めてとなる休暇が我が班に訪れた。


>>6につづく

6 :teda wakou:2018/05/06(日) 07:35:27.90 ID:OhgYhHEl0.net
>>5のつづき


 この日、偶然にも岩木山でお祭りが開催されていて、地元の方に誘われたもんだから断る訳にはゆかない。
お祭りには、筆者と同僚の三人でうかがった。
もちろん筆者一番の目的は地元の青森美人・・・ではなく、神社へのお参り。
ムサッ苦しい男3人が岩木山の坂道を登ってゆく。
周りには青森美人が笛を吹きつつ大勢練り歩く。この光景を目の当たりにして筆者は元気を取り戻す。
鼻息が荒くなっているが、坂道のせいだろう。

 そうこうしている内に筆者ご一行は岩木山神社に到着。
太鼓と笛が鳴り響き、あちら此方で人々が輪になって踊っている。
地元で御世話になっている方が出している露店に入り、日本酒と焼酎の洗礼を受けた。
筆者以外のお二人は、もう出来上がっていた。太鼓は奪うわ笛は奪うわ、地元の輪に入って踊っている。
さて、そろそろ岩木山への参内だ。長い石階段を登ってゆき、現場の安全を祈願する。

 あとは戻って飲めや喰えやで存分に楽しんだ。
この時、地元の人から話を聞けた。このお祭り、昔は女性が岩木山に入る事はできなかったそうだ。
近代になって、境内前まで女性が参加し、現代に入って女性も境内に入る事ができるようになったらしい。


>>7につづく

7 :teda wakou:2018/05/06(日) 07:36:54.30 ID:OhgYhHEl0.net
>>6のつづき


と まあ、『稲荷神社』『マムシ』『スズメバチ』と“不思議”が続いた白神山地だったが、
なかなか良い日々を現地で過ごせた10年前の一ヶ月間だった。
沢蟹を殻ごと擂り実にした汁は格別の一品で忘れられない味となっている。

 この現場が5月下旬に終わり、筆者は青森終了2日後に岩手県の山へ仕事で行った。
岩手県で筆者は、山の崖から落ち、二日後に地元である北海道へ帰ってきた。
筆者が帰ってきた約二週間後の2008年6月14日午前8時43分、岩手県でM7.2の地震が発生。
筆者が居た周辺の山々が崩れ、とてつもない災害となった。

そんな事をふと思い出した今日この頃だった。今年はどうなる事かと思う。


当時の写真1 岩木山を見る筆者:https://imgur.com/jbt9XeH.jpg
当時の写真2 岩木山を見る筆者:https://imgur.com/2ocG5xB.jpg
当時の写真3 岩木山を見る筆者:https://imgur.com/jcXjXPX.jpg

岩手地震の時の山崩れ画像。(報道されていた写真)
https://imgur.com/4PtkqFk.jpg

そんなこんなで山に入る人が多くなる今日この頃、
全国各地で不思議な体験をした人はたくさん居るだろうな・・・と筆者は思いつつ、この辺で話を終わりとさせて頂きます。
以上、北海道より"teda wakou"の実体験を、お送りさせて頂きました。

>>1(teda wakou)が公表している実話】
https://sites.google.com/site/kimitujyouhou/enoshima

---------以上です-----------

8 :本当にあった怖い名無し:2018/05/06(日) 09:15:32.37 ID:+r2zvXf/0.net
ようするに、山で死ねば事故死。
死ななかったら助けてやったんだというダブスタな話。

総レス数 8
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