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百物語2017
- 725 :アザラシ伍長 :2017/10/09(月) 00:56:11.84 ID:v/lC/vtS0.net
- >>724
(続き)
結局、樹海探検は決まってしまい、Sくんもなし崩しに同行することになった。Fくんは、万一遭難してもいいように、かなり重装備で樹海探検にでかけた。
兎に角、コンパスなど役に立たない場所である上、複雑な地形である。用心に越した事はない。
そして、探検が開始された。
「おい、随分と妙な地形だな」
「確かに、歩くだけでも疲れる」
地元出身の友人Sくんの力を借りながら、樹海のあちこちを探検した。樹海を覆う地表には、奇妙な岩や足をとられる粘土が広がり、歩行を苦しめ続けた。
だが、とうとう疲労困憊となってしまった。
「ああ、もう限界だ、少し休みにしないか」
さしものFくんも弱音が出てしまった。
「まったくだ。俺も腹が減ってたまらない、飢餓状態だね」
Sくんも待ちかねたという表情で同意する。
二人は笑顔で弁当を取り出した。自然の中で食べる弁当ほどうまいものはない。これも、廃墟や僻地体験の醍醐味なのだ。
「この瞬間がたまらねえな」
(続く)
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