後味の悪い話　その155

665 ：本当にあった怖い名無し＠＼(^o^)／：2015/03/06(金) 21:23:52.93 ID:R0FZD3MS0.net

前の職場での話。
自分の勤めてた職場では特許品の査定をやっていてよく業者が売り込みに来ていた。
ある日、TVアンテナの売り込みをしに一人のおっさんが来た。
担当の上司が来るまで茶を出して間をつないでいた自分におっさんが売り込みに来た経緯を話し始めた。

おっさんの作ったアンテナは高感度の小型タイプ。
事務所も工場もわざとテレビ電波が入りにくい地域に立て、試行錯誤を繰り返して作った。
戸建やマンションだけでなく、3.11などの被災地にある仮設住宅でも設置が可能なものだ。
おっさんは会社や行政に出向いてアンテナの売り込みをした。
しかし、売り込みは失敗し続けた。
会社や行政は販売大手やその土地に密着した業者を優先するので受け入れられないんだと。
特許品コンクールで賞を取っても受け入れられず、結局はコンクールなんて茶番なんだと知った。
それでも自分はこれを売り込むんだと。

その後上司が来て自分は部屋を出た。
案の定、おっさんのアンテナは査定を通らなかった。
上司曰く「ああいう泣き落とし話をして査定を通そうとする奴いるんだよね」との事だが、自分の中ではおっさんの話はホントなんじゃないかと思ってる。