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後味の悪い話 その160

128 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2015/11/27(金) 20:23:23.44 ID:MuD9cb9cO.net
しかしある日、かま猫は風邪を引いてしまう。節々が腫れてとても歩けず、事務所に行けぬまま痛みに悶えていた。
一方事務所では、三人の書記がここぞとばかりに悪意に満ちたでたらめな噂を流す。
「今度はおれが事務長になるとか言ってるそうだ。馬鹿なやつらが怖がってきくのをいいことに、かま猫はあちこちに呼ばれてはばをきかせているらしいぞ(要約)」
真面目なかま猫の欠勤を不思議がっていた事務長もその話を聞いて激昂する。

翌日ようやく回復したかま猫が出勤すると、四番書記担当の原簿は三つに分けられて一番書記から三番書記までの机に置かれていた。
「ああ、きっと昨日は忙しかったんだろう」
そう思っている間に他の書記らが出勤する。一人一人丁寧に挨拶をするが、みんなかま猫など目の前に居ないかのように振る舞う。
程なくやってきた事務長にも挨拶をする。しかし事務長からも無視されるかま猫。
やがて仕事が始まるも、かま猫の机には何もない。かま猫のものだった原簿を三人がそれぞれ読み上げている。事務長は何も言わなかった。
悲しくてたまらないかま猫をよそに、仕事は滞りなく進んでいく。時折ちらっと見られるが誰も声をかけようとはしない。
昼になり、各々は弁当を食べながら楽しげに談笑しだす。かま猫は弁当も出さずに俯いていたが、とうとうはしくしく泣き出した。
そして午後の仕事中もかま猫はずっと、泣いたりやめたり、また泣き出したり。それでも皆はそんな事なにも知らないとばかりに、面白そうに仕事に励んでいた。
そこへ現れた金色の大獅子。しばらく窓から様子を見ていたが、戸口を叩いて事務長に入ってきた。
突然の出来事に事務長と三人の書記は驚きうろたえるが、かま猫だけは泣くのを止めて真っ直ぐ立ち、獅子に向き合った。
獅子は大きな声で言う。
「お前たちは何をしているか!そんな事で地理も歴史も要った話でない、やめてしまえ!解散を命ずる!」
こうして、猫の事務所は廃止されてしまったとさ。

作中の語り部曰わく、これは半年前の出来事。語り部は最後にこう締めくくる。
「ぼくは獅子に半分同感です。」

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