後味の悪い話　その160

816 ：ライフ・オブ・パイ　１／２＠＼(^o^)／：2016/01/03(日) 05:58:29.16 ID:b9cnlk660.net

>>777で思い出した映画『ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日』
後味悪いというより切ない感動系だから嫌な人は回避推薦

小説家のヤン(原作者)は、「少年時代にトラと一緒に227日間も海を漂着したことがある」という青年パイ氏を取材する

パイ氏の語る物語はこんなものだった
パイ少年は、乗っていた船が沈没したことで、小さなボートで海を漂流することになった
ボートには船に積まれていたシマウマとオラウータンとハイエナも乗ってきた
ハイエナはシマウマを食い殺し、次にオラウータンも殺した
そしてパイ少年までもがハイエナに食われそうになった時、突如として物陰から現れたトラ(ベンガルトラ)がハイエナを食い殺した
パイ少年はトラに怯えながら過ごすことになるが、次第に心境が変化していく
トラが海に落ちた際にとどめをさせずにボートに引き上げて助けたり、嵐に怯えるトラを必死に庇いながら神に祈りを捧げたり、衰弱したトラに貴重な飲み水を分け与えたりするようになり、トラとの間に友情すら感じるようになった
その後、「『人を食う生きた島』への漂着と脱出」という幻想的で空想じみたエピソードを経て、パイ少年とトラの乗ったボートはついに本物の陸地へとたどり着いた
227日間もの漂流で衰弱しきったパイ少年は、ただ力無く浜辺に倒れる
トラはジャングルの方へと歩いていき、ジャングルを前にして立ち止まった
パイ少年はトラが振り向いてくれることを期待した
しかしトラは振り向くことなくジャングルへと姿を消した。そして二度と戻ってこなかった。それがパイ少年がトラを見た最後だった
パイ少年は地元の人々に救助された際に泣きじゃくった。助かったことが嬉しかったのではなく、友達だと思っていたトラがあっけなく去って行ってしまったことが悲しかったのだ

パイ氏「私はあのトラを永遠に忘れない」

ヤンがパイ氏の話を信じることが出来ず言葉を濁していると、パイ氏は続きを語り始める

救助されたパイ少年が入院している所へ、沈没事故の調査をしている保険会社の大人たちがやってきた
パイ少年はヤンに語ったのと全く同じ話を大人たちに語った
しかし大人たちはパイ少年の話を嘘だと決め付けてヤンと同じように納得せず、誰もが納得できる真実を話すようパイ少年を問い詰める