後味の悪い話 その172

826 ：本当にあった怖い名無し：2017/11/04(土) 00:43:43.65 ID:s7sLcVX40.net

以下は「私」のモノローグ。
あれ以来、私の考えは大きく変化した。この世には、常識では考えられないものが本当に存在する。
私はその後勉強を続けて、良い大学を出たが、不思議なものへの興味はずっと持ち続けてきた。
今では趣味のヨガを通じて、そういったものを研究する団体に入り、大学での知識を生かしてある薬品を扱うセクションにいる。

で、回想終了。A子との会話。
「あなたの言うことは難しくてよくわからないけど、そのハルマゲ…ナントカって、本当に起こるの?」
「勿論よ。この前も神戸で大きな地震があったでしょ?あれもその前触れみたいなもんだわ」
「そんな言い方したら亡くなった人や今でも苦しんでる人に失礼だよ」
「(はあ、これだから凡人は。大きな変革の前にはこの程度の死人なんて大したことないのに)」
「それに言っちゃ悪いけど、『私』ちゃんの入ってる団体って、あんまり良い評判聞かないよね?だから見学に来いって言われても遠慮するわ」
「(やれやれ、昔のよしみでA子だけは助けてあげようと思ったのに)」

で、最後に「私」は伝票を掴んで立ち上がり、最後にA子にこう言い残して喫茶店を出て行く。
「あなたの旦那さん、霞が関で働いてるって言ってたでしょ。3月中は地下鉄を使わないように忠告しときなさい」

おしまい。