後味の悪い話　その157

26 ：２＠＼(^o^)／：2015/06/05(金) 12:04:57.43 ID:yHM76N5Z0.net

累は咄嗟にＡを押し倒して口付をした
気が付くと、累とＡの顔は入れ替わっていた
母の形見の口紅は、他人と顔を交換する事が出来る不思議な口紅だったのだ

累はＡを脅してトイレに閉じ込め、Ａの顔のまま舞台に戻った
累は生まれて初めて美しい者として羨望の眼差しを浴びることになり、その快感に酔いしれた

演劇終了後、累はＡと共に屋上へ上がり、二人で話をした
するとＡは累に刃物を向ける
「さっさと私の顔を返せ、この化け物！」
累とＡは取っ組み合う
累の口の端が刃物で横一線に大きく切り裂かれると同時に、Ａはバランスを崩して屋上から落下していった
その際、累は「母」がＡを屋上から突き飛ばすのを見たような気がした

累は一目散に自宅に帰った
気が付くと、累の顔は元の自分の醜い顔に戻っており、口は大きく切り裂かれてさらに醜くなっていた

そして累は気付いてしまう
あの母の美しい顔も、口紅の魔力によって誰かから盗んだものだ、という可能性に
そして累の醜い顔は母から受け継がれたものであり、累の父は醜い累の顔を見て姿を消したのだ、という事に

それから、累は「いつか美しい顔を手に入れ、母の様に生きよう」と心に決めるのだった


ちなみに累は今は他人の顔と名義で女優に成ってる
まだ完結はしてないけど、過失とはいえ累は人一人死なせたわけだから、ハッピーエンドは有り得ない気がするしロクな結末は向かえないと思う
というか後味の悪いのが現在も進行し続けてる感じ。宣伝したかったわけじゃないけど興味があったら読んでみてくれ
累は小中学生の頃はまだ良い？性格してたのに、だんだんちょい悪な感じになってきてしまってるのが怖い