百物語2017

256 ：本当にあった怖い名無し＠＼(^o^)／：2017/09/10(日) 01:51:16.68 ID:T8Z1eqse0.net

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同じ時期に見る悪夢のパターンって限られてない？
私だけかなそういうの
落ちて死んだり、撃ち殺されたり、人を車ではねて捕まったり
色んな怖い夢を見た記憶はあるけど、普通は夢の途中でそのパターンに入り込んで悪夢になっていく
その時々の不安や恐怖が反映されるのか、人を殺して逃げる夢を見てしまうとしばらくはずっと人を殺して逃げるっていう同じパターンになる
途中であっこれいつもの夢だって気付いて目を覚ますので、自然と怖がりな自分に優しいマイルドな仕様になってる

一人暮らしを始めた直後はそれがいつも男の人に刺し殺される夢だった
その悪夢だけは異質で、いつもは見ている夢の途中でストーリーっていうか流れに組み込まれて怖い夢に変わっていくんだけど
その男は気づけば唐突に現れてただ刺してくるだけ
痛いだとか死にそうだとかって感情じゃなくて、ニヤニヤと見下ろしながら刺してくるその男がただただ怖い
見たくはなかったけど繰り返すうち日に日にその顔だとか格好だとか細かい特徴まで認識できるようになっていった
紺のキャップに薄いグレーの作業着、二重で中性的な、どっちかと言えばイケメンだけど
表情に人間味がないというか虫みたいというか、説明できないけど生理的に受け付けない感覚がする顔だった
目の前にいてあっまた刺されるって思った瞬間、玄関のチャイムが鳴って起こされた

仕事から帰って突っ伏してそのまま寝てしまっていたらしい
ドアスコープを覗くと、いま夢で見たとおりのその男が立っていた
思わず声を上げそうになった
何かの作業員風に見えるので夢を見た直後でなければそのまま開けてしまっていたか、少なくとも返事をしてしまっていたと思う
気配を消して居留守を使っているとドアレバーが一度だけゆっくり下がった
鍵はちゃんとかけてあったんだけど気が気じゃなかった
別の日に何かの点検や荷物が届いたりすることもなかったし、男が何者だったのかは今も分からない

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