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∧∧山にまつわる怖い・不思議な話Part77∧∧

701 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2015/07/10(金) 22:01:22.83 ID:73yTCW840.net
半島の反対側へ出るには延々とか細い海岸沿いの道を行くか
半島中心の山を登りに登って下りに下るこれもまたか細い峠道しかない
会社のジジイ共の洗礼後、それなりに彼らとうちとけたトラックドライバーの彼は
初めての行き先である田舎の半島の目的地へのルート選択の助言を何度かどちらのルートも経験しているジジイ共に求めた
皆口を揃えてか細い道など最短距離がいいに決まってるとして、峠道を推してきた
「狸は出るが、怪しいモンなど出ねーよ 泥手形でお祓いしたんだから無敵だろーが!グッヘッヘ」
下衆な笑いは気に食わなかったが、確かに大型車なら狭い道など最短がいいに決まっている

夜の9時に会社を出発して4時間、海岸沿いルートと峠越えルートの分岐点に差し掛かった
正直彼はまだ迷っていたが、峠越えは30分早いってジジイの言葉が決心させた
その日は週末で疲れが溜まっているし少しでも早く到着して仮眠したい
この辺で明け方まで仮眠するのもいいが、か細い道など交通量がほぼ0の深夜に抜けてしまうのが一番だ
帰りもこの道かと思うと憂鬱ではあったが
民家もやがてなくなり、か細い峠道を彼のトラックだけがエンジン音を響かせて登ってゆく
お!出やがったな ほれほれ轢かれちまうぞ 早く草むらへ逃げ込めよ
狸がヘッドライトに照らされながら何故かトラックの進行方向へ一目散に逃げる
何故か狸は道路脇へではなく、しばらく道路上を逃げるのだ
そんな事を繰り返しながらようやく峠頂上の短いトンネルまでやってきた
トンネルを抜け、下りになるとラジオが聞いていた局を受信しなくなりノイズになったのだが、そのノイズに混じって何かが聞える
「げんこつ山の狸さん♪ 山寺の和尚さんは♪ しょ、しょ、しょじょ寺♪」
この童謡3曲が次々に流れだした
クッソ、ちっとも無敵じゃねーと叫びながら半ばヤケクソで下りに下った

帰りは路線バスや地元のダンプとのすれ違いに四苦八苦しながら海岸沿いのルートを通った
会社に帰るとジジイ共がニヤニヤしながら
「狸が3曲出ただろ?グッヘッヘ」
童謡の正体は注意喚起の音楽を奏でる道路の溝だった

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