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後味の悪い話 その155

485 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2015/02/24(火) 13:33:39.48 ID:2pANEQe+0.net
『よみがえる魔法の物語』わたりむつこ著

小人の双子(男女)が活躍する児童文学三部作の最終巻だが、シリーズだということを知らずに読むと、この本の主役は母親を失ったばかりのオビトという小人の男の子。

小人の世界では過去戦争があり、オビトは魔法で巨大なドームを作って中で暮らす決断をした一族の子孫。しかし今は数名を残して死に絶え、ドーム自体も急速に縮んでいる。
中から外に出る手段はなくドームを壊すには外部からの協力がいるが、外の状況は分からない。
オビトは老人から「投げる」の魔法を教わり、物と言葉をドームの外に飛ばすことで必死に外との交信を図る。
この辺りのオビトの絶望と希望に揺れ動く心の葛藤が、子供心にはかなりくる。

ある日努力がみのって、オビトは外の世界を旅していた双子達との交信に成功する。
お互いの存在や状況を確認しあってドームを壊す方法を伝え、そこから双子達の冒険がいろいろあって、終にドームは壊される。

本当に良かった…と、外に出たオビト達の姿に喜びを噛みしめた後の最終章。

年老いた双子(男)が昔を回想し、「オビト達は必死で外の世界に適応しようとしたけれど、ドーム内と外では環境が違いすぎて長くは生きられなかった…」みたいな事を言い出す。
心の強い頑張り屋のオビトだから、本当に頑張ったに違いないのになあ…というやりきれない気持ちがトラウマ級だけど、忘れられない名作。

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