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後味の悪い話 その155
- 62 :1/2@\(^o^)/:2015/01/27(火) 01:58:31.89 ID:zMwOWk5KO.net
- レイ・ブラッドベリ「微笑」
瓦礫の中、広場に行列がのびている。遠くから駆けてきた少年も行列に加わり、大人たちにからかわれる。
「坊主、何しに来たんだ」
「えらいえらい、この子は見所がある。"あれ"に唾を吐きかけてやるんだろ?」
「ほほう、そのために駆けてきたのか。たいしたもんだ」
「ねえおじさん、僕らってなんで"あれ"に唾を吐きかけるために並んでんの?」
「ん?そりゃ、俺たちをこんな目にあわせた昔のやつらが大事にしてた物だからさ」
「そうそう、俺たちが腹ぺこでタバコも喫めず掘っ立て小屋や洞窟で暮らしてるのは、全部昔のやつらのせいなのさ」
「そうそう、だから俺たちは週末ごとに、昔のやつらが大事にしてた物をぶち壊すのさ。先週、最後の自動車のフロントガラスをぶち破ったのはこの俺だ」
「ふうん…ねえおじさん、"あれ"は美しいって聞いたんだけど、美しいって何?」
「知らんね、美しいって事を理由に昔のやつらが大事にしてたらしいが」
「ふうん、そうなんだ…ねえおじさん、"あれ"はほんのり微笑むんだってね」
「知らんね、そら来たぞ坊主」
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