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後味の悪い話 その155

895 :1/2@\(^o^)/:2015/03/24(火) 16:13:10.03 ID:TQ5zQngUO.net
小松左京「お召し」

厳重に封印された古文書が発見され、
(「古代人類にそんな知恵があったとは!」)
古代文明の謎が解明されるかと思われた。

…書いたのは小学六年生の少年。
「異変」が起きて半年、時が経てばそれを覚えている者もいなくなるからと、記憶が鮮明なうちにこの文書を書き残した。
「異変」前夜、「空とぶ円ばん」がたくさん現れたが、少年は眠かったので寝ぼけまなこで見ていただけ。

翌日、一時間目のチャイムが鳴っても教師が現れない。
各クラスの学級委員が教師や小使いを探したが、登校時にはちゃんといた大人たちが一人もいない。
学校のまわりを調べてみても、大人たちは一人もいない。
台所のお鍋は吹きこぼれているし、ベビーベッドの赤ん坊は泣いているし、ほったらかしのアイロンでアイロン台が焦げている。
12歳未満の子供しかいないと知った少年たちは、大人たちが戻るまで僕ら子供たちだけでちゃんと暮らしていこう、と決める。

市内の他の小学校とも連絡を取り、空いている家になるべくまとまって暮らし、四年生以上の者が小さい子の面倒を見て、(子供に消防車は動かせないので)火事に気をつけようと決まった。
発電所や水源地は自動化されているからしばらくもつし、人口が減ったのだから食料や電気や石油は少なくてすむ。

隣の小学校の、七歳で微分積分をマスターし兄名義でアマチュア無線の免許を取り来年はアメリカの大学に飛び級で留学するはずだった天才児が、自分たちか大人たちのどちらかがパラレルワールドに飛ばされたのかもしれないと仮説を述べた。

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