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ほんのりと怖い話スレ その102

586 :sage@\(^o^)/:2014/05/19(月) 21:40:51.10 ID:XRI2Qz5Z0.net
584続き、ラスト。

母を名乗る女の人に連れられて当時住んでいた都市部のアパートに帰ったが、見覚えのない巨大な扇子が部屋に飾られていたり、玄関の横に物置のような部屋(「反省部屋」と呼ばれていて、母?に叱られた後に、夕ご飯までそこに閉じ込められることが何回かあった)が増えていた。
父親は記憶の通りの顔かたちでほっとした。
それからも祖父母の家に行くことが何度かあったので、現れた縁側の扉や客間の食器棚、消えた小鳥と小魚についておじいちゃんに聞いてみた。
現れたものは元からあって、消えたものは元からないことになっていた。
おじいちゃんは私が小鳥と小魚を欲しがっているのかと思ったようで、次に遊びにいった時には玄関に鳥かご、居間にアクアリウムがあった。
母?は「急に水槽とか鳥とか、お父さんどうしちゃったんだろう」と不思議がっていた。

私が高校を卒業する頃には祖父母とも亡くなってしまった。
私は県外の大学に進学したために2年前に家を出て、今は父、母?、妹の三人で暮らしている。
今年の4月に母から電話がかかってきた。祖父母の家で遺品整理をしたという。
「いつの間にか客間にばかでかい食器棚増やして使いもしないティーセット飾っちゃってさあ」
と愚痴られてぞわっとした。
その日は適当に話を合わせて電話を切り、GWに帰省した。
十数年見慣れた母?と現在の母の違いは、私にはもう曖昧になってしまったが、
母?から生まれた妹には「ママ、お姉ちゃんがいなくなってから違う人みたいになっちゃった」と
言われた。
「どういうふうに?」と聞いたら「なんとなく別人な気がする」というはっきりしない答え。
帰省する当日、母と二人でお昼ご飯を食べながら
「おじいちゃんちに小鳥と小魚いたけど、なんで飼い始めたんだろうね」と
何気ないふうを装って話を振ると、
「昔から、鳥とか魚とか、何がかわいいのかわかんないもの飼うの好きな人だったからねえ。
実家にいた頃はママがお世話してて、ママの部屋だった離れを鳥屋敷にするくらいいっぱい飼ってたときもあったのよ」と苦笑いしていた。
私の母は戻ってきたが、妹を産んだ母?はどこに行ったのだろう。
父はこの異変に全く気づいていない。

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