後味の悪い話　その155

939 ：本当にあった怖い名無し＠＼(^o^)／：2015/03/26(木) 23:17:47.72 ID:BOU/pbzc0.net

時代劇「一心太助」

魚屋の一心太助は人情に厚く腕っ節が強い人気者だ
そんな太助を見込んで、渡世人の駒吉が押しかけて来て勝手に子分になる
迷惑に思う太助だが、愛嬌者でかいがいしい駒吉を憎めずに家に置いてやった
「だが駒吉、俺はヤクザじゃねえ！喧嘩と博打は禁止、真面目に働かないなら出て行けよ」
太助の言いつけ通り、駒吉は真面目に魚屋の手伝いをするようになる
明るくて憎めない駒吉だが、江戸に出て来たのにはわけがあった
元は百姓の息子で田舎で任侠を気取っていたが、許嫁のお国が強姦されてしまった
かわいそうにお国は姿を消し、駒吉は復讐を誓った
犯人は江戸で一番の勢力を誇るヤクザ一家の親分だった
太助たち魚屋も一家の嫌がらせを受けて怒っていたが、魚河岸の親方はヤクザとの抗争を禁じていた

駒吉はお国がヤクザ親分の女房になっていたと知り、助け出そうとする
だがお国は「もう親分の子を産んだし、お前さんのことはとっくに忘れたよ！」
そう言いながらも駒吉がくれた櫛を今も大事に髪に刺していた
「お国、今でも俺のことを…ここから一緒に逃げよう！」
しかし駒吉はヤクザ一家に見つかって縛られ、ヤクザ親分に拷問される
太助は魚屋をやめる覚悟で駒吉を助けに向かった
事情を知った魚河岸の親方と魚屋仲間も後から助っ人に加わる

お国は危険を冒して駒吉の縄を解いた
魚屋とヤクザの大喧嘩になり、駒吉も太助たちと共にヤクザと戦う
ヤクザ親分が駒吉を斬ろうとするが、かばったお国が斬られてしまった
「この野郎…！」駒吉は親分を一瞬締め上げるが、すぐに瀕死のお国のもとへ駆けつけた
お国は子供を駒吉に託して息絶えた
「俺が江戸に来たばかりにお前を死なせた、子供は母を亡くした、俺が悪かった…」
ヤクザ一家は魚屋に縛られて役所に突き出された
駒吉は百姓に戻ることにし、お国の忘れ形見（ヤクザに産まされた子）を堅気に育てようと誓った
…一応ハッピーエンドだが色々と切なかった