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後味の悪い話 その156
- 797 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2015/05/26(火) 10:39:17.89 ID:ObRqz3Ig0.net
- 三原ミツカズのDOLLもロボもので単発話が多くて後味悪い。
作中に出てくるドール(美男美女のお手伝いロボット)たちを開発した科学者夫婦の話をひとつ。
科学者夫婦は優秀なロボットを開発することに心血を注いでいた。
夫に疲労が見えると妻は「疲れた時は甘いものが一番」とチョコレートを差し出した。
長い時を経て夫婦のロボット開発は認められてきた。
それに反するように妻に異変が現れた。
妻に記憶障害が現れ始めたのだ。
最初は「私○○したかしら?」という軽い物忘れ程度であったが、時が経つにつれ自分が検査入院した事や自分が科学者であること、ついには夫すら「あなた、誰?」と言うようになってしまった。
夫は嘆き悲しみ、開発中のロボットを妻に瓜二つの容姿にしていった。
自分が知る限りの妻の記憶、癖、口調などをプログラミングしていった。
全てのプログラミングが終わり、夫はロボットを起動させる。
目覚めたロボットは妻の名を名乗り、夫の質問(思い出や癖など)に妻の口調で答えていった。
感極まった夫はロボットを抱きしめてこう言った。
「ああ妻よ、キスしてくれないか」
ロボットは答えた。
「それは命令ですか?」
その返答に夫は自分が人間として越えてはいけない一線を越えようとしていた事を実感する。
夫はその後数体の男女を模したロボットを開発するも、現実の人間をモデルにしたり人間の感情を事細かにインプットする事はしなかった。
ロボットの量産化に当たり企業に権利を譲渡する際も「ドール(ロボット)を現実にいる人間に似せてはいけない。人間の感情を与えてはいけない」と制約を強いた。
ロボットの権利を企業に譲った夫は疲弊した顔で妻のいる病室に戻る。
妻は<見知らぬ男>の表情を見ると「疲れた時は甘いものが一番」とチョコレートを差し出した。
チョコレートを受け取った夫は号泣した。
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