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∧∧山にまつわる怖い・不思議な話Part78∧∧

353 :雷鳥一号 ◆jgxp0RiZOM @\(^o^)/:2015/08/13(木) 18:56:52.10 ID:thzDu8yL0.net
友人の話。

山奥の渓流に、鮎釣りに出掛けた時のこと。
その河原に鮎師の姿は無かったが、その代わりに色々な道具が置いてあった。

無造作に投げ出された、高価そうな鮎竿。
天然木で作られた綺麗なタモと、水に半分浸けられた囮缶。
使い込まれた風なクーラーボックスとザック、仕掛けを作るための道具箱等。

鮎竿は組まれた状態で、仕掛けもちゃんと付けてある。
ただ、仕掛けの囮鮎が死んでいた。
誰かが釣りの途中で場を外したのだろうかと思ったが、どうも様子がおかしい。
近くに寄るとタモの上に、これまた死んだ鮎が載っていることに気がついた。

まるで、釣り上げた鮎を針から外した直後に、当の釣り人がパッと宙に消えた。
……そんな情景を想像してしまった。

「誰かいませんか?」
そう呼ばわりながら、囮缶を開けてみた。

白い腹を上にした囮鮎が何匹か、その中に浮いている。
やはりすべての鮎が死んでいた。

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