後味の悪い話　その157

19 ：本当にあった怖い名無し＠＼(^o^)／：2015/06/04(木) 22:37:23.08 ID:uNWgC/9b0.net

中国時代劇ものの漫画を多く書く藤田あつ子の「顔盗み」
妾を置くのが当たり前の当時、ある男のあまり美しくない本妻と美しい妾が同じ日、同じ時間に娘を産んだ
本妻の子が姉、妾の子が妹として育てられることになった　娘は二人とも母親によく似ていた
姉妹分け隔てなく育てる本妻、妾としての分を弁えて本妻を立てる妾　仲良く育つ姉妹
本妻は「美しくない女が身を守るためには控えめでいること」と　妾は「容姿に驕るつまらない人間になるな」
と、それぞれの娘に言い聞かせて育てた
妾が流行り病で亡くなった後、本妻の娘に縁談が持ち上がった
本妻は「自分は妾が性格が良く自分を立ててくれていたから恵まれていた　だが娘はどうだろう　容姿で苦労させたくない」と思い
ある術師に相談したところ、同年同月同日の同じ時間に生まれたものと顔を取り換える術があると聞いて妾の子と本妻の子の顔を取り換えさせた
美しくなった本妻の子はだんだん驕慢になっていき、「顔が良ければ人に気を使う必要はない」と考えるようになる
嫁ぎ先で髪の梳き方が良くないと小間使いを叩き、夫に頼まれた刺繍を、実家から新妻付きの小間使いとして連れてきた妾の子に丸投げして
さも自分の手柄のように振る舞うような態度を見せ始めた　刺繍の嘘を夫に咎められ、妾の子が夫を誘惑したと思い込んで殺そうとした矢先
顔交換の術をかけた術師が急死（余談だが死因は饅頭を喉に詰まらせて窒息）し、互いの顔が元に戻った
本妻の娘は「きれいでなかったら生きてる値打ちなんかない」と首を吊った

前半で、姉は妹に華やかな生地を「あなたのほうが見栄えするから」と奨め、妹はその礼に刺繍した靴を返す場面があり、
その時点では本妻も妾も姉妹も誰一人悪い人はいなかったから余計に姉の豹変が後味悪く感じた