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死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?332

984 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2016/02/02(火) 01:30:37.28 ID:JY0XIFNfO.net
家の近所に「昭和軒」っていうラーメン屋があるんだ。
店のたたずまいはボロボロで、スモークガラスで店内は何も見えない。
昨日の夜中3時、酔っ払いの俺は微かな店内の明かりに呼ばれるように、ドアノブに手をかけた。
店に入ると、当然散らかっている。店主のお婆さんが「いらっしゃいませ」と愛想よく一言。腰がくのじ曲がっていて、おそらく80歳は越えているだろう。他に店員がいる気配はない。
「おいおい、こんな婆さんに飯注文して大丈夫なのか?しかも今何時だよ。作ってる最中にぽっくり死にかねないぞ」などと考えながらも、注文を促された俺は「ラーメン下さい」と伝えた。
店内には二匹の猫が放し飼いされていて、俺の靴をクンクン嗅いでいる。
そういえば、このラーメン屋はたしか、うちの両親が上京してきた頃にはすでにあったとか。父親と母親が学生時代、銭湯帰りによく通ってた話を思い出した。
そんなことを考えているうちに、厨房の奥から危なっかしい足どりの婆さんが料理を運んできた。
チャーシュー三枚とナルトがのった醤油ラーメンだ。スープと一緒にラーメンをすすると、懐かしい味がした。
瓶ビールを追加で注文し、「ここのお店長いですよね。お一人で店をきりもりされているんですか?」と俺は話しかけた。
婆さんは愛想よく椅子に腰かけると、「そうです。44年やってます」
あまり深入りするのも悪いと思い「そうですか」と相槌をうつと、そんな俺の胸中を見透かしたのか、婆さんは話し続けた。
「息子たちは、いい加減歳なんだから店をやめろなんて言ってますけど、私にはこれしかないからねぇ」
少しばつの悪い俺は愛想笑いでごまかした。
ラーメンをたいらげ、ビールも飲み干した俺は店をあとにした。
帰り際の婆さんの「またお待ちしています」が妙に心に残った。

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