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死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?322
- 585 :本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2014/08/07(木) 01:23:13.87 ID:aU4JYQIe0.net
- >>571の人が投げちゃったみたいなんで続き書いてみました。
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「ぐふっ」床に倒れたまま声が漏れた。
「大丈夫、大丈夫、心配はいらない。驚いただけだから」そう言いながら俺は席に着いた。
「最悪っすよ最悪。即死じゃないすか?」若いのが高揚した顔で事務所へ飛び込んできた。
「オレ、屋上見てきていいスか?」そう言い終わる前に、踵を返して出て行った。
私は窓辺に戻り、雪の中に倒れている彼女を見た。
真っ更なキャンバスのような雪の上に、投げつけた絵の具のような赤。
「ぐふっ」また声が漏れてしまった。
「灰皿ンとこでしたよ、灰皿んトコ。ペンチで金網を切って飛び降りたみたいス」
戻ってくるなり嬉しそう言った。
「そうか、自殺か。悲しいことだね。」窓から下を見たまま私は言った。
「ちょっとトイレに行ってくるよ」 私はそう言って、下を向いたまま窓を離れた。
突然に突き上げくる笑いを抑えるのは、これ以上は難しい。
このビルでタバコを吸うのは、私と彼女を含めても4・5人
金網に体を預けるクセのある子だと、覚えている者など居ないだろう。大丈夫だ。
そんな事より、やはり、赤いペンチにするべきだった。
彼女のように雪にとても映えたろうに。残念だ。
ボンヤリと考えながら、雪に埋もれかけたペンチと、外に折れた鉄柵と
ビルの下の彼女を何度も眺めながら、痺れるような豊かな時間を味わった。
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