∧∧山にまつわる怖い・不思議な話Ｐａｒｔ75∧∧

206 ：本当にあった怖い名無し＠＼(^o^)／：2014/09/25(木) 22:03:08.57 ID:YIV7G6ee0.net

月夜見峠の第一駐車場の前の道路を横断し、尾根への小高い階段を登れば
横地監物を祀った石の社がある

小田原征伐で関東攻略を狙う秀吉は上杉、前田らに命じ、主の居ない八王子城を強襲
城代の横地監物は城を捨てて脱出
反撃の期を得んと檜原城へと遁走するが、そこでも敵襲に遭い檜原城も落城
横地は又も山伝いに逃げるが、小河内峠にて追手に傷を受けた事により落命する
月夜見峠は小河内峠よりの尾根続きにあたる

五月の初旬、走りに来たついでに横地社まで歩き、傍らの尾根道で休憩を取りながら
心地良く吹き渡る風の中で立禅を組んでいた

ふと、眼を閉じていると自分の背後の月夜見山への尾根道が見えるような気がしていた
禅を組むと時折こうした瞼を閉じているのに何かを見ている感覚が起こる事はよくある

するといきなり何者かにドーンと背後から前に突き飛ばされた
同時にビュゴーッと背後から土混じりの突風が吹き抜けて行った

「わ、わて、ホモちゃうわ！」

直後に誰かが風の中でそう言った

「ホモってなんよ…」

その言葉に疑問を投げかけるように独り言を呟くと
慌てて横地社の前から階段を降り、停めてあったバイクに戻った
空模様が崩れだしていた

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