後味の悪い話　その160

1 ：本当にあった怖い名無し＠＼(^o^)／：2015/11/21(土) 12:58:21.47 ID:e/sqx5Wj0.net

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・映画や小説、漫画、ネットの噂などのネタやコピぺも可です。
・1回で投稿しきれない長文は、投稿前にメモ帳でぜんぶの文章を書き終えてから、連続投稿してください。
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聞いた後に何となく嫌な気分になったり、切なくてやりきれない夜をすごしてしまったり、
不安に駆られたり、体中がむず痒くなるような話を語り合うスレです。

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後味の悪い話　その159
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366 ：1/2＠＼(^o^)／：2015/12/08(火) 01:42:59.06 ID:TAKpsDn60.net

樹なつみの漫画『八雲立つ』うろ覚えだけど

主人公は大学の演劇サークルに入ったばかりのひょろい大学生
先輩方多数や、女二人をはべらせたOBと共にとある土地に合宿に来る

その土地は聖地で、地元の神主の一族が祭祀を行う時期だった
主人公は、神主の息子の男子高校生から「祭祀の邪魔だ
失敗すると災いが起こるから部員達を連れて出ていけ」的に因縁をつけられる
いや俺じゃなくて部長かOBに言ってくれよと困惑する主人公

（後で判明するが、実は神主の息子は主人公がリーダーだと誤解していた
本質を見抜く彼の目には先輩方もOBも人間的に小者にしか見えなかったのだ）

そのOBは女二人のうち地味な方にさまざまな雑用をやらせながら
派手な方と適当に芝居の練習をしながらいちゃついていた
しかし地味子を秘書や家政婦と割り切っているわけではなくたまに色目を使い
二人の女に争われてモテて困っちゃう自分を演出していた

現役大学生の三、四年はOBが現役だった頃からの付き合いなので遠慮してるが
主人公含め一、二年はOBの気取った鬱陶しさにうんざりする
そして口論気味になった時に主人公はOBに対して真っ向から
「あなたは無頼なんじゃなくて無頼に憧れ気取ってるだけの常識的な小心者」
「女性二人に対する態度は無責任で、自分の弱さが露呈するのを恐れている」
的な正論をぶつけてOBの機嫌を損ね、先輩方を真っ青にさせてしまう

実際、OBは今でいうところのワナビで
売れない役者どころか本気で役者目指してるのか判らんような状態で
この漫画が描かれた当時バブル期で職はいくらでもあったにもかかわらず
大学出て二、三年たっても定職にもつかず
ぬるいバイトと地味子のヒモで生活しながら芝居ごっこして遊んでるようなもの
たまに自分のアマ劇団持ちたいとかこんなプロジェクトやりたいとか
杜撰な計画を立ち上げては、なけなしの資金を食いつぶしていた

367 ：2/2＠＼(^o^)／：2015/12/08(火) 01:44:43.70 ID:TAKpsDn60.net

完全にブチ切れたOBは怒ってその場から去り
追いかけた地味子と別の場所で口論を始めた
その場所は神主の息子によれば穢してはならない禁足地

地味子なんかと同棲してたから成功出来なかったみたいな事を言い出すOB
別れると言うと地味子は逆上した
彼女はもう何年も身を削って働いて自分とOBの生活費やOBの遊行費を出し
OBが杜撰なワナビベンチャーを始めるのに莫大な資金が必要になるたび
婚約者の望みだからと親兄弟や親戚にまで頭を下げて回って借金していた

「私の愛もかけた年数も親類への体面も多額の借金も踏みにじって捨てて行くのか」
「そんなの俺が知るか」と口論し揉み合ううちに双方の憎悪が禁足地に満ち
ついに地味子が刃物でOBに切りつけた血がしたたり落ちると、封印が解け
地面から粘液状の黒い邪悪な物質が噴き上がった

主人公と神主の息子が駆けつけた時には、禁足地一帯は黒い霧に包まれ
黒い粘液状の物質が溶岩のようにのたうっている範囲の中で
かつて人間のような形状をしていたと思われる柔らかい固まりがふたつ蠢いていた

神主の息子が再封印の儀式を行うのを何とか主人公も手伝って
邪悪な気は元通りに封じられ、禁足地の姿も元の草むらに戻ったが
OBと地味子の姿はもうどこにもなかった

何も知らない演劇部員達はどーせ駆け落ちでもしたんじゃね的に噂したが
主人公は到底本当の事を言う勇気はなかった
…クズ男と搾取され女が借金を親類に返す事もなく、生命として死ぬ事もなく
封印を破って現れた邪悪な気の中にとりこまれて同化し
おそらくはやはりかつて憎悪にとりつかれた人間だったであろう無数のモノ達と共に
再封印された内側の暗い世界で永遠に蠢き続けているのだろうとは