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後味の悪い話 その172
- 886 : 江戸川乱歩「夢遊病者の死」:2017/11/09(木) 13:52:08.62 ID:aHKV+oD30.net
- 失業中の彦太郎は今日も父に小言を言われていた。
せっかくいい勤め先が見つかったのに何で断ったんだ、前の仕事だって
いい仕事先だったのにと
いい歳をして親に食わせてもらってる立場から日頃は小言を黙って聞き
流している彦太郎もこれには怒って親子喧嘩になる。
(俺だって辞めたくて辞めたわけじゃないのに)
彼がその仕事を辞めて帰ってきたのは、夢遊病を発症したからだった。
住み込みの仕事だったのですぐに職場の噂になり、いたたまれずに逃亡
して来たのだった。
今回紹介された仕事も住み込みだったので断るしかなく、また夢遊病の
事を父にも恥ずかしくて言えないでいた。
何もかもイヤになって不貞寝していた彦太郎がふと目を覚ますと父親が
いない。
庭先を見るとそこに父がいた。
頭から血を流して倒れ、そして割れた鉢が傍らにある。
父と喧嘩したせいで、夢遊病状態で殺してしまったのかと慄いた彦太郎
は、駆けつけた警官を見て恐怖に駆られて全力で逃げ出す。
だが心身ともに弱っていた彦太郎は途中で倒れ、そのまま心不全で父の
後を追うことになった。
一方警官達は不思議そうにしていた。
被害者の息子がなぜいきなり逃げ出したのかと。
彼らの傍らには、間違って二階から鉢を落としてそれが人にぶつかって
しまったと正直に出頭してきた隣家の住人がいた……。
+ + + + + + + + + + + + + + + + + +
せめて父には夢遊病の事を話しておけば勘違いの元になった親子喧嘩も
せずにすんだのに。
この手の最低限のコミュすらしないできない口下手な愚図キャラの話は
大抵後味悪い。
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