【WoWS】World of Warships 第538艦隊

名も無き冒険者

日曜の夜、鯵鯖某所
軍艦愛好家たちが集まる小さなクランのクラン戦オフが開かれようとしていた
集合時間10分前、既に来ているメンバーは6人
その輪の中へ、俺は愛艦の暁で乗り付けた
「おはよう！アカツキッドです！今日はよろしく！」
元気よく自己紹介する
「…あ、おはようございます」
「アカツキッドさんってT10所持してますよね？迷彩も…」
なぜか皆の視線が泳いでいる
「遅くなってスイマセ〜ン！」
デモインに乗ったオッサンが大きな声を出しながらやってきた
「幹事のデモインオヤジです。今日は皆さんよろしくお願いします」
この人が今回のクラン戦の司令官であり、サイトの管理人でもあるデモインオヤジさんだ
「あ、どうも！アカツキッドっす。よろしく」
俺が挨拶をすると、デモインオヤジは眉間にシワをよせて、俺と暁をジロジロと見てきた
「え〜っと…アカツキッド君だっけ？君さぁ、今日どこに行くか知ってる？」
「え…？typhoonリーグを目指しながらクラン戦オフっすよね？」
「うん。で、君の駆逐艦…それ暁（）だよね？」
何が言いたいのかわからない。愛艦を括弧付呼ばわりされてイラっときた俺は言った
「何が言いたいんスか？」
「クラン戦に乗るんだけど…T7艦は乗れないよね？」
「…大丈夫っスよ！ブン回せば皆さんに迷惑かけないくらいのスピードは出ますし」
爆笑の渦が起こった。そしてデモインオヤジは苦笑いしながら言った
「T7艦は今クラン戦を走っちゃダメなんだよ。それにその出撃情報を見てごらん」
視線を落とす。そこにはTier10が指定のメーターがあった
「デモインはレーダー使って襲って来るからね。君の暁じゃ逃げられないよ（苦笑」
俺は泣きながら家に帰ると、そのまま枕を濡らして眠ってしまった
目を覚ますと午前2時、パソコンの電源を入れてあのサイトを覗いてみる
そこの掲示板には、今日のクラン戦オフを楽しそうに振り返るメンバーたちの書き込みがあった
俺は偽ハンドルネームを使って『デモインオヤジ臭ぇんだよ！死ね！』と書き込む。
すぐに管理人からのレスがあった
『暁君だね。当サイトのルール通り、君をアク禁にします』