不可解な体験、謎な話～enigma～ Part95

本当にあった怖い名無し＠＼(^o^)／

　その人も上行くみたいやし、子供とか女の人ならそのまま決行したかもしれんけど、その人は大柄でちょい怖げなおっさんやった。
　入ってきた瞬間はしゃいでる俺らをギロぉいうて睨むもんやから、誰ともなく顔合わせて『やめよか』って感じで外に出たんや。

　『つまんなかったな』『もっかいやる？』『いや塾やし』『ほうか』ってな感じでお開き。ワイは用事のない奴を自分の家に招き入れて親が帰ってくるまでゲームして過ごすことを提案した。
　したら、仲間の一人が変なこと言い出してな。
　『あの人、なんで二階から、上に行くエレベーターに乗り込んだんや？』って。
　そういえば、二階から下に行くのはともかく上に行くのは珍しい。『しかもあの人どのボタンも押してへんかったし』って。
　『ワイらが入れ替わりで出たから気付かへんかっただけやろ？』いうたんやけど、その子は
　『そもそも、あのエレベーター定員六人なのに、七人目のあのおっさんが乗ってきてブザーならんのおかしいやん』って。
　『あのエレベーター重量限度450やろ？　ワイら体できとう中学生やし、あの人ワイらの誰よりでかかったやで？』って。
　『あの人が体重のあるふつうの人間なら、なんでブザーならへんかったん？　おかしない？』

　その日は解散になった。仲間の体重を全部足して、あのエレベーターにどのくらい余裕があったのかを調べることは簡単だけれど、それをした仲間は一人もいない。