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∧∧山にまつわる怖い・不思議な話(避難小屋)79∧∧

869 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2016/10/08(土) 20:30:53.74 ID:QSk1mR/90.net
ある春の朝、勤業を終えた村の神職が国境の山の斜面を見て「あっ」と驚きの声を上げた。
昨日までまだ斜面一面に残っていた残雪が、
ぼつ、ぼつとまだらに穴が開いたように溶けかかっている。凶兆である。
「たいへんだこりゃ、疱瘡神が下りてくる!」この村では疫病の神は山から来ると信じられていた。
村名主、住職と神主、村の三役に長老たちが集まって相談をした結果、
「これはどうしても生贄を捧げなければなるまい」という話になった。
古来からこの村では、生贄を出すことで疫病神の到来を防いできた習しであったのだ。

生贄は昔話のように何も若い娘である必要はない。
だれがその役を務めるかはすぐに決まった。
村外れの小屋に住み着いて半端仕事の手間賃で食っている「雷鳥」という流れ者である。
薄汚いボロぞうきんのような格好で村の娘に流し目を使う心底からの嫌われ者であった。
もちろん村に係累のない雷鳥をかばう者など一人もいない。
雷鳥はその日のうちに沼地でカエルの皮をむしっているところを捕らえられ、
縄をかけて鶏籠に入れられた。

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