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後味の悪い話 その153

266 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2014/10/04(土) 17:13:28.55 ID:WzfQtpuU0.net
子連れ狼(北大路欣也版)の一エピソード

柳生一族に命を狙われながら、刺客稼業をしている拝一刀は、
とある小藩の奉行・嘉門に「娘婿の善兵衛を殺してくれ」と依頼される
善兵衛が領内の山村で百姓の一揆を煽動しているというのだ
一揆を起こせば百姓は皆殺し、お上に知れれば小藩ごときは潰されてしまう
百姓のためを思えば一揆は防がねばならない、と嘉門は話す

だが実は、善兵衛は煽動どころか、悪代官にいきり立つ百姓たちを鎮めていた
彼も代官の悪行は許せなかったが、百姓たちを犬死にさせたくなかったのだ
しかし彼らの怒りは抑え切れず、善兵衛はついに自分一人で悪代官を討ち、
自分一人罪を被って斬首を言い渡される
嘉門は一刀に、真実を知らなかった…としみじみ語る

が、それは嘘で、嘉門が一刀に依頼した理由も全て嘘だった
山村一揆を煽っていたのは、実は嘉門だったのだ
小藩をとり潰す柳生一味の陰謀であり、嘉門は柳生の手先だった
一揆を鎮める善兵衛が邪魔で、首謀者に仕立て上げ消そうとしたのだ
一刀は、一揆を起こそうとする百姓を抑え、柳生の陰謀を暴いて嘉門を斬った

義父の死にショックを受ける善兵衛
彼は自分の命は惜しくなかったが、妻子(嘉門にとっては娘と孫)まで、
悪代官を討つ前に、死出の供をすべく自害してしまっていたのだ
そして百姓を散々煽っていたのが父上だったとは…
善兵衛は嘉門の脇差しを抜いて切腹し、一刀に介錯を頼んだ

一刀が家中の者と百姓を説得し、一揆はなかったことにして、
藩も百姓も助かったようだが、善兵衛一家が不憫すぎる…特に妻子
また、沙汰が下るまで軟禁中の善兵衛のところに、一刀の息子・大五郎が毎日遊びに来るんだが、
善兵衛は「風邪を引くから雨の日は来るな」と気遣い(死んだ息子と大五郎が同じくらいの年)、
斬首を言い渡されると「(大五郎が来ない)雨の日に処刑して欲しい」と願い出るのも切なすぎる

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