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∧∧山にまつわる怖い・不思議な話Part76∧∧
- 32 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2014/12/11(木) 21:18:52.28 ID:p9vs/2oY0.net
- ですが暫くすると、妙な事が起き始めました。一郎さんが夜、家に居ると何やら臭いがして息遣いも聞こえる。
元マタギの一郎さんは、すぐにそれが熊のものであると分かりました。しかし、家の中や周囲を探しても熊は居ない。
また、ある時は一郎さんの畑にだけ、熊の足跡が沢山残されていた事もありました。
別の日の夜、彼が夜道を歩いていると後ろに気配する。振り向くと、そこには仁王立ちになった熊が。胸元には白い模様が無い。あの熊だ…。
こんな事が続いて、一郎さんはすっかり人が変わってしまいました。恐怖を払拭する為かお酒の量も増え、酔うと延々、あの熊の話をする。
「アイツは俺を許してないんだ。俺はいつか、必ずアイツに殺される」
そしてとうとう、最悪の事が起きます。
ある日の夜、やはりお酒を飲んで酔っていた一郎さんは、何やら訳の分からない事を叫んだかと思うと外に飛び出し、そのまま居なくなってしまいました。
村の人達は手分けをして探しましたが、一郎さんは影も形もありません。
しかし数日ほどして、村のすぐ近くを流れる川で釣りをしていた子どもが、一郎さんの遺体を発見しました。
見つかった一郎さんは川岸の岩に腰掛けて、一見すると座ったまま眠っているんじゃないか、という状態で亡くなっていたそうです。
また岩の周囲には、熊の足跡と毛が、沢山残されていました。
余談ですが、一郎さんを発見した「釣りをしていた子ども」が、私に上記の話を聞かせてくれた、ご老人その人です。
俺自身は、本当に熊の幽霊が出たかどうかは分かりません。けれど一郎さんに付き纏う「熊の影」は、多くの村人も見ていたそうです。
そうなると、やはり山には人間の知識や常識が通用しない、何かがあるんじゃないか、と思えてきます。
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