後味の悪い話　その157

950 ：本当にあった怖い名無し＠＼(^o^)／：2015/07/27(月) 00:15:06.41 ID:wdQucHxA0.net

主人公が到着するまでの間、ヒロインは少年と話をした
少年によると、少年の一族の人間は６歳になると悪魔へと変貌するらしい
そして悪魔になると、女性の体に興味がわき、「子孫を残したくなる」
少年の兄もそうだった。兄は完全に悪魔になって四人も女性を殺したため、族長たちによって銀の銃弾を撃ち込まれて殺されてしまった

主人公が到着するが、少年は既にヤクザたちに袋叩きにされて全身ズタボロで虫の息だった
それでも少年は「悪魔になるよりは、このまま死にたい」と言い、「祈りを捧げてほしい」と主人公に頼む
主人公は少年の願いを聞き入れ、祈りの儀式を行う
すると少年の顔はみるみる元の人間の顔に戻る
少年は涙を流して主人公に礼を述べ、安らかに息を引き取った
しかし、顔が元に戻ったというのは少年が今際の際に感じた錯覚であり、現実では醜い化け物の顔のままだった
それでも、少年の死に顔は微笑んでいた

主人公とヒロインの分析によると、少年は悪魔憑きではなかった(だから主人公が祈っても顔が戻らなかった)
少年の一族は「肉体が急激に成長する」という特異体質で、顔が化け物の様になるのは一時的な副作用
少数民族はそれを悪魔付きだと思い込んでしまい、彼らなりのやり方で少年たちを救おうとしていたのだ
主人公「あの子は悪魔ではなく人間だった。ただ、我々とは種族が違うだけの」
ヒロイン「そうよね。あの子は、銀の銃弾ではなく、フルボッコによる内臓破裂で死んだんだもの」

死体安置所では、監察医が記録を取っていた
襲われて死んだ女性たちの死体は実は妊娠しており、お腹の胎児は死体の胎内で生き続けていた
監察医は死体のお腹に語りかける
「あなた達の一族は、土葬された母親の死体から産まれてくるのね。でも、この国では死体を土葬ではなく火葬するの。可哀想にね…」