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ほんのりと怖い話スレ 122
- 109 :TAIRA@\(^o^)/ (ワッチョイ aebb-kEb8 [121.103.58.208]):2017/01/10(火) 22:58:24.82 ID:ZBBQQliH0.net
- 駅か警察を通して親と連絡が取れれば自分の身元が証明出来るんだ。
駅員と話すために改札脇の案内所に向かった真司は、職員に話しかけるより先にカウンター上にあった時計に目を奪われて足を止めた。
1995年9月7日?・・
間違いだろ?95年ってオレが生まれる前の年じゃないか。
真司は右手に持った当日券の日付を見て更に愕然とした。
当日券に記されていた「当日」とは、カウンター上の時計と同じ1995年9月7日を差していたのだった。
真司はこの瞬間、自分の中で徐々に受け入れられつつあった「自分が何らかの理由で時間と空間の両方を瞬間移動してしまった」という恐ろしい認識を完全に「事実」として受け入れざるを得なくなってしまった。
今オレがいるこの世界にオレはまだ存在していない・・
この世界にオレの身元を証明できる人間はいないんだ・・・
真司はしばらくの間ショックで何も考える事が出来なくなってしまった。
ただ一人券売機前のベンチに座って随分長い間、目の前を行き交う名前も知らない大勢の人々の姿を見つめていた。
この人達は、今まで映画やドラマの中でしか見る事のなかった20世紀に生きてる人達だ。
この人達は東日本大震災や福島の原発事故の事を知らないんだ。
・・でも確か少し前に阪神大震災を経験してるはずだ。この辺りは大丈夫だったのか?
頭の中を廻る思考は今の真司にとってあまり重要でないことばかりだった。
一刻も早く何とかするべきなのは分かっていた。
しかし今の自分にはこの「現実逃避」に割く時間もある程度必要であるという事も真司には分かっていた。
自分がタイム・トラベラーの類だと語るとかえって不利益になると判断したした真司は、とりあえず駅の外へ出てこれからの事を考えることにした。
【このお話しの前後はこちらで!! ^_^ 】
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