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後味の悪い話 その156

919 :本当にあった怖い名無し:2015/05/30(土) 06:02:34.69 ID:7ZsvU03ow
国語の教科書で思い出した。
ヘルマン・ヘッセの「少年の日の思い出」

エーミールは「僕」の家の隣に住む先生の息子である。
非の打ちどころがなく品行方正な模範生であり、さらに蝶の保管(標本?)について優れた技術も持っていた。
貧しい家庭の「僕」はエーミールを慕いながらも妬み、憎んでもいた。
「僕」は幼い僕は、青い蝶を捕える。
その標本をエーミールに見せると、エーミールは蝶の珍しさを認めながらも、「僕」の標本が酷いから蝶が台無しだと批評する。
数年後、「僕」が欲しがっていた別の珍しい蝶をエーミールが蛹からかえしたと聞き、エーミールの部屋を訪ねる。
エーミールの居ない部屋で蝶を見ていた「僕」は、誘惑に負けて標本された蝶を盗みポケットに入れる。
すぐに良心の呵責から戻そうとするのだが、蝶はポケットの中でぐしゃぐしゃに潰れていた。
必死に直そうとする「僕」だが、当然つぶれた蝶は元に戻らない。
罪の意識に耐え切れなくなった「僕」は、エーミールに謝罪し、お侘びとして大切な自分の蝶を全て差し出すと提案。
しかし、エーミールは特に怒りもせず、ただ息をひとつ鳴らしてこう言った。

「そうか、そうか、つまりキミはそういうやつだったんだな。」

その夜、「僕」は自分の蝶を全て潰して捨てた。

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